JP3934007B2 - Icソケット用位置決め板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICパッケージをICソケットの台座上に案内するICソケットの位置決め機構を備えるICソケット用位置決め板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICパッケージのバーンインテスト等の信頼性試験を実行するために、該ICパッケージは、テストボードに直接取り付けられることはなく、ICソケットを介して取り付けられる。あるいは、ICパッケージを電子機器などに実装する場合にもICソケットが従来から利用されている。
【0003】
このようなICソケットとして、ソケット本体、該ソケット本体内上方に配置され、ICパッケージが載置される上下動自在の台座、該台座に載置されたICパッケージとテストボードの回路等とを電気的に接続するためにソケット本体内に固定されているコンタクト及びソケット本体に開閉可能に取り付けられているカバー等を備えている、クラムシェルタイプのICソケットが従来から知られている。ここで、コンタクト先端は、台座に形成されている貫通孔内に臨んでおり、該コンタクト先端は、台座の上下動により相対的に上下動可能である。さらに、コンタクトは、上下方向に弾性変形可能なように形成されている。
【0004】
上述したクラムシェルタイプのICソケットにおいては、ICパッケージをICソケットの台座上に載置するに際し、ICパッケージの外部接点部とコンタクトの確実な接触を得るために、ICパッケージを台座上の所定の位置に案内する位置決め機構を有する位置決め板が備えられている。
【0005】
当該ICソケットにICパッケージを搭載するには、先ず位置決め機構を介して台座上にICパッケージを載置し、次にカバーを閉じることに伴って、ICパッケージを台座ごと下降させ、該ICパッケージの外部接点部とコンタクトとを接触させ、続いて、この接触位置からコンタクトをも含めてICパッケージ及び台座をさらに所定量押し下げ、ICパッケージとコンタクトが所定の接触圧の下に接続される。最終的に、カバーをソケット本体に係止させ、その接触状態を維持させることにより、ICソケットへのICパッケージの搭載を完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、製造コストを抑えるべく台座は共用部品として製造されるようになり、一方位置決め機構は、上述したように搭載されるICパッケージの大きさに応じて形成されている位置決め板として、台座とは別個に製造され、台座上に一体的に組み込まれるようになっている。この位置決め機構を有する位置決め板は、プラスチックから金型成形により製造されるが、該位置決め板は、台座平面上に取り付けるべく概略平板状を成すように成形されるものであり、金型成形時に若干の反りが生ずる場合がある。このように、位置決め板に反りが生ずると、該位置決め板を台座上に組み込んだ時、位置決め板と台座との間に隙間が生じる。
【0007】
また、近年ICパッケージは高密度化されるとともに、非常に薄型化が進行している。特に、LGA(Land Grid Array)タイプのものにおいては、外周縁部の厚さが約0.1mmのものが出現している。
【0008】
このような非常に薄いICパッケージを台座上に載置するとき、上記したように、該位置決め板と台座との間に生じているわずかな隙間にもICパッケージが入り込む恐れがあり、それによって台座上におけるICパッケージの正しい位置決めができなくなる。結果として、ICパッケージの外部接点とコンタクトとの望ましい接触が得られなくなり、ICソケットとしての信頼性を損なう。
【0009】
また、ICパッケージをICソケットから取り除く時、ICパッケージが位置決め板の下に入り込んでいるため、該ICパッケージを取り除くことができなくなる恐れもある。
【0010】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、簡単な構造で、信頼性の高いICソケットを得るべく、改良されたICソケット用位置決め板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のICソケット用位置決め板は、ソケット本体、前記ソケット本体に対して上下動可能な、ICパッケージが載置される台座、及び前記ソケット本体に固定され、上下に弾性変形可能な複数のコンタクトピンとを少なくとも含むICソケットに用いられるICソケット用位置決め板であって、ICパッケージが通過する略矩形状の開口と、該開口周囲に設けられ、前記台座上の所定の位置にICパッケージを案内するための位置決め機構とを備え、前記位置決め機構は、前記略矩形状の開口の4隅に設けられた4つの略L字状のコーナーガイドを含み、該コーナーガイドは、ICパッケージを案内するための傾斜面及び該傾斜面に続く垂直面を含み、前記コーナーガイドの前記垂直面に面一の垂直面を有する案内脚を前記台座側に突出させてなることを特徴とする。
