JP3934516B2 - 作業用車両 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農作業用・土木作業用等のトラクタや、田植機等のような四輪駆動式の作業用車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、四輪駆動式の農作業用トラクタとしては、走行機体の前進旋回操作時(前進中の走行機体が所定方向に旋回するように丸ハンドル等の操向手段を操作したとき)に左右両前輪の回転速度を増速させる前輪増速機構と、この前輪増速機構の作動中に旋回内側の後輪に対してブレーキを掛けるオートブレーキ機構(選択式制動機構)を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−175331号公報(第2〜3頁、第1図及び第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の前輪増速機構では、左右両前輪のかじ取り角が所定角度以上になった途端に、これら両前輪の回転速度が急激に増速するため、前輪増速機構作動時の速度変化によるショックが激しくて、旋回時の乗り心地が悪いという問題があった。
【0005】
他方、前記従来のオートブレーキ機構では、旋回内側の後輪に対するブレーキの制動力を加減できないから、この制動力が大きいと旋回内側の後輪がロック制動のような状態になる。この場合、左右の後輪の回転数差が極端に開くため、走行機体が操向手段の操作量に対応せずに予想外の急旋回をする、換言すると走行機体の旋回半径が安定しないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、走行機体の旋回半径を左右両前輪のかじ取り角に対応するように安定させ、かつスムーズに旋回できるようにした四輪駆動式の作業用車両を提供することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するため、請求項1の発明は、走行機体に搭載したエンジンから可変型の走行用油圧駆動手段に伝わった動力を、フロントアクスル機構を介して前記走行機体の前後四輪のうち左右の前輪に伝達するとともに、左右一対の後輪用遊星歯車機構を介して左右の後輪に伝達するように構成した四輪駆動式の作業用車両であって、前記エンジンの動力で作動する可変型の旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の旋回操作時に前記各後輪用遊星歯車機構に互いに逆方向の回転力を付与するように伝達することにより、前記左右の後輪の回転速度に差をもたせるように構成する一方、前記走行用油圧駆動手段と前記フロントアクスル機構との間に前輪用遊星歯車機構を設け、前記旋回用油圧駆動手段から前記前輪用遊星歯車機構への動力伝達経路には、前記両前輪のかじ取り方向に応じて前記旋回用油圧駆動手段の出力を正逆回転及び中立の三段階に切替可能な動力切替機構と、この動力切替機構が中立状態のときに作動するブレーキ手段とを配設し、前記両前輪のかじ取り角に応じて調節した旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の前進旋回操作時に前記動力切替機構を介して前記前輪用遊星歯車機構に伝達することにより、前記両前輪の回転速度を連続的に増速させるように構成したというものである。
【0008】
また、請求項2の発明は、走行機体に搭載したエンジンから変速機構を経由した動力を、フロントアクスル機構を介して前記走行機体の前後四輪のうち左右の前輪に伝達するとともに、左右一対の後輪用遊星歯車機構を介して左右の後輪に伝達するように構成した四輪駆動式の作業用車両であって、前記エンジンの動力で作動する旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の旋回操作時に前記各後輪用遊星歯車機構に互いに逆方向の回転力を付与するように伝達することにより、前記左右の後輪の回転速度に差をもたせるように構成する一方、前記変速機構と前記フロントアクスル機構との間に前輪用遊星歯車機構を設け、前記旋回用油圧駆動手段から前記前輪用遊星歯車機構への動力伝達経路には、前記両前輪のかじ取り方向に応じて前記旋回用油圧駆動手段の出力を正逆回転及び中立の三段階に切替可能な動力切替機構と、この動力切替機構が中立状態のときに作動するブレーキ手段とを配設し、前記両前輪のかじ取り角に応じて調節した旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の前進旋回操作時に前記動力切替機構を介して前記前輪用遊星歯車機構に伝達することにより、前記両前輪の回転速度を連続的に増速させるように構成したというものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明を農作業用トラクタに適用した第1実施形態であり、まず、図1〜図2を参照してトラクタの概要を説明する。図1はトラクタの側面図、図2はトラクタの平面図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、第1実施形態におけるトラクタの走行機体1は、その左右両側の前後に配置した走行部としての前後四輪2,2,3,3で支持されており、走行機体1の前部を覆うボンネット4内には、エンジン5とミッションケース6とが配置されている。
【0011】
ボンネット4の後方は、操向手段としての丸ハンドル7や、オペレータが座る操縦席8等を有する操縦部となっており、操縦席8に座ったオペレータが丸ハンドル7を回動操作することにより、その操作量(回動量)に応じて左右両前輪2,2のかじ取り角(操向角度)が変わるように構成されている。
【0012】
そして、丸ハンドル7の操作量に応じて回転する操縦軸9の中途部には、この操縦軸9の回転角度を検出するロータリエンコーダ等のかじ取り角センサ11が取付けられており(図4参照)、このかじ取り角センサ11の検出結果から左右両前輪2,2のかじ取り角を検出するようになっている。なお、かじ取り角センサ11は、操縦軸9の回転角度を検出する構成のものに限らず、後述するフロントアクスル機構15のキングピンの回動角を検出する構成のものでもよい。
【0013】
走行機体1の後部には、作業部としてのスクレーパやレーキ、耕耘機等(図示せず)を装着できる三点リンク機構14が設けられている。
【0014】
次に、図3〜図5を参照してトラクタの動力伝達系統の構成を説明する。図3はトラクタの動力伝達系統を示す機能ブロック図、図4は前輪用遊星歯車機構の平断面図、図5(a)〜(c)は動力切替機構の作用説明図である。
【0015】
第1実施形態のトラクタは、フロントアクスル機構15に左右外向きに突設した前輪出力軸16,16からの出力により、左右の前輪2,2を回転駆動させるとともに、ミッションケース6に左右外向きに突設した後輪出力軸17,17からの出力により、左右の後輪3,3を回転駆動させるように構成した四輪駆動式のものである。
