JP3939219B2 - 鉄道先頭車両用車体及びそれを用いた鉄道先頭車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高速走行する新幹線等の鉄道先頭車両用車体及びそれを用いた鉄道先頭車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、新幹線などの高速の鉄道車両が、トンネルに突入する場合には、トンネル内の限られた空間に存在する空気を先頭車両が押し込むように圧縮するので、これが圧縮波となってトンネル内をほぼ音速で前方へ伝播される。そして、この圧縮波はトンネルの出口に到達したときに出口で反射されるが、一部はパルス状の圧力波(爆発音)となってトンネル出口から外部へ放射されることが知られている。このパルス状の圧力波を、微気圧波(トンネル微気圧波)といい、トンネルの出口付近では爆発音とともに微振動等が生じ、周辺の環境に影響を及ぼす場合がある。
【0003】
そのため、高速性能が要求される鉄道車両では、先頭車両の車体先頭部の形状に、いわゆる高速走行時の走行抵抗を減少させるだけでなく、前述したところのトンネルに突入した際に生じる微気圧波を低減させることができる形状とすることが必要とされる。
【0004】
近年、そのような微気圧波を低減させる先頭車両の車体形状がいくつか提案されている。すなわち、
(1)例えば特開平7−89439号公報には、横断面積が一定の胴部に接合する接合部から最先端に至る先頭領域を尖らせ、先頭領域の上面側へ突出する運転室窓部(キャノピー)の前後の長さを、先頭領域の前後長さより短くし、運転室窓部の突設根元部に連接する上方肩部の横断面積を、上方肩部に隣接する隣接肩部の横断面積より小さくし、前記先頭領域における最先端寄りの横断面積急変域を除く領域のスカート部または仮想スカート部を含む横断面積を、接合部から最先端へ向かっていく程に正比例に減少させた構造に先頭部の車体を構成するものが記載されている。
(2)例えば特開平8−198105号公報には、車体先端から車体前後方向における車体横断面積が増大する先頭部を有した鉄道車両において、先頭部を先端領域と中間領域とから構成し、先端領域は最大車体横断面積の半分の断面積に相当する位置よりも先端側とし、中間領域は該先端領域よりも車体長手方向他端側とし、前記中間領域は一定の断面積変化率によって車体横断面積が変化し、かつ前記先端領域の断面積変化率を中間領域の断面積変化率よりも大きくするものである。この技術においては、前記中間領域に運転室を配置しており、この運転室部前面窓の傾斜角度を前方注視に支障のない角度としており、前記運転室前面窓の両側方部分より下方に凹み部を形成するものが記載されている。
【0005】
しかしながら、上記公報に記載の両技術は、次の点で大きな課題を有する。すなわち、
第1に、いずれの技術も先頭部の横断面積の変化が先頭車両の車体先端から後方の接合部(一般断面部あるいは最大横断面積部との接合部)にかけて車体横断面積が連続して緩やかに増大するように、先端から後方にかけてやや上方に傾斜する曲面形状に形成するとともに、その傾斜曲面部分が車体前後方向にできるだけ長くなるように先端部をノーズ状に延ばしている。このため、実際の車体形状の製作に際しては、骨組みに溶接等により張り付ける板金を、ハンマー等で打ち出すことによって凹凸部などの複雑な形状を形成しているので、作業に熟練を要することはもとより、多大な時間がかかって生産性が非常に低く、製造コストが極めて高くなるうえに、車体先頭部の車体前後方向において占める長さが長くなるため、車室が制限され、乗車定員が減少する。
【0006】
第2に、いずれの発明も先頭部の横断面積の変化が先頭車両の車体先端から後方の接合部にかけて直線的(正比例)に連続している。このため、鉄道車両がトンネル内に突入したときの、トンネル内のある位置における圧力変化は、圧力勾配が緩やかになっているとしても漸次高くなっている。一方、トンネル内を伝播する圧縮波の速度(音速に近い)は、圧力が上昇するのにしたがって速くなるから、トンネルの距離がある程度長くなると、せっかく車体の先頭部形状を工夫したことによって圧縮波の圧力を分散したにも拘わらず、分散された圧力がトンネルの出口では集合されて一度に大きな圧力のパルス状圧力波(微気圧波)となって外部へ放射され、トンネルの出口周辺において大きな爆発音が発生したり、振動等が生じたりするおそれがある。
【0007】
そこで、出願人は、鉄道車両がトンネル内に突入する場合に、トンネルと車両によって発生する微気圧波を分散させて低減するための鉄道先頭車両の車体形状を先に提案している(特開平11−321640号公報参照)。具体的には、車体の先端部分をやや後方に傾斜させて上方に立ち上げることにより第1段目の横断面積変化領域を形成した後、横断面積をほぼ一定に保ってほぼ水平に後方に延設した後、再びやや後方に傾斜させて上方に立ち上げることにより第2段目の横断面積変化領域を形成し、前記第1段目の横断面積/前記第2段目の横断面積の面積比が0.6以上で、前記第1段目と第2段目の横断面積変化領域の間隔を15m以上にしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成にすると、微気圧波の低減に効果があるとしても、そのために前記第1段目と第2段目の横断面積変化領域の間隔を15m以上にする必要があり、車両の長さが長くなってしまう。そのため、車両の長さを長くすることなく、すなわち前記第1段目と第2段目の横断面積変化領域の間隔を広くすることなく、微気圧波の低減効果を得たいという要求がある。
