JP3936616B2 - 煙突内壁洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、煙突内壁に付着した灰や塵埃等を高圧水の噴射で除去する煙突内壁洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
煙突の内壁を洗浄する装置や方法として、例えば特開昭49−83937号「「煙突内部付着灰除去方法」では、煙突の上部開口からワイヤにより吊り下げたゴンドラを4つのステーやローラ等により煙突内部で上下移動可能に支持し、ゴンドラに2つのノズルを回転可能に取付け、外部より高圧水をホースでノズルに導入し、ノズルから高圧水を噴射させながら、その反動でノズルを回転させることで、煙突内壁に付着した灰を除去している。なお、ゴンドラの上下動は、地上に仮設したウインチにより行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の方法では、ホースを介して外部から導入した高圧水をそのままノズルから単に噴射させているだけであるため、ノズルから噴射される水圧が不安定であり、またそれによりノズルの回転も一様でない。このため、煙突内部に万遍なく高圧水を噴射させるのが難しく、洗浄できない部分が残り易い。また、構造は簡素であるが、ホースとノズルをニップルやパイプだけで連結してあるので、余り高い圧力を掛けることはできず、堅牢性に難点がある。
【0004】
更に、煙突内壁が綺麗に洗浄できたかどうかは目視で行っているため、煙突の下部の方は目視により確認し易いが、上部に行くほど視認が難しくなるという問題がある。
【0005】
このような問題点は、上記公報記載の技術に固有ではなく、高圧水の噴射により煙突内壁を洗浄する他の装置や方法にも一般的に該当する。
【0006】
従って、本発明は、そのような問題点に着目してなされたものであって、高圧水を安定して噴射させることができると共に、かなりの高圧水に対しても十分な強度を有し、また煙突の内壁全体にわたって洗浄具合を確認できる煙突内壁洗浄装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明の煙突内壁洗浄装置は、煙突内部に配置される固定台と、この固定台に取付けられた水回転噴射装置と、固定台に取付けられて当該固定台を煙突内部の中心に支持するよう煙突内壁に圧接される支持脚と、吊り下げ具を有すると共に煙突の上部開口に固定されて固定台を煙突内部の中心に吊り下げる架台と、固定台又は煙突外部に設置されて吊り下げ具を介して固定台を昇降させるためのウインチとを備え、ウインチによって固定台を上下に移動させながら水回転噴射装置から噴射される水により煙突内壁を洗浄する洗浄装置であって、前記水回転噴射装置は、軸に固定され、軸に沿って対向する筒状の内部分、及び内部分に間隔を置いて対向する筒状の外部分を有するハウジングと、このハウジングの内部分と外部分との間の空間にハウジングに対して回転可能に支持され、一端部が前記内部分と外部分との間の空間よりも突出する筒状のロータとを備え、前記ロータの突出部分とは反対側の端部に対向すると共にその端部外周のほぼ接線方向に水が噴射されるように前記ハウジングの外部分に少なくとも1個の高圧水導入口を設け、この高圧水導入口に対向してロータの端部外周に多数個の凹部を形成し、前記ロータの突出部分に複数個の水噴出口を設け、前記凹部と水噴出口とを連通する環状の流路を設けたものであることを特徴とする。
【0008】
この洗浄装置では、水回転噴射装置において、高圧水をハウジングの外部分の高圧水導入口よりロータの凹部に向けて噴射すると、高圧水はロータの外周に並んで設けられた凹部に次々に当たり、ロータが回転する。つまり、ロータは回転自在であり、高圧水は高圧水導入口からロータの外周のほぼ接線方向に噴射されるため、高圧水の圧力が凹部に伝わり、ロータには高圧水の圧力に応じた回転力が付与される。それによりロータは回転する一方、凹部に当たった高圧水は、環状の流路を通じて凹部とは反対側の水噴出口に達し、水噴出口から外部に噴射される。ここに、ロータは回転しているから、水噴出口からの高圧水も回転しながら噴射される。
