JP3936471B2 - Icカード用リーダ・ライタにおける2値化回路 - Google Patents
Icカード用リーダ・ライタにおける2値化回路 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカード用リーダ・ライタにおける信号処理回路、詳しくは非接触型のICカードにおける入力信号の2値化回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードに記録されているカード情報をリーダ・ライタによって読み取るためには、リーダ・ライタに内蔵の発振器のキャリア周波数により変調されたICカード情報を受信し、受信信号を復調して波形整形した信号波形を正確に2値化処理し、ディジタル信号に変換させなくてはならない。
【0003】
従来技術による2値化回路の構成を図4に示す。
図4において、復調された入力信号(アナログ)はアンプ20に入力して増幅され、フィルタ21によってノイズを除去されたうえでコンパレータ22に入力する。
コンパレータ22の非反転入力端子におけるA点の信号波形は図5(a)における〔A〕に示す通りであり、基準値Vrefを入力するコンパレータ22の反転入力端子におけるB点の信号波形は、図5(a)における〔B〕に示す通りである。また、コンパレータ22の出力端子におけるC点の信号波形は、図5(a)に示すディジタル信号波形〔C〕となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図5(a)は、コンパレータに正常な入力信号が入力した場合における信号波形を示しており、コンパレータへの入力信号波形〔A〕と基準値Vrefによる〔B〕とによってディジタル信号〔C〕が生成される状態を示している。
図5(b)と図5(c)は入力信号レベルが異常の場合であって、入力信号レベルが基準値Vrefレベルより著しく相違するために、入力信号が基準値Vrefによって2値化されない状態を示している。
図5(b)においては入力信号レベルが高すぎるので基準値レベルVrefも高く設定する必要があり、図5(c)においては入力信号レベルが低すぎるので基準値レベルVrefも低く設定させなくてはならないが、従来技術においては基準値レベルVrefは一定であるので入力信号が2値化されない事態も発生していた。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の欠点を解消するためになされたものであって、入力信号レベルの変動に対応して基準信号レベルを変化させるオートスレッシュ回路を備えた2値化回路を提供し、受信データを正確に2値化させようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ICカード用リーダ・ライタからのキャリア周波数により変調したICカード情報をリーダ・ライタにおいて受信し、この受信信号を復調したうえでアンプとフィルタを介して波形整形してコンパレータに入力させ、コンパレータに予め設定してある基準値と入力信号レベルとを比較することにより入力信号をディジタル信号に変換するICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路において、バッファと逆並列接続した2つのダイオードより成る並列回路とを直列接続した回路と、一端を接地したコンデンサの他端とをコンパレータの非反転入力端子に接続すると共に、非反転入力端子と出力端子との間に抵抗を接続して構成した正帰還回路を設け、コンパレータへの入力信号レベル変動に対応して非反転入力端子における基準値レベルを自動的に変化させるオートスレッシュ回路をコンパレータに設け、入力信号の立上り時点と立下り時点とにおける入力信号レベルと基準値レベルとを比較して入力信号をディジタル信号に変換させるようにしたものである。また、ICカード用リーダ・ライタからのキャリア周波数により変調したICカード情報をリーダ・ライタにおいて受信し、この受信信号を復調したうえでアンプとフィルタを介して波形整形してコンパレータに入力させ、コンパレータに予め設定してある基準値と入力信号レベルとを比較することにより入力信号をディジタル信号に変換するICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路において、バッファと逆並列接続した2つのダイオードより成る並列回路とを直列接続した回路と、一端を接地したコンデンサの他端とをコンパレータの非反転入力端子に接続すると共に、非反転入力端子と出力端子との間に極性の異なるダイオードと抵抗値の異なる抵抗より成る2つの直列回路を並列接続して構成した正帰還回路を設け、コンパレータへの入力信号レベル変動に対応して非反転入力端子における基準値レベルを自動的に変化させるオートスレッシュ回路をコンパレータに設け、入力信号の立上り時点と立下り時点とにおける入力信号レベルと基準値レベルとを比較して入力信号をディジタル信号に変換させるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路の構成を示す第1の実施例である。
