JP3938391B2 - 液体原料の気化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特定のガスを得るために特定の液体原料を気化するようにした気化装置に関する。例えば、半導体製造装置で使用される反応ガスを得るために液体原料を気化するようにした気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特定のガスを得るために特定の液体原料を加熱して気化するようにした気化装置がある。例えば、半導体の製造装置において、半導体基板はその上面に絶縁膜を形成する過程で反応ガスの供給を受ける。ここで、製造装置に対して反応ガスを供給するための装置は、上記の気化装置を含む。
【0003】
特開平4―45838号及び特開平5―228361号の各公報は上記のような気化装置の一例を開示する。図5に示すように、この気化装置71は円筒状のヒーターブロック72を備える。このブロック72は内部に気化室73を有する。ブロック72の外周にはヒータ74が設けられる。気化室73には、所定量の粉体の集合物75が充填される。この粉体は熱伝導性及び耐腐食性を有する材料よりなる。ブロック72はその両端に気化室73に通じる供給ポート76及び排出ポート77を有する。気化室73から粉体がこぼれるのを防ぐために、各ポート76,77には、網78,79が設けられる。供給ポート76には、気化室73にキャリアガスを供給するための大径のパイプ80が接続される。供給ポート76には、気化室73に液体原料を供給するための小径のパイプ81が接続される。小径パイプ81は大径パイプ80の中を延び、その先端が粉体の集合物75の中に挿入される。小径パイプ81はその先端に、他の部位よりも細い細径部82を有する。この細径部82の内径は粉体の粒径よりも小さく設定される。小径パイプ81に接続されたバルブ83は、液体原料の流量を調節する。大径パイプ80に接続されたバルブ84は、キャリアガスの流量を調節する。排出ポート77に接続された流量計85は、気化室73から排出されるガス流量を計測する。
【0004】
粉体の集合物75はヒータ74により加熱される。このとき、両パイプ80,81を通じて気化室73にキャリアガス及び液体原料が供給される。小径パイプ81の細径部82から気化室73に流れ出た液体は、加熱された粉体の集合物75と接触することにより、短時間のうちに気化される。気化ガスはキャリアガスにより搬送されて気化室73を流れ、排出ポート77から外部へ排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記気化装置71では、小径パイプ81の先端が粉体の集合物75の中に配置される。細径部82の内径が粉体の粒径よりも小さく設定されているのは、粉体がパイプ81の中に入るのを防ぐためである。細径部82を粉体の集合物75の中に配置すること、或いは、粉体の粒径を細径部82の内径に対応して特定することは面倒なものであり、装置71を製造する上で手間になる。更に、細径部82には液体原料中の異物が滞留することも考えられ、そのことが細径部82の目詰まりの原因にもなり得る。
【0006】
上記気化装置71では、粉体の集合物75とバルブ83との間にある程度の距離が設けられていることから、バルブ83が粉体を噛み込むなどのおそれは少ない。しかしながら、バルブ83と粉体の集合物75との間の距離が長い分だけ、小径パイプ81の内壁に液体が付着することもあり得る。このことは、バルブ83による液体原料の調節精度を悪化させ、気化ガスの調節精度を低下させることにもなる。
【0007】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、液体原料を安定的に気化させると共に、製造を容易にすることを可能にした液体原料の気化装置を提供することにある。
【0008】
この発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、気化ガスの調節精度を向上させることを可能にした液体原料の気化装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1に記載の第1の発明は、外部からハウジングの気化室に供給される液体原料を加熱し気化させて排出するようにした気化装置であって、ハウジングは気化室に液体原料を供給するための供給ポートと、気化室で気化されたガスを排出するための排出ポートとを有し、気化室には熱伝導性を有する粉体の集合物が設けられ、その粉体の集合物は圧縮され、焼結された焼結体をなしていることを趣旨とする。
