JP3934201B2 - アクティブマトリクス型表示装置およびその作製方法 - Google Patents

アクティブマトリクス型表示装置およびその作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、液晶表示装置(LCD)の作製方法に関する。特に、半導体薄膜を利用したアクティブマトリクス型液晶表示装置(以下、AM−LCDと呼ぶ)の作製方法に関する。また、本願発明はその様な表示装置を具備した電気光学装置に応用することが可能である。
【0002】
なお、本明細書中において「半導体装置」とは、半導体を利用することで機能する装置全てを指している。従って、上記表示装置および電気光学装置も半導体装置の範疇に含まれる。ただし、明細書中では区別しやすい様に表示装置や電気光学装置といった言葉を使い分けることにする。
【0003】
【従来の技術】
近年、AM−LCDを投射型表示ディスプレイとして用いたプロジェクター等の開発が活発に進められている。また、モバイルコンピュータやビデオカメラ用の直視型表示ディスプレイとしての需要も高まっている。
【0004】
ここで従来のアクティブマトリクス型表示装置における画素マトリクス回路の構成の概略を図2(A)、(B)に示す。なお、画素マトリクス回路とは液晶に印加される電界を制御するための薄膜トランジスタ(TFT)をマトリクス状に配置した回路であり、AM−LCDの画像表示領域を構成する。
【0005】
図2(A)に示すのは、画素マトリクス回路を上面から見た図である。ここでは水平方向に設けられた複数のゲイト線201と垂直方向に設けられた複数のソース線202とで囲まれた領域が画素領域となる。そして、複数のゲイト線201および複数のソース線202の各交差部にはそれぞれTFT203が形成されている。また、各TFTにはそれぞれに画素電極204が接続されている。
【0006】
従って、画素マトリクス回路は複数のゲイト線201および複数のソース線202とで囲まれてマトリクス状に形成された複数の画素領域からなり、個々の画素領域にはTFT203と画素電極204とが設けられた構成となっている。
【0007】
また、画素マトリクス回路の断面構造を図2(B)に示す。図2(B)において、205は絶縁表面を有する基板、206、207は基板205上に形成された画素TFTであり、図2(A)のTFT203に相当する。
【0008】
また、画素TFT206、207にはそれぞれ画素電極208、209が接続されている。この画素電極208、209は図2(A)の画素電極204に相当する。この画素電極208、209は通常1枚の金属薄膜をパターニングすることにより得られる。
【0009】
従って、従来構造の画素マトリクス回路は、画素電極間に電極の境界部(以下、単に境界部と呼ぶ)210、211が必ず存在する。即ち、必然的に画素電極の膜厚分に相当する段差が形成されてしまうのである。この様な段差では液晶材料の配向不良が生じるため、表示画像の乱れを発生する原因となる。また、段差部で生じた入射光の乱反射がコントラストを低下させたり、光の利用効率を低下させたりする原因となる。
【0010】
特に、プロジェクターなどに用いる投射型ディスプレイは、 1〜2inch 程度の極めて高精細な小型ディスプレイを拡大投影するため、上述の問題が顕在化してしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な問題に対して、従来はブラックマスク(またはブラックマトリクス)によって画像の乱れる領域を遮蔽してコントラスト比を高めていた。また、近年では素子の微細化が進み、高開口率を目的とした遮蔽領域の制御性が求められる様になったためTFT側基板にブラックマスクを設ける構成が主流となってきている。
【0012】
しかしながら、TFT側基板にブラックマスクを設ける構成とした場合、パターニング工程の増加、寄生容量の増加、開口率の低下等の諸問題が生じてしまう。この様なことから、前述の諸問題を起こさずにコントラスト比を確保する技術が望まれている。
【0013】
本願発明は上記問題点を解決し、簡易な手段により極めて高精細なアクティブマトリクス型表示装置を形成するための手段を開示するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上に形成された複数の電極と、
前記複数の電極を覆うDLC膜と、
前記複数の電極の境界部に埋め込まれた絶縁層と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0015】
また、他の発明の構成は、
第1の基板および透光性を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液晶層と、
を少なくとも含む半導体装置であって、
前記第1の基板および前記第2の基板に形成されたストライプ状の電極と、
前記ストライプ状の電極を覆うDLC膜と、
前記ストライプ状の電極の境界部に埋め込まれた絶縁層と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0016】
また、他の発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上にマトリクス状に形成された複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の各々に接続された複数の画素電極と、
を少なくとも有する半導体装置であって、
前記画素電極を覆うDLC膜と、
前記画素電極の境界部に埋め込まれた絶縁層と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0017】
また、他の発明の構成は、
