JP3933248B2 - 印刷機のインキ壺装置 - Google Patents

印刷機のインキ壺装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3933248B2
JP3933248B2 JP10385497A JP10385497A JP3933248B2 JP 3933248 B2 JP3933248 B2 JP 3933248B2 JP 10385497 A JP10385497 A JP 10385497A JP 10385497 A JP10385497 A JP 10385497A JP 3933248 B2 JP3933248 B2 JP 3933248B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink fountain
protective film
ink
side plate
original roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10385497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10278230A (ja
Inventor
裕之 関
和秀 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP10385497A priority Critical patent/JP3933248B2/ja
Publication of JPH10278230A publication Critical patent/JPH10278230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3933248B2 publication Critical patent/JP3933248B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷機、凸版印刷機等に用いるインキ壺装置に関し、特にインキ壺内面のインキを容易に除去してきれいにすることの可能なインキ壺装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷機又は凸版印刷機においては印刷時、絵柄に合わせて供給するインキの量を変化させねばならず、通常、インキ供給ゾーンを、絵柄の幅方向に複数個に分割(約30mmピッチで分割)し、面積率の大きいゾーンには多く、面積率の小さいゾーンには少なくインキを供給している。
一般に、オフセット印刷機又は凸版印刷機におけるインキ装置にはインキ壺方式が使用されており、供給インキ量の調整は、幅方向に多数並べて配置しているインキキーをスライドさせてキー先端と元ローラとの間隙を変化させることにより行っている。この方式は、供給インキ量を正確に制御することができる利点を有している。
【0003】
ところで、インキ装置では品目替え(色替え)時において、洗浄が必要であり、当然インキ壺内面の洗浄も行っている。このインキ壺内面洗浄は自動化が困難であり、通常、作業者による手作業で行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インキ壺内面の洗浄は面倒であるため生産性向上における阻害要因となっている。また、洗浄が不十分な場合、インキがキー間の隙間に侵入して乾燥し、キーの作動不良を招くことがある。
これらの問題に対してインキ壺及びキーにフィルムを貼り、洗浄時にはフィルムを交換することで洗浄を簡単化する方法が提案されている。フィルムを貼る方式にはカットシート状のフィルムを貼るものと、連続したフィルムを貼り、使用済のフィルムを巻き上げるものとがある。しかしながら、いずれの方法でも、インキ壺の平坦な底面のみにフィルムを貼っており、インキ壺の両側の内面(側面)は剥き出しか又は特殊な形状の小片を用いてカバーする方法を採っている。このため、この方法ではインキ壺側面の洗浄作業又はカバー用小片の取替作業が必要であり、やはり作業者によるかなりの手作業を必要としていた。