【0009】
その一方、現在高速走行している車両の一つとして、前記第1段目と第2段目の横断面積変化領域の間隔が9.2m程度で、走行速度が255km/hの性能を有するものが知られており、さらに走行速度を30km/h速めて、走行速度285km/hでもって高速走行したいという要求がある。
【0010】
そして、発明者らは、走行速度285km/hでもって高速走行することを検討する際に、前記第1段目と第2段目の横断面積変化領域の間隔を広くすることなく、微気圧波の低減効果を得るべく研究開発を進めたところ、発明者らは、このような車体形状を考える場合に、組み合せが多すぎて解き方がまったく分からない問題でも比較的スムーズに最適解を求めることができる遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)が、最適化設計手法としてもっとも適していることを知見した。
【0011】
ここで、遺伝的アルゴリズムとは、ミシガン大学のJ・ホランドによって一九七五年に提案され発展してきたもので、メンデルの法則やダーウィンの進化論で示されている自然界の自然淘汰(進化)の過程そのもの、すなわち生物が遺伝子を組み換えながら進化する「進化過程」をモデル化し、最適化問題の解法に応用した確率的アルゴリズムである。つまり、遺伝子に見立てた複数の個体(解の候補)からなる集団を用いて、解の候補を次々に組み換えて最適解を探索する計算手法である。GAでは、解の候補をビット列に置き換える。ビット列の解釈を与えるのが適応度関数である。その関数は各ビット列に対して、与えられた問題空間におけるその問題の強さ(適応度)を与える。次にビット列を部分的に入れ替える「交叉」や、確率的に選んだ適当なビットを反転させる「突然変異」の処理を施す。その中から所定の条件を満たす(適応度の高い)解の候補だけを取捨選択して、同様の操作を繰り返す。環境に適応した生物だけが生き残れるように、条件を満たす解の候補が自動的に作成できるようになっている。
【0012】
そこで、発明者らは、理想的な鉄道車両の先頭車体について、最適な車体形状を得るために、従来までの形状設計に関する試行錯誤的な手法から、数値流体解析(CFD解析)と最適化設計手法(遺伝的アルゴリズム)を組み合わせて、数値的に微気圧波が低減する最適先頭形状(最適断面積分布)を研究開発したところ、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
本発明は、車両の長さをあまり長くすることなく、高速車両がトンネルに突入する際に生ずる微気圧波を低減することができる鉄道先頭車両用車体及びそれを用いた鉄道先頭車両を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、先頭部分より横断面積が最大でほぼ一様となる一般部分に至るまでに、横断面積が車体前後方向に沿って変化する鉄道先頭車両用車体であって、前記先頭部分と、前記一般部分の直前の部分に、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を設け、前記前側の断面積変化領域と後側の断面積変化領域とは、断面積増加率が2.0m2mであり、前記両領域の間の部分は、断面積増加率が0.3m2mであり、かつ前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.6である中間断面積変化領域とした構成とすることが考えられる。ここで、「一般部分の横断面積に対する面積比が0.6である中間断面積変化領域」とは、中間断面積変化領域のほぼ中間点で前記面積比が0.6であることを意味する。
【0015】
このようにすれば、先端側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を存して設け、前記前側の断面積変化領域と後側の断面積変化領域とは、断面積増加率がほぼ等しく、前記両領域の間の部分は、前記前側及び後側の断面積変化領域よりも断面積増加率が緩やかであり、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.6である中間断面積変化領域としているので、トンネル入口から所定距離の位置で鉄道車両がトンネル内に突入する際に、前側及び後側の断面積変化領域によって、圧力変化の状態が緩やかで、しかも2段に分散されて段階的に最大車体横断面積の一般部分がトンネル内に入るまでの圧力(最大圧力)に達する。この際、トンネルに突入する際に生じる圧縮波(圧力上昇)は、車体の断面積変化領域を前側と後側に分散させることによって低減される。
【0016】
特に、前記前側及び後側の断面積変化領域での断面積増加率は2.0m2mであり、前記中間断面積変化領域の断面積増加率は、0.3m2mであるようにしているので、従来の車両(前記第1段目と第2段目の横断面積変化領域の間隔が9.2mで、走行速度が255km/hの性能を有するもの)に比べて、15%程度微気圧波が低減される。
【0017】
