JP3938329B2 - Aqueous pigment dispersion, method for producing the same, and aqueous ink composition - Google Patents

Aqueous pigment dispersion, method for producing the same, and aqueous ink composition Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料分散体の製造方法に関する。本発明の製造方法により得られる水性顔料分散体は各種用途の水性インキ組成物に適用できる。特にサインペン、ボールペン、フェルトペン、筆ペン等の筆記具用水性インキ組成物として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水中に顔料を分散させた水性顔料分散体を用いた水性インキでは、水性顔料分散体における顔料分散剤として、カルボキシル基を有する樹脂のアルカリ塩が用いられている。しかし、前記カルボキシル基を有する樹脂は、アルカリ塩化の際、溶解性が悪く白濁しやすい。かかる白濁した顔料分散剤は、顔料との濡れが悪く、水性顔料分散体中において顔料との混合が不十分であった。また混合後の脱泡工程における泡切れが悪く、脱泡に長時間を要する。
【0003】
また筆記具用の水性インキでは筆跡に対する耐水性、耐アルカリ性を発現させるために、顔料分散剤をアルカリ可溶化させるアルカリ物質として、アンモニア等の揮発性アルカリ物質が一般に用いられている。
【0004】
一方、キャップオフ性の点から、顔料分散剤としてカルボキシル基を有する樹脂の難揮発性アルカリ塩を用いた水性顔料分散体を含有する水性インキが知られている。しかし、当該水性インキは耐水性、耐アルカリ性が十分であるとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、顔料との濡れがよく、水性顔料分散体中において顔料との混合性の良好な水性顔料分散体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、難揮発性アルカリ塩を用いた場合にも、耐水性、耐アルカリ性に優れた水性インキ組成物を提供しうる水性顔料分散体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、以下に示す水性顔料分散体の製造方法により、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、カルボキシル基含有化合物を、溶解度パラメーター7.5〜11の水溶性有機溶剤に溶解した後、難揮発性アルカリ物質により前記カルボキシル基含有化合物のカルボキシル基を難揮発性アルカリ塩にした顔料分散剤を用いて、水中に顔料を分散させることを特徴とする前記水性顔料分散体の製造方法、に関する。
【0010】
上記本発明の製造方法により得られる水性顔料分散体は、カルボキシル基含有化合物を、水溶性有機溶剤に溶解した後に、難揮発性アルカリ物質によりアルカリ塩化することができる。そのため、低酸価のカルボキシル基含有化合物であっても、顔料との混合性の良好な顔料分散剤により水性顔料分散体を効率よく製造できる。また、前記特定溶解度パラメーター値の水溶性有機溶剤を含有しているため、顔料分散剤になるカルボキシル基含有化合物の水への溶解性が良好になり、アルカリ塩化し易くなる。また本発明の製造方法により得られる水性顔料分散体は、顔料分散剤と顔料との濡れがよく、水性顔料分散体中において両者の混合性の良好な水性顔料分散体が得られる。また脱泡工程における泡切れも良好である。
【0011】
また水溶性有機溶剤は適度な表面張力を有し、水性顔料分散体の表面張力を低下させることができる。そのためサインペン等の筆記具用の水性インキにおいて、通常、毛管現象確保のために用いられる界面活性剤を添加しなくても良好な筆記性を示す。加えて界面活性剤を不添加とすることにより、界面活性剤に起因するニジミ等の水性インキの悪さを低減することもできる。また水溶性有機溶剤は耐水性、耐アルカリ性を向上させるうえでも好ましい。
【0012】
前記水性顔料分散体において、カルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩が、酸価30〜140KOHmg/gのカルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩であることが好ましい。
【0013】
顔料分散剤として用いるカルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩は、揮発性アルカリ塩に比べて耐水性、耐アルカリ性が不十分であるが、従来より酸価が低い範囲に調整されたカルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩を用いることで耐水性、耐アルカリ性に優れた水性インキ組成物を提供できる。カルボキシル基含有化合物の酸価が低くくなると、一般に水に溶け難くなるが、本発明では、前述の通り、水溶性有機溶剤を含有しているため、低酸価のカルボキシル基含有化合物を用いた場合にも、水への溶解性が良好で、かつ耐水性、耐アルカリ性を満足できる。
【0014】
カルボキシル基含有化合物の酸価が140KOHmg/gを超えると、水への溶解性が高くなり耐水性、耐アルカリ性の向上効果が低い。カルボキシル基含有化合物の酸価は140KOHmg/g以下、好ましくは130KOHmg/g以下、さらには120KOHmg/g以下であるのが好ましい。一方、前記酸価が30KOHmg/g未満では、難揮発性アルカリ塩とした場合にも水に溶けにくく、顔料分散剤として機能し難くなる。カルボキシル基含有化合物の酸価は30KOHmg/g以上、さらには50KOHmg/g以上であるのが好ましい。
【0015】
前記本発明の製造方法により得られる水性顔料分散体は、筆記具用の水性インキに適用される水性顔料分散体として有用である。特に、筆跡に対する優れた耐水性、耐アルカリ性を発現する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の製造方法により得られる水性顔料分散体、及び前記水性顔料分散体を用いた水性インキ組成物について説明する。
【0022】
本発明の製造方法により得られる水性顔料分散体は、カルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩を顔料分散剤として用い、当該顔料分散剤により水中に顔料を分散させたものである。
【0023】
カルボキシル基含有化合物は顔料分散剤として機能しうるものを特に制限なく使用できる。カルボキシル基含有化合物の酸価は特に制限されないが、前述の通り、30〜140KOHmg/gの低酸価のカルボキシル基含有化合物が好ましい。前記顔料分散剤は、通常、親水部と疎水部を有し、親水部にはカルボキシル基を有する。
