JP2007065013A - 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 垂直配向膜が形成されない領域を低減しつつ、製造工程を増大させることなく高コントラストで画像を表示する。
【解決手段】 側面17cが第3層間絶縁膜43の平坦な面となす傾斜角θ2の角度は17度であり、側面17cに対して無機材料が蒸着される蒸着角度δ2は、62度(45度+17度)である。加えて、側面17c上における配向膜16に対して液晶50aがなすプレチルト角θp2は、図9に示すように18.57度となり、側面17cの傾斜角θ2は、プレチルト角θp2より小さく設定されている。この結果、第3層間絶縁膜43上に段差部17を設けた状態で斜方蒸着法を用いて配向膜16を形成した場合でも、段差部17及び画素電極9a上全体にムラなく配向膜16が形成されていることになる。
【選択図】 図11
【解決手段】 側面17cが第3層間絶縁膜43の平坦な面となす傾斜角θ2の角度は17度であり、側面17cに対して無機材料が蒸着される蒸着角度δ2は、62度(45度+17度)である。加えて、側面17c上における配向膜16に対して液晶50aがなすプレチルト角θp2は、図9に示すように18.57度となり、側面17cの傾斜角θ2は、プレチルト角θp2より小さく設定されている。この結果、第3層間絶縁膜43上に段差部17を設けた状態で斜方蒸着法を用いて配向膜16を形成した場合でも、段差部17及び画素電極9a上全体にムラなく配向膜16が形成されていることになる。
【選択図】 図11
Description
本発明は、例えば垂直配向モードで液晶分子が配向制御される液晶装置及びその製造方法、並びにそのような液晶装置を具備してなる、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の液晶装置においては、液晶分子の配向制御を、特定の表面形状をもつ配向膜により行う場合がある。このような配向膜は、成膜後にラビング処理が施されて作成される場合の他、酸化シリコン(SiO2)等を基板に対して斜めから蒸着する方法(以下、「斜方蒸着法」という)により作成される場合がある(特許文献1参照。)。
また、液晶分子を配向制御する方法も各種知られており、例えば配向膜に対して略垂直になるように設定されたプレチルト角を有する垂直配向モードが知られている。
垂直配向モードに用いられる垂直配向膜を斜方蒸着法で形成する場合、垂直配向膜を構成するSiO2等の無機材料は無機材料が蒸着される基板面に対して所定に角度をなして傾いた状態の柱状構造(カラム)を有している必要がある。このような柱状構造を得るためには、垂直配向膜を形成する際の無機材料、即ち蒸着物質の供給方向(飛翔方向)と基板面とがなす角度を、例えば45度から70度に設定する必要がある(特許文献2参照)。
ここで、配向膜が形成される下地である基板の表面は、段差を有している場合が殆どである。より具体的には、例えばTFTアレイ基板上には、データ線、走査線及び画素電極等が基板上に積層構造をなしており、その厚みが凹凸を発生させている。TFTアレイ基板に対向する対向基板上では、遮光膜、カラーフィルタ等の存在により、同様に段差が生じている。したがって、基板の表面に段差が存在した状態で斜方蒸着法等の膜形成法を用いて垂直配向膜を形成した場合、基板の表面に垂直配向膜が形成されない領域が生じてしまう問題点があり、液晶の配向不良を生じさせてしまうことがある。この問題点を解決するために、配向膜が形成される基板の表面を予め平坦化しておくことによって配向膜が形成されない領域を低減する技術(例えば特許文献3参照)が提案されている。また、画素電極によって生じる画素間の段差による液晶の配向不良を低減するために、基板の表面に対して垂直な方向から蒸着物質を蒸着した後に斜め方向から蒸着物質を斜め蒸着する技術も開示されている(例えば特許文献4参照。)。画素電極周縁部を突出させることによって、画素電極又は共通電極が液晶に作用させる等電位線を画素電極の少なくとも一つの周縁部以外の周縁部側に傾斜させ、明るく、且つ高コントラストな画像表示を可能とする技術も開示されている(例えば特許文献5参照。)。基板の表面に存在する段差に起因する液晶の配向不良を低減する技術も開示されている(例えば特許文献6参照。)。特許文献5及び6によれば、液晶装置の駆動時に画素電極間に生じる横電界を低減することによって表示品質を高めている。
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術によれば、垂直配向膜が形成されない領域を低減することは困難である。また、基板の表面を平坦化するためには、配向膜を形成する工程とは別に平坦化工程が必要になり、特許文献3に記載された技術では効率良く液晶装置を製造することは難しい。特許文献4に記載された技術によれば、蒸着材料を異なる方向から段階的に蒸着させることになり、平坦化工程を加える場合と同様に製造工程を増大させてしまう製造プロセス上の問題点がある。特許文献5及び6に開示された技術によれば、垂直配向膜を斜方蒸着法等の蒸着法で形成する場合は想定されておらず、基板面に対して所定に角度をなすように柱状構造を形成しつつ、垂直配向膜が形成されない領域を低減することは困難である技術的問題点がある。加えて、液晶装置の駆動時に画素電極間に生じる横電界を低減することも表示品質を高めるためには重要であり、上述の各問題点を解決しつつ、横電界によってコントラストが低下する問題点を一挙に解決することは困難である。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、垂直配向膜が形成されない領域を低減しつつ、製造工程を増大させることなく高コントラストで画像表示できる液晶装置及びその製造方法、並びにそのような液晶装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、第1基板と、前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記第1基板の基板面、及び前記第2基板における前記基板面に対向する対向面間に挟持された誘電率異方性が負である液晶分子を含む液晶層と、平面的に見て前記基板面内の一方向及び前記一方向に交わる他方向の夫々に沿って配列されるように、前記基板面上の画像表示領域に形成された複数の画素電極と、前記画像表示領域において前記画素電極の周辺に前記画素電極を避けるように延びる周辺領域のうち前記一方向及び前記他方向の少なくとも一方に延びる領域に沿って形成された段差部と、前記一方向及び前記他方向に対して平面的に見て斜めに交わる所定の方位角方向及び前記基板面に対する所定の仰角方向によって規定される供給方向から無機材料を堆積させることによって前記段差部を覆うように前記基板面上に形成されており、前記液晶分子を垂直配向モードで配向させる配向膜とを備え、前記段差部は、前記段差部を前記所定の方位角方向に沿った平面で切った断面において、前記無機材料を前記段差部に堆積させる材料供給源から離れる方向に向かって前記基板面に対して斜めに交わる側面を有しており、前記断面において前記側面が前記基板面となす傾斜角は前記所定の仰角方向が前記基板面となす角度より小さく、且つ前記断面において前記液晶分子が前記側面となすプレチルト角より小さい。
本発明に係る液晶装置によれば、複数の画素電極は基板面上の画像表示領域に例えばマトリクス状に配列されている。より具体的には、例えば画素電極の配列方向のうち一方向がX方向である場合、他方向はX方向と交わるY方向である。また、一方向及び他方向のX及びY方向の関係は逆であってもよい。このような複数の画素電極のうち隣接する画素電極間では、その駆動時に生じた横電界によって液晶分子等の液晶分子に配向不良を生じさせる。より具体的には、所謂1Hライン反転駆動方式或いは1S反転駆動方式等のライン反転駆動によって画素電極を駆動させる場合、基準電位を基準として互いに逆極性の電極電位とされる画素電極間において基板面に平行に作用する横電界が生じる。このような横電界は、画素電極及び画素電極と対向するように配置された対向電極間に作用する縦電界による液晶分子の配向制御を阻害する。このような横電界は、段差部が周辺領域に形成されていることにより相対的に低減される。例えば対向電極及び画素電極に作用する縦電界を周辺領域において横電界より相対的に大きくすることができ、周辺領域において横電界によって生じる液晶分子の配向不良を低減することが可能である。これにより、画像表示領域で表示される画像を見た際に感じるザラザラとした染みのような表示ムラを低減でき、且つ光透過率も高めることが可能である。
配向膜は、供給方向から供給された無機材料によって段差部を覆うように形成されており、垂直配向モードで液晶分子を配向制御する。供給方向は、方位角方向及び仰角方向の2つの方向によって規定されている。ここで、「方位角方向」とは、基板面内の任意の基準点を基準とした場合の基板面内における方向を意味する。「仰角方向」とは、上述の基準点を基準として、基板面と、この基板面の上側の空間の一点及び基準点を結ぶ線分とがなす角、即ち、基準点から上述の一点を見た場合の仰角で決まる方向を意味する。このような2つの方向によって供給方向は規定され、配向膜は、例えばCVD(chemical Vapor Deposition)或いはPVD(Physical Vapor Deposition)法の膜形成法を用いて形成される。尚、所定の方位角方向及び所定の仰角方向は、後述するように、配向膜が形成されない領域が生じないように且つ液晶分子を垂直配向モードで配向制御できるように設定されている。より具体的には、CVD法或いはPVD法を用いて形成された配向膜は、無機材料が蒸着された被蒸着面に対して傾いた方向に成長した柱状構造から構成されている。このような柱状構造の成長方向、即ち被蒸着面及び柱状構造がなす角度は、配向膜表面で配向制御される液晶分子のプレチルト角を決める。加えて、被蒸着面及び柱状構造がなす角度は、被蒸着面及びこの被蒸着面に無機材料を供給する供給方向がなす角度、より具体的には仰角によって決まる。よって、後述するように段差部が有する側面が基板面となす傾斜角は、垂直配向モードで液晶分子を配向制御できるように、且つ側面に配向膜が形成されるように設定されている。尚、配向膜は、部分的に段差部の側面に形成されていてもよい。