このような微気圧波を低減する前記横断面積の分布を満足させ、運行に必要な運転席スペースを確保するために、前記前側の断面積変化領域から前記中間断面積変化領域の中間部分付近まで、車体幅方向中央部にほぼ運転室の幅に相当する幅を有し徐々に高さが高くなることで横断面積が増加する突部が形成され、前記突部が、前記中間断面積変化領域の中間部分付近から、上方向及び左右方向に膨らむことで横断面積がさらに増加し、前記一般部分の高さ及び幅に等しくなる構成としているので、微気圧波を低減することができる形状において、車体幅方向中央部にほぼ運転室の幅に相当する幅を有する突部を設けることで、運転室のレイアウトが無理なく実現される。
【0019】
また、鼻先断面積拡大形状の立ち上がりはもっと急激である方が微気圧波の低減に効果があるとの知見に基づき、請求項1の発明は、先頭部分より横断面積が最大でほぼ一様となる一般部分に至るまでに、横断面積が車体前後方向に沿って変化する鉄道先頭車両用車体であって、前記先頭部分と、前記一般部分の直前の部分に、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を設け、前側の断面積変化領域の断面積増加率は7.0m2mである一方、後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.5m2mであり、それらの間の部分は、断面積増加率は、0.3m2mで、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.5である中間断面積変化領域としたり、請求項2に記載のように、請求項2において、前記後側の断面積変化領域の断面積増加率を、1.5m2mとするのに代えて、2.0m2mとすることで、より一層の微気圧波の低減効果を得ることもできる。
さらに、微気圧波の低減効果を得るために、請求項3に記載のように、前記先頭部分と、前記一般部分の直前の部分に、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を設け、前記前側の断面積変化領域の断面積増加率は6.0m2mである一方、前記後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.3m2mであり、それらの間の部分は、断面積増加率は、0.7m2mで、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.5である中間断面積変化領域とすることも可能である。ここで、「一般部分の横断面積に対する面積比が0.5である中間断面積変化領域」とは、前述した場合と同様に、中間断面積変化領域のほぼ中間点で前記面積比が0.5であることを意味する。
【0020】
請求項1〜3の場合には、さらに、前記中間断面積変化領域から後側の断面積変化領域にかけて、幅が徐々に狭くなってほぼ運転室の幅に相当する幅となり、それから幅が徐々に大きくなって一般部分の車体幅に等しくなる一方、高さは徐々に高くなる突部が形成されているようにしているので、前述した断面積増加率の関係を達成できる形状を無理なく形成することが可能となる。
【0021】
請求項4に記載のように、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道先頭車両用車体を用いた鉄道先頭車両であって、前記中間断面積変化領域に運転室風防を配設し、前記中間断面積変化領域の後側部分及び前記一般部分の前側部分に、車両左右方向に延びる前側及び後側の横通路を形成し、前記両横通路を、車両左右方向に一側において車両前後方向に延びる縦通路でもって接続し、前記前側及び後側の横通路の左右両側に乗降用扉を配設し、前記縦通路の左右両側部分及び横通路の前後側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器を配置した構成とすることができる。ここで、「前記縦通路の左右両側部分及び横通路の前後側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器を配置した」とは、縦通路の左右両側部分及び横通路の前後側部分のすべての部分に各種機器を配置するという意味ではなく、それらの部分のうち各種機器が配置されていない部分がある場合も含まれる。
【0022】
このようにすれば、微気圧波を低減することができる形状において、横断面積の変化にもかかわらず、運転室風防、モニタ中央装置、自動列車制御装置及び総括配電盤などの各種機器のレイアウトが無理なく実現され、また、縦通路の左右両側部分及び横通路の前後側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器を配置するようにしているので、運転士が乗降する際に、各種機器が配置されている部分を通過することなく、乗降することができ、運転士の乗降もスムーズに行える。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0024】
図1は本発明に係る鉄道先頭車両の基本形状を示す側面図、図2は同平面図、図3〜図8は図1のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線、E−E線及びF−F線における断面図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、本例の車体1は、平面視では従来の新幹線用先頭車両の車体と同じような略弾丸形の流線形状からなっており、側面視においては車体1の上側部分が変化し、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する2つの断面積変化領域すなわち前側及び後側の断面積変化領域Z11,Z12を設けて、横断面積を前後方向において2段階に大きく変化させ、横断面積が最大でほぼ一様となる一般部分Z3に至っている。このように、車体1の横断面積が車体前後方向に沿って変化しているが、断面積増加率がほぼ等しい前側の断面積変化領域Z11と後側の断面積変化領域Z12との間の部分を、前記前側及び後側の断面積変化領域Z11,Z12よりも、横断面積増加率が緩やかであり、前記一般部分Z3の横断面積に対する面積比が0.56〜0.63の範囲(ほぼ中間点で0.6程度)である中間断面積変化領域Z2としている。具体的には、前記前側及び後側の断面積変化領域Z11,Z12での断面積増加率は、2.0m2/m程度でほぼ等しく、前記中間断面積変化領域Z2の断面積増加率は、0.3m2/m程度としている。なお、前記中間断面積変化領域Z2の、一般部分Z3の横断面積に対する面積比が0.56〜0.63の範囲であるから、前側及び後側の断面積変化領域Z11,Z12の、一般部分Z3の横断面積に対する面積比がそれぞれ0〜0.56の範囲、0.63〜1.0の範囲となり、それらの領域Z11,Z2,Z12はなめらかに無理なく連続するように接続されているのはもちろんである。
【0026】
このような断面積分布を満たすために、前記車体1は、前記前側の断面積変化領域Z11から前記中間断面積変化領域Z2の中間部分付近まで、車体幅方向中央部にほぼ運転室の幅に相当する幅を有し徐々に高さが高くなることで横断面積が増加する突部1aが形成され、前記突部1aが、前記中間断面積変化領域Z2の中間部分付近から、後側の断面積変化領域Z12において上方向及び左右方向に膨らむことで横断面積がさらに増加し、前記一般部分Z3の高さ及び幅に等しくなるように形成されている。
【0027】
上記車体形状(車体1)は、従来までの形状設計に関する試行錯誤的な手法ではなく、CFDと最適化設計手法(遺伝的アルゴリズム)を組み合わせて、数値的に微気圧波が低減する最適先頭形状(最適断面積分布)を求める設計技術を適用して求めたものである。
【0028】
具体的には、「人口」と呼ばれる解の集団を作り、これを構成する「個体」(設計変数を一組有するもの)と呼ばれる解候補群が「選択」「交叉」、そして「突然変異」というプロセスを繰り返しながら最適解へと収束していくものである。基本的なフローチャートは、図9に示す通りで、まず、設計空間内でランダムに設計変数を発生し(ステップS1)、初期集団内の固体を評価し、成績の善し悪しを判断する(ステップS2)。それから、成績の良いもの(親)を優先的に選択し(ステップS3)、成績の良い2つの”親”から、重み付けを使って”子”を作成し(ステップS4)、”子”に対し、設計空間内で攪乱を付加する(ステップS5)。それから、作成された”子”を評価し、成績の善し悪しを判断し(ステップS6)、評価が最適であれば、最適解とし(ステップS7)、最適でなければ、ステップS3に戻る。
【0029】
上記最適化手法を用いて得られた車体形状の最適断面積分布を、図1に二点鎖線で示す従来の車体形状についての断面積分布である初期断面積分布(図10破線参照)と一緒に図10に示し、これを具体化したものが前記図1〜図8に示すものである。
【0030】
図10において、一般部分の横断面積がほぼ11m2程度で、先頭部分の緩やかな部分(中間断面積変化領域のほぼ中間点)の横断面積はほぼ6.5m2程度で、その比は0.59であり、0.6程度である。そして、図10より、前記前側の断面積変化領域Z11と後側の断面積変化領域Z12との断面積増加率は2m2/m程度(直線L11,L12参照)であり、前記中間断面積変化領域Z2の断面積増加率は、0.3m2/m程度(直線L2参照)であることがわかる。ここで、断面積増加率は、各変化領域での変化を直線的変化であるとみなして求めたものである。
【0031】
続いて、上記横断面積分布の車体について、微気圧波の低減作用が生じる根拠を、計算に基づいて説明する。
【0032】
計算条件について詳しく説明すると、非定常、軸対称、圧縮性および非粘性を仮定した数値流体解析(CFD解析)を用いた。ここで、最適断面積分布形状を求めるための計算条件は、列車速度:285km/h,列車/トンネル断面積比:0.173とした。また、先頭部分(先頭長さ9.2m)における断面積分布のみ変化させ、一般部分の断面積分布は一定とした。
(1)基礎方程式:2次元軸対称圧縮性オイラー方程式
(2)空間離散化:非構造格子法によるセルセンター型有限体積法
(3)収束計算;基本変数のMUSCL+SHUS(Simple High resolution Upwind Scheme)による高精度風上法
(4)時間積分:MFGS(Matrix Free Gauss Seidel)陰解法
(5)解析手順
▲1▼非定常計算の初期条件を得るために、障害物のないいわゆる明かり区間において定常計算による収束解を求める。