【0024】
前記カルボキシル基含有化合物の具体例としては、カルボキシル基含有モノマーと疎水性モノマーの共重合体があげられる。カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の一塩基酸、イタコン酸、マレイン酸等の二塩基酸、さらには二塩基酸の無水物、その半エステル等があげられる。疎水性モノマーとしては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、同メタクリル酸エステル、α−オレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル等が例示される。前記共重合体は、カルボキシル基含有モノマーと疎水性モノマーを適宜に組み合わせて、その酸価が前記範囲になるように調整されたものを用いる。前記共重合体としては、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−マレイン酸系共重合体等が好ましい。特にスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体に代表される、疎水性モノマーとしてスチレンを、親水性モノマーであるカルボキシル基含有モノマーとしてアクリル酸を含有する共重合体が好ましい。なお、共重合体はオリゴマー、ポリマーのいずれでもよい。重量平均分子量は特に制限されないが、通常、1500〜20000程度である。
【0025】
前記カルボキシル基含有化合物のカルボキシル基をアルカリ塩化する難揮発性アルカリ物質は、常温(23℃)において、揮発しないものを特に制限なく使用できる。たとえば、沸点が常温より高いものとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン化合物等があげられる。
【0026】
前記カルボキシル基含有化合物のアルカリ塩化にあたっては、前記カルボキシル基含有化合物を、溶解度パラメーター7.5〜11の水溶性有機溶剤に溶解しておき、これに難揮発性アルカリ物質を含有する水溶液を加えることにより行うことができる。
【0027】
前記水溶性有機溶剤は、カルボキシル基含有化合物を溶解することができ、かつ水溶性を示すものを特に制限なく使用することができる。かかる水溶性有機溶剤は前述の通り、溶解度パラメーターが7.5〜11である。水溶性有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレンエチレングリコールモノメチルエーテル等のジアルキレングリコールまたはそのモノアルキルエーテル、3−メトキシブタノール等があげられる。前記水溶性有機溶剤の使用量は特に制限されないが、通常、カルボキシル基含有化合物100重量部に対して、0〜200重量部であるのが好ましい、さらには50〜150重量部であるのが好ましい。
【0028】
カルボキシル基含有化合物の水溶性有機溶剤への溶解温度は特に制限されないが、通常、40〜60℃程度とするのが好ましい。ただし、共重合体のガラス転移温度(Tg)を超えないように調整するのが望ましい。水溶性有機溶剤にカルボキシル基含有化合物を溶解しておくことで、前記カルボキシル基含有化合物を難揮発性アルカリ物質によりアルカリ塩化して水溶化する際の前記化合物の析出を抑えられる。
【0029】
なお、アルカリ塩化は、カルボキシル基含有化合物が水に溶解できる程度にカルボキシル基をアルカリ塩化する。通常は、カルボキシル基の全部をアルカリ塩化することができる量またはそれ以上の難揮発性アルカリ物質を加えて中和する。アルカリ塩化後には、さらに水を加えて顔料分散剤を含有する水溶液の濃度を適宜に調整することができる。
【0030】
水性顔料分散体は、前記顔料分散剤により、前記顔料を分散することにより調製する。水性顔料分散体の調製にあたっては、さらに水を加えて粘度を調整することができる。顔料としては、各種有機顔料、無機顔料を特に制限なく使用できる。たとえば、カーボンブラック、キナクドリン系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ジオキサン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、ペリノン系顔料、アゾメチン系顔料等があげられる。顔料の粒径は特に制限されないが、通常、0.02〜0.5μm程度とするのが好適である。顔料分散剤(固形分)の使用量は、通常、顔料100重量部に対して5〜100重量部程度、さらには10〜50重量部とするのが好適である。
【0031】
水性顔料分散体中の顔料の割合は、その割合が多くなると粘度が上昇しやすくなるため、通常、1〜50重量%程度、好ましくは3〜20重量%である。なお、水溶性有機溶剤の使用量は、前記カルボキシル基含有化合物に応じて適宜に調整されるが、水性顔料分散体中の水溶性有機溶剤の割合が多くなると水性顔料分散体の顔料分散安定性が悪くなる傾向があるため、通常、60重量%程度以下、さらには10〜30重量%に調整するのが好ましい。
【0032】
前記水性顔料分散体は、各種の水性インキ組成物に適用できる。なお、水性インキ組成物の調製にあたっては水を加えて粘度を調整することができる。水性インキ組成物は、サインペン等の筆記具では詰まりやすくなるため、その割合が少なくなると、着色が薄くなるため、通常、その不揮発分濃度が3〜30重量%程度、さらには5〜20重量%程度に調製するのが好ましい。
【0033】
前記水性インキ組成物の調製にあたっては、常法に従って適宜に分散器等を用いて撹拌し、分散される。水性顔料分散体には、湿潤剤、pH調整剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、粘度調整剤等の添加剤が適宜に加えられる。また、水性顔料分散体の調製にあたっても同様の添加剤を加えることができる。
【0034】
湿潤剤としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、尿素、糖、さらにはその誘導体等があげられる。湿潤剤は水性インキ組成物の3〜60重量%程度、さらには5〜50重量%程度とするのが好ましい。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン、トリエチルアミン等のアミン化合物、アンモニア等があげられる。
【0035】
