JP3935771B2 - インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色材、分散剤および溶媒を少なくとも含むインク組成物、とくに、インクジェット記録用の顔料インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界などを駆動源として液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させ、印刷するものである。このようなインクジェット記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能なことより、近年、オフィス用のみならず民生用としても急速に普及している。
【0003】
インクジェット記録用のインクとしては、水溶性染料を水性媒体に溶解した水性染料インクが、着色力が大きい、ヘッドオリフィスでの目詰まりが少ないなどの理由により、使用されてきている。しかしながら、この水性染料インクは、耐水性および耐候性が十分でないという問題を抱えている。
【0004】
近年、A−Oサイズにも対応できる大型のインクジェットプリンターが開発され、屋外用ポスターなどの屋外用途での使用環境が増え、また、デジタルカメラの普及により、長期間保存する用途も増加している。このような背景のもと、耐水性および耐候性にすぐれた顔料インクの開発が盛んに行われている。
【0005】
しかし、溶媒に水および水性溶剤を用いた水性顔料インクは、普通紙に印字した場合、コックリング(乾燥後に波打ち)が起こるため、ポスター用などには不適切である。また、溶媒に脂肪族炭化水素やアルコールを用いた油性顔料インク(特表平9−511780号、特表平10−507487号、特表平11−501353号、特開平2000−38533号、特開平2001−220527号、特開平2001−329193号などの各公報)は、コックリングが少なく、また分散安定性が比較的良いものの、光沢紙などに印字した場合、定着性が不十分で印字物が擦れやすいという問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に照らし、分散安定性、定着性および耐水性にすぐれ、かつ普通紙に対しコックリングなく印字可能なインク組成物、とくにインクジェット記録用の顔料インク組成物を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、まず、インクの主溶媒として、20℃における表面張力が25mN/m以上、粘度が1〜20cp、蒸気圧が0.2hPa以下、沸点が150℃以上である、特定物性を持つ化合物を使用すると、ヘッド目詰まりを起こすことなく、すぐれた印字安定性が得られ、かつ普通紙にコックリングなく印字でき、さらに印字物の定着性および耐水性も改善できるものであることを知った。
【0008】
つぎに、本発明者らは、上記したような特定物性を持つ化合物として、とくに(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物またはジアルキルエステル化合物を使用する一方、分散剤として、分子中にアミノ基、アミド基またはこれらの塩からなる窒素含有基を含む樹脂を使用すると、分散粒子の分散安定性が改善されて、上記の各特性、とくに印字安定性などにさらに好結果が得られることを知り、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記の知見を基にさらに検討を加えた結果、見出されたものであり、色材、分散剤および溶媒を少なくとも含むインク組成物において、分散剤がジメチルアクリルアミドをモノマー成分として含む水不溶性の樹脂であり、かつ主溶媒がジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステルであることを特徴とするインク組成物係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、色材としては、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられ、このうち、耐候性の点から、顔料が好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカなどが挙げられる。
【0011】
有機顔料としては、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系顔料などが挙げられる。
染料としては、アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、フタロシアニン系、カルボニル系、キノンイミン系、メチン系、キノリン系、ニトロ系などが挙げられ、これらの中でも、分散染料がとくに好ましい。
【0012】
本発明において、分散剤としては、分子中にアミノ基、アミド基またはこれらの塩からなる窒素含有基を含む樹脂(以下、カチオン性樹脂という)が用いられる。上記の窒素含有基において、アミノ基には、第1級のアミノ基のほか、第2級または第3級のアミノ基も含まれ、アミド基には、非置換のアミド基のほか、N−置換アミドも含まれ、さらにこれらのアミノ基やアミド基は、非環状構造のほか、環状構造を形成していてもよい。また、これらの塩には、第4級アミノ基(アンモニウム塩)なども含まれるものである。
【0013】
このようなカチオン性樹脂は、上記の窒素含有基が顔料、とくにイエロー、マゼンタ顔料などとの親和性が良いため、これら顔料の微分散化に寄与するとともに分散安定性にも好結果を与え、この分散安定性は、樹脂本来の高分子量体であることによる立体反発力に基づいてさらに助長される。その結果、インク組成物における顔料粒子の微粒子化を容易にはかれ、また、沈降や凝集を起こしにくい、良好な保存安定性が得られるという、格別の効果が奏される。