【0013】
また、前記案内脚は、断面四角形状であってもよい。
【0014】
さらに、本発明のICパッケージ用位置決め板が適用されるICソケットは、クラムシェルタイプのICソケットであってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る位置決め板を含むICソケットの概略につき図1〜7を用いて説明する。図1は、ICパッケージの概略上面図であり、図2は、図1のA−A部分及びB−B部分を断面した側面図であり、図3は、図2のC部分の拡大断面図である。図4は、本発明に係る位置決め板の上面図であり、図5は、図4のD−D断面図、図6は、コーナーガイドの拡大上面図、図7は、図5のF部分の拡大断面図である。
【0016】
ICソケット100は、図1、2に示されるように、従来例と同様、概略、ソケット本体10、カバー20、コンタクトピン30、位置決め板40及び台座50を含んでいる。
【0017】
ソケット本体10は、その中央部にソケット本体10を上下に貫通する収容室10aが形成されている。該収容室10aには、後述するコンタクトピン30及び台座50等が収容される。また、ソケット本体10の第1の側部(図1において左側の側部)18に沿って、第1ねじりコイルバネ13により時計方向に付勢されている係止爪12が、ソケット本体10に第1シャフト11を介して回動自在に取り付けられる。さらに、ソケット本体10の前記第1の側面に対向する第2の側部(図1に置いて右側の側部)19の両側部(図1における上・下側部)に第2シャフト14を支持する一対の軸支持部16が形成されている。該一対の軸支持部16間には、第2ねじりコイルバネ15により時計方向に付勢されている後述するカバー20が、第2シャフト14を介して回動可能に取り付けられる。
【0018】
カバー20は、略平板状を成しており、ソケット本体10上面全体を覆う大きさを有する。カバー20は、ソケット本体10に面する内面の略中央にICパッケージ押圧体21が突出形成されている。なお、このICパッケージ押圧体21は、カバー20に対して揺動自在に取付けられていてもよい。このことにより、ICパッケージ押圧体21は、ICパッケージを台座50に対して平行に且つ均一に押圧することができる。
【0019】
また、カバー20の自由端としての末端部は、ソケット本体の係止爪12に係合する係合部22が形成されている。カバー20の基端部は、ソケット本体10の第2シャフト14が貫通し、カバー20のソケット本体10に対する開き角度(約100〜120度)を規制する一対の脚部23が形成されている。カバー20は、上記したようにソケット本体10の第2の側部19に沿って、一対の軸支持部16の間に、第2ねじりコイルバネ15により時計方向に付勢されるとともに、一対の脚部23及び第2シャフト14を介して、回動自在にヒンジ結合されている。
【0020】
コンタクトピン30は、ICパッケージ(不図示)の外部接点としての半田ボール(不図示)と接触する接触部31、円弧状に形成された弾性変形部32、及びテストボード(不図示)等と接続される端子部33を含んでいる。コンタクトピン30は、エッチング加工されたリードフレームとして形成される。該リードフレームを電気絶縁性の合成樹脂、例えば、液晶ポリマー、からなる第1固定部34、第2固定部35をその間に介在させて複数積層し、ボルトなどにより固定することにより、複数にのコンタクトピン30がマトリクス形状に配列される。また、コンタクトピン30は、直交する方向に2段階でコンタクトピンピッチが拡大されるように形成されている(このようなコンタクトピンの詳細構造については、特開2000−331766号公報参照)。すなわち、コンタクトピン30は、接触部31においては、該ICパッケージの半田ボールと同じピッチで配列され、テストボード等と接続する端子部33においては、ピッチが広くなってマトリックス状に配列される。これによって、コンタクトピン30は、該テストボード等との電気的接続が容易に、また確実に行われ得る。複数のマトリクス状に形成されたコンタクトピン30は、第1固定部34及び第2固定部35を介してソケット本体10の収容室10a内に固定される。
【0021】
台座50は、ソケット本体10の収容室10a内上部に上下動可能に収容されている。具体的には、台座50は、圧縮コイルバネ17により上方に付勢され、収容室10aの内壁上部に形成された複数のストッパ10bに係止されている。また、台座50の中央には、マトリクス状に配置された複数の貫通孔51が形成されている。該マトリクス状に配置された複数の貫通孔51は、載置されるICパッケージの外部接点部に対応し得るように、ICパッケージの外部接点部の配列ピッチと同じピッチで配列されている。台座50がストッパ10bにより係止されている時、すなわち、台座50が最も上昇している時、台座50に形成されている貫通孔51内には、図3に示されるように、コンタクトピン30の先端接触部31が下方から一部進入した状態にある。台座50の下動に伴い、相対的にコンタクトピン30の接触部31が貫通孔51内を上昇する。