なお、本発明の水性インキ組成物に、水溶性有機溶剤を含有する水性顔料分散体を用いた場合には、水性インキ組成物の表面張力を低下できるため界面活性剤の添加は特に必要はないが、添加するのは任意である。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルリン酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルキルフェニルリン酸エステル等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソルビタンエステル類、アルキルスルホコハク酸、アルキルリン酸エステル等のノニオン系界面活性剤があげられる。界面活性剤は水性インキ組成物の3重量%程度以下、さらには1.5重量%以下とするのが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の具体例を実施例等について説明する。なお、各例において用いたカルボキシル基含有化合物(樹脂A、樹脂B、樹脂C、樹脂D)は、いずれも疎水性モノマーとしてスチレン、親水性モノマーとしてアクリル酸を含有する共重合体であって、その酸価、重量平均分子量は表1に示す通りである。
【0037】
【表1】

Figure 0003938329
(顔料分散剤A〜Dの調製)
樹脂A〜Dに樹脂A〜Dと同重量のエチレングリコールモノブチルエーテル(溶解度パラメーター8. 9)を加え、50℃の加温下で撹拌した。次いで、樹脂Aのカルボキシル基と等当量の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ塩化を行った。さらに、イオン交換水を加えて、顔料分散剤A〜Dを得た。なお、顔料分散剤A〜D中の各成分の割合(重量%)を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0003938329
表2中の数値は重量%である。顔料分散剤A〜Dはいずれも樹脂が完全溶解し、透明な液が得られた。
【0039】
(顔料分散剤A′〜D′の調製)
樹脂A〜Dに、樹脂A〜Dのカルボキシル基と等当量の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ塩化を行った。さらに、イオン交換水を加えて、顔料分散剤A〜Dを得た。なお、顔料分散剤A〜D中の各成分の割合(重量%)を表3に示す。
【0040】
【表3】
Figure 0003938329
表3中の数値は重量%である。顔料分散剤A′は少々白濁を生じた液であった。顔料分散剤B′は樹脂が少し溶け残りを生じたうえに、少々白濁を生じた液であった。顔料分散剤C′は樹脂を全く溶解させることができなかった。顔料分散剤D′は樹脂が完全溶解し、透明な液が得られた。
【0041】
実施例1(水性顔料分散体の調製)
前記顔料分散剤Aを用いて、表4に示す配合の組成物を混合撹拌した後、脱泡した。次いで、前記組成物を分散して水性顔料分散体Aを得た。
【0042】
実施例2〜7(水性顔料分散体の調製)
実施例1において、水性顔料分散体の組成を表4に示す配合に変えたこと以外は実施例1と同様にして、水性顔料分散体B〜Gを得た。
【0043】
比較例1(水性顔料分散体の調製)
前記顔料分散剤D′を用いて、表4に示す配合の組成物を混合撹拌した後、脱泡した。次いで、前記組成物を分散して水性顔料分散体Hを得た。なお、得られた水性顔料分散体Hは、顔料の濡れが悪く、顔料分散剤D′との混合が困難であった。また、混合した後の脱泡工程において泡切れが悪く、実施例に比べて脱泡工程に長時間を要した。
【0044】
比較例2〜4(水性顔料分散体の調製)
比較例1において、水性顔料分散体の組成を表4に示す配合に変えたこと以外は比較例1と同様にして、水性顔料分散体I〜Kを得た。なお、得られた水性顔料分散体I〜Kは、顔料の濡れが悪く、顔料分散剤D′との混合が困難であった。また、混合した後の脱泡工程において泡切れが悪く、実施例に比べて脱泡工程に長時間を要した。
【0045】
実施例および比較例で得られた水性顔料分散体を用いて、耐水性および耐アルカリ性を評価した。結果を表4に示す。
【0046】
(耐水性)
ケント紙(5cm×5cm)に間隙0.02mmのドクター型アプリケーターで一定の厚みに塗布し、塗布後1時間経過した後、試験片を静水中に1時間浸漬した。次いで、試験片を水から取り出し、滲みの程度を以下の基準で5段階に評価した。評価は3回行った。その平均値を示す。
<評価基準>
5:滲みがでない。
3:一部から滲みあり。
1:全体から滲みあり。
【0047】
(耐アルカリ性)
ケント紙(5cm×5cm)に間隙0.02mmのドクター型アプリケーターで一定の厚みに塗布し、1日後、試験片をアンモニア水溶液(10重量%)中に24時間浸漬した。次いで、試験片をアンモニア水溶液から取り出し、乾燥後の筆記線の状態を以下の基準で5段階に評価した。評価は3回行った。その平均値を示す。
<評価基準>
5:変色しない。
4:少し変色している。
3:元のインキの色が判読できる。
2:完全に変色している。
1:退色し判読できない。
【0048】
【表4】
Figure 0003938329
表4中の顔料は、a:プリンテックス80(デグサ(株)製)、b:シムラファーストレッド4127(大日本インキ化学工業 (株)製)、ファーストオレンジRJW−A(山陽色素(株)製)、ファストゲンスーパーマゼンタRG(大日本インキ化学工業 (株)製)、ホスタパームブラウンHFR01(クリアラント社製)であり、コートサイドH(防カビ剤,武田薬品工業(株)製)、プロクセルXL−2(防腐剤,アビシア(株)製)である。
【0049】
実施例1〜7、比較例1〜4(水性インキ組成物の調製)
前記水性顔料分散体A〜Kを用いて、表5に示す配合の組成物を混合撹拌した後、遠心分離によって粗大粒子を除去して水性インキ組成物を得た。
【0050】
なお比較例において表5中に示す界面活性剤を用いないこと以外は、別途、比較例と同様にして調製した水性インキ組成物では、表面張力が著しく高くなり、ペン先からの流出が困難であった。そのため、比較例では界面活性剤を用いている。
【0051】
実施例および比較例で得られた水性インキ組成物を用いて、ピグマサインペン(登録商標)を作成し、以下の耐水性および耐アルカリ性を評価した。また、水性インキ組成物の表面張力、中和滴定を評価した。結果を表5に示す。
【0052】
(耐水性)
上記サインペンを用い、ケント紙(6行)に手書きで連続4回V字を筆記後、所定時間毎(15秒、30秒、60秒、120秒)に水を軽く含ませた筆(サクラ画筆ネオセブロン(登録商標)平型−ENF14号)で筆記線を一定方向に2回なぞり、乾燥後の滲みの程度を以下の基準で5段階に評価した。V字一辺は10〜15mm、筆記速度はV字2個で1秒程度とした。評価は3回行った。その平均値を示す。
<評価基準>
5:滲みがでない。
3:始点、終点からにじみあり。
1:線全体から滲みあり。
【0053】
(耐アルカリ性)
上記サインペンを用い、ケント紙(6行)に筆記し1時間後、試験片をアンモニア水溶液(10重量%)中に24時間浸漬した。次いで、試験片をアンモニア水溶液から取り出し、乾燥後の筆記線の状態を5段階に以下の基準で評価した。評価は3回行った。その平均値を示す。
<評価基準>
5:変色しない。
4:少し変色している。
3:元のインキの色が判読できる。
2:完全に変色している。
1:退色し判読できない。
【0054】
(表面張力)
協和界面科学(株)製のCBVP SURFACE TENSIONMETER A3により、白金プレートを用いて測定した。
【0055】
