JP3936595B2 - 配線基板及び基板用コネクタ並びにそれらを有するコネクタユニット - Google Patents

配線基板及び基板用コネクタ並びにそれらを有するコネクタユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接続箱に組み込まれて、複数の周辺機器間の電気的接続を行う中継用の配線基板及び基板用コネクタ並びにそれらを有するコネクタユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等のエンジンルームやインストルメントパネル廻りには、計器類、照明類又は各種ジェネレータ等に対する給電や、スイッチ類又はヒューズ・リレー等の機器間の信号の授受を集約的に行うために、電気接続箱が配置されている。
【0003】
電気接続箱は、合成樹脂製の絶縁基板と、配線構造を有するブスバーとを備えたものである。その他リレー、ヒューズ、ハーネス用のコネクタ等を備えたものもある。ジャンクションボックスは、電気接続箱の別名であり、箱内部に収容されるブスバー等の構成が電気接続箱と異なるものではないが、特別の場合には、分岐用の電気接続箱という限定した意味で使用されることもある。本明細書では、ジャンクションボックスを電気接続箱に含めて、総括的な意味で電気接続箱の用語を使用することとする。
【0004】
電気接続箱には、車種や仕様に応じたパターン化された導体部をブスバーで構成した配線基板が一枚または複数枚積層された状態で収容されている。ここでいう配線基板は、ブスバーと絶縁基板とを重ね合わせたものである。ブスバーの端部には、タブ端子が切り起こして形成されており、このタブ端子と接続するハーネス用コネクタ等を介して電源の供給や、信号の授受が行われるようになっている。
【0005】
図15は、この種の配線基板に関連する技術の一例として、先に本願出願人によって提案された特開平5−207627号公報に記載されたものである。図示する配線基板60は、電気接続箱(図示せず)に収容されて電源用の内部回路を構成したり、計器類やスイッチ類等の周辺機器間の信号用の内部回路を構成したりするものである。
【0006】
配線基板60は、平板状の絶縁基板61と、導体部で内部回路を構成する金属製のブスバー65とを備えて構成されている。ブスバー65は、銅または銅合金などの導電性基板からなり、連結片67により配線導体66が繋がれた状態で、プレス機(図示せず)により導電性基板を一体的に打ち抜いて形成されている。ブスバー65の端部や中間部には、折曲加工により、起立連成された上向きのタブ端子68が形成されている。
【0007】
ブスバー65に起立連成されたタブ端子68は、電気接続箱等の上ケースまたは下ケースに設けられたハーネス用コネクタ、ヒューズ用コネクタ、リレー用コネクタなどの各種コネクタ(図示せず)に直接的または中継端子(図示せず)を介して間接的に接続されるようになっている。
【0008】
絶縁基板61には、ブスバー65にあわせて複数のリブ62が突設され、ブスバー65収容溝が区画形成されている。また、絶縁基板61には、配線導体66を繋ぐ連結片67を切断分離する打ち抜き孔63が形成されている。
【0009】
ブスバー65は、中間部の層間接続片69より二つに折り返し可能になっており、絶縁基板61を挟むようにして、絶縁基板61の表裏両面に固定されている。このため、配線基板60は、2層構造で立体的に内部回路をするようになっている。なお、このような配線基板60は、一枚又は複数枚積層されて電気接続箱に収容される。配線基板60を積層する際には、基板間にプリレグ(接着シート)を挟み、加熱・加圧することにより、一体的に形成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の配線基板では、解決すべき以下の問題点がある。
【0011】
ブスバー65を有する電気接続箱は、自動車等の車両内に分散して配置された計器類又はスイッチ類等の周辺機器間の電気的接続を個々に中継し、または、ある一つの周辺機器から他の複数の周辺機器に対し分岐して電気的接続を行うためのものである。周辺機器数が少なければ良いが、周辺機器数が増加すると、従来のブスバー65による配線構造では、小型で複雑で分岐数の多い配線構造を構成することに限界があり、ブスバー65を肥大化・多層化・重量化しなければならないという問題を有していた。
【0012】
すなわち、自動車等に搭載される計器類やスイッチ類等の増加により、設置スペースが狭小化の傾向にある中で、電気接続箱の小型化・軽量化が要請されているが、肉厚かつ幅広の重いブスバー65で内部回路を構成したのでは、小型化・軽量化の要請に応じることは困難である。
【0013】
また、周辺機器等の部品点数が増加すると、ブスバー65を有する配線基板60が二次元的・平面的な奥行きだけでなく、三次元的・立体的に高さ方向にも肥大化してしまう。表裏両面にブスバー65が配設された2層構造の配線基板60が使用されてはいるものの、それだけでは内部回路の複雑化・高密度化等に対処するのは十分でなく、電気接続箱の肥大化を回避するのが困難になっている。
【0014】
また一つには、複数の周辺機器間の信号の授受を行う信号線にあっては、1アンペア程度の微少電流しか流れないため、厚肉かつ幅広の重いブスバー65等により内部回路を構成する必要は必ずしもなく、ブスバー65を使用して内部回路を構成した従来の配線基板60に代わる信号線用に特化された小型・軽量の配線基板が求められている。
【0015】