【0016】
エンジン5からの動力の一部は、このエンジン5の出力軸18に設けた二連プーリ19のうち一方及びベルト20等を介して、低、中、高速、逆転及び中立の各変速段を有する副変速機構31に伝達され、この副変速機構31のうち変速非の異なる出力ギヤ32a,32bにより、前輪2側と後輪3側とに動力が分岐される。副変速機構31は請求項に記載した変速機構に相当するものである。
【0017】
なお、この実施形態では、操縦部に設けた副変速レバー(図示せず)を操作すると、その操作位置に対応して副変速機構31の変速段がシフト(変速)するように構成されている。また、副変速機構31からはPTO軸47が突出しており、このPTO軸47に分岐した動力が三点リンク機構14に装着するスクレーパやレーキ、耕耘機等(図示せず)に伝達される。PTO軸47の中途部にはクラッチ手段48が設けられている。
【0018】
前輪2側では、副変速機構31の前用出力ギヤ32aから、伝動軸35、前輪用遊星歯車機構38、前後両端に自在継手34,34を有する推進軸33及びフロントアクスル機構15を介して、左右両前輪出力軸16,16に動力伝達される。
【0019】
伝動軸35の一端(左端)には副変速機構31の前用出力ギヤ32aと常時噛合う伝動ギヤ36が固着されており、他端(右端)には前輪用遊星歯車機構38に動力伝達するための入力ベベルギヤ37が固着されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、前輪用遊星歯車機構38は、複数個の遊星ギヤ39と、これら各遊星ギヤ39を同一半径上に回転可能に軸支した腕輪40と、各遊星ギヤ39に常時噛合う太陽ギヤ41と、この太陽ギヤ41を中途部に固着した太陽軸42上に軸受43を介して回転可能に軸支されたリングギヤ44とを備えている。
【0021】
太陽軸42の一端(後端)には、伝動軸35の入力ベベルギヤ37と90度の関係で常時噛合う従動ベベルギヤ45が固着されており、他端(前端)は、腕輪40の内側であってその回転中心部に位置する軸受(図示せず)に回転可能に軸支されている。腕輪40の外側面から外向きに突出した中心軸46は、推進軸33の後端側の自在継手34に連動連結されている。
【0022】
リングギヤ44は、内周面の内歯44aと外周面の外歯44bとを有しており、その内歯44aが複数個の遊星ギヤ39に各々噛合うように、太陽軸42と同心状に配置されている。このリングギヤ44の外歯44bは後述する増速回転軸95の回転ギヤ97と常時噛合っている。
【0023】
この場合、副変速機構31の前用出力ギヤ32aからの回転動力が、太陽軸42の後端に固着した従動ベベルギヤ45を介して前輪用遊星歯車機構38に伝達される。次いで、前輪用遊星歯車機構38に伝わった動力が、腕輪40の中心軸46から推進軸33を経てフロントアクスル機構15に伝達され、左右両前輪出力軸16,16に出力される。
【0024】
他方、後輪3側では、副変速機構31の後用出力ギヤ32bからの動力は、左右一対の後輪用遊星歯車機構51,51を介して左右両後輪出力軸17,17に伝達される。
【0025】
左右一対の後輪用遊星歯車機構51,51は左右対称状であって、同一半径上に複数個の遊星ギヤ52を各々回転可能に軸支した左右一対の腕輪53,53が同一軸線上で適宜隔てて相対向するように配置されている。各遊星ギヤ52に噛合う左右一対の太陽ギヤ54,54を固着した太陽軸55の左右両端は、両腕輪53,53の内側であってその回転中心部に位置する軸受(図示せず)に回転可能に軸支されている。
【0026】
内周面の内歯と外周面の外歯とを有するリングギヤ56は、その内歯が複数個の遊星ギヤ52に各々噛合うように、太陽軸55と同心状に配置されている。このリングギヤ56は、太陽軸55上または各腕輪53の外側面から外向きに突出した中心軸57上に、軸受(図示せず)を介して回転可能に軸支されている。
【0027】
したがって、副変速機構31の後用出力ギヤ32bからの回転動力は、太陽軸55に固定したセンターギヤ58を介して左右両後輪用遊星歯車機構51,51に伝達される。次いで、左後輪用遊星歯車機構51に伝わった回転動力は、左腕輪53の中心軸57に固着した伝動ギヤ59から左後輪出力軸17に固着した伝動ギヤ60を経て、左後輪出力軸17に出力される。同様にして、右後輪用遊星歯車機構51に伝わった回転動力は、右腕輪53の中心軸57に固着した伝動ギヤ59から右後輪出力軸17に固着した伝動ギヤ60を経て、右後輪出力軸17に出力される。
【0028】
エンジン5からの他の動力は、出力軸18の二連プーリ19のうち残る他方とベルト21とを介して、容量可変型の油圧ポンプ62の入力軸63に伝達される。この入力軸63に伝わった動力により、油圧ポンプ62から圧油送給路64を介して正逆回転可能な油圧モータ65に、圧油が適宜送られる。これら油圧ポンプ62及び油圧モータ65により可変型の旋回用油圧駆動手段61が構成されている。
【0029】
この旋回用油圧駆動手段61は、ミッションケース6に隣接して設けられ、若しくはミッションケース6に外付けされており、丸ハンドル7の回動操作量(左右両前輪2,2のかじ取り角)に応じて油圧ポンプ62の回転斜板(図示せず)の傾斜角度を変更調節して、油圧モータ65への圧油の吐出方向及び吐出量を変更することにより、油圧モータ65における出力軸66の回転方向及び回転数を調節できるようになっている。
【0030】
油圧モータ65における出力軸66からの回転動力の一部は、ミッションケース6内のパワークラッチ・パワーブレーキ機構67を介して左右の後輪用遊星歯車機構51,51に伝達される。そして、残りの回転動力は、出力軸66の中途部に固着した出力ギヤ79から、これに噛合う伝達ギヤ90を一端(左端)に固着した伝達軸89及び動力切替機構91を経由して、前輪用遊星歯車機構38に伝達される。
【0031】
なお、ミッションケース6内には、パワークラッチ・パワーブレーキ機構67と動力切替機構91以外にも、前述した副変速機構31、前輪用遊星歯車機構38及び左右一対の後輪用遊星歯車機構51,51等が収容されている。
【0032】
まず、パワークラッチ・パワーブレーキ機構67経由の動力伝達経路について説明する。
【0033】
パワークラッチ・パワーブレーキ機構67は、パワークラッチ69を内装した回転外筒68と、この回転外筒68の右側に配置したパワーブレーキ70と、パワークラッチ69及びパワーブレーキ70に跨るように配置した回転内筒71と、この回転内筒71に固着した伝動ギヤ72とにより構成されている。
【0034】
回転外筒68は、回転内筒71内に回転可能に挿通した出力軸66に連結されており、この出力軸66の正逆回転に連動して正逆回転するように構成されている。伝動ギヤ72は、左右一対の回転ギヤ75,76を有する回転軸73に固着した中央ギヤ74と噛合っている。左回転ギア75は左リングギヤ56の外歯に直接噛合っており、右回転ギヤ76は逆転ギヤ77を介して右リングギヤ56の外歯に噛合っている。