(表面張力安定性)
室温で3ケ月間放置後の表面張力安定性を下記の基準により評価した。
○:±1mN/m以内。
×:±1mN/mを超える。
【0056】
(中和滴定)
水性インキ組成物5gを秤取し、テトラヒドロフラン100ml中に入れた。スターラーでゆっくりと撹拌しながら0.1モル/リットル塩酸で中和滴定を行った。滴定には自動滴定装置(三菱化学 (株)製,GT−06)を用いた。中和に要した0.1モル/リットル塩酸量(ml)を表5に示す。また、前記塩酸量を、水性インキ組成物5g中の不揮発分重量で除算して、不揮発分1gあたりを中和するのに必要な前記塩酸量を求めた値を表5に示す。なお、水性インキ組成物の不揮発分の重量は、110℃のオーブンで24時間乾燥させたときの重量をいう。
【0057】
【表5】
Figure 0003938329
表5中、サンモリン0T−70(界面活性剤,三洋化成工業(株)製)、ホスファノールPE−510(界面活性剤,東邦化学(株)製)、コートサイドH(防カビ剤,武田薬品工業(株)製)、プロクセルXL−2(防腐剤,アビシア(株)製)、NaOH水溶液:水酸化ナトリウム10重量%水溶液、である。
【0058】
表5から、実施例の水性インキ組成物は耐水性、耐アルカリ性が良好であり、また表面張力の安定性が良好であると認められる。一方、比較例の水性インキ組成物は耐水性、耐アルカリ性が悪い。また比較例の水性インキ組成物では界面活性剤を用いていることから表面張力の安定性も良くない。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an aqueous pigment dispersion. The aqueous pigment dispersion obtained by the production method of the present invention can be applied to water-based ink compositions for various uses. In particular, it is useful as a water-based ink composition for writing instruments such as sign pens, ballpoint pens, felt pens, and brush pens.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in an aqueous ink using an aqueous pigment dispersion in which a pigment is dispersed in water, an alkali salt of a resin having a carboxyl group is used as a pigment dispersant in the aqueous pigment dispersion. However, the resin having a carboxyl group has poor solubility and tends to become cloudy during alkali chlorination. Such a cloudy pigment dispersant was poorly wetted with the pigment, and was insufficiently mixed with the pigment in the aqueous pigment dispersion. Moreover, the foaming in the defoaming step after mixing is poor, and it takes a long time for defoaming.
[0003]
Further, in water-based inks for writing instruments, a volatile alkaline substance such as ammonia is generally used as an alkaline substance for solubilizing the pigment dispersant in order to develop water resistance and alkali resistance against handwriting.
[0004]
On the other hand, from the viewpoint of cap-off properties, an aqueous ink containing an aqueous pigment dispersion using a hardly volatile alkali salt of a resin having a carboxyl group as a pigment dispersant is known. However, it cannot be said that the water-based ink has sufficient water resistance and alkali resistance.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention, wetting of the pigment is good, and an object thereof is to provide a method for producing a mixture of good aqueous pigment dispersion of the pigment in the aqueous pigment dispersion.
[0006]
The present invention, in the case of using a sparingly volatile alkali salt, and an object thereof is to provide water resistance, a method for producing an aqueous pigment dispersion can provide excellent aqueous ink composition in alkali resistance.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors diligently studied to solve the above-mentioned problems. As a result, they found that the above object can be achieved by the following method for producing an aqueous pigment dispersion , and have completed the present invention.