マトリクス状に形成された複数の半導体素子および該複数の半導体素子の各々に接続された複数の画素電極を有する基板と、
前記基板上に保持された液晶層と、
を少なくとも含む半導体装置であって、
前記画素電極を覆うDLC膜と、
前記画素電極の境界部に埋め込まれた絶縁層と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0018】
また、上記構成を得るための発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上に複数の電極を形成する工程と、
前記複数の電極の表面を覆うDLC膜を形成する工程と、
前記DLC膜上に絶縁層を形成する工程と、
前記DLC膜の表面と前記絶縁層の表面とが同一平面をなす様に前記絶縁層を平坦化する工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする。
【0019】
また、他の発明の構成は、
第1の基板および透光性を有する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液晶層と、
を少なくとも含む半導体装置の作製方法であって、
前記第1の基板上にストライプ状の電極を形成する工程と、
前記ストライプ状の電極の表面を覆うDLC膜を形成する工程と、
前記DLC膜上に絶縁層を形成する工程と、
前記DLC膜の表面と前記絶縁層の表面とが同一平面をなす様に前記絶縁層を平坦化する工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする。
【0020】
また、他の発明の構成は、
絶縁表面を有する基板上に複数の半導体素子を形成する工程と、
前記複数の半導体素子の各々と電気的に接続する複数の画素電極を形成する工程と、
前記複数の画素電極の表面を覆うDLC膜を形成する工程と、
前記DLC膜上に絶縁層を形成する工程と、
前記DLC膜の表面と前記絶縁層の表面とが同一平面をなす様に前記絶縁層を平坦化し、前記複数の画素電極の境界部を前記絶縁層で埋め込む工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする。
【0021】
また、他の発明の構成は、
マトリクス状に形成された複数の半導体素子および該複数の半導体素子の各々に接続された複数の画素電極を有する基板と、
前記基板上に保持された液晶層と、
を少なくとも含む半導体装置の作製方法であって、
前記複数の画素電極の表面を覆うDLC膜を形成する工程と、
前記DLC膜上に絶縁層を形成する工程と、
前記DLC膜の表面と前記絶縁層の表面とが同一平面をなす様に前記絶縁層を平坦化し、前記複数の画素電極の境界部を前記絶縁層で埋め込む工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする。
【0022】
ここでDLCとは、「Diamond Like Corbon 」の略であり、ダイヤモンドの如き物性を示す炭素または炭素を主成分とする硬度の高い薄膜である。また、i−カーボンとも呼ばれ、sp3 結合を主体としている。
【0023】
DLC膜の硬度はビッカース硬度にして2000kg/mm2以上と高く、摩擦係数も0.4 以下と小さいため、保護膜や潤滑膜とし利用される。しかし、水素の含有量が過剰に高くなると膜質が柔らかくなるので本発明には適用できない。
【0024】
DLC膜としての特徴はラマンデータに顕著に現れる。ここで、図12に本発明で利用するDLC膜のラマンデータを示す。なお、光源はAr+ レーザー、レーザービーム径は 1μmφ、光源出力は1.0mW 、スリット幅は100 μm、積算時間は300 秒×2 であり、室温、大気中で測定している。
【0025】
図12に示す様に、DLC膜のラマンピークは1550cm-1付近に現れ、1550cm-1付近を中心としてブロード状に広がるラマン分布が得られる。また、ラマン分布は1550cm-1付近を中心として非対称であることもDLC膜の特徴である。
【0026】
ダイヤモンドのラマンデータでは1330cm-1付近に急峻なラマンピークが現れるので容易に区別がつく。また、結晶構造が崩れて柔らかい膜質となった炭素膜(DLCとは区別して考える)はラマンピークが2つ現れたり、明確なラマンピークが現れなくなったりするので容易に区別できる。
【0027】
また、上記本発明の構成において、液晶層が保持された状態の典型例としては、複数の画素電極を有する基板(第1の基板)と第1の基板に対向する対向基板(第2の基板)との間に液晶層が挟持されている状態を言う。なお、液晶層としてPDLC(ポリマ分散型液晶)を使用する場合、液晶層自体が固体化するので第2の基板を必要としない場合もありうる。
【0028】
また、半導体素子としては薄膜トランジスタ(TFT)が代表的であるが、その他にも絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ(IGFET)、薄膜ダイオード、MIM(Metal-Insulator-Metal )素子、バリスタ素子等でも良い。
【0029】
【発明の実施の形態】
ここでは本願発明についての簡単な説明を図1を用いて行う。図1(A)において、101は絶縁表面を有する基板、102、103は基板101上に形成された画素TFTである。さらに、画素TFT102、103の上には層間絶縁膜104を介して画素電極105、106が形成されている。画素電極105、106は、それぞれ画素TFT102、103と電気的に接続され、画素電極同士は境界部107、108で電気的に絶縁されている。
【0030】
ここで本発明の特徴は、画素電極105、106を覆う様にして10〜50nmの厚さのDLC膜109を形成する点にある。図1(A)の状態が得られたら、画素電極105、106上に画素電極の境界部107、108を埋め込むための絶縁膜110を形成する。なお、絶縁層110として遮光性を有する薄膜(光吸収層など)を用いるとブラックマスクとして機能させることができる。