図1において、復調された入力信号(アナログ)はアンプ1に入力して増幅され、フィルタ2に入力して波形整形され、コンパレータ4における反転入力端子と非反転入力端子に入力する。
コンパレータ4の非反転入力端子には、フィルタ2の出力端子に接続したバッファ3と、バッファ3の出力端子に直列接続したダイオード5と6を逆並列接続した並列回路とを直列接続した回路、および一端を接地したコンデンサ7の他端とが接続してある。
また、コンパレータ4の出力端子と非反転入力端子との間には抵抗8が接続してあって正帰還回路を構成している。
【0008】
フィルタ2からコンパレータ4の反転入力端子に直接入力する信号波形は、図3における〔A〕に示すアナログ信号である。
一方、コンパレータ4の非反転入力端子のB点における信号波形は図3における〔B〕の信号波形であって、バッファ3、2つのダイオード5と6を逆並列接続した回路、一端を接地したコンデンサ7、抵抗8を備えた正帰還回路より成るオートスレッシュ回路によって入力信号〔A〕から生成された基準信号(アナログ)である。
【0009】
コンパレータ4の出力端子のC点における信号波形は、図3の〔C〕に示すディジタル信号であって、コンパレータ4の反転入力端子における信号波形〔A〕の信号レベルと、非反転入力端子における基準信号〔B〕の信号レベルとを比較して生成されたディジタル信号である。
図3(b)は図3(a)におけるD部分の拡大図であって、信号波形〔A〕と〔B〕における信号立上り部分と信号立下り部分の信号レベルが比較され、ディジタル信号〔C〕が生成される状態を示しており、信号立上り部分と立下り部分における信号波形〔A〕と〔B〕の信号レベルにはVFの差が存在する。
【0010】
図1におけるコンパレータ4の出力信号〔C〕がLのときは、信号波形〔A〕の信号レベルが信号波形〔B〕の信号レベルよりも高い場合であって、バッファ3からの電流はダイオード6と帰還抵抗8を通ってコンパレータ4の出力端子に流れる。この時、ダイオード6による電圧降下により信号〔B〕のレベルはVFだけ信号〔A〕のレベルより低く、ピークホールド回路を形成する。
【0011】
次に、図1におけるコンパレータ4の出力信号〔C〕がHのときは、信号波形〔A〕の信号レベルが信号波形〔B〕の信号レベルより低い場合であって、コンパレータ4の出力端子から帰還抵抗8、ダイオード5を通ってバッファ3へ電流が流れる。この時、ダイオード5による電圧降下VFだけ信号〔B〕のレベルは信号〔A〕のレベルよりも高くなり、ボトムホールド回路を形成する。
【0012】
上述したように入力信号レベル〔A〕の変動に伴って基準信号レベル〔B〕も変化し、信号立上り部分と立下り部分における信号レベル差は常にVFであるので、コンパレータ4からはディジタル信号〔C〕が確実に出力される。
【0013】
図2は、本発明による第2の実施例を示すブロック図であって、コンパレータ4における正帰還回路が実施例1と異なっている。
即ち、ダイオード10と抵抗12より成る直列回路、およびダイオード11と抵抗13より成る直列回路とが夫々の直列回路の両端において並列接続してあって、正帰還回路を構成している。
なお、ダイオード11と12の極性は互いに反対となるように接続してあり、抵抗10と11の抵抗値も異なったものを用いている。
【0014】
第1の実施例におけるコンパレータ4のオートスレッシュ回路において、ピークホールド時もしくはボトムホールド時におけるコンデンサ7の充電電圧は、抵抗8を経由して一部放電している。
従って、抵抗からの放電がない場合に比べて、信号〔B〕におけるピーク部分とボトム部分の波形は放電によって変歪されるので、完全なピークホールド、ボトムホールドとはならず、このために正確な2値化処理が行われなくなる。
【0015】