さらに、自動車の車種や仕様等によって、内部回路の構成が変更されると、配線基板60自体を作り直さなければならないという問題がある。すなわち、内部回路に応じてパターン化されたブスバー65は、プレス金型により導電性基板から打ち抜かれて一体的に形成されたものであるゆえ、回路変更がある度に新たに回路設計をやり直し、導体部のパターンに対応する打ち抜き用のプレス金型を新たに製作しなければならず、手間とコストがかかり、フレキシブルに回路変更に対応することができないという問題もある。
【0016】
本発明は、上記した点に鑑み、内部回路を高密度化することができ、電気接続箱を小型・軽量化することができ、回路変更にもフレキシブルに対応することができる配線基板及び基板用コネクタ並びにそれらを有するコネクタユニットを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電気接続箱に組み込まれて、複数の周辺機器間の電気的接続を中継し、しかも信号の分岐可能な配線構造を有し、絶縁基板と、該絶縁基板の少なくとも片面に形成された導体部と、該絶縁基板の端部に形成され、該導体部と該周辺機器とを電気的に接続する端子部とを備え、前記導体部の端末部が、前記絶縁基板の少なくとも一つの端部に引き出されて、基板用コネクタの端子と電気的に接続する前記端子部となり、かつ、前記端子部は、前記絶縁基板の対角線と平行に引き出されたことを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、複数の周辺機器間の電気的接続が、絶縁基板と、絶縁基板に配線された導体部と、絶縁基板の端部に形成された端子部とを備えた配線構造を有する配線基板を中継して行われるから、従来方式のようにブスバー又は電線で中継したり、分岐したりすることが不要となり、電気接続箱に収容される配線構造を簡略化・合理化することができ、しかも配線作業の能率化・容易化が図られる。
さらに、上記構成によれば、導体部の端末部が絶縁基板の端部に引き出されて端子部となるから、基板用コネクタの端子と絶縁基板の端子部とが電気的に接続して内部回路が導通し、同時に多数の周辺機器等の制御が可能となる。
また、上記構成によれば、端子部が絶縁基板の対角線と平行に引き出されているから、L字状の基板用コネクタに絶縁基板を差し込むことで、基板用コネクタの端子の向きと絶縁基板の端子部の向きとが揃い、配線基板と基板用コネクタとが電気的に接続する。
【0019】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の配線基板において、前記導体部が前記絶縁基板の表裏両面に形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、導体部が絶縁基板の表裏両面に形成されているから、片面に導体部の形成された配線基板に比べて、導体部を増加させることができ、複雑な内部回路を構成することができる。
【0020】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の配線基板において、前記表裏両面の前記導体部が貫通導体を介して相互接続することを特徴とする。
上記構成によれば、表裏両面の導体部が相互接続するから、立体的に配線構造を形成することができ、導通経路の分岐機能が向上する。
【0021】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の配線基板において、前記絶縁基板の表面にはパターン化された行方向Xの前記導体部が形成され、裏面にはパターン化された列方向Yの前記導体部がそれぞれ形成され、該導体部が立体的に交差した格子点Pに、前記貫通導体が形成されたことを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、絶縁基板の表裏両面に導体部がパターン化して形成され、表面および裏面の導体部が立体的に交差する格子点に、貫通導体が形成されているから、配線構造を高密度化できるとともに、複雑な分岐回路を構成することができる。
【0023】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の配線基板において、前記導体部が立体的に交差した格子点Pには、選択的に前記貫通導体が形成され得ることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、表裏両面の導体部が、選択的に形成された貫通導体を介して接続するから、周辺機器間等の信号の授受を自由にどこからでも行うことができる。すなわち、入・出力信号の導通経路を限定することなく、自由に任意の導通経路を設定することができ、周辺機器等に対する信号線の入力端子と出力端子を固定することなく、仕様に応じてフレキシブルな内部回路を構成することができる。
【0029】
また、請求項記載の発明は、請求項3〜のいずれか一つに記載の配線基板において、前記貫通導体は、内壁に導電材が被覆された中空貫通導体であることを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、貫通孔に導電材が被覆された中空貫通導体が形成されているから、表裏両面の導体部が中空貫通導体を介して相互接続する。また、貫通導体が中空であるから、トランジスタ、コンデンサ、抵抗等の電子デバイスを貫通導体の孔部に取り付けることができ、配線基板がプリント回路板として使用された場合に、電子デバイスの実装密度を増加することができる。
【0031】
また、請求項記載の発明は、請求項3〜のいずれか一つに記載の配線基板において、前記貫通導体は、表裏両面を貫通する貫通孔に導電材が埋設された中実貫通導体であることを特徴とする。
【0032】
上記構成によれば、貫通導体が中実貫通導体であるから、表裏両面の導体部の相互接続をめっきなどの化学的処理に依らないで行うことができるゆえ、導体部の接続に要する時間を短縮でき、環境汚染などの公害の発生を防止でき、配線基板の量産性、環境性が向上する。
