以下に本発明の形態につき図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことは明かである。
(第1の実施の形態)
反射領域5は縦電界駆動、透過領域6のみ横電界駆動にした半透過型液晶表示装置51を考える。半透過型液晶表示装置51の光学配置を図21(a)に、対向側基板12から見たときの偏光板及び液晶層の配置角を同図(b)に、その動作を同図(c)に示す。
図21(a)に示す反射領域5の光学配置と図20(a)に示す反射領域5の光学配置の相違は、図20にある反射板9、横電界駆動電極7は図21にはなく、その替わりに図21には、第2の絶縁膜8bの上に透明な反射画素電極10が形成され、対向側基板12の反射画素電極10に対向する位置に透明な対向電極14が形成されている点である。図21(a)に示す反射領域5では、反射画素電極10と対向電極14の間に縦電界が形成される。なお、図21(a)の透過領域6の光学配置は図20(a)の透過領域6の光学配置、図21(b)の対向側基板12から見たときの偏光板及び液晶層の配置角はそれぞれ図20(a)、(b)と同じなので説明を省略する。
図20(b)に示すように、共通電極26と画素電極27の間に電圧を印加しない状態では、反射領域5及び透過領域6の下部側の偏光板21aの配置角を0度とすると、対向側の偏光板21bの配置角は90度、液晶層13の配置角は45度に設定されている。
さて、この半透過型液晶表示装置を、駆動する場合、透過の横方向電界モードと同様の、光学配置をとった場合の光学動作を以下に示す。
このときの半透過型液晶表示装置51の反射領域5の動作を図21(c)に従って説明する。反射画素電極10と対向電極14の間に電圧が印加されない状態では、偏光板21bを通過した配置角90度の直線偏光は、液晶層13を通過して右回りの円偏光になり、反射板10で反射し左回りの円偏光に、さらに液晶層13を通過し、配置角0度の直線偏光になるため出射できず、黒表示になる。反射画素電極10と対向電極14の間に電圧が印加された状態では、液晶層13の液晶分子は垂直方向に立ち上る。そこで、偏光板21bを通過した配置角90度の直線偏光は、液晶層13を通過しても配置角90度の直線偏光のままで、反射板9で反射し、再び液晶層13を通過し、配置角90度の直線偏光のまま出射するため、白表示になる。すなわち、ノーマリブラックになる。透過領域6の動作は以下のように動作する。液晶層13に電圧がかからない状態では、偏光板21aを通過した直線偏光(配置角0度)は、液晶層13を通過して配置角90度の直線偏光になり、配置角90度の偏光板21b出射し、白表示になる。液晶層13に電圧がかかった状態では、液晶13の配置角は0度に変化する。そこで、偏光板21aを通過した直線偏光(配置角0度)は、液晶層13を通過しても配置角0度の直線偏光のままで、配置角90度の偏光板21bを出射できず、黒表示になる。すなわち、図B(c)と同じなので説明を省略するが、ノーマリホワイトになる。
このように、従来の透過型の横方向電界モードの光学配置をとった場合、反射領域ではノーマリホワイトだが、透過領域ではノーマリブラックになる。これらの光学上の問題を解決する方法として、以下の光学配置を考えた。
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例による半透過型液晶表示装置は、反射領域は縦電界駆動方式とされ、透過領域は横電界駆動方式とされている実施例である。図1(a)に第1の実施例の半透過型液晶表示装置52のセルの断面の光学配置を、図1(b)に対向側基板12から見たときの偏光板21a、21b、液晶層13、二分の一波長板29の配置角を、図1(c)にその動作を示す。
図1(a)に示すように、半透過型液晶表示装置52は下部側基板11と、対向側基板12と、両基板間に挟持されている液晶層13と、下部側基板11の下方に配置されているバックライト40から成り、下部側基板11及び対向側基板12は各々の外側に偏光板21a、21bを具備している。図1では簡単化のため省略しているが、液晶層13を挟持する下部側基板11と対向側基板12のそれぞれ液晶層13と接する面には水平配向膜が形成されている。そして、本発明に従って、下部側の透明絶縁性基板22aと偏光板21aの間に二分の一波長板29が配置されている。その他の構成要素は図21(a)と同一なので同じ参照数字で示しそれらの説明を省略する。
2枚の水平配向膜20aと20bの成す角度であるツイスト角を0度に設定する。半透過型液晶表示装置で反射領域及び透過領域の輝度を最大で使うためにはツイスト角を0度することが有効である。ツイスト角72度のTN液晶では反射光、透過光の50%しか活用できないのに対し、ツイスト角を0度にすることにより反射光、透過光を100%活用できる。ツイスト角と反射・透過強度の関係を図2に示す。しかし、ツイスト角を0度に設定する場合、光の波長をλ、液晶の屈折率異方性をΔn、反射領域5の液晶層13のギャップをdr、透過領域6の液晶層13のギャップをdfとすると、反射領域5ではΔn・drの積がλ/4のとき反射率が最大になる。Δn・drの積と反射強度の関係を図3に示す。同様に透過領域6ではΔn・drの積がλ/2のとき反射強度が最大になる。Δn・drの積と透過強度の関係も、横軸のλ/4をλ/2に、λ/2をλに置換えると、図3と同様になる。そこで、反射領域5では液晶層13のギャップdrをλ/4に、透過領域6では液晶層13のギャップdfをλ/2に設定する。