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、オフセット印刷機、凸版印刷機等の印刷機において、品目替え時等において、容易にインキ壺の内面の残インキを除去してきれいにすることの可能な印刷機のインキ壺装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、元ローラと、その元ローラに近接配置され、インキ壺底面を形成するインキ壺本体と、前記インキ壺底面の下端に位置するように設けられ、前記元ローラとの間隙を調整可能なインキキーと、前記インキ壺本体の両端に固定して設けられ、インキ壺側面を形成するインキ壺側板とを備えたインキ壺装置において、インキ壺内面を保護するための長尺の保護フィルムを、保護フィルム供給ロールから引き出し、インキキーを経てインキ壺底面を覆い、更にインキ壺の外側に延び出すように通しておくと共に、その保護フィルムを、前記インキ壺底面を覆っていた部分がインキ壺の外側に引き出され、前記保護フィルム供給ロールから引き出された新たな部分がインキ壺底面上に位置するように、走行させる保護フィルム搬送装置を設け、更に、前記保護フィルムとして、前記インキ壺底面にほぼ等しい幅を有し、そのインキ壺底面を覆うための一定幅部分と、その両側縁に長手方向に一定ピッチで設けられ、インキ壺側面を覆うためのフラップ部を備えたものを用いると共に、前記インキ壺装置に、インキ壺側板を前記インキ壺本体と共に、前記元ローラに接触してインキ壺を形成する作動位置と、その作動位置よりも低く、前記保護フィルムの走行時にフラップ部の走行に支障を生じない退避位置とに移動させるインキ壺駆動装置を設けるという構成としたものである。
【0007】
上記構成のインキ壺装置では、通常の印刷時には保護フィルムがインキ壺底面及びインキ壺側面を覆って、インキで汚れないように保護しており、色替えのための洗浄時には、インキ壺駆動装置がインキ壺側板及びインキ壺本体を退避位置に移動させ、その状態で保護フィルム搬送装置が、保護フィルムを走行させて前記保護フィルムのインキ壺底面を覆っていた部分を引き出し、新たな部分をインキ壺底面上に位置させ、その後インキ壺駆動装置がインキ壺側板及びインキ壺本体を元の作動位置に持ち上げ、その際、インキ壺側板が保護フィルムの両側に形成しているフラップ部を内側に折り込み、インキ壺側板を保護する位置とする。かくして、インキ壺底面及びインキ壺側面が保護フィルムの新たな部分によって覆われ、従って、インキ汚れがなくなり、換言すれば洗浄されたこととなり、次の印刷動作に備えることができ、従来行っていた手作業によるインキ壺洗浄動作が不要となる。
【0008】
ここで、前記保護フィルムに形成しているフラップ部が、インキ壺側面を覆う側面保護部と、前記元ローラとインキ壺側板との間にはさみ込まれる余裕部とを有する形状とすることが好ましい。この構成とすると、そのフラップ部がインキ壺側板の表面(インキ壺側面)を覆うのみならず、前記元ローラに押し付けられるインキ壺端面をも覆って保護することとなり、インキ壺側板の保護が確実で、インキの付着を良好に防止できる。
【0009】
また、前記元ローラの両端の、前記インキ壺側板に対向する位置に、円筒部材を、元ローラの回転に関係なく静止しうるように配置し、前記インキ壺側板との間に前記保護フィルムのフラップ部の余裕部をはさみ込み、固定する構成とすることが好ましい。この構成とすると、フラップ部の余裕部を円筒部材とインキ壺側板とではさみ付けて固定できるので、そのフラップ部が回転中の元ローラ表面に接触しても、それに引っ張られて動くということがなく、印刷中保護フィルムを常にインキ壺側面に貼り付けた状態に保持できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説明する。図1は、オフセット印刷機或いは凸版印刷機に設けた、本発明の一実施例によるインキ壺装置を備えたインキ装置の要部を示す概略断面図、図2はそのインキ壺装置の概略側面図、図3はそのインキ壺装置の概略平面図、図4はそのインキ壺装置に用いる保護フィルムの一部の概略平面図、図5(a)、(b)、(c)はそれぞれ、そのインキ壺装置を異なる作動状態で示す概略斜視図、図6(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、そのインキ壺装置を異なる作動状態で示す概略側面図である。図1〜図6において、1は印刷ユニットのフレーム、2はインキ壺装置(詳細は後述)、3はそのインキ壺装置2の一部を構成する元ローラ、4は呼び出しローラ、5はインキ練りローラであり、これらは版胴(図示せず)に対してインキ供給を行うインキ装置を構成している。
【0011】