【0009】
この水回転噴射装置によれば、ハウジングが筒状の内部分及び外部分を有する2重の筒状であり、その内部分と外部分との間の空間でロータが水圧により回転し、水がロータの一端部の凹部から他端部の水噴出口まで環状の流路を通じて移動する構造であるため、ロータの水噴出口から噴射される高圧水の圧力が安定し、ロータの回転も安定する。また、構造的に十分な強度を有するので、入力としてかなりの高圧水を導入することができ、それにより出力としての噴射水にも十分な圧力があり、洗浄能力が高い。従って、そのような特長を有する水回転噴射装置を備えた洗浄装置によれば、煙突内壁に付着した灰や塵埃等を高圧な噴射水により強力に除去することができる。
【0010】
上記水回転噴射装置の基本構成において、高圧水導入口は少なくとも1個設けられるが、2個設けることで、水噴出口からの出力としての水圧を落とさずにロータの回転を自由に制御できる。この場合、2個の高圧水導入口のうち、一方の高圧水導入口は、当該導入口からの噴射水によりロータを一方向に回転させるようにロータの端部外周の凹部に対して開口し、他方の高圧水導入口は、当該導入口からの噴射水によりロータを反対方向に回転させるようにロータの端部外周の凹部に対して開口することとする。
【0011】
このロータの回転制御に関していうと、仮に1個の高圧水導入口から高圧水を導入するだけであると、高圧水の圧力にもよるが、ロータの回転が高速になるほど、水は水噴出口から霧状になって噴出し、低速(例えば30〜60rpm程度)になると、水は水噴出口から直線状に噴出するようになる。この洗浄装置は煙突内壁を洗浄するためのものであり、水が霧状に噴出すると綺麗に洗浄できないので、ロータの回転数を落とす必要がある。
【0012】
そこで、高圧水導入口を2個設け、一方の高圧水導入口から高圧水を導入することで、ロータを一方向に回転させるのと併行して、他方の高圧水導入口からもロータの所望の回転数に応じた水圧の水を逆噴射させることで、ロータの回転を制動し、その回転数を低下させるようにする。勿論、高圧水を導入する高圧水導入口を変えることで、ロータの回転方向(右回り・左回り)も制御できる。
【0013】
つまり、高圧水導入口の一方をロータ回転用とし、他方を回転制御用とすることで、水噴出口から噴出する水の圧力を低下させることなく、ロータの回転を自由に制御できる。因みに、単に1個の高圧水導入口から導入される高圧水の圧力を変化させる場合は、導入水の圧力を下げれば、ロータの回転数も落ちるが、水噴出口から噴出する水の圧力も低下し、煙突内壁の洗浄には役立たなくなる。
【0014】
また、洗浄装置の基本構成において、固定台に、煙突内壁の周部分を4分割して撮影するための4台のカメラを等角度間隔で設置すれば、煙突内壁の状態を確認しながら洗浄を行えるので、内壁に付着した灰や塵埃等を確実に除去することができ、洗浄残しを防げる。なお、カメラで撮影した画像は、別途設けたモニタに表示すればよい。そのモニタでは、各カメラの画像を個別に1画面に表示したり、1画面に4分割して全て表示したりできるようにしておく。
【0015】
他方、ウインチは固定台に設置された電動ウインチとし、架台からの吊り下げ具(ロープ、ワイヤ等)を水回転噴射装置の軸に挿通すれば、電動ウインチを作動させて吊り下げ具を巻き取ったり送り出したりすることで、固定台を昇降させることが可能となる。この電動ウインチの操作は、煙突外部から例えばコントローラにより行えるようにしておく。勿論、固定台の上下動だけでなく、その速度も可変としておくのが好ましい。
【0016】
更に、支持脚は固定台に4本取付け、各支持脚を固定台から放射状に拡開するように固定台の下部に煙突内部の中心方向に移動可能に設けたウエイトにより拡開方向に付勢することとすれば、各種内径の煙突にも或る程度の範囲で対応できるだけでなく、固定台を煙突内部の中心に安定して支持することができる。