図1(b)に示すように、液晶層13に電圧を印加しない状態では、反射領域5及び透過領域6の下部側の偏光板21aの配置角を0度とすると、対向側の偏光板21bの配置角は90度、液晶層13の配置角は45度、二分の一波長板29の配置角は135度に設定する。
以上のように設定したときの液晶表示装置52の動作を図1(c)示す。反射領域5における動作は図21(c)と同様であり、ノーマリブラックになる。
透過領域6では以下のように動作する。液晶層13に電圧がかからない状態では、偏光板21aを通過した配置角0度の直線偏光は、二分の一波長板29を通過すると、配置角90度の直線偏光になり、液晶層13を通過するとさらに配置角がまわって配置角0度の直線偏光になり、配置角90度の偏光板21bから出射できず、黒表示になる。液晶層13に電圧がかかった状態では、液晶層13の配置角は0度に設定される。この状態では、偏光板21aを通過した配置角0度の直線偏光は、二分の一波長板29を通過すると、配置角90度の直線偏光になり、液晶層13を通過しても配置角はまわらず、配置角90度の直線偏光のまま配置角90度の偏光板21bから出射し、白表示になる。
このように、反射領域5は縦電界駆動、透過領域6は横電界駆動することにより視野角の広いノーマリブラックの半透過型液晶表示装置を実現できる。
上記光学配置により、透過領域でノーマリブラック、反射領域でノーマリホワイトになる問題を解決したが、反射領域に入力する画信号と透過領域に入力する画信号の極性を反対にすることでも問題を解決可能である。
(第2の実施の形態)
図20は図19の半透過型液晶表示装置の反射領域5と透過領域6の両方に横電界駆動した方式を採用した場合の模式図である。特に、同図(a)は光学配置を、(b)は対向側基板12から見たときの偏光板及び液晶層の配置角を、(c)はその動作をそれぞれ示す。
図20(a)に示すように、半透過型液晶表示装置50は下部側基板11と、対向側基板12と、両基板間に挟持されている液晶層13と、下部側基板11の下方に配置されているバックライト40から成り、下部側基板11及び対向側基板12は各々の外側に偏光板21a、21bを具備している。図20(a)では簡単化のため省略しているが、液晶層13を挟持する下部側基板11と対向側基板12のそれぞれ液晶層13と接する面には水平配向膜が形成されている。この2枚の水平配向膜の成す角度をツイスト角という。
下部側基板11の液晶層13側には第1の絶縁膜8aが形成されている。反射領域5では、第1の絶縁膜8aの上に第2の絶縁膜8bが形成され、第2の絶縁膜8bの上に反射板9が形成され、反射板9の上に第3の絶縁膜8cが形成され、第3の絶縁膜8cの上に横電界駆動電極7が形成されている。横電界駆動電極7は互いに平行な画素電極27と共通電極26から形成され、画素電極27と共通電極26との間に形成される電界によって液晶層13を駆動する。透過領域6では、第1の絶縁膜8aの上に画素電極27と共通電極26が互いに平行に形成され、画素電極27と共通電極26との間に形成される電界によって液晶層13を駆動する。第2の絶縁膜8b、第3の絶縁膜8cは透過領域6と反射領域5の液晶層13のギャップの差を調整するために設けられる。
さて、この半透過型液晶表示装置を、駆動する場合、透過の横方向電界モードと同様の、光学配置をとった場合の光学動作を以下に示す。
図20(b)に示すように、共通電極26と画素電極27の間に電圧を印加しない状態では、反射領域5及び透過領域6の下部側の偏光板21aの配置角を0度とすると、対向側の偏光板21bの配置角は90度、液晶層13の配置角は45度に設定されている。
このときの半透過型液晶表示装置30の動作を図20(c)示す。反射領域5では以下のように動作する。画素電極27と共通電極26の間に電圧が印加されない状態では、偏光板21bを通過した配置角90度の直線偏光は、液晶層13を通過して右回りの円偏光になり、反射板9で反射し左回りの円偏光に、さらに液晶層13を通過し、配置角0度の直線偏光になるため出射できず、黒表示になる。画素電極27と共通電極26の間に電圧が印加された状態では、液晶層13の配置角は0度に変化する。そこで、偏光板21bを通過した配置角90度の直線偏光は、液晶層13を通過しても配置角90度の直線偏光のままで、反射板9で反射し、再び液晶層13を通過し、配置角90度の直線偏光のまま出射するため、白表示になる。すなわち、ノーマリブラックになる。
一方、透過領域6では以下のように動作する。液晶層13に電圧がかからない状態では、偏光板21aを通過した直線偏光(配置角0度)は、液晶層13を通過して配置角90度の直線偏光になり、配置角90度の偏光板21b出射し、白表示になる。液晶層13に電圧がかかった状態では、液晶13の配置角は0度に変化する。そこで、偏光板21aを通過した直線偏光(配置角0度)は、液晶層13を通過しても配置角0度の直線偏光のままで、配置角90度の偏光板21bを出射できず、黒表示になる。すなわち、ノーマリホワイトになる。
