JP3932997B2 - セルロースエステル組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセルロースエステル組成物の製造方法に関する。より詳しくは、セルロースを有機酸溶媒中、無水酢酸及び炭素数が3以上の酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一つをアシル化剤としてアシル化するに際し、反応系中に可塑剤を存在させておくことで、可塑剤が均一に混合されてなるセルロースエステル組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セルロース及びセルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロース誘導体は、地球上で再生産可能なバイオマス材料として、また、環境中にて生分解可能な材料として昨今の大きな注目を集めつつある。現在商業的に利用されているセルロースエステルの代表例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート等が挙げられる。
【0003】
セルロースを出発物質としたセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース混酸エステルの製造法は長年に渡り研究がなされている。
【0004】
例えば、Industrial and engineering chemistry(C.J.Malm et al,(684),1951)ではピリジン溶媒中で酸塩化物を用いてセルロースをアシル化する方法が記載されている。
【0005】
また、特開平1−249801号公報ではセルロースをスルフォニルクロライド存在下、有機溶媒中で有機酸あるいは有機酸塩と反応させてセルロースエステルを得るという手法が記載されている。該公報で用いているスルフォニルクロライドは可塑剤ではなく、反応を促進する役割を担っている。
【0006】
上記に示したように、アシル化試薬として酸塩化物、有機酸などが用いられているが、現在、工業的に生産されるセルロース誘導体であるセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの製造にあたっては汎用性が高いこと、低コストであること、温和な条件で反応が進行することから、硫酸触媒下、有機酸溶媒中で、アシル化剤として無水酢酸あるいは種々有機酸の酸無水物を用いてアシル化する手法が採用されている。
【0007】
これらのセルロースエステルは、強靱で高光沢、透明性、耐油性、耐光性が良いという特徴を有するため、繊維、プラスチック、フィルター、塗料など幅広い分野に利用されている。しかし、単独で加熱すると溶融と同時に着色や分解が生じるため、可塑剤の添加なしでは良好な成型品を得ることができない。また、溶融成形ではなく種々の溶剤を用いてセルロース誘導体を溶解し成形する場合においても、可塑剤の添加なしでは良好な可撓性を有することができないため、いずれの成形においてもセルロースエステルには可塑剤を添加することが必要である。
【0008】
このため、種々の可塑剤が使用されており、その代表的なものとしてジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、トリアセチン、ジアセチルグリセリン、トリプロピオニトリルグリセリン、グリセリンモノステアレートなどの多価アルコールエステル、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステル、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等の二塩基性脂肪酸エステルなどが使用されてきた。
【0009】
セルロースエステルと上記可塑剤の混合に関しては、特開昭54−157159号公報では別途作成したセルロースエステルのフレークに対して混合攪拌機を用いて混練を行う例が記載されている。
【0010】
また、高分子量の可塑剤を用いた方法としては、例えば特開昭61−276836号公報ではフタル酸系ポリエステルが、特開平07−076632号公報ではポリカプロラクトンが使用できることが示されている。また、特開平12−212224号公報ではセルロースエステルと非常に相溶性の高い可塑剤として、側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーが用いられている。該公報におけるセルロース誘導体と共重合ポリマーの混練に関する記載として、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを使用して溶融混練するか、適当な溶剤を使用して、溶解混練する方法が示されているが、セルロースエステルの製造中に同一反応系中で可塑剤を添加する記載はない。
【0011】
いずれにおいても、可塑剤を含有したセルロースエステル組成物を得るためには、任意の方法によって得られたセルロースエステル誘導体のフレークと可塑剤を別途溶融混練、あるいは溶解混練を行う必要がある。
【0012】
溶融混練では通常組成物が溶融する高温下でのエクストルーダーを用いる混練が行われるが、セルロースエステルは軟化点と分解の温度が非常に近いため、溶融混練時にセルロースの主鎖の熱分解により着色が生じるという問題点がある。また、混練温度は200℃前後と高温を要するため、低沸点化合物との混練に用いることができない。また、粘性が高いセルロースエステルと可塑剤の混練では均一に混合するまでに長時間を要する。