【0017】
なお、本発明の洗浄装置が適用可能な煙突としては、装置のサイズや設計上にもよるが、例えば内径1〜3m程度、高さ100m程度以内のものであり、その他の条件としては、煙突中心が垂直に設定されていること、内壁に大きな穴や突起物がないこと、煙突上部に架台を取付けることができ、装置の重さに耐えられること、洗浄排水を流せることである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
【0019】
実施形態に係る煙突内壁洗浄装置の概略要部構造図を図1に、その概略上部構造図を図2に示す。
【0020】
この洗浄装置は、小内径の煙突200や大内径の煙突201の内部に配置される固定台80と、この固定台80に取付けられた特定構造の水回転噴射装置90と、固定台80に取付けられて当該固定台80を煙突200(201)内部の中心に支持するよう煙突内壁に圧接される支持脚100と、ロープ(吊り下げ具)111を有すると共に煙突200(201)の上部開口に固定されて固定台80を煙突200(201)内部の中心に吊り下げる架台110と、固定台80に設置されてロープ111を介して固定台80を昇降させるための電動ウインチ120と、煙突200(201)内壁を撮影する4台のカメラ130と、煙突200(201)内壁を照明する4台の照明器具140とを備える。
【0021】
固定台80は、ここでは透明な円筒形状(ハウジング状)であるが、水回転噴射装置90、支持脚100、電動ウインチ120、カメラ130、照明器具140等の構成要素を確実に固定・支持できるのであれば、フレームでもよい。
【0022】
4本の支持脚100は、固定台80に等角度間隔で取付けられており、固定台80の上部に回転可能に支持されたガイドパイプ101と、このガイドパイプ101の先端部に回転可能に取付けられたローラ102とからなる。また、ガイドパイプ101の基端部にはワイヤ151の一端が連結され、ワイヤ151の他端は、固定台80の底部に後記パイプ160に沿って移動可能に配置された円板状のウエイト150に連結されている。
【0023】
従って、常態では、ウエイト150が自重により下方に移動しようとする力により、ワイヤ151が下方に引っ張られ、ガイドパイプ101が拡開方向に付勢される。このため、例えば大内径の煙突201の場合の概略平面図を図3に示すように、大小の内径の煙突であっても、或る程度の範囲であれば、固定台80から放射状に拡開する支持脚100(ローラ102)が煙突内壁に圧接し、固定台80が煙突内部の中心に安定して支持されることになる。
【0024】
架台110は、図2に示すように煙突200の上部に架設される棒状のもので、煙突200の直径方向に合わせて固定される。架台110の中央にはロープ111が取付けられている。このロープ111の取付けは、例えば吊かんを用いることで行われる。
【0025】
電動ウインチ120は、単にロープ111を巻き取ったり送り出したりできるだけでなく、その速度を調整できるようになっている。勿論、電動ウインチ120の作動は、別途設けたコントローラにより制御できるようになっている。電動ウインチ120をコントローラにより適切に操作することで、固定台80が設定速度で昇降する。
【0026】
4台のカメラ130は、固定台80に等角度間隔で設置され、煙突200,201の内壁の周部分を4分割で撮影する。つまり、4画像を1組として内壁の周部分をチェックできる。この4台のカメラ130の画像は、別途設けたモニタに個別の1画面で又は4分割画面で表示される。カメラ130を装備することで、煙突内壁の状態を確認しながら洗浄を行えるので、内壁に付着した灰や塵埃等を確実に除去することができ、洗浄残しを防げる。
【0027】
4台の照明器具140は、各カメラ130に対応して各カメラ130の上方に等角度間隔で配置されている。煙突内部は夜間は勿論のこと昼間でも暗いので、照明器具140を設けることで、各カメラ130により内壁部分を明瞭に撮影できる。
