JP3938875B2 - 色調改変検出方法、色調改変検出装置、及び画像処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの色調改変を検出する色調改変検出方法、色調改変検出装置、及び画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータ(PC)及びインターネットの普及に伴って、画像のデジタル化が進んでいる。デジタル画像データ(以下、画像データ)は、コンピュータ上で画像処理用のソフトウェアを用いて、フォトレタッチ加工、解像度変換、切り抜きなどの画像処理を施してから、ディスプレイやプリンタなどの出力デバイスから出力させたり、インターネット上で流通させたりすることができる。また、コンピュータ上で編集処理用のソフトウェアを用いて、1ページ内に画像データに基づく画像を必要に応じてテキストデータや他の画像データの画像と共に配置してページ全体のイメージを示すページデータを生成する編集処理を行うこともできる。
【0003】
ところで、画像データに基づく画像をディスプレイやプリンタなどの出力デバイスから出力させる場合、スキャナやデジタルカメラなどの入力デバイスや出力デバイスにより色の表現が異なるため、出力される画像の色も入出力デバイスによって変わってしまう。このため、コンピュータで画像データを扱う際には、まず、画像データに対して、出力時に所望の色になるように、デバイス特性に応じて色補正(色変換)を施すことが多い。その後、フォトレタッチ加工により画像データ上のキズやゴミを除去したり、解像度変換や切り抜きなどを行って、所望の画像になるように加工したり、ページ編集を行ったりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、色補正後の画像データの色調改変を検出する技術が無く、最終出力画像が期待していた色と異なることがあった。すなわち、予め色補正ソフトウェアを用いて出力時の色が所定の色となるように画像データに対して色補正を施しておいても、該色補正の後の工程で他のソフトウェアにより何らかの処理を行った際に、使用したソフトウェア固有の処理や操作ミスなどにより、意図しない色変換が行われてしまい、最終出力画像の色が変わってしまった。
【0005】
色調改変を検出するために、色補正時に画像データにチェックサムなどの確認用データをヘッダ情報として付加することも考えられるが、この確認用データでは、色補正の後の工程で、色補正後の画像データに対して色変換以外の加工が施された場合に、意図しない色変換の有無のみを選択的に確認することはできない。また、付加された確認用データは、デジタル画像のフォーマット変換によりヘッダ情報が削除されるなど、後工程で消失してしまう恐れもある。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、画像データの意図しない色調改変を検出することができる色調改変検出方法、色調改変検出装置、及び画像処理システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像データの色調改変を検出する色調改変検出方法であって、予め、画像データを複数に分割し、分割された分割領域毎に該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込んでおき、検出対象の画像データの前記分割領域に対応する領域に電子透かしにより埋め込まれている色調特性情報が示す色調特性値と、該分割領域の実際の色調特性値とに基づいて、前記分割領域毎の色調改変を検出し、全分割領域数に対する色調改変が検出された分割領域数の割合に応じて、画像データの色調改変を検出する、ことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、複数に分割された画像データには分割された分割領域毎に予め該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報が電子透かしにより埋め込まれるので、画像データの前記分割領域に対応する領域に埋め込まれている色調特性値情報が示す色調特性値と該分割領域の実際の色調特性値とに基づいて、分割領域毎の色調改変を検出し、全分割領域数に対する色調改変が検出された分割領域数の割合に応じて、電子透かし埋め込み後に色変換が施された場合の画像データの色調改変を検出することができる。
さらに、請求項2に記載の発明は、画像データの色調改変を検出する色調改変検出方法であって、予め、画像データを複数に分割し、分割された分割領域毎に該分割領域の重要度を設定すると共に、該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込んでおき、検出対象の画像データの前記分割領域に対応する領域に電子透かしにより埋め込まれている色調特性情報が示す色調特性値と、該分割領域の実際の色調特性値とに基づいて、前記分割領域毎の色調改変を検出し、色調改変が検出された分割領域に対して設定された重要度の総和に応じて、画像データの色調改変を検出する、ことを特徴としている。
請求項2の発明によれば、予め、画像データを複数に分割し、分割された分割領域毎に該分割領域の重要度を設定すると共に、該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込んでおき、画像データの前記分割領域に対応する領域に埋め込まれている色調特性値情報が示す色調特性値と該分割領域の実際の色調特性値とに基づいて、色調改変が検出された分割領域に対して設定された重要度の総和に応じて、画像データの色調改変を検出することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、画像データの色調改変の有無を検出する色調改変検出装置であって、画像データを複数に分割した分割領域に対応した領域に予め電子透かしにより埋め込まれている色調特性値を示す色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記分割領域毎に色調改変されたか否かを判定し、全分割領域数に対する色調改変が検出された分割領域数の割合に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、複数に分割された画像データには予め分割領域に対応した領域の色調特性値を示す色調特性値情報が電子透かしにより埋め込まれており、この電子透かしを読みとって電子透かしの色調特性値情報が示す色調特性値と分割領域の実際の色調特性値を比較し、この比較結果に基づいて、前記分割領域毎に色調改変されたか否かを判定し、全分割領域数に対する色調改変が検出された分割領域数の割合に応じて、例えば両者の差が所定値以上であれば色調改変されたとするなど、色調改変されたか否かが判定されるので、電子透かし埋め込み後に色変換が施された場合には画像データの色調改変を検出することができる。
