JP3937166B2 - 電子装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルからなる表示画面を備えた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子装置の中には液晶パネルからなる表示画面を備えたものがある。このような電子装置の装置本体には、液晶パネルを取り付けるための窓部が設けられており、その窓部の内部側の周縁部に、液晶パネルが取り付けられた台座をねじによって組み付けている。これによって、装置本体の窓部から液晶パネルの表示画面を露呈させている(例えば、特許文献1)。また、液晶パネルには、配線回路が形成されたプリント基板が接続されており、このプリント基板も装置本体内の所定箇所に固定される。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−321557号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の電子装置では、液晶パネルやプリント基板を一つずつねじを用いて装置本体に組み付けていくため、組み立て作業の効率が悪いという問題や部品交換の際の作業がしづらいという問題もある。また、プリント基板を設置するためのスペースも必要になり大きな空間部が必要になるという問題や配線が嵩張ってその設置がしづらいという問題も有している。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、液晶パネルやプリント基板の装置本体への組み付けや部品交換が簡単になるとともに、プリント基板を設置するためのスペースが少なくてすみ配線の設置も簡単になる電子装置を提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子装置の構成上の特徴は、電子装置本体に設けられた窓部に取り付けられる台座と、窓部から露呈した状態で台座の表面に取り付けられる液晶パネルと、配線回路を有する複数のプリント基板と、液晶パネルの周縁部に複数のプリント基板を接続する可撓性連結部材と、複数のプリント基板のうちの少なくとも二つのプリント基板に設けられ、互いに接続することにより、複数のプリント基板を台座の側面に沿わせた状態に保持するコネクタ部とを備えたことにある。
【0007】
前記のように構成した本発明の電子装置においては、液晶パネルと複数のプリント基板とを可撓性連結部材で接続している。そして、その可撓性連結部材は、液晶パネルの周縁部に設けられているため、液晶パネルを台座の表面に設置すると複数のプリント基板は、それぞれ台座の側面に沿うように垂れる。また、各プリント基板には、コネクタ部が設けられており、このコネクタ部同士を接続することにより各プリント基板は台座の側面に沿った状態に維持される。
【0008】
したがって、台座、液晶パネルおよびプリント基板がコンパクトに組み付けられ、窓部への取り付けが簡単になる。また、部品交換の際の作業も簡単になる。さらに、プリント基板が、コネクタ部同士の接続によって台座の側面に沿った状態に保持されるため、特にプリント基板を設置するためのスペースを設ける必要がなくなり電子装置の小型化が図れる。また、プリント基板を固定するための操作がコネクタ部同士を接続させるだけで済むため極めて簡単になる。また、この場合、プリント基板は少なくとも二つあればよいが、複数のプリント基板がすべてコネクタ部によって接続されることがより好ましい。これによって、各プリント基板はより安定した状態で台座に組み付けられる。
【0009】
また、本発明にかかる電子装置の他の構成上の特徴は、プリント基板に設けるコネクタ部は、プリント基板を液晶パネルの周縁部に接続するための可撓性連結部材の延設方向と略直角方向に延設されたものであることにある。これによると、台座の側部に沿うプリント基板の端部どうしをコネクタ部で接続するため、コネクタ部を短くすることができる。これによって材料の減少が図れる。また、プリント基板をよりコンパクトに台座に組み付けることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による電子装置を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態にかかる電子装置としての電子鍵盤装置10を示している。この電子鍵盤装置10の上面における前部側(演奏者側)には、それぞれ複数の白鍵11と黒鍵12とからなる鍵盤13が設置され、後部側には後部パネル部14が形成されている。この後部パネル部14は、電子鍵盤装置10の上面後部を覆うカバー部材で構成され取り外しが可能になっている。
【0011】
そして、後部パネル部14の中央に、本発明の液晶パネルとしての表示パネル20が設置されその両側に各種の操作子やスイッチ(図示せず)が設けられている。この電子鍵盤装置10は、電源スイッチをオン状態にして、白鍵11と黒鍵12とを順次押鍵操作することにより演奏を行うことができる。また、その際、表示パネル20に音符や歌詞を表示することができる。
【0012】
後部パネル部14の中央には表示パネル20を露呈させるための窓部15が設けられており、後部パネル部14の内面(裏面)における窓部15の周囲には、図2に示すように、内部側(図2では上側)に向って突出した枠状縁部16が形成されている。そして、枠状縁部16の周囲にスポンジからなる緩衝材17が取り付けられている。また、枠状縁部16の四隅の近傍にはそれぞれボス状の突部18が形成されており、各突部18にはそれぞれねじを係合させるための穴部19が設けられている。さらに、後部パネル部14の内面における両側部分には、操作子やスイッチが接続される各種の基板や配線が設けられている。