このように、従来の透過型の横方向電界モードの光学配置をとった場合、反射領域ではノーマリホワイトだが、透過領域ではノーマリブラックになる。これらの光学上の問題を解決する方法として、以下の光学配置を考えた。
(第2の実施例)
第2の実施例は反射領域、透過領域ともに横電界駆動の実施例である。図4(a)に第2の実施例の半透過型液晶表示装置53のセルの断面の光学配置を、図4(b)に対向側基板12から見たときの偏光板21a、21b、液晶層13、二分の一波長板29の配置角を、図4(c)にその動作を示す。
図4(a)に示すように、第2の実施例の半透過型液晶表示装置53は、二分の一波長板29を具備する以外は図20(a)の断面構造と同一なので説明を省略する。2枚の水平配向膜20aと20bの成すツイスト角は、第1の実施例と同様に0度に設定する。図4(b)に示すように、偏光板21a、21b、液晶層13、二分の一波長板29の配置角は図1(b)と同じなので説明を省略する。
以上のように設定したときの液晶表示装置53の動作を図4(c)に示す。反射領域5における動作は図20(c)と同様であり、ノーマリブラックになる。透過領域6における動作は図1(c)と同様であり、ノーマリブラックになる。
このように、反射領域5、透過領域6をともに横電界駆動することにより視野角の広いノーマリブラックの半透過型液晶表示装置を実現できる。特に、反射領域5、透過領域6ともに横電界駆動なので、反射領域5と透過領域6の境界での表示不良の問題が生じないため、第1の実施例より良好な表示を得ることができる。
上記光学配置により、透過領域でノーマリブラック、反射領域でノーマリホワイトになる問題を解決したが、反射領域に入力する画信号と透過領域に入力する画信号の極性を反対にすることでも問題を解決可能である。
(第3の実施例)
第1及び第2の実施例では液晶表示装置の光学配置とその動作のみについて説明したが、第3の実施例では図5〜10により第2の実施例の層構造、電極構造について説明する。図5は第3の実施例に係る液晶表示装置54の平面図、図6は透過領域の横電界駆動電極7が形成される層の平面図、図7は反射領域の横電界駆動電極7が形成される層の平面図、図8(a)は図5のA−A'線における断面図、図8(b)は図5のD−D'線における断面図、図9(a)は図5のB−B'線における断面図、図9(b)は図5のC−C'線における断面図、図10(a)は図5のE−E'線における断面図、図10(b)は図5のF−F'線における断面図である。なお、横電界駆動電極7は共通電極26、画素電極27から成る。
図5に示すように、液晶表示装置54の1画素はデータ線24と走査線28によって区切られ、平面図上の上半分に透過領域6が、下半分に反射領域5が形成されている。また、断面から見ると、図8に示すように、液晶表示装置54は、下部側基板11と、対向側基板12と、その間に挟まれた状態で保持されている液晶層13から成る。
図8(a)、(b)に示すように、対向基板12は、透明絶縁性基板22b上に遮光膜としてブラックマトリクス層17と、これと部分的に重なりあっている色層18と、ブラックマトリクス層17と色層18の上に形成された透明なオーバーコート層19から形成されている。また、液晶表示パネル表面からの接触等による帯電が、液晶層13へ電気的な影響を与えることを防止するために、透明絶縁性基板22bの裏面には、透明な導電層15が形成されている。色層18は、赤(R)、緑(G)及び青(B)の染料または顔料を含む樹脂膜からなっている。
下部側基板11は、透明絶縁性基板22a上に、走査線28(図5参照)及び薄膜トランジスタ30のゲート電極30c(図示せず)を形成する第1の金属層と、その上に形成された第1の層間絶縁膜23と、第1の層間絶縁膜23上に形成されたデータ線24および薄膜トランジスタ30のソース電極30b、ドレイン電極30a(図5参照)を形成する第2の金属層と、この上に形成された第2の層間絶縁膜25と、その上に透明電極により形成された共通電極26及び画素電極27とを有する。また、第1の層間絶縁膜23の上には、データ線24とともに、後に説明する画素補助電極35が形成されている。データ線24及び画素補助電極35は第2の金属層で形成されている。
なお、本明細書では、下部側基板11及び対向側基板12において、液晶層13により近い層を上の層、液晶層13からより遠い層を下の層と呼ぶ。
下部側基板11と対向側基板12とは、それぞれの上に配向膜20a、配向膜20bを配し、図5に示すように画素電極27および共通電極26の延伸方向から、10乃至30度程度の角度を傾けた所定の方向に、液晶層13がホモジニアス配向するように、ラビング処理がなされた後に、相互に向かい合うように貼り合わされている。この角度を液晶分子の初期配向方位と言う。
下部側基板11と対向側基板12との間には、液晶層13の厚みを保持するためのスペーサー(図示せず)が配置されており、また、液晶層13の周囲には、液晶分子を外部に漏らさないためのシール(図示せず)が形成されている。