尚、垂直配向モードとは、液晶分子のプレチルト角が配向膜の表面に対して略垂直をなす状態から、その駆動時に液晶分子が所定の配向状態に配向制御される配向制御法の一つである。このような配向膜は無機材料を上述のCVD法又はPVD法を用いて蒸着させることによって形成されており、一般的に配向規制力(アンカリングエネルギー)が小さく、TNモードを用いて配向制御する場合に比べて横電界による配向不良が生じ易い。したがって、後述する段差部によって第1基板及び第2基板間の間隔のギャップを小さくすることによって、その駆動時に段差部上に存在する液晶分子を起点として、画素電極中央の平坦な領域に存在する液晶分子が一定の方向に即座に配向する。これにより、その駆動時における液晶分子の応答速度を向上させることが可能である。尚、液晶等の液晶分子の応答速度を高めるためにプレチルト角を増大させることも可能であるが、その場合には残留リタデーションが発生し、黒レベルが低下するので表示画像のコントラスト比が低下する。したがって、他の表示上の不具合を生じさせない観点から見た場合、横電界を低減するための段差部を設けることはプレチルト角を増大させる場合より好ましい。
段差部は、例えば画像表示領域のうち画素電極或いはこの画素電極を含む画素回路等に各種信号を供給する配線部が形成された領域、即ち光が透過しない非開口領域を含む周辺領域に形成されている。周辺領域は、例えば画素電極がITO等の透明電極で形成されている場合に、開口率、即ち画像表示領域における光透過率を低下させないように画素電極の周辺に延びている。より具体的には、例えば画素電極がマトリクス状に配列されている場合には、周辺領域は画素電極を避けるように画像表示領域内に格子状に延びている。このような段差部により、画素電極間に作用する横電界を低減できる。尚、段差部は、格子状だけでなく、一方向及び他方向の少なくとも一方に沿って延びていればよい。より具体的には、例えば1H反転駆動方式が採用されている場合には、段差部は、マトリクス状に配列された画素電極の行方向に沿って延びていればよく、1S反転駆動方式が採用されている場合には列方向に沿って延びていればよい。
段差部は、この段差部を所定の方位角方向に沿った平面で切った断面において、無機材料を供給する供給源から離れる方向に向かって基板面に対して斜めに交わる側面を有している。より具体的には、段差部を所定の方位角方向に沿った平面で切った断面における段差部の断面形状は例えばテーパ形状であり、側面は、基板面に対して斜めに交わっている。この断面上において供給方向及び側面がなす傾斜角の角度は、基板面及び供給方向がなす角度と異なる。したがって、基板面を基準として配向膜を形成するだけでは、段差部の表面に液晶分子を垂直配向モードで配向制御できる配向膜を形成できない場合が生じる。
より具体的には、側面は、材料供給源から離れる方向に沿って基板面に対して斜めに交わっている、即ち材料供給源からみて段差部の影となっているため、基板面及び供給方向なす仰角に比べて側面及び基板面がなす傾斜角の角度が大きい場合には、側面に配向膜を形成できない場合もある。加えて、基板面上の全体において液晶分子及び配向膜がなすプレチルト角を略垂直にすることができない場合がある。
より具体的には、側面は、材料供給源から離れる方向に沿って基板面に対して斜めに交わっている、即ち材料供給源からみて段差部の影となっているため、基板面及び供給方向なす仰角に比べて側面及び基板面がなす傾斜角の角度が大きい場合には、側面に配向膜を形成できない場合もある。加えて、基板面上の全体において液晶分子及び配向膜がなすプレチルト角を略垂直にすることができない場合がある。
そこで、本発明に係る液晶装置では、段差部を所定の方位角方向に沿った平面で切った断面において、側面が基板面となす傾斜角の角度は、上述の所定の仰角方向が基板面となす角度より小さく、且つ前記断面において前記液晶分子が側面となすプレチルト角より小さい。このような傾斜角を有するように段差部が形成されていることにより、横電界を低減するための段差部を設けた状態で、段差部の側面に配向膜を形成し、且つ側面の表面に形成された配向膜で液晶分子を垂直配向モードで配向制御することが可能である。より具体的には、傾斜角の角度が、上述の所定の仰角方向が基板面となす角度より小さいことにより、材料供給源から離れる方向で基板面と交わる側面、即ち無機材料を供給する際に供給源から見て段差部の影になる側面に配向膜を形成できる。このような傾斜角で規定された側面を有する段差部に形成された配向膜は、段差部全体及び基板面に平行に延びる画素電極を覆うように形成されていることになる。加えて、配向膜を構成する、例えば柱状構造が側面となす角度が液晶分子のプレチルト角が略垂直になるように設定されている。このような段差部の表面に形成された配向膜によれば、液晶分子の傾き、即ちその駆動時に対向電極及び画素電極間に作用する縦電界によって液晶分子が傾く方向を一定の方向に揃えることが可能である。より具体的には、液晶分子の配向容易軸を配向膜全体で一定の向きに揃えることが可能である。
したがって、本発明に係る液晶装置によれば、横電界による配向不良、より具体的に、例えば液晶分子の配向回転によるトポロジカルな欠陥 (転傾:ディスクリネーション)を低減するために積極的に段差部を設けた状態で、この段差部全体に配向膜を形成でき、且つ垂直配向モードで液晶分子を配向制御できる配向膜を段差部の側面に形成可能である。
本発明に係る液晶装置の一の態様では、前記段差部は、前記周辺領域において前記画素電極の下層側に形成された凹凸部に応じて形成されていてもよい。
この態様によれば、段差部をエッチング処理する工程を追加することなく、画素電極の下層側に形成された凹凸部をそのまま利用することによって、所望の段差部を形成できる。
この態様では、前記画素電極の下層側に形成された素子と、該素子上に形成された絶縁膜とを更に備えており、前記凹凸部は前記素子の形状に応じて前記絶縁膜が部分的に突出したことによって形成されていてもよい。
この態様によれば、例えば予め画素電極の下層側に形成されたTFT等の素子、及びこの素子を上層と電気的に絶縁するための絶縁膜によって段差部を所望の形状に形成できる。より具体的には、絶縁膜の下層側に形成された素子及び配線部の平面的なレイアウト、及びこれらの重なり具合によって絶縁膜を部分的に突出させることができる。加えて、絶縁膜から部分的に突出した部分を段差部とすればよい。このような段差部の側面が基板面となす傾斜角は、上述の素子の平面的なレイアウトによって設定可能である。
本発明に係る液晶装置の他の態様では、斜方蒸着法又はイオンビームスパッタ法を用いて形成されていてもよい。
この態様によれば、ポリイミド等の有機膜で構成される配向膜を形成する場合に比べて、ラビング処理を施す工程を省略できる。より具体的には、斜方蒸着法等の膜形成法で形成された配向膜は、無機材料の供給方向によって液晶分子の配向容易軸、即ちその駆動時に液晶分子が傾く方向が規定されるため、配向膜を形成するだけで配向容易軸が決まるからである。
本発明に係る液晶装置の製造方法は上記課題を解決するために、第1基板の基板面及び前記第1基板に対向するように配置された第2基板における前記基板面に対向する対向面間に挟持された液晶分子を含む液晶層を形成する第1工程と、平面的に見て前記基板面内の一方向及び前記一方向に交わる他方向の夫々に沿って配列されるように、前記基板面上の画像表示領域に複数の画素電極を形成する第2工程と、前記画像表示領域において前記画素電極の周辺に前記画素電極を避けるように延びる周辺領域のうち前記一方向及び前記他方向の少なくとも一方に延びる領域に沿って段差部を形成する第3工程と、前記一方向及び前記他方向に対して平面的に見て斜めに交わる所定の方位角方向及び前記基板面に対する所定の仰角方向によって規定される供給方向から無機材料を堆積させることによって前記段差部を覆うように前記基板面上に、前記液晶分子を垂直配向モードで配向させる配向膜を形成する第4工程と備え、前記第3工程は、前記段差部を前記所定の方位角方向に沿った平面で切った断面において、前記無機材料を堆積させる材料供給源から離れる方向に向かって前記基板面に対して斜めに交わるように延びる側面が前記基板面となす傾斜角の角度が、前記所定の仰角方向が前記基板面となす角度より小さく、且つ前記断面において前記液晶分子が前記側面となすプレチルド角より小さくなるように、前記傾斜角を調整する第5工程を含む。
本発明に係る液晶装置の製造方法によれば、上述の本発明の液晶装置と同様に、横電界による配向不良を低減するための段差部を設けた状態で、この段差部全体に配向膜を形成でき、且つ段差部の側面に垂直配向モードで液晶分子を配向制御できる配向膜を形成可能である。
本発明に係る液晶装置の製造方法の一の態様では、前記第5工程において、グレーマスク又は半透過マスクを用いたエッチング法を施すことによって前記画素電極の下層側に延びる絶縁層の一部を除去することにより、前記傾斜角の角度を調整してもよい。