【0028】
図には示されていないが、電動ウインチ120の給電用・制御用ケーブル、カメラ130及び照明器具140に係るケーブル等は、固定台80の下部の中心に延出して取付けられたパイプ160内に挿通され、各部に接続されている。また、パイプ160は円板状のウエイト150の中心を貫通している。
【0029】
一方、水回転噴射装置90は、固定台80上部の中心に固定され、下記の中空軸1内にロープ111が挿通されている。そして、後記に詳述するように、装置90から延出する4本のパイプ71より高圧水が水平方向に噴射される。
【0030】
この水回転噴射装置90の概略平面図(上面図)を図4に、その縦断面図を図5に示す。この水回転噴射装置90は、図5において、軸としての中空軸1に固定され、中空軸1に沿って対向する筒状の内部分としてのベース11、及びベース11に間隔を置いて対向する筒状の外部分としてのケーシング12を有するハウジング10と、このハウジング10のベース11とケーシング12との間の空間にハウジング10に対して回転可能に支持され、一端部がベース11とケーシング12との間の空間よりも突出する筒状のロータ20とを備える。
【0031】
ハウジング10は、筒状のベース11及びケーシング12からなる2重の筒状構造であり、ハウジング10の中心に中空軸1が挿通され、ベース11とケーシング12との間の空間にロータ20が配置された形態である。このハウジング10は、ベース11が中空軸1の両端部にてワッシャ15を介してナット16により取付けられることで、中空軸1に固定される。ベース11は、中空軸1に沿って対向する筒状部分11aと、この筒状部分11aの一端部に付設されたフランジ部分11bとからなる。
【0032】
ケーシング12は、ベース11のフランジ部分11bに一体に取付けられ、ベース11の筒状部分11aに一定間隔を置いて対向する。このケーシング12の一端部側(ベース11のフランジ部分11b側)には、ロータ20の突出部分20aとは反対側の端部に対向すると共にその端部外周のほぼ接線方向に水が噴射されるように2個の高圧水導入口13が形成されている。
【0033】
2個の高圧水導入口13のうち、一方は当該導入口からの噴射水によりロータ20を一方向(例えば右回り)に回転させるようにロータ20の後記凹部21に対して開口し、他方は当該導入口からの噴射水によりロータ20を反対方向(例えば左回り)に回転させるようにロータ20の凹部21に対して開口する。但し、図5では便宜上、高圧水導入口13はロータ20の端部外周に垂直方向に描かれている。また、図5には示されていないが、各高圧水導入口13にはそれぞれバルブが設けられており、バルブにより導入口13を開閉できるようになっている。この高圧水導入口13に外部から高圧水を導入するための例えばノズル70が取付けられる。ノズル70にはホースが接続され、ホースを介して高圧水供給源が接続される。
【0034】
ロータ20は、ベース11とケーシング12との間の空間よりも突出する部分20aを有すると共に、この突出部分20aとは反対側の端部、すなわちケーシング12の高圧水導入口13に対向する外周部分に、多数個の半球形状の凹部21を有する。凹部21は、図6にロータ20の正面図を示すように、外周に等間隔で多数形成されている。この凹部21に対して、ロータ20の突出部分20aには、複数個(ここでは4個)の水噴出口22が等角度(90°)間隔を置いて形成されている。この水噴出口22に高圧水を外部へ噴射するための例えばパイプ71が取付けられる。
【0035】
ロータ20の凹部21と水噴出口22は、環状の流路23により連通している。流路23は、ロータ20の外周面とケーシング12の内周面との間隙により形成された環状の外路23aと、ロータ20内部に形成された環状の内路23bとからなる。外路23aは、ロータ20を部分的に幾分薄肉にすることで形成され、内路23bは、ロータ20の外周寄り内部に形成される。従って、ケーシング12の高圧水導入口13から導入された高圧水は、矢印で示すように、凹部21からケーシング12の内周面とロータ20の外周面との間隙、外路23a、内路23bを順に通過し、ロータ20の水噴出口22からパイプ71に流入し、パイプ71の先端から噴射される。
