JP3934431B2 - How to write on fabric - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布用マーキングペンとして、布に筆記された筆跡又は塗膜の耐滲み性、耐洗濯性が良好で、且つ、誤って付着したインキ組成物を洗濯によって完全に徐去することができる水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、布用マーキングペンなどに用いられる各種インキ組成物が公知となっている。例えば、特開平5−9424号公報では着色材、炭素数4以下の脂肪族アルコール、及び、ケトン樹脂・ロジン変性マレイン酸樹脂・ひまし油変性アルキド樹脂から選ばれる1種又は2種以上を混合した樹脂からなる油性インキ組成物が開示されている。また、特開平8−188735では、少なくとも顔料及び0℃以上の造膜温度若しくはガラス転移点を有する樹脂エマルションからなるインキ組成物が開示されている。また、特開平8−209052では、少なくとも顔料、及び、0℃以下の造膜温度若しくはガラス転移点を有してニトリル基、カルボキシル基、ビニル基などの官能基を含有するモノマーを共重合してなる樹脂粒子からなるエマルションを有するインキ組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
編物、織物又は不織布等の布に代表されるシート状物に筆記することを目的とした、従来公知の各種布用マーキングペンは、そのインキ組成物を用いて布に筆記した場合に筆跡が滲みやすく、耐洗濯性の観点で評価した場合には徐々に筆跡の色落ちが確認され、満足のいくものではない。特に油性インキ組成物の場合は含まれる溶剤の溶剤臭等の問題がある。よって、この滲み、耐洗濯性を改良する為に、特開平5−9424、特開平8−18873、特開平8−20952が提案されている。また、布用マーキングペンに用いられる従来公知のインキ組成物において、誤って付着したインキ組成物を、洗濯等の水洗によって除去することができる製品はない。
【0004】
本発明の目的は、布に筆記された筆跡又は塗膜の耐滲み性、耐洗濯性が良好で、且つ、誤って付着したインキ組成物を洗濯等の水洗によって完全に除去することができる水性インキ組成物を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者は、着色材と樹脂エマルションを含み、前記樹脂エマルションに含まれる樹脂のガラス転移点が20℃以上100℃以下であり、且つ、前記樹脂エマルションが前記着色材で着色された着色樹脂エマルションを構成している水性インキ組成物を採用した。上記の様な水性インキ組成物は、着色材が樹脂エマルションに含まれる樹脂に包含され、着色材による布地への浸透及び着色を防ぐことができる為、誤って付着した筆跡又は塗膜を完全に除去することができ、さらに筆跡又は塗膜を加熱することにより、耐洗濯性を発現することを見出し本発明に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
(樹脂エマルション)
本発明の樹脂エマルションとしては、樹脂エマルション中に含まれる樹脂のガラス転移点が20℃以上100℃以下であれば格別限定されるものではないが、55〜85℃であることが好ましく、60〜70℃であるのがより好ましい。樹脂エマルション中の樹脂のガラス転移点が20℃未満であるときは、室温下で樹脂が接着性を発現するため、洗濯による筆跡の除去性能が低下する。また、樹脂のガラス転移点が100℃以上である場合は、アイロンの様な簡単な加熱手段で樹脂が接着性を発現させることが困難となり、耐洗濯性が低下する。また、樹脂成分を加熱された水中で分散する方法で樹脂エマルションを簡易に製造することが好ましいのであるが、ガラス転移点が100℃を超える場合には、加圧等の特殊な装置が必要となり、通常の製造装置を用いて製造することができて温度コントロールが容易であることから前記ガラス転移点の範囲は上限が85℃であることが好ましく、前記ガラス転移点が60〜70℃であることがより好ましい。
【0007】
本発明の樹脂エマルションに含まれる樹脂としては、組成が格別限定されるものではないが、ポリエステル成分を含んでいることが好ましい。ポリエステル成分を含む筆跡又は塗膜は、ガラス転移点以上に加熱されると、布地へ強く定着する。これは、ガラス状になって強固に接着するためと考えられる為である。この様に、布地に強い定着性を示すものであれば、樹脂エマルションに含まれる樹脂は、部分的にポリエステル成分を含んでいるのであっても、全部がポリエステル成分で構成されているのであっても良い。前記樹脂が、ポリエステル成分を部分的に含む場合には、共重合体成分とポリエステル成分とで構成されていることが耐洗濯性の向上の為に好ましい。共重合体成分とポリエステル成分により構成された前記樹脂はグラフト重合体でもブロック重合体でも良く、特に限定されるものではない。共重合体成分は、スチレン等のビニルモノマー及び/又は(メタ)アクリルモノマーにより構成されたものであれば良い。前記ポリエステル成分としては、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等を挙げることができる。また、前記ポリエステルのポリオール成分としてはグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール等を挙げることができる。また、モノマー成分としては、スチレン、ビニルアルコール、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0008】
樹脂エマルションの含有量は特に制限されないが、例えば、インキ組成物全量に対して固形分で0.1〜40重量%が好適範囲である。樹脂エマルションの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で0.1重量%未満であると、加熱後の等跡又は塗膜の布地への接着性が低下する。一方、樹脂エマルションの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で40重量%を越えると、粘度の上昇により筆記特性が低下し、また、ベン先で目詰まりしやすくなる。樹脂エマルションの最適含有量は、インキ組成物全量に対して固形分で0.3〜30重量%である。
【0009】
(着色材)