【0033】
また、請求項記載の発明は、請求項2〜のいずれか一つに記載の配線基板において、表面側の前記端子部と裏面側の前記端子部とが互い違いに配置され、該端子部のピッチが表面又は裏面で隣り合う前記導体部のピッチの1/2倍であることを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、端子部のピッチが狭ピッチに形成されているから、入出力信号の極数が増加して、多数の周辺機器等の信号処理を行うことができ、内部回路の高密度化を図ることができる。
【0035】
また、請求項記載の発明は、コネクタハウジングと、該コネクタハウジングの端子収容室に収容される複数の端子とを備え、配線構造を有する配線基板の少なくとも一つの端部に嵌合する基板用コネクタにおいて、前記コネクタハウジングには、前記配線基板の端部を差し込む差込部と、該差込部に続く前記端子収容室とが設けられ、前記端子には、該配線基板の端子部に接触する電気接触部が形成され、該電気接触部と該端子部とが電気的に接続し、かつ、前記コネクタハウジングには、前記配線基板の隣り合う端部に嵌合するL字状の差込部が設けられたことを特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、コネクタハウジングに、配線基板の端部を差し込む差込部と、差込部に続く端子収容室とが設けられているから、配線基板の端部をコネクタハウジングの差込部にスライド挿入することにより、容易に組み付けを行うことができ、電気的接続の信頼性も維持される。
さらに、上記構成によれば、配線基板の隣り合う二辺の端部がL字状の差込部にスライド嵌合し拘束されるから、配線基板がコネクタハウジングにがたつきなく固定される。
【0039】
また、請求項10記載の発明は、請求項記載の基板用コネクタにおいて、前記コネクタハウジングには、係止部が設けられ、前記配線基板のコーナ部には、該係止部に係合する係合部が設けられたことを特徴とする。
【0040】
上記構成によれば、コネクタハウジングに係止部が設けられ、配線基板に係合部が設けられているから、配線基板がコネクタハウジングの差込部に差し込まれた後、係合部がコネクタハウジングの係止部に係合して配線基板が固定され、配線基板の抜き外れが防止される。
【0041】
また、請求項11記載の発明は、請求項9または10に記載の基板用コネクタにおいて、前記端子は、前記端子部と接触する弾性の前記電気接触部を備えていることを特徴とする。
【0042】
上記構成によれば、端子が、弾性の電気接触部を備えているから、コネクタハウジングの差込部に差し込まれた配線基板の端子部は、電気接触部の弾性力によって挟持され、端子と強く接触し、接続不良を生ずることが防止される。
【0043】
また、請求項12記載の発明は、請求項9〜11のいずれか一つに記載の基板用コネクタにおいて、隣り合う前記端子は、前記電気接触部の向きを逆にして前記端子収容室に収容されたことを特徴とする。
【0044】
上記構成によれば、端子収容室に収容された端子が互い違いに配置されているから、隣り合う端子の間に配線基板の端部が挟持され、端子の電気接触部と配線基板の端子部とが電気的に接続する。
【0045】
また、請求項13記載の発明は、配線構造を有する配線基板と、該配線基板に嵌合する基板用コネクタとを備えたコネクタユニットにおいて、前記配線基板が請求項1〜8のいずれか一つに記載の配線基板であり、前記基板用コネクタが請求項9〜11のいずれか一つに記載の基板用コネクタであることを特徴とする。
【0046】
上記構成によれば、差込部を有する基板用コネクタに、配線基板が嵌合して、コネクタユニットが形成されるから、複数の周辺機器間の電気的接続を中継し、しかも導通経路を分岐することができ、小型で高密度の配線構造を有する中継用のコネクタユニットを構成することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の第一の実施形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係る配線基板の一実施形態を示すものである。
【0048】
図1に示すように、プリント配線板(配線基板)10は、矩形平板状をなしており、エポキシ樹脂等の有機材料で構成される絶縁基板15に、配線導体(導体部)35が一体的にプリントされたものである。絶縁基板15を構成するエポキシ樹脂としては、紙基材エポキシ樹脂、ガラス布基材エポキシ樹脂やガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂等が適用される。導体パターンを構成する配線導体35には、厚さ数10μmの導電性金属箔、例えば銅箔等が適用される。なお、本実施形態では、プリント配線板10について説明するが、細幅の配線導体がインサート成形や接着等により、絶縁基板15に形成されたものであってもよい。また、配線導体35として、導電性の樹脂材を適用してもよい。プリント配線板10の形状は矩形状に限定するものではなく、図11又は図14に示すように、多角形状に形成してもよい。
【0049】
ここで、本実施形態のプリント配線板10の製造方法の一例について説明する。先ず最初に、溶剤、触媒、硬化材、エポキシ樹脂材(又はフェノール樹脂)等をブレンドしたワニスを紙またはガラス繊維でできた布に含浸させ、熱風で所定時間乾燥し、その後所定の大きさに裁断し、表裏両面に銅箔をラミネートし、熱プレス機で加熱しながら樹脂を溶融させて、プレス圧着してリジッドな基材(銅張積層板)を作る。
【0050】