【0036】
一方、ロータ20はハウジング10のベース11及びケーシング12に対して回転可能であるが、ここでは、ロータ20の一端部(凹部21側)の内周面と当該内周面に対向するベース11の筒状部分11aの外周面との間に設けられた軸受31と、ロータ20の他端部(水噴出口22側)の内周面と当該内周面に対向するベース11の筒状部分11aの外周面との間に設けられた軸受32とにより、ロータ20が回転可能に支持される。なお、図5では、ロータ20は回転に伴い水の移動方向に応じて図中の上方向に移動しようとするが、このロータ20の移動は上側のワッシャ15及びナット16により規制される。
【0037】
また、軸受31,32の両側にはそれぞれパッキン41,42が配置され、高圧水がベース11の筒状部分11aの外周面とロータ20の内周面との間隙に浸入しないようになっている。更に、ケーシング12の内周面とロータ20の外周面との間にもパッキン43が配置され、高圧水が当該間隙にも浸入しないようになっている。
【0038】
他方、ケーシング12の端面には、環状のフタ50がパッキン51を介してネジ52により取付けられ、パッキン43を収容した空間がフタ50で覆い隠される。ロータ20の端面には、環状のカバー60がネジ61により取付けられ、ロータ20の突出部分20aの内側の空間がカバー60で覆い隠される。カバー60は筒状の軸受支持部62を有し、この軸受支持部62に軸受33が取付けられ、軸受33は軸受31,32と同様にロータ20を回転可能に支持する。更に、軸受33にはスリーブ状のカラー63が取付けられ、カラー63はロータ20の回転を安定して支持する。
【0039】
このように構成した水回転噴射装置90では、ケーシング12の高圧水導入口13にノズル70を接続し、このノズル70に例えばホース(図示せず)を介して高圧水供給源(ポンプ等)を接続する(図4参照)。また、ロータ20の水噴出口22にパイプ71を接続し、高圧水が外部に噴射されるようにする。
【0040】
そして、高圧水を一方の高圧水導入口13より導入すると、高圧水はロータ20の凹部21に当たる。高圧水はロータ20の外周部分のほぼ接線方向に噴射されるため、凹部21が受けた圧力によりロータ20は回転し始める。すると、高圧水がロータ20の外周に並ぶ凹部21に次々と当たるため、ロータ20には高圧水の圧力に応じた回転力が付与され、ロータ20が一定速度で回転する。ロータ20の回転と併行して、凹部21に当たった高圧水は、環状の流路23(外路23a、内路23b)を流れて凹部21とは反対側の水噴出口22に達し、水噴出口22からパイプ71に流入し、パイプ71のノズル状先端部から外部に噴射される。勿論、ロータ20は回転しているから、水噴出口22に接続されたパイプ71も回転しながら水を噴射する。
【0041】
ここで、前記したように、高圧水を一方の高圧水導入口13から導入するだけであると、水圧にもよるが、ロータ20の回転が高速になるほど、水は水噴出口22から霧状になって噴出する。水が噴霧状になると、煙突の内壁を綺麗に洗浄することができないので、他方の高圧水導入口13からも或る程度の水圧で水を導入する。すると、他方の高圧水導入口13からの水はロータ20の回転方向とは反対方向にロータ20に当たるため、ロータ20の回転数が低下し、低速回転(例えば30〜60rpm程度)になると、水は水噴出口22から直線状に噴出するようになる。
【0042】
この場合、ロータ20を一方向に回転させる水圧はそのままにして、水を反対方向に噴射させることでロータ20の回転を制御するので、ロータ20の回転を単に水圧低下により下げるのとは異なり、水噴出口22からの噴射水の圧力は落ちない。このため、煙突の内壁を強力に洗浄できる。
【0043】