【0013】
表示パネル20は、図3に示した反射板21とともに、台座30に組み付けられて後部パネル部14の窓部15に取り付けられる。表示パネル20は長方形の板状の液晶パネルで構成されており、その周縁部のうちの隣り合った縁部20a,20bに、配線を備えたフレキシブル基板22a,22b,22cを介して剛性を有する板状のプリント基板23,24がそれぞれ接続されている。縁部20aは縁部20bよりも長く設定されており、プリント基板23の長さは縁部20aの長さよりもやや短くなるように設定され、プリント基板24の長さは縁部20bの長さよりもやや短くなるように設定されている。
【0014】
そして、プリント基板23におけるプリント基板24側の端部には、配線を有するフレキシブル基板25が接続され、そのフレキシブル基板25の端部にはコネクタ部26が取り付けられている。また、プリント基板24におけるプリント基板23側の端部には、コネクタ部26と接続可能なコネクタ部27が設けられている。反射板21は、白色の薄板で構成されており、表示パネル20に鮮明な画像を表示させるために表示パネル20の背面から光を反射させる。
【0015】
台座30は下面が開口した箱状に形成されており、白色系の明るい色の部材で構成されている。そして、その上面30aの四隅近傍にそれぞれ上方に向って突出した係合爪部31,32が設けられている。係合爪部31,32はそれぞれ一対からなっており、係合爪部31は、一端部31aが上面30aに一体的に繋がり他端部31bが上面30aに対して所定距離だけ上方に位置するように形成されている。したがって、係合爪部31の他端部31b側は解放された状態になっており、上面30aとの間に、表示パネル20と反射板21とを重ねてその縁部を差し込めるようになっている。
【0016】
また、係合爪部32は、上面30aから起立した弾性を有する突起で構成されており、一端側の上部が下り斜面32aに形成され、一端側の下部は、凹部32bに形成されている。この凹部32bの高さ方向の長さは、係合爪部31の他端部31bと上面30aとの間隔と略等しい長さに設定されている。したがって、表示パネル20と反射板21とを重ねてその一端側の縁部を係合爪部31と上面30aとの間に差し込み、他端側の縁部を上方から係合爪部32に押し付けると、その他端側の縁部は、係合爪部32を撓ませながら下り斜面32aに沿って下方に移動する。
【0017】
そして、前記他端側の縁部が係合爪部32の下部に達すると、凹部32bと係合して、係合爪部32は元の状態に戻る。これによって、表示パネル20と反射板21とは、各縁部を係合爪部31,32に係合されて上面30a上に固定される。また、台座30の四隅近傍における側面の上部にはそれぞれ外側に突出する取付片33が設けられている。そして、各取付片33にねじ挿通用の穴部34が形成されている。
【0018】
この各取付片33間の間隔は、後部パネル部14に設けられた各突部18間の間隔と等しく設定されており、各取付片33と各突部18とをそれぞれ重ね合わせて、穴部19と穴部34とにねじ(図示せず)を係合させることにより、台座30を電子鍵盤装置10の本体側の後部パネル部14に取り付けることができる。また、この際、台座30の上面(台座30に表示パネル20と反射板21とを取り付けた状態のときには、表示パネル20の表面)は窓部15から露呈する。
【0019】
この構成において、表示パネル20と反射板21は、前述したように、台座30に組み付けられて、後部パネル部14に取り付けられる。この場合、表示パネル20と反射板21とを重ねて台座30の上面30a上に固定すると、表示パネル20や台座30等は、図4に示したような組み付け体40になる。すなわち、プリント基板23,24の重さによって、表示パネル20に接続されたフレキシブル基板22a,22b,22cは、台座30の角部に沿って曲がった状態になり、プリント基板23,24は、それぞれ台座30の側面に沿って垂れた状態になる。
【0020】
そして、プリント基板23のコネクタ部26とプリント基板24のコネクタ部27とを接続することにより、前記組み付け体40は、図5および図6に示したコンパクトな状態になる。すなわち、この状態では、プリント基板23,24は、それぞれ台座30の側面に接面するようにして沿った状態になり、その状態がフレキシブル基板25によって維持される。この場合、プリント基板23,24を繋ぐフレキシブル基板25、コネクタ部26およびコネクタ部27は、信号の送信ができ、単に組み付けのための連結部材としてだけでなく配線としての機能も兼ねている。
【0021】
このように組み付けられた組み付け体40は、表示パネル20の画面を穴部15から露呈させた状態で、後部パネル部14に取り付けられる。このとき、台座30の各取付片33を各突部18に合わせ、表示パネル20の周縁部を緩衝材17に押し付けるようにして組み付け体40の位置決めをする。そして、突部18の穴部19と取付片33の穴部34とにねじを係合させることにより、組み付け体40を後部パネル部14に取り付ける。そして、組み付け体40が取り付けられた後部パネル部14を、鍵盤13の後部側に組み付けることにより、図1に示した電子鍵盤装置10になる。
【0022】