図5に示すように、下部側基板11には、データ信号が供給されるデータ線24と、基準電位が供給される共通電極配線26a、26b、26c、26d及び共通電極26と、表示すべき画素に対応する画素電極27の他に、走査用信号が供給される走査線28と、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)30と、を備えている。
薄膜トランジスタ30は、ゲート電極30cと、ドレイン電極30aと、ソース電極30bとを備えており、走査線28とデータ線24との交点の近傍に各画素に対応して設けられている。ゲート電極30cは走査線28に、ドレイン電極30aはデータ線24に、ソース電極30bは画素電極27にそれぞれ電気的に接続されている。
共通電極26及び画素電極27は何れも櫛歯形状をなしており、各電極の櫛歯は何れもデータ線24と平行に延びている。さらに、共通電極26、画素電極27の櫛歯は相互に噛み合うように、かつ、共通電極26、画素電極27の櫛歯が相互に隔置されるように、配置されている。
また、図5〜7に示すように、透明電極で形成された共通電極26は、透過領域6では共通電極用コンタクトホール39dを、反射領域では共通電極用コンタクトホール39bを介して、それぞれ共通電極配線26d、26bに接続される。図6、7から、データ線24を覆う共通電極26とこれに隣接する画素電極27の間には、平面図上遮光膜は存在しないことが分かる。
また、透明電極で形成された画素電極27は、図5に示すように、透過領域では画素電極用コンタクトホール39cを、反射領域では画素電極用コンタクトホール39aを介して、それぞれ第2の金属層で形成された透過領域、反射領域の画素補助電極35に接続されている。
このように共通電極、画素電極を画素毎にコンタクトホールを介してそれぞれ共通電極配線、画素補助電極に接続することにより、それぞれ共通電極、画素電極の抵抗値を低減することができる。これによって、透明電極は抵抗値が高いという課題を解決することができる。
透過領域、反射領域共に横電界駆動の本液晶表示装置54においては、走査線28を介して供給される走査用信号により選択され、かつ、データ線24を介して供給されるデータ信号が書き込まれた画素において、共通電極26と画素電極27との間で、透明絶縁性基板22a、22bに平行な電界を生じさせ、この電界に従って液晶分子の配向方向を透明絶縁性基板22a、22bと平行な平面内において回転させ、所定の表示が行われる。図5において、共通電極26と画素電極27に囲まれた縦長の領域をコラムという。本液晶表示装置54においては、共通電極26及び画素電極27は何れも透明材料であるITOでつくられている。
本液晶表示装置54においては、図8〜10に示すように、第2の層間絶縁膜25の下方に、第1の層間絶縁膜23の上に第2の金属層で形成した画素補助電極35を設けることができる。透過領域6においては、画素補助電極35は図5に示すように、第1の金属層で形成された共通電極配線26dの上に、これとオーバーラップして蓄積容量を形成する第1部分35aと、同様に第1の金属層で形成された共通電極配線26c上に、これとオーバーラップして蓄積容量を形成する第2部分35bと、データ線24と平行に延伸し、透明金属で形成された第2の層間絶縁膜25上の画素電極27の下方に位置し、上記第1部分35a及び第2部分35bとを接続する第3部分35cとからなり、全体として、「I」の形状をなしている。反射領域5においても、図5に示すように全く同様に蓄積容量が形成される。ただし、透過領域又は反射領域のみで蓄積容量を形成しもて構わない。
画素補助電極の第1乃至第3部分35a、35b、35cは第1の層間絶縁膜23の上に、不透明な第2の金属層によって形成される。図5から分かるように、薄膜トランジスタ30のドレイン電極30aとソース電極30bも第2の金属層から形成され、ソース電極30bと画素補助電極35は接続されている。
このように不透明金属からなる画素補助電極35を形成することにより、透過率は多少低下するが、画素補助電極35を相互に接続することにより、画素の平面図上の上下両側に蓄積容量を形成することができるため、蓄積容量を大きくとることができ、表示を安定化することができる。なお、画素補助電極35の形状は図5に示したものに限定されるものではなく、画素電極27の下方に位置している限り、いかなる形状をとることもできる。
図6及び図8に示すように、透過領域6及び反射領域5において、共通電極26は走査線28、データ線24より上側の層上に形成されており、かつ、走査線28、データ線24より幅が広く、走査線28、データ線24を完全に覆うように形成されている。
また、図8(b)に示すように、反射領域5において、反射板9は走査線28、データ線24より上側の層上に形成されており、走査線28、データ線24を完全に覆うように形成されている。
共通電極26及び反射板9をこのように形成することにより、データ線24及び走査線28からの漏れ電界を遮断することができるので、画素電極27と共通電極26との間の電界により制御できる有効な表示領域が拡大し、開口率を向上させることができる。
同様に、反射板9はTFT30のチャネル領域を覆うように形成することができる。反射板9をこのように形成することにより、TFT30に外部から侵入する電界を遮断することができるので、TFT特性の安定性が向上し、表示の信頼性が向上する。
