JP3938200B1 - センサ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部を形成したセンサ基板と、センシング部に電気的に接続される複数の貫通孔配線を形成したパッケージ用基板とを用いて製造するセンサ装置の製造歩留まりの向上を図れるセンサ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板であるSOI基板10の主表面側に形成された表面絶縁膜16と多層構造部41とからなる多層絶縁膜のうち接合用領域部E3に形成されている部位をエッチバックし、表面絶縁膜16上に封止用金属層18および電気接続用金属層19を形成する。センサ部E1の重り部12、撓み部13などを形成してから、センサ基板1と第2のパッケージ用基板3とを常温接合し、センサ基板1と第1のパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士を直接接合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサなどのセンサ装置およびその製造方法に関するものである。
従来から、シリコン基板やSOI基板などの半導体基板を用いて形成したセンサ基板と、センサ基板のセンシング部に電気的に接続される貫通孔配線を形成したパッケージ用基板とを用いたセンサ装置(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサなど)が知られており、最近では、センサ基板の熱応力を低減するためにパッケージ用基板としてシリコン基板を採用するとともに、センサ基板とパッケージ用基板とを常温接合法(例えば、特許文献1,2参照)を利用して接合することが考えられている。なお、センサ装置がピエゾ抵抗形の加速度センサの場合には、可動部に形成されたピエゾ抵抗がセンシング部を構成し、センサ装置が容量形の加速度センサやジャイロセンサの場合には、固定電極と可動電極とによりセンシング部を構成し、センサ装置が熱形の赤外線センサの場合には、サーミスタ、サーモパイル、焦電素子などがセンシング部を構成する。
ここにおいて、上記特許文献1には、例えば、図11に示すように、チャンバCH’内で2つのウェハ保持部材205a,205bそれぞれに保持された2枚のシリコンウェハWa,Wbそれぞれの接合面に真空中において互いに異なるビーム照射装置211a,211bから不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビームを照射した後、上側のウェハ保持部材205aを押し下げるプッシュロッド207を駆動して両シリコンウェハWa,Wbの接合面同士を重ね合わせることで両シリコンウェハWa,Wbを接合する技術が開示されている。なお、上記特許文献2には、半導体素子が形成された半導体基板同士を常温接合するにあたって、両半導体基板の互いの対向面に金属層を形成しておき、金属層同士を常温接合することが記載されている。
特許第2791429号公報 特許第3532788号公報
ところで、上述の半導体基板にセンシング部と協働するIC部を形成することでセンサ装置の高機能化を図ることが考えられる。
しかしながら、上述の半導体基板の主表面側に形成されている複数の絶縁膜(シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、層間絶縁膜、パッシベーション膜など)の積層膜からなる多層絶縁膜上に封止用金属層および電気接続用金属層を設けるとともに、貫通孔配線を形成するパッケージ用基板の同一レベル面上に封止用金属層および電気接続用金属層を設けて、センサ基板とパッケージ用基板との封止用金属層同士および電気接続用金属層同士を常温接合法により直接接合する接合工程を利用したセンサ装置の製造方法では、IC部を形成していない場合に比べて、接合工程の歩留まりが低下してしまうという問題があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、少なくとも、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部を形成したセンサ基板と、センシング部に電気的に接続される複数の貫通孔配線を形成したパッケージ用基板とを用いて製造するセンサ装置の製造歩留まりの向上を図れるセンサ装置およびその製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、少なくとも、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部が形成されたセンサ基板と、IC部に電気的に接続される貫通孔配線が形成されたパッケージ用基板とを備え、センサ基板とパッケージ用基板との活性化された封止用金属層同士および活性化された電気接続用金属層同士が常温接合されたセンサ装置であって、センサ基板は、センシング部およびIC部の形成時に当該センサ基板の主表面側に形成された複数の絶縁膜の積層膜からなる多層絶縁膜においてIC部のパッドが形成された領域と封止用金属層および電気接続用金属層が形成された接合用領域部との間に段差が形成されてなり、多層絶縁膜の一部をエッチバックすることにより平坦化された接合用領域部の表面上に、封止用金属層および電気接続用金属層が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、センサ基板は、当該センサ基板の主表面側の複数の絶縁膜の積層膜からなる多層絶縁膜の一部をエッチバックすることにより平坦化された接合用領域部の表面上に封止用金属層および電気接続用金属層が形成されているので、封止用金属層および電気接続用金属層を同一レベル面上に同一厚さで形成することが可能であり、封止用金属層の表面および電気接続用金属層の表面の平坦性を高めることが可能となり、センサ基板とパッケージ基板との封止用金属層同士および電気接続用金属層同士を常温接合する接合工程の歩留まりを高めて製造歩留まりの向上を図ることが可能となる。