次に、導体パターンの描かれたフォトマスク(金属シート)を基材に重ね、紫外線を照射して導体パターンを焼き付け、露光されていない部分のレジストを除去し、エッチング液(現像液)を吹き付けて、銅箔を溶かし、感光部(導体パターン)だけを残して、プリント配線板10を形成する。
【0051】
そして、最小加工径で数10μmの孔明けが可能な超硬合金製極小径ドリルを備えた高周波スピンドルを数万回転で回転させて、プリント配線板10の所定の位置に貫通孔25を形成する。貫通孔25の内壁は絶縁性の樹脂材で形成されているから、表裏両面の両導体パターン同士は相互接続せず、内部回路は非導通状態にある。
【0052】
上述した方法で製造されたプリント配線板10は、反り、捻れ、へこみ、膨れ等について検査され、また、銅箔面は、しわ、亀裂、樹脂のしみだし(スミア)、傷、汚れ、異物の付着、樹脂の付着、樹脂の流れなどについて検査された後、内部回路の具体的設計に供される。
【0053】
このプリント配線板10は、表裏両面に導体パターンが形成されている、いわゆる両面プリント配線板である。両面プリント配線板は、片面プリント配線板に比べて配線導体数が2倍になるだけでなく、交差配線を必要とする複雑な配線を容易に形成することができる利点がある。また、電子デバイスが実装されたプリント回路板(図示せず)として使用される場合には、トランジスタ、コンデンサ、抵抗などの実装密度を増加させることができる利点もある。なお、プリント回路板とは電子デバイスが実装されたものを意味するものとし、電子デバイスが実装されないプリント配線板10とは区別するものとする(JIS C 5603)。
【0054】
図2及び図3に示すように、表裏両面に導体部35がプリントされた導体パターンは、互いに平行な所定ピッチの配線導体35で構成されている。片面(表面16または裏面17)で隣り合う配線導体35のピッチP1は、1.6〜2.4mmに設定されている。配線導体35には、数ミリアンペアの信号用の微小電流しか流れないため、配線導体35が溶融して切れるなどの心配はない。なお、図11及び図14に示すように、表裏両面の配線導体の間隔や配線導体数を配線基板の形状や、内部回路の仕様に応じて、任意に変更できることはもちろんである。
【0055】
ここで、本明細書での説明の都合上、プリント配線板10の表面16と裏面17を次のように定めることとする。いわゆる両面プリント配線板は、表面16と裏面17を逆にして使用されることもあるため、表と裏の区別を必ずしも要しないが、本明細書では便宜的に、図2に示す面を表面16と定め、図3に示す面を裏面17と定めることとする。
【0056】
図2に示す表面16の導体パターンは、行方向Xの導体パターンを形成し、図3に示す裏面17の導体パターンは、列方向Yの導体パターンをそれぞれ形成している。すなわち、両導体パターンを構成する配線導体35は、立体的に交差配線されている。なお、表面16に列方向Yの導体パターンを形成し、裏面17に行方向Xの導体パターンを形成してもよく、本発明は、その導体パターンの配列方向を限定するものではない。
【0057】
交差配線された配線導体35の格子点Pは、マトリックス状に規則正しく整列している。格子点Pには、表裏両面を貫通する貫通孔25が形成されている。貫通孔25自体は、導電性がないため、そのままでは表裏両面の配線導体35同士が電気的に相互接続することはない。配線導体35同士を電気的に接続させるには、種々の方法があるが(図4、図5)、格子点Pである貫通孔25に貫通導体を選択的に形成することで、信号用の導通経路を形成するようにしている。
【0058】
表裏両面の配線導体35は、貫通導体を介して相互接続し、計器類やスイッチ類等の周辺機器間の信号の授受を自由に行うことができるようになっている。すなわち、入力信号側と出力信号側の接続口を自由に選択でき、入出力信号のやりとりを制限されることなく行うことができ、フレキシブルに内部回路を構成することが可能となっている。
【0059】
図1等に示すように、プリント配線板10の端部18a,18bには、L字状の基板用コネクタ40(図6等)に収容される端子金具(端子)50と電気的に接続するプリント端子(端子部)36が形成されている。プリント端子36は、導体パターンを構成する各配線導体35の端末部に相当し、プリント配線板10の隣り合う端部18a,18bに引き出されている。なお、図11及び図14に示すように、必ずしもプリント端子36を隣り合う端部に引き出す必要はなく、プリント端子36を隣り合わない端部に引き出すようにしてもよいし(図11)、プリント配線板10の対向する端部に引き出すようにしてもよく(図14)、本発明はプリント端子36の引き出す方向を特定の端部に限定するものではない。
【0060】
プリント端子36を複数の端部18a,18bから引き出すことで、入出力信号の極数が増加して、同時に多数の周辺機器等の制御を行うことが可能となる。なお、入力側と出力側の位置は特に限定されるものではなく、二辺の端部18a,18bのどちらにでも選択的に設けることができる。
【0061】
図2及び図3に示すように、プリント端子36は、表裏両面で互い違いに形成されている。また、プリント端子36は、表面16と裏面17とでそれぞれ同方向に引き出されている点と、配線導体35のピッチP1が等しい点で共通している。
【0062】
互い違いのプリント端子36のピッチP2は0.8mm〜1.2mmであり、配線導体35のピッチP1の1/2倍に設定されている。すなわち、プリント配線板10の端部18a,18bに引き出されるプリント端子36は上下二段に互い違いに配列されることで、ピッチP2がピッチP1の半分になり、多数の電子機器等をプリント配線板10に接続することができるようになっている。
【0063】