【0014】
また、このカチオン性樹脂は、上記の窒素含有基とともに、分子中に疎水基を含んでいるのが望ましく、さらに、この疎水基を含んでいることにより、樹脂全体として水不溶性であることが望ましい。このようなカチオン性樹脂によると、印字物の耐水性などにより好結果を得ることができる。
なお、上記疎水基を含む構成は、カチオン性樹脂における分子骨格(主鎖)中に疎水基を含む構成であってもよいし、分子側鎖として疎水基を含む構成であってもよく、さらにその両方を含む構成であってもよい。
【0015】
このようなカチオン性樹脂は、たとえば、分子内にアミノ基、アミド基またはこれらの塩からなる窒素含有基を少なくとも1個有するモノマー(以下、カチオン性モノマーという)の1種または2種以上を重合(共重合)することにより、またより好ましくは、上記のカチオン性モノマーの1種または2種以上と、疎水基を有するモノマーの1種または2種以上と、必要によりこれら以外の他のモノマーの1種または2種以上とを、共重合することにより、得られる。
【0016】
カチオン性モノマーとしては、アミノ基を有するモノマーとして、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピルなどの第1級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチルアミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピルなどの第2級アミノ基を有するモノマー、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノプロピルなどの第3級アミノ基を有するモノマーなどが用いられる。
【0017】
また、アミド基を有するモノマーとして、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなども用いられる。さらに、環状構造のアミノ基やアミド基を有するモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、ビニルピロリドンなども使用できる。
また、第4級アミノ基を有するモノマーとして、アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩なども用いられる。
【0018】
疎水基を有するモノマーには、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニルなどの(メタ)アクリル酸エステル、エチレンなどのα−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのスチレン系モノマー、イタコン酸ベンジルなどのイタコン酸エステル、マレイン酸ジメチルなどのマレイン酸エステル、フマール酸ジメチルなどのフマール酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニルなどが用いられる。
【0019】
これら以外の他のモノマーとしては、ポリエーテル系マクロモノマーとして、日本油脂社製の「PME−200」、「PME−400」、「PME−1000」、「AME−400」、「PP−500」、「PP−800」、「PP−1000」、「PE−350」、新中村化学社製の「AMP−10G」、「AMP−60G」などが用いられる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸、アクリロイルオキシエチルフタレート、アクリロイルオキシサクシネートなどのカルボキシル基を有するモノマー、アクリル酸2−スルホン酸エチル、メタクリル酸2−スルホン酸エチル、ブチルアクリルアミドスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー、メタクリル酸2−ホスホン酸エチル、アクリル酸2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有するモノマー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基を有するモノマーが用いられる。
【0020】
本発明において、分散剤としてのカチオン性樹脂は、上記したようなモノマー構成からなる市販品を用いてもよい。使用可能な市販品としては、たとえばビックケミー社製の「Disperbyk,Anti−Terra,Lactimonnシリーズ」(具体的には、Disperbyk−101,108,116,130,140,160,161,162,163,164,166,167,180,182,183,184,185,191,2000,2001,2050,2150、Anti−Terra−U,203,204、Lactimonn,Lactimonn−Wsなど)や、アビシア社製の「Solsperシリーズ」(具体的には、Solsper−9000,13240,13650,13940,17000,18000,20000,24000,28000,31845,32000,32500,32600,33500,34750,35200,38500など)が挙げられる。
【0021】
本発明において、主溶媒としては、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルモノアルキルエステル化合物またはジアルキルエステル化合物が用いられる。これらの化合物としては、エチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステルなどが挙げられる。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