請求項2の発明は、少なくとも、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部を形成したセンサ基板と、センシング部に電気的に接続される複数の貫通孔配線を形成したパッケージ用基板とを用いたセンサ装置の製造方法であって、センシング部およびIC部の形成時に当該センサ基板の主表面側に形成された複数の絶縁膜の積層膜からなる多層絶縁膜のうちパッケージ用基板との接合用領域部に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部の表面を平坦化する平坦化工程と、平坦化工程の後で接合用領域部の表面上に封止用金属層および電気接続用金属層を形成する金属層形成工程と、センサ基板とパッケージ用基板との活性化された封止用金属層同士および活性化された電気接続用金属層同士を常温接合する接合工程とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、センサ基板の主表面側の複数の絶縁膜の積層膜からなる多層絶縁膜のうちパッケージ用基板との接合用領域部に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部の表面を平坦化した後で、接合用領域部の表面上に封止用金属層および電気接続用金属層を形成しているので、封止用金属層および電気接続用金属層を同一レベル面上に同一厚さで形成することができるとともに、封止用金属層の表面および電気接続用金属層の表面の平坦性を高めることができ、センサ基板とパッケージ基板との封止用金属層同士および電気接続用金属層同士を常温接合する接合工程の歩留まりを高めることができるから、製造歩留まりの向上を図れる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記平坦化工程では、前記多層絶縁膜のうちの最上層の絶縁膜以外の絶縁膜をエッチングストッパ層としてエッチバックを行うことを特徴とする。
この発明によれば、前記半導体基板の前記主表面に対する前記接合用領域部の表面の高さレベルの再現性を高めることができ、接合工程の歩留まりを高めることができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記多層絶縁膜が、前記半導体基板の主表面に形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に形成されたシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に形成された少なくとも1層の層間絶縁膜からなる第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上に形成されたパッシベーション膜からなる第4の絶縁膜とで構成されており、前記平坦化工程では、前記第2の絶縁膜であるシリコン窒化膜をエッチングストッパ層としてエッチバックを行うことを特徴とする。
この発明によれば、前記接合用領域部における前記封止用金属層および前記電気接続用金属層の下地層を前記半導体基板の主表面に比較的近い第2の絶縁膜であるシリコン窒化膜とすることができ、下地層の表面の平坦性をより高めることができる。
請求項5の発明は、請求項の発明において、前記多層絶縁膜が、前記半導体基板の主表面に形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に形成されたシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に形成された少なくとも1層の層間絶縁膜からなる第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上に形成されたパッシベーション膜からなる第4の絶縁膜とで構成されており、前記平坦化工程では、前記第2の絶縁膜であるシリコン窒化膜をエッチングストッパ層としてエッチングを行った後で、前記第1の絶縁膜であるシリコン酸化膜をエッチングストッパ層としてエッチングを行うことを特徴とする。
この発明によれば、前記接合用領域部における前記封止用金属層および前記電気接続用金属層の下地層を前記半導体基板の主表面に形成された第1の絶縁膜であるシリコン酸化膜とすることができ、下地層の表面の平坦性をより高めることができる。
請求項6の発明は、請求項ないし請求項5の発明において、前記接合工程が終了するまでの全工程を前記センサ基板および前記パッケージ用基板それぞれについてウェハレベルで行うことで前記センサ装置を複数備えたウェハレベルパッケージ構造体を形成するようにし、当該ウェハレベルパッケージ構造体から前記センサ装置に分割する分割工程を備えることを特徴とする。
この発明によれば、前記パッケージ用基板の平面サイズを前記センサ基板の平面サイズに合わせることができるとともに、量産性を高めることができる。
請求項1の発明では、センサ基板とパッケージ基板との封止用金属層同士および電気接続用金属層同士を常温接合する接合工程の歩留まりを高めて製造歩留まりの向上を図ることが可能となるという効果がある。
請求項2の発明では、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部を形成したセンサ基板と、センシング部に電気的に接続される複数の貫通孔配線を形成したパッケージ用基板とを用いて製造するセンサ装置の製造歩留まりの向上を図れるという効果がある。
以下、本実施形態のセンサ装置について図2〜図10を参照しながら説明した後、特徴となる製造方法について図1を参照しながら説明する。
本実施形態のセンサ装置は、加速度センサであり、半導体基板10の主表面側に後述のセンシング部およびセンシング部と協働するIC部E2を形成したセンサ基板1と、センサ基板1のセンシング部に電気的に接続される貫通孔配線24を有しセンサ基板1の一表面側(図2の上面側)に封着された第1のパッケージ用基板(貫通孔配線形成基板)2と、センサ基板1の他表面側(図2の下面側)に封着された第2のパッケージ用基板(カバー基板)3とを備えている。ここにおいて、センサ基板1および第1のパッケージ用基板2および第2のパッケージ用基板3の外周形状は矩形状であり、第1のパッケージ用基板2および第2のパッケージ用基板3はセンサ基板1と同じ外形寸法に形成されている。
センサ基板1は、上述の半導体基板10としてシリコン基板からなる支持基板10a上のシリコン酸化膜からなる絶縁層(埋込酸化膜)10b上にn形のシリコン層(活性層)10cを有するSOI基板を採用し、当該SOI基板10を加工することにより形成してあり、第1のパッケージ用基板2は第1のシリコン基板20を加工することにより形成し、第2のパッケージ用基板3は第2のシリコン基板30を加工することにより形成してある。なお、本実施形態では、SOI基板10における支持基板10aの厚さを300μm〜500μm程度、絶縁層10bの厚さを0.3μm〜1.5μm程度、シリコン層10cの厚さを4μm〜10μm程度とし、また、第1のシリコン基板20の厚さを200μm〜300μm程度、第2のシリコン基板30の厚さを100〜300μm程度としてあるが、これらの数値は特に限定するものではない。また、SOI基板10の主表面であるシリコン層10cの表面は(100)面としてある。