▲2▼▲1▼で求めた結果を初期条件に、トンネル突入による非定常計算を行う。トンネルと鉄道車両(列車という)の間に相対的な運動が発生するため、計算領域を、図11に示すように、トンネルを含む領域P11、列車を含む領域P12との2つに分類し、それらを相対的に移動させて計算を進めた。
▲3▼圧力変化の観測点×はトンネル入り口から80mの地点のトンネル内壁上とした。
【0033】
図12に、前記最適化手法による微気圧波の低減効果を示す。ここで、従来の車両(前側及び後側の横断面積変化領域Z11,Z12の間隔が9.2m程度で、走行速度が285km/hの性能を有するもの、図1の破線参照)を基準の車体形状として、その圧力時間変化(dp/dt)の最大値を1とし、指数化して、評価値として表示した。なお、形状の連続性を考慮して、ベジェ曲線で平滑化した。
【0034】
この結果から、CFDと最適化設計手法(遺伝的アルゴリズム)を組み合わせて、数値的に微気圧波が低減する最適先頭形状(最適断面積分布)を求める設計技術を適用して得られた前述したところの先頭車両の車体形状によれば、世代が進むにつれて評価値が下がり、微気圧波の低減の程度が大きくなっているのがわかる。そして、10世代以降の形状であれば、評価値がほぼ0.85となり、微気圧波が、初期形状に比べて約15%程度低減していることがわかる。
【0035】
よって、先頭部分と、前記一般部分の直前の部分に、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を設け、前記前側の断面積変化領域と後側の断面積変化領域とは、断面積増加率が2.0m2/m程度であり、前記両領域の間の部分は、前記前側及び後側の断面積変化領域よりも断面積増加率が0.3m2/m程度であり、かつ前記一般部分の横断面積に対する面積比がほぼ中間点で0.6程度である中間断面積変化領域としたことにより、先頭部がトンネルに突入する際に生じる圧縮波(圧力上昇)は低減されるといえる。
【0036】
続いて、そのような鉄道先頭車両の先頭部分における各種機器の配置について説明する。
【0037】
車体1の前側の断面積変化領域Z11に続く、断面積変化率の緩やかな前記中間断面積変化領域Z2に運転室風防21が配設され、この運転室風防21が、運転室の上側に位置し、運転席31の上側を覆うようになっている。運転席31は、車両中心より若干左側寄りに配設され、右側前方に運転情報制御装置32を配置している。運転室の左側部には、高さの低い運転台配電器33及び気圧スイッチ34が設けられている。なお、運転席31の側部には、運転指令操作盤35が設けられている。
【0038】
前記中間断面積変化領域Z2の後側部分及び前記一般部分Z3の前側部分に、車両左右方向に延びる前側及び後側の横通路22,23がそれぞれ形成されている。前記両横通路22,23が、車両左右方向に一側において車両前後方向に延びる縦通路24でもって接続されている。前記前側及び後側の横通路22,23の左右両側に乗降用扉25,26が開閉可能に配設されている。
【0039】
前記縦通路24の左右両側部分及び後側の横通路23の前側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器が配置されている。すなわち、縦通路24の右側にはモニタ中央装置41及び総括配電盤42が、左側には信号制御架43、データ伝送装置44,端子架45及びデータ伝送装置46がそれぞれ配設されている。また、後側の横通路23の前側には、自動列車制御装置(ATC)47が配設され、その前方に構内防護架48及び送受信架49が配設されている。なお、51は補助ブレーキパタン発生器、52は車内圧開放弁である。
【0040】
よって、このようなレイアウトにより、微気圧波を低減することができる形状において、横断面積の変化にもかかわらず、運転室風防21、モニタ中央装置41、自動列車制御装置47及び総括配電盤42などの各種機器のレイアウトが無理なく実現され、運転士の乗降もスムーズに行える。すなわち、運転室の後側に、左右両側に乗降用扉25が設けられた前側の横通路22を設け、それのさらに後側に各種機器を配置するようにしているので、運転士が乗降する際に、各種機器が配置されている部分を通過することなく、乗降することができる。
【0041】
ところで、前述した場合には、設計変数(パラメータ)として、図13に示すように、▲1▼先端部の断面積の立ち上がり、▲2▼前面ガラス位置、▲3▼運転室位置、▲4▼一般断面(一般部分)に滑らかに接続するように設定という4つの変数を採用しているが(パラメータ制御値は経験的な値である)、鼻先断面積拡大形状の立ち上がりはもっと急激である方が微気圧波の低減に効果があるとの知見から、先端部の断面積の立ち上がりのパラメータを緩和したところ(図13の▲1▼’参照)、図14に示すような断面積の変化となり、このように鼻先を拡大することにより、20世代ぐらいで、前記前記設計変数を▲1▼〜▲4▼とする場合は15%程度微気圧波が低減される(図12参照)のに対し、24%程度と大幅に低減されることとなり、微気圧波の低減効果が一層高まっていることが確認された。なお、その場合には、GAのみによる場合とは異なり、前側の断面積変化領域の断面積増加率は、7.0m2/m程度(直線L11’参照)であり、後側の断面積増加率は、1.5m2/m程度(直線L21’参照)であり、前記中間断面積変化領域の断面積増加率は、0.3m2/m程度(直線L2’参照)で、前記中間断面積変化領域は、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.43〜0.57の範囲(ほぼ中間点で0.5程度)である。また、一般部分の断面積が11m2から10.5m2と4.5%程度小さくなっている。なお、この場合も、中間断面積変化領域の、一般部分の横断面積に対する面積比が0.43〜0.57の範囲であるから、前側及び後側の断面積変化領域の、一般部分の横断面積に対する面積比がそれぞれ0〜0.43の範囲、0.57〜1.0の範囲となり、それらの領域はなめらかに無理なく連続するように接続されているのは前述した場合と同様である。