【0035】
この場合、パワークラッチ69が切り状態で、かつパワーブレーキ70が入り状態であると、油圧モータ65の駆動により強制的に回転させられている回転外筒68に対して回転内筒71が自由回転可能となる一方、パワーブレーキ70で回転内筒71は回転不能にロックされて、中央ギヤ74、左右両回転ギヤ75,76及び逆転ギヤ77が固定状態となる。その結果、これらに噛合う左右両リングギヤ56,56は固定状態となる。
【0036】
そうすると、副変速機構31の後用出力ギヤ32bからセンターギヤ58に伝わった回転動力は、後輪用遊星歯車機構51,51の左右両太陽ギヤ54,54に同一回転数で伝達されて、左右両側の遊星ギヤ52,52及び腕輪53,53を介して左右両後輪出力軸17,17に同一方向及び同一回転数で出力される。すなわち、左右両後輪用遊星歯車機構51,51にはセンターギヤ58からの回転動力のみが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの動力(油圧モータ65からの回転動力)は伝達されないので、左右両後輪3,3は同一方向及び同一回転数で回転駆動することになる。
【0037】
他方、パワークラッチ69が入り状態で、かつパワーブレーキ70が切り状態であると、油圧モータ65の正方向または逆方向の駆動により回転外筒68が正(逆)回転して、回転内筒71とともに伝動ギヤ72が回転外筒68と同一方向及び同一回転数で回転する。この伝動ギヤ72に伝わった回転動力は、中央ギヤ74及び左回転ギヤ75を介して左リングギヤ56を所定回転数で正(逆)回転させる一方、中央ギヤ74、右回転ギヤ76及び逆転ギヤ77を介して、右リングギヤ56を左リングギヤ56と同一回転数で逆(正)回転させる。
【0038】
すなわち、油圧モータ65からパワークラッチ・パワーブレーキ機構67を介しての回転動力は、左右の後輪用遊星歯車機構51,51に互いに逆方向の回転力を付与するように伝達される。
【0039】
したがって、副変速機構31の後用出力ギヤ32bからセンターギヤ58を経て左右両太陽ギヤ54,54に伝わった回転動力は左右両側の遊星ギヤ52,52及び腕輪53,53に伝達されるが、左リングギヤ56により左側の各遊星ギヤ52及び腕輪53には正(逆)方向の回転力が付与される一方、右リングギヤ56により右側の各遊星ギヤ52及び腕輪53には逆(正)方向の回転力が付与されるので、一方の後輪出力軸17は増速し、他方の後輪出力軸17は減速する。このように左右の後輪出力軸17,17の回転数には強制的に差がつくことから、左右の後輪3,3は回転数に差がある状態で回転駆動することになる。
【0040】
次に、動力切替機構91経由の動力伝達経路について説明する。
【0041】
図5(a)〜(c)に示すように、動力切替機構91は、伝達軸89の他端(右端)に固着した伝達ベベルギヤ92と、この伝達ベベルギヤ92に噛合う一対の従動ベベルギヤ93a,93bと、これら両従動ベベルギヤ93a,93bが遊嵌された前後長手の増速回転軸95とを備えている。
【0042】
両従動ベベルギヤ93a,93bの相対向する側面にはキー溝部94a,94bが凹み形成されている。
【0043】
増速回転軸95はミッションケース6内の適宜箇所に回転可能に軸支されており、増速回転軸95の中途部(前従動ベベルギヤ93aよりも下流側)には、この増速回転軸95を回転不能にロックするためのブレーキ手段96が設けられている。
【0044】
増速回転軸95の外周のうち前後両従動ベベルギヤ93a,93bの間の箇所にはスプライン部98が形成されており、このスプライン部98には、スプライン穴を有する筒状部材100が往復動可能に被嵌されている。
【0045】
筒状部材100は、軸心周りに凹み形成した溝部101と、前後側面から外向きに突出したキー部102a,102bとを有している。
【0046】
筒状部材100の溝部101には、アクチュエータ(図示せず)の駆動により前後回動可能に構成した回動アーム103の先端部が嵌っており、この回動アーム103の前後回動により、筒状部材100が増速回転軸95のスプライン部98に沿って往復動するように構成されている。
【0047】
各キー部102a(102b)は、筒状部材100がスプライン部98に沿って前進(または後退)した状態で、各従動ベベルギヤ93a(93b)のキー溝部94a(94b)に係合するようになっている。この係合により、各従動ベベルギヤ93a(93b)と増速回転軸95とが筒状部材100を介して一体回転するように連結する(図5(b)(c)参照)。
【0048】
他方、筒状部材100がスプライン部98の略中央に位置した状態では、両キー部102a,102bともキー溝部94a,94bには係合せず、両従動ベベルギヤ93a,93bと増速回転軸95との連結は解除される(図5(a)参照)。このように、筒状部材100は、各従動ベベルギヤ100から増速回転軸95への動力継断動作(動力を伝達したり遮断したりする動作)を行うクラッチの役割を担っている。
【0049】
回動アーム103の回動位置は、走行機体1の走行状態(左右両前輪2,2の回転方向及びかじ取り方向)に応じて前後及び中立の三位置に変更できるように設定されている。
【0050】
すなわち、回動アーム103は、前進直進時と後退時(直進及び旋回ともに含む)とには中立位置(図5(a)の実線状態参照)に回動移動し、右方向への前進旋回時には前位置(図5(a)の一点鎖線状態及び図5(b)参照)に回動移動し、左方向への前進旋回時には後位置(図5(a)の二点鎖線状態及び図5(c)参照)に回動移動するのである。
【0051】
この実施形態では、油圧モータ65の正方向または逆方向の駆動により、伝達軸89ひいては伝達ベベルギヤ92が逆(正)回転して、前後両従動ベベルギヤ93a,93bとを互いに反対方向に回転させる。
【0052】
回動アーム103の回動移動に伴って筒状部材100が図5(a)の中立位置にある場合は、伝動ベベルギヤ92の正または逆回転により強制的に回転させられている両従動ベベルギヤ93a,93bに対して増速回転軸95が自由回転可能となる一方、ブレーキ手段96で増速回転軸95が回転不能にロックされて回転ギヤ97が固定状態となる。その結果、この回転ギヤ97に噛合う前輪用遊星歯車機構38のリングギヤ44が固定状態となる。すなわち、このときの動力切替機構91は、旋回用油圧駆動手段61から前輪用遊星歯車機構38への動力伝達を遮断した状態となっている。
【0053】
そうすると、前輪用遊星歯車機構38には、副変速機構31からの回転動力だけが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの分岐動力(油圧モータ65からの回転動力)は伝達されないので、推進軸33及びフロントアクスル機構15、ひいては左右両前輪2,2は、エンジン5から副変速機構31を経由した動力だけで回転駆動することになる。