インキ壺装置2は、元ローラ3と、その元ローラ3に近接配置され、平坦なインキ壺底面7aを形成するインキ壺本体7と、そのインキ壺本体7に、インキ壺底面7aの下端に位置するように設けられ、元ローラ3との間隙を調整可能な複数のインキキー8と、そのインキキー8の位置を調整するためのインキキー調整用ロッド9と、インキ壺本体7の両端に固定して設けられ、インキ壺側面10aを形成するインキ壺側板10等を備えている。このインキ壺側板10は、元ローラ3の外周面に押し付けられてインキ漏れを防止するための円弧状の端面10bを備えている。インキ壺本体7及びインキ壺側板10は、支軸11を中心として旋回可能に取り付けられており、インキ壺側板10の端面10bが元ローラ3に接触し、元ローラ3と共にインキ壺を形成する作動位置〔図5(a)、図6(a)に示す位置〕と、その作動位置よりも下方に旋回した退避位置〔図5(b)、図6(b)に示す位置〕に移動可能である。そして、このインキ壺本体7及びインキ壺側板10には、そのインキ壺本体7及びインキ壺側板10を作動位置及び退避位置に往復動させるためのエアシリンダ等のインキ壺駆動装置(図示せず)が連結されている。
【0012】
インキ壺装置2は更に、インキ壺内面を保護するための長尺の保護フィルム15と、その保護フィルム15を繰り出す保護フィルム供給ロール16と、保護フィルム供給ロール16から引き出され、インキキー8を経てインキ壺底面7aを覆うように通された保護フィルム15の、インキ壺底面7aを覆っていた部分を引き出し、新たな部分をインキ壺底面7a上に位置させるよう、保護フィルム15を移動させる保護フィルム搬送装置17を備えている。本実施例では、保護フィルム搬送装置17として、インキ壺本体7の下流に保護フィルム15を案内するよう設けられたガイドローラ18と、保護フィルム15を巻き上げる巻取ロール19を設けており、その巻取ロール19には駆動モータ(図示せず)が連結されている。更に、その巻取ロール19の上流に、保護フィルム15上の残インキ20〔図6(c)参照〕をかき取り除去する残インキ除去装置21が設けられている。また、インキ壺本体7の上流にはガイドローラ22が設けられている。保護フィルム供給ロール16、ガイドローラ22、18、巻取ロール19等は、インキ壺本体7とは別に定位置に設けられている。なお、保護フィルム15を繰り出す保護フィルム供給ロール16にはブレーキ(図示せず)が設けられており、繰り出される保護フィルム15に対して適当な張力を付与しうるようになっている。
【0013】
ここで使用する保護フィルム15は、図4に示すように、連続した一定幅部分15aの両側縁に、インキ壺側面を覆うためのフラップ部15bを、長手方向に一定ピッチで形成したものであり、巻取ロール19に巻き上げられる際には図4で矢印A方向に進行するように、インキ壺装置に対して取り付けられる。一定幅部分15aの幅は、一対のインキ壺側面10a、10a間のインキ壺底面7aの幅に等しく定められている。フラップ部15bは、インキ壺側面を覆うほぼ三角形の側面保護部15b1 と、それに続いて設けられた余裕部15b2 とからなり、その余裕部15b2 は図7にも示すように元ローラ3とインキ壺側板10との間にはさみ込まれるためのものである。ここで、フラップ部15bの側面保護部15b1 は、その全長に渡って一定幅部分15aにつながっているが、余裕部15b2 は一定幅部分15aとの間に細い切り込み15cを介在させており、これによって一定幅部分15aから分離可能となっている。このように余裕部15b2 を一定幅部分15aから分離させているので、保護フィルム15のインキ壺に対する装着時にしわの発生を抑えながら、余裕部15b2 をインキ壺側板10と元ローラ3との間にはさみ込むことができる。切り込み15cの奥の部分15dには丸みを付けており、これによって切り込み15cが起点となって保護フィルム15が裂けることを防止している。
【0014】
保護フィルム15を構成する材料は軟質樹脂フィルムであればよく、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等のフィルムを用いることができ、極めて高い印刷品質が求められる場合には、ポリカーボネートフィルムが望ましい。保護フィルム15の厚さとしては、耐久性、柔軟性等を考慮して、100〜200μm程度とすることが好ましい。また、フィルム表面にハードコート処理を施せばフィルムの耐久性を大きく向上させることができる。
【0015】
図2において、保護フィルム供給ロール16から引き出された保護フィルム15の搬送途中には、巻き上げ長さ測定ローラ23が配置され、ロータリーエンコーダ24に接続されている。このロータリーエンコーダ24は、巻取ロール19によって保護フィルム15を巻き上げ、保護フィルム15の新たな部分をインキ壺底面7a上に送り込む際に保護フィルム15の送り量を測定し、保護フィルム15の長手方向の所望の位置(フラップ部15bを設けた位置)を正しくインキ壺底面7a上に位置決めすることができるように、設けている。なお、保護フィルム15を巻き上げた際の位置決めは、巻き上げ長さ測定ローラ23及びロータリーエンコーダ24を用いる場合に限らず、適宜変更可能であり、例えば、保護フィルム15にセンサ検知用小穴或いはマークを、一定ピッチで設けておき、保護フィルム15の搬送経路に光電センサを配置し、そのセンサ検知用小穴或いはマークを検知する方法を採用してもよい。
