JP3933510B2 - 動力伝達方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力源にエンジンを使用する鉄道車両、例えばディーゼル動車や軌道モータカー(鉄道保全作業車)等の走行用動力伝達方法およびその装置に関し、特に、湿式多板式の、正転クラッチ、逆転クラッチおよび各速度段クラッチと、常時かみ合う歯車からなる歯車減速機構とからなり、各クラッチの嵌脱により出力軸の回転方向と回転速度とを切り換える動力伝達方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来のディーゼル動車の走行用動力伝達装置においては、下り勾配や走行中の速度抑制用ブレーキとして液体式リターダが使用されている。これは、二つの向かい合った羽根の一方を固定し、他方を回転させて羽根の間に充満させた油の攪拌ロスを速度抑制のための制動力として用いるものであり、特に、勾配の多い路線を走行する場合には、摩擦機械ブレーキ(圧縮空気や油圧等を用いて制輪子を車輪踏面に押しつけるか、あるいはブレーキディスクにブレーキライニングに押しつけるかして制動力を発生させる。)の使用頻度が増えるので、この液体式リターダを使用して速度抑制を行い、ブレーキライニングや制輪子の使用を控えてそれらの交換間隔を延長することが行われている。
【0003】
この液体式リターダを装備したディーゼル動車の走行用動力伝達装置が、図7に例示されている。すなわち、図7には、液体式リターダを内蔵した正逆転4速段のディーゼル動車用トランスミッションの伝動機構が示され、この伝動機構では、各歯車が常時かみ合い、入力軸と出力軸の回転速度比および車両の走行方向が、それぞれの油圧クラッチで選択的に切り換えることにより切り換えられる構成になっている。
【0004】
ディーゼル機関の動力は、トランスミッション50の入力軸51に伝達され、直結クラッチ53を一体に組み合わせたインペラホイールカバーを経て、トルクコンバータ52のインペラホイール56に伝達される。このインペラホイール56が回転することによって、トルクコンバータ52のサーキット内の油の循環によるポンプ作用によってタービンホイール57が回転され、タービンホイール57と一体の変直軸54にトルクコンバータ52を介して動力が伝達される。
【0005】
一方、直結クラッチ53を結合すると、インペラホイール56とタービンホイール57が一体に連結され、機関の動力はトルクコンバータ52を介さないで直接変直軸54に伝達され、駆動歯車60に伝達される。また、入力軸51と一体に回転するインペラホイール56には、歯車列を介してチャージングポンプ61が連結されていて、トルクコンバータ52や液体式リターダ55に圧油が供給される。
【0006】
液体式リターダ55は駆動歯車60の入力側に設置されていて、変直軸54に連結されたロータ58とケーシングに固定されたステータ59とから成っている。リターダの作動時には、機関回転をアイドルに下げ、トルクコンバータ52内の油が排出された状態でロータ58とステータ59間に油が充満され、ロータ58は出力側(車輪側)から回転される。(このとき、正転クラッチ62または逆転クラッチ63のいずれか一方と、選択された一つの速度段クラッチ65、66、67または68が結合された状態にある。)このロータ58の回転に伴う油の攪拌によって生ずる熱エネルギーが制動力として出力軸64に作用するものである。
【0007】
一方、架線作業車や電気作業車等の鉄道保全用作業車では、作業現場へ移動するための通常走行運転と、保全作業を行うために一定の低速度で走行する作業走行運転とが行われる。この作業走行運転時に行われる定速走行方法として、専用の湿式多板ブレーキを設けてその押圧力を制御し、湿式多板ブレーキをスリップさせながら必要とする一定の車速を保持する方式や、トランスミッションに歯車列を介してPTO軸を設けて油圧ポンプと油圧モータを取り付け、この油圧ポンプの発生油圧によって油圧モータを駆動して一定速の車輪回転速度を得る、静油圧駆動方式等が用いられている。
【0008】
この静油圧駆動方式の定速走行装置を装備した鉄道保全作業車用のトランスミッションには、特開平9−132136の図1に開示されるようなものがあり、湿式多板ブレーキを装備したものとしては図8に示されるような装置が知られている。
【0009】
すなわち、図8には、湿式多板ブレーキを備えた、正逆転2速段の鉄道保全作業車トランスミッションの伝動機構が示され、各歯車は常時かみ合い、入力軸と出力軸の回転速度比および車両の走行方向を、それぞれの油圧クラッチによって選択的に切り換えられる構成になっている。
【0010】
図8において、ディーゼル機関からの動力は、トランスミッション80の入力継手81に入力され、入力継手と一体に連結されたインペラホイールカバーを経てトルクコンバータ82のインペラホイール83に伝達される。このインペラホイール83が回転することによって、トルクコンバータ82のサーキット内の油の循環によるポンプ作用によってタービンホイール84が回転され、タービンホイール84と一体のタービン軸85にトルクコンバータ82を介した動力が伝達される。このタービン軸85に伝達された動力は、走行する方向に応じて結合された正転クラッチ86または逆転クラッチ87、必要車速に応じて結合される1速クラッチ88または2速クラッチ89、およびそれらのクラッチの結合により選択された各歯車を経由して出力軸91に伝達される。