【0054】
他方、筒状部材100が図5(b)の前位置にある場合は、ブレーキ手段96が切り状態となり、増速回転軸95は筒状部材100を介して前従動ベベルギヤ93aと同一方向及び同一回転数で回転駆動する。この場合、油圧モータ65の正方向の駆動により伝達ベベルギヤ92は逆回転し、この逆回転により、前従動ベベルギヤ93aの回転方向は、前輪用遊星歯車機構38のリングギヤ44を増速させる方向となる。
【0055】
したがって、増速回転軸95に伝わった回転動力は、前端部の回転ギヤ97を介して前輪用遊星歯車機構38のリングギヤ44を所定回転数で増速方向に回転させることになる。
【0056】
また、筒状部材100が図5(c)の後位置にある場合も、ブレーキ手段96が切り状態となり、増速回転軸95は筒状部材100を介して後従動ベベルギヤ93bと同一方向及び同一回転数で回転駆動する。この場合、油圧モータ65の逆方向の駆動により伝達ベベルギヤ92は正回転する。この正回転により、後従動ベベルギヤ93bの回転方向が前輪用遊星歯車機構38のリングギヤ44を増速させる方向となる。
【0057】
したがって、この場合も、増速回転軸95に伝わった回転動力は、前端部の回転ギヤ97を介して前輪用遊星歯車機構38のリングギヤ44を所定回転数で増速方向に回転させることになる。
【0058】
すなわち、筒状部材100が前または後位置にある場合は、油圧モータ65から動力切替機構91を介しての回転動力が前輪用遊星歯車機構38に対して増速方向の回転力を付与するように伝達される(動力切替機構91は動力伝達状態となる)。
【0059】
これにより、前輪用遊星歯車機構38には、副変速機構31からの回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの回転動力とが双方とも同じ向きの回転力を与えるように伝達される。その結果、腕輪40の中心軸46とともに推進軸33は、リングギヤ44からの回転力の分だけ増速した状態で回転し、この回転動力がフロントアクスル機構15及び左右両後輪3,3に伝達される。
【0060】
次に、図6を参照しながら、トラクタの操向制御を実行する制御装置について説明する。図6は制御装置10の機能ブロック図である。
【0061】
詳細は図示していないが、制御装置10は、各種演算処理や制御を実行するCPU、制御プログラムやデータ等を記憶させるROM、制御プログラムやデータ等を一時的に記憶させるRAM、センサやアクチュエータ等に接続してデータを伝送する入出力インターフェイス等を備えている。
【0062】
制御装置10の入力インターフェイスには、操縦軸9の回転角度を検出するかじ取り角センサ11、操作量に応じてエンジン5の動力を変速させる主変速レバーやアクセルペダル等のアクセル手段12、副変速機構31等が各々接続されている。
【0063】
他方、制御装置10の出力インターフェイスには、油圧ポンプ62と油圧モータ65とからなる旋回用油圧駆動手段61の駆動回路24、パワークラッチ69を駆動させる電磁ソレノイド等の駆動回路25、パワーブレーキ70を駆動させる電磁ソレノイド等の駆動回路26、ブレーキ手段96を作動させるアクチュエータ(図示せず)の駆動回路22、回動アーム103を駆動させるアクチュエータの駆動回路23等が各々接続されている。
【0064】
次に、トラクタの操向制御の態様について説明する。
【0065】
この実施形態のトラクタでは、エンジン5の動力は、副変速機構31から、前輪用遊星歯車機構38、推進軸33及びフロントアクスル機構15を介して左右両前輪出力軸16,16に伝達される一方、左右両遊星歯車機構51,51を介して左右両後輪出力軸17,17に伝達される。
【0066】
まず、走行機体1を直進走行させるには、操縦部の副変速レバーを低速、中速、高速及び逆転のうちいずれかの位置に操作し、アクセル手段12を所定量操作した状態で、丸ハンドル7を中立位置(左右両前輪2,2が直進方向に沿って平行状となるときのハンドル位置)に保持する。
【0067】
そうすると、後輪3側ではパワークラッチ69が切り作動するとともにパワーブレーキ70が入り作動して、左右両後輪用遊星歯車機構51,51には、副変速機構31からの回転動力のみが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの動力(油圧モータ65からの回転動力)は伝達されない。
【0068】
他方、動力切替機構91は、筒状部材100が回動アーム103の駆動で中立位置に移動して動力遮断状態となるので、前輪2側でも、前輪用遊星歯車機構38に副変速機構31からの回転動力だけが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの回転動力(油圧モータ65からの回転動力)は伝達されない。
【0069】
したがって、前後四輪2,2,3,3はアクセル手段12の操作量に応じた同一速度で同一方向に回転駆動し、走行機体1が直進走行することになる。
【0070】
この直進状態では、パワーブレーキ70の入り作動により、左右両後輪用遊星歯車機構51,51のリングギヤ56,56が固定状態となるので、左右の後輪3に圃場面の走行抵抗が作用したとしても、各後輪用遊星歯車機構51の太陽ギヤ54の回転に対して各遊星ギヤ52及び腕輪53の回転数が低下することはない。これにより、走行機体1は畝、石、泥濘等の路面状況に左右されずに直進走行できる。
【0071】
次に、旋回操向について説明する。
【0072】
走行機体1を例えば右に前進旋回させるには、操縦部の副変速レバーを低速、中速及び高速のうちいずれかの位置に操作し、アクセル手段12を所定量操作した状態で、丸ハンドル7を右に回動操作する。
【0073】
そうすると、丸ハンドル7の回動操作量(左右両前輪2,2のかじ取り角)に応じて、旋回用油圧駆動手段61からの動力(油圧モータ65の出力回転数)が適宜減速され、この減速状態の回転動力はパワークラッチ・パワーブレーキ機構67を介して後輪3側に伝達される一方、動力切替機構91を介して前輪2側にも伝達される。
【0074】
後輪3側ではパワークラッチ69が入り作動するとともにパワーブレーキ70が切り作動して、左後輪用遊星歯車機構51にセンターギヤ58からの回転動力と旋回用油圧式駆動手段61からの回転動力が双方とも同じ向きの回転力を与えるように伝達される一方、右後輪用遊星歯車機構51には、センターギヤ58からの回転動力と旋回用油圧式駆動手段61からの回転動力とが互いに逆向きの回転力を与えるように伝達される。その結果、左後輪3が増速し右後輪3が減速するというように、左右の後輪3,3は回転数に差をもたせた状態で回転(前転)駆動する。
【0075】