プリント端子36は、端部18a,18bの稜線19a,19bに対しては45゜の傾斜角度αで、同方向に引き出されている。プリント端子36を同方向に引き出すようにしたのは、プリント配線板10の隣り合う端部18a,18bを、後述するL字状の基板用コネクタ40に同時に組み付けるためである。
【0064】
なお、L字状の基板用コネクタ40を分割して、プリント配線板10の各端部18a,18bに別々に組み付けることもできるが、この場合は、プリント端子36を45゜方向に傾斜させる必要はなく、端部18a,18bの稜線19a,19bに対して垂直にプリント端子36を引き出せばよい。しかし、L字状の基板用コネクタ40を用いた場合には、プリント配線板10の二つの端部が同時に嵌合されるから、組付作業性が良いなどの利点もある。
【0065】
また、プリント端子36の傾斜角度αを45゜としたのは、本実施形態のプリント配線板10が、矩形状を成しており、対向するコーナ部28a,28bを結ぶ対角線CL1の方向が45゜方向だからである。プリント配線板10が、長方形、平行四辺形などの場合には、対角線の方向が45゜方向ではないため、傾斜角度αが45゜より小さい角度になったり大きい角度になったりする。
【0066】
図4および図5には、表裏両面16,17の配線導体35同士を相互接続する貫通導体が示されている。表裏両面16,17の配線導体35同士を相互接続する方法には、各種の方法が適用できるが、貫通孔25の内壁に導電材を付着させる方法と、予め開けられた孔内に導電材を埋め込む方法とに大別される。
【0067】
図4には、貫通孔25の内壁に導電材を付着させためっきスルーホール(中空貫通導体)26aが示されている。めっきは、貫通孔25の内壁に無電解めっき法にて形成されたものである。めっきは、活性化処理を経た後にめっき処理を行って形成される。活性化処理工程は、めっきの際に触媒として働く物質層を貫通孔25の内壁に付着させる工程である。物質層は、パラジウム等から構成されている。めっき処理は、プリント配線板10にマスキングをした後、銅めっき液やニッケルめっき液などに浸漬することにより行われる。なお、他の方法として、電解めっきや半田浸漬による方法なども適用可能である。
【0068】
図5には、予め開けられた貫通孔25に導電材が埋め込まれたリベットピン26b(中実貫通導体)が示されている。リベットピン26bの他に、ハトメ、ワイヤなどによる方法も適用可能である。リベットピン26bによる方法は、孔内に導電材を挿入して接続する方法であり、機械化・自動化が容易で多量生産に適する方法である。ハトメによる方法は、孔内に円筒状の導電材を挿入して接続する方法であり、この方法も機械化・自動化が容易な方法である。ワイヤによる方法は、孔内にワイヤを挿入して接続する方法であり、ワイヤの先端部を折り曲げて表裏両面の配線導体35に接触させる方法である。なお、リベットピン26bなどに代えて半田その他の低融点導電材を貫通孔25に充填させてもよい。
【0069】
図6に示すように、L字状の基板用コネクタ40は、コネクタハウジング41と、コネクタハウジング41の端子収容室45に収容される複数の端子金具50(図10)とを備えたものである。コネクタハウジング41の外壁42は、上下壁42a,42b(一方しか図示せず)と、電線38が引き出される側の後壁42cと、プリント配線板10が嵌合する側の前壁42dと、両側の側壁42e,42fとから構成されている。外壁42の内側には、プリント配線板10の隣り合う2つの端部が同時に差し込まれる差込部44と、差込部44に続く上下二段の端子収容室45とが一体的に形成されている。
【0070】
差込部44は、溝になっており、プリント配線板10のプリント端子36の長さに相当する溝深さに形成されている。差込部44の奥側に形成された端子収容室45は、隔壁で各部屋毎に仕切られており、プリント配線板10のプリント端子36に等しい数の端子金具50が収容されるようになっている。プリント端子36が互い違いに形成されていたように、端子収容室45の各部屋も互い違いに形成されている。これにより、端子金具50とプリント端子36とが一対一で相互接続するようになっている。
【0071】
コネクタハウジング41の両側の側壁42e,42fには、プリント配線板10の欠部(係合部)30に係合するロックアーム(係止部)43が設けられている。ロックアーム43は、支点部43aと、支点部43aの前側に繋がる先端部43bと、支点部43aの後側に繋がる操作部43cとからなっており、支点部43aを支点として撓み可能になっている。ロックアーム43の先端部43bには、プリント配線板10の一対のコーナ部28c,28dに位置する欠部30に引っかかる図示しない爪部が形成されている。
【0072】
図7は、プリント配線板10と基板用コネクタ40との嵌合状態を示したものである。プリント配線板10と基板用コネクタ40とでコネクタユニット5が構成されている。プリント配線板10は、コネクタハウジング41の差込部44に差し込まれて、両側の側壁42e,42fのロックアーム43を外側に押し広げるようにして奥側に進入し、ロックアーム43が元の位置に復元した際に爪部がプリント配線板10の一対の欠部30に係合することにより係止されて、外れないように固定されている。嵌合状態においては、端子金具50とプリント端子36は相互接続した状態になっている。
【0073】
図8は、基板用コネクタ40からプリント配線板10を取り外した状態を示したものである。プリント配線板10を取り外す際には、上述した嵌合操作と逆の操作を行えばよい。すなわち、ロックアーム43の操作部43cを押圧して、爪部と欠部30との係止を解除し、プリント配線板10を引っ張り、プリント配線板10の隣り合う2つに端部18a,18bを差込部44から抜いて、プリント配線板10を取り外せばよい。