本発明の着色材は、樹脂エマルションに含まれる樹脂に取り込まれ、又は結合されて、樹脂エマルション中で着色樹脂粒子を形成するものであればく特に限定されるものではないが、水不溶性のものであることが耐滲み性に優れる点で好ましい。例えば顔料、水不溶性染料を挙げることができる。具体的にはC.I.Disperse Yellow5、C.I.Disperse Yellow64、C.I.Disperse Yellow82、C.I.Disperse Yellow12、C.I.Disperse Orenge11、C.I.Disperse Orenge13、C.I.Disperse Orenge29、C.I.Disperse Orenge73、C.I.Disperse Red54、C.I.Disperse Red58、C.I.Disperse Red60、C.I.Disperse Red88、C.I.Disperse Red92、C.I.Disperse Red127、C.I.Disperse Blue7、C.I.Disperse Blue56、C.I.Disperse Blue60、C.I.Disperse Blue73、C.I.Disperse Blue81、C.I.Disperse Blue91、C.I.Direct Yellow12、C.I.Direct Yellow44、C.I.Direct Yellow85、C.I.Direct Yellow142、C.I.Direct Orange8、C.I.Direct Orange26、C.I.Direct Orange79、C.I.Direct Orange83、C.I.Direct Orange89、C.I.Direct Red4、C.I.Direct Red9、C.I.DirectRed23、C.I.Direct Red31、C.I.Direct Red81、C.I.Direct Blue22、C.I.Direct Blue71、C.I.Direct Blue78、C.I.Direct Blue86、C.I.Direct Blue89、C.I.Direct Blue90、C.I.Direct Green6、C.I.Direct Green59、C.I.Direct Green80、C.I.Direct Black22、C.I.Direct Black51、C.I.Solvent Yellow25、C.I.Solvent Yellow33、C.I.Solvent Yellow44、C.I.Solvent Yellow93、C.I.Solvent Yellow116、C.I.Solvent Red49、C.I.Solvent Red82、C.I.Solvent Red83、C.I.Solvent Red84、C.I.Solvent Red111、C.I.Solvent Red146、C.I.Solvent Blue5、C.I.Solvent Blue35、C.I.Solvent Blue83、C.I.Solvent Green3、C.I.Solvent Green7、C.I.Solvent Black22、C.I.Solvent Black42、C.I.Solvent Black43、C.I.Pigment Yellow1、C.I.Pigment Yellow147、C.I.Pigment Red53、C.I.Pigment Red57、C.I.Pigment Yellow249、C.I.Pigment Red250、C.I.Pigment Red251、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green36、C.I.Pigment Blue15、C.I.Pigment Black7等を例示することができる。これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。また、前記樹脂エマルションとの着色樹脂エマルションとして用いられることが好適である。
【0010】
本発明における着色材は、樹脂エマルションに含まれる樹脂固形分全量に対して0.01〜75重量%含まれていることが好ましい。着色材が樹脂エマルションに含まれている樹脂固形分全量に対して0.01重量%未満の場合は、着色力が十分でない。また、着色材が樹脂エマルションに含まれる樹脂固形分全量に対して75重量%を超えると、乳化重合等の方法による着色樹脂エマルションの調整の際に未反応の染料又は顔料が多くなり、耐洗濯性が低下する。着色材の最適配合量は樹脂固形分全量に対して0.1〜15重量%である。また、着色材は、粒径の小さいものが好ましく、平均粒子径が0.5μm以下であることが好適である。
【0011】
(着色樹脂エマルション)
本発明の着色樹脂エマルションは、前記樹脂エマルションと前記着色材により構成され、塗膜形成成分としての機能を持つものである。前記着色樹脂エマルションの平均粒子径は0.1〜1μmであることが好ましい。平均粒子径が0.1μmより小さい場合は、粒子が繊維内に入り込みやすくなるため、洗濯による除去性能が低下し、1μmを超える場合は、筆記具とした場合にペン先から流出しない。また、前記着色樹脂エマルションの製造方法については、特に限定されるものではなく、公知の製造方法を用いることがきる。例えば、溶解若しくは溶融した状態のポリエステル樹脂等の樹脂成分と着色材とを加熱混合し、さらに蒸留水を添加した後に加熱撹拌して分散し、溶媒を留去することにより前記着色樹脂エマルションを作ることができる。
【0012】
(その他の成分)
なお、本発明のインキ組成物では、湿潤剤として、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類をインキ組成物全量に対して0.5〜40重量%の範囲で添加しても良い。また、界面活性剤、防腐防黴剤などのインキ組成物に用いられる公知の成分を適宜添加することができる。
【0013】
(製造方法)
本発明の水性インキ組成物の製造方法は、格別限定されるものではないが、例えば次の方法によって製造することが好ましい。まず、プロペラ羽根のついたオートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分を仕込み、180〜220℃で2時間撹拌する。その後240℃まで昇温させ、ゆっくり減圧して20分後に10mmHgとして、2時間撹拌することによりポリエステル樹脂を得る。この得られたポリエステル樹脂を用いて、ポリエステル樹脂が40重量%、メチルエチルケトンが30重量%、テトラヒドロフランが20重量%、着色材C.I.Solvent Black22が10重量%である比率の原料をプロペラ羽根のついた4つ口セパラブルフラスコに仕込み、80℃で30分間撹拌する。次いで、前記原料対蒸留水が重量比で7:3となるように80℃の蒸留水を加えて1時間撹拌する。その後、97℃で水以外の溶剤を蒸発させることにより、着色されたポリエステル水分散体である着色樹脂エマルションを得る。この着色樹脂エマルションに必要に応じて、防腐防黴剤、湿潤剤を添加し、目的の水性インキ組成物を得ることができる。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用することができる。
【0014】
また、次の方法によっても製造することができる。ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどの界面活性剤と過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの開始剤をイオン交換水に溶解する。これを4ツロフラスコ等に仕込み、マレイン酸、テレフタル酸等の酸成分と、グリセリン、エチレングリコール等のポリオール成分を滴下し、80℃で3時間攪拌し、目的のポリエステル樹脂エマルションを得る。ここで、ポリエステル成分を含む共重合体を得る場合は、更に開始剤を添加した後、メタクリル酸メチル等のモノマーを滴下し、2時間撹拌し、目的の樹脂エマルションを得る。この様にして得た樹脂エマルションに、水不溶性染料、又は顔料を水に分散させた分散体を滴下し、2時間撹拌し、目的の着色樹脂エマルションを得る。この着色樹脂エマルションに、必要に応じて、防腐防黴剤、湿潤剤を添加し、目的の水性インキ組成物を得る。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用することができる。