【0011】
出力軸91の軸端部には、トランスミッションのケーシングに固定する形で湿式多板ブレーキ90が取り付けられていて、チャージングポンプ92からの圧油によって湿式多板ブレーキ90が結合される。作業走行運転時には、この湿式多板ブレーキ90に供給される作動油圧を制御し、湿式多板ブレーキ90をスリップ結合させることによって出力軸91に作用する制動力を調整し、出力軸91を一定の回転速度に維持して必要とする低車速を保持することができる。なお、通常走行運転時には湿式多板ブレーキ90への作動油圧は遮断され、制動力は作用しない。
【0012】
また、入力継手81と一体に回転するインペラホイール83には、歯車列を介してチャージングポンプ92が連結されていて、その反対側にはポンプクラッチ94を介して湿式多板ブレーキ90に潤滑油を供給する潤滑油ポンプ93が連結されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のトランスミッションにおいては、次のような問題がある。すなわち、液体式リターダを装備したものにおいては、リターダのブレーキトルクがロータ回転数の2乗に比例して変化する特性を有しているために、大きなブレーキトルクを得るには、いずれの速度段運転においても高速回転する軸にリターダを設置することが望ましい。このため、トルクコンバータと減速機構の間のタービンホイール軸上に設置することになり、リターダを装備しないものに比べてトランスミッションの全長寸法が長くなり、ケーシングの共用ができなくなると共に装置全体の重量も増えることとなる。
【0014】
さらに、ブレーキトルクがロータ回転数の2乗に比例する特性から、同一の速度段においては車速の2乗に比例して制動力が変化する。このため、高速運転域では、車速の変化による制動力の変動が顕著になるので、リターダの内圧を制御して制動力の変動を抑える必要があり、かつ、低速運転域では、制動力が急激に低下するので、その不足分を摩擦機械ブレーキの併用で補う必要があって、液体式リターダのみでは高速運転から低速運転までの速度抑制ブレーキとして使用することが困難である。
【0015】
また、定速走行装置を装備したものにおいては、定速走行運転時にのみ使用する専用の油圧ポンプ・油圧モータおよびそれらを結合する高圧ホースを設けたり、専用の湿式多板ブレーキを設置する必要があって、形状が複雑になるとともに部品点数が増加し、装置全体の重量も増える。
【0016】
このように、従来は専用の速度抑制ブレーキ装置を付加する必要があって構造が複雑になるとともに、標準型のトランスミッションに改造を加えないと速度抑制ブレーキを設けることができず、寸法や重量が大きくなって高価になる欠点があった。
【0017】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、専用のブレーキ機構を設ける必要がなく、構成が簡単で小型・軽量であるばかりでなく、従来の標準型のトランスミッションのケーシングを使用することができる動力伝達装置を利用して制動力を付与する動力伝達方法とその装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、湿式多板式の、正転クラッチ、逆転クラッチおよび各速度段クラッチと、常時かみ合う歯車からなる歯車減速機構とからなり、各クラッチの嵌脱により出力軸の回転方向と回転速度とを切り換える動力伝達方法において、正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれか一方と速度段クラッチの一つとが完全に結合して動力を伝達している時に、非結合状態で遊転している他方の正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれかの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させ出力軸にブレーキトルクを作用させるものである。なお、正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれかと同時に、非結合状態で遊転している1速クラッチの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させることが好ましい
【0019】