【0074】
図9および図10に示すように、差込部44の嵌合空間には、電線38付きの端子金具50が突出している。端子金具50は、導電性基板を打ち抜き、折り曲げ加工して形成されたものである。一側には電線接続部51(図10)が形成され、他側に電気接触部52(図10)が形成され、電線接続部51と電気接触部52との間に、湾曲部53(図10)が一体的に形成されている。
【0075】
電線接続部51は、芯線38aを加締める芯線加締部と、被覆線38bを加締める被覆線加締部とからなり、それぞれが一対の圧着片で構成されている。電気接触部52は、プリント端子36に接触して内部回路を導通させる接触部であり、湾曲部53に繋がることで弾性的に接触できるようになっている。すなわち、プリント端子36に対しては、接触圧を高めて電気的接触の信頼性を向上させている。電気接触部52は、端子収容室45の図示しない孔部に差し込まれて、コネクタハウジング41に対する位置決めが行われている。端子金具50には、図示しない係止孔が設けられていて、端子収容室45の図示しない係止突起と係合することにより後抜けが防止されるようになっている。なお、端子金具50に係止突起を設け、端子収容室45に係止孔を設けてもよい。
【0076】
コネクタハウジング41の差込部44に差し込まれたプリント配線板10は、端子収容室45から嵌合空間に突出する上下の端子金具50を押し開くようにしてスライド挿入し、電気接触部52の弾性力によって挟持されて、プリント端子36と端子金具50の電気接触部52とが接触し、内部回路が導通するようになっている。
【0077】
次に、本発明の第二、第三の実施形態の具体例を図面を用いて説明する。第一の実施形態と重複する部分については同一符号を付して説明を省略することとする。図11は第二の実施形態を示し、図14は第三の実施形態をそれぞれ示す。
【0078】
図11に示すコネクタユニット80は、図7に示した第一の実施形態のコネクタユニット5と同様に、プリント配線板85と、基板用コネクタ81とからなっている。図7に示したコネクタユニット5と相違する点は、プリント配線板85が矩形状ではなく多角形状である点、配線導体35がプリント配線板85の隣り合わない端部88a,88cに引き出されている点、このプリント配線板85に嵌合するコネクタハウジング82がL字状でない点、コネクタハウジング82の端子収容室83が上下二段でない点である。
【0079】
図示する多角形状のプリント配線板85のプリント端子36は、一つの端部88bを間に挟む2つの端部88a,88cに引き出されている。各端部88a,88cのプリント端子36は、それぞれ同一方向に引き出されており、端部88a,88cの稜線に対しては、所定の角度傾斜している。
【0080】
基板用コネクタ81は、電線38付きの端子金具50(図12、図13)と、端子収容室83を有するコネクタハウジング82とからなっている。コネクタハウジング82は、プリント配線板85の端部88a,88b,88c,88d,88e,88fに沿った門形状に一体形成されている。プリント配線板85の端部88a,88b,88c,88d,88fに嵌合する前壁42dには、一端から他端にかけてスロット状の差込部44が形成されている。この差込部44の奥側には、プリント配線板85の端部88a,88cに対応する位置に、端子金具50が収容される端子収容室83が形成されている。
【0081】
端子収容室83は、上下二段ではなく一段に形成されている。一段であっても、図12及び図13に示す端子金具50を収容することにより、その端子金具50の間にプリント配線板85が挟まれて、電気的に接続するようになっている。
【0082】
図12及び図13に示す端子金具50は、図10に示した端子金具50と略同様である。電線接続部51を除く部分は全体として湾曲状を成しており、一側端部には弾性の電気接触部52が形成されている。この電気接触部52は、差込部44の嵌合空間に突出している。隣り合う端子収容室83には、この端子金具50がそれぞれ上下逆向きに収容されている。このようにすると、自由端部である電気接触部52が互い違いになり、コネクタハウジング82の差込部44にスライド挿入されたプリント配線板85を電気接触部52の弾性力で挟持することができるようになる。このとき、プリント端子36(図11)は、端子金具50の電気接触部52と所定の接触圧で電気的に接触する。
【0083】
次に、図14に基づいて第三の実施形態について説明する。コネクタユニット90は、第一、第二の実施形態と同様に、プリント配線板95と基板用コネクタ91とからなっている。プリント配線板95は、正八角形状を成している。第二の実施形態と相違する点は、2つの端部98a,98eから引き出されるプリント端子36の向きが逆向きに、プリント端子36がプリント配線板95の対向する端部98a,98eに引き出されている点である。従って、プリント端子36は、端部98a,98eの稜線に対して垂直に引き出されている。
【0084】
プリント配線板95に嵌合する基板用コネクタ91は、第二の実施形態と同様に門形状を成している点では共通するが、一対のL字状のハウジング92a,92bが中央部のヒンジ部を兼ねる締結部材93で開閉自在に連結している点が相違する。一方のハウジング92aの一側端部には孔部99が形成され、他方のハウジング92bの一側端部にも孔部99が形成されている。
【0085】
双方のハウジング92a,92bの連結は、同軸に配置された双方の孔部99,99に締結部材93を螺合させることにより行われる。プリント配線板95に、コネクタハウジング92を嵌合させるには、締結部材93を緩めて双方のハウジング92a,92bを開閉自在にし、プリント配線板95の対向する二つの端部98a,98eを挟み込み、締結部材93を孔部99に緊密に螺合させることにより行われる。