【0010】
上記第1の発明の構成によれば、供給ポートを通じて気化室に供給された液体原料は粉体の焼結体の中で毛管現象により拡散される。このとき、焼結体が加熱されることにより、液体が加熱されて速やかに気化される。気化により得られたガスは、排出ポートから気化室の外へ排出される。
【0011】
ここで、焼結体は粉体の集合物が圧縮され、焼結されることにより形成される。このため、圧縮及び焼結される粉体につき、その粒径の大きさを特定する必要はない。焼結体の体格はその重さの割に小さくなる。焼結体であることから、粉体の粒が飛散したり、その結果として気化室からこぼれ出たりすることがない。
【0012】
上記第2の目的を達成するために請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明の構成において、気化室に供給される液体原料の流量を調節するための調節バルブを更に備え、その調節バルブは弁体と、その弁体に接触する弁座とを含み、供給ポートが弁座の孔をなし、焼結体の少なくとも一部が供給ポートに隣接して配置されていることを趣旨とする。
【0013】
上記第2の発明の構成によれば、第1の発明の作用に加え、調節バルブの弁体が作動して弁座から離れることにより、供給ポートが開かれる。焼結体の少なくとも一部が供給ポートに隣接して配置されることから、調節バルブと焼結体との距離が短くなり、両者の間に液体原料の一部が滞留することがない。
【0014】
上記第1又は第2の目的を達成するために請求項3に記載の第3の発明は、第1又は第2の発明の構成において、焼結体を加熱するためのヒータを更に備えたことを趣旨とする。
【0015】
上記第3の発明の構成によれば、第1又は第2の発明の作用に加え、ヒータが作動することにより、液体原料を気化するために焼結体が加熱される。このため、焼結体を加熱するために、別途にヒータを設ける必要がない。気化装置をヒータと共に単独で取り扱うことが可能になる。
【0016】
上記第1又は第2の目的を達成するために請求項4に記載の第4の発明は、第1又は第2の発明の構成において、供給ポートに供給される液体原料の流量又は排出ポートから排出されるガスの流量を計測するための流量計を更に備え、流量計の計測値が流量を調整するために使用されることを趣旨とする。
【0017】
上記第4の発明の構成によれば、第1又は第2の発明の作用に加え、流量計の計測値が流量調整のために使用されることにより、気化装置の供給ポートに供給される液体原料の流量、又は気化装置の排出ポートから排出されるガスの流量が調整される。
【0018】
上記第1又は第2の目的を達成するために請求項5に記載の第5の発明は、第2乃至第4の発明の何れか一つの構成において、調節バルブは気体の圧力に基づいて作動するものであり、液体原料の供給を遮断する機能と、その液体原料の流量を調節する機能とを有し、液体原料が気化されるときの高温下で使用されることを趣旨とする。
【0019】
上記第5の発明の構成によれば、第2乃至第4の発明の何れか一つの作用に加え、気体の圧力に基づき作動することから、液体原料の遮断又は流量調節が速やかに行われる。液体原料を気化させるための熱にも耐え得る。
【0020】
【発明の実施の形態】
上記第1〜第3の発明に係る液体原料の気化装置の一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。この実施の形態では、半導体の製造装置に反応ガスを供給するためのガス供給装置に本発明の気化装置が具体化される。
【0021】
図2はガス供給装置の概略構成を示す。一般に、半導体の製造装置では、半導体基板の上に絶縁膜を気層成膜する過程で、特定の反応ガスを供給する必要がある。この実施の形態では、絶縁膜として、化学蒸着成膜法(CVD)により気相成膜される酸化珪素薄膜が適用される。酸化珪素薄膜を得るための特定ガスとして、常温常圧の下で液状をなす有機シラン(TEOS)が使用される。
【0022】
ガス供給装置はタンク1と、ガス流量制御ユニット2とを備える。タンク1は液状のTEOSを液体原料として貯留する。制御ユニット2は本発明に係る気化装置3と、流量コントローラ4と、温度コントローラ5とを有する。液状のTEOSを気化するために、気化装置3にはタンク1から液状のTEOSが供給される。気化装置3により気化されたTEOSのガスは流量計6を介して半導体製造装置7に導入され、ポンプ8から吐出される。タンク1には、窒素ガスが所定の圧力をもって供給される。窒素ガスの圧力は、レギュレータ9により所定の値に調整される。
