JP3937672B2 - 回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線用しゃ断器などを対象に、電動機の過電流保護,および欠相保護を行う回路しゃ断器のバイメタル式の熱動形過負荷引外し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、頭記した回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置(3相回路用)の従来構造を図4(a),(b) に示す。図において、1U,1V,1W は主回路の各相に対応した主バイメタル、2は主バイメタル1U,1V,1W に巻装して主回路電流を流す加熱ヒータ、3は主バイメタルの作動端に連係配置した差動シフタ機構、4は回路しゃ断器の開閉機構部(トリップ機構)、5は差動シフタ機構3の作動レバーと開閉機構部4との間に介装したアクチュエータ兼用の温度補償バイメタル、6は整定電流調整用ダイヤル、7は引外し装置のユニットケースである。
【0003】
ここで、各相の主バイメタル1U,1V,1W は左右一列に並び、その下端が支持金具7aを介してケース7に支持されており、ヒータ2を介して主回路電流により加熱されて湾曲する。
また、差動シフタ機構3は、主バイメタル1U,1V,1W の両側に敷設した第1のシフタ(押しシフタ)3Iと、第2のシフタ(引きシフタ)3IIと、第1シフタ3Iと第2シフタ3IIとの間にまたがって揺動自在にリンク結合した出力レバー (釈放レバー) 3III とからなり、第1シフタ3I, 第2シフタ3IIから突き出した腕部が各相の主バイメタル1U,1V,1W の作動端を左右から挟んで対峙している。なお、かかる構成の差動シフタ機構5の動作原理は周知であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0004】
一方、温度補償バイメタル5は、主バイメタル1U,1V,1W の周囲温度変化に伴う湾曲を相殺する温度補償機能と、差動シフト機構3の操作出力を開閉機構部4に伝達するアクチュエータ片としての役目を果たすものであり、そのバイメタル湾曲特性を主バイメタルの周囲温度変化に対する湾曲特性と整合させるためにその長さ寸法はかなり長くなり、このままでは限られたユニットケース7のスペース内に収めることが難しい。そこで、省スペース化を図るために、従来では図示例のように温度補償バイメタル5をその長手方向の中間でU字形に折り曲げて使用するようにし、その一端を前記した調整ダイヤル6のホルダ部品6aにピン5aを介して軸支し、他端を前記差動シフタ機構3の作動レバー3III に向かい合わせ、さらにバイメタルの中間部を開閉機構部4のラッチ受け4aに対峙させている。
【0005】
かかる構成で、周囲温度変化に伴う主バイメタル1U,1V,1W と温度補償バイメタル5の湾曲は互いに相殺し合い、差動シフタ機構3の出力レバー3III と温度補償バイメタル5の先端との相対位置を一定に保つ。一方、主回路に過電流が流れて主バイメタル1U,1V,1W が湾曲し、この湾曲に従動して作動シフタ機構3の出力レバー3III が主バイメタルの温度補償バイメタル5の先端を左方に押すと、温度補償バイメタル5は支軸ピン5aを支点に時計方向に回動して開閉機構部4のラッチ受け4aを釈放位置に押し、これにより回路しゃ断器がトリップ動作して主回路電流をしゃ断する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記過負荷引外し装置の従来構成では、特に温度補償バイメタルについて、そのアクチュエータとしての機能に次に記すような問題点がある。
すなわち、省スペース化のために長尺な温度補償バイメタル5をU字形に折り曲げて使用すると、その折り曲げ湾曲部でバイメタル全体の撓み性が増し、差動シフタ機構3から加わる機械的な操作出力(釈放駆動力)を開閉機構部4に伝える際にバイメタル自身が湾曲部分で撓んでしまって操作出力を効率よく開閉機構部に伝達させることができない。このために、従来の構成では温度補償バイメタルの撓み性を補償するように主バイメタルを含めて差動シフタ機構3の操作出力を増強する手段を講じる必要があり、このままではしゃ断器の引外し動作特性にも影響する。