そして、この水回転噴射装置90によれば、ハウジング10が筒状の内部分としてのベース11と筒状の外部分としてのケーシング12を有する2重の筒状であり、そのベース11の筒状部分11aとケーシング12との間の空間でロータ20が水圧により回転し、水がロータ20の一端部の凹部21から他端部の水噴出口22まで環状の流路23を通じて移動する構造であるため、ロータ20の水噴出口22から噴射される高圧水の圧力が安定し、ロータ20の回転も安定する。また、構造的に十分な強度を有するので、入力としてかなりの高圧水を導入することができ、それにより出力としての噴射水にも十分な圧力があり、洗浄能力が高い。
【0044】
これに加えて、環状の流路23が外路23aと内路23bからなるため、ロータ20一端部の凹部21に噴射された高圧水をロータ20他端部の水噴出口22までスムーズに導くことができ、導入された高圧水のエネルギーロスが少なくなる。
【0045】
しかも、凹部21が半球形状であるので、それ以外の形状(例えば矩形)に比べて、右回り・左回りのいずれの方向へも、高圧水導入口13から噴射される高圧水の圧力を回転力としてロータ20に最も効率良く伝えることができ、これも高圧水のエネルギーロスを少なくすることができる。
【0046】
従って、このような特長を有する水回転噴射装置90を用いた煙突内壁洗浄装置では、図2のように架台110を例えば煙突200の上部に固定し、固定台80を煙突200内部に配置すると、煙突200は小内径であるから、図1に示すように支持脚100は余り拡開せずに、ウエイト150の作用によりローラ102が煙突200の内壁に圧接する。これにより、固定台80が煙突200の内部の中心に安定して支持される。勿論、水回転噴射装置90のノズル70には高圧水供給源からのホースが接続される。
【0047】
この状態で2個の高圧水導入口13からの高圧水を導入すれば、前記したようにロータ20の回転に伴ってパイプ71が回転しながら、パイプ71から高圧水が煙突200の内壁に向かって噴射され、煙突200の内壁に付着した灰や塵埃等が綺麗に除去される。この洗浄作業をモニタで確認しながら行い、洗浄残しが無いように電動ウインチ120により固定台80を適宜上下動させて、煙突200の内壁を全体にわたって洗浄する。
【0048】
なお、上記実施形態では、高圧水排出用のパイプ71は4本設けられているが、すなわちロータ20の水噴出口22は4個設けられているが、2個や3個でもよい。但し、ロータ20の回転を安定して行うには、水噴出口22は等角度間隔で設けるのが好ましい。勿論、パイプ71の長さは煙突の内径に応じて適宜選定する。
【0049】
また、上記実施形態では、電動ウインチ120を固定台80に取付けてあるが、ウインチを煙突外部に設置し、滑車等を用いてロープ111を煙突外部に出し、電動又は手動でウインチを操作してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の煙突内壁洗浄装置によれば、装備される水回転噴射装置では、ハウジングが筒状の内部分及び外部分を有する2重の筒状であり、その内部分と外部分との間の空間でロータが水圧により回転し、水がロータの一端部の凹部から他端部の水噴出口まで環状の流路を通じて移動する構造であるため、ロータの水噴出口から噴射される高圧水の圧力が安定し、ロータの回転も安定する。
【0051】
また、構造的に十分な強度を有するので、入力としてかなりの高圧水を導入することができ、それにより出力としての噴射水にも十分な圧力があり、洗浄能力が高い。
【0052】
従って、煙突内壁に付着した灰や塵埃等を高圧な噴射水により強力に除去することができる。
【0053】
請求項2の構成とすれば、水噴出口から噴出する水の圧力を低下させることなく、ロータの回転を自由に制御できる。
【0054】
請求項3の構成とすれば、煙突内壁の状態を確認しながら洗浄を行えるので、内壁に付着した灰や塵埃等を確実に除去することができ、洗浄残しを防げる。
【0055】