この態様によれば、グレーマスク又半透過マスクを用いて絶縁膜の一部をエッチングすることにより、所望の角度に設定された傾斜角を有する側面を備えた段差部を形成できる。これにより、絶縁膜の下層側に形成された素子等の構造及びレイアウトに制限されることなく、段差部を形成できる。
本発明に係る液晶装置の製造方法の他の態様では、前記絶縁膜の下層側に形成された素子、又は配線部によって前記傾斜角の角度を調整するように、前記素子及び前記配線部を階段状に配置してもよい。
この態様によれば、絶縁膜の下層側に形成された素子、又は配線部によって傾斜角を調整することによって、エッチング処理工程を経て傾斜角を設定する場合に比べて、製造プロセスを簡便化できる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の液晶装置を具備してなる。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら本実施形態の液晶装置、及びその製造方法、並びに電子機器の実施形態を説明する。以下の実施形態では、本発明の液晶装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げる。
<第1実施形態>
(液晶装置の構成)
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
(液晶装置の構成)
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側からみた平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。尚、以下で参照する各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図1及び図2において、本実施形態の液晶装置1では、TFTアレイ基板10、TFTアレイ基板10と対向配置された対向基板20を備えている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。図2には、ギャップ材56として略球状のガラスビーズを、シール材52に混入した構成を示してある。尚、ギャップ材56を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。尚、この周辺領域は、後述するように本発明の「周辺領域」とは異なることに留意されたい。
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2には図示を省略してあるが、この積層構造の最上層に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。画素電極9a上には、例えばシリカ(SiO2)等の無機材料からなる配向膜16が設けられており、後に詳細に説明するように垂直配向モードで液晶が配向制御される。
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向するように形成されている。遮光膜23上に、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図2には図示しないカラーフィルタが形成されるようにしてもよい。
対向基板20の対向面上における、これら各種の構成要素が作り込まれた積層構造上には、例えばシリカ(SiO2)等の無機材料からなる配向膜22が形成されている。対向電極21は、対向基板20上の積層構造の最上層に配置されると共に、対向電極21上に配向膜22が形成されている。
尚、液晶装置1が備える配向膜16及び22は、寿命を延ばすために無機材料で形成されている。加えて、配向膜16及び22は、液晶分子を垂直配向モードで配向制御するように、基板面に対して所定の角度で成長させた柱状構造からなる無機垂直配向膜である。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる、誘電率異方性を有する液晶を有している。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、一対の配向膜16及び22間で所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、図3を参照しながら配向膜16の構成を詳細に説明する。図3は、図2に対応する断面の構成について、特に、TFTアレイ基板10上に形成された配向膜16による液晶の配向について模式的に示してある。尚、配向膜22も配向膜16と同様の構成を有している。
図3において、TFTアレイ基板10において液晶層50と対向する側の基板面上に、TFT等の各種構成要素を備えた積層構造90が形成されており、積層構造90の最上層に画素電極9aが画素毎に形成されている。そして、画素電極9a上に、無機材料の柱状構造物16aがTFTアレイ基板10の基板面に対して所定の角度をなして配列することにより、無機材料が堆積して、配向膜16が形成されている。このように形成された配向膜16は、表面形状効果により、液晶分子50aの配向状態を垂直配向モードによって規制できる。尚、図3を参照して説明した配向膜16による液晶の配向については、対向基板20上に形成された配向膜22についても同様である。
次に、図4を参照しながら液晶装置1の回路構成及び動作を説明する。図4は、液晶装置1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
図4において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して液晶層に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
次に、図5及び図6を参照して、画素部の具体的な構成について説明する。図5において、TFTアレイ基板10上には、X方向及びY方向に対してマトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a´により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線11aが設けられている。半導体層1aのうち図5中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように走査線3aが配置されており、走査線11aはゲート電極を含む。走査線3a及びデータ線6aが交差する個所の夫々には、チャネル領域1a´に走査線3aの一部がゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
データ線6aは、第2層間絶縁膜42を下地として形成されており、コンタクトホール81を介してTFT30の高濃度ソース領域に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30に対する遮光膜としても機能するようになっている。
蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部容量電極71と、固定電位側容量電極としての上部容量電極300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。図5及び図6に示すように、上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含む導電性の遮光膜からなり、上側遮光膜(内蔵遮光膜)としてTFT30の上側に設けられている。上部容量電極300は、固定電位側容量電極としても機能する。上部容量電極300は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、上部容量電極300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等の他の金属を含んでもよい。但し、上部容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持ってもよい。
下部容量電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極300とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは上側遮光膜の他の例としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持つ。但し、下部容量電極71も、上部容量電極300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成してもよい。容量電極としての下部容量電極71と上部容量電極300との間に配置される誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄い程良い。上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。係る定電位源としては、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。
TFT30の下側には、下地絶縁膜12を介して下側遮光膜21aが格子状に設けられている。下側遮光膜21aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a´及びその周辺を遮光するために設けられている。この下側遮光膜21aは、上側遮光膜の一例を構成する上部容量電極300と同様に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。更に、下側遮光膜21aについても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、上部容量電極300と同様に、画像表示領域10aからその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