本発明の方法を実施するために適した装置としては、湿式多板式の、正転クラッチ、逆転クラッチおよび各速度段クラッチと、常時かみ合う歯車からなる歯車減速機構とからなり、各クラッチの嵌脱により出力軸の回転方向と回転速度とを切り換える動力伝達装置において、前記正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれか一方と速度段クラッチの一つとが完全に結合している時に、非結合状態で遊転している他方の正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれかの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させる速度抑制手段設けられているものである。なお、速度抑制手段には、各クラッチのクラッチプレートを押圧するピストンの受圧室を大受圧面積の大受圧室と小受圧面積の小受圧室と分離して設けられるとともに、前記大受圧室には完全結合圧力に調整した圧油を供給し、前記小受圧室にはスリップ結合圧力に調整した圧油を供給する手段設けられているのが好ましく、また、速度抑制手段には、圧油をスリップ結合圧力に調整する比例電磁弁と、出力側の回転速度を検出する回転検出センサと、この回転検出センサからの検出信号と設定信号とに基づいて前記比例電磁弁に油圧調整信号を出力するコントローラと備えられ、出力軸の回転速度を設定回転速度に保持するように制御することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態における正逆転4速段のディーゼル動車用動力伝達装置を示す略図で、図7に示された従来のものに置き代わるものである。
【0021】
基本的な構成は図7に示された従来のものと同じであり、液体式リターダが無いこと、および正転クラッチ、逆転クラッチ、1速クラッチをスリップ結合できる構成にした点で異なっている。図1において、ディーゼル機関(図示しない)の動力は、動力伝達装置の入力軸1に伝達され、直結クラッチ2を一体に組み合わせたインペラホイールカバーを経て、トルクコンバータ3のインペラホイール4に伝達される。このインペラホイール4の回転によって、タービンホイール5が回転され、タービンホイール5と一体に回転する変直軸6にトルクコンバータ3を介した動力が伝達される。
【0022】
一方、直結クラッチ2を結合すると、インペラホイール4とタービンホイール5が一体に連結され、機関の動力はトルクコンバータ3を介さないで機関から直接変直軸6に伝達され、駆動歯車9に伝達される。入力軸1と一体に回転するインペラホイール4には、歯車列を介してメインポンプ7および潤滑油ポンプ8が連結されている。このメインポンプ7から吐出される圧油はトルクコンバータ3に供給されると共に、各クラッチを結合する作動油としても供給され、残りは各部の潤滑油として供給される。一方、速度抑制手段の作用時にはポンプクラッチ32が結合されて潤滑油ポンプ8が同時に駆動され、このポンプから吐出される圧油は、スリップ結合しているクラッチの潤滑油(冷却油)として供給される。
【0023】
歯車が常時噛み合っている歯車減速機構の構成は以下のように構成されている。なお、逆転軸10については図2に拡大して示されている。先ず、変直軸6(入力軸1と同心に配置されている。)、逆転軸10、正転軸11、中間軸12および出力軸13はそれぞれ平行に配置されている。ただし、車両床下に設置されることから、入力軸1と出力軸13がほぼ同心の配置になるので、各軸心は同一平面上にはない。逆転歯車14、小歯車21、正転歯車15、中間小歯車23、中間大歯車22、4速歯車25および3速歯車28は、それぞれの軸に軸受を介して回転自在に支持されている。なお、中間小歯車23と中間大歯車22とは一体に形成されている。さらに、駆動歯車9、歯車16、17、29、30および出力歯車24は、それぞれの軸に一体に固定されている。逆転軸10には、逆転クラッチ18と1速クラッチ19が背中合わせに配置され、正転軸11には、正転クラッチ20と2速クラッチ31が背中合わせに配置されている。さらに、中間軸12には3速クラッチ27が、出力軸13には4速クラッチ26が設けられている。
【0024】
このような構成において、各速度段の動力伝達経路は以下のようになる。
a.正転時の1速運転
駆動歯車9→正転歯車15→正転クラッチ20→歯車17→歯車16→1速クラッチ19→小歯車21→中間大歯車22→中間小歯車23→出力歯車24→出力軸13→車輪
b.正転時の2速運転
駆動歯車9→正転歯車15→正転クラッチ20→2速クラッチ31→中間小歯車23→出力歯車24→出力軸13→車輪
c.正転時の3速運転
駆動歯車9→正転歯車15→正転クラッチ20→歯車17→4速歯車25→3速歯車28→3速クラッチ27→歯車29→歯車30→出力軸13→車輪
d.正転時の4速運転
駆動歯車9→正転歯車15→正転クラッチ20→歯車17→4速歯車25→4速クラッチ26→歯車30→出力軸13→車輪
【0025】
e.逆転時の1速運転
駆動歯車9→逆転歯車14→逆転クラッチ18→1速クラッチ19→小歯車21→中間大歯車22→中間小歯車23→出力歯車24→出力軸13→車輪
f.逆転時の2速運転
駆動歯車9→逆転歯車14→逆転クラッチ18→歯車16→歯車17→2速クラッチ31→中間小歯車23→出力歯車24→出力軸13→車輪
g.逆転時の3速運転
駆動歯車9→逆転歯車14→逆転クラッチ18→歯車16→歯車17→4速歯車25→3速歯車28→3速クラッチ27→歯車29→歯車30→出力軸13→車輪
h.逆転時の4速運転