請求項4の構成とすれば、電動ウインチを作動させて吊り下げ具を巻き取ったり送り出したりすることで、固定台を昇降させることが可能となる。
【0056】
請求項5の構成とすれば、各種内径の煙突にも或る程度の範囲で対応できるだけでなく、固定台を煙突内部の中心に安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る煙突内壁洗浄装置の概略要部構造図である。
【図2】同洗浄装置の概略上部構造図である。
【図3】同洗浄装置における支持脚の、大内径の煙突の内壁に対する拡開状態を示す概略平面図である。
【図4】同洗浄装置における水回転噴射装置の一例を示す概略平面図である。
【図5】同水回転噴射装置の縦断面図である。
【図6】同水回転噴射装置におけるロータの正面図である。
【符号の説明】
1 中空軸(軸)
10 ハウジング
11 ベース(内部分)
11a 筒状部分
11b フランジ部分
12 ケーシング(外部分)
13 高圧水導入口
20 ロータ
20a 突出部分
21 凹部
22 水噴出口
23 流路
80 固定台
90 水回転噴射装置
100 支持脚
110 架台
111 ロープ(吊り下げ具)
120 電動ウインチ
130 カメラ
140 照明器具
150 ウエイト
200 小内径の煙突
201 大内径の煙突

Claims (5)

  1. 煙突内部に配置される固定台と、この固定台に取付けられた水回転噴射装置と、固定台に取付けられて当該固定台を煙突内部の中心に支持するよう煙突内壁に圧接される支持脚と、吊り下げ具を有すると共に煙突の上部開口に固定されて固定台を煙突内部の中心に吊り下げる架台と、固定台又は煙突外部に設置されて吊り下げ具を介して固定台を昇降させるためのウインチとを備え、ウインチによって固定台を上下に移動させながら水回転噴射装置から噴射される水により煙突内壁を洗浄する洗浄装置であって、
    前記水回転噴射装置は、軸に固定され、軸に沿って対向する筒状の内部分、及び内部分に間隔を置いて対向する筒状の外部分を有するハウジングと、このハウジングの内部分と外部分との間の空間にハウジングに対して回転可能に支持され、一端部が前記内部分と外部分との間の空間よりも突出する筒状のロータとを備え、前記ロータの突出部分とは反対側の端部に対向すると共にその端部外周のほぼ接線方向に水が噴射されるように前記ハウジングの外部分に少なくとも1個の高圧水導入口を設け、この高圧水導入口に対向してロータの端部外周に多数個の凹部を形成し、前記ロータの突出部分に複数個の水噴出口を設け、前記凹部と水噴出口とを連通する環状の流路を設けたものであることを特徴とする煙突内壁洗浄装置。
  2. 前記水回転噴射装置の高圧水導入口は2個設けられ、一方の高圧水導入口は、当該導入口からの噴射水によりロータを一方向に回転させるようにロータの端部外周の凹部に対して開口し、他方の高圧水導入口は、当該導入口からの噴射水によりロータを反対方向に回転させるようにロータの端部外周の凹部に対して開口することを特徴とする請求項1記載の煙突内壁洗浄装置。
  3. 前記固定台に、煙突内壁の周部分を4分割して撮影するための4台のカメラを等角度間隔で設置したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の煙突内壁洗浄装置。
  4. 前記ウインチは固定台に設置された電動ウインチであり、前記架台からの吊り下げ具が水回転噴射装置の軸に挿通されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の煙突内壁洗浄装置。
  5. 前記支持脚は固定台に4本取付けられ、各支持脚は固定台から放射状に拡開するように固定台の下部に煙突内部の中心方向に移動可能に設けられたウエイトにより拡開方向に付勢されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の煙突内壁洗浄装置。
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