さらに、請求項4に記載の発明は、画像データの色調改変の有無を検出する色調改変検出装置であって、画像データを複数に分割した分割領域に対応した領域に予め電子透かしにより埋め込まれている色調特性値を示す色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記分割領域毎に色調改変されたか否かを判定し、色調改変されたと判定された分割領域に対して設定されている重要度の総和に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する、ことを特徴としている。
請求項4の発明によれば、複数に分割された画像データには予め分割領域に対応した領域の色調特性値を示す色調特性値情報が電子透かしにより埋め込まれており、この電子透かしを読みとって電子透かしの色調特性値情報が示す色調特性値と分割領域の実際の色調特性値を比較し、この比較結果に基づいて、前記分割領域毎に色調改変されたか否かを判定し、色調改変されたと判定された分割領域に対して設定されている重要度の総和に応じて、色調改変されたか否かが判定されるので、電子透かし埋め込み後に色変換が施された場合には画像データの色調改変を検出することができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、画像データを複数の分割領域に分割する分割手段と、前記分割手段によって分割された前記分割領域に対して該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込む埋込手段と、検出対象の画像データの前記分割領域と対応する領域から前記埋込手段により埋め込まれた前記色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、該分割領域が色調改変されたか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって色調改変されたと判定された分割領域数の、全分割領域数に対する割合に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する第2の判定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明によれば、分割手段により画像データが複数の分割領域に分割され、埋込手段により前記分割手段によって分割された前記分割領域に対して該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報が電子透かしによって埋め込んでおくことで、色調改変を検出する際に、判定手段では、検出対象の画像データの前記分割領域と対応する領域から電子透かしで埋め込まれている色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求めて色調特性値情報が示す色調特性値と比較して、この比較結果に基づいて、例えば両者の差が所定値以上である分割領域数の、全分割領域数に対する割合に応じて、画像データが色調改変されたとするなど、色調改変されたか否かを判定でき、電子透かし埋め込み後に色変換が施された場合には画像データの色調改変を検出することができる。
さらに、請求項6に記載の発明は、画像データを複数の分割領域に分割する分割手段と、前記分割手段によって分割された前記分割領域の各々に重要度を設定する設定手段と、前記分割領域に対して該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込む埋込手段と、検出対象の画像データの前記分割領域と対応する領域から前記埋込手段により埋め込まれた前記色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、該分割領域が色調改変されたか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段によって色調改変されたと判定された分割領域の前記設定手段によって設定された重要度の総和に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する第2の判定手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、分割手段により画像データが複数の分割領域に分割され、設定手段により前記分割手段によって分割された前記分割領域の各々に重要度を設定され、埋込手段により前記分割手段によって分割された前記分割領域に対して該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報が電子透かしによって埋め込んでおくことで、色調改変を検出する際に、判定手段では、検出対象の画像データの前記分割領域と対応する領域から電子透かしで埋め込まれている色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求めて色調特性値情報が示す色調特性値と比較して、この比較結果に基づいて、例えば両者の差が所定値以上である分割領域数の前記設定手段によって設定された重要度の総和に応じて、画像データが色調改変されたとするなど、色調改変されたか否かを判定でき、電子透かし埋め込み後に色変換が施された場合には画像データの色調改変を検出することができる。
【0013】