本液晶表示装置54における共通電極26は透明材料であるITOから形成される。これにより、本液晶表示装置54における透明領域が増大するので、本液晶表示装置54における開口率を高めることができる。
ITO膜のシート抵抗は100Ω/□程度と大きいが、画素ごとで、共通電極配線26a、26b、26c、26dに接続し、ITO層で形成した共通電極26を、ITO層でも横方向、縦方向に接続することで、共通電極の配線全体の抵抗を下げ、かつ冗長性を持たせる効果がある。
図8(a)から分かるように、透過領域6において、共通電極26とデータ線24との間には、第2の層間絶縁膜25が設けられている。この第2の層間絶縁膜25の膜厚(d)と誘電率(ε)の比d/εを十分大きくとることにより、データ線24と共通電極26との間の寄生容量を低減させることができる。また、図8(b)から分かるように、反射領域5において、共通電極26とデータ線24との間には、第2の層間絶縁膜25、第2の絶縁膜8b、反射板9、第3の絶縁膜8cが設けられており、十分距離が離れており、データ線24と共通電極26との間の寄生容量を低減させることができる。
さらに、縦クロストーク、横クロストークの発生が抑制されることに伴い、データ線24、走査線28からの漏れ電界に起因して発生する表示不良を防止するためのブラックマトリクス層17の形成は不要となる。従って、ブラックマトリクス層17はコントラストの改善のためにのみ形成すればよいこととなり、ブラックマトリクス層17の幅を短縮又は削除することが可能である。ブラックマトリクス層17の幅を短縮又は削除することに伴い、本液晶表示装置54における開口率を大きくすることができる。
また、本液晶表示装置54においては、透過領域6では共通電極26と画素電極27とは何れも第2の層間絶縁膜25上に、反射領域5では共通電極26と画素電極27とは何れも第3の絶縁膜8c上に形成されている。このように、共通電極26と画素電極27とを同層上に形成することにより、共通電極26と画素電極27とを同一工程において、かつ、同一材料で形成することができるようになり、ひいては、製造効率を向上させることができる。
さらに、本液晶表示装置54においては、下部側の透明絶縁性基板11から第2の層間絶縁膜25までの膜構造は、透過領域6及び反射領域5で共通であり、同一工程において形成することができる。
層間絶縁膜25形成後、反射領域5においては、第2の絶縁膜8bを形成する。第2の絶縁膜8bは、通常凹凸膜と平坦化層の2層構造から成るが、ハーフトーンマスクを用いて1層構造で形成することもできる。表面が凹凸を有する第2の絶縁膜8bの上にAlから成る反射板9を形成する。反射板9は入射光を乱反射する役割を有する。反射板9の上に第3の絶縁膜8cを形成し表面を平坦化する。第3の絶縁膜8cの上に、透過領域6と同様にITOから成る共通電極26、画素電極27を形成し、その上に配向膜20aを形成して下部側基板11が完成する。また、例えば図8において、配向膜20aにピンホールがあると、このピンホールを介して、液晶層13を構成する液晶材と共通電極26及び画素電極27を構成する金属とが電気化学反応を起こし、共通電極26及び画素電極27を構成する金属がイオンとなって液晶層13中に溶出することがある。このような金属イオンの液晶層13中への溶出は液晶表示装置の表示ムラの原因となる。
特に、液晶層13が極性の強い液晶材からなるものである場合には、金属イオンの液晶層13中への溶出が一層激しくなる。横電界駆動の液晶表示装置においては、大きな誘電率異方性Δεを有する材料を用いる必要があるため、金属イオンの溶出は特に多い。
このため、配向膜20aに接触して設けられる共通電極26及び画素電極27を液晶材との電気化学反応に対して安定な物質、すなわち、液晶材との反応性が低い物質であるITOを用いることで、共通電極26及び画素電極27をITO以外の金属から構成する場合と比較して、本液晶表示装置54の信頼性を向上させることができる。
本実施形態におけるコンタクトホール39a〜39dは長方形状を有し、短辺の長さが6μm以上である。図5及び図10(a)に示すように、コンタクトホール39aは画素電極27と画素補助電極35を接続するが、反射板9と接触するため、コンタクトホール39aの外壁を絶縁膜41で覆っている。図示されていないが、絶縁膜41の内壁を金属膜で覆い、これを覆って画素電極27に接続されるITOを配することができる。このように形成することにより、反射板9とは絶縁をし、画素電極27と画素電極配線35との間の抵抗を低減し、表示の均一性を上げることができる。
また、図5及び図10(b)に示すように、コンタクトホール39bは共通電極26と共通電極配線26bと反射板9を接続する。ただし、図10(a)のように、コンタクトホール39bの外壁を絶縁膜で覆って、反射板9を共通電極26に接続しないようにしても構わない。図示されていないが、コンタクトホール39aと同様にコンタクトホール39bの内壁を金属膜で覆い、これを覆って画素電極27に接続されるITOを配することにより、表示の均一性向上を図る。