【0015】
【実施例】
(ポリエステル樹脂Iの製造例)
プロペラ羽根のついたオートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分をテレフタル酸ジメチルエステル15重量%、イソフタル酸ジメチルエステル15重量%、イソフタル酸7重量%、1,2−プロピレングリコール30重量%、ジエチレングリコール33重量%の比率で仕込み、180〜220℃で2時間撹拌した。その後240℃まで昇温し、ゆっくり減圧して20分後に10mmHgとして、2時間撹拌することによりガラス転移点64℃であるポリエステル樹脂Iを得た。
(ポリエステル樹脂IIの製造例)
プロペラ羽根のついたオートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分をテレフタル酸ジメチルエステル30重量%、イソフタル酸ジメチルエステル10重量%、エチレングリコール9重量%、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(平均分子量350)51重量%の比率で仕込み、触媒量のテトラブトキシチタネートを加えて150〜220℃で3時間撹拌した。その後240℃まで昇温し、ゆっくり減圧して30分後に10mmHgとして2時間撹拌し、更に減圧を解除したに後に200℃に保持しながら上記酸成分及びアルコール成分の合計量に対して1重量%の無水トリメリット酸を加えて1時間撹拌することによりガラス転移点71℃であるポリエステル樹脂IIを得た。
(ポリエステル樹脂IIIの製造例)
プロペラ羽根のついたオートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分をシクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル54.1重量%、5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル1.7重量%、プロピレングリコール44.2重量%の比率で仕込み、触媒量のテトラブトキシチタネートを加えて150〜220℃で3時間撹拌した。その後240℃まで昇温し、ゆっくり減圧して30分後に10mmHgとして2時間撹拌し2時間撹拌することによりガラス転移点55℃であるポリエステル樹脂IIIを得た。
(ポリエステル樹脂IVの製造例)
プロペラ羽根のついたオートクレーブに原料である酸成分及びアルコール成分をシクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル36重量%、フマル酸ジメチルエステル13重量%、1,4−ブタンジオール51重量%の比率で仕込み、触媒量のテトラブトキシチタネートを加えて150〜220℃で3時間撹拌した。その後240℃まで昇温し、ゆっくり減圧して30分後に10mmHgとして2時間撹拌し、更に減圧を解除したに後に200℃に保持しながら上記酸成分及びアルコール成分の合計量に対して1重量%の無水トリメリット酸を加えて1時間撹拌することによりガラス転移点32℃であるポリエステル樹脂IVを得た。
(ポリエステル樹脂Vの製造例)
1,4−ブタンジオールの一部を1,6−ヘキサンジオールに替え、ポリエステル樹脂IVの製造例と同様の方法でガラス転移点22℃であるポリエステル樹脂Vを得た。
(着色樹脂エマルションI〜Vの製造例)
上記製造例により得られたポリエステル樹脂I〜Vを用い、各ポリエステル樹脂について、ポリエステル樹脂が40重量%、メチルエチルケトンが30重量%、テトラヒドロフランが20重量%、着色材C.I.Solvent Black22が10重量%である比率の原料をプロペラ羽根のついた4つ口セパラブルフラスコに仕込み、80℃で30分間撹拌した。次いで、前記原料対蒸留水が重量比で7:3となるように80℃の蒸留水を加えて1時間撹拌した。その後、97℃で水以外の溶剤を蒸発させることにより、着色されたポリエステル水分散体を得て、それぞれ着色樹脂エマルションI〜Vとした。
(着色樹脂エマルションVIの製造例)
原料の比率をポリエステル樹脂IVが40重量%、メチルエチルケトンが35重量%、テトラヒドロフランが23.5重量%、着色材C.I.Solvent Black22が1.5重量%としたこと以外は、着色樹脂エマルションI〜Vと同様の方法で、着色樹脂エマルションVIを得た。
【0016】
(実施例1〜6)
表1に示す組成及び配合量で、前記の製造例により得られた着色樹脂エマルションに湿潤剤、防腐剤を添加し、実施例1〜6のインキ組成物を得た。尚、表1における配合量は重量部で示されている。
【0017】
(比較例1及び2)
表1に示す組成及び配合量で、前記の製造方法により得られた着色樹脂エマルションに湿潤剤、防腐剤を添加し、比較例1の水性インキ組成物、比較例2の油性インキ組成物を得た。尚、表1における配合量は重量部で示されている。
【0018】
【表1】

Figure 0003934431
【0019】
【表2】
Figure 0003934431
【0020】
表1中、各原料組成は下記の通りである。
(着色材)
I 黒色顔料:C.I.Pigment Black 7
II 水溶性黒色染料:C.I.Solvent Black 29
(樹脂)
I アルキルフェノール樹脂:商品名「タマノル510」、荒川化学社製、軟化点:75〜95℃
II スチレンーアクリル共重合体:商品名「ジョンクリル390」、ジョンソンポリマー社製、ガラス転移点:2℃
(湿潤剤)
I グリセリン:試薬
II エチレングリコール:試薬
(防腐剤)
2-ベンゾイソチアゾリン−3−オン:商品名「プロクセルXL−2」、ヘ
キスト合成株式会社製
(溶剤)
I イオン交換水
II プロピレングリコールモノメチルエーテル:商品名「ダウアノールPM」、ダウケミカル社製
【0021】
(試験サンプルの作製)
表1に示した各実施例及び比較例のインキ組成物を、それぞれポリエステル製のベン先を一端に連設したインキ吸蔵体に含ませ、このインキ収容部を装填した各試験サンプルのマーキングペンを作製した。
【0022】
(評価試験)
次に、これらのマーキングペンを用いて、下記の耐滲み性試験、耐洗濯性試験、除去性試験を行った。これらの評価結果は表2に示した。
(耐滲み性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのマーキングペンを用いて、綿プロードの布地に筆記した後、筆跡の滲みの状態を目視で観察し、以下の評価基準により評価した。
○:筆跡の周囲に滲みが発生している。
×:筆跡の周囲に滲みが発生していない。
(除去性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのマーキングペンを用いて、綿ブロードの布地に筆記した後、自然乾燥させた。この様にして得られたサンプルを1時間放置した後、市販されている粉末洗剤を所定量入れた洗濯機で15分間洗濯する。これらのサンプルを乾燥後、目視により筆跡の残存状態を洗濯前のサンプルと比較し、以下の評価基準により評価した。
5:色落ちが認められない。
4:若干の色落ちが認められる。
3:色薄に感じる程度の色落ちが発生している。