他方、動力切替機構91は、筒状部材100が回動アーム103の駆動で前位置に移動して動力伝達状態となるので、旋回用油圧駆動手段61からの回転動力は前輪用遊星歯車機構38に増速方向の回転力を付与するように伝達される。
【0076】
これにより、前輪2側では、前輪用遊星歯車機構38に、副変速機構31からの回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの回転動力とが双方とも同じ向きの回転力を与えるように伝達される。その結果、左右両前輪2,2は、旋回用油圧駆動手段61からの回転動力の分だけ増速した状態で回転(前転)駆動する(左右両前輪2,2の回転(前転)速度が増速する)。
【0077】
したがって、左右の後輪3,3の回転数に強制的に差をつけることと、左右両前輪2,2が増速することとが相俟って、走行機体1は、アンダーステア傾向を抑えて適正な旋回半径で右方向に前進旋回できる。
【0078】
なお、丸ハンドル7を例えば左に回動操作した場合は、前述の説明中の左右や筒状部材100の摺動位置等が入替わるだけであり、同様にして、走行機体1は適正な旋回半径で左方向に前進旋回できる。
【0079】
以上のことから分かるように、旋回用油圧駆動手段61からの回転動力の一部は、左右両前輪2,2のかじ取り角に応じて適宜減速した状態で、前輪用遊星歯車機構38に伝達されるので、左右両前輪2,2の回転速度を、そのかじ取り角が大きい(走行機体1をUターンまたはこれに近い状態(小さい旋回半径)で前進旋回させる場合)ほど大きく増速させることができる。
【0080】
これにより、走行機体1はアンダーステアの発生を効果的に抑制した状態でスムーズに前進旋回できる。
【0081】
しかも、左右両前輪2,2はかじ取り角に応じて連続的に増速するので、走行機体1の速度変化によるショックをやわらげることができ、前進旋回時の乗り心地を向上させることができるのである。
【0082】
また、旋回用油圧駆動手段61からの残りの回転動力は、左右両前輪2,2のかじ取り角に応じて減速した状態で、左右の後輪用遊星歯車機構51,51にそれぞれ伝達されるので、増速される旋回外側の後輪3の回転速度と、減速される旋回内側の後輪3の回転速度との差(絶対値)の増加傾向を抑制できる。換言すると、左右の後輪3,3の回転数差を調節できる。
【0083】
したがって、左右の後輪3,3の回転数に強制的に差をつけることと、左右両後輪2,2の回転数を連続的に増速させることとの相乗効果により、走行機体1の旋回半径は、常に丸ハンドル7の回動操作量、ひいては左右両前輪2,2のかじ取り角に対応した半径となるので、走行機体1の前進旋回動作が安定化し、走行機体1は、よりスムーズでかつ確実に前進旋回できるのである。
【0084】
さらに、前進旋回時には前後四輪2,2,3,3全てが回転力を発揮できる(前輪2が後輪3をひきずったりしない)ことから、走行機体1は圃場内を荒らさずに滑らかに前進旋回できるばかりか、例えば泥濘の多い圃場等の劣悪な走行路面でも滑らかに前進旋回でき、高い旋回性能を発揮できる。
【0085】
第1実施形態のように、旋回用油圧式駆動手段61と左右両後輪用遊星歯車機構51,51との間にパワークラッチ・パワーブレーキ機構67を介設すると、旋回用油圧式駆動手段61から左右両後輪用遊星歯車機構51,51への動力継断動作を確実に実行できるので、旋回用油圧駆動手段61からの動力伝達を効率よく行えるのである。
【0086】
次に、走行機体1を左または右に後退旋回させるには、操縦部の副変速レバーを逆転位置に操作し、アクセル手段12を所定量操作した状態で、丸ハンドル7を左または右に回動操作する。
【0087】
そうすると、後輪3側ではパワークラッチ69が入り作動するとともにパワーブレーキ70が切り作動して、左右の遊星歯車機構51,51に、センターギヤ58に伝わった回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの回転動力とが伝達される。その結果、左右の後輪3,3は、一方の後輪3が増速し他方の後輪3が減速するというように、強制的に差をもたせた状態で回転(後転)駆動する。
【0088】
他方、動力切替機構91は、筒状部材100が回動アーム103の駆動で中立位置に移動して動力遮断状態となるので、前輪2側では、前輪用遊星歯車機構38に副変速機構31からの回転動力だけが伝達される。これにより、左右両前輪2,2はアクセル手段12の操作量に応じて回転(後転)駆動する。
【0089】
したがって、左右の後輪3,3の回転数差と左右両前輪2,2の向き(操舵)とにより、走行機体1は後退旋回できるのである(左右の後輪3,3だけでも確実に後退旋回できる)。
【0090】
なお、旋回用油圧駆動手段61と左右両後輪用遊星歯車機構51,51との間に設けたパワークラッチ・パワーブレーキ機構67を省略して、油圧モータ65の出力軸66からの回転動力の一部を各後輪用遊星歯車機構51に直接伝達できるように構成してもよい。この構成によっても、前述した第1実施形態のトラクタと同様の直進・旋回性能を発揮できる。この場合は、油圧モータ65の出力軸66に、例えば湿式多板ディスク等のブレーキ手段を設けるのが好ましい。
【0091】
また、第1実施形態の前輪2側の動力伝達系統(図3参照)に代えて、次のように構成してもよい。すなわち、副変速機構31の後用出力ギヤ32bからの動力を、前輪用遊星歯車機構38のリングギヤ44に伝達する一方、伝動軸35、伝動ギヤ36、入力ベベルギヤ37及び太陽軸42の従動ベベルギヤ45を省略し、油圧モータ65の回転動力の一部を、増速回転軸95の回転ギヤ97から太陽軸42に新たに設けた回転ギヤ(図示せず)に入力するように構成するのである。
【0092】
この場合、前輪用遊星歯車機構38における太陽ギヤ41の機能とリングギヤ44の機能とは第1実施形態のものと逆になるだけであるから、トラクタの直進・旋回性能は同等であると考えられる。
【0093】
図7に示す第2実施形態は、動力伝達系統の構成の別例である。ここで、第2実施形態において、構成及び作用が第1実施形態と変わらないものは、第1実施形態のものと同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、第2実施形態では、後述する走行用油圧駆動手段81の第1油圧ポンプ82及び第1油圧モータ85と区別するため、旋回用油圧駆動手段61の油圧ポンプ62及び油圧モータ65を、第2油圧ポンプ62及び第2油圧モータ65と称する。
【0094】
この実施形態のトラクタでは、エンジン5の動力の一部は、可変型の走行用油圧駆動手段81から、前輪2側と後輪3側とに分岐して動力伝達される。
【0095】
そして、エンジン5からの他の動力は、可変型の旋回用油圧駆動手段61を介して、左右一対のパワークラッチ・パワーブレーキ機構67′,67′と動力切替機構91とに伝達される。パワークラッチ・パワーブレーキ機構67′,67′を介しての回転動力は、左右の後輪用遊星歯車機構51,51に伝達される一方、動力切替機構91を介しての回転動力は、前輪用遊星歯車機構38に伝達される。