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、主バイメタルから差動シフタ機構,温度補償バイメタルを介して開閉機構部に伝達する出力の伝達効率を向上するように温度補償バイメタルの構造を改良した回路しゃ断器の過負荷引外し装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、主回路の各相に接続したヒータの加熱で湾曲する主バイメタルと、主バイメタルの作動端に連繋配置した差動シフタ機構と、差動シフタ機構の出力レバーと回路しゃ断器の開閉機構部との間に介装したアクチュエータ兼用の温度補償バイメタルとの組合せからなる回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置において、
(1) 前記温度補償バイメタルを一方および他方の分割バイメタルに二分割して、該一方および他方の分割バイメタルの一端同士をヘアピン状に重ね合わせ、かつその重ね合わせ部をリベット締めするとともに、前記一方の分割バイメタルの他端を軸支点とし、前記他方の分割バイメタルの他端を開閉機構部に対峙させ、かつ他方の分割バイメタルの一端側を前記差動シフタ機構の出力レバーに対峙させるようにする(請求項1)。
【0009】
(2) 前記温度補償バイメタルを一方および他方の分割バイメタルに二分割して、該一方および他方の分割バイメタルの一端同士をヘアピン状に重ね合わせ、かつその重ね合わせ部を溶接接合するとともに、前記一方の分割バイメタルの他端を軸支点とし、前記他方の分割バイメタルの他端を開閉機構部に対峙させ、かつ他方の分割バイメタルの一端側を前記差動シフタ機構の出力レバーに対峙させるようにする(請求項2)。
(3) 前記温度補償バイメタルをその長手方向の中間部位をヘアピン状に折り曲げてその折り曲げ端部を重ね合わせ、かつその重ね合わせ部をパックかしめにより結合するとともに、前記温度補償バイメタルの一端を軸支点とし、温度補償バイメタルの他端を開閉機構部に対峙させ、前記重ね合わせ部側を前記差動シフタ機構の出力レバーに対峙させるようにする(請求項3)。
【0010】
上記のように温度補償バイメタルを途中で分断,ないし折り返してヘアピン状に重ね合わせた上で、その重ね合わせ端部をリベット締め,溶接,ないしパックかしめ法により結合することにより、該結合部での剛性が増してアクチュエータ片としての機能が高くなり、主バイメタルから開閉機構部に伝える釈放操作出力の伝達効率が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施例の図中で図4に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
〔実施例1〕
図1(a),(b) は本発明の請求項1に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、温度補償バイメタル5が分割バイメタル5-1と5-2に二分されており、かつ分割バイメタル5-1と5-2の端部同士をヘアピン状に重ね合わせた上で、その重ね合わせ部をリベット8で一体にリベット締めする。ここで、一方の分割バイメタル5-1を“く”字形に折り曲げてその先端側に支軸ピン5aを設けて調整ダイヤル6のホルダ部品6a(図4参照)に軸支し、他方の分割バイメタル5-2を開閉機構部4のラッチ受け4a,および差動シフタ機構3の出力レバー3III に対峙させて配置する。
【0012】
かかる構成によれば、図4の温度補償バイメタルと同様に省スペース化を図りつつ、一方では機械的な剛性が増強される。これにより、主バイメタル1U,1V,1W の操作出力を開閉機構部4に伝達するアクチュエータ片としての出力伝達機能が、従来例のように温度補償バイメタル5の途中箇所をU字形に湾曲させたものと比べて大幅に向上する。つまり、差動シフタ機構の出力レバー3III を介して主バイメタル1U,1V,1W から加わる操作出力を確実に開閉機構部4に伝達して安定した引外し特性を確保できる。
【0013】
〔実施例2〕
図2は本発明の請求項2に対応する実施例を示すものであり、この実施例においては、分割バイメタル5-1と5-2の端部を重ね合わせた上で、その重ね合わせ部を溶接接合して一体に結合する。なお、溶接部を符号9で表す。この実施例においても、図1に示した実施例1と同等な効果を奏する。
【0014】
〔実施例3〕
図3は本発明の請求項3に対応する実施例を示すものであり、この実施例においては、長尺な温度補償バイメタル5をヘアピン状に折り曲げた上で、その折り返し部分を重ね合わせ、かつその重ね合わせ部をパックかしめ法(結合し合う一方の部材に凹部,他方の部材に凸部を形成して凹部に凸部を圧入してかしめ止めする)により一体に結合する。なお、パックかしめ部を符号10で表す。この実施例においても、先記の各実施例1,2と同等な効果を奏する。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の構成によれば、温度補償バイメタルの省スペース化を図りつつ、一方ではその機械的な剛性を高めてアクチュエータ片としての操作出力伝達機能を高めて安定した回路しゃ断器の引外し動作特性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に対応する熱動形過負荷引外し装置の構成図であり、(a) は要部構成の平面図、(b) は(a) 図における温度補償バイメタルの側面図
【図2】本発明の実施例2に対応する温度補償バイメタルの側面図
【図3】本発明の実施例3に対応する温度補償バイメタルの側面図
【図4】従来における回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置の構成図であり、(a) は平面図、(b) は側面図
【符号の説明】
1U,1V,1W 主バイメタル
2 主バイメタルの加熱ヒータ
3 差動シフタ機構
3III 出力レバー
4 開閉機構部
5 温度補償バイメタル
5a 支軸ピン
5-1,5-2 分割バイメタル
8 リベット
9 溶接部
10 パックかしめ部
Claims (3)
- 主回路の各相に接続したヒータの加熱で湾曲する主バイメタルと、主バイメタルの作動端に連繋配置した差動シフタ機構と、差動シフタ機構の出力レバーと回路しゃ断器の開閉機構部との間に介装したアクチュエータ兼用の温度補償バイメタルとの組合せからなる回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置において、
前記温度補償バイメタルを一方および他方の分割バイメタルに二分割して、該一方および他方の分割バイメタルの一端同士をヘアピン状に重ね合わせ、かつその重ね合わせ部をリベット締めするとともに、前記一方の分割バイメタルの他端を軸支点とし、前記他方の分割バイメタルの他端を開閉機構部に対峙させ、かつ他方の分割バイメタルの一端側を前記差動シフタ機構の出力レバーに対峙させるようにしたことを特徴とする回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置。 - 主回路の各相に接続したヒータの加熱で湾曲する主バイメタルと、主バイメタルの作動端に連繋配置した差動シフタ機構と、差動シフタ機構の出力レバーと回路しゃ断器の開閉機構部との間に介装したアクチュエータ兼用の温度補償バイメタルとの組合せからなる回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置において、
前記温度補償バイメタルを一方および他方の分割バイメタルに二分割して、該一方および他方の分割バイメタルの一端同士をヘアピン状に重ね合わせ、かつその重ね合わせ部を溶接接合するとともに、前記一方の分割バイメタルの他端を軸支点とし、前記他方の分割バイメタルの他端を開閉機構部に対峙させ、かつ他方の分割バイメタルの一端側を前記差動シフタ機構の出力レバーに対峙させるようにしたことを特徴とする回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置。 - 主回路の各相に接続したヒータの加熱で湾曲する主バイメタルと、主バイメタルの作動端に連繋配置した差動シフタ機構と、差動シフタ機構の出力レバーと回路しゃ断器の開閉機構部との間に介装したアクチュエータ兼用の温度補償バイメタルとの組合せからなる回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置において、
前記温度補償バイメタルをその長手方向の中間部位をヘアピン状に折り曲げてその折り曲げ端部を重ね合わせ、かつその重ね合わせ部をパックかしめにより結合するとともに、前記温度補償バイメタルの一端を軸支点とし、温度補償バイメタルの他端を開閉機構部に対峙させ、前記重ね合わせ部側を前記差動シフタ機構の出力レバーに対峙させるようにしたことを特徴とする回路しゃ断器の熱動形過負荷引外し装置。
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