駆動歯車9→逆転歯車14→逆転クラッチ18→歯車16→歯車17→4速歯車25→4速クラッチ26→歯車30→出力軸13→車輪
なお、トルクコンバータ3を介した運転(直結クラッチ脱時)は、1速でのみ行う。また、速度段がアップするにつれて減速比が小さくなるので、出力軸13の回転速度は入力軸回転速度に近づくことになる。
【0026】
図2は、図1の実施形態における逆転軸10の断面を拡大して示すものである。図2において、逆転歯車14は軸受49によって逆転軸10上に回転自在に支持されており、スプラインを備えたクラッチハブ47と一体に形成されている。歯車16は逆転軸10に一体に固定されていてクラッチピストン35を収容し、逆転クラッチ18および1速クラッチ19のクラッチドラム48が歯車と一体に形成されている。逆転クラッチ18および1速クラッチ19は、公知のように、クラッチハブ47にスプライン嵌合された多数のインナプレート41と、クラッチドラム48にスプライン嵌合されるとともにインナプレート41と交互に配列された多数のアウタプレート40とから構成されている。これらのクラッチプレート40,41は、環状の大受圧面積を有する大受圧室36もしくは環状の小受圧面積を有する小受圧室37に供給された圧油で移動するクラッチピストン35によって押圧され、結合又はスリップ結合される。
【0027】
本発明の方法を実施するための速度抑制手段は、正転クラッチ20または逆転クラッチ18のいずれかが結合されてディーゼル動車が走行(速度段のクラッチの一つが結合)している時に、非結合状態遊転している他方の正転クラッチもしくは逆転クラッチをスリップ結合させ、スリップ時の発熱エネルギーを制動力として利用するものである。例えば、図1および図2において、正転クラッチ20と4速クラッチ26が結合され、4速で走行している状態を仮定する。(この時、正転クラッチ20と4速クラッチ26以外は非結合状態にある。)
【0028】
遊転している逆転クラッチ18においては、アウタプレート40は逆転軸10と一体に回転し、インナプレート41は逆転歯車14と一体に回転している。この例では、逆転歯車14と正転歯車15の歯数および歯車16と歯車17の歯数が同じに設定されているので、インナプレート41とアウタプレート40の回転速度は等しくなり、かつ、互いに逆方向に回転することになって、クラッチプレート40と41の相対回転速度は逆転軸10の回転速度の2倍になっている。
【0029】
一般に、クラッチを半クラッチの状態で滑らすと、クラッチプレートは発熱し、この発熱エネルギーの大きさは、クラッチ伝達トルク×相対回転速度で表わされる。つまり、相対回転速度の大きいクラッチをスリップ結合することによって、より大きな制動力を得ることができる。
【0030】
この実施例では、正転クラッチ20と逆転クラッチ18以外に1速から4速までのクラッチが設けられているので、逆転クラッチ18のスリップ結合に加えて、遊転している他の速度段クラッチを同時にスリップ結合することが可能になり、2つ以上のクラッチをスリップ結合することによってさらに大きな制動力を得ることができる。
【0031】
通常、正転クラッチおよび逆転クラッチは高速回転軸上に設置されることが多く、また、1速は最も減速比(歯数比)が大きいことから、これらのクラッチは他のクラッチに比べてクラッチプレートの相対回転速度が大となり、大きな制動力を得やすい。このため本実施例では、正転クラッチ20と逆転クラッチ18および1速クラッチ19をスリップ結合できる構成にし、正転クラッチ20または逆転クラッチ18のどちらか一方と1速クラッチ19を同時にスリップ結合させて、効果的に制動力を得るものである。
【0032】
なお、スリップ結合させるクラッチの数は、必要とする最大ブレーキトルクから決まるものであり、より大きなブレーキトルクを必要とする場合には2速クラッチ31もスリップ結合できる構造にし、3つのクラッチを同時にスリップ結合させることも可能である。また、スリップ結合するクラッチの数を増加させる代わりに、一つのクラッチに組み込むクラッチプレートの枚数を増加させ、必要なブレーキトルクを確保することも可能である。
【0033】
さらに、スリップ結合しているクラッチには、クラッチプレートの表面に供給される冷却油量を直結時より増加するよう構成されており(図4の油圧回路図参照)、クラッチプレートは油膜を介して滑るので、スリップ結合によるプレートの焼損や摩耗は無い。
【0034】
次に、嵌脱クラッチと速度抑制手段とを兼用させたクラッチ(スリップクラッチ)の構造と作動について説明する。図2において、スリップ結合する1速クラッチ19および逆転クラッチ18は、クラッチプレートを別系統の押圧力で作動できるように、クラッチピストン35の受圧面積が異なる大小2つの受圧室すなわちピストン室36,37を備えている。すなわち、クラッチを完全に結合する圧油(以下、「直結作動油」という。)が供給される大受圧室すなわち大ピストン室36と、クラッチをスリップ結合する圧油(以下、「スリップコントロール油」という。)が供給される小受圧室すなわち小ピストン室37とを備えている。大ピストン室36には、メインポンプ7から吐出されて所定の圧力に調整された高圧の直結作動油が、それぞれの供給孔42aおよび43aから逆転軸10に設けられた油路42および43を経て供給され、小ピストン室37には、比例電磁弁により任意の低圧力に調整されたスリップコントロール油が供給孔46aから油路46を経て供給される。