【0096】
まず、前輪2側の動力伝達系統において、第1実施形態のものと相違する構成を説明する。
【0097】
エンジン5からの動力の一部は、このエンジン5の出力軸18に設けた二連プーリ19のうち一方及びベルト20等を介して、可変型の走行用油圧駆動手段81における第1油圧モータ82の入力軸83に伝達される。この入力軸83に伝わった動力により、第1油圧ポンプ82からの圧油は、圧油送給路84を介して正逆回転可能な第1油圧モータ85に適宜送られる。
【0098】
走行用油圧駆動手段81は、ミッションケース6に隣接して設けられ、若しくはミッションケース6に外付けされており、副変速レバー(図示せず)の操作位置や丸ハンドル7の回動操作量に応じて、第1油圧ポンプ82の回転斜板(図示せず)の傾斜角度を変更調節して、第1油圧モータ85への圧油の吐出方向及び吐出量を変更することにより、第1油圧モータ85の出力軸86の回転方向及び回転数を調節できるようになっている。
【0099】
第1油圧モータ85における出力軸86の先端側の出力ギヤ87aからは、副変速機構31′を経て前輪用遊星歯車機構38へ回転動力が伝達され、出力軸86の中途部に固着した出力ギヤ87bからは、左右両後輪用遊星歯車機構51,51のセンターギヤ58へ回転動力が伝達される。
【0100】
なお、操縦部に設けた副変速レバーを操作すると、その操作位置に対応して前輪2側の副変速機構31′の変速段がシフト(変速)して、伝動軸35の回転方向及び回転速度を、出力軸86のそれらと同期させるようになっている。
【0101】
次に、後輪3側の動力伝達系統において、第1実施形態のものと相違する構成を説明する。
【0102】
この実施形態のパワークラッチ・パワーブレーキ機構67′,67′は左右対称状に構成されたものであり、左右一対のパワークラッチ69a′,69b′を内装した回転外筒68′と、この回転外筒68′の左右外側に配置したパワーブレーキ70a′,70b′と、左右両パワークラッチ69a′,69b′及びパワーブレーキ70a′,70b′に跨るように配置した回転内筒71′,71′と、これら各回転内筒71′に固着した伝動ギヤ72′とで構成されている。
【0103】
回転外筒68′は、左右両回転内筒71′,71′内に回転可能に挿通した出力軸66に連結されており、この出力軸66の正逆回転に連動して正逆回転するように構成されている。左伝動ギヤ72′は左リングギヤ56の外歯に直接噛合っており、右伝動ギヤ72′は逆転ギヤ77′を介して右リングギヤ56の外歯に噛合っている。
【0104】
この場合、左右両パワークラッチ69a′,69b′がともに切り状態で、かつ左右両パワーブレーキ70a′,70b′がともに入り状態であると、強制的に回転させられている回転外筒68′に対して左右両回転内筒71′,71′が自由回転可能となる一方、各パワーブレーキ70a′(70b′)で回転内筒71′は回転不能にロックされ、左右両伝動ギヤ72′,72′及び逆転ギヤ77′が固定状態となる。
【0105】
その結果、これらに噛合う左右両後輪用遊星歯車機構51,51のリングギヤ56,56が固定状態となり、左右両後輪用遊星歯車機構51,51にはセンターギヤ58からの回転動力のみが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの動力(第2油圧モータ65からの回転動力)は伝達されないので、左右両後輪3,3は同一方向及び同一回転数で回転駆動する。
【0106】
次に、左後輪3に対応した左パワークラッチ69a′が切り状態で、かつ左パワーブレーキ70a′が入り状態であると、前述のように左リングギヤ56は固定状態となり、左後輪用遊星歯車機構51には、センターギヤ58からの回転動力のみが伝達されるので、左後輪3は所定の回転速度を保持する。
【0107】
ここで、右後輪3に対応した右パワークラッチ69b′及び右パワーブレーキ70b′がともに切り状態であると、回転外筒68′からの動力が右回転内筒71′ひいては右伝動ギヤ72′及び逆転ギヤ77′に伝達されず、これらは自由回転可能となる。
【0108】
この状態で右後輪3に圃場面の走行抵抗が作用すると、右後輪出力軸17に減速方向の抵抗力が働き、右太陽ギヤ54からの回転に対して右側の各遊星ギヤ52、腕輪53及び右リングギヤ56の作用により、右後輪3の回転速度が徐々に低下する。
【0109】
したがって、右後輪用遊星歯車機構51には、センターギヤ58からの回転動力と右後輪3に作用する走行抵抗とが付与されることになり、結果的に、左右の後輪3,3は、左後輪3が所定速度を保ち右後輪3が徐々に減速するというように、回転数差を緩やかに拡大しつつ回転駆動する。
【0110】
また、左パワークラッチ69a′が切り状態で、かつ左パワーブレーキ70a′が入り状態であるとともに、右パワークラッチ69b′が入り状態で、かつ右パワーブレーキ70b′が切り状態であると、前述のように、左後輪3は所定の回転速度を保持する。
【0111】
他方、第2油圧モータ65の逆方向の駆動により回転外筒68′が逆回転して、右回転内筒71′とともに右伝動ギヤ72′は回転外筒68′と同一方向及び同一回転数で回転する。この右伝動ギヤ72′から逆転ギヤ77′を介して右リングギヤ56のみに、その回転に対して減速方向の回転力が付与される。
【0112】
これにより、右後輪用遊星歯車機構51には、センターギヤ58からの回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの回転動力とが互いに逆向きの回転力を与えるように伝達され、その結果、左右の後輪3,3は、左後輪3が所定速度を保ち右後輪3が強制減速するというように、強制的に回転数差をもたせた状態で回転駆動する。
【0113】
なお、右パワークラッチ69b′が入り状態で、かつ右パワーブレーキ70b′が切り状態である場合において、左パワークラッチ69a′及び左パワーブレーキ70a′がともに切り状態であるときや、左パワークラッチ69a′が入り状態で、かつ左パワーブレーキ70a′が切り状態であるときは、前述の説明中の左右が入替わるだけで、同様の動力伝達態様となる。
【0114】
次に、左右両パワークラッチ69a′,69b′がともに入り状態で、かつ左右両パワーブレーキ70a′,70b′がともに切り状態であると、第2油圧モータ65の正方向または逆方向の駆動により回転外筒68′が正(逆)回転して、左右両伝動ギヤ72′,72′が回転外筒68′と同一方向及び同一回転数で回転する。左伝動ギヤ72′に伝わった動力は、左リングギヤ56を所定回転数で逆(正)回転させる一方、右伝動ギヤ72′に伝わった動力は、逆転ギヤ77′を介して右リングギヤ56を左リングギヤ56と同一回転数で正(逆)回転させる。
【0115】