これにより、例えば、画像処理や編集処理を行う画像処理システムであれば、プリンタなどの画像出力装置から画像データに基づく画像を出力した時の色が所定の色となるように色補正を行った後の画像データに対して電子透かしにより該画像データの色調特性値情報を埋め込んでおけば、該色補正後に画像処理や編集処理などの工程を経て画像データに対して意図しない色変換が施されてしまった場合に、色調が改変されたことを検出することができる。
【0014】
また、色調改変を検出結果は、報知手段によりユーザに報知したり、画像出力装置から画像を出力するか否かなど、この後に行われる処理の可否判定することに利用できる。
【0015】
上記請求項1〜6の発明においては、画像データを複数に分割して、分割領域毎に色調改変の有無を判定する。このためには、画像データに色調特性値情報を電子透かしにより埋め込む際に、分割領域毎に、該分割領域内の画像データの色調特性値を示す色調特性値情報を埋め込んでおけばよい。なお、分割領域毎に色調改変の有無を判定する場合、この複数の分割領域各々から得られた判定結果の扱いが問題となるが、例えば、色調改変有りと判定された分割領域の割合に応じて、画像データが色調改変されたか否かの最終的な判定を決定するようにすればよい。
【0016】
また、請求項2、請求項4、及び請求項6のように、分割領域毎に重み付けを行うようにしてもよい。分割領域毎に重要度を設定しておき、色調改変有りと判定された分割領域に対して設定された重要度の総和に応じて、画像データが色調改変されたか否かの最終的な判定を決定する。この場合の分割領域毎に設定された重要度を示す情報も色調特性値情報と共に電子透かしで画像データに埋め込む。
【0017】
また、上記請求項1〜6の発明においては、色調改変の有無の判定基準となる基準値情報も色調特性値情報と共に電子透かしで画像データに埋め込むことが好ましい。
【0018】
また、上記請求項1〜6の発明においては、色調特性値としては、例えば、画像データのヒストグラム、最大値、最小値、平均値、分散、共分散、最頻値の少なくとも1つを用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。
【0020】
[構成]
図1に本発明が適用された画像処理システムを示す。図1に示されているように、画像処理システム10は、入力されたラスター形式のデジタル画像データ(以下、「画像データ」と略す)を色変換するための色変換装置12と、色変換後の画像データを画像処理するための画像処理装置14と、画像処理後の画像データに基づく画像が用紙にプリントされるように画像出力装置16の動作を制御する出力制御装置18とを備えて構成されている。
【0021】
なお、色変換装置12、画像処理装置14、出力制御装置18はそれぞれ独立した装置として構成してもよいし、1台の装置で色変換装置12、画像処理装置14、出力制御装置18のうちの何れか2つ以上の機能を担うようにしてもよい。例えば、1台のコンピュータに色変換装置12、画像処理装置14、及び出力制御装置18の各機能を実現するためのソフトウェアをインストールしておき、該コンピュータにおいてインストールされているソフトウェアを適宜選択して起動するようにすれば、1台のコンピュータで色変換装置12、画像処理装置14、及び出力制御装置18の3つの機能を担うことができる。また、画像出力装置16内に出力制御装置18の機能を備えるようにしてもよい。
【0022】
色変換装置12は、画像データを色変換処理する色変換処理部20、及び埋込手段として、画像データに電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み部22を備えている。色変換装置12には、例えばスキャナやデジタルカメラにより取得した画像データ、或いはネットワークを介して他の装置から受信した画像データが入力されるようになっており、色変換処理部20では、この入力された画像データに対して、画像出力装置16から出力したときに所定の色の出力が得られるように色変換(色補正)処理を施す。
【0023】
詳しくは、色変換処理部20は、スキャナやデジタルカメラなどの入力デバイスやプリンタなどの出力デバイスといった各デバイス毎の色表現特性を示すプロファイル情報が予め記憶されたメモリ(図示省略)を備えており、入力された画像データを対応する入出力デバイスのプロファイル情報を用いて、出力デバイスである画像出力装置16に応じた表色系に変換する。具体的には、本実施の形態では、入力データとしてはRGB表色系の画像データが入力され、一般にプリンタで処理可能な表色系であるYMCK表色系に色変換するようになっている。なお、色変換処理部20では、デバイスに依存しない表色系(例えばL*a*b*表色系)に色変換し、色変換装置12よりも後段で且つ画像出力装置16の手前に出力デバイスに応じた表色系に変換する部を更に設けるようにしてもよい。
【0024】
また、このプロファイル情報を用いた色変換では、入力デバイスの特徴を考慮して、本来の色(スキャナで取得したものであれば読取原稿上の色、デジタルカメラで取得したものであれば被写体の色)に近づけるような修正も同時に行われるようになっている。
【0025】
また、デジタルカメラの場合はシャッタ使用の有無など撮影条件を示す情報が付加されていることがあり、色変換処理部20では、この情報を用いて画像データに対して輝度を調整する処理を行うようにしてもよい。
【0026】
電子透かし埋め込み部22は、色変換処理部20による色変換後の画像データを予め定められた所定サイズの領域(空間)に分割し、分割した領域毎に、色の特徴を示す色調特性値として、該分割領域内の画像データのヒストグラムを求めると共に、求めた各色調特性値に対して後述の色調改変検出部24での色改変の有無判定の基準に用いるために誤差許容値を求める。
【0027】
また、電子透かし埋め込み部22は、各分割領域の画像データ内に、該分割領域について求めた色調特性値を示す情報(色調特性値情報)及び基準値情報として誤差許容値を示す情報(誤差許容値情報)を電子透かしで埋め込む。この電子透かし埋め込み部22により電子透かしが埋め込まれた画像データが色変換装置12から後段の画像処理装置14へと出力される。
【0028】
色調特性値としては、ヒストグラムの他にも、分割領域内の画像データの最大値、最小値、平均値、分散、共分散、最頻値を用いることができる。また、ヒストグラム、最大値、最小値、平均値、分散、共分散、最頻値の少なくとも2つ以上を組合せて色調特性値として用いてもよい。ただし、処理能力の低いシステムで高速処理を行う場合には、上記の中では特に平均値を採用することが好ましい。