【0016】
図3及び図7において、元ローラ3の両端には、元ローラ3の外径とほぼ等しい外径を有する円筒部材30が、元ロール3に対して回転自在に、従って元ローラ3が回転しても静止させうるように配置されている。インキ壺側板10の少なくとも元ローラ3に接する部分は肉厚に形成され、元ローラ3と円筒部材30の両方に押し付けられるようになっている。
【0017】
なお、図示は省略しているが、以下に説明する洗浄動作を自動的に行うためのシーケンス制御装置が設けられている。
【0018】
次に、上記構成のインキ壺装置2について、その動作を説明する。
通常の印刷時には、インキ壺本体7及びインキ壺側板10は図1、図5(a)、図6(a)等に示す作動位置を占めており、保護フィルム15はインキ壺内面を覆っている。すなわち、保護フィルム15の一定幅部分15a(図4参照)はインキキー8及びインキ壺底面7aを覆っており、フラップ部15bの側面保護部15b1 がインキ壺側面10aを覆っており、更に余裕部15b2 がインキ壺側板10と元ローラ3及び円筒部材30の間に挟み付けられている。この状態で印刷が行われる。すなわち、図1において、元ローラ3がゆっくり矢印方向に回転し、インキ壺内に供給されているインキが元ローラ3の外周面にインキ膜を形成し、そのインキが、元ローラ3に接触する位置に移動した呼び出しローラ4に転移され、次いで、呼び出しローラ4がインキ練りローラ5に接触する位置に移動してインキをインキ練りローラ5に転移させるという動作でインキ供給が行われる。
【0019】
この動作中、インキ壺内面は、底面のみならず側面も保護フィルム15で覆われているので、インキ壺本体7やインキ壺側板10がインキで汚れることはない。また、元ローラ3が回転するので、その元ローラ3とインキ壺側板10とではさみ付けられている保護フィルム15の余裕部15b2 が元ローラ3で引っ張られる恐れがあるが、この余裕部15b2 は、回転しない円筒部材30とインキ壺側板10とで挟み付けられ固定されているので、その保護フィルム15が動いてトラブルを起こすということがない。なお、保護フィルム15の滑り性が良く、円筒部材30とインキ壺側板10とで余裕部15b2 を固定していなくても、元ローラ3に接触する余裕部15b2 が元ローラ3で引っ張られる恐れがない場合には、円筒部材30は省略してもよい。
【0020】
印刷終了後、インキ壺の洗浄を行う場合は、シーケンス制御装置の洗浄ボタンを押す。すると、図5(b)、図6(b)に示すように、インキ壺本体7及びインキ壺側板10が退避位置に下がる。これにより、インキキー8と元ローラ3の間隔が広くなって保護フィルム15が走行しやすくなると共に、インキ壺側板10の大部分が、インキキー8からガイドローラ18に延びている保護フィルム15の走行路の下方に位置し、従ってインキ壺側板10が保護フィルム15の走行時にフラップ部の走行に支障を生じない状態となり、保護フィルム15の巻き上げが可能となる。
【0021】
次に、図6(c)に示すように、巻取ロール19が回転して保護フィルム15を所定量巻き上げ、残インキ20で汚れた部分を巻き取ると共に、保護フィルム15の新たな所定の部分をインキ壺本体7の上方に移動させる。この際、保護フィルム15がたるんでトラブルを起こすことがないように、供給ロール16に適当なブレーキ力を作用させており、移動している保護フィルム15には適当な張力が付与されている。また、保護フィルム15上の残インキ20は残インキ除去装置21がかき取って除去しており、このため巻取ロール19内に多量のインキが巻き込まれてトラブルを起こすということが防止される。
【0022】
保護フィルム15が所定量だけ移動した後、図5(c)及び図6(d)に示すようにインキ壺本体7及びインキ壺側板10が元の作動位置に戻る。この時、インキ壺側板10が上方に移動する際に、その上に位置していたフラップ部15bを上向きに折り込みつつ移動し、その端面10bと元ローラ3及び円筒部材30との間にフラップ部15bの余裕部15b2 をはさみ込み固定する(図7参照)。これにより、インキ壺内面(インキ壺底面7a及びインキ壺端面10a)に保護フィルム15が貼り付けられた状態となり、洗浄動作が終了する。なお、インキ壺側板10の上昇によるフラップ部15bの折り込みを良好に行うには、保護フィルム15の中央の一定幅部分15aをフラップ部15bの折り曲げ時に一定位置に保持しておくことが好ましく、このためには、この一定幅部分15aに適当な張力を付与して緊張状態に保持しておくことが好ましい。