したがって、左右の後輪用遊星歯車機構51,51には、センターギヤ58からの回転動力が伝達されるだけでなく、旋回用油圧駆動手段61からも互いに逆向きの回転力を付与するように動力伝達され、その結果、左右の後輪3,3は、一方の後輪3が増速し他方の後輪3が減速するというように、強制的に回転数差を大きくした状態で回転駆動する。
【0116】
なお、詳細は図示しないが、第2実施形態の制御装置は、パワークラッチ69a′,69b′用の駆動回路と、パワーブレーキ70a′,70b′用の駆動回路とをそれぞれ2つずつ、出力インターフェイスに接続した点が異なるだけで、第1実施形態のものとほぼ同様の構成である。
【0117】
次に、第2実施形態におけるトラクタの操向態様について説明する。
【0118】
まず、走行機体1を直進走行させるには、操縦部の副変速レバーを低速、中速、高速及び逆転のうちいずれかの位置に操作し、アクセル手段12を所定量操作した状態で、丸ハンドル7を中立位置に保持する。
【0119】
そうすると、後輪3側では左右両パワークラッチ69a′,69b′がともに切り作動し、かつ左右両パワーブレーキ70a′,70b′がともに入り作動して、左右両後輪用遊星歯車機構51,51に、副変速機構31からの回転動力のみが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの動力は伝達されない。
【0120】
他方、動力切替機構91は、筒状部材100が回動アーム103の駆動で中立位置に移動して動力遮断状態となるので、前輪2側でも、前輪用遊星歯車機構38に副変速機構31からの回転動力だけが伝達され、旋回用油圧駆動手段61からの回転動力は伝達されない。
【0121】
したがって、第1実施形態の場合と同様に、前後四輪2,2,3,3はアクセル手段12の操作量に応じた同一速度で同一方向に回転駆動し、走行機体1が直進走行する。
【0122】
次に、走行機体1を例えば右に前進旋回させるには、操縦部の副変速レバーを低速、中速及び高速のうちいずれかの位置に操作し、アクセル手段12を所定量操作した状態で、丸ハンドル7を右に回動操作する。
【0123】
そうすると、左右両前輪2,2のかじ取り角に応じて走行用油圧駆動手段81からの動力(第1油圧モータ85の出力回転数)が適宜減速され、この減速状態の回転動力が副変速機構31を介して前輪2側と後輪3側とに分岐して伝達される。
【0124】
また、旋回用油圧駆動手段61からの動力(第2油圧モータ65の出力回転数)も、左右両前輪2,2のかじ取り角に応じて適宜減速され、この減速状態の回転動力はパワークラッチ・パワーブレーキ機構67′,67′を介して後輪3側に伝達される一方、動力切替機構91を介して前輪2側にも伝達される。
【0125】
この場合、動力切替機構91は、筒状部材100が回動アーム103の駆動で前位置に移動して動力伝達状態となるので、前輪2側では、前輪用遊星歯車機構38に、副変速機構31からの減速状態の回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの減速状態の回転動力とが双方とも同じ向きの回転力を与えるように伝達される。
【0126】
その結果、左右両前輪2,2は、直進走行時よりも遅い所定速度から旋回用油圧駆動手段61からの減速状態の回転動力の分だけ増速した状態で回転(前転)駆動する。換言すると、左右両前輪2,2の回転(前転)速度が丸ハンドル7の回動操作量に応じて増速するのである。
【0127】
一方、後輪3側では、丸ハンドル7の回動操作量に応じて、左右一対のパワークラッチ・パワーブレーキ機構67′,67′の作動態様が異なる。
【0128】
例えば丸ハンドル7を右に小さく回動操作したときは、左パワークラッチ69a′が切り作動し、かつ左パワーブレーキ70a′が入り作動して、左後輪3が直進走行時よりも遅い所定の回転(前転)速度を保持する一方、右パワークラッチ69b′及び右パワーブレーキ70b′がともに切り作動して、右回転内筒71′ひいては右伝動ギヤ72′及び逆転ギヤ77′が自由回転可能となることにより、圃場面の走行抵抗が右後輪3に作用してその回転(前転)速度が徐々に低下する。
【0129】
したがって、左右両前輪2,2の増速作用と、右後輪3の緩やかな速度低下に起因した後輪3,3間の回転数差とにより、走行機体1は右方向に緩やかに前進旋回できる(スローターンできる)。
【0130】
また、例えば丸ハンドル7を右に中程度回動操作したときは、左パワークラッチ69a′が切り作動し、かつ左パワーブレーキ70a′が入り作動して、左後輪3が直進走行時よりも遅い所定の回転(前転)速度を保持する一方、右パワークラッチ69b′が入り作動し、かつ右パワーブレーキ70b′が切り作動して、右後輪用遊星歯車機構51に、センターギヤ58からの回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの回転動力とが互いに逆向きの回転力を与えるように伝達される。
【0131】
その結果、左後輪3は直進走行時よりも遅い所定速度を保ち右後輪3は強制減速することになり、走行機体1は、左右両前輪2,2の増速作用と、右後輪3の強制減速に起因した後輪3,3間の回転数差とにより、右方向に中位の旋回半径で前進旋回できる。
【0132】
さらに、例えば丸ハンドル7を右に大きく回動操作したときは、左右両パワークラッチ69a′,69b′がともに入り作動し、かつ左右両パワーブレーキ70a′,70b′がともに切り作動して、左後輪用遊星歯車機構51に、センターギヤ58からの減速状態の回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの減速状態の回転動力が双方とも同じ向きの回転力を与えるように伝達される一方、右後輪用遊星歯車機構51に、センターギヤ58からの減速状態の回転動力と旋回用油圧駆動手段61からの減速状態の回転動力とが互いに逆向きの回転力を与えるように伝達される。
【0133】
その結果、左後輪3は強制増速し右後輪3は強制減速することになり、走行機体1は、左右両前輪2,2の増速作用と、左右の後輪3,3の強制拡大した回転数差とにより、右方向に急速前進旋回(スピンターンに近い状態のターン)できるのである。
【0134】
なお、例えば丸ハンドル7を左に回動操作した場合は、前述の説明中の左右や筒状部材100の摺動位置等が入替わるだけであり、前述の場合と同様に、走行機体1は適正な旋回半径で左方向に前進旋回する。また、副変速レバーを逆転位置に操作し、アクセル手段12を所定量操作した状態で、丸ハンドル7を回動操作すれば、第1実施形態の場合と同様に、走行機体1を後退旋回させることも可能である。
【0135】
以上の態様においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することはいうまでもない。また、第2実施形態のトラクタは、エンジン5から走行用油圧駆動手段81を介しての回転動力を前輪2側と後輪3側とに分岐して伝達する構成であるから、左右両前輪2,2のかじ取り角に応じて走行用油圧駆動手段81の出力を調節することにより、丸ハンドル7の回動操作量に応じて前後四輪2,2,3,3の駆動力を調節することができる。