【0029】
また、誤差許容値については、該電子透かし埋め込み部22の内部メモリ(図示省略)などに予め設定した値を記憶させておいて、電子透かしで埋め込む際にこの設定値を用いるようにしてもよい。また、誤差許容値は電子透かしで埋め込まずとも、後述の色調改変検出部24で誤差許容値を設定したり、色調改変検出部24の内部メモリに予め設定した値を記憶させておいてもよい。ただし、画像データ毎・分割領域毎に適切な色調改変の許容度合いを設定するためには、電子透かしで誤差許容値を埋め込むことが好ましい。
【0030】
また、電子透かしの埋め込み手法については、本発明は特に限定するものではなく、例えば画素空間利用型、量子化誤差利用型、周波数領域利用型などの従来公知の技術を用いることができる。ただし、画像処理装置14において画像データを加工した場合に埋め込んだ情報が消失されないように、画像処理装置14で行われる具体的な加工処理や画像処理装置14が有する加工処理機能の種類に応じて、適切な埋め込む手法を選択する必要がある。
【0031】
画素空間利用型とは、対象画素の近傍の例えば3×3画素の平面を取り出し、この周囲ビットに透かし情報を埋めこむ方法である。量子化誤差利用型とは、画像データを圧縮する過程において発生する量子化誤差に着目し、埋め込みたい透かし情報(本実施の形態においては色調特性値情報及び誤差許容値情報)のビット系列の0,1で量子化出力を偶数と奇数に制御して見かけ上量子化誤差として画像データに透かし情報を埋め込む方法である。周波数領域利用型とは、フーリエ変換やスペクトル拡散、離散コサイン変換(DCT)などに代表されるように画像データを周波数成分に変換し、画質に与える影響が少ない特定の周波数成分、例えば視覚的に鈍感な高周波数成分に透かし情報を埋め込む方法である。また、人間の視覚特性としては、色差や彩度情報は一般に輝度情報よりも階調識別能力が低く、輝度と色差あるいは彩度情報との差の部分に人間が視認できないように記録可能な領域が存在する。したがって、この領域に透かし情報を埋め込むこともできる。
【0032】
他にも、画像としてS/Nの悪いビットプレーンにノイズの冗長に紛れさせて透かし情報を埋め込む方法や、一定の画素ブロックにおける情報変化の冗長性に埋め込む方法、データ圧縮を行う債に符号化によりデータ情報量が縮退する場合の量子化誤差に埋め込む方法などが挙げられる。
【0033】
画像処理装置14は、色変換装置12から出力された画像データに対して所望の画像・画質になるように必要に応じて画像処理を施すものであり、具体的に、本実施の形態では、一例として、スキャナやデジタルカメラで画像データを取得した際のゴミやキズの影響を除去するフォトレタッチ加工処理を行うようになっている。なお、画像処理装置14で行われる画像処理としては、フォトレタッチ加工処理以外にも、解像度変換、切り抜きなどが挙げられる。このような画像処理装置14は、例えば、コンピュータで一般的な画像処理用のソフトウェアを起動させることで実現することができる。この画像処理装置14による加工後の画像データは後段の出力制御装置18に入力される。
【0034】
出力制御装置18は、本発明の色調改変検出装置に対応し、画像処理装置14での画像データの色変更を検出する色調改変検出部24、ユーザインタフェースとして検出結果を表示するための検出結果表示部26、及び画像データに基づいて画像出力装置16の動作させるためのドライバ部28を備えている。
【0035】
色調改変検出部24は、入力された画像処理装置14による加工後の画像データから電子透かし埋め込み部22により電子透かしで埋め込んだ情報を読出して、該読み出した情報に基づいて画像処理装置14で色変更が行われたか否かを判定する。すなわち、色調改変検出部24が本発明の判定手段として機能する。なお、図示は省略するが、色調改変検出部24は、この判定の際に各種の情報を記憶するための内部メモリを備えている。この色調改変検出部24による判定結果は検出結果表示部26へ送出され、検出結果表示部26では、この判定結果に基づいたメッセージを表示する。
【0036】
また、色調改変検出部24は、判定結果に応じて、入力された画像データをドライバ部28へ送出し、ドライバ部28では、この画像データに基づいて制御信号を画像出力装置16へ送出する。これにより、画像出力装置16から画像データに基づく画像が出力される。
【0037】
[作用]
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0038】
画像処理システム10では、処理対象の画像データが色変換装置12に入力される。以下、図2を参照して、色変換装置12で実行される処理を詳細に説明する。なお、図2には、画像データが入力された場合に色検出部で開始される処理ルーチンが示されている。
【0039】
図2に示されているように、色変換装置12では、画像データが入力されると、まずステップ100において、色変換処理部20においてデバイスのプロファイル情報を用いて、RGB表色系からYMCK表色系へと色変換される。この際、本来の色に近付けるように入力デバイスに応じた補正も加えられて色変換される。
【0040】
次いでステップ102で、電子透かし埋め込み部22により、色変換後の画像データを所定サイズの領域に分割し、分割領域毎に、該分割領域の色調特性値として該分割領域内の画像データのヒストグラムを求めると共に、該ヒストグラムに応じて誤差許容値を求める。そして、次のステップ104で、各分割領域の画像データ内に、該分割領域の色調特性値情報としてのヒストグラムの情報が誤差許容値情報と共に電子透かしで埋め込まれる。
【0041】