センサ基板1は、上述のセンシング部を有するセンサ部E1が中央部に形成され、センサ部E1を取り囲むようにIC部E2が形成され、IC部E2を取り囲むように後述の接合用領域部E3が形成されている。
ここにおいて、センサ基板1のセンサ部E1は、図4に示すように、枠状(本実施形態では、矩形枠状)のフレーム部11を備え、フレーム部11の内側に配置される重り部12が一表面側(図4(b)の上面側)において可撓性を有する4つの短冊状の撓み部13を介してフレーム部11に揺動自在に支持されている。言い換えれば、センサ基板1のセンサ部E1は、枠状のフレーム部11の内側に配置される重り部12が重り部12から四方へ延長された4つの撓み部13を介してフレーム部11に揺動自在に支持されている。ここで、フレーム部11は、上述のSOI基板10の支持基板10a、絶縁層10b、シリコン層10cそれぞれを利用して形成してある。これに対して、撓み部13は、上述のSOI基板10におけるシリコン層10cを利用して形成してあり、フレーム部11よりも十分に薄肉となっている。
重り部12は、上述の4つの撓み部13を介してフレーム部11に支持された直方体状のコア部12aと、センサ基板1の上記一表面側から見てコア部12aの四隅それぞれに連続一体に連結された直方体状の4つの付随部12bとを有している。言い換えれば、重り部12は、フレーム部11の内側面に一端部が連結された各撓み部13の他端部が外側面に連結されたコア部12aと、コア部12aと一体に形成されコア部12aとフレーム部11との間の空間に配置される4つの付随部12bとを有している。つまり、各付随部12bは、センサ基板1の上記一表面側から見て、フレーム部11とコア部12aと互いに直交する方向に延長された2つの撓み部13,13とで囲まれる空間に配置されており、各付随部12bそれぞれとフレーム部11との間にはスリット14が形成され、撓み部13を挟んで隣り合う付随部12b間の間隔が撓み部13の幅寸法よりも長くなっている。ここにおいて、コア部12aは、上述のSOI基板10の支持基板10a、絶縁層10b、シリコン層10cそれぞれを利用して形成し、各付随部12bは、SOI基板10の支持基板10aを利用して形成してある。しかして、センサ基板1の上記一表面側において各付随部12bの表面は、コア部12aの表面を含む平面からセンサ基板1の上記他表面側(図4(b)の下面側)へ離間して位置している。なお、センサ基板1におけるセンサ部E1の上述のフレーム部11、重り部12、各撓み部13は、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して形成すればよい。
ところで、図4(a),(b)それぞれの右下に示したように、センサ基板1の上記一表面に平行な面内でフレーム部11の一辺に沿った一方向をx軸の正方向、この一辺に直交する辺に沿った一方向をy軸の正方向、センサ基板1の厚み方向の一方向をz軸の正方向と規定すれば、重り部12は、x軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13と、y軸方向に延長されてコア部12aを挟む2つ1組の撓み部13,13とを介してフレーム部11に支持されていることになる。なお、上述のx軸、y軸、z軸の3軸により規定した直交座標では、センサ基板1において上述のシリコン層10cにより形成された部分の表面における重り部12の中心位置を原点としている。
重り部12のコア部12aからx軸の正方向に延長された撓み部13(図4(a)の右側の撓み部13)は、コア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx2,Rx4が形成されるとともに、フレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗Rz2が形成されている。一方、重り部12のコア部12aからx軸の負方向に延長された撓み部13(図4(a)の左側の撓み部13)は、コア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Rx1,Rx3が形成されるとともに、フレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗Rz3が形成されている。ここに、コア部12a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rx1,Rx2,Rx3,Rx4は、x軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部13の長手方向に一致するように形成してあり、図6における左側のブリッジ回路Bxを構成するようにセンサ基板1に形成されている図示しない配線(拡散層配線、金属配線など)によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4は、x軸方向の加速度がかかったときに撓み部13において応力が集中する応力集中領域に形成されている。
また、重り部12のコア部12aからy軸の正方向に延長された撓み部13(図4(a)の上側の撓み部13)はコア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry1,Ry3が形成されるとともに、フレーム部11近傍に1つのピエゾ抵抗Rz1が形成されている。一方、重り部12のコア部12aからy軸の負方向に延長された撓み部13(図4(a)の下側の撓み部13)はコア部12a近傍に2つ1組のピエゾ抵抗Ry2,Ry4が形成されるとともに、フレーム部11側の端部に1つのピエゾ抵抗Rz4が形成されている。ここに、コア部12a近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Ry1,Ry2,Ry3,Ry4は、y軸方向の加速度を検出するために形成されたもので、平面形状が細長の長方形状であって、長手方向が撓み部13の長手方向に一致するように形成してあり、図6における中央のブリッジ回路Byを構成するようにセンサ基板1に形成されている図示しない配線(拡散層配線、金属配線など)によって接続されている。なお、ピエゾ抵抗Ry1〜Ry4は、y軸方向の加速度がかかったときに撓み部13において応力が集中する応力集中領域に形成されている。