下地絶縁層12は、下側遮光膜21aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
画素電極9aは、下部容量電極71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。下部容量電極71は、蓄積容量70の画素電位側容量電極としての機能及び光吸収層としての機能に加えて、画素電極9aをTFT30へ中継接続する機能を果たす。このように下部容量電極71を利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつコンタクトホール及び溝で両者間を良好に接続でき、画素開口率を高めること可能となり、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
図5及び図6に示すように、液晶装置1は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には斜方蒸着法又はイオンビームスパッタリング法を用いて形成された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、TFTアレイ基板10と同様に配向膜22が設けられている。対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜を設けるようにしてもよい。このような構成を採ることで、上部容量電極300として設けられた上側遮光膜と併せ、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域1a´乃至その周辺への侵入を阻止するのをより確実に阻止することができる。尚、対向基板20上の遮光膜は、少なくとも外光が照射される面において反射率が高くなるように形成することにより、液晶装置の温度上昇を防ぐ働きをする。
画素電極9a及び対向電極21が対面するように配置されたTFTアレイ基板10と、対向基板20との間には、液晶層50が形成されている。液晶層50を構成する液晶は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22に対して略垂直な角度をなすプレチルト角を有しており、垂直配向モードで配向制御される。
図5において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間絶縁膜41上には下部容量電極71及び上部容量電極300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及び85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
第2層間絶縁膜42の上面は完全な平坦面ではなく、走査線3a等の画素電極9aの下層側に形成された各部の構造に起因する段差部17aが残されている。段差部17aは、横電界防止用として意図的に残存され、配向膜16上にまで伝播し、画素同士の境界にあたる遮光領域に段差部17となって現れることで、駆動時に発生する画素間の横電界を低減するように機能する。尚、段差部17の詳細な構成及び形成方法は、後に詳細に説明する。データ線6aの上から第2層間絶縁膜42の全面を覆うように、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が、例えばBPSG膜により形成されている。画素電極9a及び配向膜16は、第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
ここで、図6に示すように、画素電極9a及び下部容量電極71を電気的に接続するためのコンタクトホール85は、第3層間絶縁膜43及び第2層間絶縁膜42並びに誘電体膜75に、第3層間絶縁膜43の表面から、第3層間絶縁膜43及び第2層間絶縁膜42並びに誘電体膜75を貫通して、下部容量電極71の表面に至るように、開孔されている。コンタクトホール85の壁面は、深さ方向に対して垂直な方向に切断して得られる、このコンタクトホール85の断面のサイズが、第3層間絶縁膜43から第2層間絶縁膜42に向かうにつれて小さくなるような、順テーパ形状として形成されている。そして、画素電極9aを形成する導電膜は、第3層間絶縁膜43の表面からコンタクトホール85内に連続的に、コンタクトホール85内に露出した下部容量電極71の一部を覆うように形成されている。
次に、図7乃至図11を参照しながら段差部17の構成及び配設位置、並びに配向膜16を形成する際に無機材料を供給する供給方向を詳細に説明する。
図7は、配向膜16を形成する際に無機材料を供給する供給方向を説明するための図であり、図8は図7に対応するTFTアレイ基板10の一部を模式的に示した平面図である。尚、図7では説明の便宜上第3層間絶縁膜43の下層側の構成要素及び配向膜16を省略している。
図7において、配向膜16を形成する際に無機材料を供給する供給方向Lは、方位角方向及び仰角方向によって規定される。「方位角方向」は、TFTアレイ基板10の基板面内の基準点Oを基準とした場合における供給方向LのTFTアレイ基板10面内における方位を決める。より具体的には、画素電極9aの平坦な領域における基準点O及び無機材料の供給源を通る直線がTFTアレイ基板10の基板面に射影された直線Lφによって決まる方位である。直線Lφは、図中Y方向に沿って延びる仮想的な直線Lyとなす角φで規定され、例えば45度或いはこの角度に準ずる角度とされる。即ち、直線Lφは、本発明の「一方向」及び「他方向」の夫々一例である図中X方向及びY方向に対して45度又はこの角度に準ずる角度で規定された方向に延びる直線である。「仰角方向」は、基準点O及び供給源を通る直線が、TFTアレイ基板10の基板面となす角度で規定される方向である。より具体的には、基準点Oを通るTFTアレイ基板10の基板面に対する法線Lzと、基準点O及び供給源を通る直線Lとがなす角θで規定される方向である。このような方位角方向及び仰角方向の2つの方向によって供給方向Lは規定されている。尚、斜方蒸着法で配向膜16を形成する場合には、供給方向Lが無機材料を蒸着する際の蒸着方向となり、無機材料は基板面に対して斜めに蒸着される。
次に、図7及び図8に示すように、段差部17は、画素電極9aの間に延びる周辺領域19x及び19yに形成されている。段差部17は、図中X方向及びY方向に沿って格子状に形成されており、液晶装置1が1H反転駆動方式又は1S反転駆動方式等のライン反転駆動方式を用いて駆動された際に画素電極9a間に作用する横電界を低減する。より具体的には、例えば1H反転駆動方式を採用した場合には、図8中Y方向に沿って互いに隣接する画素電極9aは対向電極21に供給された基準電位に対して互いに異なる極性の電極電位とされるため、これら画素電極9a間でTFTアレイ基板10の基板面に平行な横電界が作用する。このような横電界は、画素電極9a及び対向電極21間に作用する縦電界による液晶層50の配向制御を阻害し、配向不良を生じさせる。
そこで、液晶装置1では、段差部17を周辺領域19xに形成しておくことにより、周辺領域19xにおける配向膜16及び22間の距離、即ちギャップを狭めることができ、縦電界によって横電界を相対的に低減することが可能である。これにより、周辺領域19xにおいて横電界によって生じる液晶層50の配向不良を低減でき、画像表示領域で表示される画像を見た際に感じるザラザラとした染みのような表示ムラを低減でき、且つ光透過率も高めることが可能である。尚、画素電極9aが1S反転駆動される際には図中X方向に沿って隣接する画素電極9a間に作用する横電界が周辺領域19yに形成された段差部17によって低減される。配向膜16は、φ=45度で決まる方位角方向Lφ及び後述する仰角θで決まる所定の仰角方向Lθによって規定される供給方向Lから無機材料をTFTアレイ基板10上に供給することによって、画素電極9a及び段差部17を覆うように形成されている。尚、本実施形態では、コンタクトホール85の直径は1μmとされる。
ここで、図9を参照しながら斜方蒸着法を用いて配向膜16を形成した際の蒸着角度及び液晶分子50aの配向膜16に対するプレチルト角(θp)の関係を説明する。尚、蒸着角度とは、上述した仰角θの角度である。
図9に示すように、液晶50aが配向膜16となすプレチルト角は、配向膜16を形成する際の蒸着角度で決まる。配向膜16を構成する柱状構造の成長方向、即ちTFTアレイ基板10の基板面に平行な画素電極9aの表面及び基板面に対して傾斜した側面を有する段差部を覆うように、且つ液晶を垂直配向モードで配向制御可能なようにムラなく配向膜16を形成する必要がある。ここで、TFTアレイ基板10の基板面に対する蒸着角度、即ち無機材料の供給方向を規定する仰角方向を決めたのでは、段差部17の側面及び蒸着方向がなす角度が基板面を基準とした蒸着角度と異なることになり、段差部17の表面全体にムラなく、且つ液晶50aが段差部17の側面全体で所定のプレチルト角を有するように配向膜16を形成できない場合が生じる。より具体的には、段差部17を方位角方向Lφに沿った平面で切った断面において、無機材料の供給源から離れる方向に延びる側面、即ち供給源から見て段差部17の影になる側面17cに配向膜16を形成することが困難となる。そこで、液晶装置1では、配向膜16が垂直配向モードで液晶を配向制御できるように、段差部17が有する側面17cが基板面となす傾斜角及び仰角の関係と、この傾斜角及びプレチルト角の関係とが夫々一定の関係を有するように段差部17が形成されている。