2:筆跡が僅かに認められる程度の色落ちが発生している。
1:筆跡が視認できないほど色落ちが発生している。
上記の評価基準に基づき、評価1及び2について洗濯による除去性が良好であり、評価3〜5について実用的でないと判断した。
(耐洗濯性試験)
実施例及び比較例に係る試験サンプルのマーキングペンを用いて、綿ブロードの布地に筆記した後、アイロンで30秒間、筆跡を加圧、加熱する。この様にして得られたサンプルを1時間放置した後、市販されている粉末洗剤を所定量入れた洗濯機で15分間洗濯する。これらのサンプルを乾燥後、目視により筆跡の残存状態を洗濯前のサンプルと比較し、以下の評価基準により評価した。
5:色落ちが認められない。
4:若干の色落ちが認められる。
3:色薄に感じる程度の色落ちが発生している。
2:筆跡が僅かに認められる程度の色落ちが発生している。
1:筆跡が視認できないほど色落ちが発生しているも
上記の評価基準に基づき、評価5について耐洗濯性が良好であり、評価1〜4について実用的でないと判断した。
【0023】
表2より、実施例1〜6及び比較例1の水性インキ組成物では、筆跡の滲みは認められなかった。一方、比較例2の油性インキ組成物では筆跡の周りに著しい滲みが認められた。
【0024】
表2より、実施例1〜6の水性インキ組成物では、洗濯性試験において、アイロン前の筆跡は洗濯により完全に筆跡を除去することができるのに対し、アイロン後の筆跡は洗濯による色落ちがほとんど認められない。―方、比較例1及び2に係るインキ組成物では、洗濯性試験において、アイロン前の筆跡を洗濯により完全に除去することができなかった。
【0025】
【発明の効果】
少なくとも樹脂エマルションと着色材を含む水性インキ組成物において、前記樹脂エマルションは前記着色材で着色された着色樹脂エマルションを構成しているので、このようなインキ組成物を用いて布に筆記した筆跡の耐滲み性と洗濯による除去性能を飛躍的に向上させることができる。また、前記樹脂エマルションに含まれる樹脂のガラス転移点が20℃以上100℃以下であるので、このようなインキ組成物を用いて布に筆記した筆跡は、室温下では洗濯により完全に除去することができるが、アイロン等の手段で加熱されることにより筆跡が布地に接着され、耐洗濯性を発現する。また、前記着色材は、水不溶性染料または顔料であるので、さらに耐洗濯性を優れたものとすることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
As a marking pen for cloth, the present invention has good bleed resistance and washing resistance of the handwriting or coating film written on the cloth, and it is possible to completely remove the ink composition adhering accidentally by washing. It is related with the water-based ink composition which can be performed.
[0002]
[Prior art]
Currently, various ink compositions used for cloth marking pens and the like are known. For example, in JP-A-5-9424, a colorant, an aliphatic alcohol having 4 or less carbon atoms, and a resin in which one or more selected from a ketone resin, a rosin-modified maleic acid resin, and a castor oil-modified alkyd resin are mixed. An oil-based ink composition is disclosed. JP-A-8-188735 discloses an ink composition comprising at least a pigment and a resin emulsion having a film forming temperature or glass transition point of 0 ° C. or higher. In JP-A-8-209052, copolymerization is carried out with at least a pigment and a monomer having a film forming temperature of 0 ° C. or lower or a glass transition point and containing a functional group such as a nitrile group, a carboxyl group, or a vinyl group. An ink composition having an emulsion composed of resin particles is disclosed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally known various marking pens for fabrics intended to be written on sheet-like materials such as knitted fabrics, woven fabrics or non-woven fabrics, the handwriting bleeds when written on the fabric using the ink composition When evaluated from the viewpoint of washing resistance, the discoloration of the handwriting is gradually confirmed, which is not satisfactory. In particular, in the case of an oil-based ink composition, there is a problem such as a solvent odor of a solvent contained therein. Therefore, in order to improve the bleeding and washing resistance, JP-A-5-9424, JP-A-8-18873, and JP-A-8-20952 have been proposed. Moreover, in the conventionally well-known ink composition used for the marking pen for cloth, there is no product which can remove the ink composition which adhered accidentally by water washing, such as washing.
