JP3934748B2 - 連結具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に底部が開口する筒部を設けた連結構造体を上下に連結する連結具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に筒部を一体に突設した連結構造体を、縦または横に多数連結して、廃棄物の地下構造体としたり水槽に用いたり、屋上庭園のベースに用いたりその他の種々用途に用いる場合に、これを簡便に上下多段に連結することが望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、連結構造体の筒部を、1つの連結具で簡便に連結することができるようにした連結具を提供することにある。
この発明の別の課題は、連結具を上下に反転しても使用することができる連結具を提供することにある。
この発明では更に、連結構造体を縦横にも拘束することができる連結具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明では、
基板上に底部が開口する筒部を設けた連結構造体を、筒部の突出方向に連結する連結具であって、
該連結具が突出方向に対称に一対設けられた係止突部からなり、少なくとも一方の係止突部が前記連結構造体の筒部へ嵌合可能な外周壁を有し、少なくとも他方の係止突部が、上記筒部を外嵌可能な穴部を有してなる、という技術的手段を講じている。
また、請求項2の発明では、
筒部が截頭円錐形からなっており、
連結具に一対に設けられた係止突部が先端の中央に穴を有した同一形状からなって上下対称に配置されており、
係止突部の外周壁が前記連結構造体の筒部の中空部へ直径方向に略隙間無く嵌合しうる大きさに設定され、穴が、前記連結構造体の筒部を直径方向に略隙間無く嵌合しうる大きさに設定されてなる、という技術的手段を講じている。
更に、請求項3の発明では、
複数の連結具が、連結構造体の筒部に間隔に合わせて配置され、それらが連結部材により一体的に連設されてなる、という技術的手段を講じている。
また請求項4の発明では、
上下に配置された連結構造体を連結する複数の連結具が、縦横に連結された4つの連結構造体で隣接する角部に配置された筒部の間隔に合わせて4つ配置されており、それらが連結部材により一体的に連設されてなる、という技術的手段を講じている。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の連結構造体の連結具の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
はじめに、この連結具で連結する連結構造体の一例について説明する。
図1から図6に示す連結構造体1は、本実施例の場合に硬質の合成樹脂材からなっており、平面矩形のプレートからなる基板2上に略等間隔に柱状の筒部3を一連に複数突設した構造からなっている。
ここで連結構造体1の素材は、用途に応じて適宜変更することができ、金属製、陶磁性、その他適宜の素材を用いることができ、特に実施例に限定されるものではない。
【0006】
そして、筒部3は、図示例の場合、基板2上に縦横3列、合計9個設けられており、基板2の底面で開口3aして、頂部3bを閉塞した截頭円錐形状の筒部からなっている(図4参照)。
また、この連結構造体1の縦横への連結手段として第1連結構成部と第2連結構成部が形成されている。
第1連結構成部は、縦横の一方(例えば横とする)の両端に設けられた係止受部4と係止突片5とからなっている。
【0007】
この係止受部4は、図示例の場合に筒部3と略同じ高さ(必要に応じて筒部3より高くても低くても良い)で略山形状に折り返されて係止凹溝部4aを形成している。
また、係止突片5は、上記係止凹溝部4a内に嵌合可能に僅かに後方へ傾斜する突出片からなっている。
【0008】
従って、図6で示すように、前後に連結される連結構造体(説明の便宜上1と1’とする)の一方(後方)の連結構造体1’の係止凹溝部4a’に他方(前方)の連結構造体の係止突片5を嵌合係止して連結する。
この連結に際して係止凹溝部5a’の隙間にシール部材Sを嵌着する等して、両連結構造体の連結部分を密封するようにしてもよい。
なお、図示例の場合に上記係止凹溝部4a、4a’が、やや後方へ傾斜した倒立断面略VまたはU字状の溝からなっているので、係止突片5、5’を適宜傾斜させた状態で係合することができ、係止凹溝部の溝の厚みを係止突片の厚みよりもやや大きく設定することにより、設置面の傾斜や凹凸に合わせて多少撓ませて連結することができる。
【0009】
次に、第2連結構成部は、図4に示すように、縦横の他方(例えば縦とする)の両端に設けられた凹溝部6aを有する受部6と該凹溝部6aに係合される突片7とからなっている。
従って、図10に示すように、一方の連結構造体1の突片7を隣接する他方の連結構造体1”の凹溝部6a”に嵌合係止して、縦方向に隣接する連結構造体(1と1”とする)相互を、隙間無く連結することができる。
ここで突片7は基板2と段違い平行状で水平に突出されており、受部6はその凹溝部6aに上記突片7が整合するよう水平に突出している。
【0010】
これにより、左右方向に連結された多数の連結構造体は各基板2が一連に連続する面に設定され、また筒部3と係止受部4の隙間S1、筒部3と筒部3の間の隙間S2、筒部3と係止突片5の間の隙間S3が隣接する連結構造体でそれぞれ整合するので、左右方向に連続する一連の流路Lを形成することができる(図6参照)。
そして前後方向では、第1連結構成部4と5の係合個所が上記流路を形成する一連の周壁として機能する。
【0011】
また、連結構造体は、連結時に隙間無く連結されるので防水効果がある。
係合部分をシールすれば一層防水効果を高めることができる。
また、流路として使用しない場合でも、上記第1連結構成部が形成する周壁で囲まれた部分に砕石や土を入れ、植物を植えたり、芝生を植えたりすることができる。
従って、屋上等にこの連結構造体を連結して敷設すれば屋上庭園を造ることができる。
また瓦に代えて屋根材として屋根に葺いてもよい。
【0012】
このように形成される連結構造体1は、設置面に載置して使用に供されるが、設置面に固定したり、係止したりしてもよい。
固定方法としては設置面に接着剤を用いて接着する方法や固定ネジ、固定ボルトを使って固定する方法など、公知の固定手段を用いることができる。
また、係止手段としては、例えば図9に示すように、傾斜地に連結構造体1を配置する場合の係止構造の一例が示してある。
この場合、傾斜する設置面に杭などのバー部材10を固定しておく。
このバー部材10は、連結構造体1の筒部3の少なくとの1つと整合するように配置しておく。
これにより、設置面に固定されたバー部材10が筒部3の中空内に嵌合し、連結構造体1を係止するので、傾斜面であっても連結構造体1を所定の位置に保持することができる。
【0013】
また、上記筒部3は中空であるので、中空内に砂利やコンクリートを充填して固まらせて中実の柱として利用し、支持力を高めることができる。
あるいは筒部3の開口部分だけを閉塞し、あるいは中空内に合成樹脂発泡体を充填する等して、水面に連結構造体を浮かせるようにしてもよい。
また筒部3の頂面に孔3cを設けて基板2の裏面の下側の空気を筒部中空を介して上部(外部)へ放出しうるようにしてもよい(図4参照)。
【0014】
上記のような連結構造体1は、連結具8により上下に連結する。
ここで連結具8は、図10に示すように上下に重ねられた筒部(説明上3と3’とする)を係止することができる。
この連結具8は、図7に示すように、中心から上下対称に突出する截頭円錐形状の係止突部18、28からなっており、上下に穴部19、29を有している。この上下の係止突部18,19と穴部19、29は同一形状からなっており、前述のように中心から突出方向へ上下対称に設けられている。
従って、使用に際しては、上下いずれの係止突部を用いてもよい。
【0015】
そして、この係止突部18、28の外周は、筒部3の内部中空の下部側に、直径方向に略隙間無く嵌合可能となっている。
また係止突部18、28の穴部19、29は筒部3の上部側に、直径方向に略隙間無く外嵌可能な大きさとなっている。
本実施例では、上記係止突部18、28と穴部19、29は、それぞれ連結構造体1の筒部3の高さ方向の一部でだけ嵌合、または外嵌する大きさとなっているが、高さ方向のほぼ全部にわたって嵌合または外嵌する大きさであってもよい。
【0016】
従って、上下に配置された連結構造体1の筒部3をそれぞれ整合しておき、上記連結具8によって、上段の連結構造体1の筒部3の内部中空内に上方の係止突部18(または28)の先端を嵌挿し、下段の連結構造体1の筒部3を下方の係止突部28(または18)の穴部29(または19)に外嵌することにより両者を上下に係止することができる。
尚、図中20は、連結構造体の最上段に配置されるカバー板であって、最上段の連結構造体に上方が塞がれた流路を形成するために用いる。
このカバー板20には散点状に孔を設けて通気孔としてもよい。
【0017】
このようにして、連結構造体1は、縦または横方向および上下方向に連結して、一連の流路Lを形成することができる。
そして連結された連結構造体は廃棄物の埋立地の底部に埋設されて、雨水などの排水を処理する構造としたり、地下の貯水部としたり、上下に積み重ねて通気部とする等種々に利用することができる。
また平面上に並べて、屋根材としたり、屋上の防水カバーとしたり種々の用途に用いることができる。
【0018】
図8および図11は、上記連結具8を一体に複数連結した場合の異なる実施例を示す。
この実施例では、連結具8’が複数(図示では4つ)の上記実施例の連結具と同一構成からなる連結部8を、連結構造体1の筒部3に間隔に合わせて配置して、それらがプレート状の連結部材30により一体的に連設された構成からなっている。
ここで、連結具8’の連結部8は、隣接する連結構造体1の筒部3、3に跨って係合するようにすれば、上下と共に左右方向をも拘束することができて好ましい。
特に、連結部8が、縦横に連結された4つの連結構造体1で隣接する角部に配置された筒部3の間隔に合わせて4つ配置されており、それらが連結部材30により一体的に連設されていれば、1つの連結具8’によって、上下各4枚の連結構造体を係止することができる(図8参照)。
【0019】
また、上記実施例では、係止突部を截頭円錐形状にした場合を例示したが、いずれも先端に向かって幅狭となるテーパ形状であって断面角形、断面多角形、断面楕円形など適宜形状である場合もある。
その場合に、連結具の係止突部は、上記断面形状に対応して、筒部内へ嵌合できる突部の形状とし、また筒部の先端を外嵌することができる穴部の形状とすればよい。
【0020】
上記実施例では、連結具の上下の係止突部が同一形状の場合を例示したが、上下別々の構造としてもよい。
例えば、係止突部の一方を中実の柱体とし、他方を穴部を設けた筒体とし、中実の柱体側を上方の係止突部とし、筒体側を下方の係止突部として用いても良い。 また、係止突部を同一形状とした場合に、それぞれに設けられる一対の穴部は中間に仕切を設けずに連通させて上下を貫通する貫通孔としてもよい。
更に、この連結具を用いる連結構成体は、図示例に限定されず、基板に筒部を有するものであればよく、その縦または横方向の連結手段は適宜の連結構成を用いることができること勿論である。
更に、図示例では連結構造体は筒部が上方へ延びる場合を例示したが、基板が起立しており筒部が横方向へ延びる場合には、連結具を横方向にして用いればよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明の連結具は、基板上に筒部を有する連結構成体を、その筒部を拘束して位置決めし、上下に配置された筒部を同時に係止することができるので、簡便に連結することができる。
また、筒部に連結具が嵌合されるので、筒部の強度を高めることができ、連結構造体の支持力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の連結構造体を示す斜視図である。
【図2】同側面図である。
【図3】側面からみた断面図である。
【図4】別の角度からの断面図である。
【図5】平面図である。
【図6】連結状態を示す側面図である。
【図7】連結具の斜視図である。
【図8】複数の連結具を一体とした場合の平面図である。
【図9】傾斜面に取り付ける場合を示す説明図である。
【図10】上下に連結した場合の断面図である。
【図11】図8の連結具を用いた場合の断面図である。
【符号の説明】
1…連結構造体
2…基板
3…筒部
4…係止受部
5…係止突片
6…受部
7…突片
8…連結具
18、28…係止突部
19、29…穴部
30…連結プレート
Claims (4)
- 基板上に底部が開口する筒部を設けた連結構造体を、筒部の突出方向に連結する連結具であって、
該連結具が突出方向に対称に一対設けられた係止突部からなり、少なくとも一方の係止突部が前記連結構造体の筒部へ嵌合可能な外周壁を有し、少なくとも他方の係止突部が、上記筒部を外嵌可能な穴部を有してなることを特徴とする連結具。 - 筒部が截頭円錐形からなっており、
連結具に一対に設けられた係止突部が先端の中央に穴を有した同一形状からなって上下対称に配置されており、
係止突部の外周壁が前記連結構造体の筒部の中空部へ直径方向に略隙間無く嵌合しうる大きさに設定され、穴が、前記連結構造体の筒部を直径方向に略隙間無く嵌合しうる大きさに設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の連結具。 - 複数の連結具が、連結構造体の筒部に間隔に合わせて配置され、それらが連結部材により一体的に連設されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の連結具。
- 上下に配置された連結構造体を連結する複数の連結具が、縦横に連結された4つの連結構造体で隣接する角部に配置された筒部の間隔に合わせて4つ配置されており、それらが連結部材により一体的に連設されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の連結具。
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