【0013】
一方、溶解混練においてはセルロースエステル及び可塑剤をともに溶解する溶媒を用いる必要がある。セルローストリアセテートの溶媒として、様々な有機溶媒が提案されているが、実質的に使用されている溶媒は塩化メチレンしかない。しかしながら、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素は、近年、地球環境保護の観点から、その使用は著しく規制されている。また、塩化メチレンの沸点は41℃と低く、製造工程においても揮散しやすいため、作業環境を考えたときも問題がある。また、セルロースアセテートプロピオネートに代表されるセルロースの混合脂肪酸エステルはセルロースアセテートに比べて溶解性が高く、多種の溶媒を用いることができる。しかし、その場合でも用いた溶媒自体及び溶媒の回収工程を作るコストが生じるため経済的ではない。
【0014】
上記のような背景から、可塑剤を含有するセルロースエステル組成物を経済的に得ることが求められている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は上記のような可塑剤を含有したセルロースエステル組成物を得る製法における問題点を克服し、経済的かつ高品質なセルロースエステル組成物の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の課題は、可塑剤存在下、セルロースを有機酸溶媒中、無水酢酸及び炭素数が3以上の酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一つをアシル化剤としてセルロースをアシル化することを特徴とするセルロースエステル組成物の製造方法によって解決することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるセルロースとしては、種々のセルロース材料を用いることができるが、副反応を抑制するためセルロース材料のαセルロース含有率は85重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。さらに好ましくは95重量%以上であることでよい。具体的には、溶解パルプ、機械パルプなどの木材パルプ、コットンリンター、再生セルロース及びバクテリアセルロース等が挙げられる。
【0018】
セルロースは前処理なくパルプ状のセルロースを用いることもできるが、次のようなセルロースの処理を行っても良い。例えば、ボールミルなどの乾式粉砕器にて粉砕する方法がある。これは、機械的な粉砕によりセルロースの結晶構造が破壊され、セルロースの結晶化度が低下して反応溶媒中に溶解しやすくなるため好ましい。また例えば、セルロースと水を混合し、続いて水から濾別したセルロースを反応系に用いる酢酸などの有機溶媒と接触させて、セルロースを溶媒置換する方法がある。こうすることでセルロースが液相中に分散しやすくなり、活性化させることができる。また、セルロースを反応系に用いる酢酸などの有機酸中で加熱処理を行う方法がある。このようにしてセルロースに前処理をすることにより、セルロースのアシル化をさらに効率的に行うことができ好ましい。
【0019】
本発明においては無水酢酸及び炭素数が3以上の酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一つ以上をアシル化剤として用いる。また、無水酢酸及び炭素数が3以上の酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも2以上をアシル化剤として用いるのが好ましい。炭素数が3以上の有機酸無水物は具体的には無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草酸、無水カプロン酸、無水エナント酸、無水カプリル酸、無水ペラルゴン酸、無水カプリン酸、無水ラウリン酸、無水ミリスチン酸、無水パルミチン酸、無水ステアリン酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸が好ましい。中でも、反応性が高く、汎用性があり、低コストであることから無水プロピオン酸または無水酪酸であることがより好ましい。また、アシル化剤の組み合わせとして、無水酢酸と無水プロピオン酸、無水酢酸と無水酪酸がさらに好ましい。
【0020】
無水酢酸と炭素数が3以上の酸無水物はその合計がセルロースのグルコース単位に対して2当量以上とすることでセルロースに対する反応性が増加し、10当量以下でセルロースの水酸基に対して十分であるため2〜10当量用いることが好ましい。より好ましくは3〜6当量である。また、無水酢酸と炭素数が3以上の酸無水物の割合は、任意でよい。
【0021】
本発明では反応系の液相に有機酸溶媒を用いる。有機酸溶媒は酢酸及び炭素数が3以上の有機酸からなる群から選ばれる少なくとも一つを用いる。また、有機酸溶媒は酢酸及び炭素数が3以上の有機酸からなる群から選ばれる少なくとも二つを用いるのが好ましい。炭素数が3以上の有機酸は、アシル化剤として用いている酸無水物と同一の炭素数を有する酸を用いるのがより好ましい。反応によって副生する酸と溶媒が同一であるため分離回収工程が簡易になる。
【0022】