[0004]
An object of the present invention is a water-based ink which has good blotting resistance and washing resistance of a handwriting or coating film written on a cloth, and can completely remove an ink composition adhering accidentally by washing with water such as washing. An ink composition is provided.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventor has a coloring material and a resin emulsion, the glass transition point of the resin contained in the resin emulsion is 20 ° C. or more and 100 ° C. or less, and the resin A water-based ink composition constituting a colored resin emulsion in which the emulsion was colored with the colorant was employed. In the water-based ink composition as described above, the coloring material is included in the resin contained in the resin emulsion, and can prevent the coloring material from penetrating into the fabric and coloring. It was found that washing resistance was expressed by heating the handwriting or the coating film, and the present invention was achieved.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Resin emulsion)
The resin emulsion of the present invention is not particularly limited as long as the glass transition point of the resin contained in the resin emulsion is 20 ° C. or higher and 100 ° C. or lower, but is preferably 55 to 85 ° C., preferably 60 to More preferably, it is 70 degreeC. When the glass transition point of the resin in the resin emulsion is less than 20 ° C., the resin exhibits adhesiveness at room temperature, so that the handwriting removal performance by washing is lowered. Moreover, when the glass transition point of resin is 100 degreeC or more, it becomes difficult for resin to express adhesiveness by simple heating means like an iron, and washing resistance falls. In addition, it is preferable to easily produce a resin emulsion by a method of dispersing a resin component in heated water. However, when the glass transition point exceeds 100 ° C., special equipment such as pressurization is required. The upper limit of the range of the glass transition point is preferably 85 ° C. and the glass transition point is 60 to 70 ° C. because the temperature can be easily controlled using a normal manufacturing apparatus. It is more preferable.
[0007]
The resin contained in the resin emulsion of the present invention is not particularly limited in composition, but preferably contains a polyester component. When a handwriting or a coating film containing a polyester component is heated to a temperature higher than the glass transition point, it is strongly fixed to the fabric. This is because it is considered to be glassy and firmly bonded. As described above, if the resin has a strong fixability, the resin contained in the resin emulsion is composed entirely of the polyester component even if it partially contains the polyester component. Also good. In the case where the resin partially includes a polyester component, it is preferable that the resin is composed of a copolymer component and a polyester component for improving the washing resistance. The resin composed of the copolymer component and the polyester component may be a graft polymer or a block polymer, and is not particularly limited. The copolymer component should just be comprised by vinyl monomers and / or (meth) acryl monomers, such as styrene. Examples of the polyester component include phthalic acid, terephthalic acid, maleic acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, and fumaric acid. Examples of the polyol component of the polyester include glycerin, ethylene glycol, propylene glycol, and 1,3-butanediol. Examples of the monomer component include styrene, vinyl alcohol, methyl acrylate, methyl methacrylate, acrylonitrile and the like. These 1 type (s) or 2 or more types can be mixed and used.
[0008]
Although the content of the resin emulsion is not particularly limited, for example, the preferred range is 0.1 to 40% by weight in solid content with respect to the total amount of the ink composition. When the content of the resin emulsion is less than 0.1% by weight in terms of solid content with respect to the total amount of the ink composition, the after-heating trace or the adhesion of the coating film to the fabric is lowered. On the other hand, if the content of the resin emulsion exceeds 40% by weight in terms of solid content with respect to the total amount of the ink composition, the writing characteristics are lowered due to the increase in viscosity, and clogging is likely to occur at the tip of the bend. The optimum content of the resin emulsion is 0.3 to 30% by weight in solid content with respect to the total amount of the ink composition.
[0009]
(Coloring material)
The colorant of the present invention is not particularly limited as long as it is incorporated in or bonded to the resin contained in the resin emulsion to form colored resin particles in the resin emulsion, but is not water-insoluble. It is preferable in that it has excellent bleeding resistance. Examples thereof include pigments and water-insoluble dyes. Specifically, C.I. I. Disperse Yellow 5, C.I. I. Disperse Yellow 64, C.I. I. Disperse Yellow82, C.I. I. Disperse Yellow 12, C.I. I. Disperse Orange 11, C.I. I. Disperse Orange 13, C.I. I. Disperse Orange 29, C.I. I. Disperse Orange 73, C.I. I. Disperse Red 54, C.I. I. Disperse Red 58, C.I. I. Disperse Red 60, C.I. I. Disperse Red 88, C.I. I. Disperse Red92, C.I. I. Disperse Red127, C.I. I. Disperse Blue 7, C.I. I. Disperse Blue 56, C.I. I. Disperse Blue 60, C.I. I. Disperse Blue 73, C.I. I. Disperse Blue 81, C.I. I. Disperse Blue 91, C.I. I. Direct Yellow 12, C.I. I. Direct Yellow 44, C.I. I. Direct Yellow 85, C.I. I. Direct Yellow 142, C.I. I. Direct Orange 8, C.I. I. Direct Orange 26, C.I. I. Direct Orange 79, C.I. I. Direct Orange 83, C.I. I. Direct Orange 89, C.I. I. Direct Red 4, C.I. I. Direct Red 9, C.I. I. DirectRed 23, C.I. I. Direct Red 31, C.I. I. Direct Red 81, C.I. I. Direct Blue 22, C.I. I. Direct Blue 71, C.I. I. Direct Blue 78, C.I. I. Direct Blue 86, C.I. I. Direct Blue 89, C.I. I. Direct Blue 90, C.I. I. Direct Green 6, C.I. I. Direct Green 59, C.I. I. Direct Green 80, C.I. I. Direct Black 22, C.I. I. Direct Black 51, C.I. I. Solvent Yellow 25, C.I. I. Solvent Yellow33, C.I. I. Solvent Yellow 44, C.I. I. Solvent Yellow 93, C.I. I. Solvent Yellow 116, C.I. I. Solvent Red 49, C.I. I. Solvent Red 82, C.I. I. Solvent Red 83, C.I. I. Solvent Red84, C.I. I. Solvent Red111, C.I. I. Solvent Red146, C.I. I. Solvent Blue 5, C.I. I. Solvent Blue 35, C.I. I. Solvent Blue 83, C.I. I. Solvent Green 3, C.I. I. Solvent Green 7, C.I. I. Solvent Black 22, C.I. I. Solvent Black 42, C.I. I. Solvent Black 43, C.I. I. Pigment Yellow1, C.I. I. Pigment Yellow 147, C.I. I. Pigment Red 53, C.I. I. Pigment Red 57, C.I. I. Pigment Yellow 249, C.I. I. Pigment Red 250, C.I. I. Pigment Red251, C.I. I. Pigment Green 7, C.I. I. Pigment Green 36, C.I. I. Pigment Blue 15, C.I. I. Pigment Black7 etc. can be illustrated. These 1 type (s) or 2 or more types can be mixed and used. Moreover, it is suitable to be used as a colored resin emulsion with the resin emulsion.