【0086】
端子収容室83や端子金具50(図示せず)のその他の構成は、第一、第二の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0087】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、複数の周辺機器間の電気的接続が、配線基板を中継して行われるから、従来方式のようにブスバー又は電線で中継したり、分岐したりすることが不要となり、電気接続箱に収容される配線構造を簡略化・合理化することができ、しかも配線作業の能率化・容易化が図られる。従って、内部回路の配線構造を高密度化することができ、電気接続箱を小型化することができる。
さらに、導体部の端末部が絶縁基板の端部に引き出されて端子部となるから、基板用コネクタの端子と絶縁基板の端子部とが電気的に接続して内部回路が導通し、同時に多数の周辺機器等の制御が可能となる。
従って、電気接続箱を大型化することなく、周辺機器等の集中制御を行うことができる。
また、複数の端子部が絶縁基板の対角線と平行に引き出されているから、L字状の基板用コネクタに絶縁基板を差し込むことで、基板用コネクタの端子の向きと絶縁基板の端子部の向きとが揃い、配線基板と基板用コネクタとが電気的に接続する。従って、L字状の基板用コネクタに対応する配線基板を提供することができる。
【0088】
また、請求項2記載の発明によれば、表裏両面に導体部が形成されているから、片面に導体部の形成された配線基板に比べて、複雑な内部回路を構成することができる。従って、配線基板1枚当たりの回路数を増加させることができ、複雑な配線を行うことができる。
【0089】
また、請求項3記載の発明によれば、表裏両面の導体部が相互接続するから、立体的に配線構造を形成することができ、導通経路の分岐機能が向上する。従って、複雑な内部回路を構成することができる。
【0090】
また、請求項4記載の発明によれば、表面および裏面の導体部が立体的に交差する格子点に貫通導体が形成されているから、配線構造を高密度化できるとともに、内部回路の分岐数を増加させることができる。従って、より一層高密度で、複雑な配線構造を有する配線基板を提供することができる。
【0091】
また、請求項5記載の発明によれば、入・出力信号の導通経路が限定されることなく、電気機器間等の周辺機器の信号の授受を自由にどこからでも行うことができ、周辺機器等に対する信号線の入力端子と出力端子を固定せずに、仕様に応じてフレキシブルな内部回路を構成することができる。従って、内部回路の配線構成をフレキシブルに変更することができる。
【0094】
また、請求項記載の発明によれば、内壁に導電材が被覆されて中空貫通導体が形成されているから、トランジスタ、コンデンサ、抵抗等の電子デバイスを貫通導体の孔部に取り付けることができる。従って、プリント配線板を電子デバイスが実装されるプリント回路板とすることができる。
【0095】
また、請求項記載の発明によれば、貫通導体が中実貫通導体であるから、表裏両面の導体部の相互接続をめっきなどの化学的処理に依らないで行うことができるゆえ、導体部の接続に要する時間を短縮でき、環境汚染などの公害の発生を防止できる。従って、配線基板の量産性、環境性が向上する。
【0096】
また、請求項記載の発明によれば、端子部のピッチが狭ピッチに形成されているから、入出力信号の極数が増加して、多数の電気機器等の信号処理を行うことができる。従って、内部回路の高密度化を図ることができ、電気接続箱を小型化することができる。
【0097】
また、請求項記載の発明によれば、コネクタハウジングに、配線基板の端部を差し込む差込部と、差込部に続く端子収容室とが設けられているから、配線基板の端部をコネクタハウジングの差込部にスライド挿入することにより、容易に組み付けを行うことができる。従って、基板用コネクタと配線基板の組付作業性が向上するとともに、コネクタハウジングに対して配線基板ががたつきなく固定される。
さらに、配線基板の隣り合う二辺の端部がL字状の差込部にスライド挿入し拘束されるから、配線基板がコネクタハウジングにがたつきなく固定される。従って、配線基板の組付作業性がより一層向上する。
【0099】
また、請求項10記載の発明によれば、コネクタハウジングに係止部が設けられ、配線基板に係合部が設けられているから、配線基板がコネクタハウジングの差込部に差し込まれた後、係合部がコネクタハウジングの係止部に係合して配線基板が固定される。従って、配線基板が抜き外れることが防止され、電気的接続の信頼性が維持される。
【0100】
また、請求項11記載の発明によれば、端子が、弾性の電気接触部を備えているから、コネクタハウジングの差込部に差し込まれた配線基板の端子部と電気接触部の接触圧が維持される。従って、接続不良を生ずることが防止されて、電気的接続の信頼性が維持される。
【0101】
また、請求項12記載の発明によれば、端子収容室に収容された端子が互い違いに配置されているから、隣り合う端子の間に配線基板の端部が挟持され、端子の電気接触部と配線基板の端子部とが電気的に接続する。従って、内部回路の高密度化を図ることができるとともに、電気的接続の信頼性が維持される。
【0102】
また、請求項13記載の発明によれば、差込部を有する基板用コネクタに、配線基板が嵌合して、コネクタユニットが形成されるから、複数の周辺機器間の電気的接続を中継し、しかも導通経路を分岐することができる。従って、小型で高密度の配線構造を有する中継用のコネクタユニットを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配線基板の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す配線基板の表面の導体パターンの一部を示す平面図である。