【0031】
次に、図1(B)に示す様な上記絶縁層110の平坦化工程を行う。典型的には機械的な研磨によって平坦化する方法が有効である。なお、機械的な研磨としては代表的にはCMP(化学機械研磨)技術が挙げられる。CMP技術は薬液による化学的なエッチングと研磨材(砥粒)による機械的な研磨によって薄膜表面を平坦化する技術であり、優れた平坦面を得ることができる。
【0032】
また、機械的な研磨以外にもドライエッチング法を利用したエッチバック技術を用いる事もできる。エッチバック技術は平坦度ではCMP技術に見劣りするが、装置の増設を特に必要としない点、処理中にパーティクル(ゴミ)を発生しない点などの利点を有する。
【0033】
本発明では、絶縁層110を研磨していくとやがてDLC膜109の表面が現れる。この時、DLC膜109は非常に高い硬度を有しているため、機械的な研磨過程の進行はここで止まる。即ち、DLC膜109が露出した時点で平坦化工程が完了する。
【0034】
そのため、上記平坦化工程により図1(C)に示す様な状態で埋め込み絶縁層111、112が形成される。なお、図1(B)において点線で示しているのは、研磨工程前の絶縁層110の形状を示しており、機械的な研磨工程によって絶縁層110が削られていく様子を表している。
【0035】
図1(C)に示す様な最終的な状態では、画素電極間に形成される境界部107、108は完全に埋め込み絶縁層111、112で埋め込まれた状態となる。この時、画素電極105、106の表面と埋め込み絶縁層111、112の表面とは同一平面を成している。
【0036】
以上の様に、本発明によって画素電極間の境界部は埋め込み絶縁層によって埋め込まれ、不要な段差が排除される。この様にすることで従来の様な液晶材料の配向不良や段差部での光の乱反射等の問題を生じない極めて高精細なアクティブマトリクス型表示装置を得ることができる。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例では本発明を利用して反射型LCDの画素マトリクス回路を作製する工程例を図3、4を用いて説明する。なお、本発明は画素の平坦化に関する技術であるため、TFT構造自体は本実施例に限定されるものではない。
【0038】
まず、絶縁表面を有する基板301を用意する。本実施例ではガラス基板上に下地膜として酸化珪素膜を形成する。基板301の上には結晶性珪素膜でなる活性層302〜304を形成する。なお、本実施例では3つのTFTのみ記載することになるが実際には100万個以上のTFTが画素マトリクス回路内に形成される。
【0039】
本実施例では非晶質珪素膜を熱結晶化させて結晶性珪素膜を得ている。そして、その結晶性珪素膜を通常にフォトリソ工程でパターニングして活性層302〜304を得る。なお、本実施例では結晶化の際に結晶化を助長する触媒元素(ニッケル)を添加している。この技術については特開平7-130652号公報に詳細に記載されている。
【0040】
次に、ゲイト絶縁膜305として150 nmの厚さの酸化珪素膜を形成し、その上に0.2wt%のスカンジウムを含有させたアルミニウム膜(図示せず)を成膜し、パターニングによりゲイト電極の原型となる島状パターンを形成する。
【0041】
本実施例では、ここで特開平7-135318号公報に記載された技術を利用する。なお、詳細は同公報を参考にすると良い。
【0042】
まず、上記島状パターン上にパターニングで使用したレジストマスクを残したまま、3%のシュウ酸水溶液中で陽極酸化を行う。この時、白金電極を陰極として2〜3mVの化成電流を流し、到達電圧は8Vとする。こうして、多孔質状の陽極酸化膜306〜308が形成される。
【0043】
その後、レジストマスクを除去した後に3%の酒石酸のエチレングリコール溶液をアンモニア水で中和した溶液中で陽極酸化を行う。この時、化成電流は5〜6mVとし、到達電圧は100Vとすれば良い。こうして、緻密な陽極酸化膜309〜311が形成される。
【0044】
そして、上記工程によってゲイト電極312〜314が画定する。なお、画素マトリクス回路ではゲイト電極の形成と同時に1ライン毎に各ゲイト電極を接続するゲイト線も形成されている。(図3(A))
【0045】
次に、ゲイト電極312〜314をマスクとしてゲイト絶縁膜305をエッチングする。エッチングはCF4 ガスを用いたドライエッチング法により行う。これにより315〜317で示される様な形状のゲイト絶縁膜が形成される。
【0046】
そして、この状態で一導電性を付与する不純物イオンをイオン注入法またはプラズマドーピング法により添加する。この場合、画素マトリクス回路をN型TFTで構成するならばP(リン)イオンを、P型TFTで構成するならばB(ボロン)イオンを添加すれば良い。
【0047】
なお、上記不純物イオンの添加工程は2度に分けて行う。1度目は80keV程度の高加速電圧で行い、ゲイト絶縁膜315〜317の端部(突出部)の下に不純物イオンのピークがくる様に調節する。そして、2度目は5keV程度の低加速電圧で行い、ゲイト絶縁膜315〜317の端部(突出部)の下には不純物イオンが添加されない様に調節する。
【0048】
こうしてTFTのソース領域318〜320、ドレイン領域321〜323、低濃度不純物領域(LDD領域とも呼ばれる)324〜326、チャネル形成領域327〜329が形成される。(図3(B))
【0049】
この時、ソース/ドレイン領域は 300〜500 Ω/□のシート抵抗が得られる程度に不純物イオンを添加することが好ましい。また、低濃度不純物領域はTFTの性能に合わせて最適化を行う必要がある。また、不純物イオンの添加工程が終了したら熱処理を行い、不純物イオンの活性化を行う。