【0023】
以上のようにしてインキ壺洗浄動作が自動的に行われ、作業者に対する作業負担が大幅に削減される。またこのインキ壺洗浄動作は、印刷機に設けている複数の印刷ユニットについて同時に行われる。かくして、印刷機の各インキ壺の洗浄を極めて短時間に容易に行うことができ、印刷機の停止時間を短縮して生産性を向上させることができる。なお、このインキ壺洗浄動作と並行して、インキ装置の他のローラの洗浄動作も行われる。洗浄動作の終了後、インキ壺にインキを供給し、印刷動作に入る。
【0024】
なお、上記実施例では、インキ壺本体7及びインキ壺側板10を支軸11を中心として旋回可能としている。この構造は、従来から使用されている既設のインキ壺装置も備えているので、上記実施例のインキ壺装置は、既設のインキ壺装置に少しの改造を加えることで製造でき、従って低コストで製造できるという効果を有している。しかしながら、本発明は、インキ壺本体7及びインキ壺側板10を作動位置と退避位置とに移動させる機構として、このように支軸11を中心として旋回させる場合に限定されず、他の形式による移動機構、例えば、直線状に移動させる機構を用いるように変更してもよい。すなわち、インキ壺本体7及びインキ壺側板10を作動位置から、同じ姿勢に保持した状態で斜め下方に直線状に退避させる構成としてもよい。
【0025】
更に、上記実施例では、保護フィルム15を走行させる保護フィルム搬送装置17として巻取ロール19を利用しているが、保護フィルム搬送装置17もこの構成に限らず、適宜変更可能であり、例えば、保護フィルム15を、残インキ除去装置21の下流で駆動ローラと押えローラではさみ付けて搬送するようにし、且つ、送り出された保護フィルム15を適当な排フィルム箱内に排出するように変更してもよい。
【0026】
また、上記実施例では、図7から良くわかるように、インキ壺側板10を、その端面が、元ローラ3のローラ面の端部並びに円筒部材30に押し付けられるように配置しているが、本発明はこの構成に限定されず、図8に示すように変更することも可能である。すなわち、図8に示すように、インキ壺側板10Aを元ローラ3の端面3aに押し付けると共にインキ壺側板10Aの端面を、元ローラ3の端部に設けた小径の円筒部材30Aの外周面に押し付け、このインキ壺側板10Aと元ローラ3及び円筒部材30Aとの間に保護フィルム15の余裕部15b2 をはさみ込む構成とすることもできる。
【0027】
本発明で使用する保護フィルム15も図4に示す構造に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、図9、図10に示す保護フィルム15A、15Bを用いることも可能である。ここで、図9に示す保護フィルム15Aは、余裕部15b2 の先端と一定幅部分15aとを細い連結部15eで連結しており、その他の構成は図4に示すものと同様である。このように連結部15eで余裕部15b2 の先端を一定幅部分15aに連結しておくと、保護フィルム15Aの製造に当たって余裕部15b2 を前にして(矢印B方向に)走行させながら巻き取る際に、余裕部15b2 がばたつくことがなく、巻取作業が容易となる利点が得られる。図10に示す保護フィルム15Bは、一定幅部分15aの両側に、横方向に延びる切れ目15fで区分された長方形状のフラップ部15b′を備えたものであり、そのフラップ部15b′も、インキ壺側面を保護する側面保護部15b1 ′と、元ローラとインキ壺側板との間にはさみ込まれる余裕部15b2 ′とを有している。この実施例の保護フィルム15Bも図4に示す保護フィルム15と同様に使用されるが、インキ壺装置に取り付けた際、側面保護部15b1 ′がインキ壺側面10より大きいため、インキ壺より上方に延び出した状態となるが支障はない。また、邪魔になるようなら、インキ壺側板の上端で折り曲げておけばよい。この保護フィルム15Bは、製造時に打ち抜く部分が少ないため、製造工程が簡略となるという利点が得られる。