ICカードからの受信信号が微弱であってノイズを含んでおり、かつ時間的に受信信号レベルが徐々に上昇するような場合においては、抵抗を備えた正帰還回路によって構成したオートスレッシュ回路では充分に対応できず、信号立上り部分と立下り部分における信号〔A〕と〔B〕の波形からは、ディジタル信号〔C〕を正確に検出できないなどの不具合が考えられる。
この不具合を解決するために、ピークホールド時の放電特性とボトムホールド時の放電特性を夫々別個に設定する方法として、コンパレータ4の正帰還回路に極性の異なるダイオードと抵抗値の異なる抵抗より成る2つの直列回路を並列接続した。この方法によって、ピークホールド時(コンパレータ出力がLの時)およびボトムホールド時(コンパレータ出力がHの時)におけるコンデンサの放電特性を調整することが可能となる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路では、2値化回路を構成するコンパレータへの入力信号レベル変動に対応して基準値レベルを自動的に変化させるオートスレッシュ回路を設け、入力信号の立上り時点と立下り時点における入力信号レベルと基準値レベルとを比較してディジタル信号を生成させるようにした。
さらに、コンパレータにおける正帰還回路を、極性が異なるダイオードと抵抗値が異なる抵抗より成る2つの直列回路によって構成し、ピークホールド時点とボトムホールド時点における放電特性を調整できるようにして、微弱な入力信号に対しても正確に2値化でき、ノイズにも強い2値化回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による2値化回路の構成を示す第1の実施例。
【図2】本発明による2値化回路の構成を示す第2の実施例。
【図3】波形図。
【図4】従来技術による2値化回路の構成を示すブロック図。
【図5】波形図。
【符号の説明】
1 アンプ
2 フィルタ
3 バッファ
4 コンパレータ
5,6,10,11 ダイオード
7 コンデンサ
8,12,13 抵抗
Claims (2)
- ICカード用リーダ・ライタからのキャリア周波数により変調したICカード情報をリーダ・ライタにおいて受信し、この受信信号を復調したうえでアンプとフィルタを介して波形整形してコンパレータに入力させ、コンパレータに予め設定してある基準値と入力信号レベルとを比較することにより入力信号をディジタル信号に変換するICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路において、
バッファと逆並列接続した2つのダイオードより成る並列回路とを直列接続した回路と、一端を接地したコンデンサの他端とをコンパレータの非反転入力端子に接続すると共に、非反転入力端子と出力端子との間に抵抗を接続して構成した正帰還回路を設け、
コンパレータへの入力信号レベル変動に対応して非反転入力端子における基準値レベルを自動的に変化させるオートスレッシュ回路をコンパレータに設け、入力信号の立上り時点と立下り時点とにおける入力信号レベルと基準値レベルとを比較して入力信号をディジタル信号に変換させるようにしたことを特徴とするICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路。 - ICカード用リーダ・ライタからのキャリア周波数により変調したICカード情報をリーダ・ライタにおいて受信し、この受信信号を復調したうえでアンプとフィルタを介して波形整形してコンパレータに入力させ、コンパレータに予め設定してある基準値と入力信号レベルとを比較することにより入力信号をディジタル信号に変換するICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路において、
バッファと逆並列接続した2つのダイオードより成る並列回路とを直列接続した回路と、一端を接地したコンデンサの他端とをコンパレータの非反転入力端子に接続すると共に、非反転入力端子と出力端子との間に極性の異なるダイオードと抵抗値の異なる抵抗より成る2つの直列回路を並列接続して構成した正帰還回路を設け、
コンパレータへの入力信号レベル変動に対応して非反転入力端子における基準値レベルを自動的に変化させるオートスレッシュ回路をコンパレータに設け、入力信号の立上り時点と立下り時点とにおける入力信号レベルと基準値レベルとを比較して入力信号をディジタル信号に変換させるようにしたことを特徴とするICカード用リーダ・ライタにおける2値化回路。
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