液相に用いる有機酸溶媒の量はセルロースに対して100〜3000重量%が好ましい。100重量%以上ではセルロースの反応が進行するにつれて、系が均一になりやすく反応性が増加し、3000重量%以下では反応系中のアシル化剤の濃度が高くなるため反応性が増加すると同時に経済的である。
【0023】
液相として、有機酸溶媒に加えて、さらに種々の溶媒を用いることができる。セルロースのアシル化は発熱反応であるため、系の冷却が必要であり、気化熱の大きい酢酸エチルなどを用いることも知られている。また、液相の流動性を上げるため、溶媒を添加しても良い。
【0024】
本発明において、セルロースとアシル化剤の反応を促進するものとして触媒を加えることができる。セルロースのアシル化触媒として硫酸、過塩素酸ナトリウムが知られているが、反応性の点から硫酸が好ましい。
【0025】
触媒の添加量はセルロースに対して1〜15重量%が好ましい。1重量%以上ではセルロースの反応性を促進し、15重量%以下では例えば触媒として硫酸を用いたとき、着色に寄与するセルロースの硫酸エステルを除去しやすいため、高品質のセルロースエステルが得られるため好ましい。
【0026】
また、液相に対するセルロース、アシル化剤及びアシル化触媒の添加方法に関しては、液相にセルロースを浸漬させてからアシル化剤及びアシル化触媒を添加することが好ましいが、より経済的にセルロースエステル組成物を製造するために液相にセルロースを浸漬させる前にアシル化剤及びアシル化触媒を全量または分割して液相に添加してもよい。
【0027】
また、セルロースとアシル化剤との反応温度は、0℃以上とすることで反応が活性化され、40℃以下とすることでセルロースの主鎖の分子量低下を抑制し、かつ着色を抑えることができる。そこで、0〜40℃にて反応を行うことが好ましい。さらに好ましくは10〜30℃である。
【0028】
反応時間は0.5〜5時間が好ましい。0.5時間以上とすることで置換度があがり、5時間以下とすることでセルロースの重合度低下を抑制し、生産性も向上する。さらに好ましくは1〜3時間である。
【0029】
反応終了後に反応停止剤である水あるいは有機酸を添加することができる。このことにより、アシル化に関与しなかった過剰量のアシル化剤は加水分解して対応する有機酸を副成する。この加水分解反応は激しい発熱を伴い、反応系内の温度が上昇する。反応停止剤の添加速度が大きいと、反応系内温度が急激に発熱し、セルロース主鎖の重合度低下が進行する。そこで、系中の温度が40℃を超えないように、時間をかけて反応停止剤を添加するのが好ましい。
【0030】
本発明で得られるセルロースエステル組成物の分離回収は、例えば反応溶液を再沈殿溶媒に滴下する方法、反応溶液中に再沈殿溶媒を滴下する方法など公知の方法で行うことができる。いずれも析出したセルロースエステル組成物を液相からの濾別により得ることができる。再沈殿溶媒として液相である有機酸が可溶で、セルロースエステル及び可塑剤が不溶な溶媒を用いることができる。再沈殿溶媒として水を用いるのが好ましいが、特に限定されない。
【0031】
本発明に用いる可塑剤として、その用途に応じて公知の可塑剤を用いることができる。具体的にはジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、トリアセチン、ジアセチルグリセリン、トリプロピオニトリルグリセリン、グリセリンモノステアレートなどの多価アルコールエステル、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェートなどの正リン酸エステル、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等の二塩基性脂肪酸エステルなどが挙げられるが限定されない。また、反応中の液相に溶解するものであれば高分子量ポリマーを用いても良い。
【0032】
また、可塑剤はpH7以下において水に不溶であることが好ましい。上述したセルロースエステル組成物の分離回収において、液相からセルロースエステル組成物を分離するとき、貧溶媒として水あるいは任意の有機溶媒を用いるが、水を用いるのが経済的な観点から好ましい。このとき、液相が酸を含むためpH7以下になり、pH7以下において水に不溶である可塑剤であれば後処理の際、液相に留出することなくセルロースエステルに含有される可塑剤の割合が大きくなるため好ましい。特にアジピン酸ジエステル、フタル酸ジエステル、グリセリントリエステルは水に不溶であるため好ましい。
【0033】
可塑剤の添加量はセルロース100重量部に対して10〜100重量部が好ましい。添加量が100重量部以下ではセルロースが有する強靱で高光沢、透明性、耐油性、耐光性が良いという特徴がでるため好ましく、添加量が10重量部以上では可塑剤の有する特性を付与することができ好ましい。
【0034】
また、可塑剤の添加方法に関しては、セルロースとアシル化剤を混合する時に同時に添加するのが好ましいが、セルロースエステルが液相に均一に溶解している状態すなわち、反応終了前であるならば、特に限定されない。
【0035】
得られたセルロースエステル組成物中のセルロースエステルの置換度は、グルコース単位あたり0.5〜2.9であることが好ましい。また、良好な生分解性を得るためには、セルロースエステルの置換度は比較的低置換度、例えば、0.5〜2.2であることが好ましく、良好な流動性を得るためには、例えば2.2〜2.9であることが好ましいので、目的によって適宜決定することができる。
【0036】