[0009]
That is, in the present invention, a carboxyl group-containing compound is dissolved in a water-soluble organic solvent having a solubility parameter of 7.5 to 11, and then the carboxyl group of the carboxyl group-containing compound is made into a hardly volatile alkali salt with a hardly volatile alkali substance. The present invention relates to a method for producing the aqueous pigment dispersion, wherein the pigment is dispersed in water using a pigment dispersant .
[0010]
The aqueous pigment dispersion obtained by the production method of the present invention can be alkalized with a hardly volatile alkaline substance after the carboxyl group-containing compound is dissolved in a water-soluble organic solvent. Therefore, even if it is a carboxyl group-containing compound with a low acid value, an aqueous pigment dispersion can be efficiently produced with a pigment dispersant having good mixing properties with the pigment. In addition, since the water-soluble organic solvent having the specific solubility parameter value is contained, the solubility of the carboxyl group-containing compound serving as the pigment dispersant in water is improved, and alkali chlorination is facilitated. In addition, the aqueous pigment dispersion obtained by the production method of the present invention has good wettability between the pigment dispersant and the pigment, and an aqueous pigment dispersion having good mixing property of both in the aqueous pigment dispersion can be obtained. Moreover, the foaming out in the defoaming process is also good.
[0011]
The water-soluble organic solvent has an appropriate surface tension, and can reduce the surface tension of the aqueous pigment dispersion. Therefore, in a water-based ink for a writing instrument such as a sign pen, a good writing property is usually obtained without adding a surfactant used for securing a capillary phenomenon. In addition, by not adding a surfactant, it is possible to reduce the badness of water-based inks such as blemishes caused by the surfactant. A water-soluble organic solvent is also preferable for improving water resistance and alkali resistance.
[0012]
In the aqueous pigment dispersion, it is preferable that the hardly volatile alkali salt of the carboxyl group-containing compound is a hardly volatile alkali salt of the carboxyl group-containing compound having an acid value of 30 to 140 KOHmg / g.
[0013]
The volatile alkali salt of the carboxyl group-containing compound used as the pigment dispersant has insufficient water resistance and alkali resistance compared to the volatile alkali salt, but has a carboxyl group content adjusted to a lower acid value than before. By using a hardly volatile alkali salt of a compound, a water-based ink composition having excellent water resistance and alkali resistance can be provided. When the acid value of the carboxyl group-containing compound is low, it is generally difficult to dissolve in water. However, in the present invention, as described above, since the water-soluble organic solvent is contained, a low acid value carboxyl group-containing compound was used. Also in this case, the solubility in water is good and the water resistance and alkali resistance can be satisfied.
[0014]
When the acid value of the carboxyl group-containing compound exceeds 140 KOHmg / g, the solubility in water increases and the effect of improving water resistance and alkali resistance is low. The acid value of the carboxyl group-containing compound is 140 KOH mg / g or less, preferably 130 KOH mg / g or less, more preferably 120 KOH mg / g or less. On the other hand, when the acid value is less than 30 KOHmg / g, even when a hardly volatile alkali salt is used, it is difficult to dissolve in water and to function as a pigment dispersant. The acid value of the carboxyl group-containing compound is preferably 30 KOHmg / g or more, more preferably 50 KOHmg / g or more.
[0015]
The aqueous pigment dispersion obtained by the production method of the present invention is useful as an aqueous pigment dispersion applied to water-based ink for writing instruments. In particular, it exhibits excellent water resistance and alkali resistance against handwriting.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an aqueous pigment dispersion obtained by the production method of the present invention and an aqueous ink composition using the aqueous pigment dispersion will be described.
[0022]
The aqueous pigment dispersion obtained by the production method of the present invention is a dispersion obtained by dispersing a pigment in water using the hardly volatile alkali salt of a carboxyl group-containing compound as a pigment dispersant.
[0023]
Any carboxyl group-containing compound that can function as a pigment dispersant can be used without particular limitation. The acid value of the carboxyl group-containing compound is not particularly limited, but as described above, a low acid value carboxyl group-containing compound of 30 to 140 KOHmg / g is preferable. The pigment dispersant usually has a hydrophilic part and a hydrophobic part, and the hydrophilic part has a carboxyl group.
[0024]
Specific examples of the carboxyl group-containing compound include a copolymer of a carboxyl group-containing monomer and a hydrophobic monomer. Examples of the carboxyl group-containing monomer include monobasic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, and crotonic acid, dibasic acids such as itaconic acid and maleic acid, and dibasic acid anhydrides and half esters thereof. . Examples of the hydrophobic monomer include aromatic monomers such as styrene, α-methylstyrene and vinyltoluene, acrylic acid esters such as methyl acrylate and ethyl acrylate, methacrylic acid esters, α-olefins, vinyl acetate and the like. Examples include vinyl esters. As the copolymer, a copolymer prepared by appropriately combining a carboxyl group-containing monomer and a hydrophobic monomer and adjusting the acid value within the above range is used. Examples of the copolymer include a styrene- (meth) acrylic acid copolymer, a styrene-maleic acid copolymer, a (meth) acrylic acid ester- (meth) acrylic acid copolymer, and a styrene- (meth). An acrylic ester- (meth) acrylic acid copolymer, a styrene- (meth) acrylic ester-maleic acid copolymer, and the like are preferable. In particular, styrene as a hydrophobic monomer represented by styrene- (meth) acrylic acid copolymer and styrene- (meth) acrylic ester- (meth) acrylic acid copolymer, and carboxyl group as a hydrophilic monomer A copolymer containing acrylic acid as the containing monomer is preferred. The copolymer may be either an oligomer or a polymer. The weight average molecular weight is not particularly limited, but is usually about 1500 to 20000.