【0136】
これにより、例えば高速走行中の走行機体1を旋回させる場合でも、丸ハンドル7の回動操作量に応じて走行機体1の平均走行速度を減速させることができるので、オペレータが旋回外向きの遠心力で振り回されて走行機体1から落ちたり、走行機体1自体が転倒したりするおそれを回避でき、前進旋回時の安全性が向上するのである。
【0137】
第2実施形態のように、旋回用油圧駆動手段61と左右両遊星歯車機構51,51との間に左右一対のパワークラッチ・パワーブレーキ機構67′,67′を介設すると、旋回用油圧駆動手段61から左右の遊星歯車機構51,51に効率よく動力伝達できるのはもちろんのこと、左右の後輪3,3の回転数差を、丸ハンドル7の回動操作量(左右両前輪2,2のかじ取り角)に応じて調節できるから、走行機体1の旋回半径に応じてその旋回速度を調節でき、走行機体1をスムーズに旋回させることができるのである。
【0138】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば作業用車両としては農作業用トラクタに限らず、土木作業用のトラクタや田植機等でもよいことはいうまでもない。
【0139】
【発明の効果】
本発明のように構成すると、走行機体の前進旋回操作時には、旋回用油圧駆動手段からの出力を、左右両前輪のかじ取り角に応じて調節した状態で、前輪用遊星歯車機構に伝達できるので、左右両前輪の回転速度を、そのかじ取り角が大きいほど大きく増速させることができる。これにより、前記走行機体をアンダーステアの発生を効果的に抑制した状態でスムーズに前進旋回させることができるという効果を奏する。
【0140】
しかも、前記左右両前輪はかじ取り角に応じて連続的に増速することになるので、前記走行機体の速度変化によるショックをやわらげることができ、前進旋回時の乗り心地が向上するという効果も奏する。
【0141】
また、前記左右両前輪のかじ取り角に応じて減速した旋回用油圧駆動手段の出力は、前記左右の後輪用遊星歯車機構に互いに逆方向の回転力を付与するようにも伝達されるので、左右の後輪の回転数差を調節することもできる。
【0142】
したがって、前記左右の後輪の回転数に強制的に差をつけることと、前記左右両後輪の回転数を連続的に増速させることとの相乗効果により、前記走行機体の旋回半径を常に前記左右両前輪のかじ取り角に応じた半径とすることができ、前記走行機体の前進旋回動作が安定化するという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の農作業用トラクタの側面図である。
【図2】 農作業用トラクタの平面図である。
【図3】 農作業用トラクタの動力伝達系統を示す機能ブロック図である。
【図4】 前輪用遊星歯車機構の平断面図である。
【図5】 動力切替機構の作用説明図であり、(a)は筒状部材が中立位置の場合、(b)は前位置の場合、(c)は後位置の場合を示す図である。
【図6】 制御装置の機能ブロック図である。
【図7】 第2実施形態の農作業用トラクタの動力伝達系統を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 走行機体
2,2 前輪
3,3 後輪
5 エンジン
7 操向手段としての丸ハンドル
10 制御装置
11 かじ取り角センサ
15 フロントアクスル機構
31 副変速機構
38 前輪用遊星歯車機構
51,51 後輪用遊星歯車機構
61 旋回用油圧駆動手段
62 第2油圧ポンプ
65 第2油圧モータ
67,67′ パワークラッチ・パワーブレーキ機構
69,69a′,69b′ パワークラッチ
70,70a′,70b′ パワーブレーキ
81 走行用油圧駆動手段
82 第1油圧ポンプ
85 第1油圧モータ
91 動力切替機構
95 増速回転軸
96 ブレーキ手段
100 筒状部材
103 回動アーム

Claims (2)

  1. 走行機体に搭載したエンジンから可変型の走行用油圧駆動手段に伝わった動力を、フロントアクスル機構を介して前記走行機体の前後四輪のうち左右の前輪に伝達するとともに、左右一対の後輪用遊星歯車機構を介して左右の後輪に伝達するように構成した四輪駆動式の作業用車両であって、
    前記エンジンの動力で作動する可変型の旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の旋回操作時に前記各後輪用遊星歯車機構に互いに逆方向の回転力を付与するように伝達することにより、前記左右の後輪の回転速度に差をもたせるように構成する一方、
    前記走行用油圧駆動手段と前記フロントアクスル機構との間に前輪用遊星歯車機構を設け、前記旋回用油圧駆動手段から前記前輪用遊星歯車機構への動力伝達経路には、前記両前輪のかじ取り方向に応じて前記旋回用油圧駆動手段の出力を正逆回転及び中立の三段階に切替可能な動力切替機構と、この動力切替機構が中立状態のときに作動するブレーキ手段とを配設し、
    前記両前輪のかじ取り角に応じて調節した旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の前進旋回操作時に前記動力切替機構を介して前記前輪用遊星歯車機構に伝達することにより、前記両前輪の回転速度を連続的に増速させるように構成したことを特徴とする作業用車両。
  2. 走行機体に搭載したエンジンから変速機構を経由した動力を、フロントアクスル機構を介して前記走行機体の前後四輪のうち左右の前輪に伝達するとともに、左右一対の後輪用遊星歯車機構を介して左右の後輪に伝達するように構成した四輪駆動式の作業用車両であって、
    前記エンジンの動力で作動する旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の旋回操作時に前記各後輪用遊星歯車機構に互いに逆方向の回転力を付与するように伝達することにより、前記左右の後輪の回転速度に差をもたせるように構成する一方、
    前記変速機構と前記フロントアクスル機構との間に前輪用遊星歯車機構を設け、前記旋回用油圧駆動手段から前記前輪用遊星歯車機構への動力伝達経路には、前記両前輪のかじ取り方向に応じて前記旋回用油圧駆動手段の出力を正逆回転及び中立の三段階に切替可能な動力切替機構と、この動力切替機構が中立状態のときに作動するブレーキ手段とを配設し、
    前記両前輪のかじ取り角に応じて調節した旋回用油圧駆動手段の出力を、前記走行機体の前進旋回操作時に前記動力切替機構を介して前記前輪用遊星歯車機構に伝達することにより、前記両前輪の回転速度を連続的に増速させるように構成したことを特徴とする作業用車両。
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