【0050】
次に、第1の層間絶縁膜330として酸化珪素膜を 400nmの厚さに形成し、その上にソース電極331〜333、ドレイン電極334〜336を形成する。(図3(C))
【0051】
次に、第2の層間絶縁膜337として酸化珪素膜を 0.5〜1 μmの厚さに形成する。なお、第2の層間絶縁膜337として有機性樹脂膜を用いることも可能である。有機性樹脂膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル等を用いることができる。
【0052】
そして、第2の層間絶縁膜337を形成したら、 1wt% のチタンを添加したアルミニウム膜を 100nmの厚さに成膜し、パターニングにより画素電極338〜340を形成する。勿論、他の金属材料を用いても構わない。
【0053】
次に、画素電極338〜340を覆ってDLC膜341を形成する。DLC膜はプラズマCVD法、ECRプラズマCVD法、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、イオン化蒸着法等の気相成膜法を用いることができる。
【0054】
DLC膜を形成する際の原料ガスとしては炭化水素が用いられる。炭化水素としてはメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化水素、エチレン、アセチレン等の不飽和炭化水素が挙げられる。また、炭化水素分子の水素のうち1個若しくは複数個がハロゲン元素に置換したハロゲン化炭化水素を用いても良い。
【0055】
また、炭化水素の他に水素を添加することは有効である。水素を添加するとプラズマ中での水素ラジカルが増加し、膜中の余分な水素を引き抜き、膜質を向上させる効果が期待できる。この時、全ガス流量に対する水素ガス流量の比は30〜90%、好ましくは50〜70%が良い。この比が多すぎると成膜速度が減少し、少なすぎると余分な水素の引き抜き効果がなくなる。
【0056】
さらに、原料ガスを希釈するキャリアガスとしてヘリウムを添加することもできるし、スパッタ法の場合にはスパッタリングガスとしてアルゴンを添加する場合もある。また、特開平6-208721号公報に記載される様に13〜15族の元素を添加することも有効である。
【0057】
また、反応圧力は 5〜1000mTorr 、好ましくは10〜100mTorrが良い。高周波電力は通常13.56MHzを用いる。この時、印加するRF電力は0.01〜1W/cm2、好ましくは0.05〜0.5W/cm2とする。さらに、原料ガスの分解を助長するために2.45GHz のマイクロ波による励起効果を付加したり、その励起空間に対して875 ガウスの磁場を形成し、電子スピン共鳴を利用することも有効である。
【0058】
本実施例ではプラズマCVD装置の反応空間に原料ガスとしてメタンガスを50sccm、水素ガスを50sccmを導入し、成膜圧力は10mTorr 、RF電力は100W、反応空間の温度は室温とする。また、基板バイアスとして 200Vの直流バイアスを加え、プラズマ中の粒子(イオン)が被形成面上に入射する様な電界を形成することで膜質の緻密化と硬度の向上を図っている。
【0059】
また、本発明者らの実験によれば、DLC膜を成膜すると表面の摩擦係数は中心線平均粗さ(Ra)が10nmの場合でも 0.2〜0.4 となり、実用的な摩擦係数0.4 よりも小さくすることができる。しかも、表面の煽動を繰り返しても摩擦係数の変化は殆どない。この事は膜厚が10nmのDLC膜でも、CMP研磨工程の際に十分にストッパーとして機能しうることを意味している。
【0060】
なお、摩擦係数はDLC膜厚に依存性を有し、DLC膜厚が厚くなる程小さくなる。従って、DLC膜の膜厚は10nm以上あれば良いことになるが、厚すぎると液晶に印加される電界が弱くなるので10〜50nm程度が良い。
【0061】
また、反射型LCDでは画素電極の表面に誘電体を形成し、反射率を向上させる増反射処理という技術がある。これは、一般的に誘電体の膜厚によって画素電極の反射率が変化する現象を利用したもので、誘電体の膜厚は入射光の波長と相関関係がある。従って、本実施例でもDLC膜の膜厚を入射光に応じて最適なものとすることで反射率を高めることが可能である。
【0062】
なお、DLC膜のさらに詳細な成膜方法および成膜装置等については、本発明者らによる特公平3-72711 号公報、同4-27690 号公報、同4-27691 号公報を参考にすると良い。
【0063】
以上の様にしてDLC膜341を形成したら、次に画素電極の境界部(隙間)を埋め込むための絶縁層342を形成する。なお、本実施例の様にソース配線331〜333上に境界部が形成される様に画素電極を形成すると、ソース配線331〜333がブラックマスクとして機能するので、絶縁層342が透光性であっても構わない。
【0064】
しかしながら、より確実な遮光機能を確保するために、絶縁層342としては黒色顔料またはカーボンを分散させた有機性樹脂膜(PSG等の溶液塗布系酸化珪素膜でも良い)等の様に遮光性を有する絶縁膜を用いることが望ましい。こうすることでソース配線が細くなった場合や斜め方向からの光に対しても確実な遮光機能を果たすことができる。
【0065】
また、使用する液晶材料よりもできるだけ比誘電率の低い材料を用いることで、画素電極間における横方向電界の形成を抑制することもできる。
【0066】
こうして図4(A)に示す状態が得られたら、絶縁層342の平坦化工程としてCMP研磨工程を行い、画素電極338〜340の隙間に埋め込み絶縁層343〜345を形成する。(図4(B))
【0067】
この時、画素電極338〜340の表面と埋め込み絶縁層343〜345の表面とがほぼ一致するので、優れた平坦面を得ることができる。また、画素電極338〜340の表面はDLC膜341によって保護されているので必要以上に研磨が進行するのを防ぐことができる。