【図3】同じく配線基板の裏面の導体パターンの一部を示す下面図である。
【図4】同じく配線基板の表裏両面の両導体パターン同士を接続する中空貫通導体を示す斜めからみた一部断面図である。
【図5】同じく配線基板の表裏両面の両導体パターン同士を接続する中実貫通導体を示す斜めからみた一部断面図である。
【図6】本発明に係る基板用コネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【図7】同じく基板用コネクタに配線基板が嵌合した状態を示す斜視図である。
【図8】同じく基板用コネクタから配線基板が外れた状態を示す斜視図である。
【図9】図6に示す基板用コネクタの内部構造を示す斜視図である。
【図10】同じく基板用コネクタの端子金具を示す斜視図である。
【図11】本発明のコネクタユニットの第二の実施形態を示す分解斜視図である。
【図12】図11に示す基板用コネクタの一部を切り欠いた断面斜視図である。
【図13】同じく図11に示す基板用コネクタの一部を切り欠いた断面斜視図である。
【図14】本発明のコネクタユニットの第三の実施形態を示す分解斜視図である。
【図15】従来の配線基板の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
5、80、90 コネクタユニット
10、85、95 プリント配線板(配線基板)
15 絶縁基板
18a,18b 端部
25 貫通孔
26a スルーホール(中空貫通導体)
26b リベットピン(中実貫通導体)
35 配線導体(導体部)
36 プリント端子(端子部)
38 電線
40,81,91 基板用コネクタ
42 外壁
43 ロックアーム(係止部)
44 差込部
45、83 端子収容室
50 端子金具(端子)

Claims (13)

  1. 電気接続箱に組み込まれて、複数の周辺機器間の電気的接続を中継し、しかも信号の分岐可能な配線構造を有し、絶縁基板と、該絶縁基板の少なくとも片面に形成された導体部と、該絶縁基板の端部に形成され、該導体部と該周辺機器とを電気的に接続する端子部とを備え
    前記導体部の端末部が、前記絶縁基板の少なくとも一つの端部に引き出されて、基板用コネクタの端子と電気的に接続する前記端子部となり、かつ、
    前記端子部は、前記絶縁基板の対角線と平行に引き出されたことを特徴とする配線基板。
  2. 前記導体部が前記絶縁基板の表裏両面に形成されたことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記表裏両面の前記導体部が貫通導体を介して相互接続することを特徴とする請求項2記載の配線基板。
  4. 前記絶縁基板の表面にはパターン化された行方向の前記導体部が形成され、裏面にはパターン化された列方向の前記導体部がそれぞれ形成され、該導体部が立体的に交差した格子点に、前記貫通導体が形成されたことを特徴とする請求項3記載の配線基板。
  5. 前記導体部が立体的に交差した格子点には、選択的に前記貫通導体が形成され得ることを特徴とする請求項4記載の配線基板。
  6. 前記貫通導体は、内壁に導電材が被覆された中空貫通導体であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の配線基板。
  7. 前記貫通導体は、表裏両面を貫通する貫通孔に導電材が埋設された中実貫通導体であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の配線基板
  8. 表面側の前記端子部と裏面側の前記端子部とが互い違いに配置され、該端子部のピッチが表面又は裏面で隣り合う前記導体部のピッチの1/2倍であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の配線基板。
  9. コネクタハウジングと、該コネクタハウジングの端子収容室に収容される複数の端子とを備え、配線構造を有する配線基板の少なくとも一つの端部に嵌合する基板用コネクタにおいて、
    前記コネクタハウジングには、前記配線基板の端部を差し込む差込部と、該差込部に続く前記端子収容室とが設けられ、前記端子には、該配線基板の端子部に接触する電気接触部が形成され、該電気接触部と該端子部とが電気的に接続し、かつ、
    前記コネクタハウジングには、前記配線基板の隣り合う端部に嵌合するL字状の差込部が設けられたことを特徴とする基板用コネクタ。
  10. 前記コネクタハウジングには、係止部が設けられ、前記配線基板のコーナ部には、該係止部に係合する係合部が設けられたことを特徴とする請求項9記載の基板用コネクタ。
  11. 前記端子は、前記端子部と接触する弾性の前記電気接触部を備えていることを特徴とする請求項9または10に記載の基板用コネクタ。
  12. 隣り合う前記端子は、前記電気接触部の向きを逆にして前記端子収容室に収容されたことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の基板用コネクタ。
  13. 配線構造を有する配線基板と、該配線基板に嵌合する基板用コネクタとを備えたコネクタユニットにおいて、
    前記配線基板が請求項1〜8のいずれか一つに記載の配線基板であり、前記基板用コネクタが請求項9〜11のいずれか一つに記載の基板用コネクタであることを特徴とするコネクタユニット。
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