ここで画像データを分割するサイズは、埋め込みたい情報、すなわち色調特性値情報及び誤差許容値情報を電子透かしで埋め込むのに充分であれば特に限定されるものではなく、本実施の形態では、一例として、図3に示すように、100×100画素の合計10000画素からなる領域を1単位として画像データを分割する。なお、図3では、画像データ全体のサイズが1120×820画素である場合を示しており、100×100画素単位で領域分割を行うと図中に斜線で示すように余る部分が出る。このような余り部分については、予め定めた規則に則って扱う必要があり、例えば、この余り部分が色調特性値情報及び誤差許容値情報を電子透かしとして埋め込むのに充分なサイズであれば、他の分割領域と同様に電子透かしを埋め込み、該充分なサイズに満たない場合は、電子透かしの埋め込みを行わないようにすることが挙げられる。また、この余り部分は、図3からも分かるように、画像の周辺部分にあたり、周辺部分の重要性が低ければ、余り部分には電子透かしを埋め込まなくてもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、一例として、図4に示すように、各分割領域内における色調特性値としてCMYKの各色成分の画素値を0〜70、71〜180、181〜255の3区間に区切って各区間内の画素値を有する画素数をカウントしたヒストグラムを採用している。なお、ヒストグラムの区間数を3区間としたのは説明の簡便化のためであり、実際には、色調の特徴を精度良く表現するためには、ヒストグラムの区間数は少なくとも10区間以上とすることが好ましい。
【0043】
また、誤差許容値については、画像処理装置14でのキズやゴミを除去する通常加工処理で起こり得る色調特性値の変化量に相当するものであればよく、本実施の形態では、一例として、求めたヒストグラムにおける各区間の画素数の増減許容範囲を採用している。具体的に±5%を増減許容範囲とした場合には、図4の領域番号1については、0〜70の区間では、C色は50画素、M、Y、K色についてはそれぞれ500画素が誤差許容値とされる。この場合の誤差許容範囲は、例えば視覚的に鈍感な区間は±7%、視覚的に敏感な区間は±3%というように、区間によって割合を変えてもよい。
【0044】
このようにして色変換した画像データに電子透かしを埋め込んだら図2の色変換装置12の処理は終了し、色変換装置12による処理後の画像データは画像処理装置14に入力される。色変換装置12により色変換され電子透かしが埋め込まれた画像データは、画像処理装置14により必要に応じて画像処理(フォトレタッチ加工)が施され、該画像データからキズやゴミの影響が除去された高画質の画像データが出力される。なお、この画像処理時には、偶発的に意図しない色変換を画像データに対して掛けてしまう可能性がある。
【0045】
画像処理装置14から出力された画像データは、出力制御装置18に入力される。出力制御装置18では、この入力された画像データは、まず、色調改変検出部24によって、色変換処理部20による色変換後に他の色変換(色調改変)が行われたか否かが判定される。以下、図5を参照して、この色調改変検出部24で実行される処理を詳細に説明する。図5には、画像データが入力された場合に色調改変検出部で開始される処理ルーチンが示されている。
【0046】
図5に示されているように、色調改変検出部24では、画像データが入力されると、まずステップ200において、画像データの全分割領域数を計数するための全領域カウンタ(Count1)、及び色調が変わった分割領域数を計数するための改変領域カウンタ(Count2)の値を共に初期化する(0にする)。次のステップ202では、画像データから電子透かし埋め込み部22で埋め込んだ1つ目の電子透かしを検索するが、画像処理装置14での加工により解像度変換が行われるなどして画像サイズが変更された場合を考慮して、該画像データにおける電子透かしを検索する領域のオフセット位置と領域サイズを変えながら1つ目の電子透かしを検索する。そして、次のステップ204で、1つ目の電子透かしが検索されたときのオフセット位置と領域サイズを内部メモリ(図示省略)に記憶した後、ステップ206に進む。
【0047】
ステップ206では、検索した電子透かしの情報、すなわち色調特性値情報及び誤差許容値情報を読み取る。次のステップ208では、対応する領域内の実際の画像データから色調特性値、すなわちヒストグラムを求める。このとき、画像サイズが変更された場合があるので、本来の分割領域のサイズに応じて求めたヒストグラムを正規化する。例えば、本来の分割領域サイズは100×100画素であるのに、1つ目の電子透かしが検索された領域サイズ(ステップ204で記憶した領域サイズ)が50×50画素であった場合は、求めたヒストグラムの各区間の画素数(度数)を4倍にする。
【0048】
次のステップ210では、ステップ206で読み取った誤差許容値情報に基づいて、ステップ208で実際の画像データから求めた色調特性値がステップ206で読み取った電子透かしの色調特性値情報と一致しているか否かを判断する。詳しくは、実際の画像データから求めた色調特性値と読み取った色調特性値情報が示す値との差が、誤差許容値情報が示す値の範囲内であれば一致、誤差許容値情報が示す値の範囲外であれば不一致と判断する。具体的には、本実施の形態では、YMCK各色のヒストグラムの3区間のうち1つでも範囲外である場合は不一致と判断するようになっている。
【0049】
そして実際の画像データから求めた色調特性値が電子透かしの色調特性値情報と一致していない(不一致)と判断された場合は、該分割領域は色調改変されたとしてステップ210からステップ212に進み、改変領域カウンタをインクリメント(Count2= Count2+1)した後、ステップ214に進み、全領域カウンタをインクリメント(Count1= Count1+1)する。一致していると判断された場合は、ステップ210からそのままステップ214に進み、全領域カウンタのみをインクリメント(Count1= Count1+1)する。
【0050】
そして、次のステップ216では、全分割領域について、実際の画像データから求めた色調特性値と電子透かしの色調特性値情報との一致/不一致の判断に係わる処理(ステップ206からステップ214まで)が完了したかが判断される。残りの領域がある場合は、ステップ216からステップ218に移行して、前述のステップ204で記憶しておいたオフセット位置及び領域サイズに基づいて、次の分割領域に移動して、該次の分割領域の電子透かしを検索してからステップ206に戻り、同様に処理を繰り返す。
【0051】