【0042】
しかしながら、前述したような断面積率とすれば、ドア25などのレイアウト上スペースの制限を受けるので、微気圧波の低減に影響が大きいと考えられる鼻先部分の断面形状は維持したまま、運転室位置付近から後側部分の断面積が大きくなるように、さらに改善した。すなわち、前記前側の断面積変化領域の断面積増加率は7.0m2/m程度であり、前記中間断面積変化領域の断面積増加率は、0.3m2/m程度で、かつ前記一般部分の横断面積に対する面積比がほぼ中間点で0.5程度である点では同一であるが、後側の断面積変化領域の断面積増加率は2.0m2/m程度(直線L21’’参照)となり、断面積増加率が一層大きくなっていることがわかる。これにより、ドア25などが設けられる部分にレイアウト上スペースの余裕が生ずる。
【0043】
このような車体1’の形状は、前記中間断面積変化領域から後側の断面積変化領域にかけて、幅が徐々に狭くなってほぼ運転室の幅に相当する幅となり、それから幅が徐々に大きくなって一般部分の車体幅になる一方、高さが徐々に高くなる突部1a’を形成することで達成される。
【0044】
続いて、その改善したときの鉄道先頭車両の先頭部分における各種機器の配置について図15〜図22に沿って説明するが、図1〜図8に示すものと同一の構成要素については同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0045】
車体1’の前側の断面積変化領域Z11’の後側部分に連続する中間断面積変化領域Z2’の後側部分付近に運転室風防21が配設され、この運転室風防21が、運転室の上側に位置し、運転席31の上側を覆うようになっている。運転席31は、車両中心より若干左側寄りに配設され、ほぼ中央前方に運転情報制御装置32を配置している。運転室の左側部には、高さの低い運転台配電器33が設けられている。なお、運転席31の側部には、運転指令操作盤35が設けられている。
【0046】
前記中間断面積変化領域Z2’の後側部分及び前記一般部分Z3の前側部分に、車両左右方向に延びる前側及び後側の横通路22’,23’がそれぞれ形成されている。前記両横通路22’,23’が、車両左右方向に一側において車両前後方向に延びる縦通路24’でもって接続されている。前記前側及び後側の横通路22’,23’の左右両側に乗降用扉25’,26が開閉可能に配設されている。
【0047】
前記縦通路24’の一側部分であって後側の横通路23’の前側部分に、縦通路24’自動列車制御装置(ATC)47が配設されている。また、後側の横通路23’の後側には、それらの部分の高さに応じて、各種機器が配置されている。すなわち、右側にはデータ伝送装置44が設けられ、左側には中央側から端子架45、データ伝送装置46及び信号制御架43が順に配設されている。
【0048】
また、前側の横通路22の右前側には総括配電盤42が配設され、それのさらに前側にモニタ中央装置41が配設されている。
【0049】
よって、このようなレイアウトにより、微気圧波を低減することができる形状において、横断面積の変化にもかかわらず、運転室風防21、モニタ中央装置41、自動列車制御装置47及び総括配電盤42などの各種機器のレイアウトが無理なく実現され、運転士の乗降もスムーズに行える。すなわち、運転室の後側に、左右両側に乗降用扉25’が設けられた前側の横通路22’を設け、それのさらに後側に各種機器を配置するようにしているので、運転士が乗降する際に、十分な通過スペースでもって乗降することができる。
【0050】
よって、この場合も、前述した図1〜図8に示す例の場合と同様に、前記前側の断面積変化領域Z11’の後側部分付近から前記中間断面積変化領域Z2’に運転室風防21を配設し、前記中間断面積変化領域Z2’の後側部分及び前記一般部分z3の前側部分に、車両左右方向に延びる前側及び後側の横通路22’,23’を形成し、前記両横通路22’,23’を、車両左右方向に一側において車両前後方向に延びる縦通路24’でもって接続し、前記前側及び後側の横通路22’、23’の左右両側に乗降用扉25’26を配設し、前記縦通路24’の左右両側部分及び横通路22’、23’の前後側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器を配置するようにしている。
【0051】