【0068】
この状態を上面から見た図を図6に示す。図6は画素マトリクス回路に注目した簡略図であり、図4(B)の構造は図6においてA−A’で切った断面図に相当する。また、図6における各符号は図4(A)、(B)で用いた符号に対応している。
【0069】
図6に示す様に、画素電極はマトリクス状に配置され、その表面はDLC膜341によって覆われている。また、画素電極の境界部は埋め込み絶縁層343〜345で埋め込まれる。従って、埋め込み絶縁層343〜345はそれぞれ符号を付けてあるが、実際にはマトリクス状に一体化している。
【0070】
以上の様にして、画素マトリクス回路が完成する。実際には画素TFTを駆動する駆動回路等も同一基板上に同時形成される。この様な基板は通常TFT側基板またはアクティブマトリクス基板と呼ばれる。本明細書中ではアクティブマトリクス基板のことを第1の基板と呼ぶことにする。
【0071】
第1の基板が完成したら、透光性基板346に対向電極347を形成した対向基板(本明細書中ではこの基板を第2の基板と呼ぶことにする)を貼り合わせ、それらの間に液晶層348を挟持する。こうして図4(C)に示す様な反射型LCDが完成する。
【0072】
なお、このセル組み工程は公知の方法に従って行えば良い。また、液晶層に二色性色素を分散させたり、対向基板にカラーフィルターを設けたりすることも可能である。その様な液晶層の種類、カラーフィルターの有無等はどの様なモードで液晶を駆動するかによって変化するので実施者が適宜決定すれば良い。
【0073】
〔実施例2〕
本実施例では本発明を利用して透過型LCDの画素マトリクス回路を作製する工程例を図5を用いて説明する。なお、途中までは実施例1に示した反射型LCDの作製工程と同一であるので、ここでは異なる点のみについて説明する。
【0074】
図5(A)に示す状態は、実施例1に示した工程と同様の手順で、画素電極501、502、DLC膜503、埋め込み用の絶縁膜504までを形成した状態である。本実施例では画素電極501、502の材料として透明導電膜(ITO、SnO2 等)を用いる。また、この時、画素電極501、502はTFT上に重ならない様に形成しておく。
【0075】
また、本実施例では絶縁膜504として黒色顔料を分散させたポリイミド等を用いる。透過型の場合、TFTの活性層も遮光する必要があるため、遮光性を有する絶縁膜を用いることが好ましい。
【0076】
次に、CMP研磨工程を行い、画素電極501、502(正確にはDLC膜503)と同一平面をなす埋め込み絶縁層505、506を形成する。(図5(B)
【0077】
この状態を上面から見た図を図7に示す。図7は画素マトリクス回路に注目した簡略図であり、図5(B)の構造は図7においてB−B’で切った断面図に相当する。また、図7における各符号は図5(A)、(B)で用いた符号に対応している。
【0078】
図7に示す様に、複数の画素電極はマトリクス状に配置され、その表面はDLC膜503によって覆われている。また、画素電極の境界部は一体化した埋め込み絶縁層505、506で埋め込まれる。また、本実施例では、埋め込み絶縁層505、506がTFT上にも形成されるため、活性層に光があたって抵抗が変化することを防ぐことができる。
【0079】
以上の様にして、透過型LCDのTFT側基板が完成する。TFT側基板が完成したら、通常のセル組み工程によって透光性基板507、対向電極508でなる対向基板とTFT側基板との間に液晶層509を挟持する。こうして図5(C)に示す様な透過型LCDが完成する。
【0080】
〔実施例3〕
実施例1において、DLC膜341を形成する前に画素電極338〜340を平坦化しておくことは有効である。平坦化工程はCMP研磨によって行うことが好ましい。
【0081】
本発明ではDLC膜を機械的な研磨工程の際のストッパー膜として利用するため、画素電極の表面状態がそのままDLC膜の表面状態に反映する。従って、反射型LCDの様に、画素電極の表面に平坦性が要求される場合は画素電極を予め平坦度の高いものとしておく必要がある。
【0082】
〔実施例4〕
本実施例では、アクティブマトリクス駆動を行うための半導体素子として、実施例1で示したTFTとは異なる構造のTFTを利用する場合の例について説明する。なお、本実施例で説明する構造のTFTは実施例2に対しても容易に適用することができる。
【0083】
実施例1では代表的なトップゲイト型TFTであるコプレナー型TFTを一例として記載したが、ボトムゲイト型TFTであっても構わない。図8に示すのはボトムゲイト型TFTの代表例である逆スタガ型TFTを用いた例である。
【0084】
図8において、801はガラス基板、802、803はゲイト電極、804はゲイト絶縁膜、805、806は活性層である。活性層805、806は意図的に不純物を添加しない珪素膜で構成される。
【0085】
また、807、808はソース電極、809、810はドレイン電極であり、811、812はチャネルストッパー(またはエッチングストッパー)となる窒化珪素膜である。即ち、活性層805、806のうち、チャネルストッパー811、812の下に位置する領域が実質的にチャネル形成領域として機能する。
【0086】
以上までが逆スタガ型TFTの基本構造である。本実施例では、この様な逆スタガ型を有機性樹脂膜でなる層間絶縁膜813で覆い、その上に画素電極814、815を形成する。そして、画素電極814、815をDLC膜で保護した状態で埋め込み用の絶縁膜を成膜し、CMP研磨工程により平坦化する。これにより画素電極間の隙間は埋め込み絶縁層817、818によって埋め込まれる。
【0087】