【0023】
気化装置3は、液状のTEOSを気化するための気化器10と、調節バルブ11と、ヒータ12とを備える。バルブ11は気化器10に供給される液状のTEOSの量を調節する。ヒータ12は気化器10を加熱する。バルブ11を作動させるために、バルブ11には、電空レギュレータ13を介して圧縮空気が供給される。
【0024】
流量コントローラ4には、流量計6により検出されるガス流量の値が入力される。このコントローラ4には、作業者により任意に設定される流量設定値が入力される。コントローラ4は、気化装置3から排出されるTEOSのガス流量が所定の設定流量となるように、電空レギュレータ13を制御し、これによってバルブ11の開度を調節する。図3は気化装置3から排出されるTEOSガスの流量と、流量設定値との関係を示す。コントローラ4は、このグラフに示すような流量設定値に対するガス流量が得られるように、電空レギュレータ13を制御する。
【0025】
温度コントローラ5には、温度計14により検出される気化器10の温度値が入力される。このコントローラ5には、作業者により任意に設定される温度設定値が入力される。コントローラ5は、気化器10の温度が、設定された温度となるようにヒータ12を制御する。
【0026】
図1は気化装置3の構造を示す。調節バルブ11と、気化器10とは互いに一体に組み付けられる。気化器10はハウジング21を有する。ハウジング21は円筒22と、その円筒22の両端を塞ぐ第1の蓋体23及び第2の蓋体24とからなる。ハウジング21はその内部に気化室25を有する。気化室25では、液状のTEOSが気化される。ハウジング21は供給ポート26と、排出ポート27とを有する。気化室25には、供給ポート26を通じて液状のTEOSが供給される。気化室25で気化されたTEOSガスは排出ポート27を通じて外部へ排出される。排出ポート27の内径は比較的大きく、供給ポート26の内径は比較的微細である。気化室25には金属製の粉体の集合物よりなる焼結体28が設けられる。この粉体は、熱伝導性と耐食性を兼ね備えた金属よりなる。この実施の形態では、上記金属製の粉体として、ステンレス製の粉体が使用される。焼結体28はステンレス製粉体の集合物を所定の気孔率を有する状態で圧縮し、その上で焼結することにより形成される。焼結体28は円柱状をなし、その一端に小径の突部28aを有する。焼結体28の外周面とハウジング21の内周面との間には、所定の隙間29が設けられる。
【0027】
調節バルブ11はハウジング21の供給ポート26の側に配置される。このバルブ11はケーシング31を有する。ケーシング31は中心に孔32を有する胴体33と、その胴体33の一端に配置されたキャップ34と、胴体33の他端に配置された前記第1の蓋体23とからなる。第1の蓋体23はハウジング21とケーシング31とに兼用される。ケーシング31はその内部に、孔32を境に区画された第1の室35と、第2の室36とを有する。孔32には、弁ロッド37が摺動可能に設けられる。弁ロッド37の一端には、押え金38を介して第1のダイアフラム39が取り付けられる。第1の室35は、このダイアフラム39により大気室40と、加圧室41とに区画される。大気室40には、キャップ34に設けられた大気ポート42を通じて大気が導入される。加圧室41には、胴体33に設けられた加圧ポート43を通じて圧縮空気が供給される。加圧室41に供給される圧縮空気は、電空レギュレータ13により調節される。
【0028】
弁ロッド37の他端には、弁体44が取り付けられる。弁体44の外周には第2のダイアフラム45が取り付けられる。第2の室36は、このダイアフラム45により大気室46と、液室47とに区画される。このダイアフラム45の外周縁はダイアフラム45と一体にポリテトラフルオロエチレンのリング48が設けられており、ケーシング31と蓋体23で挟み込むことでシールされる。大気室46には、胴体33に設けられた大気ポート49を通じて大気が導入される。液室47には、第1の蓋体23に設けられた液ポート50を通じて液状のTEOSが供給される。
【0029】
調節バルブ11は弁体44の他に、その弁体44に接する弁座51を含む。この弁座51は第1の蓋体23に設けられる。弁座51はその中心に孔を有する。前述した微細な供給ポート26は弁座51の孔をなしている。弁座51の部位に対応する蓋体23の肉厚は比較的小さい。このため、供給ポート26の軸線方向の長さは比較的短い。気化室25に配置された焼結体28の突部28aは供給ポート26に隣接して配置される。