また、前述した場合と同様に、微気圧波の低減に影響が大きいと考えられる鼻先部分の断面形状はあまり変更することなく、運転室位置付近から後側部分の断面積が大きくなるように、図23に示すように、車体形状を構成することも可能である。すなわち、前記前側の断面積変化領域の断面積増加率は6.0m2/m程度(直線L31参照)、後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.3m2/m程度(直線L33参照)であり、前記中間断面積変化領域の断面積増加率は、0.7m2/m程度(直線L32参照)で、前記中間断面積変化領域は、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.33〜0.66の範囲(ほぼ中間点で0.5程度)である。また、一般部分の断面積は10.5m2である。なお、この場合も、中間断面積変化領域の、一般部分の横断面積に対する面積比が0.33〜0.66の範囲であるから、前側及び後側の断面積変化領域の、一般部分の横断面積に対する面積比がそれぞれ0〜0.33の範囲、0.66〜1.0の範囲となり、それらの領域はなめらかに無理なく連続するように接続されているのは前述した場合と同様であるが、前述した場合よりも中間断面積変化領域の断面積増加率がより一層大きくなっていることがわかる。これにより、ドア25などが設けられる部分にレイアウト上スペースの余裕がさらに生ずる。また、図24に示すように、微気圧波の低減効果の指針となる圧力勾配も22%程度低減されることが試験により確認されている。なお、前述したところの先頭車体形状に対応する横断面積分布を持つ円錐形状の列車模型(縮尺モデル)を発射装置を用いて、トンネルを模擬した円筒状パイプに、列車速度で打ち込み、評価点での圧力値を測定し、圧力勾配(dp/dt)を計測することにより、トンネル打ち込み試験を実施した。
【0052】
前述した実施の形態における各種機器の配置は、一例を示したものにすぎず、前記縦通路21,21’の両側及び両横通路22,22’,23,23’の間に形成される空間部を、その部分(通路)の高さに応じて、各種機器を自由に配置することができるのはいうまでもない。
【0053】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0054】
請求項1の発明は、先端側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に変化する前側及び後側の断面積変化領域を、車体前後方向に沿って間隔を存して設け、それらの間を、横断面積が緩やかに変化する中間断面積変化領域としているので、トンネル入口から所定距離の位置で鉄道車両がトンネル内に突入する際に、前側及び後側の断面積変化領域によって、圧力変化の状態を緩やかで、しかも2段に分散させて段階的に最大車体横断面積の一般部分がトンネル内に入るまでの圧力(最大圧力)に達するようになり、微気圧波を低減することができる。
【0055】
特開平11−321640号公報に記載のもののように車両長さを長くすることなく、微気圧波を低減することができる。
【0056】
また、車体幅方向中央部にほぼ運転室の幅に相当する幅を有する突部を設け、この突部を前記運転室まで維持し、前記運転室より後側から、前記突部を前記一般部分の幅にまで緩やかに膨らませているので、微気圧波を低減する断面積分布を満足させて、運行に必要な運転席スペースを、前記突部を利用して確保することが可能となる。
【0057】
特に、前側の断面積変化領域の断面積増加率は7.0m2mである一方、後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.5m2mであり、それらの間の部分は、断面積増加率は、0.3m2mで、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.5程度である中間断面積変化領域としているので、あるいは、請求項2に記載のように、後側の断面積変化領域の断面積増加率は2.0m2mとなるようにすれば、微気圧波の低減効果がより一層高めることができる。また、請求項3に記載のように、前側の断面積変化領域の断面積増加率は6.0m2mである一方、前記後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.3m2mであり、それらの間の部分は、断面積増加率は、0.7m2mで、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.5である中間断面積変化領域とする場合も、微気圧波の低減効果を損ねることもない。
【0058】
また、それらの場合に、前記中間断面積変化領域から後側の断面積変化領域にかけて、幅が徐々に狭くなってほぼ運転室の幅に相当する幅となり、それから幅が徐々に大きくなって一般部分の車体幅になる一方、高さが徐々に高くなる突部を形成するようにしているので、請求項2〜4に記載される断面積増加率の関係を達成できる形状を無理なく形成することが可能となる。
【0059】
請求項4に記載のように、運転士、車掌の通行に必要とされる通路である縦通路の左右両側部分や、横通路の前後側部分を、その部分の空間高さに応じて、有効に利用することで、各種機器をその大きさ、高さに応じて配置するようにしているので、微気圧波の低減に有効な車体形状としても、前記各種機器を無理なく配置することができる。特に、縦通路の左右両側部分及び横通路の前後側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器を配置するようにしているので、運転士が乗降する際に、各種機器が配置されている部分を通過することなく、乗降することができ、運転士の乗降もスムーズに行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道先頭車両の概略側面図である。