また、フレーム部11近傍に形成された4つのピエゾ抵抗Rz1,Rz2,Rz3,Rz4は、z軸方向の加速度を検出するために形成されたものであり、図6における右側のブリッジ回路Bzを構成するようにセンサ基板1に形成されている図示しない配線(拡散層配線、金属配線など)によって接続されている。ただし、2つ1組となる撓み部13,13のうち一方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗Rz1,Rz4は長手方向が撓み部13,13の長手方向と一致するように形成されているのに対して、他方の組の撓み部13,13に形成したピエゾ抵抗Rz2,Rz3は長手方向が撓み部13,13の幅方向(短手方向)と一致するように形成されている。
なお、上述の各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4および上記各拡散層配線は、シリコン層10cにおけるそれぞれの形成部位に適宜濃度のp形不純物をドーピングすることにより形成されている。
ここで、センサ基板1のセンサ部E1の動作の一例について説明する。
いま、センサ基板1に加速度がかかっていない状態で、センサ基板1に対してx軸の正方向に加速度がかかったとすると、x軸の負方向に作用する重り部12の慣性力によってフレーム部11に対して重り部12が変位し、結果的にx軸方向を長手方向とする撓み部13,13が撓んで当該撓み部13,13に形成されているピエゾ抵抗Rx1〜Rx4の抵抗値が変化することになる。この場合、ピエゾ抵抗Rx1,Rx3は引張応力を受け、ピエゾ抵抗Rx2,Rx4は圧縮応力を受ける。一般的にピエゾ抵抗は引張応力を受けると抵抗値(抵抗率)が増大し、圧縮応力を受けると抵抗値(抵抗率)が減少する特性を有しているので、ピエゾ抵抗Rx1,Rx3は抵抗値が増大し、ピエゾ抵抗Rx2,Rx4は抵抗値が減少することになる。したがって、図6に示した一対の入力端子VDD,GND間に外部電源から一定の直流電圧を印加しておけば、図6に示した左側のブリッジ回路Bxの出力端子X1,X2間の電位差がx軸方向の加速度の大きさに応じて変化する。同様に、y軸方向の加速度がかかった場合には図6に示した中央のブリッジ回路Byの出力端子Y1,Y2間の電位差がy軸方向の加速度の大きさに応じて変化し、z軸方向の加速度がかかった場合には図6に示した右側のブリッジ回路Bzの出力端子Z1,Z2間の電位差がz軸方向の加速度の大きさに応じて変化する。しかして、上述のセンサ基板1は、各ブリッジ回路Bx〜Bzそれぞれの出力電圧の変化を検出することにより、当該センサ基板1に作用したx軸方向、y軸方向、z軸方向それぞれの加速度を検出することができる。本実施形態では、重り部12と各撓み部13とで可動部を構成しており、各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4それぞれが、センサ基板1におけるセンシング部を構成している。
また、センサ基板1のIC部E2は、CMOSを用いた集積回路(CMOS IC)であって上記センシング部であるピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4と協働する集積回路が形成されている。ここにおいて、IC部E2の集積回路は、上述のブリッジ回路Bx,By,Bzの出力信号に対して増幅、オフセット調整、温度補償などの信号処理を行って出力する信号処理回路や、信号処理回路において用いるデータを格納したEEPROMなどが集積化されている。
ところで、センサ基板1は、平面視において中央部に位置するセンサ部E1をIC部E2が囲み、IC部E2を接合用領域部E3が囲むようにセンサ部E1、IC部E2、接合用領域部E3のレイアウトが設計されている。
ここにおいて、センサ基板1のIC部E2では、多層配線技術を利用してセンサ基板1における当該ICE2の占有面積の縮小化を図っており、SOI基板10の主表面側(つまり、シリコン層10cの表面側)には、シリコン層10c上のシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と第1の絶縁膜上のシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜との積層膜からなる表面絶縁膜16が形成されており、IC部E2では、表面絶縁膜16上に、少なくとも1層の層間絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上のパッシベーション膜(シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜)からなる第4の絶縁膜とを含む多層構造部41が形成され、上記パッシベーション膜の適宜部位を除去することにより複数のパッド42を露出させてある。
また、センサ基板1は、上記センシング部と上述の第1のパッケージ用基板2の複数の貫通孔配線24とを電気的に接続するための複数の第1の電気接続用金属層19が接合用領域部E3において表面絶縁膜16上に形成されており、各パッド42が金属材料(例えば、Auなど)からなる引き出し配線43を介して第1の電気接続用金属層19と電気的に接続されている(図3(b)参照)。ここで、本実施形態では、引き出し配線43の材料と第1の電気接続用金属層19の材料とを同じとして、引き出し配線43と第1の電気接続用金属層19とが連続する形で形成されている。なお、IC部E2に形成された複数のパッド42には、信号処理回路を通して上記センシング部と電気的に接続されるものと、信号処理回路を通さずに上記センシング部と電気的に接続されるものがあるが、いずれにしても、第1のパッケージ用基板2の貫通孔配線24と上記センシング部とが電気的に接続されることとなる。
ここにおいて、センサ基板1の接合用領域部E3では、表面絶縁膜16上に、枠状(矩形枠状)の第1の封止用金属層18が形成されており、上述の複数の第1の電気接続用金属層19が第1の封止用金属層18よりも内側で表面絶縁膜16上に形成されている。要するに、センサ基板1は、第1の封止用金属層18と各電気接続用金属層19とを表面絶縁膜16のシリコン窒化膜を下地層として同一レベル面上に形成してある。ここで、複数の第1の電気接続用金属層19は、接合用領域部E3の周方向に離間して配置されている。