【0022】
なお、台座50にマトリクス状に配列され、穿設された複数の貫通孔51によるマトリクス領域の大きさは、同様にマトリクス状に配列されている複数のコンタクトピン30の接触部31側のマトリクス領域より若干大きく形成されていることが好ましい。すなわち、貫通孔51のほうがコンタクトピン30の数より多く形成されていることが好ましい。
【0023】
位置決め板40は、図4、5に示されるように、中央に略矩形状の開口45が開けられ、その4隅に位置決め機構としての4つのL字形のコーナーガイド41〜44が形成されている。L字形コーナーガイド41は、図6、7により詳細に示されるように、直交する内側垂直面41a、41b及び該内側垂直面41a、41bに続いて上方に行くにつれて拡がる内側傾斜面41’a、41’bを含んでいる。これらの内側垂直面41a、41b及び内側傾斜面41’a、41’bに沿って、ICパッケージが案内される。他の3つのL字形コーナーガイド42〜44も、図4に示されるように、L字形コーナーガイド41と同様にそれぞれ内側垂直面42a、42b、43a、43b、44a、44b及び内側傾斜面42’a、42’b、43’a、43’b、44’a、44’bを含んでいる。4つのL字形コーナーガイド41〜44の内側垂直面41a、41b、42a、・・・、44bを結んで形成される四角形(図4に点線で示されている)が、載置されるICパッケージの四角形の外形形状に対応するように、4つのL字形コーナーガイド41〜44が配置されている。これら4つのL字形コーナーガイド41〜44により、上方から投入されるICパッケージを案内するとともにICパッケージを台座50の所定位置に位置決めすることができる。
【0024】
本発明に係る位置決め板40は、図6、7により詳細に示されるように、コーナーガイド41の内側垂直壁41a、41bに沿って下方に複数本(本実施例では、垂直壁41a、41bにそれぞれ2本)の案内脚41cが突出形成されている。その他の3つのコーナーガイド42〜44にも、同様に、案内脚42c〜44cが形成される。案内脚41cの形状はどのようなものであってもよい。例えば、該断面形状が、本実施例に示されるように半円形状であってもよいし、四角形状であってもよい。しかしながら、少なくともその内側面41’cは、内側垂直面41a、41bと面一になるように形成されていることが好ましい。また、案内脚41cは、別途台座50に該案内脚41cを受け入れることのできる挿入孔を形成してもよいが、台座50に形成されている貫通孔51内に挿入されることが好ましい。
【0025】
このように案内脚41cを台座50の挿入孔又は貫通孔51内に挿入してなるように形成することにより、位置決め板40が若干反っていたとしても、内側垂直面41a、41bと面一である案内脚41cの内側面41’cがICパッケージを台座50の所定の位置に案内することができると共に、ICパッケージが位置決め板40の下に入り込むことを防止し得る。
【0026】
なお、46は、位置決め板40を台座50に取り付けるための係止爪であり、このように位置決め板40を台座50に対して着脱自在とすることにより、位置決め板40は、載置されるICパッケージの大きさに対応して交換可能とされている。
【0027】
ここで、ICソケットへのICパッケージの搭載、取り外しの動作を簡単に述べておく。
【0028】
ICソケット100にICパッケージを搭載するには、先ず、図2に示されるように、カバー20が開いているときに、位置決め板40に設けられている位置決め機構としてのコーナーガイド41〜44を介して、台座50の所定位置にICパッケージを載置する。この時、かりに位置決め板40に反り等があったとしても、上記したように、案内脚41c〜44cがコーナーガイド41〜44から下方に突出形成されていることにより、ICパッケージは、台座50上の所定の位置(すなわち、ICパッケージの半田ボールが対応する台座50の貫通孔51に上方から臨む位置)に案内されるとともに、位置決め板40の下に入り込むこともない。なお、このようにICパッケージが台座50上に載置された時点では、ICパッケージとコンタクトピン30の先端接触部31とは、接触していない。
【0029】
次に、図2に示されるように開いているカバー20を第2ねじりコイルバネ15に抗して反時計方向に閉じる。カバー20を閉じてゆくと、該カバー20に設けられているICパッケージ押圧体21によりICパッケージが台座50に押付けられ、さらに台座50とともに下方に押し下げられる。これにより、台座50の貫通孔51下方に臨んでいたコンタクトピン30の先端接触部31が相対的に該貫通孔51を上昇し、ICパッケージの半田ボールに接触する。
【0030】