また、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートを用いた時、合計の置換度が上記であることが好ましく、得られたセルロースエステル組成物と種々添加剤との相溶性の点からアセチル基の置換度(DSace)とプロピオニル基あるいはブチリル基の置換度(DSacy)は下記の式を満たすことが好ましいが特に限定されない。
(I) 0.5≦DSace+DSacy≦2.9
(II) 0.1≦DSace≦1.0
(III) 0.4≦DSacy≦2.8
また、得られたセルロースエステル組成物は熱可塑性を有することが好ましい。溶融成形に用いるのに際し、良好な流動性の観点から、200℃、1000sec-1における溶融粘度が50〜500Pa・secであることが好ましい。
【0037】
得られたセルロースエステル組成物のフレークを溶融紡糸などの溶融成形に用いる時、気泡の混入をできるだけ少なくするためにエクストルーダーなどを用いてペレット化することができる。
【0038】
溶融前のフレークと溶融成形後のセルロースエステル組成物の分子量低下は10%以下であるのが好ましく、5%以下であるのがより好ましい。また、溶融成形後に得られるセルロースエステル組成物のb値は−2〜6が好ましい。より好ましくは−2〜2である。
【0039】
本発明では、反応終了後のセルロースエステル組成物中にさらに副次的添加物を加えていろいろな改質を行うことができる。副次的添加剤の例としては、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、着色料、各種フィラー、静電剤、離型剤、香料、抗菌剤、核形成剤、酸化防止剤や調整剤などの安定剤、その他の類似のものがあげられるが特に限定されない。さらに、本発明により得られたセルロースエステル組成物のアシル化されていない水酸基にさらに化合物を反応させて利用することも可能である。
【0040】
本発明により得られるセルロースエステルは繊維製品、たとえば繊維、平面形成物、たとえば織物、フェルト、フリース、いわゆるバックシート、繊維複合材料、フロック、詰綿、ならびに線状形成物、たとえば繊維、糸、ロープ、綱などの製造にも適している。また、シート、パイプ、棒、工具類、食器類、包装材、電子部品材、玩具など生分解性プラスチック材料として多岐にわたり使用できると共に、物性が優れていることもあり、さらに眼鏡枠、自動車ハンドル、医療用器具等を加えた多くの一般用途にプラスチック材料として使用しうる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
なお、セルロースエステルの置換度は以下の方法で評価した。
【0043】
評価方法
(1)セルロースエステルの置換度
セルロースエステル組成物をクロロホルムに溶解し、貧溶媒であるメタノールから再沈殿を行い可塑剤を除去したセルロースエステルを得た。その後、乾燥したセルロースエステル0.9gを秤量し、アセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
【0044】
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/[{1−(Mwace−(16.00+1.01))×TA}+{1−(Mwacy−(16.00+1.01))×TA}×Acy/Ace]
DSacy=DSace×(Acy/Ace)
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSace:アセチル基の置換度
DSacy:アシル基の置換度
Mwace:酢酸の分子量
Mwacy:他の有機酸の分子量
Acy/Ace:酢酸(Ace)と他の有機酸(Acy)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量
(2)重量平均分子量
日本Waters(株)製Waters2690を用い、ポリスチレンを標準とし、カラム温度40℃、クロロホルム溶媒で測定した。
【0045】
また、ハーケ社エクストルーダーを用いた溶融後、ペレット化する際の分子量の低下を評価基準とした。溶融およびペレット化前後における分子量低下が、5%以下を○、10%以下を△、10%を越える物を×とした。なお、○は良好、△は許容範囲だが、×は問題があるプロセスを示す。
(3)セルロースエステル組成物の色調
スガ試験機(株)社製の色差系(SMカラーコンピュータ形式SM-3)を用いて、ハンター値(L,a,b値)として測定した。b値が−2〜2を○、2〜8を△、8以上を×とした。なお、○は良好、△は許容範囲だが、×は問題があるプロセスを示す。
(4)セルロースエステル組成物中のセルロースエステルと可塑剤の割合
セルロースエステル組成物の液体クロマトグラフにより、予め合成したセルロースエステルのピーク面積の比率(RI基準:%)から算出した。
【0046】
なお、可塑剤の含有率から、製造工程の中でセルロースエステル組成物に取り込まれずに系外に留出した可塑剤の割合を算出した。10%を以下を良好として○で示した。10%を越えるものは問題があるプロセスとして×で示す。
【0047】
実施例1