第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19は、接合用のAu膜と表面絶縁膜16との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。言い換えれば、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19は、表面絶縁膜16上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の電気接続用金属層19と第1の封止用金属層18とは同一の金属材料により形成されているので、第1の電気接続用金属層19と第1の封止用金属層18とを同時に形成することができるとともに、第1の電気接続用金属層19と第1の封止用金属層18とを略同じ厚さに形成することができる。なお、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と表面絶縁膜16との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
第1のパッケージ用基板2は、図7および図8に示すように、第1のシリコン基板20におけるセンサ基板1側(図2における下面側)の表面に、センサ基板1の重り部12と各撓み部13とで構成される可動部の変位空間を確保する変位空間形成用凹部21が形成されるとともに、変位空間形成用凹部21の周部に厚み方向に貫通する複数の貫通孔22が形成されており、厚み方向の両面および貫通孔22の内面とに跨って熱絶縁膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜23が形成され、貫通孔配線24と貫通孔22の内面との間に絶縁膜23の一部が介在している。ここにおいて、第1のパッケージ用基板2は、変位空間形成用凹部21の開口面の投影領域内にセンサ基板1のセンサ部E1およびIC部E2が収まるように変位空間形成用凹部21の開口面積を大きくしてあり、IC部E2の多層構造部41が変位空間形成用凹部21内に配置されるようになっている(図2、図3参照)。なお、第1のパッケージ用基板2の複数の貫通孔配線24は当該第1のパッケージ用基板2の周方向に離間して形成されている。また、貫通孔配線24の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。
また、第1のパッケージ用基板2は、センサ基板1側の表面において変位空間形成用凹部21の周部に、各貫通孔配線24それぞれと電気的に接続された複数の第2の電気接続用金属層29が形成されている。また、第1のパッケージ用基板2は、センサ基板1側の表面の周部の全周に亘って枠状(矩形枠状)の第2の封止用金属層28が形成されており、上述の複数の第2の電気接続用金属層29が第2の封止用金属層28よりも内側に配置されている(ここで、第2の封止用金属層28と各電気接続用金属層29とは絶縁膜23の同一レベル面上に形成してある)。ここにおいて、第2の電気接続用金属層29は、外周形状が細長の長方形状であり、長手方向の一端部が貫通孔配線24と接合されており、他端側の部位がセンサ基板1の第1の電気接続用金属層19と接合されて電気的に接続されるように配置してある。要するに、第1のパッケージ用基板2の周方向において貫通孔配線24と当該貫通孔配線24に対応する第1の電気接続用金属層19との位置をずらしてあり、第2の電気接続用金属層29を、長手方向が第2の封止用金属層28の周方向に一致し且つ貫通孔配線24と第1の電気接続用金属層19とに跨る形で配置してある。
また、第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29は、接合用のAu膜と絶縁膜23との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。言い換えれば、第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29は、絶縁膜23上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の電気接続用金属層29と第2の封止用金属層28とは同一の金属材料により形成されているので、第2の電気接続用金属層29と第2の封止用金属層28とを同時に形成することができるとともに、第2の電気接続用金属層29と第2の封止用金属層28とを略同じ厚さに形成することができる。なお、第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜23との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
また、第1のパッケージ用基板2におけるセンサ基板1側とは反対側の表面には、各貫通孔配線24それぞれと電気的に接続された複数の外部接続用電極25が形成されている。なお、各外部接続用電極25の外周形状は矩形状となっている。
第2のパッケージ用基板3は、図9に示すように、第2のシリコン基板30におけるセンサ基板1との対向面に、重り部12の変位空間を形成する所定深さ(例えば、5μm〜10μm程度)の凹部31を形成してある。ここにおいて、凹部31は、リソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して形成してある。なお、本実施形態では、第2のパッケージ用基板3におけるセンサ基板1との対向面に、重り部12の変位空間を形成する凹部31を形成してあるが、重り部12のコア部12aおよび各付随部12bのうち支持基板10aを利用して形成されている部分の厚さを、フレーム部11において支持基板10aを利用して形成されている部分の厚さに比べて、センサ基板1の厚み方向への重り部12の許容変位量分だけ薄くするようにすれば、第2のパッケージ用基板3に凹部31を形成しなくても、センサ基板1の上記他表面側には上記他表面に交差する方向への重り部12の変位を可能とする隙間が重り部12と第2のパッケージ用基板3との間に形成される。
ところで、上述のセンサ基板1と第1のパッケージ用基板2とは、第1の封止用金属層18と第2の封止用金属層28とが接合されるとともに、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とが接合され、センサ基板1と第2のパッケージ用基板3とは、互いの対向面の周部同士が接合されている。ここにおいて、本実施形態の加速度センサの製造にあたっては、図10に示すように、上述のSOI基板10の基礎となるSOIウェハにセンサ基板1を複数形成したセンサウェハ10Wと、上述の第1のシリコン基板20の基礎となる第1のシリコンウェハに第1のパッケージ用基板2を複数形成した第1のパッケージウェハ20Wと、上述の第2のシリコン基板30の基礎となる第2のシリコンウェハに第2のパッケージ用基板3を複数形成した第2のパッケージウェハ30Wとをウェハレベルで常温接合することでウェハレベルパッケージ構造体100を形成してから、個々の加速度センサに分割する分割工程(ダイシング工程)により個々の加速度センサに分割されている(なお、図10(c)は図10(a)に示すウェハレベルパッケージ構造体100のうち丸Aで囲んだ部分の概略断面図である)。したがって、第1のパッケージ用基板2と第2のパッケージ用基板3とがセンサ基板1と同じ外形サイズとなり、小型のチップサイズパッケージを実現できるとともに、製造が容易になる。なお、本実施形態では、センサ基板1の接合用領域部E3と第1のパッケージ用基板2と第2のパッケージ用基板3とで気密パッケージを構成しており、当該気密パッケージ内で重り部12と各撓み部13とで構成される可動部が変位可能となっている。
ここにおいて、本実施形態では、センサ基板1と第1のパッケージ用基板2および第2のパッケージ用基板3との接合方法として、センサ基板1の残留応力(熱応力)を少なくするためにより低温での接合が可能な常温接合法を採用している。以下、本実施形態の加速度センサの製造方法において特徴となる工程について図1を参照しながら説明するが、図1(a)〜(f)は図4(a)のA−A’断面に対応する部分の断面を示してある。
まず、SOI基板10の主表面側(シリコン層10cの表面側)に各ピエゾ抵抗Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4、ブリッジ回路Bx,By,Bz形成用の拡散層配線やIC部E2を、CMOSプロセス技術などを利用して形成することによって、図1(a)に示す構造を得る。ここにおいて、IC部E2の各パッド42を露出させる工程が終了した段階では、表面絶縁膜16の全面に多層構造部41が形成されているが、当該多層構造部41のうちセンサ部E1および接合用領域部E3に対応する部位に形成されている部分には金属配線は設けられていない。なお、本実施形態では、表面絶縁膜16と多層構造部41とで多層絶縁膜を構成している。
上述の各パッド42を露出させる工程が終了した後、上記多層絶縁膜のうちセンサ部E1および接合用領域部E3それぞれに対応する部位に形成されている部分を露出させるようにパターニングされたレジスト層をSOI基板10の主表面側に形成してから、当該レジスト層をエッチングマスクとして、上記多層絶縁膜のうちセンサ基板1におけるパッケージ用基板2との接合用領域部E3に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部E3の表面を平坦化する平坦化工程を行い、続いて、レジスト層を除去することによって、図1(b)に示す構造を得る。なお、エッチバックはウェットエッチングにより行っており、表面絶縁膜16のシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜をエッチングストッパ層として利用している。
その後、接合用領域部E3の表面上に第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層を形成する金属層形成工程を行い(なお、本実施形態では、当該金属層形成工程において引き出し配線43も形成している)、その後、SOI基板10の主表面側に、上述の表面絶縁膜16においてフレーム部11、重り部12のコア部12a、各撓み部13、IC部E2、接合用領域部E3それぞれに対応する部位を覆い他の部位を露出させるようにパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をエッチングマスクとして、表面絶縁膜16の露出部分をエッチングすることで表面絶縁膜16をパターニングし、SOI基板10を主表面側から絶縁層10bに達する深さまでエッチングする表面側パターニング工程を行い、続いて、レジスト層を除去することによって、図1(c)に示す構造を得る。ここにおいて、金属層形成工程では、SOI基板10の主表面側に、第1の封止用金属層18、第1の電気接続用金属層19、および引き出し配線43をスパッタ法などの薄膜形成技術およびリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して形成している。また、表面側パターニング工程では、絶縁層10bをエッチングストッパ層として利用しており、当該表面側パターニング工程を行うことによって、SOI基板10におけるシリコン層10cは、フレーム部11に対応する部位と、コア部12aに対応する部位と、各撓み部13それぞれに対応する部位と、IC部E2に対応する部位と、接合用領域部E3に対応する部位とが残る。なお、この表面側パターニング工程におけるエッチングに際しては、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)型のドライエッチング装置を用いてドライエッチングを行えばよく、エッチング条件としては、絶縁層10bがエッチングストッパ層として機能するような条件を設定する。
上述の表面側パターニング工程に続いてレジスト層を除去した後、SOI基板10の裏面側で支持基板10aに積層されているシリコン酸化膜10dにおいてフレーム部11に対応する部位とコア部12aに対応する部位と各付随部12bそれぞれに対応する部位とIC部E2に対応する部位と接合用領域部E3に対応する部位とを覆い且つ他の部位を露出させるようにパターニングされたレジスト層を形成し、その後、当該レジスト層をエッチングマスクとして、シリコン酸化膜10dの露出部分をエッチングすることでシリコン酸化膜10dをパターニングし、レジスト層を除去してから、シリコン酸化膜10dをエッチングマスクとして、SOI基板10を裏面側から絶縁層10bに達する深さまで略垂直にドライエッチングする裏面側パターニング工程を行うことによって、図1(d)に示す構造を得る。この裏面側パターニング工程では、絶縁層10bをエッチングストッパ層として利用しており、当該裏面側パターニング工程を行うことにより、SOI基板10における支持基板10aは、フレーム部11に対応する部位と、コア部12aに対応する部位と、各付随部12bそれぞれに対応する部位と、IC部E2に対応する部位と、接合用領域部E3に対応する部位とが残る。なお、この裏面側パターニング工程におけるエッチング装置としては、例えば、上述のICP型のドライエッチング装置を用いればよく、エッチング条件としては、絶縁層10bがエッチングストッパ層として機能するような条件を設定する。
裏面側パターニング工程の後、絶縁層10bのうちフレーム部11に対応する部位およびコア部12aに対応する部位およびIC部E2に対応する部位および接合用領域部E3に対応する部位を残して不要部分をウェットエッチングによりエッチング除去することでフレーム部11、各撓み部13、重り部12を形成する分離工程を行うことによって、図1(e)に示す構造を得る。なお、この分離工程において、SOI基板10の裏面側のシリコン酸化膜10dもエッチング除去される。
上述の分離工程の後、センサ基板1と第2のパッケージ用基板3とを常温接合法により直接接合する第1の接合工程を行い、続いて、センサ基板1と第1のパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士を直接接合する第2の接合工程を行うことによって、図1(f)に示す構造を得る。要するに、第1の接合工程では、センサ基板1と第2のパッケージ用基板3とがSi−Siの常温接合により接合され、第2の接合工程では、センサ基板1と第1のパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士が金属−金属(ここでは、Au−Au)の常温接合により接合されている。なお、常温接合法では、接合前に互いの接合表面へアルゴンのプラズマ若しくはイオンビーム若しくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、接合表面同士を接触させ、常温下で直接接合する。ここで、第2の接合工程では、上述の常温接合法により、常温下で適宜の荷重を印加して、第1の封止用金属層18と第2の封止用金属層28とを直接接合するのと同時に、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とを直接接合している。
ところで、本実施形態の加速度センサの製造方法では、上述の第2の接合工程が終了するまでの全工程をセンサ基板1および各パッケージ用基板2,3それぞれについてウェハレベルで行うことで加速度センサを複数備えたウェハレベルパッケージ構造体100(図10参照)を形成するようにし、当該ウェハレベルパッケージ構造体100から個々の加速度センサに分割する分割工程(ダイシング工程)を行うようにしている。したがって、各パッケージ用基板2,3の平面サイズをセンサ基板1の平面サイズに合わせることができるとともに、量産性を高めることができる。
以上説明した本実施形態の加速度センサの製造方法によれば、半導体基板であるSOI基板10の主表面側に形成された上記多層絶縁膜のうちセンサ基板1における第1のパッケージ用基板2との接合用領域部E3に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部E3の表面を平坦化した後で、接合用領域部E3の表面上に第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19を形成しているので、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19を同一レベル面上に同一厚さで形成することができるとともに、第1の封止用金属層18の表面および第1の電気接続用金属層19の表面の平坦性を高めることができ、センサ基板1と第1のパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士を直接接合する第2の接合工程の歩留まりを高めることができるから、製造歩留まりの向上を図れる。
ここにおいて、本実施形態では、上記多層絶縁膜が、SOI基板10の主表面に形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に形成されたシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に形成された少なくとも1層の層間絶縁膜からなる第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上に形成されたパッシベーション膜からなる第4の絶縁膜とで構成されており、上述の平坦化工程では、第2の絶縁膜をエッチングストッパ層としてエッチバックを行うようにしているので、接合用領域部E3における第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19の下地層をSOI基板10の主表面に比較的近い第2の絶縁膜とすることができ、下地層の表面の平坦性をより高めることができる。
ところで、上述の平坦化工程では、第2の絶縁膜に限らず、上記多層絶縁膜のうちの最上層の第4の絶縁膜以外の絶縁膜をエッチングストッパ層としてエッチバックを行うようにすることで、SOI基板10の主表面に対する接合用領域部E3の表面の高さレベルの再現性を高めることができ、接合工程の歩留まりを高めることができる。
また、上述の平坦化工程において、第2の絶縁膜をエッチングストッパ層としてエッチングを行った後で、第1の絶縁膜をエッチングストッパ層としてエッチングを行うようにしてもよく、このような平坦化工程を採用すれば、接合用領域部E3における第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19の下地層をSOI基板10の主表面に形成された第1の絶縁膜とすることができ、下地層の表面の平坦性をより高めることができる。なお、第1の絶縁膜を構成するシリコン酸化膜は、熱酸化法もしくはLPCVD法により形成したシリコン酸化膜が望ましい。
また、本実施形態の加速度センサの製造方法では、センサ基板1と第1のパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士が金属−金属の常温接合により接合されており、金属−金属の組み合わせが、化学的に安定な材料であるAu−Auの組み合わせなので、製造歩留まりを向上できるとともに接合安定性を向上できる。ここにおいて、金属−金属の組み合せは、Au−Auに限らず、例えば、Cu−Cuの組み合わせや、Al−Alの組み合わせでもよく、Cu−Cuの組み合わせの場合には、各電気接続用金属層19,29の低抵抗化を図れることができ、Al−Alの組み合わせの場合には、Au−Auの組み合わせを採用する場合に比べて、材料コストを低減することができる。
また、本実施形態の加速度センサの製造方法では、センサ基板1と第2のパッケージ用基板3とが、Si−Siの組み合わせの常温接合により接合されているが、Si−Siの組み合わせに限らず、Si−Si、Si−SiO、SiO−SiOの群から選択される1組の組み合わせの常温接合により接合されるようにしてもよい。
また、本実施形態の加速度センサでは、第1のパッケージ用基板2の第2の電気接続用金属層29におけるセンサ基板1の第1の電気接続用金属層19との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層29における貫通孔配線24との接続部位からずらしてあるので、第2の電気接続用金属層29において第1の電気接続用金属層19との接合部位の接合前の表面の平滑性を高めることができ(第2の電気接続用金属層29の成膜時の表面の平滑性を高めることができ)、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とを上述のように常温接合法により直接接合する場合の接合信頼性を高めることが可能となる。
ところで、上述の実施形態ではセンサ装置としてピエゾ形の加速度センサを例示したが、センサ装置はピエゾ抵抗形の加速度センサに限らず、例えば、容量形の加速度センサや、ジャイロセンサや、熱形の赤外線センサなどでもよく、センサ基板の構造によっては、第2のパッケージ用基板を用いることなくセンサ基板と第1のパッケージ用基板とでセンサ装置を構成することができる。
実施形態の加速度センサの製造方法の説明図である。 同上の加速度センサの概略断面図である。 同上における加速度センサを示し、(a)は要部概略断面図、(b)は他の要部概略断面図である。 同上におけるセンサ基板を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 同上におけるセンサ基板の要部概略断面図である。 同上におけるセンサ部の回路図である。 同上における第1のパッケージ用基板を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A’概略断面図である。 同上における第1のパッケージ用基板の下面図である。 同上における第2のパッケージ用基板を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 同上におけるウェハレベルパッケージ構造体を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図、(c)は要部概略断面図である。 従来例の説明図である。
符号の説明
1 センサ基板
2 第1のパッケージ用基板
3 第2のパッケージ用基板
10 SOI基板
12 重り部
13 撓み部
16 表面絶縁膜
18 第1の封止用金属層
19 第1の電気接続用金属層
28 第2の封止用金属層
29 第2の電気接続用金属層
41 多層構造部
42 パッド
43 引き出し配線
E1 センサ部
E2 IC部
E3 接合用領域部

Claims (6)

  1. 少なくとも、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部が形成されたセンサ基板と、IC部に電気的に接続される貫通孔配線が形成されたパッケージ用基板とを備え、センサ基板とパッケージ用基板との活性化された封止用金属層同士および活性化された電気接続用金属層同士が常温接合されたセンサ装置であって、センサ基板は、センシング部およびIC部の形成時に当該センサ基板の主表面側に形成された複数の絶縁膜の積層膜からなる多層絶縁膜においてIC部のパッドが形成された領域と封止用金属層および電気接続用金属層が形成された接合用領域部との間に段差が形成されてなり、多層絶縁膜の一部をエッチバックすることにより平坦化された接合用領域部の表面上に、封止用金属層および電気接続用金属層が形成されてなることを特徴とするセンサ装置。
  2. 少なくとも、半導体基板の主表面側にセンシング部およびセンシング部と協働するIC部を形成したセンサ基板と、センシング部に電気的に接続される複数の貫通孔配線を形成したパッケージ用基板とを用いたセンサ装置の製造方法であって、センシング部およびIC部の形成時に当該センサ基板の主表面側に形成された複数の絶縁膜の積層膜からなる多層絶縁膜のうちパッケージ用基板との接合用領域部に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部の表面を平坦化する平坦化工程と、平坦化工程の後で接合用領域部の表面上に封止用金属層および電気接続用金属層を形成する金属層形成工程と、センサ基板とパッケージ用基板との活性化された封止用金属層同士および活性化された電気接続用金属層同士を常温接合する接合工程とを備えることを特徴とするセンサ装置の製造方法。
  3. 前記平坦化工程では、前記多層絶縁膜のうちの最上層の絶縁膜以外の絶縁膜をエッチングストッパ層としてエッチバックを行うことを特徴とする請求項2記載のセンサ装置の製造方法。
  4. 前記多層絶縁膜が、前記半導体基板の主表面に形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に形成されたシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に形成された少なくとも1層の層間絶縁膜からなる第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上に形成されたパッシベーション膜からなる第4の絶縁膜とで構成されており、前記平坦化工程では、前記第2の絶縁膜であるシリコン窒化膜をエッチングストッパ層としてエッチバックを行うことを特徴とする請求項3記載のセンサ装置の製造方法。
  5. 前記多層絶縁膜が、前記半導体基板の主表面に形成されたシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に形成されたシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に形成された少なくとも1層の層間絶縁膜からなる第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜上に形成されたパッシベーション膜からなる第4の絶縁膜とで構成されており、前記平坦化工程では、前記第2の絶縁膜であるシリコン窒化膜をエッチングストッパ層としてエッチングを行った後で、前記第1の絶縁膜であるシリコン酸化膜をエッチングストッパ層としてエッチングを行うことを特徴とする請求項記載のセンサ装置の製造方法。
  6. 前記接合工程が終了するまでの全工程を前記センサ基板および前記パッケージ用基板それぞれについてウェハレベルで行うことで前記センサ装置を複数備えたウェハレベルパッケージ構造体を形成するようにし、当該ウェハレベルパッケージ構造体から前記センサ装置に分割する分割工程を備えることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のセンサ装置の製造方法。
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