JP3932655B2 - 精密農法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインなどを用いて収穫作業を行うと共に、施肥機または防除機を用いて肥料及び薬剤の散布を行う精密農法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、前回の収穫量または作物成育状況並びに圃場の取水及び排水などを参考にして施肥または防除作業を行っていたから、作業者の経験または記憶による不安定な条件で施肥または防除作業が行われ易く、施肥量調節または防除量調節を狭い範囲に限定して局地的に対応させて適正に行い得ず、施肥または防除効率の向上並びに収穫増量などを容易に図り得ない等の問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、刈取部で刈取った穀稈量を脱穀部に挟持して搬送するための穀稈搬送機構を有するコンバインと、前記コンバインの位置を認識するGPS受信機と、前記コンバインが収穫した穀粒量を検出する穀粒量センサと、前記コンバインの収穫位置と穀粒量を検出して収穫地図を自動的に形成する収穫地図作成手段とを備えてなる精密農法において、前記穀稈搬送機構の穀稈搬送系路中に作業センサを配置し、前記作業センサによって穀稈の有を検出した収穫作業開始から一定時間経過後に収穫穀粒量を測定開始し、前記作業センサによって穀稈の無を検出した収穫作業終了から一定時間経過後に収穫穀粒量の測定を終了する一方、前記穀稈搬送機構の穀稈搬送系路中に穀稈量センサを配置し、刈取った穀稈量を前記穀稈量センサにて検出し、前記コンバインの収穫位置と収穫穀粒量と刈取穀稈量とによって収穫地図を形成するものであるから、稈成育状態を高精度で検出でき、収穫地図データの信頼性を向上でき、施肥効率または防除効率を向上できるものである。
【0004】
請求項2に係る発明は、前記コンバインの穀物タンクの投入口に対して前記穀粒量センサを接離調節するためのセンサ位置調節手段を備え、前記投入口に対して前記穀粒量センサを接離調節可能に配置したものであるから、収穫する品種等に応じて前記穀粒量センサの検出位置を調節でき、収穫位置と測定収穫量を一致させて収穫地図を高精度で形成できるものである。
【0005】
請求項3に係る発明は、収穫地図の穀粒量及び穀稈量等のデータに基づいて、施肥用肥料又は防除用薬剤の散布量の調節を自動的に局地的に対応可能に、施肥用又は防除用の散布機を自動的に制御するための収穫地図を形成するものであるから、散布機の施肥量又は防除量の過不足を簡単に防止できるものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は収穫制御回路図、図2はコンバインの全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)上に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は昇降支点筒軸(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は運転操作部(19)及び運転席(20)を備える運転台、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0011】
また、操向及び昇降用操作レバー(22)をフロントコラム(23)に設けると共に、走行主変速レバー(24)、走行副変速レバー(25)、刈取クラッチレバー(26)及び脱穀クラッチレバー(27)をサイドコラム(28)に設けるもので、前記運転台(18)内部の前側及び左側に各コラム(23)(28)を配設させると共に、運転台(18)のステップ上面に主クラッチペダル(29)を設け、操作部(19)を構成している。
【0012】