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明は、インキ壺内面に配置する保護フィルムとして、両側縁にフラップ部を備えたものを用い、且つインキ壺本体及びインキ壺側板を、インキ壺を形成する作動位置とその位置よりも低い退避位置とに移動させる構成としたので、通常の印刷時には保護フィルムでインキ壺底面及びインキ壺側面を覆うことが可能であり、色替え等のための洗浄時には、インキ壺本体及びインキ壺側板を退避位置に移動させ、その状態で保護フィルムを走行させて、保護フィルムのインキ壺底面を覆っていた部分を引き出し、新たな部分をインキ壺底面上に位置させ、その後インキ壺本体及びインキ壺側板を元の作動位置に持ち上げることで、保護フィルムの両側に形成しているフラップ部を内側に折り込み、インキ壺側面を保護する位置とすることができ、きわめて簡単に且つ敏速に、インキ壺底面及びインキ壺側面を保護フィルムの新たな部分で覆うことができ、換言すれば、インキ壺の洗浄を行うことができ、従来行っていた手作業によるインキ壺洗浄動作を削減できると共に、印刷機の停止時間を短縮でき、生産性を向上できるという効果を有している。また、既設のインキ壺装置に簡単な改造を施すことで本発明の装置を構成できるので、低コストで製造できるという効果も有している。
【0029】
ここで、前記保護フィルムに形成しているフラップ部を、インキ壺側面を覆う側面保護部と、元ローラとインキ壺側板との間にはさみ込まれる余裕部とを有する形状とすると、そのフラップ部がインキ壺側板の表面(インキ壺側面)のみならず、元ローラに押し付けられる端面をも覆って保護することとなり、インキ壺側板の保護が確実で、インキの付着を良好に防止できるという効果が得られる。
【0030】
また、前記元ローラの両端の、前記インキ壺側板に対向する位置に、円筒部材を、元ローラが回転しても静止させうるように設け、前記インキ壺側板との間に保護フィルムのフラップ部の余裕部をはさみ込み、固定する構成とすると、フラップ部の余裕部を円筒部材とインキ壺側板とで挟み付けて固定でき、そのフラップ部が回転中の元ローラ表面に接触して引っ張られても動くことがなく、印刷中保護フィルムを常にインキ壺側面に良好に貼り付けた状態に保持できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインキ壺装置を備えたインキ装置の要部を示す概略断面図
【図2】そのインキ壺装置の概略側面図
【図3】そのインキ壺装置の概略平面図
【図4】そのインキ壺装置に用いる保護フィルムの一部の概略平面図
【図5】(a)、(b)、(c)はそれぞれ、そのインキ壺装置を異なる作動状態で示す概略斜視図
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、そのインキ壺装置を異なる作動状態で示す概略側面図
【図7】上記実施例のインキ壺側板と元ローラとの接触部分を示す概略斜視図
【図8】本発明の他の実施例におけるインキ壺側板と元ローラとの接触部分を示す概略斜視図
【図9】本発明に使用する保護フィルムの変形例の一部の概略平面図
【図10】保護フィルムの更に他の変形例の一部の概略平面図
【符号の説明】
1 印刷ユニットのフレーム
2 インキ壺装置
3 元ローラ
4 呼び出しローラ
5 インキ練りローラ
7 インキ壺本体
7a インキ壺底面
8 インキキー
9 インキキー調整用ロッド
10 インキ壺側板
10a インキ壺側面
11 支軸
15 保護フィルム
15a 一定幅部分
15b フラップ部
15b1 側面保護部
15b2 余裕部
16 保護フィルム供給ロール
17 保護フィルム搬送装置
19 巻取ロール
20 残インキ
21 残インキ除去装置
23 巻き上げ長さ測定ローラ
24 ロータリーエンコーダ
30 円筒部材

Claims (3)

  1. 元ローラと、その元ローラに近接配置され、インキ壺底面を形成するインキ壺本体と、前記インキ壺底面の下端に位置するように設けられ、前記元ローラとの間隙を調整可能なインキキーと、前記インキ壺本体の両端に固定して設けられ、インキ壺側面を形成するインキ壺側板と、インキ壺内面を保護するための長尺の保護フィルムであって、保護フィルム供給ロールから引き出され、インキキーを経てインキ壺底面を覆うように通された保護フィルムと、該保護フィルムの前記インキ壺底面を覆っていた部分をインキ壺の外側に引き出し、前記保護フィルム供給ロールから引き出された新たな部分をインキ壺底面上に位置させるよう、前記保護フィルムを走行させる保護フィルム搬送装置とを備え、前記保護フィルムが、前記インキ壺底面にほぼ等しい幅を有し、そのインキ壺底面を覆うための一定幅部分と、その両側縁に長手方向に一定ピッチで設けられ、インキ壺側面を覆うためのフラップ部とを有しており、更に、前記インキ壺側板を前記インキ壺本体と共に、前記元ローラに接触してインキ壺を形成する作動位置と、その作動位置よりも低く、前記保護フィルムの走行時にフラップ部の走行に支障を生じない退避位置とに移動させるインキ壺駆動装置を備えていることを特徴とする印刷機のインキ壺装置。
  2. 前記保護フィルムのフラップ部が、インキ壺側面を覆う側面保護部と、インキ壺側板と元ローラとの間にはさみ込まれる余裕部とを有していることを特徴とする請求項1記載の印刷機のインキ壺装置。