【0035】
一方、クラッチハブ47のスプライン歯底には多数のキリ孔が設けられていて、潤滑油ポンプ8から吐出され、所定の潤滑油圧に調整された圧油が逆転軸10の右端部空間に供給され、入口45aから油路45を通って1速クラッチの油室39に供給され、前記キリ孔よりクラッチプレートに潤滑油(冷却油)として供給される。(逆転クラッチ18には、シールカバー34に設けられた供給孔44aから油路44を通ってクラッチプレートの潤滑油が別個に供給されている。)
【0036】
スリップしているクラッチに供給される潤滑油は、クラッチが直結になると油量が減少するように潤滑油供給回路に分配弁が設置されている(図4参照。)。
【0037】
受圧面積の異なる2つの大ピストン室36と小ピストン室37とを設ける理由は、クラッチの直結時とスリップ結合時とで圧接されるクラッチプレートの許容面圧に差があるためで、スリップ結合時におけるプレート面圧は、発熱を伴う関係もあって直結時のそれよりかなり低い値に抑える必要があり、クラッチピストン35を押す荷重を小さく設定する必要がある。押しつけ荷重が制限されることから、クラッチピストン35の受圧面積が大きいとスリップコントロール油は低圧の範囲で使用することになって、少しの油圧変動でもブレーキトルクが大きく変化し、ブレーキトルクの制御が不安定になる。このため、小ピストン室37の受圧面積を小さく設定してスリップコントロール油圧を高めて使用し、ブレーキトルクの制御をし易くするものである。
【0038】
なお、この実施例では逆転クラッチ18と1速クラッチ19のプレート枚数は同一であるが、それぞれのインナプレートと一体に回転する歯車14と21の歯数比が異なるために、逆転クラッチ18と1速クラッチ19の遊転時の相対回転速度に差がでる。このために、両者に同一のクラッチを使用して一つの供給口46aを有する油路46で両者の小ピストン室37に同じ圧力のコントロール油を供給する場合には、相対回転速度の小さいクラッチ側の発熱エネルギーが小さくなって他方よりブレーキ能力に余裕ができることになる。この場合には、相対回転速度の小さいクラッチの小ピストン室37aの受圧面積を他方の小ピストン室37bの受圧面積より大きく設定することによって、同一のコントロール油圧の供給で最大限にブレーキトルクを活用することができる(図3参照)。
【0039】
また、この実施例では、構成を簡素化するために逆転クラッチ18と1速クラッチ19のスリップコントロール油を一つの油路46でそれぞれの小ピストン室37に供給しているが、前記のように小ピストン室の受圧面積に差を設けないで、クラッチ毎にそれぞれ独立した油路と比例電磁弁を設け、別個にコントロール油の圧力を制御しても同様の効果を得ることができる。
【0040】
上記のように構成された動力伝達装置の作動を以下に説明する(図1参照)。車両を発進するときは、まず機関をアイドリング状態とし、車両の進行方向に応じて正転クラッチ20又は逆転クラッチ18のどちらか一方を結合してから、1速クラッチ19を結合すると共に機関の出力をアップしていくと、機関の出力は入力軸1からトルクコンバータ3、駆動歯車9、正転クラッチ20または逆転クラッチ18、1速クラッチ19、小歯車21を経て出力軸13に伝達され、トルクコンバータ3を介した1速運転(1速変速運転)となる。
【0041】
この1速変速運転のもとで所定の車速に到達すると直結クラッチ2が結合され、直結1速運転に移行する。さらに、この直結1速運転によって所定の車速に到達すると、1速クラッチ19が脱になって2速クラッチ31が結合される。同様にして、3速クラッチ27、4速クラッチ26と切り換えられて車速が漸次増加し、最高速度に達する。
【0042】
ディーゼル動車の場合、線路の勾配の大きさにもよるが、勾配区間は通常50〜70Km/h程度の車速で走行するので、この間は3速クラッチ27が結合された状態で走行することが多い。また、下り勾配は、機関回転をアイドリング状態に下げ、燃料をカットした状態で走行する(この時、直結クラッチ2が結合されているのでエンジンブレーキが作用する。)が、エンジンブレーキだけでは減速しきれず車速が超過することがある。このため、所定の車速以下に減速させる必要があり、摩擦機械ブレーキに代えて本発明による速度抑制手段を実施する。すなわち、遊転している逆転クラッチ18(正転クラッチ20を結合している場合)及び1速クラッチ19を同時にスリップ結合させてブレーキトルクを発生させ、出力軸13の回転速度を減速させる。このブレーキトルクは、小ピストン室37に供給されるスリップコントロール油の油圧を変化させる(この例では比例電磁弁105、106で変える。)ことにより任意の大きさに調整される。
【0043】