【図2】同概略平面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】図1におけるB−B線断面図である。
【図5】図1におけるC−C線断面図である。
【図6】図1におけるD−D線断面図である。
【図7】図1におけるE−E線断面図である。
【図8】図1におけるF−F線断面図である。
【図9】遺伝的アルゴリズムの原理の説明図である。
【図10】先頭長さと(横)断面積との関係を示す図である。
【図11】先頭車両モデルとトンネルとの関係を示す説明図である。
【図12】遺伝的アルゴリズムによる世代と評価値との関係を示す図である。
【図13】遺伝的アルゴリズムの設計変数の緩和の説明図である。
【図14】他の実施の形態について、図10と同様に、先頭長さと(横)断面積との関係を示す図である。
【図15】本発明に係る他の実施の形態である鉄道先頭車両の概略側面図である。
【図16】同概略平面図である。
【図17】図15におけるG−G線断面図である。
【図18】図15におけるH−H線断面図である。
【図19】図15におけるI−I線断面図である。
【図20】図15におけるJ−J線断面図である。
【図21】図15におけるK−K線断面図である。
【図22】図15におけるL−L線断面図である。
【図23】別の実施の形態について、図10や図14と同様に、先頭長さと(横)断面積との関係を示す図である。
【図24】微気圧波の指針となる圧力勾配を示す説明図である。
【符号の説明】
Z11,Z11’ 前側の断面積変化領域
Z12,Z12’ 後側の断面積変化領域
Z2,Z2’ 中間断面積変化領域
Z3 一般部分
1,1’ 車体
1a,1a’ 突部
21 運転室風防
22,22’,23,23’ 横通路
24,24’ 縦通路
25,25’,26 乗降用扉
31 運転席
41 モニタ中央装置
42 総括配電盤
47 自動列車制御装置

Claims (4)

  1. 先頭部分より横断面積が最大でほぼ一様となる一般部分に至るまでに、横断面積が車体前後方向に沿って変化する鉄道先頭車両用車体であって、
    前記先頭部分と、前記一般部分の直前の部分に、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を設け、
    前記前側の断面積変化領域の断面積増加率は7.0m2mである一方、前記後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.5m2mであり、
    それらの間の部分は、断面積増加率は、0.3m2mで、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.5である中間断面積変化領域とし、
    前記中間断面積変化領域から後側の断面積変化領域にかけて、幅が徐々に狭くなってほぼ運転室の幅に相当する幅となり、それから幅が徐々に大きくなって一般部分の車体幅に等しくなる一方、高さは徐々に高くなる突部が形成されていることを特徴とする鉄道先頭車両用車体。
  2. 前記後側の断面積変化領域の断面積増加率を、1.5m2mとするのに代えて、2.0m2mとする請求項記載の鉄道先頭車両用車体。
  3. 先頭部分より横断面積が最大でほぼ一様となる一般部分に至るまでに、横断面積が車体前後方向に沿って変化する鉄道先頭車両用車体であって、
    前記先頭部分と、前記一般部分の直前の部分に、先頭側から後端側に向かって横断面積が大きくなる方向に大きく変化する前側及び後側の断面積変化領域を設け、
    前記前側の断面積変化領域の断面積増加率は6.0m2mである一方、前記後側の断面積変化領域の断面積増加率は1.3m2mであり、
    それらの間の部分は、断面積増加率は、0.7m2mで、かつその部分の中間点の、前記一般部分の横断面積に対する面積比が0.5である中間断面積変化領域とし、
    前記中間断面積変化領域から後側の断面積変化領域にかけて、幅が徐々に狭くなってほぼ運転室の幅に相当する幅となり、それから幅が徐々に大きくなって一般部分の車体幅に等しくなる一方、高さは徐々に高くなる突部が形成されていることを特徴とする鉄道先頭車両用車体。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の鉄道先頭車両用車体を用いた鉄道先頭車両であって、
    前記中間断面積変化領域に運転室風防を配設し、
    前記中間断面積変化領域の後側部分及び前記一般部分の前側部分に、車両左右方向に延びる前側及び後側の横通路を形成し、前記両横通路を、車両左右方向に一側において車両前後方向に延びる縦通路でもって接続し、
    前記前側及び後側の横通路の左右両側に乗降用扉を配設し、
    前記縦通路の左右両側部分及び横通路の前後側部分に、それらの部分の高さに応じて、各種機器を配置したことを特徴とする鉄道先頭車両。
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