[0010]
The colorant in the present invention is preferably contained in an amount of 0.01 to 75% by weight based on the total amount of resin solids contained in the resin emulsion. When the colorant is less than 0.01% by weight with respect to the total amount of resin solids contained in the resin emulsion, the coloring power is not sufficient. In addition, when the colorant exceeds 75% by weight with respect to the total amount of resin solids contained in the resin emulsion, unreacted dyes or pigments increase in the preparation of the colored resin emulsion by a method such as emulsion polymerization. Sex is reduced. The optimum blending amount of the coloring material is 0.1 to 15% by weight with respect to the total amount of the resin solid content. Further, the colorant preferably has a small particle diameter, and the average particle diameter is preferably 0.5 μm or less.
[0011]
(Colored resin emulsion)
The colored resin emulsion of the present invention is composed of the resin emulsion and the colorant, and has a function as a coating film forming component. The average particle size of the colored resin emulsion is preferably 0.1 to 1 μm. When the average particle diameter is smaller than 0.1 μm, the particles easily enter the fiber, so that the removal performance by washing is lowered. When the average particle diameter exceeds 1 μm, the writing tool does not flow out from the pen tip. Moreover, it does not specifically limit about the manufacturing method of the said colored resin emulsion, A well-known manufacturing method can be used. For example, a resin component such as a polyester resin in a dissolved or melted state and a colorant are heated and mixed, and after adding distilled water, the mixture is heated and stirred to disperse, and the solvent is distilled off to make the colored resin emulsion. be able to.
[0012]
(Other ingredients)
In the ink composition of the present invention, glycols such as glycerin, ethylene glycol and diethylene glycol may be added as a wetting agent in the range of 0.5 to 40% by weight based on the total amount of the ink composition. Moreover, well-known components used for ink compositions, such as surfactant and antiseptic / antifungal agent, can be added suitably.
[0013]
(Production method)
Although the manufacturing method of the water-based ink composition of this invention is not exceptionally limited, For example, it is preferable to manufacture by the following method. First, an acid component and an alcohol component as raw materials are charged into an autoclave equipped with propeller blades and stirred at 180 to 220 ° C. for 2 hours. Thereafter, the temperature is raised to 240 ° C., the pressure is slowly reduced, and 20 minutes later, 10 mmHg is obtained, and the mixture is stirred for 2 hours to obtain a polyester resin. Using the obtained polyester resin, the polyester resin was 40% by weight, methyl ethyl ketone was 30% by weight, tetrahydrofuran was 20% by weight, and the colorant C.I. I. A raw material in a ratio of 10% by weight of Solvent Black 22 is charged into a four-necked separable flask equipped with a propeller blade and stirred at 80 ° C. for 30 minutes. Then, distilled water at 80 ° C. is added and stirred for 1 hour so that the weight ratio of the raw material to distilled water is 7: 3. Thereafter, a solvent other than water is evaporated at 97 ° C. to obtain a colored resin emulsion which is a colored polyester aqueous dispersion. If necessary, an antiseptic / antifungal agent and a wetting agent can be added to the colored resin emulsion to obtain a desired aqueous ink composition. In this preparation, a conventionally known dispersion method, defoaming method, filtration method and the like can be employed.
[0014]
It can also be produced by the following method. A surfactant such as sodium dodecylbenzenesulfonate and an initiator such as potassium persulfate and ammonium persulfate are dissolved in ion-exchanged water. This is charged into a 4-throttle flask or the like, and an acid component such as maleic acid or terephthalic acid and a polyol component such as glycerin or ethylene glycol are added dropwise and stirred at 80 ° C. for 3 hours to obtain the desired polyester resin emulsion. Here, when a copolymer containing a polyester component is obtained, an initiator is further added, and then a monomer such as methyl methacrylate is added dropwise and stirred for 2 hours to obtain a desired resin emulsion. A dispersion in which a water-insoluble dye or pigment is dispersed in water is added dropwise to the resin emulsion thus obtained, and stirred for 2 hours to obtain the desired colored resin emulsion. If necessary, an antiseptic / antifungal agent and a wetting agent are added to the colored resin emulsion to obtain a desired aqueous ink composition. In this preparation, a conventionally known dispersion method, defoaming method, filtration method and the like can be employed.