また、図示されていないが、動力伝達装置の出力軸部分には車速検出用の回転センサが設置されていて、その検出信号がコントローラに入力されている。車両が発進し、所定の車速に到達したことの検出信号が回転センサからコントローラに入力されると、図4に示す各速度段クラッチの切換え電磁弁112、113にオン・オフ信号が出力され、1速クラッチから順次クラッチが切り換え制御され、必要とされる車速に加速または減速される。
【0044】
速度抑制手段の作動は運転席からの抑速指令信号により行われ、抑速指令信号がコントローラに入力されると、速度抑制用電磁弁102にオン信号が出力されると同時に、機関をアイドルに低下させる燃料噴射量制御信号が機関の燃料噴射装置に出力される。その後、スリップコントロール油の圧力を調整する比例電磁弁106に予め設定された油圧調整信号が出力され、逆転クラッチ18と1速クラッチ19の小ピストン室37,37にスリップコントロール油が供給され、それぞれのクラッチがスリップ結合して出力軸13にブレーキトルクを作用させることができる。
【0045】
回転センサからの検出信号がコントローラに入力されているので、車速に応じて前記比例電磁弁106の油圧調整信号を変更して、スリップコントロール油の圧力を制御し、ブレーキトルクの大きさを変化させることにより、下り勾配でも最高車速を制限速度内に保持して走行することが可能になる。また、スリップコントロール油の圧力を適当に制御すれば、一定車速での走行も可能となる。
【0046】
また、ブレーキトルクの大きさは比例電磁弁106の油圧調整信号を変化させることによって任意に変えられるので、運転席の操作レバーと前記油圧調整信号とを連動させることによって、低速で走行時のブレーキとしても使用することが可能である。
【0047】
図4は、図1の実施形態における動力伝達装置の油圧系統を示すものである。メインポンプ7から吐出された油は、メイン油圧調整弁100で直結作動油圧に調整された後、トルクコンバータ3の入口でバイパス弁101により減圧されてトルクコンバータ3内に供給される。潤滑油ポンプ8は、速度抑制手段の作動時のみにポンプクラッチ32が結合して駆動され、スリップ結合しているクラッチの潤滑油量を増量するもので、トルクコンバータ3から排出された油と合流し、油冷却器で冷却されたのち第1潤滑油ライン124および第2潤滑油ライン125に供給される。
【0048】
一方、メイン油圧調整弁100の手前で分岐された直結作動油は、油路122を通り電磁弁を介して各クラッチの押圧力として大ピストン室36に供給され、各クラッチを直結させる。また、正転クラッチ120と逆転クラッチ121は、同時に直結作動油が供給されないように、逆転クラッチ電磁弁110が脱位置にあるときにのみ正転クラッチ電磁弁111に圧油が供給される構成になっている。もう一方の作動油は、油路123から速度抑制用電磁弁102を通過して比例電磁弁105および106に送られ、この比例電磁弁105および106で所定のスリップコントロール油の圧力に減圧調整された後、正転クラッチもしくは逆転クラッチと1速クラッチ119の小ピストン室37に供給される。
【0049】
各部に供給される潤滑油は、第1潤滑油圧調整弁103によってその圧力が設定される第1潤滑油ライン124と、第1潤滑油圧調整弁103の下流に設けられた第2潤滑油圧調整弁104によってその圧力が設定される第2潤滑油ライン125を通じて供給され、前記2つの潤滑油圧調整弁103と104の設定圧力は、速度抑制用電磁弁102がオフのときはほぼ同じであるが、速度抑制用電磁弁102をオンにすると、第1潤滑油圧調整弁103に背圧が作用して設定圧力が上昇するように構成されている。従って、速度抑制手段の作動時には、第1潤滑油ライン124の圧油の圧力が第2潤滑油ラインの圧油の圧力より高くなり、この第1潤滑油ライン124から供給される箇所においては、速度抑制手段の作動時には、その作動前より潤滑油の供給量が増加する構成になっている。
【0050】
第2潤滑油ライン125からは、嵌脱でのみ使用するクラッチ(この例では2速、3速、4速および直結クラッチ118、117、116および115)のクラッチプレートに所定の圧力の潤滑油が供給される。なお、第2潤滑油ライン125からは、その他の軸受や歯車等にも潤滑油が供給される。
【0051】
第1潤滑油ライン124の圧油は、1速クラッチ119の潤滑油として供給されると同時に、分配弁107を介して正転クラッチ120または逆転クラッチ121の潤滑油として供給される。前記分配弁107は、正転クラッチ120および逆転クラッチ121の直結作動油によって供給ポートが切り換わるもので、分配弁107の出口側油路は2つの逆止弁108を設けた油路で連通していて逆止弁108を介して第2潤滑油ライン125に合流している。これにより、例えば、正転クラッチ120を直結すると、第1潤滑油ライン124から逆転クラッチ121に潤滑油が供給され、正転クラッチ120にはそれより低圧の第2潤滑油ライン125から潤滑油が供給されるので、スリップ結合のクラッチには多量の潤滑油が供給され、直結のクラッチへの潤滑油量は減少する。
【0052】