実際の画像データから求めた色調特性値と電子透かしの色調特性値情報との一致/不一致の判断に係わる処理を全分割領域について完了したら、ステップ216からステップ220に進み、該画像データに対する色調改変の有無の最終判定を行う。この判定は、全分割領域数に対する改変領域数の割合(Count2/Count1)に基づいて行なわれ、全分割領域数に対する改変領域数の割合が予め定められた所定値(α)内であれば(Count2/Count1<α)、たとえ色調改変された分割領域があったとしても画像データ全体では部分的なものであり、キズやゴミ除去によるものとして、該画像データは色調改変されていないと最終判定して、ステップ222へ進む。
【0052】
ステップ222では、検出結果表示部26へ「改変無し」を示す結果情報を送信し、これを受けて検出結果表示部26では正常メッセージを表示して、ユーザに期待通りの色(色変換装置12で色変換したときに補償された色)で最終出力画像を出力できることを報知する。続いて次のステップ224では、ドライバ部28へ画像データを送出して処理を終了する。これにより、ドライバ部28からこの画像データに基づく制御信号が画像出力装置16へ送出されて、最終出力画像として、画像出力装置16から画像データに基づく画像が出力される。このとき、画像データに電子透かしで埋め込まれている情報の画質への影響はほとんどないことは言うまでもない。
【0053】
一方、全分割領域数に対する改変領域数の割合が予め定められた所定値(α)以上の場合は(Count2/Count1≧α)、該画像データは色調改変されたと最終判定して、ステップ226へ進む。
【0054】
ステップ226では、検出結果表示部26へ「改変有り」を示す結果情報を送信し、これを受けて検出結果表示部26ではエラーメッセージを表示して、ユーザに画像データの色調が改変されたことを報知する。続いて次のステップ228では、色調が改変されたため画像を期待通りの色で出力することはできないのでドライバ部28への画像データの送出を中止して、画像出力装置16による該画像データに基づく画像の出力を中止させて処理を終了する。なお、本発明は、色調改変有りと判定された場合に、その旨をユーザに報知すればよく、画像出力については必ずしも中止する必要はなく、画像出力装置16から画像を出力させるようにしてもよい。また、操作されることにより画像の出力指示又は中止指示を入力するための操作入力部を設けて、ユーザが画像を出力するか中止するかを選択可能とし、ユーザにより中止すると選択され、操作入力部から中止指示が入力された場合に画像出力を中止するようにしてもよい。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、色変換装置12の電子透かし埋め込み部22において、色変換処理部20による色変換(色補正)直後の画像データ自体に電子透かしで該画像データの色調特性値を示す情報を埋め込んでおき、画像出力装置16で該画像データに基づく画像を出力する手前で、出力制御装置18の色調改変検出部24において、実際の画像データの色調特性値と電子透かしで埋め込まれている色調特性値とを比較して色補正後の色調改変を検出するようになっている。
【0056】
したがって画像処理装置14での画像処理(フォトレタッチ加工)の際に意図しない色変換が行われた場合は、該色変換により画像データの色調特性値が変化して、電子透かしで埋め込まれている色調特性値と異なるので、色調改変検出部24において色調改変があったことを検出することができる。また、色調改変検出部24では、画像処理装置14で施された色変換以外の画像処理(フォトレタッチ加工)による画像データの改変ついては正常扱いし、色調のみについての改変を検出することができる。
【0057】
また、色調特性値を示す情報は電子透かしで画像データに埋め込まれるので、ヘッダ情報に書込む場合と比べて、画像処理装置14でのフォトレタッチ加工によって色調特性値を示す情報の消失可能性が低い。また、画像処理装置14でフォトレタッチ加工以外にも解像度変換、切り抜きなどの画像処理が行われたとしても、電子透かしを採用することにより、埋め込んだ色調特性値を示す情報が消失する可能性を低くできる。この場合、電子透かしで埋め込んだ色調特性値を示す情報の消失を防止するために、画像処理装置14で行われる具体的な加工処理や画像処理装置14が有する加工処理機能の種類に応じて、電子透かしの埋め込む手法を選択することが好ましい。
【0058】
なお、上記では、何れの分割領域についても同一に扱ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像全体でみたときに許容できる色調改変の度合い差がある場合などには、分割領域毎に重み付けをしてもよい。これは、色変換装置12及び色調改変検出部24において、例えば図6、7に示すように処理することで可能である。なお、図6、7では、前述の図2、5と同一の処理については同一のステップ番号を付与しており、以下では詳細な説明を省略する。
【0059】
すなわち、図6に示されているように、色変換装置12では、ステップ100で色変換処理部20により画像データを色変換(色補正)し、ステップ102で電子透かし埋め込み部22により色変換後の画像データを分割し、分割領域毎に色調特性値や誤差許容値を求めるまでは同様であるが、電子透かし埋め込み部22では、同時に、ステップ110で分割領域毎に重要度(K)を設定するようになっている。重要度の付け方としては、例えば、画像中央に近づくほど分割領域の重要度を増したり、求めた色調特性値から空など特に重要と指定されたものが写っていると判断された分割領域の重要度が増すようにすることなどが挙げられる。そして、図2のステップ104の代わりにステップ112で、各分割領域の画像データ内に、該分割領域に設定した重要度(K)を示す情報(重要度情報)を色調特性値情報や誤差許容値情報と共に電子透かしで埋め込むようになっており、このような電子透かしが埋め込まれた画像データが画像処理装置14へ入力される。
【0060】
図7に示すように、色調改変検出部24では、全領域カウンタ(Count1)や改変領域カウンタ(Count2)の代わりに、重要度合計値(S)を用い、図5のステップ200の代りに、まずステップ230でこの重要度合計値(S)を初期化する(S=0)ようになっている。その後は、図5と同様に処理していき、分割領域毎に、電子透かしを読みとって、実際の画像データから求めた色調特性値が電子透かしの色調特性値情報と一致しているか否かを判断する。なお、ステップ206の電子透かしの読み取りでは、色調特性値情報、誤差許容値情報と共に重要度情報も読み取られる点が図5の場合と異なる。