[0015]
【Example】
(Production example of polyester resin I)
Autoclave with propeller blades and raw acid component and alcohol component: terephthalic acid dimethyl ester 15% by weight, isophthalic acid dimethyl ester 15% by weight, isophthalic acid 7% by weight, 1,2-propylene glycol 30% by weight, diethylene glycol 33 The mixture was charged at a ratio of% by weight and stirred at 180 to 220 ° C. for 2 hours. Thereafter, the temperature was raised to 240 ° C., the pressure was slowly reduced, and 20 minutes later, 10 mmHg was obtained, followed by stirring for 2 hours to obtain a polyester resin I having a glass transition point of 64 ° C.
(Production example of polyester resin II)
Autoclave with propeller blades The raw acid component and alcohol component are 30% by weight dimethyl terephthalate, 10% by weight dimethyl phthalate, 9% by weight ethylene glycol, ethylene oxide adduct of bisphenol A (average molecular weight 350) The mixture was charged at a ratio of 51 wt%, a catalytic amount of tetrabutoxy titanate was added, and the mixture was stirred at 150 to 220 ° C. for 3 hours. Thereafter, the temperature was raised to 240 ° C., the pressure was slowly reduced, and after 30 minutes, the mixture was stirred at 10 mmHg for 2 hours. Further, after releasing the reduced pressure, the mixture was held at 200 ° C. Trimellitic anhydride was added and stirred for 1 hour to obtain a polyester resin II having a glass transition point of 71 ° C.
(Production example of polyester resin III)
In the autoclave with propeller blades, the raw acid component and the alcohol component were mixed in a ratio of 54.1% by weight of cyclohexanedicarboxylic acid dimethyl ester, 1.7% by weight of 5 sodium sulfoisophthalic acid dimethyl ester and 44.2% by weight of propylene glycol. First, a catalytic amount of tetrabutoxy titanate was added and stirred at 150 to 220 ° C. for 3 hours. Thereafter, the temperature was raised to 240 ° C., the pressure was slowly reduced, and 30 minutes later, 10 mmHg was stirred for 2 hours, followed by stirring for 2 hours to obtain polyester resin III having a glass transition point of 55 ° C.
(Production example of polyester resin IV)
An autoclave equipped with propeller blades was charged with the raw acid and alcohol components in a ratio of 36% by weight of cyclohexanedicarboxylic acid dimethyl ester, 13% by weight of fumaric acid dimethyl ester, and 51% by weight of 1,4-butanediol. Tetrabutoxy titanate was added and stirred at 150-220 ° C. for 3 hours. Thereafter, the temperature was raised to 240 ° C., the pressure was slowly reduced, and after 30 minutes, the mixture was stirred at 10 mmHg for 2 hours. Further, after releasing the reduced pressure, the mixture was held at 200 ° C. Was added and stirred for 1 hour to obtain a polyester resin IV having a glass transition point of 32 ° C.
(Production example of polyester resin V)
Part of 1,4-butanediol was replaced with 1,6-hexanediol, and polyester resin V having a glass transition point of 22 ° C. was obtained in the same manner as in the production example of polyester resin IV.
(Production example of colored resin emulsions I to V)
Using each of the polyester resins I to V obtained by the above production examples, for each polyester resin, the polyester resin is 40% by weight, methyl ethyl ketone is 30% by weight, tetrahydrofuran is 20% by weight, and the colorant C.I. I. A raw material having a ratio of Solvent Black 22 of 10% by weight was charged into a four-necked separable flask equipped with a propeller blade and stirred at 80 ° C. for 30 minutes. Next, distilled water at 80 ° C. was added and stirred for 1 hour so that the weight ratio of the raw material to distilled water was 7: 3. Thereafter, a solvent other than water was evaporated at 97 ° C. to obtain colored polyester water dispersions, which were colored resin emulsions I to V, respectively.
(Production example of colored resin emulsion VI)
Polyester resin IV is 40% by weight, methyl ethyl ketone is 35% by weight, tetrahydrofuran is 23.5% by weight, and coloring material C.I. I. A colored resin emulsion VI was obtained in the same manner as the colored resin emulsions I to V except that Solvent Black 22 was 1.5% by weight.
[0016]
(Examples 1-6)
Wetting agents and preservatives were added to the colored resin emulsions obtained in the above production examples with the compositions and blending amounts shown in Table 1, and ink compositions of Examples 1 to 6 were obtained. In addition, the compounding quantity in Table 1 is shown by the weight part.
[0017]
(Comparative Examples 1 and 2)
Wetting agents and preservatives were added to the colored resin emulsion obtained by the above production method with the compositions and blending amounts shown in Table 1 to obtain the aqueous ink composition of Comparative Example 1 and the oily ink composition of Comparative Example 2. It was. In addition, the compounding quantity in Table 1 is shown by the weight part.
[0018]
[Table 1]
Figure 0003934431
[0019]
[Table 2]
Figure 0003934431
[0020]
In Table 1, each raw material composition is as follows.
(Coloring material)
I Black pigment: C.I. I. Pigment Black 7
II Water-soluble black dye: CISolvent Black 29
(resin)
I Alkylphenol resin: Trade name “Tamanol 510”, manufactured by Arakawa Chemical Co., Ltd., softening point: 75 to 95 ° C.
II Styrene-acrylic copolymer: Trade name “Johncrill 390”, manufactured by Johnson Polymer Co., Ltd., glass transition point: 2 ° C.
(Wetting agent)
I Glycerin: Reagent
II Ethylene glycol: Reagent
(Preservative)
2-Benzoisothiazolin-3-one: trade name “Proxel XL-2”, manufactured by Hoechst Chemical Co., Ltd.