また、次に本発明の半導体素子として絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ(IGFET)を形成した場合の例について説明する。なお、IGFETはMOSFETとも呼ばれ、シリコンウェハー上に形成されたトランジスタを指す。
【0088】
図9において、901はガラス基板、902、903はソース領域、904、905はドレイン領域である。ソース/ドレイン領域はイオン注入で不純物を添加し、熱拡散させることで形成できる。なお、906は素子分離用の酸化物であり、通常のLOCOS技術を用いて形成できる。
【0089】
次に、907はゲイト絶縁膜、908、909はゲイト電極、910は第1の層間絶縁膜、911、912はソース電極、913、914はドレイン電極である。その上を第2の層間絶縁膜915で覆い、その上に画素電極916、917が形成される。この場合も画素電極916、917はDLC膜918で保護され、かつ、境界部には埋め込み絶縁層919、920が埋め込まれる。
【0090】
なお、本実施例で示したIGFET、トップゲイト型またはボトムゲイト型TFT以外にも、薄膜ダイオード、MIM素子、バリスタ素子等を用いたアクティブマトリクスディスプレイに対しても本発明は適用できる。
【0091】
以上、本実施例に示した様に、本発明はあらゆる構造の半導体素子を用いた反射型LCDまたは透過型LCDに対して適用可能である。
【0092】
特に、反射型液晶LCDは半導体素子上を平坦化してその上に画素電極を形成することで、画素面積を最大限に活用できる利点を有する。本発明はその利点をさらに効果的に利用する上で有効な技術である。そのため、本発明を利用した反射型LCDは高い解像度と高い開口率を実現することができる。
【0093】
〔実施例5〕
実施例1において、画素電極338〜340を形成する前に、第2の層間絶縁膜337を平坦化しておくことは有効である。
【0094】
層間絶縁膜の平坦化方法としては、層間絶縁膜の厚膜化による方法、有機性樹脂膜を用いたレベリングによる方法、機械的な研磨による方法、エッチバック技術による方法などが挙げられるが、優れた平坦面を得るには機械的な研磨による方法が最も有効である。
【0095】
機械的な研磨による方法としては、代表的にはCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)技術が挙げられる。CMP技術とは、薬液による化学的なエッチングと研磨材による機械的な研磨とを組み合わせた研磨技術である。
【0096】
本実施例によれば優れた平坦面に画素電極338〜340を形成することになり、高い反射率を有する画素電極を得ることができる。即ち、投射型ディスプレイに様な用途に用いる場合に非常に有効である。
【0097】
〔実施例6〕
本願発明は、単純マトリクス型の液晶表示装置に対しても適用することが可能である。この場合、一対の基板の各々にストライプ状の電極を形成し、互いの電極が直交する様に基板を貼り合わせて液晶層を挟持する。
【0098】
なお、この場合、一方を透光性基板とすれば他方は透光性でも遮光性でも構わない。ただし、透光性基板側に形成するストライプ状の電極は透明導電膜で構成する必要がある。
【0099】
本実施例では、透光性基板と対をなす基板側にアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料でストライプ状の電極を形成し、ストライプ状に延在する電極間の隙間を絶縁層で埋め込む。
【0100】
単純マトリクス型LCDに本発明を適用した場合、絶縁層として液晶層よりも比誘電率の低い材料(有機性樹脂材料等)を用いることで隣接する電極間のクロストークを低減する効果も得られる。
【0101】
〔実施例7〕
本発明を適用して形成される反射型LCDでは様々な液晶の表示モードを利用することができる。例えば、ECB(電界制御複屈折)モード、PCGH(相転移型ゲスト・ホスト)モード、OCBモード、HANモード、PDLC型ゲスト・ホストモードが挙げられる。
【0102】
ECBモードは液晶層に印加する電圧を変化させて液晶の配向を変え、その時生じる液晶層の複屈折の変化を一対の偏光板で検出してカラー表示を行う表示モードである。この場合、カラーフィルターを利用しない方式もとれるため、明るい表示が可能である。
【0103】
また、PCGHモードはホスト液晶に対して二色性色素をゲスト分子に混合し、液晶に印加する電圧によって液晶分子の配向状態を変化させ、液晶層の光吸収率を変化させる表示モードである。この場合、偏光板を用いない方式がとれるため、高いコントラストを得ることができる。
【0104】
また、PDLCモードは液晶中に高分子を分散させた(または高分子中に液晶を分散させた)ポリマー分散型液晶を用いる表示モードである。この場合、偏光板が不要であるため明るい表示が可能である。また、固体のポリマー分散型液晶を利用すれば対向側にガラス基板を用いない構成とすることも可能である。
【0105】
これらの様々な表示モードは、その特徴に応じて偏光板の有無、カラーフィルターの有無を自由に設定することができる。例えば、PCGHモードの場合には偏光板が不要なので、カラーフィルターを用いた単板式としても明るい表示を実現することができる。
【0106】
〔実施例8〕
本実施例では、本発明を表示ディスプレイとして用いた電気光学装置の一例について説明する。まず、実施例1に示した反射型LCDを三板式プロジェクターに適用した場合について、図10(A)を用いて説明する。
【0107】
図10(A)において、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等の光源11から出力されたR(赤)、B(青)、G(緑)を含む光は、偏光ビームスプリッタ12で反射され、クロスダイクロイックミラー13に進む。
【0108】