図5及び図9に示すように、透過領域6のコンタクトホール39c、39dはそれぞれ画素電極27と画素補助電極35、共通電極27と共通電極配線26dを接続する。図示されていないが、コンタクトホール39bと同様にコンタクトホール39c、39dの内壁を金属膜で覆い、これを覆ってそれぞれ画素電極27、共通電極26に接続されるITOを配することにより、表示の均一性向上を図る。
(第4の実施例)
第4の実施例では図11〜12により第1の実施例の層構造、電極構造について説明する。透過領域6は第3の実施例と同一のため、反射領域5における第3の実施例との相違のみ簡単に説明する。図11は第4の実施例に係る液晶表示装置55の平面図、図12(a)は図11のD−D'線における断面図、図12(b)は図11のE−E'線における断面図である。
図12(a)に示すように、反射領域5の対向側基板12のオーバーコート層19と配向膜20bの間にITOから成る透明な対向電極14が形成されている。下部側基板11は反射板9の替わりに反射画素電極10が形成され、反射画素電極10が下部側基板11の最上層になる。ただし、反射画素電極10の上にさらに配向膜22aが形成される。
図12(b)に示すように、反射領域5のコンタクトホール39aは反射画素電極10と画素補助電極35を接続する。図示されていないが、第3の実施例と同様にコンタクトホール39aの内壁を金属膜で覆い、これを覆って反射画素電極10に接続されるITOを配することにより、表示の均一性向上を図る。
(第5の実施例)
第5、第6の実施例は第3の実施例同様、透過領域、反射領域ともに横電界駆動される。第3の実施例は1画素の中で透過領域と反射領域が二分されていたが、第5の実施例は1画素の中で透過領域と反射領域が混在する実施例である。第5の実施例を図13〜16により説明する。図13は第5の実施例に係る液晶表示装置56の平面図、図14は横電界駆動電極107、すなわち共通電極126、画素電極127が形成される層の平面図、図15は図13、図14のA−A'線における断面図、図16(a)は図13、図14のB−B'線における断面図、図16(b)は図13、図14のC−C'線における断面図である。
図13、図14に示すように、液晶表示装置56の1画素はデータ線124と走査線128によって区切られ、1画素全体が横電界駆動である点では図5と同様である。また、断面から見ると、図15、図16に示すように、液晶表示装置56は、下部側基板111と、対向側基板112と、その間に挟まれた状態で保持されている液晶層113から成り、下部側基板111の共通電極126及び画素電極127と対向側基板112の間に挟まれた液晶層113のギャップがdr、下部側基板111の共通電極126及び画素電極127が配置されていない領域と対向側基板112の間に挟まれた液晶層113のギャップがdfとなっている。すなわち、下部側基板111の共通電極126及び画素電極127の領域が反射領域、共通電極126及び画素電極127が配置されていない領域が透過領域である。対向側基板112の構成は、第3の実施例の図5の対向側基板12と同一なので、説明を省略する。
下部側基板111も、透明絶縁性基板122a上に、走査線128等を形成する第1の金属層と、その上に形成された第1の層間絶縁膜123と、第1の層間絶縁膜123上に形成されたデータ線124等を形成する第2の金属層と、この上に形成された第2の層間絶縁膜125までは、第3の実施例の図5の下部側基板11と同一の構成である。しかし、第2の層間絶縁膜125の上の膜構成が図5とは異なる。図15に示すように、第2の層間絶縁膜125の上には反射領域105と透過領域106が形成される。反射領域105には絶縁膜108が形成され、絶縁膜108の上にAlから成る反射共通電極126又は反射画素電極127が形成される。反射共通電極126及び反射画素電極127の上面及び側面には配向膜120aが形成される。一方、透過領域106では、第2の層間絶縁膜125の上に配向膜120aが形成される。反射領域105と透過領域106の配置は図14において、反射共通電極126及び反射画素電極127が記載されている領域が反射領域105、それ以外の領域が透過領域106である。
液晶表示装置56は、第3の実施例同様に、図13、14に示すように、下部側基板111には、データ信号が供給されるデータ線124と、基準電位が供給される共通電極配線126a、126b及び反射共通電極126と、表示すべき画素に対応する画素電極127の他に、走査用信号が供給される走査線128と、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)130とを備えている。
平面図上、反射共通電極126及び反射画素電極127は何れも櫛歯形状をなしており、各電極の櫛歯は何れもデータ線124と平行に延び、反射共通電極126、反射画素電極127の櫛歯は相互に噛み合うように、かつ、反射共通電極126、反射画素電極127の櫛歯が相互に隔置されるように、配置されている。走査線128を介して供給される走査用信号により選択され、かつ、データ線124を介して供給されるデータ信号が書き込まれた画素において、反射共通電極126と反射画素電極127との間で、透明絶縁性基板122a、122bに平行な電界を生じさせ、この電界に従って液晶分子の配向方向を透明絶縁性基板122a、122bと平行な平面内において回転させ、所定の表示が行われる。