(solvent)
I Ion exchange water
II Propylene glycol monomethyl ether: Trade name “Dowanol PM”, manufactured by Dow Chemical Co., Ltd.
(Preparation of test sample)
The ink compositions of the examples and comparative examples shown in Table 1 were each contained in an ink occlusion body in which a polyester bend point was continuously provided at one end, and the marking pens of the respective test samples loaded with the ink containing portions were used. Produced.
[0022]
(Evaluation test)
Next, using these marking pens, the following bleed resistance test, wash resistance test, and removability test were performed. These evaluation results are shown in Table 2.
(Bleed resistance test)
Using the marking pen of the test sample according to the example and the comparative example, after writing on a cotton broad cloth, the state of bleeding of the handwriting was visually observed and evaluated according to the following evaluation criteria.
○: Bleeding occurs around the handwriting.
X: No bleeding occurs around the handwriting.
(Removability test)
Using the marking pen of the test sample according to the example and the comparative example, after writing on a cotton broad cloth, it was naturally dried. The sample thus obtained is allowed to stand for 1 hour and then washed for 15 minutes in a washing machine containing a predetermined amount of commercially available powder detergent. After these samples were dried, the remaining state of the handwriting was visually compared with the sample before washing and evaluated according to the following evaluation criteria.
5: No color fading is observed.
4: Some color fading is observed.
3: The color fading to the extent that it feels faint has occurred.
2: The color fading to such an extent that handwriting is slightly recognized has occurred.
1: The color fading has occurred so that the handwriting cannot be visually recognized.
Based on the above evaluation criteria, the removability by washing was good for the evaluations 1 and 2, and it was determined that the evaluations 3 to 5 were not practical.
(Washing resistance test)
After writing on a cotton broad cloth using the marking pen of the test sample according to the example and the comparative example, the handwriting is pressed and heated with an iron for 30 seconds. The sample thus obtained is allowed to stand for 1 hour and then washed for 15 minutes in a washing machine containing a predetermined amount of commercially available powder detergent. After these samples were dried, the remaining state of the handwriting was visually compared with the sample before washing and evaluated according to the following evaluation criteria.
5: No color fading is observed.
4: Some color fading is observed.
3: The color fading to the extent that it feels faint has occurred.
2: The color fading to such an extent that handwriting is slightly recognized has occurred.
1: Although the color fading has occurred to the extent that the handwriting cannot be visually recognized, based on the above evaluation criteria, it was determined that the wash resistance was good for evaluation 5 and that it was not practical for evaluations 1-4.
[0023]
From Table 2, in the water-based ink compositions of Examples 1 to 6 and Comparative Example 1, no blur of handwriting was observed. On the other hand, in the oil-based ink composition of Comparative Example 2, significant bleeding was observed around the handwriting.
[0024]
From Table 2, in the water-based ink compositions of Examples 1 to 6, in the washability test, the handwriting before ironing can be completely removed by washing, whereas the handwriting after ironing is discolored by washing. Is hardly recognized. -On the other hand, in the ink composition according to Comparative Examples 1 and 2, in the washability test, the handwriting before ironing could not be completely removed by washing.
[0025]
【The invention's effect】
In a water-based ink composition containing at least a resin emulsion and a colorant, the resin emulsion constitutes a colored resin emulsion colored with the colorant, so that the handwriting written on the cloth using such an ink composition is used. The bleeding resistance and the removal performance by washing can be dramatically improved. In addition, since the glass transition point of the resin contained in the resin emulsion is 20 ° C. or more and 100 ° C. or less, the handwriting written on the cloth using such an ink composition should be completely removed by washing at room temperature. However, when it is heated by means of an iron or the like, the handwriting is adhered to the fabric, and washing resistance is exhibited. In addition, since the colorant is a water-insoluble dye or pigment, the colorant can be further improved in washing resistance.

Claims (5)

着色材と樹脂エマルションを含み、
前記樹脂エマルションに含まれる樹脂が、ポリエステルであり、
前記樹脂エマルションのガラス転移点が20℃以上100℃以下であり、
前記樹脂エマルションは前記着色材で着色された着色樹脂エマルションである水性インキ組成物を含む布用マーキングペンを用いて布地に筆記し、
次いで、前記布地の筆跡を加圧及び加熱する、布地への筆記方法
Including colorants and resin emulsions,
The resin contained in the resin emulsion is polyester,
The glass transition point of the resin emulsion is 20 ° C. or higher and 100 ° C. or lower,
The resin emulsion is written on the fabric using a cloth marking pen containing a water-based ink composition that is a colored resin emulsion colored with the colorant ,
Next, a method of writing on the fabric, wherein the handwriting of the fabric is pressurized and heated .
前記布地の前記筆跡への加圧及び加熱が、アイロンによって行われる請求項1記載の布地への筆記方法 The method for writing on a fabric according to claim 1, wherein the pressure and heating of the handwriting of the fabric are performed by an iron . 前記アイロンでの加圧及び加熱が、30秒以上である請求項2記載の布地への筆記方法 The method of writing on a fabric according to claim 2, wherein the pressing and heating with the iron is 30 seconds or more . 前記着色材が、水不溶性染料または顔料である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の布地への筆記方法The method for writing on a fabric according to any one of claims 1 to 3, wherein the colorant is a water-insoluble dye or pigment. 前記着色材は前記着色樹脂エマルション中の樹脂固形分全量に対して0.01〜75重量%含まれている請求項1乃至4のいずれかの項に記載の布地への筆記方法The method for writing on a fabric according to any one of claims 1 to 4, wherein the colorant is contained in an amount of 0.01 to 75% by weight based on the total amount of resin solids in the colored resin emulsion.
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