[0025]
As the hardly volatile alkaline substance that alkalizes the carboxyl group of the carboxyl group-containing compound, those that do not volatilize at normal temperature (23 ° C.) can be used without particular limitation. For example, those having a boiling point higher than room temperature include alkali hydroxides such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and lithium hydroxide, and amine compounds such as triethanolamine, diethanolamine, monoethanolamine and dimethylethanolamine.
[0026]
In alkali chlorination of the carboxyl group-containing compound, the carboxyl group-containing compound is dissolved in a water-soluble organic solvent having a solubility parameter of 7.5 to 11, and an aqueous solution containing a hardly volatile alkaline substance is added thereto. Can be performed.
[0027]
As the water-soluble organic solvent, those which can dissolve the carboxyl group-containing compound and exhibit water solubility can be used without particular limitation. Such a water-soluble organic solvent has a solubility parameter of 7.5 to 11 as described above. Specific examples of the water-soluble organic solvent include ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol monoisopropyl ether, alkylene glycol monoalkyl ether such as propylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol, diethylene glycol monomethyl ether, Examples include dialkylene glycol such as diethylene glycol monoethyl ether and dipropylene ethylene glycol monomethyl ether, monoalkyl ethers thereof, 3-methoxybutanol and the like. Although the amount of the water-soluble organic solvent used is not particularly limited, it is usually preferably 0 to 200 parts by weight, more preferably 50 to 150 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the carboxyl group-containing compound. .
[0028]
The dissolution temperature of the carboxyl group-containing compound in the water-soluble organic solvent is not particularly limited, but it is usually preferably about 40 to 60 ° C. However, it is desirable to adjust so as not to exceed the glass transition temperature (Tg) of the copolymer. By dissolving the carboxyl group-containing compound in the water-soluble organic solvent, precipitation of the compound when the carboxyl group-containing compound is alkalized with a hardly volatile alkali substance to be water-solubilized can be suppressed.
[0029]
In addition, the alkali chlorination alkalizes the carboxyl group to the extent that the carboxyl group-containing compound can be dissolved in water. Usually, neutralization is carried out by adding an amount of a hardly volatile alkaline substance which can alkalize all the carboxyl groups. After alkali chlorination, water can be added to adjust the concentration of the aqueous solution containing the pigment dispersant as appropriate.
[0030]
The aqueous pigment dispersion is prepared by dispersing the pigment with the pigment dispersant. In preparing the aqueous pigment dispersion, water can be further added to adjust the viscosity. As the pigment, various organic pigments and inorganic pigments can be used without particular limitation. Examples thereof include carbon black, quinacdrine pigment, azo pigment, phthalocyanine pigment, dioxane pigment, anthraquinone pigment, perylene pigment, ansanthrone pigment, perinone pigment, and azomethine pigment. The particle size of the pigment is not particularly limited, but usually it is preferably about 0.02 to 0.5 μm. The amount of the pigment dispersant (solid content) used is usually preferably about 5 to 100 parts by weight and more preferably 10 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the pigment.
[0031]
The proportion of the pigment in the aqueous pigment dispersion is usually about 1 to 50% by weight, preferably 3 to 20% by weight, since the viscosity tends to increase as the proportion increases. The amount of the water-soluble organic solvent used is appropriately adjusted according to the carboxyl group-containing compound, but when the proportion of the water-soluble organic solvent in the aqueous pigment dispersion increases, the pigment dispersion stability of the aqueous pigment dispersion is increased. In general, it is preferable to adjust to about 60% by weight or less, and further to 10 to 30% by weight.
[0032]
The aqueous pigment dispersion can be applied to various aqueous ink compositions. In preparing the water-based ink composition, water can be added to adjust the viscosity. Since the water-based ink composition is likely to be clogged with a writing instrument such as a sign pen, the color becomes thin when the ratio is reduced. Therefore, the concentration of the nonvolatile content is usually about 3 to 30% by weight, and further about 5 to 20% by weight. It is preferable to prepare it.
[0033]
In preparation of the water-based ink composition, it is dispersed by stirring as appropriate using a disperser or the like according to a conventional method. To the aqueous pigment dispersion, additives such as a wetting agent, a pH adjuster, an antiseptic, an antifungal agent, an antioxidant, and a viscosity adjuster are appropriately added. In addition, the same additive can be added in preparing the aqueous pigment dispersion.
[0034]
Wetting agents include glycerin, diglycerin, triglycerin, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol and other glycols, urea, sugar, and further Derivatives and the like. The wetting agent is preferably about 3 to 60% by weight, more preferably about 5 to 50% by weight of the water-based ink composition. Examples of pH adjusters include alkali hydroxides such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and lithium hydroxide, amine compounds such as triethanolamine, diethanolamine, monoethanolamine, dimethylethanolamine, morpholine and triethylamine, ammonia and the like. .
[0035]
In addition, when an aqueous pigment dispersion containing a water-soluble organic solvent is used in the aqueous ink composition of the present invention, the surface tension of the aqueous ink composition can be lowered, so that the addition of a surfactant is not particularly necessary. However, the addition is optional. Surfactants include anionic surfactants such as alkylbenzene sulfonic acid, alkyl sulfosuccinic acid, alkyl phosphate ester, alkyl sulfate ester, and alkylphenyl phosphate ester, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene fatty acid ester, polyoxy Nonionic surfactants such as ethylene alkyl allyl ether, sorbitan esters, alkyl sulfosuccinic acid, alkyl phosphate esters and the like can be mentioned. The surfactant is preferably about 3% by weight or less, more preferably 1.5% by weight or less of the water-based ink composition.