また、図13、14に示すように、反射共通電極126は共通電極用コンタクトホール139bを介して共通電極配線126bに接続される。反射画素電極127は、画素電極用コンタクトホール139aを介して第2の金属層で形成された画素補助電極135に接続されている。
本液晶表示装置56は、第3の実施例同様に、図13に示すように、第1の金属層で形成された共通電極配線126bの上に、これとオーバーラップして蓄積容量を形成する第1部分35aと、第1の金属層で形成された共通電極配線126a上に、これとオーバーラップして蓄積容量を形成する第2部分135bと、データ線24と平行に延伸し、絶縁膜108上の反射画素電極127の下方に位置し、上記第1部分135a及び第2部分135bとを接続する第3部分135cとからなり、全体として、「I」の形状をなしている。
不透明金属からなる画素補助電極135は、反射共通電極126と反射画素電極127の隙間を除いて、反射共通電極126と反射画素電極127の下側に位置し、これらの反射電極に覆われるためほとんど透過率が低下することなく、画素補助電極135を相互に接続することにより、画素の平面図上の上下両側に蓄積容量を形成することができるため、蓄積容量を大きくとることができ、表示を安定化することができる。
図13、14に示すように、反射共通電極126は走査線128、データ線124より上側の層上に形成されており、かつ、走査線128、データ線124より幅が広く、走査線128、データ線124を完全に覆うように形成されている。
反射共通電極126をこのように形成することにより、データ線124及び走査線128からの漏れ電界を遮断することができるので、反射画素電極127と反射共通電極126との間の電界により制御できる有効な表示領域が拡大し、開口率を向上させることができる。
図14では反射共通電極126はTFT130のチャネル領域を覆ってはいないが、TFT130のチャネル領域を覆うように形成することもできる。このように形成することにより、TFT130に外部から侵入する電界を遮断することができるので、TFT特性の安定性が向上し、表示の信頼性向上を図ることができる。
本液晶表示装置56における反射共通電極126、反射画素電極127は不透明材料であるAlから形成されるが、反射領域なので実効的な開口率を低減することはない。また、Alは低抵抗金属なので、実施例3のITOの場合のように、画素ごとで、共通電極配線126a、126bに接続しなくても、Alで形成した反射共通電極126を横方向、縦方向に接続することで、反射共通電極の配線全体の抵抗を充分下げることはできる。しかし、冗長性を持たせるために、反射共通電極126は画素毎に共通電極配線126a、126bに接続している。また、実施例3と異なり、共通電極配線126a、126bはそれより幅の広い反射共通電極126又は反射画素電極127で完全に覆われるように形成されているため、共通電極配線126a、126bを設置することで実効的な開口率を低減することはない。
図15、16から分かるように、反射共通電極126とデータ線124との間には厚い絶縁膜108が設けられているため、データ線124と反射共通電極126との間の寄生容量を低減させることができる。
上記のように縦クロストーク、横クロストークの発生が抑制されることに伴い、実施例3と同様に、データ線124、走査線128からの漏れ電界に起因して発生する表示不良を防止するためのブラックマトリクス層17の形成は不要となり、本液晶表示装置56における開口率を大きくすることができる。
また、本液晶表示装置56においては、反射共通電極126と反射画素電極127とは何れも第2の層間絶縁膜125上に形成されている。このように、反射共通電極126と反射画素電極127とを同層上に形成することにより、反射共通電極126と反射画素電極127とを同一工程において、かつ、同一材料で形成することができるようになり、ひいては、製造効率を向上させることができる。
さらに、本液晶表示装置56においては、反射領域105と透過領域106を全く同一工程において形成することができるので、実施例3に比べて工程が短縮される。本液晶表示装置56においては、層間絶縁膜125形成後、絶縁膜108を形成する。絶縁膜108の形成は、第3の実施例同様、凹凸膜と平坦化層の2工程で形成する方法と、ハーフトーンマスクを用いて1工程で形成する方法がある。絶縁膜108の上にAlから成る反射膜を形成し、パターニングして反射共通電極126、反射画素電極127を形成する。その後、画素電極用コンタクトホール139a、共通電極用コンタクトホール139bを開口する。
本実施形態におけるコンタクトホール139a、139bは長方形状を有し、短辺の長さが6μm以上である。図13及び図16に示すように、コンタクトホール139aは反射画素電極127と画素補助電極135を接続する。コンタクトホール139bは反射共通電極126と共通電極配線126bを接続する。コンタクトホール139a、139bの内壁に反射画素電極127、反射共通電極126に接続されるAlを配することにより、抵抗を低減し、表示の均一性を向上させることができる。最後に全面に配向膜120aを形成して下部側基板111が完成する。
(第6の実施例)