具体的には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノエチルエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノブチルエステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテルモノメチルエステル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル、ジエチレングリコールジメチルエステル、トリエチレングリコールジメチルエステルなどが挙げられる。
【0023】
本発明において、このような化合物は、分子内に極性基(エステル基、エーテル基)と疎水基(アルキル基)を併せ持っていることから、これを主溶媒として使用することにより、あらゆる印字媒体に対してすぐれた定着性および耐水性を発揮するという効果がある。また、上記の定着性および耐水性は、エステル基、エーテル基数およびアルキル基の炭素数で、容易に調整することが可能である。とくに、エーテル基とエステル基は普通紙に印字した際のコックリングを防止でき、また光沢紙に対する定着性を向上させる働きを有している。
【0024】
本発明において、上記の化合物を主溶媒とするとは、上記の化合物を、溶媒全体の50重量%以上使用することを意味し、とくに好ましく60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上使用するのがよい。他の有機溶媒を併用するときは、本発明の特徴を損なうことのないように、各有機溶媒に応じて、適宜の範囲に設定するのがよい。
【0025】
本発明においては、上記の色材、分散剤および溶媒を必須成分として、必要により、任意成分として、界面活性剤や、バインダ、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、香料、顔料分散剤、顔料誘導体など、公知の一般的な添加剤を、適宜使用することができる。
【0026】
本発明のインク組成物は、上記の各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、攪拌槽型ミルなどの媒体攪拌ミル、ディスパーなどの簡単な分散機により、よく撹拌混合し、分散させることにより、調製することができる。
【0027】
このように調製される本発明のインク組成物、とくにインクジェット記録用の顔料インク組成物は、20℃における表面張力が25mN/m以上、とくに好ましくは28mN/m以上であるのがよい。また、粘度は2〜30cp、とくに好ましくは3〜20cp、さらに好ましくは5〜15cpであるのがよい。表面張力および粘度を上記範囲に設定すると、インク組成物の分散安定性、定着性、耐水性および印字性などに好ましい結果が得られる。上記の設定は、分散剤としてカチオン性樹脂を、主溶媒として前記した化合物を使用したことにより、他の構成成分の種類や量を適宜調整することで、容易に行えるものである。
【0028】
また、上記の顔料インク組成物は、分散粒子の平均粒径が0.01〜1μm、とくに好ましくは0.02〜0.5μm、さらに好ましくは0.05〜0.2μmであるのがよい。0.01μm未満ではインク組成物の分散性が不安定となりやすく、1μmを超えるとヘッド詰まりが起こりやすい。
【0029】
本発明のインク組成物は、インクジェット印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、感熱転写印刷などのあらゆる印刷方式のインクとして、使用することができる。上記印刷方式の中でも、とくにインクジェット印刷に適用すると、前記した本発明の効果がより良く発現できるので、望ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
なおまた、以下に記載の「実施例1〜7」のうち、「実施例1〜6」が本発明の特許請求の範囲に含まれるインク組成物の例を示したものであり、「実施例7」は本発明の特許請求の範囲には含まれない参考例としてのインク組成物を示したものである。
【0031】
実施例1
100ccのプラスチック製ビンに、マゼンタ顔料(Clariant社製の「HOSTAPERN PINK EB−TRANS」)4部、分散剤としてスチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体4部、溶媒としてジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステル12部、直径3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントシェーカー(東洋精機社製)で2時間分散した。
この分散後、顔料濃度が5重量%になるように、上記と同じ溶媒で希釈して、インク組成物Aを調製した。
【0032】
実施例2
分散剤として、スチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体に代えて、スチレン/ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/4/30/22/20)の共重合体を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インク組成物Bを調製した。
【0033】
実施例3
分散剤として、スチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体に代えて、ビックケミー社製の「Disperbyk−161」を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インク組成物Cを調製した。
【0034】
実施例4