次に、図10及び図11を参照しながら段差部17の側面17cが基板面となす傾斜角及び蒸着角度の関係を詳細に説明する。図10は、図8のX−X´線断面図であり。尚、図10では、画素電極9aの表面のうちうちTFTアレイ基板10の基板面に対して平行な領域に対して右上方から45度の蒸着角度、即ち仰角θが45度の状態で配向膜16を形成した場合を一例に挙げている。図11は、図10の部分的に拡大して示した部分拡大図である。
図10において、段差部17は、側面17b及び17cを有している。側面17bは、段差部17をφ=45度で規定される方位角方向Lφに沿った平面で切った場合の断面において、無機材料を供給する供給源に向かって基板面に対して斜めに交わっており、本発明の「側面」の一例である側面17cは供給源から離れる方向に向かって基板面に対して斜めに交わっている。側面17cが第3層間絶縁膜43の表面のうちTFTアレイ基板10の基板面と平行な領域となす傾斜角の角度θ2は、蒸着角度及びプレチルト角と一定の関係を有するように設定されている。
図11(a)に示すように、画素電極9aの中央付近である平坦領域では、無機材料は第3層間絶縁膜43の表面に対して45度の蒸着角度で蒸着される。したがって、画素電極9aの平坦領域では、図9に示したように配向膜16及び液晶がなすプレチルト角θp0は4、16度になる。図11(b)に示すように、側面17bが平坦領域となす傾斜角θ1は第3層間絶縁膜43の表面に対して21度であり、側面17bに対して無機材料が蒸着される蒸着角度δ1は、24度(45度−21度)である。したがって、側面17bにおける配向膜16に対する液晶50aのプレチルト角θp1は、図9に示すように0.21度となる。側面17b上では、液晶50aは第2層間絶縁膜43の平坦な面を基準として図中右側に傾いていることになる。図11(c)に示すように、側面17cが第3層間絶縁膜43の平坦な面となす傾斜角θ2の角度は17度であり、側面17cに対して無機材料が蒸着される蒸着角度δ2は、62度(45度+17度)である。加えて、側面17c上における配向膜16に対して液晶50aがなすプレチルト角θp2は、図9に示すように18.57度となり、側面17cの傾斜角θ2は、プレチルト角θp2より小さく設定されている。この結果、第3層間絶縁膜43上に段差部17を設けた状態で斜方蒸着法を用いて配向膜16を形成した場合でも、段差部17及び画素電極9a上全体にムラなく配向膜16が形成されていることになる。加えて、配向膜16は、第3層間絶縁膜43の平坦な面を基準として、段差部17の平坦な上面、側面17b及び17cの夫々において図中右側へ向かって液晶50aが傾くプレチルト角を有するように形成されている。したがって、段差部17及び画素電極9a上に形成された配向膜16によれば、ライン反転駆動される際に画素電極9a間に作用する横電界を段差部17の存在によって低減しつつ、垂直配向モードで液晶50aを配向制御できる。加えて、配向膜16全体で図中右側に向かって一定の向きに液晶50aを傾かせることができるため、例えば側面17b及び17c上の液晶50aが縦電界によって配向制御されることを起点として、速い応答速度で画像表示できるように画素電極9a上の液晶50aを配向制御することが可能である。
以上より、液晶装置に1では、横電界による配向不良(転傾:ディスクリネーション)を低減するために積極的に段差部を設けた状態で、この段差部全体に配向膜を形成でき、且つ段差部の側面に垂直配向モードで液晶を配向制御できる配向膜を形成可能である。加えて、液晶を高速で配向制御することが可能であり、高品位の画像を表示できる。
(表示特性の比較)
次に、表1を参照しながら本願発明者が行った評価結果を説明する。本評価では、上述ように形成された段差部17及びその上に形成された配向膜16を備えた液晶装置1と、段差部が形成されていない平坦な面に形成された配向膜を備えた液晶装置との各種表示特性を比較した。尚、評価対象とされた液晶装置1では、配向膜16及び22はSiO2を斜方蒸着法によって蒸着させることによって形成されている。蒸着角度は45度であり、配向膜16及び22の膜厚は80nmである。尚、配向膜16及び22を形成する際に蒸着装置内の真空度は1.5×10−2Paである。液晶装置1の解像度はXGAであり、画素ピッチは14μmである。ITOで形成された画素電極9a間のスペースは1.5μmであり、開口率は52.0%である。第3層間絶縁膜43の表面の平坦領域を基準とする段差部17の高さは0.7μmであり、第1傾斜角の角度θ1は17度、第2傾斜角の角度θ2は21度である。画素電極9aの中央付近における配向膜16及び22間のギャップは2.9μmであり、段差部17の上面における配向膜16及び22のギャップは2.2μmである。液晶50aは、誘電率異方性が負(屈折率Δn=0.1265、誘電率異方性Δε=−3.9)である液晶(メルク株式会社製、MLC−7029)を用いた。液晶装置1の駆動方式は、1H反転駆動方式を採用した。
次に、表1を参照しながら本願発明者が行った評価結果を説明する。本評価では、上述ように形成された段差部17及びその上に形成された配向膜16を備えた液晶装置1と、段差部が形成されていない平坦な面に形成された配向膜を備えた液晶装置との各種表示特性を比較した。尚、評価対象とされた液晶装置1では、配向膜16及び22はSiO2を斜方蒸着法によって蒸着させることによって形成されている。蒸着角度は45度であり、配向膜16及び22の膜厚は80nmである。尚、配向膜16及び22を形成する際に蒸着装置内の真空度は1.5×10−2Paである。液晶装置1の解像度はXGAであり、画素ピッチは14μmである。ITOで形成された画素電極9a間のスペースは1.5μmであり、開口率は52.0%である。第3層間絶縁膜43の表面の平坦領域を基準とする段差部17の高さは0.7μmであり、第1傾斜角の角度θ1は17度、第2傾斜角の角度θ2は21度である。画素電極9aの中央付近における配向膜16及び22間のギャップは2.9μmであり、段差部17の上面における配向膜16及び22のギャップは2.2μmである。液晶50aは、誘電率異方性が負(屈折率Δn=0.1265、誘電率異方性Δε=−3.9)である液晶(メルク株式会社製、MLC−7029)を用いた。液晶装置1の駆動方式は、1H反転駆動方式を採用した。
表1に本評価の評価結果を示す。表1に示すように、段差部17を設けた液晶装置1は、段差部を設けない平坦面に配向膜を形成した場合に比べて、光透過率、コントラスト比、液晶の応答速度、ドメインの発生状態、残像感の全てにおいて優れた表示特性を有することが分かった。
(液晶装置の製造方法)
次に、図12乃至図13を参照しながら、液晶装置1の製造方法を説明する。尚、以下では、第3層間絶縁膜43の形成工程以降を中心に説明する。
次に、図12乃至図13を参照しながら、液晶装置1の製造方法を説明する。尚、以下では、第3層間絶縁膜43の形成工程以降を中心に説明する。
図12においてTFTアレイ基板10上に第2層間絶縁膜43を形成する(S10)。この状態で、第2層間絶縁膜43の下層側に形成されたデータ線6a等の構造を応じた凸部80a及び平坦な領域における凹部80bからなる凹凸部80が形成されている。次に、図12及び図13に示すように、グレーマスク又は半透過マスクを用いて段差部17を形成する(S20)。図13(a)に示すように、凸部80a上にマスク91を配置し、上側から凸部80aをエッチングすることにより、図13(b)に示すようになだらかな側面17b及び17cを有する段差部17を形成できる。マスク91は、例えばグレーマスク又は半透過マスクである。次に、段差部17が形成された第3層間絶縁膜43上の画像表示領域気10aに画素電極9aを形成する(S30)。次に、側面17b及び17cの夫々が第3層間絶縁膜43の平坦な領域となす傾斜角が蒸着方向と間で上述した関係を有するように、SiO等の無機材料を蒸着し、配向膜16を形成する(S40)。次に、TFTアレイ基板10及び対向基板20を貼り合わせた(S50)後、これら基板間に液晶を注入して(S60)液晶装置1を完成させる。
このように本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、高品位で画像表示できる液晶装置を製造できることに加え、ラビング処理を施すことなく垂直配向モードで液晶を配向制御できる配向膜を形成できる。加えて、液晶装置1について述べたように横電界を低減しつつ、高速で高品位の画像を表示できる。
(変形例)
次に、図14を参照しながら段差部17の変形例を説明する。図14は、段差部17の断面図である。図14(a)において、段差部17は、第3層間絶縁膜43の下層側に形成された配線部18の平面的なレイアウト及び重なり具合によって側面17b及び17cの夫々の傾斜角θ1及びθ2を調整可能である。図14(b)及び(c)に示すように、無機材料の供給源からみて段差部17の陰になる側面17cの傾斜角θ2を、素子15及び配線部18の平面的なレイアウト及び重なり具合で調整することも可能である。このような段差部17によれば、液晶装置の製造工程にエッチング処理工程を導入することなく、所望の段差部17を形成でき、液晶装置の製造工程を簡便化できる。
次に、図14を参照しながら段差部17の変形例を説明する。図14は、段差部17の断面図である。図14(a)において、段差部17は、第3層間絶縁膜43の下層側に形成された配線部18の平面的なレイアウト及び重なり具合によって側面17b及び17cの夫々の傾斜角θ1及びθ2を調整可能である。図14(b)及び(c)に示すように、無機材料の供給源からみて段差部17の陰になる側面17cの傾斜角θ2を、素子15及び配線部18の平面的なレイアウト及び重なり具合で調整することも可能である。このような段差部17によれば、液晶装置の製造工程にエッチング処理工程を導入することなく、所望の段差部17を形成でき、液晶装置の製造工程を簡便化できる。
<第2実施形態>
次に、図15乃至図24を参照しながら本実施形態の液晶装置及びその製造方法を説明する。尚、本実施形態の液晶装置及びその製造方法では、第1実施形態の液晶装置1及びその製造方法と共通する部分に共通の参照符号を付して説明する。
次に、図15乃至図24を参照しながら本実施形態の液晶装置及びその製造方法を説明する。尚、本実施形態の液晶装置及びその製造方法では、第1実施形態の液晶装置1及びその製造方法と共通する部分に共通の参照符号を付して説明する。
(液晶装置の具体的な構成)
先ず、図15乃至図18を参照しながら本実施形態に係る液晶装置100の具体的な構成を説明する。図15乃至図18は、本実施形態に係る液晶装置100の画素部の具体的な構成を示す図であり、図15は液晶装置100におけるTFTアレイ基板上の画素群の平面図であって、下層部分(図18における符号6a(データ線)までの下層の部分)に係る構成のみを示すものである。図16は、液晶装置100におけるTFTアレイ基板上の画素群の平面図であって、上層部分(図18における符号6a(データ線)を超えて上層の部分)に係る構成のみを示すものである。図17は、図15及び図16を重ね合わせた場合の平面図であって、一部を拡大したものである。図18は、図17のB−B´線断面図である。
先ず、図15乃至図18を参照しながら本実施形態に係る液晶装置100の具体的な構成を説明する。図15乃至図18は、本実施形態に係る液晶装置100の画素部の具体的な構成を示す図であり、図15は液晶装置100におけるTFTアレイ基板上の画素群の平面図であって、下層部分(図18における符号6a(データ線)までの下層の部分)に係る構成のみを示すものである。図16は、液晶装置100におけるTFTアレイ基板上の画素群の平面図であって、上層部分(図18における符号6a(データ線)を超えて上層の部分)に係る構成のみを示すものである。図17は、図15及び図16を重ね合わせた場合の平面図であって、一部を拡大したものである。図18は、図17のB−B´線断面図である。
図15乃至図18では、画素部の各回路要素がパターン化され、積層された導電膜としてTFTアレイ基板10上に構築されている。各回路要素は、下から順に、走査線11aを含む第1層、TFT30等を含む第2層、データ線6a等を含む第3層、蓄積容量70等を含む第4層、画素電極9a等を含む第5層からなる。また、第1層−第2層間には下地絶縁膜12、第2層−第3層間には第1層間絶縁膜41、第3層−第4層間には第2層間絶縁膜42、第4層−第5層間には第3層間絶縁膜43がそれぞれ設けられ、前述の各要素間が短絡することを防止している。尚、このうち、第1層から第3層が下層部分として図15に示され、第4層から第5層が上層部分として図16に示されている。
(第1層の構成―走査線等―)
第1層は、走査線11aで構成されている。走査線11aは、図15のX方向に沿って延びる本線部と、データ線6aが延在する図15のY方向に延びる突出部とからなる形状にパターニングされている。
第1層は、走査線11aで構成されている。走査線11aは、図15のX方向に沿って延びる本線部と、データ線6aが延在する図15のY方向に延びる突出部とからなる形状にパターニングされている。
本実施形態では特に、走査線11aは、TFT30の下層側に、チャネル領域1aに対向する領域を含むように配置されており、導電膜からなる。このため、TFTアレイ基板10における裏面反射や、液晶装置をライトバルブとして用いて複板式のプロジェクタを構築した場合に、他の液晶装置から発せられプリズム等の合成光学系を突き抜けてくる光などの、戻り光についても、走査線11aによりチャネル領域1aを下層側から遮光できる。
(第2層の構成―TFT等―)
第2層は、TFT30で構成されている。TFT30は、例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造とされ、ゲート電極3a、半導体層1a、ゲート電極3aと半導体層1aを絶縁するゲート絶縁膜を含んだ絶縁膜2を備えている。半導体層1aは、例えばポリシリコンからなり、チャネル領域1a´、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eからなる。
第2層は、TFT30で構成されている。TFT30は、例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造とされ、ゲート電極3a、半導体層1a、ゲート電極3aと半導体層1aを絶縁するゲート絶縁膜を含んだ絶縁膜2を備えている。半導体層1aは、例えばポリシリコンからなり、チャネル領域1a´、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eからなる。
TFT30のゲート電極3aは、その一部分3bにおいて、下地絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12cvを介して走査線11aに電気的に接続されている。
(第3層の構成―データ線等―)
第3層は、データ線6a及び中継層600で構成されている。
第3層は、データ線6a及び中継層600で構成されている。
データ線6aは、下から順にアルミニウム、窒化チタン、窒化シリコンの3層膜として形成されている。データ線6aは、TFT30のチャネル領域1a´を部分的に覆うように形成されている。このため、チャネル領域1a´に近接配置可能なデータ線6aによって、上層側からの入射光に対して、TFT30のチャネル領域1a´を遮光できる。また、データ線6aは、第1層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール81を介して、TFT30の高濃度ソース領域1dと電気的に接続されている。
中継層600は、データ線6aと同一膜として形成されている。中継層600とデータ線6aとは、図15に示したように、夫々が分断されるように形成されている。また、中継層600は、第1層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール83を介して、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと電気的に接続されている。
第1層間絶縁膜41は、例えばNSG(ノンシリケートガラス)によって形成されている。その他、第1層間絶縁膜41には、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等を用いることができる。
(第4層の構成―蓄積容量等―)
第4層は、蓄積容量70で構成されている。蓄積容量70は、容量電極300と下部電極71とが誘電体膜75を介して対向配置された構成となっている。容量電極300の延在部は、第2層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール84を介して、中継層600と電気的に接続されている。
第4層は、蓄積容量70で構成されている。蓄積容量70は、容量電極300と下部電極71とが誘電体膜75を介して対向配置された構成となっている。容量電極300の延在部は、第2層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール84を介して、中継層600と電気的に接続されている。
下部電極71における容量電極300に誘電体膜75を介して対向する縁には、テーパが設けられている(図18中、円C1参照)。このため、縁付近における下部電極71と容量電極300との間隔は、テーパを設けない場合と比較して広い。従って、縁付近における製造不良でショートが生じる可能性や、電界集中により欠陥が生じる可能性を低減できる。
誘電体膜75は、図16に示すように、TFTアレイ基板10上で平面的に見て画素毎の開口領域の間隙に位置する非開口領域に形成されている、即ち、開口領域に殆ど形成されていない。よって、誘電体膜75が、仮に不透明な膜であっても、開口領域における透過率を低下させないで済む。従って、誘電体膜75は、透過率を考慮せず、誘電率が高いシリコン窒化膜等から形成されている。このため更に、誘電体膜75は、水分や湿気を防ぐための膜としても機能させることが可能となり、耐水性、耐湿性を高めることも可能となる。尚、誘電体膜としては、シリコン窒化膜の他、例えば、酸化ハフニュウム(HfO2)、アルミナ(Al2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)等の単層膜又は多層膜を用いてもよい。第2層間絶縁膜42は、例えばNSGによって形成されている。その他、第2層間絶縁膜42には、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等を用いることができる。
(第5層の構成―画素電極等―)
第4層の全面には第3層間絶縁膜43が形成され、更にその上に、第5層として画素電極9aが形成されている。第3層間絶縁膜43は、例えばNSGによって形成されている。その他、第3層間絶縁膜43には、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等を用いることができる。第3層間絶縁膜43の表面には、液晶装置1の駆動時に画素電極9a間に作用する横電界を低減するための段差部17が形成されている。
第4層の全面には第3層間絶縁膜43が形成され、更にその上に、第5層として画素電極9aが形成されている。第3層間絶縁膜43は、例えばNSGによって形成されている。その他、第3層間絶縁膜43には、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等を用いることができる。第3層間絶縁膜43の表面には、液晶装置1の駆動時に画素電極9a間に作用する横電界を低減するための段差部17が形成されている。
画素電極9a(図16中、破線9a´で輪郭が示されている)は、縦横に区画配列された画素領域の各々に配置され、その境界にデータ線6a及び走査線11aが格子状に配列するように形成されている(図15及び図16参照)。画素電極9aは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜からなる。
画素電極9aは、層間絶縁膜43を貫通するコンタクトホール85を介して、容量電極300の延在部と電気的に接続されている(図18参照)。よって、画素電極9aの直ぐ下の導電膜である容量電極300の電位は、画素電位となっている。従って、液晶装置100の動作時に、画素電極9aとその下層の導電膜との間の寄生容量により、画素電位が悪影響を受けることはない。
更に上述したように、容量電極300の延在部と中継層600と、及び、中継層600とTFT30の高濃度ドレイン領域1eとは、夫々コンタクトホール84及び83を介して、電気的に接続されている。即ち、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとは、中継層600及び容量電極300の延在部を中継して中継接続されている。従って、画素電極及びドレイン間の層間距離が長くて一つのコンタクトホールで両者間を接続するのが困難となる事態を、回避できる。しかも、積層構造及び製造工程の複雑化を招かない。
画素電極9aの上側には、第1実施形態の液晶装置1と同様に、例えば斜方蒸着法又はイオンスパッタリング法を用いて配向膜16が設けられている。
以上が、TFTアレイ基板10側の画素部の構成である。
対向基板20には、その対向面の全面に対向電極21が設けられており、更にその上(図18では対向電極21の下側)に配向膜22が設けられている。対向電極21は、画素電極9aと同様、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。尚、対向基板20と対向電極21の間には、TFT30における光リーク電流の発生等を防止するため、少なくともTFT30と正対する領域を覆うように遮光膜23が設けられている。
このように構成されたTFTアレイ基板10と対向基板20の間には、液晶層50が設けられている。液晶層50は、基板10及び20の周縁部をシール材により封止して形成した空間に液晶を封入して形成される。液晶層50は、画素電極9aと対向電極21との間に電界が印加されていない状態において、配向膜16及び配向膜22によって、所定の配向状態をとるようになっている。
次に、図19乃至図21を参照しながら本実施形態の液晶装置における段差部17の構成及び位置、並びに配向膜16を形成する際に無機材料を供給する供給方向を詳細に説明する。
図19は、配向膜16を形成する際に無機材料を供給する供給方向を説明するための図であり、図19はTFTアレイ基板10の一部を模式的に示した平面図である。
図19において、液晶装置100は、1H反転駆動方式を採用しており、その駆動時にY方向に沿って互いに隣接する画素電極9a間に作用する横電界を低減するためにX方向に沿って延びる周辺領域19xにのみ段差部17が形成されている。これにより、周辺領域19xにおいて横電界によって生じる液晶層50の配向不良を低減でき、画像表示領域で表示される画像を見た際に感じるザラザラとした染みのような表示ムラを低減でき、且つ光透過率も高めることが可能である。ここで、配向膜16を構成する無機材料が供給される供給方向Lを規定する方位角方向Lφは、段差部17の下側に設けられた走査線に対して45度の角度で規定される方向である。また、仰角方向Lθは、第3層間絶縁膜43の平坦な面に対して45度の仰角で規定される方向である。
次に、図20及び図21を参照しながら段差部17の側面17cが基板面となす傾斜角及び蒸着角度の関係を詳細に説明する。図20は、図19のXX−XX´線断面図であり。尚、図20では、画素電極9aの表面のうちうちTFTアレイ基板10の基板面に対して平行な領域に対して右上方から45度の蒸着角度、即ち仰角θが45度の状態で配向膜16を形成した場合を一例に挙げており、説明の便宜上第3層間絶縁膜43の下層側の構成要素及び配向膜16を省略している。図21は、図10の部分的に拡大して示した部分拡大図である。
図20において、第1実施形態と同様に、側面17cが第3層間絶縁膜43の表面のうちTFTアレイ基板10の基板面と平行な領域となす傾斜角の角度θ2は、蒸着角度及びプレチルト角と一定の関係を有するように設定されている。
図21(a)に示すように、側面17bが平坦領域となす傾斜角θ1は第3層間絶縁膜43の表面に対して20度であり、側面17bに対して無機材料が蒸着される蒸着角度δ1は、25度(45度−20度)である。したがって、側面17bにおける配向膜16に対する液晶50aのプレチルト角θp1は、図9に示すように0.28度となる。側面17b上では、液晶50aは第2層間絶縁膜43の平坦な面を基準として図中右側に傾いていることになる。図21(c)に示すように、側面17cが第3層間絶縁膜43の平坦な面となす傾斜角θ2の角度は20度であり、側面17cに対して無機材料が蒸着される蒸着角度δ2は、65度(45度+20度)である。側面17c上における配向膜16に対して液晶50aがなすプレチルト角θp2は、図9に示すように21.56度となり、側面17cの傾斜角θ2は、プレチルト角θp2より小さく設定されている。この結果、第3層間絶縁膜43上に段差部17を設けた状態で斜方蒸着法を用いて配向膜16を形成した場合でも、段差部17及び画素電極9a上全体にムラなく配向膜16が形成されていると共に、液晶50aは、側面17b及び17c、並びに段差部17の上面を基準として図中右側へ向かって液晶50aが傾くプレチルト角を有するように形成されている。したがって、段差部17及び画素電極9a上に形成された配向膜16によれば、ライン反転駆動される際に画素電極9a間に作用する横電界を段差部17の存在によって低減しつつ、垂直配向モードで液晶50aを配向制御できる。加えて、配向膜16全体で図中右側に向かって一定の向きに液晶50aが傾かせることができるため、例えば側面17b上の液晶50aが縦電界によって配向制御されることを起点として、速い応答速度で画像表示できるように画素電極9a上の液晶50aを配向制御することが可能である。
液晶装置100によれば、第1実施形態の液晶装置1と同様に液晶を高速で配向制御することが可能であり、高品位の画像を表示できる。
(表示特性の比較)
次に、表2を参照しながら本願発明者が行った評価結果を説明する。本評価では、本実施形態に係る液晶装置1と、段差部が形成されていない平坦な面に形成された配向膜を備えた液晶装置との各種表示特性を比較した。尚、評価対象とされた液晶装置1では、配向膜16および22の構成、並びに液晶材料及び画素電極におけるセルギャップ条件は第1実施形態と同様である。配向膜16及び22はSiO2を斜方蒸着法によって蒸着させることによって形成されている。蒸着角度は45度であり、配向膜16及び22の膜厚は80nmである。尚、配向膜16及び22を形成する際に蒸着装置内の真空度は1.5×10−2Paである。液晶装置1の表示品位は高精細表示(HDTV:High Definition TeleVision)であり、画素ピッチは12μmである。ITOで形成された画素電極9a間のスペースは1.2μmであり、開口率は59.3%である。段差部17の高さは0.48μmであり、第1傾斜角の角度θ1及び第2傾斜角の角度θ2は20度である。画素電極9aの中央付近における配向膜16及び22間のギャップは2.7μmであり、段差部17の上面における配向膜16及び22のギャップは2.2μmである。液晶50aは、第1実施形態で用いた液晶と同様の液晶を用いた。液晶装置1の駆動方式は、倍速V反転駆動方式である。
次に、表2を参照しながら本願発明者が行った評価結果を説明する。本評価では、本実施形態に係る液晶装置1と、段差部が形成されていない平坦な面に形成された配向膜を備えた液晶装置との各種表示特性を比較した。尚、評価対象とされた液晶装置1では、配向膜16および22の構成、並びに液晶材料及び画素電極におけるセルギャップ条件は第1実施形態と同様である。配向膜16及び22はSiO2を斜方蒸着法によって蒸着させることによって形成されている。蒸着角度は45度であり、配向膜16及び22の膜厚は80nmである。尚、配向膜16及び22を形成する際に蒸着装置内の真空度は1.5×10−2Paである。液晶装置1の表示品位は高精細表示(HDTV:High Definition TeleVision)であり、画素ピッチは12μmである。ITOで形成された画素電極9a間のスペースは1.2μmであり、開口率は59.3%である。段差部17の高さは0.48μmであり、第1傾斜角の角度θ1及び第2傾斜角の角度θ2は20度である。画素電極9aの中央付近における配向膜16及び22間のギャップは2.7μmであり、段差部17の上面における配向膜16及び22のギャップは2.2μmである。液晶50aは、第1実施形態で用いた液晶と同様の液晶を用いた。液晶装置1の駆動方式は、倍速V反転駆動方式である。