なお、偏光ビームスプリッタとは光の偏光方向によって反射したり透過したりする機能を有した光学フィルターである。この場合、光源11からの光は偏光ビームスプリッタ12で反射される様な偏光を与えてある。
【0109】
この時、クロスダイクロイックミラー13では、Rに対応する液晶パネル14の方向にR成分光が反射され、Bに対応する液晶パネル15の方向にB成分光が反射される。また、G成分光はクロスダイクロイックミラー13を透過し、Gに対応する液晶パネル16に入射する。
【0110】
各液晶パネルは14〜16は、画素がオフ状態にある時は入射光の偏光方向を変化させないで反射する様に液晶分子が配向している。また、画素がオン状態にある時は液晶層の配向状態が変化し、入射光の偏光方向もそれに伴って変化する様に構成されている。
【0111】
これらの液晶パネル14〜16で反射された光は再びクロスダイクロイックミラー13で反射(G成分光だけは透過)して合成され、再び偏光ビームスプリッタ12へと入射する。
【0112】
この時、オン状態にある画素領域で反射された光は偏光方向が変化するため偏光ビームスプリッタ12を透過する。一方、オフ状態にある画素領域で反射された光は偏光方向が変化しないため偏光ビームスプリッタ13で反射される。
【0113】
この様に、画素マトリクス回路にマトリクス状に配置された画素領域を複数の半導体素子でオン/オフ制御することによって、特定の画素領域で反射された光のみが偏光ビームスプリッタ12を透過できる様になる。この動作は各液晶パネル14〜16に共通である。
【0114】
以上の様にして偏光ビームスプリッタ12を透過した画像情報を含む光は投影レンズ等で構成される光学系レンズ17で拡大投影されてスクリーン18上に映し出される。
【0115】
本発明を利用した反射型LCDは、画素電極間を埋め込むことで高い解像度と高い開口率とを実現している。また、画素電極の平坦化を行った場合には高い反射率を実現している。そのため、図10(A)の投射型プロジェクターの様に画像を拡大投影する電気光学装置においても優れた表示性能を実現できる。
【0116】
次に、実施例2に示した透過型LCDを三板式プロジェクターに適用した場合について図10(B)を用いて説明する。
【0117】
図10(B)において、19はハロゲンランプ等の光源、20はリフレクターである。RGB成分を含んだ光はまずダイクロイックミラー21に入射し、ここでR成分光のみ反射される。そして、R成分光はリフレクター22で反射され、Rに対応する液晶パネル23へ入射する。
【0118】
また、ダイクロイックミラー21を透過した光はダイクロイックミラー24に入射し、ここでB成分光のみが反射される。反射されたB成分光はBに対応する液晶パネル25へ入射する。また、ダイクロイックミラー24を透過したG成分光はGに対応する液晶パネル26へと入射する。
【0119】
そして、R成分光はダイクロイックミラー27でB成分光と合成され、ダイクロイックミラー28へ入射する。また、G成分光はリフレクター29で反射されてダイクロイックミラー28へと入射する。ここでRBG全ての成分光が合成され、投影レンズ30によって拡大投影されてスクリーン31に映し出される。
【0120】
本発明を利用した透過型LCDも高い解像度と高い開口率とを実現しているため、優れた表示性能を有する電気光学装置を構成することができる。特に、開口率が高いという点は本発明の透過型LCDの最も大きな利点である。
【0121】
〔実施例9〕
本実施例では、本発明による液晶表示装置を適用しうる応用製品(電気光学装置)について図11を用いて説明する。本発明を利用した電気光学装置としてはビデオカメラ、スチルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話等)などが挙げられる。
【0122】
図11(A)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2001、カメラ部2002、受像部2003、操作スイッチ2004、表示装置2005で構成される。本発明の反射型LCDを表示装置2005に適用すると、さらに小型化および低消費電力化が図れる。
【0123】
図11(B)はヘッドマウントディスプレイであり、本体2101、表示装置2102、バンド部2103で構成される。本発明の反射型LCDを表示装置2102に適用することで大幅に装置の小型化が図れる。
【0124】
図11(C)はフロント型プロジェクターであり、本体2201、光源2202、表示装置2203、光学系2204、スクリーン2205で構成される。表示装置2203に本発明の透過型LCDを採用することで高精細な画像が実現される。
【0125】
図11(D)は携帯電話であり、本体2301、音声出力部2302、音声入力部2303、表示装置2304、操作スイッチ2305、アンテナ2306で構成される。本発明を表示装置2304に適用することで視認性に優れた表示モニタを搭載することができる。
【0126】
図11(E)はビデオカメラであり、本体2401、表示装置2402、音声入力部2403、操作スイッチ2404、バッテリー2405、受像部2406で構成される。本発明を表示装置2402に適用することで、屋外での撮影にも十分に耐えうる表示性能が実現できる。
【0127】
図11(F)はリア型プロジェクターであり、本体2501、光源2502、表示装置2503、ビームスプリッタ2504、リフレクター2505、2506、スクリーン2507で構成される。本発明の反射型LCDを表示装置2402に適用することで、装置の薄型化および高精細な画像を実現できる。
【0128】
なお、図11(A)、(B)、(D)、(E)に示す様に直視型ディスプレイとする場合、画素電極表面に凹凸を形成することは有効である。これにより光の散乱効果が高まり、視野角、視認性が向上する。逆に、図11(C)、(F)に示す様に投射型ディスプレイとする場合、画素電極表面を鏡面状態にすることが好ましい。これにより光の乱反射が低減され、色ずれや解像度の低下が抑えられる。