【0061】
そして、実際の画像データから求めた色調特性値が電子透かしの色調特性値情報と一致していると判断された場合はステップ210からステップ216にそのまま進み、一致していないと判断された場合にステップ210からステップ232に進んで、該分割領域の重要度情報を重要度合計値に加算(S=S+K)してからステップ216に進む。
【0062】
実際の画像データから求めた色調特性値と電子透かしの色調特性値情報との一致/不一致の判断に係わる処理が全分割領域について完了するまで、ステップ216からステップ218を経てステップ206に戻り、全分割領域について完了したら、ステップ216からステップ220に進んで、該画像データに対する色調改変の有無の最終判定を行う。なお、ステップ220の判定では、重要度合計値(S)に基づいて該画像データに対する色調改変の有無の最終判定を行う点が図5の場合と異なる。
【0063】
すなわち、重要度合計値(S)が予め定められた所定値(β)内であれば(S<β)、たとえ色調改変された分割領域があったとしても画像データ全体では部分的なものであり、キズやゴミ除去によるものとして、該画像データは色調改変されていないと最終判定する。そして、図5と同様に、ステップ220からステップ222へ進んで検出結果表示部26へ「改変無し」を示す結果情報を送信し、続いて次のステップ224で、ドライバ部28へ画像データを送出する。
【0064】
一方、重要度合計値(S)が予め定められた所定値(β)以上の場合は(S≧β)、該画像データは色調改変されたと最終判定して、図5と同様に、ステップ220からステップ226へ進んで検出結果表示部26へ「改変有り」を示す結果情報を送信し、続いて次のステップ228で、ドライバ部28への画像データの送出を中止する。
【0065】
このように処理することにより、画像データのうち特に重要な部分の色調改変に対して感度を高くし、且つ重要度の低い部分の色調改変に対しては感度を下げて最終的な画像改変の有無を判定することができる。
【0066】
なお、上記では、画像データを複数の領域に分割し、分割領域毎に該分割領域内の色調特性値を電子透かしを埋め込む場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像データ全体の色調特性値を求めて電子透かしにより埋め込むようにしてもよい。ただし、画像処理装置14での電子透かしの消失の可能性を低減し、且つ色変換以外の画像処理(フォトレタッチ加工)による画像データの改変を正常扱いして色調の改変のみを精度良く検出するためには、上記のように分割領域毎に色調特性値を電子透かしで埋め込むことが好ましい。
【0067】
また、画像データ全体のうち色調改変されたくない部分が一部である場合には、該色調改変されたくない部分だけを対象領域に設定して、上記の如く処理するようにしてもよい。
【0068】
なお、上記では、説明の簡便化のために、色変換装置12の処理後の画像データには、画像処理装置14においてフォトレタッチ加工などの画像処理だけが施される場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、画像処理装置14の後段に編集処理装置50を設け、編集処理装置50において、画像処理装置14による画像処理後の画像データを用いてぺージ編集を行い、その結果を出力制御装置18へ入力するようにすることもできる。このような編集処理装置50は、例えば、コンピュータで一般的な編集処理用のソフトウェアを起動させることで実現することができる。
【0069】
この場合、編集処理装置50では、色変換装置12から出力された電子透かしが埋め込まれた画像データ(ラスター形式のデータ)を、必要に応じてテキストデータや他の画像データ(ラスター形式でもベクトル形式でもよい)と共に1ページ内に配置して1ページのイメージを示すページデータが生成される。したがって、出力制御装置18に入力されるデータには、テキストデータや他のシステムで生成された画像データ(ラスター形式/ベクトル形式)など、色変換装置12から出力された画像データ以外の各種の部品データも混在している可能性があり、色調改変検出部24では、ページ内に配置された色変換装置12から出力された画像データについてのみ色調改変が行われたか否かを判定することが求められる。
【0070】
これは、例えば、画像処理装置14において、ページ編集したときに色変換装置12から出力された画像データを貼り付けた部分を色調改変の検出対象領域に設定するようにし、色調改変検出部24では、ページデータのうち検出対象領域に設定されている部分についてのみ、図5や図7で示したような処理を行えばよい。或いは、ページデータでは、ページ内に配置した画像データがそのまま挿入されたり、或いは画像データのリンク情報のみ挿入されて画像データについてはそのまま該ページデータとは別に存在する場合には、画像データの抽出が容易であるので、色調改変検出部24において、自動的にページ内に配置された画像データだけを抽出し、その中から、電子透かしの検索により電子透かしが埋め込まれている画像データのみを識別して、図5や図7で示したような処理を行うようにしてもよい。
【0071】
また、上記では色変換処理部20による色変換(色補正)後に電子透かしにより色調特性値情報を埋め込み、該色変換(色補正)後の色調改変を検出する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理システム10に入力された時点で画像データに電子透かしにより色調特性値情報を埋め込み、入力前後での色調改変を検出するようにしてもよい。また、例えば、画像処理装置14において、セピア調などユーザが好みの色調になるように画像データの色変換を行った後に、電子透かしにより色調特性値情報を埋め込み、その後、キズやゴミを除去するためのフォトレタッチ加工を行うようにし、ユーザ好みの色調になるように色変換した後の色調変換を検出するなど、所定の処理後に電子透かしにより色調特性値情報を埋め込んで、該所定の処理後の色調改変を検出するようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、画像データの意図しない色調改変を検出することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 色変換装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【図3】 色変換装置の電子透かし埋め込み部による画像データの分割を説明するための概念図である。