第5の実施例は横電界駆動電極である共通電極、画素電極ともに反射電極にしたが、第6の実施例は共通電極は反射電極で反射領域に配置し、画素電極は透明電極で透過領域に配置する。いわば第3の実施例と第5の実施例を組合せた構造である。第6の実施例を図17、18により説明する。図13の第5の実施例に係る液晶表示装置56の平面図は、第6の実施例に係る液晶表示装置57にも適用できる。すなわち、下部側基板111の第2の層間絶縁膜125より下方の膜構造は第5の実施例と同一である。対向側基板112も第5の実施例と同一である。図17は横電界駆動電極107、すなわち透明な画素電極227、反射共通電極126が形成される層の平面図、図18は図13、図17のA−A'線における断面図である。以下の説明は第5の実施例と相違する点を中心に記載し、同一の点の説明は省略する。
図17、18に示すように、本液晶表示装置57の1画素は反射共通電極126が形成される領域のみが反射領域で、それ以外の領域は透過領域である。厚い絶縁膜108による凹凸が少ないため、第5の実施例より製造しやすい。
平面図上、反射共通電極126及び透明画素電極227は何れも櫛歯形状をなし、反射共通電極126、透明画素電極227の櫛歯は相互に噛み合うように、かつ、反射共通電極126、透明画素電極227の櫛歯が相互に隔置されるように、配置されている。図18に示すように、実施例5と相違するのは、透明画素電極227は反射電極でなく、かつ厚い絶縁膜108がない分、高さが低い点である。実施例5同様、走査線128を介して供給される走査用信号により選択され、かつ、データ線124を介して供給されるデータ信号が書き込まれた画素において、反射共通電極126と透明画素電極227との間で、透明絶縁性基板122a、122bに平行な電界を生じさせ、この電界に従って液晶分子の配向方向を透明絶縁性基板122a、122bと平行な平面内において回転させ、所定の表示が行われる。
図17に示すように、反射共通電極126は走査線128、データ線124より上側の層上に形成されており、かつ、走査線128、データ線124より幅が広く、走査線128、データ線124を完全に覆うように形成されている。
反射共通電極126をこのように形成することにより、データ線124及び走査線128からの漏れ電界を遮断することができるので、透明画素電極227と反射共通電極126との間の電界により制御できる有効な表示領域が拡大し、開口率を向上させることができる。
上記のように縦クロストーク、横クロストークの発生が抑制されることに伴い、実施例5と同様に、データ線124、走査線128からの漏れ電界に起因して発生する表示不良を防止するためのブラックマトリクス層117の形成は不要となり、本液晶表示装置57における開口率を大きくすることができる。
また、第5の実施例同様本液晶表示装置57においては、反射共通電極126と透明画素電極227とは何れも第2の層間絶縁膜125上に形成されている。このように、反射共通電極126と透明画素電極227とを同層上に形成することにより、反射共通電極126と透明画素電極227とを同一工程において、かつ、同一材料で形成することができるようになり、ひいては、製造効率を向上させることができる。しかも、厚い絶縁膜108による凹凸が少ないため、第5の実施例より製造しやすい。
(第7の実施例)
第7の実施例として、第1乃至第6の実施例に共通するツイスト角、液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積について説明する。
ツイスト角は、図2に示すツイスト角と反射・透過強度特性から、最大反射・透過強度が得られるツイスト角0度のときの反射・透過強度の90%以上を得られる範囲が好ましい。図2から、ツイスト角は15度以下が望ましいことが分かる。
液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積は、図3に示す液晶層のギャップと反射強度特性から、最大反射強度が得られる液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積はλ/4のときの反射強度の90%以上を得られる範囲が好ましい。図3から、液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積は(λ/4)×(1±0.29)が望ましいことが分かる。また、最大透過強度が得られる液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積は、最大反射強度が得られる液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積の2倍のため、(λ/4)×(1±0.29)×2が望ましいことが分かる。λを緑の波長とするとλ=0.55μmであり、反射領域の液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積は(λ/4)×(1±0.29)=0.098μm乃至0.178μmが望ましいことが分かる。また、透過領域の液晶層の屈折率異方性と液晶層のギャップの積は(λ/4)×(1±0.29)×2=0.195μm乃至0.355μmが望ましいことが分かる。