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)(αセルロース92wt%)30gに、有機酸として酢酸20gとプロピオン酸90gを加え、54℃で30分混合した。混合物を室温まで冷却した後、可塑剤としてアジピン酸ジオクチルを5g添加して混合した。その後、氷浴中で冷却した無水酢酸10g、無水プロピオン酸140gをアシル化剤として、アシル化触媒として硫酸1.2g、プロピオン酸1gを加えてアシル化を行った。アシル化において、40℃を超える時は水浴で冷却した。撹拌を150分間行った後、反応停止剤として酢酸30gと水10gの混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸100gと水30gを加え60℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネート組成物は60.8gであり、セルロースアセテートプロピオネートの置換度はアセチル基0.3、プロピオニル基2.4であった。また、得られたセルロースエステル組成物中のセルロースエステル成分は92.3重量%、可塑剤成分が7.7重量%であり、可塑剤の留出は6.4%で問題がなかった。また、数平均分子量は85000だった。
【0048】
続いて、得られたセルロースエステル組成物をエクストルーダー中180℃で2分混練し、ペレット状にした。数平均分子量は83200であり、色調b値は−0.3であった。色調は良好で、分子量は2.1%しか低下しなかった。
【0049】
実施例2
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)(αセルロース87wt%)30gに、有機酸として酢酸20gとプロピオン酸90gを加え、54℃で30分混合した。混合物を室温まで冷却した後、可塑剤としてジオクチルアジペートを5g添加して混合した。その後、氷浴中で冷却した無水酢酸20g、無水プロピオン酸90gをアシル化剤として、アシル化触媒として硫酸1.2g、プロピオン酸1gを加えてアシル化を行った。アシル化において、40℃を超える時は水浴で冷却した。撹拌を150分間行った後、反応停止剤として酢酸30gと水10gの混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸100gと水30gを加え60℃で1時間加熱撹拌した。続いて、ジメチルフタレートを8g添加し室温で30分撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネート組成物は58.3gであり、セルロースアセテートプロピオネートの置換度はアセチル基0.8、プロピオニル基1.5であった。また、得られたセルロースエステル組成物中のセルロースエステル成分は87.0重量%、可塑剤成分が13.0重量%で、可塑剤の留出の割合は5.0wt%であり問題がなかった。また、数平均分子量は71000だった。
【0050】
続いて、得られたセルロースエステル組成物をエクストルーダー中で180℃で2分混練し、ペレット状にした。数平均分子量は68000であり、色調b値は0.6であった。色調は良好で、分子量低下も4.2%しかなかった。
【0051】
実施例3
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)(αセルロース92wt%)50gを500mlの脱イオン水に浸して10分間おく。これをガラスフィルターで濾別して水を切り、700mlの酢酸に分散させ、時々振り混ぜて10分間おく。続いて、新しい酢酸を用いて同じ操作を再び繰り返す。
【0052】
フラスコに有機酸として900gの酢酸とアシル化触媒として5gの濃硫酸をとり、撹拌しながら、上記の前処理したセルロースと、可塑剤としてジオクチルアジペート30gを加える。これにアシル化剤として250mlの無水酢酸を加え、温度が40℃をこえないように水浴で冷却しながら60分撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテート組成物は113gであり、セルロースアセテートの置換度は2.8であった。また、得られたセルロースエステル組成物中のセルロースエステル成分は74.6重量%、可塑剤成分が25.4重量%であり可塑剤の留出も4%と非常に低かった。また、数平均分子量は55000だった。
【0053】
続いて、得られたセルロースエステル組成物をエクストルーダー中で190℃で2分混練し、ペレット状にした。数平均分子量は50100であり、色調b値は0.8であった。色調は良好で分子量の低下も少なかった。
【0054】
実施例4
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)(αセルロース92wt%)30gに、有機酸として酢酸20gと酪酸90gを加え、54℃で30分混合した。混合物を室温まで冷却した後、可塑剤としてアジピン酸ジオクチルを7g添加して混合した。その後、氷浴中で冷却した無水酢酸10g、無水酪酸140gをアシル化剤として、アシル触媒として硫酸1.2g、酪酸1gを加えてアシル化を行った。アシル化において、40℃を超えるときは水浴で冷却した。撹拌を150分間行った後、反応停止剤として酢酸30gと水10gの混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸100gと水30gを加え60℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートブチレート組成物は61.7gであり、セルロースアセテートブチレートの置換度はアセチル基0.4、ブチリル基2.0であった。また、得られたセルロースエステル組成物中のセルロースエステル成分は89.5重量%、可塑剤成分は10.5重量%であり、可塑剤の留出は6.58%で問題がなかった。また、数平均分子量は86000であった。