カバー20が完全に閉じられる時、カバー20のICパッケージ押圧体21は、さらにICパッケージ及び台座50を押し下げ、コンタクトピン30を垂直方向に弾性変形させる。これにより、ICパッケージの半田ボールとコンタクトピン30の先端接触部31は、所定の圧力下で電気的に接触することになる。
【0031】
カバー20の係合部22をソケット本体10の係止爪12に係止することによりICパッケージの搭載は完了し、この状態で、ICソケット100は、テストボードや電子機器のプリント回路にコンタクトピン30の端子部33を介して装着される。
【0032】
ICパッケージをICソケットから取り外す場合は、係止爪12と係合部22との係止を解き、カバー20を開けばよい。すなわち、ICパッケージ及び台座50がカバー20のICパッケージ押圧体21による押圧から解除されるため、台座50は、圧縮コイルバネ17により当初位置まで押し上げられる。これにより、ICパッケージの半田ボールとコンタクト30の先端接触部31との接触も解かれる。結果として、自由になったICパッケージを、真空吸着などにより、ICソケット100から排除することが可能となる。
【0033】
本実施例においては、クラムシェルタイプのICソケットに適用する場合に関して説明したが、本発明に係る位置決め板は、これに限られることはなく、例えばオープントップタイプのICソケットにも適用可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明した通り、本件発明に係る位置決め板は、ICパッケージが通過する略矩形状の開口と、該開口周囲に設けられ、前記台座上の所定の位置にICパッケージを案内するための位置決め機構とを備え、前記位置決め機構は、前記略矩形状の開口の4隅に設けられた4つの略L字状のコーナーガイドを含み、該コーナーガイドは、ICパッケージを案内するための傾斜面及び該傾斜面に続く垂直面を含み、前記コーナーガイドの前記垂直面に面一の垂直面を有する案内脚を前記台座側に突出させてなるようにしたので、台座上に載置されるICパッケージを所定の位置に案内することができるとともに、位置決め板と台座との間にICパッケージが入り込むこともない。したがって、電気的に信頼性の高いICソケットを提供でき、ICパッケージのICソケットへの搭載、取り外しにおいても格別の障害もなく容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ICパッケージ全体を示す概略上面図である。
【図2】図1のA−A部分及びB−B部分を断面した概略側面図である。
【図3】図2のC部分の拡大断面図である。
【図4】本発明に係る位置決め板の概略上面図である。
【図5】図5は、図4のD−D断面図である。
【図6】図6は、コーナーガイドの拡大上面図である。
【図7】図7は、図5のF部分(コーナーガイド)の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ソケット本体
10a 収容室
10b ストッパ
11 第1シャフト
12 係止爪
13 第1ねじりコイルバネ
14 第2シャフト
15 第2ねじりコイルバネ
16 軸支持部
17 圧縮コイルバネ
18 第1の側部
19 第2の側部
20 カバー
21 ICパッケージ押圧体
22 係合部
23 脚部
30 コンタクトピン
31 接触部
32 弾性変形部
33 端子部
34 第1固定部
35 第2固定部
40 位置決め板
41〜44 コーナーガイド
41a、41b〜44a、44b 内側垂直壁
41’a、41’b〜44’a、44’b 内側傾斜面
41c〜44c 案内脚
45 開口
50 台座
51 貫通孔
100 ICソケット

Claims (3)

  1. ソケット本体、前記ソケット本体に対して上下動可能な、ICパッケージが載置される台座、及び前記ソケット本体に固定され、上下に弾性変形可能な複数のコンタクトピンとを少なくとも含むICソケットに用いられるICソケット用位置決め板であって、
    ICパッケージが通過する略矩形状の開口と、
    該開口周囲に設けられ、前記台座上の所定の位置にICパッケージを案内するための位置決め機構と、
    を備え、
    前記位置決め機構は、前記略矩形状の開口の4隅に設けられた4つの略L字状のコーナーガイドを含み、
    該コーナーガイドは、ICパッケージを案内するための傾斜面及び該傾斜面に続く垂直面を含み、
    前記コーナーガイドの前記垂直面に面一の垂直面を有する案内脚を前記台座側に突出させてなることを特徴とするICソケット用位置決め板。
  2. 前記案内脚は、断面四角形状であることを特徴とする請求項1に記載のICソケット用位置決め板。
  3. 前記ICソケットは、クラムシェルタイプのICソケットであることを特徴とする請求項1または2に記載のICソケット用位置決め板。
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