【0129】
以上の様に、本発明の応用範囲は極めて広く、あらゆる分野の表示媒体に適用することが可能である。特に、液晶表示装置をプロジェクターの様な投射型表示装置に用いる場合には、非常に高い解像度が要求される。その様な場合において、本発明は非常に有効な技術である。
【0130】
また、モバイルコンピュータ、携帯電話、ビデオカメラに代表される携帯情報端末機器は装置の小型化および低消費電力化が望まれる。その様な場合において、バックライトの不要な本発明の反射型LCDは有効である。
【0131】
【発明の効果】
本発明を利用した液晶表示装置は、マトリクス状に配置された個々の画素電極の隙間(画素と画素との切れ間)が埋め込み絶縁層で埋め込まれた構成となる。この時、画素電極表面と埋め込み絶縁層の表面とは概略一致するため、画素電極間の隙間に生じる段差部はほぼ完全に平坦化する。
【0132】
従って、上記段差部に起因する液晶材料の配向不良、入射光の乱反射によるコントラスト低下といった諸問題が解決される。これにより、高精細な表示性能を有する液晶表示装置を実現することが可能である。
【0133】
また、上記埋め込み絶縁層は厚めに形成された絶縁層を平坦化することで得られるが、特に機械的な研磨工程(CMP研磨工程)によって平坦化する場合、画素電極と絶縁膜との間にDLC膜を形成することで、必要以上に画素電極が研磨される事を防止できる。
【0134】
即ち、CMP研磨工程がDLC膜が露出した時点で実質的に終了するので、処理時間の制御が大幅に簡易なものとなる。この事は製造歩留りを向上させるのに非常に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の概略を説明するための図。
【図2】 従来の画素マトリクス回路の構成を示す図。
【図3】 反射型LCDの作製工程を示す図。
【図4】 反射型LCDの作製工程を示す図。
【図5】 透過型LCDの作製工程を示す図。
【図6】 画素マトリクス回路を上面から見た図。
【図7】 画素マトリクス回路を上面から見た図。
【図8】 アクティブマトリクス基板の構造を示す図。
【図9】 アクティブマトリクス基板の構造を示す図。
【図10】 プロジェクタの構成を示す図。
【図11】 本発明の応用製品の一例を説明するための図。
【図12】 DLC膜のラマンデータを示す図。
【符号の説明】
101 ガラス基板
102、103 画素TFT
104 層間絶縁膜
105、106 画素電極
107、108 境界部
109 DLC膜
110 埋め込み用の絶縁層
111、112 埋め込み絶縁層

Claims (6)

  1. 絶縁表面を有する基板上に形成された複数の半導体素子と、
    前記複数の半導体素子上にある表面が平坦な層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に形成され、前記複数の半導体素子に各々1つずつ接続された複数の電極と、
    前記複数の電極を覆うDLC膜と、
    前記複数の電極の各境界部にある前記DLC膜上に、前記境界部を埋めるように形成された絶縁層とを有し、
    前記境界部以外にある前記DLC膜の表面と前記絶縁層の表面とは同一平面をなすことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置
  2. 絶縁表面を有する基板上に形成された複数の半導体素子と、
    前記複数の半導体素子上にある表面が平坦な層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に形成され、前記複数の半導体素子に各々1つずつ接続された複数の電極と、
    前記複数の電極を覆うDLC膜と、
    前記複数の電極の各境界部にある前記DLC膜上に、前記境界部を埋めるように形成された絶と、
    前記基板に対向する対向基板と、
    前記基板と前記対向基板との間に狭持される液晶層とを有し、
    前記境界部以外にある前記DLC膜の表面と前記絶縁層の表面とは同一平面をなすことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置
  3. 絶縁表面を有する基板上に複数の半導体素子を形成し、
    前記複数の半導体素子上に層間絶縁膜を形成し、
    前記層間絶縁膜を平坦化し、
    前記複数の半導体素子に各々1つずつ接続される複数の電極を形成し、
    前記複数の電極および前記複数の電極の各境界部を覆うDLC膜を形成し、
    前記DLC膜に覆われた複数の電極の各境界部を埋め、かつ前記DLC膜を覆う絶縁層を形成し、
    前記DLC膜の表面および前記絶縁層の表面が同一平面をなす様に平坦化することを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置の作製方法
  4. 請求項3に記載のアクティブマトリクス型表示装置の作製方法を用いて作製したことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
  5. 請求項1、請求項2または請求項4に記載のアクティブマトリクス型表示装置は、アクティブマトリクス型液晶表示装置であることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
  6. 請求項1、請求項2、請求項4または請求項5に記載の前記アクティブマトリクス型表示装置を具備した電気光学装置。
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