分散剤として、スチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体に代えて、ビックケミー社製の「Anti−Terra−U」を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インク組成物Dを調製した。
【0035】
実施例5
分散剤として、スチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体に代えて、アビシア社製の「Solsper 32500」を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インク組成物Eを調製した。
【0036】
実施例6
分散剤として、スチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体に代えて、アビシア社製の「Solsper 32550」を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インク組成物Fを調製した。
【0037】
実施例7
溶媒として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステルに代えて、トリエチレングリコールジメチルエステルを同量使用した以外は、実施例3と同様にして、インク組成物Gを調製した。
【0038】
参考例1
分散剤として、スチレン/ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体に代えて、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル/ポリエーテル系マクロモノマー(日本油脂社製の「PME400」)(重量比:20/4/30/26/20)の共重合体を同量使用した以外は、実施例1と同様にして、インク組成物Hを調製した。
【0039】
比較例1
市販品としてゼロックス社製の「ColorgrafX Supplies X2 Ink Cyan 26R684」(溶媒として炭化水素系溶剤を使用)を、インク組成物Iとした。
【0040】
比較例2
市販品としてローランド社製の「SOL Ink Cyan SL−CY」(溶媒としてグリコール系化合物を使用)を、インク組成物Jとした。
【0041】
上記の実施例1〜7のインク組成物A〜G、参考例1のインク組成物Hおよび比較例1,2のインク組成物I,Jについて、下記の方法により、分散性(分散安定性)、定着性、耐水性およびコックリングを評価した。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
【0042】
<分散性(分散安定性)>
インク組成物の分散性(分散安定性)を、70℃,1週間保存前後の平均分散粒径を測定して、評価した。測定は、レーザードップラー方式の粒度分布計N4PLUS(コールター社製)を用いて、行った。
【0043】
<定着性>
インク組成物を、No.4ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて、光沢紙上(日立マクセル社製の「スーパーフォト光沢紙」)に塗布したのち、50gの分銅をのせた布(アズワン社製の「ケイドライ」)で光沢紙上を3秒間隔で10回摺動させた。この摺動により、擦りとられなかったものを○、擦りとられたものを×、と評価した。
【0044】
<耐水性>
インク組成物を、No.4ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて、光沢紙上(日立マクセル社製の「スーパーフォト光沢紙」)に塗布したのち、イオン交換水に1時間浸漬した。この浸漬で、滲みのないものを○、滲みのあるものを×、と評価した。
【0045】
<コックリング>
インク組成物を、No.4ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて、普通紙上に塗布し、乾燥したのちに、コックリング(波打ち)のないものを○、コックリングのあるものを×、と評価した。
【0046】
Figure 0003935771
【0047】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜のインク組成物A〜は、いずれも、分散粒径が小さく、かつ分散安定性にすぐれており、また定着性および耐水性が良好で、しかも普通紙に印字してもコックリングがなく、すべての評価項目において、すぐれていることがわかる。これに対し、参考例1のインク組成物Hは、定着性、耐水性がおよびコックリングは満足するが、分散粒径がやや大きく、分散安定性に劣っている。また、市販品である比較例1,2のインク組成物I,Jは、定着性が不十分であった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、分散剤としてジメチルアクリルアミドをモノマー成分として含む水不溶性の樹脂からなるカチオン性樹脂を使用するとともに、主溶媒としてジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステルを使用したことにより、従来に比べ、分散安定性、定着性および耐水性にすぐれ、かつ普通紙に対してもコックリングなく印字できる、インク特性が大幅に改善されたインク組成物、とくにインクジェット記録用の顔料インク組成物を提供できる。

Claims (1)

  1. 色材、分散剤および溶媒を少なくとも含むインク組成物において、分散剤がジメチルアクリルアミドをモノマー成分として含む水不溶性の樹脂であり、かつ主溶媒がジエチレングリコールモノブチルエーテルモノメチルエステルであることを特徴とするインク組成物。
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