図5は、本発明の他の実施形態である、正逆転2速段の鉄道保全作業車用トランスミッションの伝動機構を示し、図8に示された従来例のものに置き代わるものである。基本的な構成、作動は図1の実施例の場合と同じであり、以下のように構成される。すなわち、タービン軸300、逆転軸301、中間軸302および出力軸303はそれぞれ平行に配置されている。タービン軸300、中間軸302および出力軸303の各軸心は垂直平面上にあり、逆転軸301は偏心位置に配置されている。逆転小歯車316、正転小歯車315、1速歯車310および2速歯車312は、それぞれの軸に軸受を介して回転自在に支持されている。また、駆動歯車308、被動歯車309、中間歯車311、出力大歯車313および出力小歯車314は、それぞれの軸に一体に固定されている。さらに、中間軸302には、1速クラッチ306と2速クラッチ307が背中合わせに配置され、タービン軸300には正転クラッチ304が、逆転軸301には逆転クラッチ305がそれぞれ設けられている。
【0053】
このような構成における各速度段の動力伝達経路を以下に示される。なお、車両の進行方向に合わせて正転クラッチ304又は逆転クラッチ305を結合した後、必要に応じた速度段のクラッチ306、307を結合する。
【0054】
a.正転時の1速運転
駆動歯車308→正転クラッチ304→正転小歯車315→中間歯車311→1速クラッチ306→1速歯車310→出力大歯車313→出力軸303→車輪
b.正転時の2速運転
駆動歯車308→正転クラッチ304→正転小歯車315→中間歯車311→2速クラッチ307→2速歯車312→出力小歯車314→出力軸303→車輪
c.逆転時の1速運転
駆動歯車308→被動歯車309→逆転クラッチ305→逆転小歯車316→中間歯車311→1速クラッチ306→1速歯車310→出力大歯車313→出力軸303→車輪
d.逆転時の2速運転
駆動歯車308→被動歯車309→逆転クラッチ305→逆転小歯車316→中間歯車311→2速クラッチ307→2速歯車312→出力小歯車314→出力軸303→車輪
【0055】
なお、鉄道保全作業車は、それぞれの保線区に配置されて作業を行い、ディーゼル動車のように長距離を走行することが少ないので、この動力伝達装置では全ての速度段をトルクコンバータを介した変速運転で使用される。(直結クラッチを設けていない。)
【0056】
図6は、図5の実施形態における逆転軸301と中間軸302の断面を示すものである。基本的な構成は、図2に示されたものと同じであり、タービン軸300上の構成が図示されていないが、これは逆転軸301上の構成とほぼ同じである。
【0057】
この例では、逆転クラッチ305および正転クラッチ304がスリップ結合可能な構成になっており、正転クラッチ304または逆転クラッチ305のいずれかが結合されて走行している時に、脱状態にある他方の正転クラッチ304または逆転クラッチ305をスリップ結合させ、速度抑制手段とするものである。前記各クラッチは、一つのクラッチで大きなブレーキトルクを得るために、直結でのみ使用する場合よりクラッチプレートの枚数を増加させてある。なお、クラッチプレートの枚数を増加するとクラッチの全長寸法が伸びるが、この例では軸方向にスペースが余っているので、ケーシングの全長に影響が及ぶことはない。
【0058】
なお、この実施例における油圧系統は図示しないが、基本的には図4に示されたものと同様で、ただ、3速クラッチ、4速クラッチおよび直結クラッチに作動油を供給する油圧ラインがなくなる程度の相違である。ただし、図4では、1個の比例電磁弁106で逆転クラッチと1速クラッチにスリップコントロール油を供給しているが、この実施例では逆転クラッチのみに供給することになる。
【0059】
鉄道保全作業車では、一定の低速度(10Km/h以下)で走行しながら作業を行う作業走行運転があり、この作業走行運転時に前記の速度抑制手段を適用するものである。この一定走行の制御は、図1の実施例の場合と同様に、走行速度を検出する回転センサからの検出信号に基づいて、スリップクラッチに供給するコントロール油圧を比例電磁弁により制御し,ブレーキトルクを制御しながら一定の車速を得ることができる。すなわち、機関はアイドル回転数よりやや高い所定の回転速度にセットした状態で運転され、回転センサからの検出信号がコントローラに入力されると、運転席から指示された速度設定信号と比較し、その差をPI調整した速度補正信号を前記比例電磁弁に与えてコントロール油の圧力を変化させ、ブレーキトルクが調整されて動力伝達装置の出力軸回転速度が一定に保持される。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、湿式多板式のクラッチと歯車減速機構とからなり、各クラッチの嵌脱により出力軸の回転方向と回転速度とを切り換える動力伝達方法において、正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれか一方と速度段クラッチの一つとを完全に結合して動力を伝達しているに、非結合状態で遊転している他方の正転クラッチもしくは逆転クラッチの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させ出力軸にブレーキトルクを作用させるので、専用のブレーキ機構を設ける必要がなく、装置の構成簡素化て小型・軽量にできるとともに、従来の速度抑制手段の有無に関わらず従来のケーシング利用できる。