表2に本評価の評価結果を示す。表2に示すように、段差部17を設けた液晶装置1は、第1実施形態と同様に段差部を設けない平坦面に配向膜を形成した場合に比べて、光透過率、コントラスト比、液晶の応答速度、ドメインの発生状態、残像感の全てにおいて優れた表示特性を有することが分かった。
(液晶装置の製造方法)
次に、図22乃至図24を参照しながら、液晶装置1の製造方法を説明する。尚、以下では、第3層間絶縁膜43の形成工程以降を中心に説明する。図22は、本実施形態の液晶装置の製造方法のフローチャートであり、図23及び図24は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の工程断面図である。
次に、図22乃至図24を参照しながら、液晶装置1の製造方法を説明する。尚、以下では、第3層間絶縁膜43の形成工程以降を中心に説明する。図22は、本実施形態の液晶装置の製造方法のフローチャートであり、図23及び図24は本実施形態に係る液晶装置の製造方法の工程断面図である。
図22において、第3層間絶縁膜43を形成する前に第3層間絶縁膜43の下層側に形成されるべき画素部が備えるTFT、配線、遮光膜、及び他の層間絶縁膜からなる下層構造を形成しておく(S1)。次に、上述の他の層間絶縁膜を平坦化した後にその上にTEOS(テトラエトキシシラン)を原料としてプラズマCVD法によって段差部17の前駆体となる絶縁膜17dを形成する。(S10)。絶縁膜17dはSiO2で構成されている。次に、マスク91を介してウェットエッチングを用いて絶縁膜17dを部分的にエッチングし(図23参照)することによって、図24に示すように段差部17を形成する(S11)。次に、SiO2をプラズマCVD法を用いて第3層間絶縁膜43の表面に、例えば600オングストロームの膜厚になるように成膜することによって、段差部17の側面が第3層間絶縁膜43の平坦な面となす傾斜角の角度を調整する(S12)。次に、画素電極9aをその下層側を電気的に接続するためにコンタクトホール95をドライエッチングによって形成する(S13)。次に、画素電極9aとされるITO膜をスパッタリング法を用いて形成し、ドライエッチングでパターニングすることによって画素電極9aを形成する(S30)。次に、第1実施形態と同様に配向膜16及び22を形成した(S40)後、TFTアレイ基板10及び対応基板20を貼り合わせた(S50)後、これら基板間に液晶を封入することによって液晶装置100を形成する(S60)。
このように本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、第1実施形態と同様に高品位で画像表示できる液晶装置を製造できることに加え、ラビング処理を施すことなく垂直配向モードで液晶を配向制御できる配向膜を形成できる。
<電子機器>
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
次に、上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図25は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。図25に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図26は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図26において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図27は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図27において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図25から図27を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また本発明は、上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置、該液晶装置を備えてなる電子機器及び該液晶装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1,100・・・液晶装置、10・・・TFTアレイ基板、16,22・・・配向膜、17・・・段差部、17b,17c・・・側面
Claims (8)
- 第1基板と、
前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
前記第1基板の基板面、及び前記第2基板における前記基板面に対向する対向面間に挟持された誘電率異方性が負である液晶分子を含む液晶層と、
平面的に見て前記基板面内の一方向及び前記一方向に交わる他方向の夫々に沿って配列されるように、前記基板面上の画像表示領域に形成された複数の画素電極と、
前記画像表示領域において前記画素電極の周辺に前記画素電極を避けるように延びる周辺領域のうち前記一方向及び前記他方向の少なくとも一方に延びる領域に沿って形成された段差部と、
前記一方向及び前記他方向に対して平面的に見て斜めに交わる所定の方位角方向及び前記基板面に対する所定の仰角方向によって規定される供給方向から無機材料を堆積させることによって前記段差部を覆うように前記基板面上に形成されており、前記液晶分子を垂直配向モードで配向させる配向膜とを備え、
前記段差部は、前記段差部を前記所定の方位角方向に沿った平面で切った断面において、前記無機材料を前記段差部に堆積させる材料供給源から離れる方向に向かって前記基板面に対して斜めに交わる側面を有しており、
前記断面において前記側面が前記基板面となす傾斜角は前記所定の仰角方向が前記基板面となす角度より小さく、且つ前記断面において前記液晶分子が前記側面となすプレチルト角より小さいこと
を特徴とする液晶装置。 - 前記段差部は、前記周辺領域において前記画素電極の下層側に形成された凹凸部に応じて形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記画素電極の下層側に形成された素子と、該素子上に形成された絶縁膜とを更に備えており、
前記凹凸部は前記素子の形状に応じて前記絶縁膜が部分的に突出したことによって形成されていること
を特徴とする請求項2に記載に液晶装置。 - 前記配向膜は、斜方蒸着法又はイオンビームスパッタ法を用いて形成されていること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の液晶装置。 - 第1基板の基板面及び前記第1基板に対向するように配置された第2基板における前記基板面に対向する対向面間に挟持された液晶分子を含む液晶層を形成する第1工程と、
平面的に見て前記基板面内の一方向及び前記一方向に交わる他方向の夫々に沿って配列されるように、前記基板面上の画像表示領域に複数の画素電極を形成する第2工程と、
前記画像表示領域において前記画素電極の周辺に前記画素電極を避けるように延びる周辺領域のうち前記一方向及び前記他方向の少なくとも一方に延びる領域に沿って段差部を形成する第3工程と、
前記一方向及び前記他方向に対して平面的に見て斜めに交わる所定の方位角方向及び前記基板面に対する所定の仰角方向によって規定される供給方向から無機材料を堆積させることによって前記段差部を覆うように前記基板面上に、前記液晶分子を垂直配向モードで配向させる配向膜を形成する第4工程と備え、
前記第3工程は、前記段差部を前記所定の方位角方向に沿った平面で切った断面において、前記無機材料を堆積させる材料供給源から離れる方向に向かって前記基板面に対して斜めに交わるように延びる側面が前記基板面となす傾斜角の角度が、前記所定の仰角方向が前記基板面となす角度より小さく、且つ前記断面において前記液晶分子が前記側面となすプレチルド角より小さくなるように、前記傾斜角を調整する第5工程を含むこと
を特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記第5工程において、グレーマスク又は半透過マスクを用いたエッチング法を施すことによって前記画素電極の下層側に延びる絶縁層の一部を除去することにより、前記傾斜角の角度を調整すること
を特徴とする請求項5に記載の液晶装置の製造方法。 - 前記絶縁膜の下層側に形成された素子、又は配線部によって前記傾斜角の角度を調整するように、前記素子及び前記配線部を階段状に配置すること
を特徴とする請求項5又は6に記載に液晶装置の製造方法。 - 前記1から4の何れか一項に記載の液晶装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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JP2005247280A JP2007065013A (ja) | 2005-08-29 | 2005-08-29 | 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020531909A (ja) * | 2017-08-24 | 2020-11-05 | モロー・エン・フェー | 液晶配向を有する光学デバイス |
JP7314782B2 (ja) | 2019-11-28 | 2023-07-26 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置および電子機器 |
-
2005
- 2005-08-29 JP JP2005247280A patent/JP2007065013A/ja not_active Withdrawn
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