JP3933477B2 - フェルールの多軸加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システム等に使用される光ファイバのコネクタに使用されるフェルールの多軸加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいて、光ファイバ同士の接続コネクタに図4(イ)に示すようなフェルール5が広く採用されている。
フェルールは、光ファイバ同士を同軸上に接続する際に光伝播接続損失を低く抑えるために、例えば、図4(ロ)に示すように端面をC面取り加工52後に球面加工53したり、あるいは、図4(ハ)に示すようにフェルールの小孔51にファイバーを装着しやすくするためにC面取り加工後にセンター小孔を円錐状にV加工54することが広く実施されている。
このフェルールは、センター小孔径約125μm程度、外形1〜2mm程度の非常に小さい部品であり、精密な加工が要求されるとともに、切粉残り等の不具合があってはならない。
【0003】
フェルールの端面加工方法としては、従来は、例えば図2に示すように、精密に成形された3爪チャック7にて下部側にワーク5を保持し、上部からC面取り、球面加工、V取り加工ツール6を回転摺接させて一工程毎に端面加工をしていた。
片面の工程毎にワーク着脱等の段取り変更が必要であり、ワーク搬送に時間を要し、全行程が長くなり、途中の半完成品が多くなる技術的課題があった。
また、この場合に高価な精密チャックが必要であるが、フェルールに比較して大きいチャックとなるので慣性力が大きく、高速回転が望めなかった。
また、上部からツール軸を回転させながら摺接させることになるので、その時に発生する切粉が研削点の下にあるワークに落下し、残る恐れが高かった。
【0004】
また、センターレスチャック方法として、例えば、図3に示すようにワークを駆動ローラ81と従動ローラ82にて回転保持するように、側部からケレー83加圧してワークを回転させ、ツールによる端面加工する方法が提案採用されている。
この場合にあっては、ワーク周速を制御しやすいが、ケレーやローラによる摩擦キズが発生しやすい技術的課題があった。
また、上記の場合においても、工程間のワーク搬送に比較的長い時間が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑みて、ワーク回転保持スピンドル軸及びツール軸の多軸化を図り、一度のワーククランプにてワークの片面毎の端面加工が連続的に実施出来るとともに、ワークの供排出を同期化させた生産性が高く、加工品質安定性に優れたフェルールの多軸加工装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、テーブル面を下にしたインデックスと、当該テーブル面に複数の重直方向のスピンドル軸を割出旋回可能に備えるとともに、当該スピンドル軸にワークチャックホルダーを備え、インデックスの下部に当該テーブル面と対向したツールテーブルを備え、ツールテーブルは、スピンドル軸の数より1〜2個少ない数のツール軸がX軸及びY軸方向の水平方向に移動し位置調整可能に設けてあり、スピンドル軸又はツール軸のどちらか一方、あるいは、相互にZ軸方向の上下に移動可能に配置してあることを特徴とするフェルールの多軸加工装置とした。
【0007】
スピンドル軸に例えば、コレット式等のワークチャックホルダーを装着して回転可能にし、このワークチャックホルダーにてフェルールの外周をチャック保持する等、フェルールの外周を把持して回転制御可能にした。
上記のように、ワークを回転制御するスピンドル軸を複数備え、インデックスにより割り出し、相対的に旋回可能にすることにより、1のスピンドル軸に装着されたワークチャックホルダーにてワークを供排出し、他の複数のスピンドル軸にて同時加工が可能になる。
【0008】
コレットチャック等のワークチャックホルダーを上軸側に配置し、下部側にワークの端面加工ツール軸を備えたので、ワークはこのツールによる研削点の上部に位置することになり、研削切粉がそのままワークから離れ、落下するのでワークに切粉が付着しにくくなるように作用する。
【0009】