[0036]
【Example】
Examples of the present invention will be described below with reference to examples. Each of the carboxyl group-containing compounds (resin A, resin B, resin C, resin D) used in each example is a copolymer containing styrene as a hydrophobic monomer and acrylic acid as a hydrophilic monomer, The acid value and weight average molecular weight are as shown in Table 1.
[0037]
[Table 1]
Figure 0003938329
(Preparation of pigment dispersants A to D)
Ethylene glycol monobutyl ether (solubility parameter 8.9) having the same weight as the resins A to D was added to the resins A to D, and the mixture was stirred while heating at 50 ° C. Subsequently, an aqueous solution of sodium hydroxide having a concentration of 50% by weight equivalent to the carboxyl group of the resin A was added to perform alkali chloride. Further, ion-exchanged water was added to obtain pigment dispersants A to D. In addition, Table 2 shows the ratio (% by weight) of each component in the pigment dispersants A to D.
[0038]
[Table 2]
Figure 0003938329
The numerical values in Table 2 are% by weight. In all of the pigment dispersants A to D, the resin was completely dissolved, and a transparent liquid was obtained.
[0039]
(Preparation of pigment dispersants A ′ to D ′)
Alkaline chlorination was performed by adding a 50 wt% sodium hydroxide aqueous solution equivalent to the carboxyl groups of the resins A to D to the resins A to D. Further, ion-exchanged water was added to obtain pigment dispersants A to D. In addition, Table 3 shows the ratio (% by weight) of each component in the pigment dispersants A to D.
[0040]
[Table 3]
Figure 0003938329
The numerical values in Table 3 are% by weight. The pigment dispersant A ′ was a liquid that produced a slight cloudiness. The pigment dispersant B ′ was a solution in which the resin slightly melted and a little clouded. The pigment dispersant C ′ could not dissolve the resin at all. In the pigment dispersant D ′, the resin was completely dissolved, and a transparent liquid was obtained.
[0041]
Example 1 (Preparation of aqueous pigment dispersion)
Using the pigment dispersant A, the composition having the composition shown in Table 4 was mixed and stirred, and then defoamed. Next, the composition was dispersed to obtain an aqueous pigment dispersion A.
[0042]
Examples 2 to 7 (Preparation of aqueous pigment dispersion)
In Example 1, aqueous pigment dispersions B to G were obtained in the same manner as in Example 1 except that the composition of the aqueous pigment dispersion was changed to the formulation shown in Table 4.
[0043]
Comparative Example 1 (Preparation of aqueous pigment dispersion)
Using the pigment dispersant D ′, the composition having the composition shown in Table 4 was mixed and stirred, and then defoamed. Next, the composition was dispersed to obtain an aqueous pigment dispersion H. The obtained aqueous pigment dispersion H had poor pigment wettability and was difficult to mix with the pigment dispersant D ′. Moreover, in the defoaming step after mixing, the foaming was poor, and the defoaming step required a long time compared to the examples.
[0044]
Comparative Examples 2 to 4 (Preparation of aqueous pigment dispersion)
In Comparative Example 1, aqueous pigment dispersions I to K were obtained in the same manner as in Comparative Example 1, except that the composition of the aqueous pigment dispersion was changed to the formulation shown in Table 4. The obtained aqueous pigment dispersions I to K were poorly wetted by the pigment and were difficult to mix with the pigment dispersant D ′. Moreover, in the defoaming step after mixing, the foaming was poor, and the defoaming step required a long time compared to the examples.
[0045]
Water resistance and alkali resistance were evaluated using the aqueous pigment dispersions obtained in Examples and Comparative Examples. The results are shown in Table 4.
[0046]
(water resistant)
It was applied to Kent paper (5 cm × 5 cm) with a doctor-type applicator having a gap of 0.02 mm, and after 1 hour had passed after the application, the test piece was immersed in still water for 1 hour. Subsequently, the test piece was taken out from the water, and the degree of bleeding was evaluated in five levels according to the following criteria. Evaluation was performed 3 times. The average value is shown.
<Evaluation criteria>
5: There is no bleeding.
3: There is bleeding from a part.
1: There is bleeding from the whole.
[0047]
(Alkali resistance)
A constant thickness was applied to Kent paper (5 cm × 5 cm) with a doctor-type applicator having a gap of 0.02 mm, and one day later, the test piece was immersed in an aqueous ammonia solution (10 wt%) for 24 hours. Subsequently, the test piece was taken out from the aqueous ammonia solution, and the state of the writing line after drying was evaluated in five stages based on the following criteria. Evaluation was performed 3 times. The average value is shown.
<Evaluation criteria>
5: No discoloration.
4: Discolored slightly.
3: The color of the original ink can be read.
2: Completely discolored.
1: Fading and unreadable.
[0048]
[Table 4]
Figure 0003938329
The pigments in Table 4 are: a: Printex 80 (manufactured by Degussa), b: Shimura First Red 4127 (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals), First Orange RJW-A (manufactured by Sanyo Dye) ), Fastgen Super Magenta RG (manufactured by Dainippon Ink and Chemicals), Hosta Palm Brown HFR01 (manufactured by Clearant), Coatside H (anti-mold agent, manufactured by Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.), Proxel XL-2 (preservative, manufactured by Avicia Co., Ltd.).