【図4】 色変換装置の電子透かし埋め込み部により求められる分割領域毎の画像データの色調特性値(ヒストグラム)の一例である。
【図5】 出力制御装置の色調改変検出部で実行される処理を示すフローチャートである。
【図6】 色変換装置で実行される処理の別の例(分割領域毎に重み付けする場合)を示すフローチャートである。
【図7】 出力制御装置の色調改変検出部で実行される処理の別の例(分割領域毎に重み付けする場合)を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の別の実施の形態に係わる画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 画像処理システム
12 色変換装置
14 画像処理装置
16 画像出力装置
18 出力制御装置
20 色変換処理部
22 電子透かし埋め込み部
24 色調改変検出部
26 検出結果表示部
28 ドライバ部
50 編集処理装置
Claims (6)
- 画像データの色調改変を検出する色調改変検出方法であって、
予め、画像データを複数に分割し、分割された分割領域毎に該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込んでおき、
検出対象の画像データの前記分割領域に対応する領域に電子透かしにより埋め込まれている色調特性情報が示す色調特性値と、該分割領域の実際の色調特性値とに基づいて、前記分割領域毎の色調改変を検出し、
全分割領域数に対する色調改変が検出された分割領域数の割合に応じて、画像データの色調改変を検出する、
ことを特徴とする色調改変検出方法。 - 画像データの色調改変を検出する色調改変検出方法であって、
予め、画像データを複数に分割し、分割された分割領域毎に該分割領域の重要度を設定すると共に、該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込んでおき、
検出対象の画像データの前記分割領域に対応する領域に電子透かしにより埋め込まれている色調特性情報が示す色調特性値と、該分割領域の実際の色調特性値とに基づいて、前記分割領域毎の色調改変を検出し、
色調改変が検出された分割領域に対して設定された重要度の総和に応じて、画像データの色調改変を検出する、
ことを特徴とする色調改変検出方法。 - 画像データの色調改変の有無を検出する色調改変検出装置であって、
画像データを複数に分割した分割領域に対応した領域に予め電子透かしにより埋め込まれている色調特性値を示す色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記分割領域毎に色調改変されたか否かを判定し、全分割領域数に対する色調改変が検出された分割領域数の割合に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する、
ことを特徴とする色調改変検出装置。 - 画像データの色調改変の有無を検出する色調改変検出装置であって、
画像データを複数に分割した分割領域に対応した領域に予め電子透かしにより埋め込まれている色調特性値を示す色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、前記分割領域毎に色調改変されたか否かを判定し、色調改変されたと判定された分割領域に対して設定されている重要度の総和に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する、
ことを特徴とする色調改変検出装置。 - 画像データを複数の分割領域に分割する分割手段と、
前記分割手段によって分割された前記分割領域に対して該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込む埋込手段と、
検出対象の画像データの前記分割領域と対応する領域から前記埋込手段により埋め込まれた前記色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、該分割領域が色調改変されたか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって色調改変されたと判定された分割領域数の、全分割領域数に対する割合に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する第2の判定手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。 - 画像データを複数の分割領域に分割する分割手段と、
前記分割手段によって分割された前記分割領域の各々に重要度を設定する設定手段と、
前記分割領域に対して該分割領域の色調特性値を示す色調特性値情報を電子透かしによって埋め込む埋込手段と、
検出対象の画像データの前記分割領域と対応する領域から前記埋込手段により埋め込まれた前記色調特性値情報を読み取ると共に、該分割領域の実際の色調特性値を求め、読み取った前記色調特性値情報が示す色調特性値と求めた前記実際の色調特性値とを比較し、該比較結果に基づいて、該分割領域が色調改変されたか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって色調改変されたと判定された分割領域の前記設定手段によって設定された重要度の総和に応じて、画像データが色調改変されたか否かを判定する第2の判定手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
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