そして、電子鍵盤装置10を演奏するときには、各種の操作子やスイッチを操作するとともに、鍵盤13の各鍵11,12の押鍵操作を行うことによりメロディーや伴奏等の楽音を発音させる。また、同時に表示パネル20に、音符や歌詞を表示させることができる。このため、演奏者は、表示パネル20を見ながら演奏したり、歌を歌いながら演奏したりすることができる。
【0023】
このように、本実施形態による電子鍵盤装置10では、表示パネル20とプリント基板23,24とをフレキシブル基板22a,22b,22cで接続している。このため、表示パネル20と反射板21を重ねて台座30の上面に設置するとプリント基板23,24は、それぞれ台座30の側面に沿うように垂れる。そして、プリント基板23,24に設けられたコネクタ部26,27を接続することによりプリント基板23,24を台座30の側面に沿った状態に維持することができる。
【0024】
したがって、台座30、表示パネル20、反射板21およびプリント基板23,24をコンパクトに組み付けることができる。このため、この組み付け体40の後部パネル部14への取り付けが簡単になる。また、プリント基板23,24が、台座30の側面に沿った状態に保持されるため、プリント基板23,24を設置するためのスペースを設ける必要がなくなり電子鍵盤装置10の小型化が図れる。また、プリント基板23,24を固定するための操作がコネクト部26,27を接続させるだけで済むため極めて簡単になる。
【0025】
また、台座30は、箱状に形成されているため、内部に電子鍵盤装置10が備える各種の部材を収納したり、配置したりすることが可能になる。さらに、表示パネル20とプリント基板23,24とを接続するフレキシブル基板22a,22b,22cが配線が備わった基板であるため、特に、表示パネル20とプリント基板23,24とを接続するための連結部材を設ける必要がなくなる。これによって、部品点数の減少が図れる。
【0026】
また、反射板21および台座30は、白色または白色系の部材で構成されているため、光の反射率が良好になり、表示パネル20の画像がより鮮明になる。なお、反射板21は、発光体で構成することもできる。さらに、表示パネル20と反射板21との台座30への固定は、係合爪部31,32への係合によって行われるため、取り付け操作が簡単であるとともに、確実な固定ができ脱落が生じにくくなる。
【0027】
また、前述した実施形態の構成については、適宜、変更実施が可能である。例えば、前記実施形態では、組み付け体40の後部パネル部14への取り付けをねじで行っているが、この取り付けはねじ以外のもので行ってもよい。例えば、係合爪部31,32のような部材を後部パネル部14に設け、それに取付片33を係合させることもできる。これによると、組み付け体40の後部パネル部14への取り付けがさらに簡単になる。
【0028】
また、前述した実施形態では、表示パネル20に接続されたプリント基板を2個としたが、このプリント基板を4個にして、台座30の4つの側面すべてに配置させるようにしてもよい。また、表示パネル20の1つの縁部に小さなプリント基板を複数個配置することもできる。さらに、表示パネル20とプリント基板23,24との連結を別途設けた可撓性の連結部材で行うこともできる。
【0029】
また、前述した実施形態では、反射板21を、台座30の上面30aと表示パネル20とで挟んで台座30に取り付けているが、反射板21は直接上面30aに接着固定してもよい。また、前述した実施形態では、電子装置を電子鍵盤装置10としたが、本発明による電子装置は、これに限るものでなく、表示パネルを備えた電子装置であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による電子鍵盤装置を示す斜視図である。
【図2】 後部パネル部の裏面を示す斜視図である。
【図3】 組み付け体を分解した状態を示す斜視図である。
【図4】 台座の上面に反射板と表示パネルを載せた状態を示す斜視図である。
【図5】 図4のプリント基板におけるコネクタ部を接続して組み付け体を形成した状態を示す斜視図である。
【図6】 図5に示した組み付け体の正面図である。
【符号の説明】
10…電子鍵盤装置、14…後部パネル部、15…窓部、18…突部、19,34…穴部、20…表示パネル、22a,22b,22c,25…フレキシブル基板、23,24…プリント基板、26,27…コネクタ部、30…台座、31,32…係合爪部、33…取付片。

Claims (3)

  1. 電子装置本体に設けられた窓部に取り付けられる台座と、
    前記窓部から露呈した状態で前記台座の表面に取り付けられる液晶パネルと、
    配線回路を有する複数のプリント基板と、
    前記液晶パネルの周縁部に前記複数のプリント基板を接続する可撓性連結部材と、
    前記複数のプリント基板のうちの少なくとも二つのプリント基板に設けられ、互いに接続することにより、前記複数のプリント基板を前記台座の側面に沿わせた状態に保持するコネクタ部と
    を備えたことを特徴とする電子装置。
  2. 前記プリント基板に設けるコネクタ部は、前記プリント基板を前記液晶パネルの周縁部に接続するための前記可撓性連結部材の延設方向と略直角方向に延設されたものである請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記窓部が前記電子装置本体から取り外し可能になった後部パネル部に設けられている請求項1または2に記載の電子装置。
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