上部に配設した複数のスピンドル軸に対応して、下部にツール軸を相互に又はどちらか単独で上下移動可能に配設したことにより、それより1〜2個少ないツール軸を下部側に配設することで、ツール軸に対応していないスピンドル軸位置にてワークを供給又は排出し、ツール軸に対応した位置にてツール毎に異なる端面加工が可能になり、フェルールの片面毎に連続的に端面加工が出来るように作用する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の望ましい実施の形態を、上軸スピンドル軸が3本備えられ、下軸ツール軸を2本配置された例にて以下説明する。
なお、フェルールの片面の加工工程に合わせて、上記スピンドル軸及びツール軸の数や配置を任意に選定できる。
【0011】
図1に本発明に係るフェルールの多軸加工装置の要部構成図を示す。
上部に部分的に図示したが、テーブル面を下にしたインデックス1のテーブル面に重直方向の3軸のスピンドル軸(第1スピンドル軸21、第2スピンドル軸22、第3スピンドル軸23)が旋回可能に配置されている。
上記の3本のスピンドル軸には、第1コレットチャック31、第2コレットチャック32、第3コレットチャック33がそれぞれ取り付けられている。
そして、このコレットチャックにより、それぞれフェルール5が把持されることになる。
【0012】
一方、下部に設けたツールテーブル4に水平方向(X軸及びY軸方向)及び上下方向(Z軸方向)に移動位置調整可能に回転刃具61、62を装着する第1ツール軸41及び第2ツール軸42が配設されている。
【0013】
次に加工手段について説明する。
被削材たるフェルール5は、下部のツール軸に対応していないコレットチャック(図1では第3コレットチャックの位置)に供給し、一回転して片面の加工が終了するとこのコレットチャックから排出される。
第1コレットチャックに把持されたフェルールは、第1ツール軸に装着された回転刃具が上昇して、例えば、C面取り加工がされ、次に旋回して第2コレットチャックの位置に来ると、第2ツール軸に装着された回転刃具が上昇して、例えば、次の球面加工やV取り加工が施される。
ここで、第1ツール軸と第2ツール軸は、同時に上下移動してもよいが、それぞれ単独にて上下移動可能にすると、より精度の高い加工が得られる。
いずれにしても、それぞれのスピンドル軸に対応してツール軸を設けたので、フェルールの片面毎に連続的に端面加工が可能になり、被加工時間はほぼ、インデックスの旋回時間のみになる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、ワークを回転保持するスピンドル軸とそれに対応してツール軸を多軸化したことにより、一度ワーククランプにてフェルールの片面を同時、連続的に加工が可能になり、被加工時間はほぼ、インデックスの旋回時間のみになり、従来必要であった工程毎のワーク着脱段取り等が不要になり、飛躍的に生産性が向上する。
また、ワークを上軸側に配置し、ツール軸を下軸側に配置したので、研削された切粉はそのままツール軸側に落下し、ワークに残ることが殆ど無くなり、加工品質が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフェルール多軸加工装置の要部構成図を示す。
【図2】従来のフェルール加工方法を示す。
【図3】従来の他のフェルール加工方法を示す。
【図4】フェルールの加工例を示す。
【符号の説明】
1 インデックス
21 第1スピンドル軸
22 第2スピンドル軸
23 第3スピンドル軸
31 第1コレットチャック
32 第2コレットチャック
33 第3コレットチャック
4 ツールテーブル
41 第1ツール軸
42 第2ツール軸
5 フェルール
61、62 回転刃具

Claims (1)

  1. テーブル面を下にしたインデックスと、当該テーブル面に複数の重直方向のスピンドル軸を割出旋回可能に備えるとともに、当該スピンドル軸にワークチャックホルダーを備え、インデックスの下部に当該テーブル面と対向したツールテーブルを備え、ツールテーブルは、スピンドル軸の数より1〜2個少ない数のツール軸がX軸及びY軸方向の水平方向に移動し位置調整可能に設けてあり、スピンドル軸又はツール軸のどちらか一方、あるいは、相互にZ軸方向の上下に移動可能に配置してあることを特徴とするフェルールの多軸加工装置。
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