【0030】
弁体44が弁座51に接することにより、供給ポート26が閉じられる。弁体44が弁座51から離れることにより、供給ポート26が開かれる。供給ポート26が開かれることにより、液室47に供給される液状のTEOSが、そのポート26を通じて気化室25に供給される。
【0031】
第1の室35の大気室40には、圧縮スプリング52が設けられる。このスプリング52は、弁体44が弁座51に接する方向へ押されるように弁ロッド37を付勢する。従って、加圧室41に圧縮空気が供給されることにより、第1のダイアフラム39が弁ロッド37と共にスプリング52の付勢力に抗して大気室40の側へ変位する。この変位に伴い、弁体44が弁座51から離れ、供給ポート26が開かれる。このポート26の開度は、加圧室41に供給される圧縮空気の量に応じて変えられる。供給ポート26の開度が変わることにより、液室47から気化室25に供給される液状のTEOSの量が調節される。
【0032】
気化器10において、ヒータ12はハウジング21の外周に設けられる。ヒータ12は熱線を含み、その熱線がハウジング21の外周に沿って巻かれる。このヒータ12が通電により作動することにより、ハウジング21が加熱される。この結果、ハウジング21を介して焼結体28が加熱される。
【0033】
上記のように構成されたガス供給装置における気化装置3の動作を説明する。この気化装置3によれば、供給ポート26を通じて気化室25に供給される液状のTEOSが粉体の焼結体28の中で毛管現象により拡散される。このとき、焼結体28がヒータ12により加熱されると、その焼結体28の中で液状のTEOSが加熱されて速やかに気化される。このため、気化装置3は液状のTEOSを常に安定的に気化させることができる。
【0034】
気化により得られたTEOSガスは、隙間29を流れ、排出ポート27から気化室25の外へ安定的に排出される。排出されたTEOSガスは、流量計6及びポンプ7を介して半導体製造装置7に供給される。
【0035】
図4はこの気化装置3から排出されるTEOSガス流量の安定性を示す。このグラフは、気化装置3から排出されるガス流量が所定の設定流量FRとなるように、気化装置3に液状のTEOSを長時間供給したときのガス流量の変化を示す。このグラフにおいて、実線はTEOSガス流量を示し、一点鎖線は加圧室41に加えられる圧縮空気の圧力を示し、二点鎖線は気化室25における圧力を示す。このグラフに示すように、時刻t1において調節バルブ11の操作圧力が急激に増加すると、TEOSガス流量は直ちに増加する。時刻t2においてその操作圧力が急激に低下すると、TEOSガス流量は速やかに低下する。両時刻t1,t2の間で、TEOSガス流量は設定流量FRに収束するように安定した状態を示すことが分かる。
【0036】
ここで、焼結体28はステンレス製粉体の集合物が一旦圧縮された上で、焼結されることにより形成される。従って、この気化装置3では、粉体の粒が飛散したり、その結果として粉体の粒が気化室25からこぼれ出たりすることがない。粉体の粒が供給ポート26に入り込むおそれもない。このため、粉体の粒径を供給ポート26の内径に対応させて特定する必要がない。このことは、気化装置3を製造する上で手間を省き、装置3の製造を容易なものにすることができる。
【0037】
供給ポート26に粉体が入り込むおそれがないことから、同ポート26の内径を必要以上に小さくする必要がない。従って、液状のTEOSの中に異物が混入していたとしても、その異物が供給ポート26の中に滞留することはない。このため、供給ポート26が異物によって目詰まりを起こすおそれがない。
【0038】
この気化装置3では、焼結体28を得るために、粉体の集合物が圧縮されている。このため、焼結体28はその重さの割に体格が小さくなる。このことは、気化器10の小型化に寄与し、ひいては気化装置3全体の小型化に寄与する。
【0039】
この気化装置3によれば、調節バルブ11の弁体44が弁座51から離れると、供給ポート26が開かれる。このとき、液室47に供給される液状のTEOSは、供給ポート26を通じて気化室25へ流れる。この気化装置3では、焼結体28の少なくとも一部が供給ポート26に隣接しており、供給ポート26の軸線方向の長さが比較的短い。このため、バルブ11と焼結体28との距離が短くなり、両者11,28の間、即ち供給ポート26の流路中に液状のTEOSの一部が付着して留まることがない。このことは、調節バルブ11による液状のTEOSの調節精度を向上させ、気化器10で気化されるTEOSガスの調節精度を向上させる。
【0040】
この気化装置3では、調節バルブ11の加圧室41に対する圧縮空気の供給が停止されると、弁体44がスプリング52により直ちに弁座51に押し付けられて供給ポート26が閉じられる。従って、気化室25に対する液状のTEOSの供給は速やかに遮断され、気化器10におけるTEOSガスの生成が速やかに止められる。このため、ガス供給装置から半導体製造装置7へのTEOSガスの供給を、バルブ11の作動に合わせて応答性良く、且つ速やかに停止させることができる。
【0041】
この気化装置3によれば、ヒータ12が作動すると、焼結体28が加熱される。このため、焼結体28を加熱するために、ガス供給装置に別途にヒータを設けて気化装置3を加熱する必要がない。更に、気化装置3をヒータ12と共に単独で取り扱うことが可能になる。この意味で、気化装置3の取り扱い上の自由度が増し、ガス供給装置の製造が容易になる。
【0042】
このガス供給装置において、流量コントローラ4は流量計6の検出値に基づいて電空レギュレータ13を制御し、調節バルブ11の開度を調節する。これにより、気化器10から排出されるTEOSガスの流量が設定流量に調節される。このため、半導体製造装置7に対してTEOSガスを必要な量だけ正確に供給することが可能になる。
【0043】
このガス供給装置において、温度コントローラ5は、温度計14の検出値に基づきヒータ12を制御し、焼結体28の加熱温度を調節する。これにより、焼結体28の温度が設定温度に調節される。設定温度は液状のTEOSが大流量供給されても安定したTEOSガスが得られるよう蒸発温度よりも高めに設定する。
【0044】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で以下のように実施することができる。
【0045】
(1)前記実施の形態では、焼結体28を構成する粉体の材料として、ステンレスを使用した。これに対し、粉体の材用として、金属であるチタンや、SiC等のセラミックを使用してもよい。
【0046】
(2)前記実施の形態では、焼結体28を構成する粉体の材料として、熱伝導性と耐食性を兼ね備えた金属(ステンレス)を使用した。これに対し、熱伝導性のみを有する金属を粉体に使用してもよい。
【0047】
(3)前記実施の形態では、電空レギュレータ13で調節される圧縮空気により作動する調節バルブ11を使用した。これに対し、電気的に駆動される電磁バルブを調節バルブとして使用してもよい。
【0048】
(4)前記実施の形態では、気化装置3にヒータ12を一体に設けたが、気化装置3からヒータ12を省略してもよい。この場合、気化装置を加熱するためには、気化装置の周囲に別途にヒータを設ければよい。
【0049】
(5)前記実施の形態では、図2に示すように流量計6を気化装置3の二次側に配置したが、この流量計6により液体材料のガス化流量を計測し、その値を流量コントローラ4にフィードバックしても良い。或いは、流量計を流量の調節バルブ11の一次側に設置し、液体材料の液体流量を計測し、その値をコントローラ4にフィードバックしても良い。
【0050】
(6)前記実施の形態では、半導体製造装置7にTEOSガスを供給するために、液体原料として液状のTEOSを使用した。これに対し、別の目的に使用される気化ガスを発生させるために、液体原料としてTEOS以外の原料を使用しても良い。
【0051】
【発明の効果】
上記請求項1に記載の第1の発明では、熱伝導性を有する粉体の集合物であって圧縮され、焼結された焼結体を気化室に設けている。従って、気化室に供給された液体原料が焼結体の中で毛管現象により拡散され、焼結体が加熱されることにより、その液体が速やかに気化される。焼結体はその粉体の粒径を特定する必要がなく、体格が小さくなり、粉体が飛散することがない。この結果、液体原料を安定的に気化させることができ、気化装置の製造を容易にすることができるという効果を発揮する。
【0052】
上記請求項2に記載の第2の発明では、第1の発明の構成において、気化室に供給される液体原料の流量を調節するための調節バルブを更に備え、焼結体の少なくとも一部が弁座の孔をなす供給ポートに隣接して配置されている。従って、第1の発明の作用に加え、調節バルブと焼結体との距離が短くなり、両者の間に液体原料の一部が留まることがない。この結果、第1の発明の効果に加え、気化装置により気化されるガスの調節精度を向上させることができるという効果を発揮する。
【0053】
上記請求項3に記載の第3の発明では、上記第1又は第2の発明の構成において、焼結体を加熱するためのヒータを設けている。従って、第1又は第2の発明の作用に加え、ヒータにより焼結体が加熱されることから、気化装置に対して別途にヒータを設ける必要がなく、気化装置をヒータと共に単独で容易に取り扱うことが可能になる。この結果、第1又は第2の発明の効果に加え、気化装置の取り扱い上の自由度を増大させることができるという効果を発揮する。この意味で、気化装置があるシステムに含まれる場合には、そのシステムの製造を容易にすることができるという効果を発揮する。
【0054】
上記請求項4に記載の第4の発明では、上記第1又は第2の発明の構成において、気化装置における液体原料の流量又はガスの流量を流量計により計測し、その計測値を流量調整のために使用している。従って、第1又は第2の発明の作用に加え、流量計の計測値に基づいて液体原料の流量又はガスの流量が調整される。この結果、第1又は第2の発明の効果に加え、気化装置により気化されるガスの調節精度を向上させることができるという効果を発揮する。
【0055】
上記請求項5に記載の第5の発明では、上記第2乃至第4の発明の何れか一つの構成において、気体圧力に基づき作動する調節バルブが液体原料の供給を遮断する機能と、その流量を調節する機能とを有し、高温下で使用されるようになっている。従って、第2乃至第4の発明の何れか一つの作用に加え、調節バルブにより液体原料の遮断又は流量調節が速やかに行われ、同バルブが高い熱にも耐え得る。この結果、第2乃至第4の発明の何れか一つの効果に加え、気化装置における液体原料の気化の応答性を向上させることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施の形態に係り、液体原料の気化装置の構造を示す断面図である。
【図2】一実施の形態に係り、気化装置を含むガス供給装置を示す概略構成図である。
【図3】一実施の形態に係り、気化装置から排出されるTEOSガス流量と流量設定値との関係を示すグラフである。
【図4】一実施の形態に係り、気化装置から排出されるTEOSガス流量等の変化を示すグラフである。
【図5】従来の気化装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 気化器
11 調節バルブ
21 ハウジング
25 気化室
26 供給ポート
27 排出ポート
28 焼結体
44 弁体
51 弁座
Claims (4)
- ハウジングの内部に形成された気化室に供給される液体原料を加熱し気化させて排出するようにした気化装置であって、
前記ハウジングは、
前記気化室に液体原料を供給するための供給ポートと、
前記気化室で気化されたガスを排出するための排出ポートと、
前記気化室の周囲に備えるヒータと、
を有し、
前記気化室には、
熱伝導性を有する粉体の集合物、である圧縮され焼結されてなる焼結体を備え、
前記焼結体の両端部は前記ハウジングに接触して保持され、
前記焼結体の外周面と前記ハウジングの間に隙間が形成され、
前記焼結体の片端部に備える突部は、前記ハウジングに形成される凹部に挿入され、
前記気化室に供給される液体原料の流量を調節するための調節バルブが備える弁座は、前記凹部の底面と対向する面に形成され、
前記供給ポートは前記弁座に孔状に形成され、前記突部と隣接していることを特徴とする液体原料の気化装置。 - 請求項1に記載の気化装置は、
前記調節バルブに、
前記ハウジングの端部に形成される弁室と、
前記弁室に接続し液体原料を供給するための液ポートと、
前記弁座に当接、離間する弁体を
有し、
前記弁体はダイアフラムを備えていることを特徴とする液体原料の気化装置。 - 請求項1又は2に記載の気化装置は、
前記供給ポートに供給される液体原料の流量又は前記排出ポートから排出されるガスの流量を計測するための流量計を更に備え、
前記流量計の計測値が前記流量を調整するために使用されることを特徴とする液体原料の気化装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の気化装置において、
前記調節バルブは気体の圧力に基づいて作動するものであり、
前記液体原料の供給を遮断する機能と、
その液体原料の流量を調節する機能と
を有し、
前記液体原料が気化されるときの高温下で使用されること
を特徴とする液体原料の気化装置。
Priority Applications (1)
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