【0061】
また、各クラッチにブレーキ機能を持たせられるので、速度段クラッチを複数備えた動力伝達方法では、ブレーキとして使用できるクラッチ数が多く、必要に応じてブレーキトルクを増加させることが可能である。さらに、ブレーキトルクは使用する回転速度の影響を受けることがなく、また、クラッチプレートを押圧する油圧の制御でブレーキトルクを変化させられるので、応答性が良くきめ細かい速度制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の方法を実施するディーゼル動車の動力伝達装置
の概略説明図である。
【図2】 図2は図1の動力伝達装置の要部拡大断面図である。
【図3】 図3は図2の動力伝達装置の要部を拡大した断面図である。
【図4】 図4は図1の動力伝達装置の作動油の回路図である。
【図5】 図5は本発明の方法を実施する軌道モータカーの動力伝達装置の概略説明図である。
【図6】 図6は図5の動力伝達装置の要部を拡大した断面図である。
【図7】 図7は速度抑制のための液体リターダを有する従来の動力伝達装置の概略説明図である。
【図8】 図8は湿式多板ブレーキを有する従来の動力伝達装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1、51 入力軸
2、53 直結クラッチ
3、52、82 トルクコンバータ
6、54 変直軸
7 メインポンプ
8、93 潤滑油ポンプ
10、301 逆転軸
11 正転軸
13、64、91、303 出力軸
18、63、87 逆転クラッチ
19、65、88、306 1速クラッチ
20、62、86、304 正転クラッチ
26、68 4速クラッチ
27 3速クラッチ
31、66、89、307 2速クラッチ
35 クラッチピストン
36 大受圧室
37 小受圧室
40 アウタプレート
41 インナプレート
61、92 チャージングポンプ
85、300 タービン軸
90 湿式多板ブレーキ
100 メイン油圧調整弁
103 第1潤滑油圧調整弁
104 第2潤滑油圧調整弁
105、106 比例電磁弁

Claims (5)

  1. 湿式多板式の、正転クラッチ、逆転クラッチおよび各速度段クラッチと、常時かみ合う歯車からなる歯車減速機構とからなり、各クラッチの嵌脱により出力軸の回転方向と回転速度とを切り換える動力伝達方法において、前記正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれか一方と速度段クラッチの一つとが完全に結合して動力を伝達している時に、非結合状態で遊転している他方の正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれかの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させ出力軸にブレーキトルクを作用させることを特徴とする動力伝達方法。
  2. 上記正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれかと同時に、非結合状態で遊転している1速クラッチの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させることを特徴とする請求項1記載の動力伝達方法。
  3. 湿式多板式の、正転クラッチ、逆転クラッチおよび各速度段クラッチと、常時かみ合う歯車からなる歯車減速機構とからなり、各クラッチの嵌脱により出力軸の回転方向と回転速度とを切り換える動力伝達装置において、前記正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれか一方と速度段クラッチの一つとが完全に結合している時に、非結合状態で遊転している他方の正転クラッチもしくは逆転クラッチのいずれかの駆動側クラッチプレートと被動側クラッチプレートをそれらの間に回転速度差をもつようにスリップ結合させる速度抑制手段設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 上記速度抑制手段には、各クラッチのクラッチプレートを押圧するピストンの受圧室を大受圧面積の大受圧室と小受圧面積の小受圧室と分離して設けられるとともに、前記大受圧室には完全結合圧力に調整した圧油を供給し、前記小受圧室にはスリップ結合圧力に調整した圧油を供給する手段設けられていることを特徴とする請求項3記載の動力伝達装置。
  5. 上記速度抑制手段には、圧油をスリップ結合圧力に調整する比例電磁弁と、出力側の回転速度を検出する回転検出センサと、この回転検出センサからの検出信号と設定信号とに基づいて前記比例電磁弁に油圧調整信号を出力するコントローラと備えられ、出力軸の回転速度を設定回転速度に保持するように制御することを特徴とする請求項3記載の動力伝達装置。
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