[0049]
Examples 1-7, Comparative Examples 1-4 (Preparation of water-based ink composition)
Using the water-based pigment dispersions A to K, the composition having the composition shown in Table 5 was mixed and stirred, and then coarse particles were removed by centrifugation to obtain a water-based ink composition.
[0050]
In the comparative example, except that the surfactant shown in Table 5 is not used, the water-based ink composition separately prepared in the same manner as in the comparative example has a remarkably high surface tension and is difficult to flow out from the pen tip. there were. Therefore, a surfactant is used in the comparative example.
[0051]
Using the water-based ink compositions obtained in Examples and Comparative Examples, Sigma Pig Pen (registered trademark) was prepared, and the following water resistance and alkali resistance were evaluated. Further, the surface tension and neutralization titration of the water-based ink composition were evaluated. The results are shown in Table 5.
[0052]
(water resistant)
Using the above-mentioned sign pen, after writing a V-shape four times by hand on Kent paper (6 lines), a brush (Sakura Paintbrush Neo Sebron) lightly impregnated with water every predetermined time (15 seconds, 30 seconds, 60 seconds, 120 seconds) (Registered trademark) flat type-ENF14), the writing line was traced twice in a fixed direction, and the degree of bleeding after drying was evaluated in five stages according to the following criteria. The V-shaped side was 10-15 mm, and the writing speed was 2 V-shaped for about 1 second. Evaluation was performed 3 times. The average value is shown.
<Evaluation criteria>
5: There is no bleeding.
3: There is blur from the start point and end point.
1: There is bleeding from the entire line.
[0053]
(Alkali resistance)
Using the above sign pen, writing on Kent paper (6 lines) and 1 hour later, the test piece was immersed in an aqueous ammonia solution (10% by weight) for 24 hours. Next, the test piece was taken out from the aqueous ammonia solution, and the state of the writing line after drying was evaluated in five stages according to the following criteria. Evaluation was performed 3 times. The average value is shown.
<Evaluation criteria>
5: No discoloration.
4: Discolored slightly.
3: The color of the original ink can be read.
2: Completely discolored.
1: Fading and unreadable.
[0054]
(surface tension)
It measured using the platinum plate by CBVP SURFACE TENSIONMETER A3 by Kyowa Interface Science Co., Ltd.
[0055]
(Surface tension stability)
The surface tension stability after standing for 3 months at room temperature was evaluated according to the following criteria.
○: Within ± 1 mN / m.
X: Over ± 1 mN / m
[0056]
(Neutralization titration)
5 g of the water-based ink composition was weighed and placed in 100 ml of tetrahydrofuran. While slowly stirring with a stirrer, neutralization titration was performed with 0.1 mol / liter hydrochloric acid. For titration, an automatic titrator (manufactured by Mitsubishi Chemical Co., Ltd., GT-06) was used. Table 5 shows the amount of 0.1 mol / liter hydrochloric acid (ml) required for neutralization. Table 5 shows values obtained by dividing the amount of hydrochloric acid by the weight of nonvolatile content in 5 g of the water-based ink composition to determine the amount of hydrochloric acid necessary to neutralize per 1 g of nonvolatile content. The weight of the non-volatile content of the water-based ink composition refers to the weight when dried in an oven at 110 ° C. for 24 hours.
[0057]
[Table 5]
Figure 0003938329
In Table 5, Sanmoline 0T-70 (surfactant, manufactured by Sanyo Chemical Industries, Ltd.), Phosphanol PE-510 (surfactant, manufactured by Toho Chemical Co., Ltd.), Coatside H (antifungal agent, Takeda Pharmaceutical) Manufactured by Co., Ltd.), Proxel XL-2 (preservative, manufactured by Avicia Co., Ltd.), NaOH aqueous solution: 10% by weight aqueous sodium hydroxide solution.
[0058]
From Table 5, it is recognized that the water-based ink compositions of the examples have good water resistance and alkali resistance, and also have good surface tension stability. On the other hand, the water-based ink composition of the comparative example has poor water resistance and alkali resistance. In addition, since the water-based ink composition of the comparative example uses a surfactant, the stability of the surface tension is not good.

Claims (3)

カルボキシル基含有化合物を、溶解度パラメーター7.5〜11の水溶性有機溶剤に溶解した後、難揮発性アルカリ物質により前記カルボキシル基含有化合物のカルボキシル基を難揮発性アルカリ塩にした顔料分散剤を用いて、水中に顔料を分散させることを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。After a carboxyl group-containing compound is dissolved in a water-soluble organic solvent having a solubility parameter of 7.5 to 11, a pigment dispersant is used in which the carboxyl group of the carboxyl group-containing compound is converted to a hardly volatile alkali salt with a hardly volatile alkali substance. And a method for producing an aqueous pigment dispersion, wherein the pigment is dispersed in water. カルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩が、酸価30〜140KOHmg/gのカルボキシル基含有化合物の難揮発性アルカリ塩であることを特徴とする請求項1記載の水性顔料分散体の製造方法。 The method for producing an aqueous pigment dispersion according to claim 1, wherein the hardly volatile alkali salt of the carboxyl group-containing compound is a hardly volatile alkali salt of the carboxyl group-containing compound having an acid value of 30 to 140 KOHmg / g . 筆記具用に適用される請求項1または2記載の水性顔料分散体の製造方法。 The method for producing an aqueous pigment dispersion according to claim 1 or 2, which is applied to a writing instrument .
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