さらに、図4に示す如く、前記油圧シリンダ(11)を作動させる油圧ポンプ(30)をエンジン(21)に常時連結させ、前記扱胴(6)を駆動する脱穀入力プーリ(31)にテンション型脱穀クラッチ(32)を介してエンジン(21)の出力プーリ(33)を連結させると共に、前記走行クローラ(2)に走行変速出力を伝えるミッションケース(34)を備え、ミッションケース(34)の入力プーリ(35)にテンション型走行主クラッチ(36)を介してエンジン(21)の出力プーリ(37)を連結させ、また前記刈取部(8)に駆動力を伝える刈取入力プーリ(38)にテンション型刈取クラッチ(39)を介してミッションケース(34)の刈取駆動プーリ(40)を連結させ、ミッションケース(34)の走行主変速出力を刈取部(8)に伝え、刈取部(8)を車速同調駆動するように構成している。また、前記走行クローラ(2)の回転を検出するピックアップ型車速センサ(41)と、左右走行クローラ(2)(2)の駆動を各別に中止させる左右サイドクラッチ(42)(42)と、前記サイドクラッチ(42)切動作と連動して走行クローラ(2)を制動する左右操向ブレーキ(43)(43)と、左右走行クローラ(2)(2)の両方を同時に制動する駐車用主ブレーキ(44)を、前記ミッションケース(34)に設けている。
【0013】
さらに、図5に示す如く、前記穀稈搬送機構(10)を形成する穀稈搬送チェン(45)を刈取部(8)に設け、刈刃(9)によって株元を切断した穀稈を前記搬送チェン(45)により挾持してフィードチェン(5)始端部に送給すると共に、前記搬送チェン(45)の搬送系路中に、穀稈の有無を検出するセンサアーム(46)とリミットスイッチ型作業センサ(47)を取付けている。また、前記搬送チェン(45)に穀稈を挾持させる挾扼杆(48)を設け、該挾扼杆(48)を搬送チェン(45)に弾圧支持する挾扼ホルダ(49)に、搬送チェン(45)によって送給される穀稈量を検出するセンサアーム(50)とポテンショメータ形穀稈量センサ(51)を取付けている。そして、収穫作業時、前記搬送チェン(45)に送られる穀稈によってセンサアーム(46)を介して作業センサ(47)が作動し、刈取り動作を確認すると共に、前記搬送チェン(45)に挾持される穀稈量が変化することによって挾扼杆(48)が搬送チェン(45)に対して接離することにより、前記挾扼杆(48)の接離動作によってセンサアーム(50)を介して穀稈量センサ(51)が作動し、刈取部(8)で刈取られて脱穀部(4)に送給される穀稈量を前記センサ(51)によって検出するように構成している。
【0014】
さらに、図6に示す如く、前記扱胴(6)の下方に横架させる揺動選別盤(52)から下方の1番コンベヤ(53)に穀粒を選別落下させ、前記穀物タンク(15)上部の投入口(54)から1番コンベヤ(53)の穀粒を揚穀筒(16)によって穀物タンク(15)内部に搬入させるもので、脱穀部(4)で穀粒及び選別して取出した穀粒を穀物タンク(15)に収集すると共に、前記投入口(54)に対向させて衝撃型穀粒量センサ(55)をレール(56)を介して位置調節自在に取付ける。前記センサ(55)は、投入口(54)から投入される穀粒の当接衝撃力によって投入穀粒量を検出するもので、電動型穀粒量モータ(57)正逆転制御によって前記レール(56)の案内により穀粒量センサ(55)を投入口(54)に接離調節し、収穫する穀粒の品種などに対応させて前記センサ(55)位置調節を行えるように構成している。
【0015】
さらに、図1に示す如く、前記エンジン(21)の燃料噴射ポンプの燃料噴射量を調節する電子ガバナ(58)を設けるもので、燃料噴射量を調節する電子ガバナ(58)のラックを作動させるラックアクチュエータ(59)と、燃料噴射量を検出するラック位置センサ(60)と、エンジン(21)の回転数を検出するピックアップ型回転センサ(61)を、電子ガバナ(58)に設けると共に、作業者が操作するアクセルレバー(62)またはペダルの操作量を検出するポテンショメータ型アクセルセンサ(63)と、前記電子ガバナ(58)を、マイクロコンピュータで構成する電子ガバナコントローラ(64)に接続させ、前記各センサ(60)(61)(63)値に基づきラックアクチュータ(59)を作動制御し、エンジン(21)の回転数を略一定に保って脱穀部(4)及び刈取部(8)などを駆動するように構成している。
【0016】
また、前記フィードチェン(5)及び搬送チェン(45)などによって搬送する穀稈量の変化によって変動するエンジン(21)の運転負荷を表示する負荷表示器(65)と、前記穀稈量センサ(51)が検出する収穫穀稈量を表示する穀稈量表示器(66)と、前記穀粒量センサ(55)が検出する収集穀粒量を表示する穀粒量表示器(67)を、収穫モニタ(68)に接続させ、コントローラ(64)を介して演算及び検出されたデータをモニタ(68)に表示させると共に、前記主変速レバー(24)を収穫作業速度域で変速動作させる変速モータ(69)を前記コントローラ(64)に接続させ、前記穀稈量センサ(51)が検出する単位時間当りの穀稈量が略一定になるように、前記モータ(69)自動制御によってレバー(24)変速動作を行わせ、脱穀部(4)に穀稈を定量供給して適正に脱粒選別を行えるように構成している。
【0017】
さらに、前記操作レバー(22)操作によって左右操向シリンダ(70)(71)を制御して左右サイドクラッチ(42)(42)及び左右操向ブレーキ(43)(43)を作動させたときにオンになる左右操向ブレーキスイッチ(72)(73)と、前記車速センサ(41)を、マイクロコンピュータで構成する作業コントローラ(74)に接続させると共に、刈取クラッチレバー(26)の刈取クラッチ(39)入操作によってオンになる刈取スイッチ(75)と、脱穀クラッチレバー(27)の脱穀クラッチ(32)入操作によってオンになる脱穀スイッチ(76)を、前記作業コントローラ(74)に接続させる。また、作業コントローラ(74)と前記電子ガバナコントローラ(64)を接続させると共に、前記各センサ(47)(51)(55)及びモータ(57)を作業コントローラ(74)に接続させ、前記モータ(57)を手動制御して前記センサ(55)位置を穀粒品種などによって初期調節する設定器(77)を前記コントローラ(74)に接続させ、穀粒量検出精度を向上させるように構成している。
【0018】
さらに、GPS(全地球測位システム)衛星からの電波を受信するGPS受信機(78)を作業コントローラ(74)に接続させ、コンバインによる収穫作業位置を高精度で認識すると共に、前記受信機(78)及び各センサ(51)(55)によって検出される収穫作業位置、収穫穀稈量、収穫穀粒量に基づき、圃場の穀粒収穫状況を表す収穫地図を形成する収穫地図作成コントローラ(79)を設け、該コントローラ(79)を作業コントローラ(74)に接続させ、また互換自在な磁気ディスク(80)を装着して収穫地図を記録させるもので、図7に示す如く、畦(81)で囲まれた圃場(82)の高位置側の水路(83)の水を取水口(84)から導入し、圃場(82)の水を低位置側の水路(85)に排水口(86)から排出させ、水稲を育成することにより、取水口(84)付近では肥料が不足し易く、収穫する穀稈量または穀粒量が少なくなり易く、また圃場(82)中央部の水溜り部で肥料が多くなり、穀稈量が局部的に多くなったり、穀粒量が局部的に多くなるが、収穫する実際の圃場(82)形状に対応した穀稈量及び穀粒量が表示された図8に示す収穫地図(87)が形成され、前記ディスク(80)に記録される一方、図8の収穫地図(87)を前記ディスク(80)から読取って次回の施肥または防除(除草など)を行い、圃場(82)全体の収穫増量を図り、かつ肥料または薬剤の無駄な使用を防ぎ、肥培管理を適正に行えるように構成している。
【0019】
また、図9のフローチャートに示す如く、刈取スイッチ(75)がオンで、脱穀スイッチ(76)がオンのとき、前記各センサ(41)(60)(61)(63)入力に基づき、変速モータ(69)を制御し、電子ガバナコントローラ(64)で演算される作業負荷が適正で、作業センサ(47)が1回目のオンのとき、穀粒量センサ(55)入力の変動が一定幅内で行われ、作業開始から連続作業継続状態に移行したとき、作業開始から前記センサ(55)入力が一定幅内変動となる安定時間を記憶させる。そして、図10のフローチャートに示す収穫地図作成制御を行わせるもので、刈取スイッチ(75)及び脱穀スイッチ(76)がオンで、作業センサ(47)が2回目以降のオンのとき、記憶した穀粒量センサ(55)入力の安定時間が経過することにより、刈取穀稈量、作業負荷、収集穀粒量、収穫作業位置の各データを収穫地図作成コントローラ(79)に入力させ、前記各データをディスク(80)に記録させて図8の収穫地図(87)を自動的に形成すると共に、前記各スイッチ(75)(76)または作業センサ(47)がオフになって作業が終了したとき、穀粒量センサ(55)入力の安定時間経過により前記データ記録を終了する一方、コンバインが圃場(82)の枕地で方向転換するとき、前記各スイッチ(72)(73)入力により、前記データ記録が中止され、前記方向転換が終了したとき、穀粒量センサ(55)入力の安定時間経過により前記データの入力及び記録が再開され、圃場(82)全体の収穫地図(87)を完成させるものである。
【0020】
上記から明らかなように、圃場(82)内における収穫位置と収穫穀稈及び穀粒量を検出して収穫地図(87)を自動的に形成するもので、局地的に測定される収穫穀稈及び穀粒量が収穫地図(87)として記録されることにより、前記収穫地図(87)に基づいて次回の施肥または防除などを行え、施肥量または防除量の過不足を防止し、施肥または防除効率の向上並びに収穫増量などを図れると共に、施肥量調節または防除量調節の自動制御化による施肥機または防除機の制御機能の向上及び省力化などを図れる。さらに、収穫作業開始から一定時間経過後に収穫穀粒量を測定開始し、穀稈の刈取り時間と穀粒量センサ(55)検出時間のタイムラグをなくし、収穫位置と測定収穫量を一致させて収穫地図(87)形成精度を向上させ、また、収穫作業終了から一定時間経過後に収穫穀粒量の測定を終了し、穀稈刈取り終了時間と穀粒量センサ(55)検出終了時間のタイムラグをなくし、測定収穫量と実際の収穫量の誤差を低減させ、収穫地図(87)形成精度の向上などを図ると共に、圃場(82)の枕地方向転換のときに方向転換動作によって収穫量の測定を自動的に中断して一時的に中止させ、圃場(82)枕地での測定収穫量と実際の収穫量の誤差を少なくして収穫量測定信頼性を向上させる。また、穀稈搬送路に設ける穀稈量センサ(51)によって刈取った穀稈量(刈取り穀稈層厚)を検出させ、穀稈の本数(育成時の1株の大きさ)など稈成育状態の検出精度向上並びに穀稈量検出データの信頼性向上などを図ると共に、収穫穀粒収集部である穀物タンク(15)の投入口(54)位置に設ける穀粒量センサ(55)によって脱穀後の藁屑を除去した穀粒量を検出させ、収穫穀粒量の検出精度向上並びに穀粒量検出データの信頼性向上などを図れるように構成している。
【0021】
さらに、図11は例えば施肥機及び防除機に搭載する散布制御回路図であり、上記ディスク(80)に記録している収穫地図(87)データを入力させる収穫地図読取り機(88)と、圃場(82)内の施肥または防除作業位置を測定入力させるGPS受信機(78)を、マイクロコンピュータで構成する散布コントローラ(89)に接続させる。また、施肥または防除作業を行う粒剤・粉剤散布機(90)の散布モータ(91)を前記コントローラ(89)にドライバ(92)を介して接続させ、GPS受信機(78)入力によって圃場(82)内の施肥または防除作業位置を認識させ、読取り機(88)の収穫地図(87)データに基づき散布モータ(91)の回転数をパルス制御などによって変更し、収穫穀粒量が少ない地点での施肥量を自動的に多くし、収穫穀粒量が多い地点での施肥量を自動的に少なくすると共に、収穫穀稈量が多い地点で、雑草が少ないから除草剤散布量を少なくし、また害虫が多く発生するから殺虫剤散布量を多くする一方、収穫穀稈量が少ない地点では前記と逆に除草剤散布量を多くしたり殺虫剤散布量を少なくする制御を自動的に行い、粒剤・粉剤を用いた施肥または防除を効率良く行えるように構成している。
【0022】
また、液剤タンク(93)の液肥または薬液を薬剤モータ(94)から散布ノズル(95)に送給させる散布バルブ(96)の開閉制御を行うバルブモータ(97)を前記コントローラ(89)にドライバ(98)を介して接続させ、GPS受信機(78)入力によって圃場(82)内の施肥または防除作業位置を認識させ、読取り機(88)の収穫地図(87)データに基づきバルブモータ(97)を正逆転制御して散布バルブ(96)の開閉度を変更し、収穫穀粒量が少ない地点での液肥散布量を自動的に多くし、収穫穀粒量が多い地点での液肥散布量を自動的に少なくすると共に、収穫穀稈量が多い地点で、雑草が少ないから除草液散布量を少なくし、また害虫が多く発生するから殺虫液散布量を多くする一方、収穫穀稈量が少ない地点では前記と逆に除草液散布量を多くしたり殺虫液散布量を少なくする制御を自動的に行い、液肥または薬液を用いた施肥または防除を効率良く行えるように構成している。
【0023】
上記から明らかなように、収穫地図(87)に基づいて施肥及び防除量を自動的に局地対応制御するもので、収穫地図(87)のデータに基づいて狭い範囲に限定して施肥量調節または防除量調節を高精度で行え、施肥または防除自動制御機能の向上などを図れるように構成している。
【0024】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように、請求項1に係る発明は、刈取部(8)で刈取った穀稈 量を脱穀部(4)に挟持して搬送するための穀稈搬送機構(10)を有するコンバインと、前記コンバインの位置を認識するGPS受信機(78)と、前記コンバインが収穫した穀粒量を検出する穀粒量センサ(55)と、前記コンバインの収穫位置と穀粒量を検出して収穫地図(87)を自動的に形成する収穫地図作成手段としての収穫地図作成コントローラ(79)とを備えてなる精密農法において、前記穀稈搬送機構(10)の穀稈搬送系路中に作業センサ(47)を配置し、前記作業センサ(47)によって穀稈の有を検出した収穫作業開始から一定時間経過後に収穫穀粒量を測定開始し、前記作業センサ(47)によって穀稈の無を検出した収穫作業終了から一定時間経過後に収穫穀粒量の測定を終了する一方、前記穀稈搬送機構(10)の穀稈搬送系路中に穀稈量センサ(51)を配置し、刈取った穀稈量を前記穀稈量センサ(51)にて検出し、前記コンバインの収穫位置と収穫穀粒量と刈取穀稈量とによって収穫地図(87)を形成するものであるから、稈成育状態を高精度で検出でき、収穫地図(87)データの信頼性を向上でき、施肥効率または防除効率を向上できるものである。
【0025】
請求項2に係る発明は、前記コンバインの穀物タンク(15)の投入口(54)に対して前記穀粒量センサ(55)を接離調節するためのセンサ位置調節手段としての穀粒量モータ(57)を備え、前記投入口(54)に対して前記穀粒量センサ(55)を接離調節可能に配置したものであるから、収穫する品種等に応じて前記穀粒量センサ(55)の検出位置を調節でき、収穫位置と測定収穫量を一致させて収穫地図(87)を高精度で形成できるものである。
【0026】
請求項3に係る発明は、収穫地図(87)の穀粒量及び穀稈量等のデータに基づいて、施肥用肥料又は防除用薬剤の散布量の調節を自動的に局地的に対応可能に、施肥用又は防除用の散布機(90)を自動的に制御するための収穫地図(87)を形成するものであるから、散布機(90)の施肥量又は防除量の過不足を簡単に防止できるものである。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】収穫制御回路図である。
【図2】コンバインの全体の側面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】エンジン出力説明図である。
【図5】穀稈量センサ部の平面図である。
【図6】穀粒量センサ部の背面図である。
【図7】圃場の説明図である。
【図8】収穫地図の説明図である。
【図9】収穫記録制御フローチャートである。
【図10】収穫地図作成制御フローチャートである。
【図11】散布制御回路図である。
【符号の説明】
(4)脱穀部
(8)刈取部
(10)穀稈搬送機構
(15)穀物タンク
(47)作業センサ
(51)穀稈量センサ
(54)投入口
(55)穀粒量センサ
(57)穀粒量モータ(センサ位置調節手段)
(78)GPS受信機
(79)収穫地図作成コントローラ(収穫地図作成手段)
(87)収穫地図
(90)粒剤・粉剤散布機
Claims (3)
- 刈取部で刈取った穀稈量を脱穀部に挟持して搬送するための穀稈搬送機構を有するコンバインと、前記コンバインの位置を認識するGPS受信機と、前記コンバインが収穫した穀粒量を検出する穀粒量センサと、前記コンバインの収穫位置と穀粒量を検出して収穫地図を自動的に形成する収穫地図作成手段とを備えてなる精密農法において、
前記穀稈搬送機構の穀稈搬送系路中に作業センサを配置し、前記作業センサによって穀稈の有を検出した収穫作業開始から一定時間経過後に収穫穀粒量の測定を開始し、前記作業センサによって穀稈の無を検出した収穫作業終了から一定時間経過後に収穫穀粒量の測定を終了する一方、
前記穀稈搬送機構の穀稈搬送系路中に穀稈量センサを配置し、刈取った穀稈量を前記穀稈量センサにて検出し、前記コンバインの収穫位置と収穫穀粒量と刈取穀稈量とによって収穫地図を形成することを特徴とする精密農法。 - 前記コンバインの穀物タンクの投入口に対して前記穀粒量センサを接離調節するためのセンサ位置調節手段を備え、前記投入口に対して前記穀粒量センサを接離調節可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の精密農法。
- 収穫地図の穀粒量及び穀稈量等のデータに基づいて、施肥用肥料又は防除用薬剤の散布量の調節を自動的に局地的に対応可能に、施肥用又は防除用の散布機を自動的に制御するための収穫地図を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の精密農法。
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