【0055】
続いて、得られたセルロースエステル組成物をエクストルーダー中180℃で2分混練し、ペレット状にした。数平均分子量は84000であり、色調b値は−0.1であった。色調は良好で、分子量は2.3しか低下しなかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
比較例1
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)(αセルロース92wt%)30gに有機酸として酢酸20gとプロピオン酸90gを加え、54℃で30分混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却したアシル化剤として無水酢酸10g、無水プロピオン酸140g、アシル化触媒として硫酸1.2g、プロピオン酸1gを加えてアシル化を行った。アシル化において、40℃を超える時は水浴で冷却した。撹拌を150分間行った後、反応停止剤として酢酸30gと水10gの混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸100gと水30gを加え60℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネート組成物は56.1gであり、セルロースアセテートプロピオネートの置換度はアセチル基0.3、プロピオニル基2.4であった。また、数平均分子量は85000だった。
【0058】
続いて、得られたセルロースエステルと可塑剤としてジオクチルアジペート4.68gをエクストルーダー中、180℃で2分混練した。しかし、均一に混合されていなかったので、均一に混ざるまで合計8分の混練を必要とした。得られたポリマーは少し着色がみられ、色調b値は4.9だった。また、数平均分子量は74500であり、分子量の低下率も12.4%と大きかった。
【0059】
比較例2
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)(αセルロース92wt%)50gを500mlの脱イオン水に浸して10分間おく。これをガラスフィルターで濾別して水を切り、700mlの酢酸に分散させ、時々振り混ぜて10分間おく。続いて、新しい酢酸を用いて同じ操作を再び繰り返す。
【0060】
フラスコに900gの酢酸と5gの濃硫酸をとり、撹拌した。これに250mlの無水酢酸を加え、温度が40℃をこえないように水浴で冷却しながら60分撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテート組成物は84.6gであり、セルロースアセテートの置換度は2.8であった。また、数平均分子量は55000であった。
【0061】
続いて、得られたセルロースエステル組成物と可塑剤としてジオクチルアジペート28.8gをエクストルーダー中で190℃で混練を試みたが粘性が下がらなかったため、200℃まで温度を上げて混練したところ、10分を要した。ペレット化したセルロースエステル組成物の着色が激しく、色調b値は9.7だった。また、数平均分子量は43050であり、混練前に比べて21.7%低下した。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】
本発明により、バイオマス系材料であるセルロースを原料として、可塑剤を含有した高品質のセルロースエステル組成物を得ることができる。
Claims (8)
- 有機酸溶媒中で、セルロースを無水酢酸及び炭素数が3以上の酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも一つのアシル化剤でアシル化するに際し、反応系中に可塑剤を存在させておくことを特徴とするセルロースエステル組成物の製造方法。
- アシル化するに際して、アシル化触媒として硫酸を用いることを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
- 可塑剤がpH7以下において水に不溶であることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
- 炭素数が3以上の酸無水物が無水プロピオン酸または無水酪酸であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
- アシル化剤が無水酢酸とプロピオン酸であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
- アシル化剤が無水酢酸と酪酸であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
- 可塑剤の配合量が、セルロース100重量部に対して10〜100重量部であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
- 組成物が熱可塑性を有しており、200℃、1000sec-1における溶融粘度が50〜500Pa・secであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
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