  3. 前記元ローラは、その両端の、前記インキ壺側板の端面に対向する位置に、前記元ローラの回転に関係なく静止可能な円筒部材を有しており、前記インキ壺側板との間に前記保護フィルムのフラップ部の余裕部を挟み込み、固定する構成となっていることを特徴とする請求項2記載の印刷機のインキ壺装置。
JP10385497A 1997-04-07 1997-04-07 印刷機のインキ壺装置 Expired - Fee Related JP3933248B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10385497A JP3933248B2 (ja) 1997-04-07 1997-04-07 印刷機のインキ壺装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10385497A JP3933248B2 (ja) 1997-04-07 1997-04-07 印刷機のインキ壺装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10278230A JPH10278230A (ja) 1998-10-20
JP3933248B2 true JP3933248B2 (ja) 2007-06-20

Family

ID=14365039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10385497A Expired - Fee Related JP3933248B2 (ja) 1997-04-07 1997-04-07 印刷機のインキ壺装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3933248B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10278230A (ja) 1998-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5437228A (en) Method and apparatus for printing adhesive backed media
JP2008532791A (ja) エンボス装置のためのフィルムガイド
JP2011522719A (ja) 非加熱式フィルムエンボス加工のための装置
JP2006224667A (ja) 冷間箔押しのための箔供給方法
JP2018118516A (ja) フレキソ印刷コーティングユニットを清浄するための清浄用装置および方法
EP1981655B1 (de) Reinigungseinrichtung an einer prägevorrichtung
US20020148923A1 (en) Method for controlling a device for continuously supplying web and device therefor
EP1676702B1 (de) Folienzuführung für Kaltfolienprägung
JP2000117939A (ja) 枚葉紙印刷機
JP4252960B2 (ja) 薄紙印刷方法及びオフセット輪転印刷機
JP3933248B2 (ja) 印刷機のインキ壺装置
JP3933246B2 (ja) インキ壺カバーフィルム
JP3694551B2 (ja) 印刷機の元ローラ及びインキ壺洗浄方法
JP3884521B2 (ja) 印刷機のインキ壺装置
JP3694550B2 (ja) 印刷機のインキ壺装置
JP3884522B2 (ja) 印刷機のインキ壺装置
TR201807254T4 (tr) Kodlama cihazı.
FI106447B (fi) Menetelmä ja laite rullaimen yhteydessä
JP4011200B2 (ja) インキ壺カバーフィルム装着装置
JP2010514591A (ja) フィルム転写ユニットにおけるフィルムガイド
JP4684469B2 (ja) ラベル製造装置およびラベル製造方法
JP7154580B2 (ja) ラベルプリンタ
JPH03239581A (ja) 孔版印刷装置における原紙の供給排出装置
US1910359A (en) Printing press
JP3579554B2 (ja) 巻取紙等の連続体のエッジクリーナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees