JP3931746B2 - 刺繍データ処理装置及び刺繍データ処理プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、任意の画像データから刺繍縫目を形成する刺繍データを処理する刺繍データ処理装置及び刺繍データ処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、刺繍機能を有した家庭ミシンの分野においては、イメージスキャナ装置などで読み込んだ図柄や図形等の画像データに基づいて刺繍データを作成する刺繍データ処理装置が実用化されている。この種の刺繍データ処理装置としては、一般に、パーソナルコンピュータに、イメージスキャナ装置、ハードディスク装置、キーボード、CRTディスプレイ等を接続して構成されている。この刺繍データ処理装置で、刺繍データを作成する場合には、まず、刺繍縫いに供する所望の図柄や図形を描いた原画の画像データがイメージスキャナ装置で読みとられる。次いで、その画像データに基づいて、刺繍を施す閉領域の輪郭線や中心線が抽出され、その輪郭線に囲まれた閉領域の内部にタタミ縫いやサテン縫いを施す縫い目の刺繍データを作成する一方、輪郭線上に走り縫いや千鳥縫いを施す刺繍データを作成したり、中心線に沿って走り縫いや千鳥縫いを施す刺繍データを作成するようにしている。このように、従来の刺繍データ処理装置においては、画像データとしては、刺繍縫製に供する閉領域の輪郭線を求める為だけに使用されおり、しかも、イメージスキャナ装置で読み込む画像は、図柄の領域の輪郭を確実に求められるような画像に限定されることが多かった、また、このようにして求められた輪郭線は、上記の通り輪郭線に囲まれた閉領域の内部にタタミ縫いやサテン縫いを施す縫い目の刺繍データを作成したり輪郭線上に走り縫いや千鳥縫いを施す刺繍データを作成したりするために利用されることが一般的であった。一方、クロスステッチ風の刺繍データの作成を簡単に行いたいという要望が従来からあった。これに対して、特許第2739088号公報や特開平9−241963号公報に示されているように、画像をモザイク化し、各モザイクブロックに対しクロスステッチを割り当てるという方法が提案されている。図47に従来技術により、ステッチの最低長を約2mmとして作成したクロスステッチの図を示し、図48にその拡大図を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像をモザイク化し、各モザイクブロックに対しクロスステッチを割り当てるという方法では、ミシンの縫製幅の限界の関係で、一つ一つのモザイクブロックをある程度以上小さくすることができず、従って、ミシンの縫製幅の下限よりも小さなクロスステッチは、作ることができないため、詳細な表現ができないという問題点があった。また、例えば、1mm以下のような余り小さなステッチが連続すると、糸の張力により布等の縫製物に極端な縮みや歪みなどが発生し、損傷を与え、また、糸の絡みや切れの原因になり、縫製品質の低下につながるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、画像を元に、従来よりも詳細な表現が可能なクロスステッチ風の刺繍データを作成する刺繍データ処理装置及び刺繍データ処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の刺繍データ処理装置は、画素の集合体である画像の画像データから、任意の色糸による縫い目を特定する刺繍データを作成する刺繍データ処理装置であって、特定の色の色情報である糸色情報と、前記糸色情報と前記縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶する糸色データ記憶手段と、前記画像を前記画像データに基づいて、前記縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、当該第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解する第1のブロック分解手段と、前記第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第1の糸色データ選択手段と、前記第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成する第1の刺繍データ作成手段と、前記画像を前記画像データに基づいて、前記縫い目を形成する方向である前記第1の方向と異なる第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解する第2のブロック分解手段と、前記第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第2の糸色データ選択手段と、前記第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成する第2の刺繍データ作成手段と、前記第1の刺繍データと前記第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを作成する刺繍データ合成手段とを備えている。
【0005】
この構成の刺繍データ処理装置では、糸色データ記憶手段が特定の色の色情報である糸色情報と、糸色情報と縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶し、第1のブロック分解手段が、画像を画像データに基づいて、縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解し、第1の糸色データ選択手段が第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第1の刺繍データ作成手段が第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成し、第2のブロック分解手段が画像を画像データに基づいて、縫い目を形成する方向である第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解し、第2の糸色データ選択手段が第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第2の刺繍データ作成手段が第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成し、刺繍データ合成手段が前記第1の刺繍データと前記第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを作成する。
【0006】
また、請求項2に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1に記載の刺繍データ処理装置の構成に加えて、前記第1の糸色データ選択手段が、前記第1のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第1画像データを生成する第1画像データ生成手段と、前記第1のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を前記糸色データ記憶手段から選択する第1の糸色選択手段とを備え、前記第2の糸色データ選択手段が、前記第2のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第2画像データを生成する第2画像データ生成手段と、前記第2のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を前記糸色データ記憶手段から選択する第2の糸色選択手段とを備え、前記第1の刺繍データ作成手段が、前記第1の糸色選択手段により選択された糸色情報に対する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを、前記第1画像データに基づいて生成し、前記第2の刺繍データ作成手段が、前記第2の糸色選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを、前記第2画像データに基づいて生成することを特徴とする構成となっている。
【0007】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項1に記載の刺繍データ処理装置の作用に加えて、第1の糸色データ選択手段の第1画像データ生成手段が第1のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第1画像データを生成し、第1の糸色データ選択手段の第1の糸色選択手段が第1のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を糸色データ記憶手段から選択する。また、第2の糸色データ選択手段の第2画像データ生成手段が第2のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第2画像データを生成し、第2の糸色データ選択手段の第2の糸色選択手段が第2のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を糸色データ記憶手段から選択する。第1の刺繍データ作成手段が、第1の糸色選択手段により選択された糸色情報に対する識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを、第1画像データに基づいて生成し、第2の刺繍データ作成手段が、第2の糸色選択手段により選択された糸色情報に対応する識別子を用いて、選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを、第2画像データに基づいて生成する。
【0008】
また、請求項3に記載の刺繍データ処理装置では、請求項2に記載の刺繍データ処理装置の構成に加えて、前記第1のブロック分解手段が、前記画像を、前記第1の方向と垂直の方向に、前記第1のブロックの前記第1の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を前記第1のブロックに分解し、かつ、前記第1の方向の長さが第1のブロックの増大単位量であり前記第1のブロックに接する第1の増大単位ブロックに分解し、前記第1の画像データ生成手段が、前記第1のブロックの代表色と前記第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、前記判断結果が類似である場合には、前記第1のブロックに対して前記第1の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、前記新たなブロックの代表色と前記第1のブロック分解手段により前記新たなブロックに接して分解される別の第1の増大単位ブロックに代表色とが類似であると判断される限り、前記第1の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続け、前記第2のブロック分解手段が、前記画像を、前記第2の方向と垂直の方向に、前記第2のブロックの前記第2の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を前記第2のブロックに分解し、かつ、前記第2の方向の長さが前記第2のブロックの増大単位量であり、前記第2のブロックに接する第2の増大単位ブロックに分解し、前記第2の画像データ生成手段が、前記第2のブロックの代表色と前記第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、前記判断結果が類似である場合には、前記第2のブロックに対して前記第2の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、前記新たなブロックの代表色と前記第2のブロック分解手段により前記新たなブロックに接して分解される別の第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であると判断される限り、前記第2の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続けることを特徴とする構成となっている。
【0009】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項2に記載の刺繍データ処理装置の作用に加えて、第1のブロック分解手段が、画像を、第1の方向と垂直の方向に、第1のブロックの前記第1の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を第1のブロックに分解し、かつ、第1の方向の長さが第1のブロックの増大単位量であり第1のブロックに接する第1の増大単位ブロックに分解し、第1の画像データ生成手段が、第1のブロックの代表色と第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似である場合には、第1のブロックに対して第1の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、新たなブロックの代表色と第1のブロック分解手段により新たなブロックに接して分解される別の第1の増大単位ブロックに代表色とが類似であると判断される限り、第1の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続け、第2のブロック分解手段が、画像を、第2の方向と垂直の方向に、第2のブロックの第2の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を第2のブロックに分解し、かつ、第2の方向の長さが第2のブロックの増大単位量であり、第2のブロックに接する第2の増大単位ブロックに分解し、第2の画像データ生成手段が、第2のブロックの代表色と第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似である場合には、第2のブロックに対して第2の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、新たなブロックの代表色と第2のブロック分解手段により新たなブロックに接して分解される別の第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であると判断される限り、第2の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定を続ける。
【0010】
また、請求項4に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3に記載の刺繍データ処理装置の構成に加えて、前記第1の画像データ生成手段が、前記第1の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された前記第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、前記判断結果が類似でない場合には、前記第1のブロック分解手段が、新たな第1のブロックを前記あるブロックに接して分解し、前記第2の画像データ生成手段が、前記第2の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された前記第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、前記判断結果が類似でない場合には、前記第2のブロック分解手段が、新たな第2のブロックを前記あるブロックに接して分解することを特徴とする構成となっている。
【0011】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項3に記載の刺繍データ処理装置の作用に加えて、第1の画像データ生成手段が、第1の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似でない場合には、第1のブロック分解手段が、新たな第1のブロックを前記あるブロックに接して分解し、第2の画像データ生成手段が、第2の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似でない場合には、第2のブロック分解手段が、新たな第2のブロックを前記あるブロックに接して分解する。
【0012】
また、請求項5に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置の構成に加えて、前記第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から前記第1画像データ生成手段により設定された代表色であり、前記第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から前記第2画像データ生成手段に設定された代表色であることを特徴とする構成となっている。
【0013】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置の作用に加えて、第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から第1画像データ生成手段により設定された代表色であり、第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から前記第2画像データ生成手段に設定された代表色とすることができる。
【0014】
また、請求項6に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置の構成に加えて、第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックを形成した前記第1のブロックに設定された代表色であり、前記第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックを形成した前記第2のブロックに設定された代表色であることを特徴とする構成となっている。
【0015】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置の作用に加えて、第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、新たなブロックを形成した前記第1のブロックに設定された代表色であり、第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、新たなブロックを形成した前記第2のブロックに設定された代表色とすることができる。
【0016】
また、請求項7に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3乃至6の何れかに記載の刺繍データ処理装置の構成に加えて、前記第1のブロック分解手段が分解するブロックの、前記第1の方向に垂直な方向の長さを設定する第1ブロック高さ決定手段と、前記第2のブロック分解手段が分解するブロックの、前記第2の方向に垂直な方向の長さを設定する第2ブロック高さ決定手段と、前記第2の方向に垂直な方向の長さと、前記第1の方向と、前記第2の方向とに基づいて前記第1のブロックの増大単位量を決定する第1のブロック増大単位量決定手段と、前記第1の方向に垂直な方向の長さと、前記第1の方向と、前記第2の方向とに基づいて前記第2のブロックの増大単位量を決定する第2のブロック増大単位量決定手段とを備えている。
【0017】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項3乃至6の何れかに記載の刺繍データ処理装置の作用に加えて、第1ブロック高さ決定手段が第1のブロック分解手段が分解するブロックの、第1の方向に垂直な方向の長さを設定し、第2ブロック高さ決定手段が第2のブロック分解手段が分解するブロックの、第2の方向に垂直な方向の長さを設定し、第1のブロック増大単位量決定手段が第2ブロック高さ決定手段が決定する第2の方向に垂直な方向の長さと、第1の方向と、第2の方向とに基づいて第1のブロックの増大単位量を決定し、第2のブロック増大単位量決定手段が前記第1の方向に垂直な方向の長さと、前記第1の方向と、前記第2の方向とに基づいて前記第2のブロックの増大単位量を決定する。
【0018】
また、請求項8に記載の刺繍データ処理装置では、画素の集合体である画像の画像データから、任意の色糸による縫い目を特定する刺繍データを作成する刺繍データ処理装置であって、特定の色の色情報である糸色情報と、前記糸色情報と前記縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶する糸色データ記憶手段と、前記画像データを複製することで第1の複製画像を作成する第1の画像複製手段と、前記第1の複製画像に対応する第1の複製画像データを、少なくとも前記縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、当該第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解する第1のブロック分解手段と、前記第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第1の糸色データ選択手段と、前記第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成する第1の刺繍データ作成手段と、前記第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する色で、当該選択された糸色情報が得られたブロックに含まれる全ての画素の色を設定する第1のブロック色設定手段と、前記第1のブロック色設定手段を用いて、前記第1の複製画像データから第1のブロック画像を作成する第1のブロック画像作成手段と、前記画像と前記第1のブロック画像との差分を取ることで差分画像を作成する差分画像作成手段と、前記差分画像に対応する差分画像データを、少なくとも前記縫い目を形成する方向である前記第1の方向と異なる第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解する第2のブロック分解手段と、前記第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第2の糸色データ選択手段と、前記第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成する第2の刺繍データ作成手段と、前記第1の刺繍データと前記第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを生成する刺繍データ合成手段とを備えている。
【0019】
この構成の刺繍データ処理装置では、糸色データ記憶手段が特定の色の色情報である糸色情報と、糸色情報と前記縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶し、第1の画像複製手段が画像データを複製することで第1の複製画像を作成し、第1のブロック分解手段が第1の複製画像データに対応する画像を第1の複製画像データに基づいて、少なくとも縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、当該第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解し、第1の糸色データ選択手段が第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第1の刺繍データ作成手段が第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成し、第1のブロック色設定手段が第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する色で、当該選択された糸色情報が得られたブロックに含まれる全ての画素の色を設定し、第1のブロック画像作成手段が第1のブロック色設定手段を用いて、前記第1の複製画像データから第1のブロック画像を作成し、差分画像作成手段が画像と前記第1のブロック画像との差分を取ることで差分画像を作成する。第2のブロック分解手段が差分画像に対応する差分画像データを、少なくとも縫い目を形成する方向である第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解し、第2の糸色データ選択手段が第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第2の刺繍データ作成手段が第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成し、刺繍データ合成手段が第1の刺繍データと第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを生成する。
【0020】
また、請求項9に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍データ合成手段が、前記第1の刺繍データ作成手段及び前記第2の刺繍データ作成手段で作成された各刺繍データについて、特定の前記糸色情報に対応した色で一定方向に連続する縫い目を当該色の一つの線分とし、前記線分の色に基づいて、設定された色縫い順に従って、所定の色の線分が通過すべき部分として前記所定の色の糸で縫わねばならない箇所と、前記所定の色の線分より後の縫い順の線分が通過する部分として前記所定の色の糸で縫っても良い箇所と、前記縫わなければならない箇所と前記縫ってもよい箇所以外の部分として前記所定の色の糸で縫ってはいけない箇所とを決定し、前記各所定の色について、ある線分から次の線分への経路が前記縫わなければ成らない箇所で連続していない場合、前記縫ってもよい箇所を通過する経路を検索し、前記検索された経路を前記所定の色の線分が通過するように刺繍データを作成することを特徴とする構成となっている。
【0021】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の作用に加え、刺繍データ合成手段が、第1の刺繍データ作成手段及び第2の刺繍データ作成手段で作成された各刺繍データについて、特定の前記糸色情報に対応した色で一定方向に連続する縫い目を当該色の一つの線分とし、線分の色に基づいて、設定された色縫い順に従って、所定の色の線分が通過すべき部分として所定の色の糸で縫わねばならない箇所と、所定の色の線分より後の縫い順の線分が通過する部分として所定の色の糸で縫っても良い箇所と、縫わなければならない箇所と縫ってもよい箇所以外の部分として所定の色の糸で縫ってはいけない箇所とを決定し、各所定の色について、ある線分から次の線分への経路が縫わなければ成らない箇所で連続していない場合、縫ってもよい箇所を通過する経路を検索し、検索された経路を所定の色の線分が通過するように刺繍データを作成する。
【0022】
また、請求項10に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍データ合成手段が、所定の色の前記第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、前記第2の方向に連続し前記所定の色と同色の第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、前記第1の終了線分の終了側端点である終了点に最も近い交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、前記開始線分の両端点のうち、前記交点に最も近い端点を前記開始線分の開始点に指定することを特徴とする構成となっている。
【0023】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の作用に加え、刺繍データ合成手段が、所定の色の第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、第2の方向に連続し所定の色と同色の第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、第1の終了線分の終了側端点である終了点に最も近い交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、開始線分の両端点のうち、交点に最も近い端点を開始線分の開始点に指定する。
【0024】
また、請求項11に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍データ合成手段が、所定の色の前記第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、前記第2の方向に連続し前記所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、前記第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対して、前記第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、前記開始点に最も近い交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、前記開始線分の両端点のうち、前記交点に最も近い端点を前記開始線分の開始点に指定することを特徴とする構成となっている。
【0025】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の作用に加え、刺繍データ合成手段が、所定の色の第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、第2の方向に連続し所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対して、第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、開始点に最も近い交点を有する第2の線分を第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、開始線分の両端点のうち、交点に最も近い端点を開始線分の開始点に指定する。
【0026】
また、請求項12に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍データ合成手段が、所定の色の前記第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対しても、前記第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対しても、前記第2の方向に連続し前記所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、前記第1の方向に連続する前記所定の色の他の線分に対して、前記第2の線分が交点を有する場合に、前記交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、前記開始線分の両端点のうち、前記交点に最も近い端点を前記開始線分の開始点に指定することを特徴とする構成となっている。
【0027】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の作用に加え、刺繍データ合成手段が、所定の色の第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対しても、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対しても、第2の方向に連続し所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、第1の方向に連続する所定の色の他の線分に対して、第2の線分が交点を有する場合に、交点を有する第2の線分を第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、開始線分の両端点のうち、交点に最も近い端点を開始線分の開始点に指定する。
【0028】
また、請求項13に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記刺繍データ合成手段が、前記第1の方向に連続する所定の色の縫い目の最後に縫われる線分である第1の終了線分と、前記第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分と、前記第1の方向に連続する前記所定の色の線分の何れに対しても、前記第2の方向に連続し、前記所定の色と同色の第2の線分が交点を持たない場合に、前記第1の終了線分の端点と最も近い端点を有する前記第2の線分を、前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とすることを特徴とする構成となっている。
【0029】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の作用に加え、刺繍データ合成手段が、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の最後に縫われる線分である第1の終了線分と、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分と、第1の方向に連続する所定の色の線分の何れに対しても、第2の方向に連続し、所定の色と同色の第2の線分が交点を持たない場合に、第1の終了線分の端点と最も近い端点を有する第2の線分を、第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とする。
【0030】
また、請求項14に記載の刺繍データ処理装置では、請求項9乃至13の何れかに記載の発明の構成に加え、前記縫ってもよい箇所の重ね縫いの回数を制限する重ね縫い回数制限手段を備えている。
【0031】
この構成の刺繍データ処理装置では、請求項9乃至13の何れかに記載の発明の作用に加え、重ね縫い回数制限手段が縫ってもよい箇所の重ね縫いの回数を制限する。
【0032】
また、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、求項1乃至14の何れかに記載の刺繍データ処理装置の各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記憶している。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、任意の方法により入力された図柄を刺繍データとして不揮発性のメモリカードに書き込むことによって、刺繍データを刺繍ミシンに提供するための刺繍データ処理装置に対して、本発明を適用したものである。
【0033】
ここで、本実施の形態の刺繍データ処理装置が作成した刺繍データが用いられる刺繍ミシン(図示外)について説明する。この刺繍ミシンは、ミシンベッド上に配置された刺繍が施される加工布を保持する刺繍枠を水平移動機構により装置固有のX・Y座標系で示される所定の位置に移動させつつ、縫い針及び釜機構による縫製動作を行うことにより、その加工布に所定の図柄の刺繍を施すようになっている。そして、水平移動機構や針棒などは、ミシンに内蔵されたマイクロコンピュータ等から構成される制御装置により制御されるようになっており、従って、一針毎の加工布のX・Y方向の移動量、即ち針落ち位置を指示する刺繍データ(ステッチデータ)が与えられることにより、制御装置は刺繍動作を自動的に実行することが可能となっている。
【0034】
また、本実施の形態では、刺繍ミシンにはメモリカード読取装置が設けられ、書換可能なメモリカードを装着することにより、外部から刺繍データが与えられるように構成されている。即ち、本実施の形態の刺繍データ処理装置では、このような刺繍ミシンにおいて刺繍縫製を行うための刺繍データを作成・編集する機能を有するものである。
【0035】
[第1の実施の形態]次に、図1を参照して、本実施の形態の刺繍データ処理装置20の全体構成について説明する。図1は、刺繍データ処理装置20の正面図である。図1に示すように、刺繍データ処理装置20は、基本的には、コンピュータ装置1と、そのコンピュータ装置1に接続されたマウス2、キーボード3、メモリカードコネクタ4、CRTディスプレイ又は液晶からなる表示装置5、及びイメージスキャナ11から構成されている。
【0036】
次に、図2を参照して、刺繍データ処理装置20の内部構成について説明する。図2は、刺繍データ処理装置20の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、刺繍データ処理装置20は、コンピュータ装置1内のCPU6、RAM7、ROM8及び入出力インターフェース9(以下、「I/Oインターフェース9」という。)と、そのI/Oインターフェース9に接続されたマウス2、キーボード3、イメージスキャナ11、メモリカード10が着脱されるメモリカードコネクタ4、及表示装置5とから構成されている。
【0037】
次に、図3又は図4を参照して、ROM8及びRAM7の記憶エリアについて説明する。図3は、ROM8の記憶エリアの概念図であり、図4は、RAM7の記憶エリアの概念図である。図3に示すようにROM8には、制御プログラム記憶エリア8aと、糸色データテーブル記憶エリア8bと、後述するしきい値Tを記憶するしきい値記憶エリア8c等が設けられている。また、図4に示すように、RAM7には、入力画像データ記憶エリア7aと、第1の刺繍データ記憶エリア7bと、第2の刺繍データ記憶エリア7cと、合成刺繍データ記憶エリア7dと、第1回転画像記憶エリア7e、第2回転画像記憶エリア7f、第1モザイク画像記憶エリア7g、第2モザイク画像記憶エリア7h、ワーキングエリア7i等が設けられている。
【0038】
次に、図5を参照して、ROM8の糸色データテーブル記憶エリア8bに記憶されている糸色データテーブル30について説明する。図5に示す様に糸色データテーブル30には、予め用意された糸のカラーコードとその糸の色のRGB値が記憶されている。
【0039】
以下、上記のように構成された刺繍データ処理装置20の動作について図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6は、刺繍データ作成処理の主制御プログラムのフローチャートである。この主制御プログラムは、図3に示すROM8の制御プログラム記憶エリア8aに記憶されている。刺繍データ処理装置20のコンピュータ装置1のCPU6で、図6に示すフローチャートの主制御プログラムが起動されると、刺繍データ処理の各種機能が刺繍データ処理装置20で利用可能になる。以下では、作業者が図7に示す幅400画素×高さ600画素の「顔」の多値画像から、幅100mm×高さ150mmの刺繍データを作成する手順にそって、本発明の刺繍データ処理の働きを図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】
本処理が起動されると、まず、図1及び図2に示すイメージスキャナ11により図柄を読み込み、コンピュータ装置1への画像データの入力が行われる(S1)。この入力された画像データは、図5に示すRAM7の入力画像データ記憶エリア7aに記憶される。ここでは、画像として図7に示した「顔」のカラー写真を読み込むが、その他の任意の画像、例えば、モノクロ写真、手がき図でも良い。また、画像の入力は、必ずしもイメージスキャナ11に限られず、FDやCDから画像データを読み込んだり、ネットワーク(図示外)を介して外部装置から送られた画像データを読み込むようにしても良い。
【0041】
ここでイメージスキャナ11は、画像をR、G、B各色を8ビット(0〜255)のカラー画像データとして読み取り可能なものであり、読み取られた画像の画像データは、ラスター形式のビットマップとして、RAM7内の入力画像データ記憶エリア7aに記憶される。この保存された画像データが第1画像データに相当する。
【0042】
次にS2では、S1で入力された画像データ(以下、「原画像データ」)という。)を回転する第1の方向及び第2の方向を決定する。反時計回りの回転方向を正として、この第1の方向の一例としては45度、第2の方向の一例としては−45度を用いる。従って、図8(a)に示すように、原画像データを反時計回りに45度回転させた画像(以下、第1回転画像)と、図8(b)に示すように、原画像データを−45度回転させた画像(以下、第2回転画像)とが生成される。
【0043】
次に、刺繍のステッチの糸の進行方向に対して垂直な方向の糸の間隔d(ブロックの高さ)及びステッチの最低幅wを指定する(S3)。この指定は、図1及び図2に示すキーボード3からブロックの最低幅wと垂直な方向の糸の間隔d(高さ)をmm単位で入力する。ここでは、垂直な方向の糸の間隔dの一例として「1mm」、ステッチの最低幅wの一例として「3mm」と設定したとする。後述するように、この垂直な方向の糸の間隔dとステッチの最低幅wに従って作られる複数の矩形(以下、「モザイクブロック」という。)に、前記第1回転画像と第2回転画像が分解されることになる。
【0044】
次に、前記第1回転画像と第2回転画像の各々について、特開2000−288275号公報に記載の方法で、モザイクブロックの最低幅がw、高さがdの可変幅モザイク画像を作成する(S4)。前記第1回転画像に対してS4の処理を行った結果が、図11(a)に示す可変幅モザイク画像であり、前記第2回転画像に対してS4の処理を行った結果が、図11(b)に示す可変幅モザイク画像である。
【0045】
以下、S4の可変幅モザイク画像の作成について、図9及び図10に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。図9は、可変幅モザイク画像作成処理のフローチャートであり、図10は、ブロックの幅Wの決定のサブルーチンである。本処理は、S2で回転された第1回転画像及び第2回転画像を各々左上の位置から右へとブロックに分解し、それが終了したらその下の行についてほぼ同様にブロックに分解し、夫々のブロックの代表色を決めていく処理となっている。
【0046】
ここでは、ブロックの幅は400(画素)×3(mm)÷100(mm)=12(画素)、高さは600(画素)×1(mm)÷150(mm)=4(画素)となる。可変幅モザイク画像作成処理では、まず、ブロックの垂直方向(高さ方向)のカウンタnをゼロにする(S510)。そして、行の垂直方向の開始位置Y1を計算する。Y1は、(ブロックの高さ)×(ブロックの垂直方向のカウンタ)で計算される。ここではブロックの高さが4であるからY1=4×nとなる(S520)。
【0047】
次いで、行の水平方向の開始位置X1を計算する(S530)。本処理ではX1は常にゼロである。次いで、ブロックの水平方向のカウンタmをゼロにし(S540)、次に、行の水平方向の開始位置X2としてmが代入される(S550)。次いで、ブロックの幅Wを決定する(S560)。この処理について図10に示すフローチャートを参照して説明する。図10は、ブロックの幅Wの決定処理のサブルーチンである。ブロックの幅Wを決定するにはまず、S3で入力され、画素数に換算された最低幅(ここでは12)をWにセットする(S710)。
【0048】
そして、現在注目しているブロック内の平均色A1を算出する(S720)。ここにおけるブロックは、左上の位置が(X2、Y1)で、幅がW(現段階では12画素)、高さが4画素のものとなっているが、この内Wは以降の処理により変化しうる。平均色A1の算出方法は、これはX2、Y1を開始点とする幅12、高さ4のブロックに含まれる全ての画素について、R、G、B夫々の値を合計する。そして夫々の合計値をブロックに含まれる全ての画素数(ここでは4×12=48(画素))で割る。こうして得られたRGB値をそのブロックの代表色とする。
【0049】
続くS730では次ブロックの平均色A2を算出する。ここで次ブロックとは、現在注目しているブロックの右側に存在する幅が1画素、高さが4画素のブロックである。この様子を示すのが図16乃至図17である。そしてS740にてRGB空間における平均色A1と平均色A2の距離dを算出する。これは[数1]によって計算される。
【数1】
【0050】
こうして求められた距離dが、予め定められたしきい値Tより小さい否かを判定し(S750)、小さくない場合には、本処理を終了する。すなわち、現在注目しているブロックの幅Wがこの時点で決定する。しきい値Tは予めROM8のしきい値記憶エリア8cに格納された値や、操作者が入力した値を用いる。
【0051】
一方、距離dがしきい値Tより小さい場合には、S760に進み、現在のブロックの水平方向の開始位置に現在のブロックの幅Wを加えたものが画像全体の幅を超えるか否かを判定する。これは、そのブロックが行の右端まで到達したか否かを判定していることになる。超える場合には本処理を終了し、超えない場合はS770に進んで幅Wを1増加する。これは、平均色A1が算出されたブロックに平均色A2が算出されたブロックを融合することを意味している。そしてS720に戻って、以上の処理を繰り返す。つまり幅Wは、現在注目しているブロックの平均色A1とその右にある幅1画素の次ブロックの平均色A2とを比較し、両者が似ている(距離Dがしきい値T以内)場合には、次ブロックを融合する処理となっている。そして、更にこれを繰り返すことにより、次ブロックの平均色A2が似ている場合には1画素単位で幅Wを拡張し、元画像の幅に達するまで行なうようにされている。
【0052】
ここで図9に戻る。こうしてブロックの幅Wが決定するとS570に進み、現在注目しているブロックの代表色を計算する。ここで得られたRGB値がその幅Wのブロックの代表色となる。そして、ブロックの水平方向のカウンタmに幅Wを加える(S580)。これによりカウンタmは、次に代表色を決定するブロックの左の位置を示すことになる。次いで、S580で算出したブロックの水平方向の開始位置にブロックの最低幅を加えたものが画像の幅を超えていないか否かを判定する(S590)。
【0053】
これは、その行のブロックの画像変換が全て終了したか否かを判定していることになる。終了していない場合にはS550に戻り、次のブロックの幅および代表色を決定する。終了している場合にはS600に進み、ブロックの垂直方向のカウンタnを1増加させる。そして、ブロックの垂直方向の開始位置にブロックの高さを加えたものが画像の高さを超えていないか否かを判定する(S610)。これは、入力された第1画像データ全体の画像変換が全て終了したか否かを判定していることになる。終了していない場合にはS520に戻り、次の行のブロックの幅および代表色を決定する。終了した場合には本処理を終了する。こうして得られた第1回転画像からの可変幅モザイク画像(以下、「第1モザイク画像」という。)を図11(a)に示し、第2回転画像からの可変幅モザイク画像(以下、「第2モザイク画像」という。)を図11(b)に示す。
【0054】
次に、図3に示すフローチャートのS5に進み、上記処理で得られた第1モザイク画像及び第2モザイク画像に対して、特開2000−288275号公報に記載の方法で、各モザイクブロックに対して一本のステッチを割り当て、刺繍データを作成する(S5)。この処理を行ったものを図12(a)、(b)に示す。図12(a)は、第1モザイク画像から得られた刺繍データに基づく縫い目を示す図であり、図12(b)は、第2モザイク画像から得られた刺繍データに基づく縫い目を示す図である。
【0055】
S5の可変幅モザイク画像から刺繍データを作成する刺繍データ作成処理について、図13に示す刺繍データ作成処理のフローチャートを参照して説明する。本処理ではまずカウンタiの値を1にする(S310)。カウンタiは、第1モザイク画像データ及び第2モザイク画像データに含まれる色を示すものである。例えば、第1モザイク画像データが500色からできていた場合、iを1から500まで変化させて、その各色について以下に説明する処理により糸色を決定して行く。続くS320では、カウンタiの値を第2画像データの色数と比較する。カウンタiの方が小さければS330に進んでi番目の色に相当するカラーコードを糸色データベースの中から決定し、これを記憶する。糸色の決定方法は以下の様に行なう。
【0056】
まず、現在着目しているi番目の色について、図5に示す糸色データテーブル30中のどの色に最も近いかを前記[数1]により決定する。
【0057】
ここでr1、g1、b1はi番目の色のRGB値、r2、g2、b2は糸色データベース中のあるカラーコードのRGB値である。なお、これは2つの色が示すRGB値を3次元空間(RGB空間と言う)における座標と見なせば、その2点間の距離を求めていることになる。これを糸色データベース中の全てのカラーコードについて算出し、最も距離の短い色のカラーコードを、そのi番目の色の糸色として設定する。こうして設定されたカラーコードは、RAM7のワーキングエリア7iに格納される。
【0058】
続くS340では、現在注目しているi番目の色の領域の形状線を抽出する。これは、i番目の色で刺繍される全てのブロックの輪郭線を抽出し、刺繍データの外形線として設定するものである。
【0059】
こうして抽出された形状線について、S350にて縫目データを作成する。縫目データの作成は、各ブロックの内部をクロスステッチで縫い埋める針落ち座標点に変換するものである。より詳しくは各ブロックをその長手方向にステッチして縫い埋める針落ち点座標に変換する。こうして作成された縫目データはRAM7のワーキングエリアiに格納される。
【0060】
続くS360ではカウンタiを1増加させ、注目する色を次の色に変更し、S320に戻る。以下、第1モザイク画像データ及び第2モザイク画像データに含まれる全ての色についてS330〜S350の処理を行なうと、S370に移行する。S370では、こうして生成された刺繍の縫目データに、S330で求めたカラーコード等を付加して、刺繍ミシンが受け付け可能な形式の刺繍データを作成し、第1モザイク画像データから生成した刺繍データをRAM7の第1の刺繍データ記憶エリアに記憶し、第2モザイク画像データから生成した刺繍データをRAM7の第2の刺繍データ記憶エリアに記憶する。ここで、図11(a)の第1モザイク画像データから作成された縫目データによる縫い目を図12(a)に示し、図11(b)の第2モザイク画像データから作成された縫目データによる縫い目を図12(b)に示す。
【0061】
次に、図6に示すフローチャートのS6に進み、図12(a)に示す第1モザイク画像データから作成された縫目データを−45度回転し、図12(b)に示す第2モザイク画像データから作成された縫目データを反時計回りに45度回転し、これらの刺繍データを合成する(S6)。これにより、図14に示すクロスステッチ風の刺繍データが生成されることになる。このS6で生成された刺繍データは、I/Oインターフェース9を介してメモリカードコネクタ4に出力され、ここに装着されたメモリカード10に書き込まれる。このメモリカード10を刺繍ミシンのカードコネクタに装着することにより、入力画像から生成した刺繍の縫製が可能となる。
【0062】
図14に示すように、従来のもの(図47参照)に比べて、クロスステッチがより詳細な表現ができるようになっており、細かい色の変化も表現できている。また、ステッチの最低長さが3mmと保持されている。但し、可変幅モザイクのあるブロックの幅が11mmだったとすると、図15(b)に示すように3mmのステッチが3つで、2mmのステッチが1つの場合や、図15(c)に示すように2.75mmのステッチが4つの場合には、現実的には、3mm以下のステッチも発生するが、例えば1mmのステッチが連続して発生するような場合(図15(a)参照)に比べて、著しく縫製品質が低下するようなことはない。
【0063】
尚、上記の第1の実施の形態は、説明が分かり易いように、図6に示すフローチャートのS2〜S6で、45度及び−45度の回転画像を用意し、水平方向に可変幅モザイク刺繍データを作成し、S6で刺繍データを逆方向に回転して合成することで図14の刺繍データを作成したが、図7の画像に対して、各々45度方向・−45度方向に可変幅モザイクを作成し(図16、図17)、これらを元に刺繍データを作成し、合成することで、図14と同様の刺繍データを作成することは容易にできる。
【0064】
また、必ずしも45度・−45度である必要はない。例えば、図18は、15度方向と−60度方向に可変幅モザイクを作成し、15度方向については、糸の間隔を1mm、−60度方向については、糸の間隔を1.5mmとした場合の刺繍データである。また、図19は、図18の一部拡大図である。さらに、同様に任意の方向について、糸の間隔が一定である必要はない。
[第2の実施の形態]以下、本発明の第2の実施の形態である縫い順決定方法について説明する。上記の第1の実施の形態では、特開2000−288275号公報に記載の方法で、2つの刺繍データ図12(a)(b)を作成し、これらを合成する事で求める刺繍データ図14を作成した。しかしこの方法では、多くの渡り糸や不要な走り縫いが発生してしまう。そこで、不要な走り縫いを作らず、渡り縫いを必要最低限に押さえる方法を以下の実施の形態に示す。
【0065】
以下、縫い順決定方法について、図20乃至図22に示すフローチャートを参照して説明する。図20は、縫い順決定処理のローチャートであり、図21は、色間の縫い順決定処理のサブルーチンのフローチャートであり、図22は、−45度方向の成分の開始線分の決定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【0066】
図20に示すフローチャートの縫い順決定処理では、まず、この刺繍データで使用される糸色について、色を縫う順番を決定する(S10)。これは、ユーザが任意に決定しても良いし、例えば明度に従って明るいものから縫うと言った方法で自動的に決めても良い。ここでは図23に示す表の順番で縫うものとする。図21は、色を縫う順番の表示であり、明るい色(1)から暗い色(6)への順で縫うものとする(S10)。
【0067】
次に、現在の注目色C1=0とする(S11)。次いで、角度の異なる可変幅モザイク画像(図16、図17)で、注目色C1について、縫わなければならない部分・縫っても良い部分・縫ってはいけない部分の3つの部分に分ける(S12)。
これは、
・該色で表現されている部分は縫わなければならない
・後から別の色で縫われる部分は縫っても良い
・上記二つに当てはまらない部分は縫ってはいけない
とするものである。当然クロスステッチ風のデータを作成しているので、格子状の部分以外は全て縫ってはいけない部分である。
【0068】
このS1の処理の詳細については、図21に示すフローチャートを参照して説明する。まず、カウンタix、カウンタivをix=0、iv=0とする(S21)。次に、可変幅モザイク画像の(幅w、高h)の(ix,iv)の位置の画像の色C2を取得する(S22)。ここで、C1=C2であるならば(S23:YES)、当該位置の画像の色C2を縫わなければならない部分と設定する (S24)。ここで、C1=C2でなく(S23:NO)、C2がC1より後から縫われるなら当該位置の画像の色C2を縫っても良い部分と設定する (S26)。また、ここで、C1=C2でなく(S23:NO)、C2がC1より後から縫われないなら当該位置の画像の色C2を縫ってはいけない部分と設定する (S27)。
【0069】
次いで、ix=ix+1として、インクリメントする(S28)。ここで、カウンタixの値が可変幅モザイク画像の幅wの値未満なら(S29:YES)、S22に戻り、S22〜S28の処理を繰り返す。また、カウンタixの値が可変幅モザイク画像の幅wの値以上なら(S29:NO)、カウンタix=0、カウンタiv=iv+1として、高さ方向に1縫い目ずらす(S30)。そして、カウンタiv<hならば(S31:YES)まだ、高さ方向の全てを判断していないので、S22に戻り、S22〜S30の処理を繰り返す。カウンタiv<hでない(S31:NO)まだ、高さ方向の全てを判断したので、図20に示すフローチャートにリターンする。
【0070】
図23の色1について、縫わなければならない部分を図24、縫っても良い部分を図25、縫ってはいけない部分を図26に示す。
【0071】
次に、図20のS13の処理を行い、45度方向の成分について縫い順決定・接続を行う(S13)。この処理では、まず一方向のステッチにのみ注目する(図27)。図27では、図24乃至図26の中で45度方向の成分について注目している。黒い実線で示している部分が縫わなければならない部分であり、灰色の実線で示している部分が縫っても良い部分、それ以外の部分は縫ってはいけない部分である。以下、一方向に一繋がりのステッチを線分と呼ぶ。
【0072】
まず、縫わなければならない線分問の縫い順を決める。縫い順の決め方はどのような方法でも良いが、ここでは例として次の二つの方法を示す。第1の方法は、現在の線分の端点の最近点を持つ線分を総当たりで求め、得られた線分を次の線分とするものである。この方法を図28を参照して説明する。図28は、縫い順決定の方法を示す図である。まず、図28に示すように、任意の線分を開始線分として決定する。この線分の任意の点を現在の線分(開始線分)の始点とし、もう一方の点を現在の線分の終点とする。そして、先に求めた終点から最も近い点を持つ線分を探す。この点を次の線分の始点とし、もう一方の点を終点とする。こうして順序を決定した線分はそれ以降の順序決定の検索から外す。この処理を繰り返し、縫わなければならない線分間の縫い順を決定する。
【0073】
第2の方法は、既に順序付けされた線分の群を線分列とし、線分列に新しい線分を追加する際、追加後の線分列の経路が最短になるような場所に線分を追加するものである。この方法を図29を参照して説明する。図29は、縫い順決定の方法を示す図である。まず、図29に示すように、例えば現在の線分列が線分a−b,c−dから構成され、a−b=c−dのように順序付けされていたとする。(「−」は線分を示し、「=」は線分同士の順序付けを示す)。
【0074】
ここに、線分e−fを追加する場合、次の6通りの接続方法が考えられる
a−b=c−d=e−f (新経路=旧経路+d=e+e−f)
a−b=c−d=f−e (新経路=旧経路+d=e+f−e)
a−b=e−f=c−d (新経路=旧経路−b=c+b=e+e−f+f=c)
a−b=f−e=c−d (新経路=旧経路−b=c+b=f+f−e+e=c)
e−f=a−b=c−d (新経路=旧経路+e−f+f=a)
f−e=a−b=c−d (新経路=旧経路+f−e+e=a)
この6通りの中で、最も経路が短くなるものを選び、そのように線分e−fを追加する。線分列に追加された線分(ここではe−f)はそれ以降の順序決定の対象から外す。この処理を繰り返し、縫わなければならない線分間の縫い順を決定する。図28及び図29で示されている点線は、どちらも線分問の順序を示すものであり、縫目が発生するわけではない。
【0075】
次に、縫い順に従って線分の接続を行なう。まず、開始線分の始点から終点へトレースする。この時、該線分の部分を「縫わなければならない」から「縫っても良い」に変更する(該線分は既に縫われており、また、同色であれば上から縫われてもかまわないため)。次に、開始線分の終点から次の線分の始点への経路の走査を以下のように行なう。ここで、説明のため図30(水平・垂直方向に線分を配置したもの)を用いる。ここで、水平方向成分を注目しているものとする。なお、ある線分の終点から次の線分の始点への接続経路について、通過して良い経路は「縫わなければならない」(図の黒の太線)または「縫っても良い」(図の灰色の細線)部分である。
【0076】
まず、開始線分の終点を現在の点とする。次に、現在の点から、進行(通過)可能な経路を探す。この時、経路選択の優先順位を図31(a)のようにする。但し、現在の点と目的点の垂直位置が同じであり、優先順位▲1▼▲2▼のどちらの経路も選択可能な時は、優先順位▲2▼の経路を優先する。同様に、現在の点と目的点の垂直位置が同じであり、優先順位▲3▼▲4▼のどちらの経路も選択可能な時は、優先順位▲4▼の経路を優先する。ある点において、進行可能な経路が2つ以上あった場合、その点を分岐点として記憶しておく。図31(b)ある点において、進行が不可能となった場合、経路上で最も近い分岐点まで戻る。また、該分岐点から進行不可能になった点までを、現在の目的点までの探索経路から除外する。図31(c)探索の結果、目的点へたどり着いたら、開始線分の終点から次の線分の始点への経路を記憶し、該2点間を走り縫いで接続する事とする。進行可能な経路を通過して、目的点へたどり着けない場合(図31(d))、2つの線分問は渡り糸で接続する事とする。以上の処理を全ての線分について行なう事で、全ての線分の接続経路及び接続方法を決定する。この時、線分を接続する経路中に、小さなステッチ(最低長以下のステッチ)が発生して縫製品質に悪い影響を与えるように見えるが、図15で示したように、小さなステッチが連続するわけではないので、実際にはそれほど大きな影響はない。
【0077】
上記第2の縫い順決定方法を用いて、図26について接続を行なった結果が図32である。ここで、同じ所に何度も重ねて縫うと縫製品質が低下する、また、後から縫われる色で覆われても、糸の重なりが多いとはみ出す事が考えられる事から、後から縫われるという事で縫っても良いとしている部分(図24)については、縫い重ねの回数に制限を付けるようにしても良い。図33は他の色による重ね縫いの回数を2回に制限した場合の説明の図である。
【0078】
次に、図24乃至図26の中で−45度方向の成分に注目する(図34)。図34は図24乃至図26の中で−45度方向の成分について注目している。黒い実線で示している部分が縫わなければならない部分であり、灰色の実線で示している部分が縫っても良い部分、それ以外の部分は縫ってはいけない部分である。
【0079】
−45度方向の成分について、45度方向の成分と同様の方法で接続を行うが、その前に−45度方向の成分の開始線分を、以下のように決める(図20のS14)。以下、−45度方向の成分の開始線分の決定処理を図22のフローチャート参照して説明する。
【0080】
まず、45度方向の終了線分L1eと交点を持つ−45度方向の線分L2nがある時(S40:YES)、該線分L2nを−45度方向の開始線分L2sとする(S48)。L1eと交点を持つ−45度方向の線分が複数ある場合には、L1eの終点に最も近い交点を持つ線分を−45度方向の開始線分L2sとする。この時、L2sの両端点のうち、該交点に近い点を開始点とする。また、線分を接続する際は、図35(a)に示すように45度方向の終了線分L1eと−45度方向の開始線分L2sを接続する。
【0081】
45度方向の終了線分L1eと交点を持つ−45度方向の線分L2nがなく(S40:NO)、45度方向の開始線分L1sと交点を持つ−45度方向の線分L2nがある時(S41:YES)、該線分L2nを−45度方向の開始線分L2sとする(S49)。この時、L2sの両端点のうち、該交点に近い点を開始点とする。また、線分を接続する際は、図35(b)に示すように45度方向の開始線分L1sと−45度方向の開始線分L2sを接続する。但し、45度方向の全ての線分の順序を逆転し、各線分の開始点と終了点も逆転する(S50)。(接続順序がL2sの開始点→L2sの終了点→・・・・・・→L2eの開始点→L2eの終了点→L1eの終了点→L1eの開始点→・・・・・・→L1sの終了点→L1sの開始点、となる)。
【0082】
また、S40及びS41でNOと判断された場合、45度方向の何れかの線分L1mと交点を持つ−45度方向の線分L2nを検索する(S42)。該線分L2nがあった時(S42:YES)、線分L1mとの順序が、L1sよりもL1eに近い場合には(S43:YES)、L2nを−45度方向の開始線分L2sとする(S47)。また、L2sの両端点のうち、該交点に近い点を開始点とする。また、線分を接続する際は、線分L1mの45度方向の線分における順序が終了線分L1eに近い時、図36(a)に示すように45度方向の終了線分L1eと−45度方向の開始線分L2sを接続する。線分L1mの45度方向の線分における順序が開始線分L1sに近い時、図36(b)に示すように、45度方向の開始線分L1sと−45度方向の開始線分L2sを接続する。但し、45度方向の全ての線分の順序を逆転し、各線分の開始点と終了点も逆転する。
【0083】
S42でNOと判断された場合、45度方向の終了線分L1eの終了側端点と最も近い端点sを持つ−45度方向の線分L2nを−45度方向の開始線分L2sとする(S46)。また、L2sの端点sを開始点とする。この時刺繍データ作成時にはL1eの終了点とL2sの開始点は渡り糸で中継されるものとする(図37)。尚、S43でNOと判断された場合には、L2nを開始線分とし(S44)、45度方向の線分の順序を逆転する(S45)。
【0084】
ここでは、説明をわかりやすくするため、線分を45度成分及び−45度成分に分割し合成すると言う方法を示したが、上で述べたような線分間の縫い順決定方法を両方の成分に同時に用いて縫い順を決定し、上記と同様の方法で線分間の接続を行なっても良い。
【0085】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、不要な走り縫いを作らず、渡り縫いを必要最低限に押さえた刺繍データを作成できる。
【0086】
[第3の実施の形態]次に、第3の実施の形態の混色表現について説明する。第1の実施の形態では、特開2000−288275号公報に記載の方法で、2つの刺繍データ図12(a)、(b)を作成し、これらを合成する事で求める刺繍データ図13を作成した。ここで、特開2000−288275号公報では、可変幅モザイクのあるブロックの色を決定する際、既に色が決定したブロックの色を参照して色を決める事で、限られた糸色で豊富な色表現を行なうということをしている。
【0087】
図38は、図7に示す画像を元に、第1の実施の形態に記載の方法で、糸色の決定について特開2000−288275号公報の(実施の形態4)記載の方法を用いて作成した刺繍データの例である。使用している色数は図14と同じだが、より自然な表現になっている事が分かる。また色の決定方法に関して、次のような方法を用いても良い。まず、図7に関して45度方向に上記の方法で可変幅モザイクを作成する(図39)。次に、図7と図39との差分の画像を作成する(図40)。具体的には、元画像の点(x,y)の画素値をc、図39の点(x,y)の画素値をa、図40の点(x,y)の画素値をbとして、「b=2×c−a」と計算する。
【0088】
次に、図40について−45度方向に可変幅モザイクを作成する(図41)。そして、第1実施の形態と同様に、図39と図41から刺繍データを作成し、合成する。このようにして作成した刺繍データの縫い目を図42に示す。図14と比べて、より自然な表現になっている事が分かる。この処理の詳細を図43を用いて説明する。図43(a)に示す灰色(画素値5)を黒(画素値0)と白(画素値10)の糸で表現したいとする。今ここで灰色に最も近い色として、45度方向に黒の糸を配置する(図43(b):図39に相当)。次に、灰色と黒の色の差分を上記の式「b=2×c−a」を用いて計算する。すると、差分b=2×5−0=10と計算される(図40に相当)。そこで、−45度方向に自の糸を配置する(図43(c):図42に相当)。このようにして、灰色を黒と白の二色で近似的に表現する。
【0089】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、単に書くモザイクブロックに指定の色のクロスステッチを配した場合に比べ、少ない糸色で豊富な色表現を行なうことが可能である。
【0090】
[第4の実施の形態]次に、第4の実施の形態である糸の配置方法について説明する。45度方向及び−45度方向のステッチ(線分)の配置について、例えば図44(a)のように配置する事も、また、図44(b)のように配置する事も容易である。尚、以下の記述においては、可変幅モザイクのブロックの高さと、幅の最低増加分が等しい事が前提となっている。具体的には、図44(a)の場合は、可変幅モザイクの各ブロックに対して、図45(a)のように各ブロックの端からブロックの高さ(糸の間隔)の半分だけ短くステッチを生成する。図44(b)の場合は、可変幅モザイクの各ブロックに対して、図45(b)のように各ブロックの端までステッチを生成する。これにより、クロスの生成のさせかたを、ユーザーの好みに合わせて自由に行なう事ができる。
【0091】
次に、針落ち点制御について説明する。例えば、クロスの交点にだけ針を落とすと言う事も、ステッチ幅を糸の間隔の整数倍に制御する事で、容易に実現できる。図46は、糸の間隔を1.5mm、ステッチ幅を3mmとした場合の例である。これにより、本来のクロスステッチに近い刺繍データを生成する事ができる。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば様々な態様で実施しうる。
【0093】
また、第1の実施の形態では、画像変換におけるブロックの生成を図8(a)、(b)に示す第1回転画像及び第2回転画像に対して、水平方向に関して左から右へと行なったが、生成の方向を行毎に逆にしても良い。
【0094】
また、代表色や糸色を決定するに当たりRGB空間を用いたが、その代わりにLab空間、Lub空間、YIQ空間、HSI空間等を利用しても良い。また、実施の形態中では、ブロックの代表色を求めるのにブロック内の画素値の平均を求めたが、この方法によらず種々の方法で求めても良い。例えば、ブロック内の各画素値の重み付け平均を取って求めても良いし、ブロック内の所定の位置にある1画素の画素値に基づいて求めても良い。さらに、求められたブロックの代表色を、操作者が任意に変更して再設定可能な構成をとっても構わない。
【0095】
また、実施の形態のコンピュータ装置1は、刺繍データ処理プログラムがROM8に予め格納されたものであるが、これ以外の態様でも良い。例えばこれらのプログラムを、フレキシブルディスクやCD−ROM等に格納したものを読み取り装置により読み取って、固定ディスク上にインストールさせてパーソナルコンピュータなどの汎用電子演算処理装置上で動作させてもよい。また、有線もしくは無線回路を使用して外部情報処理装置からプログラムを読み込んで汎用電子演算処理装置上で動作させることもできる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の刺繍データ処理装置では、糸色データ記憶手段が特定の色の色情報である糸色情報と、糸色情報と縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶し、第1のブロック分解手段が、画像を画像データに基づいて、縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解し、第1の糸色データ選択手段が第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第1の刺繍データ作成手段が第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成し、第2のブロック分解手段が画像を画像データに基づいて、縫い目を形成する方向である第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解し、第2の糸色データ選択手段が第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第2の刺繍データ作成手段が第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成し、刺繍データ合成手段が前記第1の刺繍データと前記第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを作成できる。従って、従来に比べて、ステッチの長さを小さくすることなく、縫製品質を維持して、詳細なクロスステッチの刺繍を作成できる。
【0097】
また、請求項2に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1に記載の刺繍データ処理装置の効果に加えて、第1の糸色データ選択手段の第1画像データ生成手段が第1のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第1画像データを生成し、第1の糸色データ選択手段の第1の糸色選択手段が第1のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を糸色データ記憶手段から選択できる。また、第2の糸色データ選択手段の第2画像データ生成手段が第2のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第2画像データを生成し、第2の糸色データ選択手段の第2の糸色選択手段が第2のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を糸色データ記憶手段から選択できる。第1の刺繍データ作成手段が、第1の糸色選択手段により選択された糸色情報に対する識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを、第1画像データに基づいて生成し、第2の刺繍データ作成手段が、第2の糸色選択手段により選択された糸色情報に対応する識別子を用いて、選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを、第2画像データに基づいて生成できる。
【0098】
また、請求項3に記載の刺繍データ処理装置では、請求項2に記載の刺繍データ処理装置の効果に加えて、第1のブロック分解手段が、画像を、第1の方向と垂直の方向に、第1のブロックの前記第1の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を第1のブロックに分解し、かつ、第1の方向の長さが第1のブロックの増大単位量であり第1のブロックに接する第1の増大単位ブロックに分解し、第1の画像データ生成手段が、第1のブロックの代表色と第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似である場合には、第1のブロックに対して第1の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、新たなブロックの代表色と第1のブロック分解手段により新たなブロックに接して分解される別の第1の増大単位ブロックに代表色とが類似であると判断される限り、第1の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続け、第2のブロック分解手段が、画像を、第2の方向と垂直の方向に、第2のブロックの第2の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を第2のブロックに分解し、かつ、第2の方向の長さが第2のブロックの増大単位量であり、第2のブロックに接する第2の増大単位ブロックに分解し、第2の画像データ生成手段が、第2のブロックの代表色と第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似である場合には、第2のブロックに対して第2の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、新たなブロックの代表色と第2のブロック分解手段により新たなブロックに接して分解される別の第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であると判断される限り、第2の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続けることができる。従って、ステッチの幅を増大させることができる。
【0099】
また、請求項4に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3に記載の刺繍データ処理装置の効果に加えて、第1の画像データ生成手段が、第1の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似でない場合には、第1のブロック分解手段が、新たな第1のブロックを前記あるブロックに接して分解し、第2の画像データ生成手段が、第2の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、判断結果が類似でない場合には、第2のブロック分解手段が、新たな第2のブロックを前記あるブロックに接して分解できる。
【0100】
また、請求項5に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置の効果に加えて、第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から第1画像データ生成手段により設定された代表色であり、第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から前記第2画像データ生成手段に設定された代表色とすることができる。
【0101】
また、請求項6に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置の効果に加えて、第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、新たなブロックを形成した前記第1のブロックに設定された代表色であり、第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、新たなブロックを形成した前記第2のブロックに設定された代表色とすることができる。
【0102】
また、請求項7に記載の刺繍データ処理装置では、請求項3乃至6の何れかに記載の刺繍データ処理装置の効果に加えて、第1ブロック高さ決定手段が第1のブロック分解手段が分解するブロックの、第1の方向に垂直な方向の長さを設定し、第2ブロック高さ決定手段が第2のブロック分解手段が分解するブロックの、第2の方向に垂直な方向の長さを設定し、第1のブロック増大単位量決定手段が第2ブロック高さ決定手段が決定する第2の方向に垂直な方向の長さと、第1の方向と、第2の方向とに基づいて第1のブロックの増大単位量を決定し、第2のブロック増大単位量決定手段が前記第1の方向に垂直な方向の長さと、前記第1の方向と、前記第2の方向とに基づいて前記第2のブロックの増大単位量を決定できる。
【0103】
また、請求項8に記載の刺繍データ処理装置では、糸色データ記憶手段が特定の色の色情報である糸色情報と、糸色情報と前記縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶し、第1の画像複製手段が画像データを複製することで第1の複製画像を作成し、第1のブロック分解手段が第1の複製画像データに対応する画像を第1の複製画像データに基づいて、少なくとも縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、当該第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解し、第1の糸色データ選択手段が第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第1の刺繍データ作成手段が第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成し、第1のブロック色設定手段が第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する色で、当該選択された糸色情報が得られたブロックに含まれる全ての画素の色を設定し、第1のブロック画像作成手段が第1のブロック色設定手段を用いて、前記第1の複製画像データから第1のブロック画像を作成し、差分画像作成手段が画像と前記第1のブロック画像との差分を取ることで差分画像を作成できる。第2のブロック分解手段が差分画像に対応する差分画像データを、少なくとも縫い目を形成する方向である第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解し、第2の糸色データ選択手段が第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、糸色データ記憶手段から選択し、第2の刺繍データ作成手段が第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成し、刺繍データ合成手段が第1の刺繍データと第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを生成できる。従って、従来に比べて、ステッチの長さを小さくすることなく、縫製品質を維持して、詳細なクロスステッチの刺繍を作成できる。
【0104】
また、請求項9に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の効果に加え、刺繍データ合成手段が、第1の刺繍データ作成手段及び第2の刺繍データ作成手段で作成された各刺繍データについて、特定の前記糸色情報に対応した色で一定方向に連続する縫い目を当該色の一つの線分とし、線分の色に基づいて、設定された色縫い順に従って、所定の色の線分が通過すべき部分として所定の色の糸で縫わねばならない箇所と、所定の色の線分より後の縫い順の線分が通過する部分として所定の色の糸で縫っても良い箇所と、縫わなければならない箇所と縫ってもよい箇所以外の部分として所定の色の糸で縫ってはいけない箇所とを決定し、各所定の色について、ある線分から次の線分への経路が縫わなければ成らない箇所で連続していない場合、縫ってもよい箇所を通過する経路を検索し、検索された経路を所定の色の線分が通過するように刺繍データを作成できる。従って、不要な走り縫いを防止でき、渡り縫いを最小限にできる。
【0105】
また、請求項10に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加え、刺繍データ合成手段が、所定の色の第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、第2の方向に連続し所定の色と同色の第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、第1の終了線分の終了側端点である終了点に最も近い交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、開始線分の両端点のうち、交点に最も近い端点を開始線分の開始点に指定できる。
【0106】
また、請求項11に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加え、刺繍データ合成手段が、所定の色の第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、第2の方向に連続し所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対して、第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、開始点に最も近い交点を有する第2の線分を第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、開始線分の両端点のうち、交点に最も近い端点を開始線分の開始点に指定できる。
【0107】
また、請求項12に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加え、刺繍データ合成手段が、所定の色の第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対しても、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対しても、第2の方向に連続し所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、第1の方向に連続する所定の色の他の線分に対して、第2の線分が交点を有する場合に、交点を有する第2の線分を第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、開始線分の両端点のうち、交点に最も近い端点を開始線分の開始点に指定できる。
【0108】
また、請求項13に記載の刺繍データ処理装置では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加え、刺繍データ合成手段が、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の最後に縫われる線分である第1の終了線分と、第1の方向に連続する所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分と、第1の方向に連続する所定の色の線分の何れに対しても、第2の方向に連続し、所定の色と同色の第2の線分が交点を持たない場合に、第1の終了線分の端点と最も近い端点を有する第2の線分を、第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とできる。
【0109】
また、請求項14に記載の刺繍データ処理装置では、請求項9乃至13の何れかに記載の発明の効果に加え、重ね縫い回数制限手段が縫ってもよい箇所の重ね縫いの回数を制限できる。
【0110】
また、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、求項1乃至14の何れかに記載の刺繍データ処理装置の各手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記憶しているので、当該プログラムをコンピュータに読み込ませることにより、刺繍データ処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、刺繍データ処理装置20の正面図である。
【図2】図2は、刺繍データ処理装置20の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、ROM8の記憶エリアの概念図である。
【図4】図4は、RAM7の記憶エリアの概念図である。
【図5】図5は、糸色データテーブル30の概念図である。
【図6】図6は、刺繍データ作成処理の主制御プログラムのフローチャートである。
【図7】図7は、入力画像を示す図である。
【図8】図8(a)は、原画像データを反時計回りに45度回転させた画像であり、図8(b)は、原画像データを時計回りに−45度回転させた画像である。
【図9】図9は、可変幅モザイク画像作成処理のフローチャートである。
【図10】図10は、ブロックの幅Wの決定のサブルーチンである。
【図11】図11(a)は可変幅モザイク画像を示す図であり、図11(b)に示す可変幅モザイク画像を示す図である。
【図12】図12(a)は、第1モザイク画像から得られた刺繍データに基づく縫い目を示す図であり、図12(b)は、第2モザイク画像から得られた刺繍データに基づく縫い目を示す図である。
【図13】図13は、刺繍データ作成処理のフローチャートである。
【図14】図14は、合成刺繍データを示す図である。
【図15】図15(a)は、1mmのステッチが続く場合の図であり、図15(b)は、3mmのステッチが3つで、2mmのステッチが1つの場合を示す図であり、図15(c)は、に示すように2.75mmのステッチが4つの場合を示す図である。
【図16】図16は、図7の画像に対して、各々45度方向・−45度方向に可変幅モザイクを作成した状態の図である。
【図17】図17は、図7の画像に対して、各々45度方向・−45度方向に可変幅モザイクを作成した状態の図である。
【図18】図18は、15度方向と−60度方向に可変幅モザイクを作成し、15度方向については、糸の間隔を1mm、−60度方向については、糸の間隔を1.5mmとした場合の刺繍データである。
【図19】図19は、図18の一部拡大図である。
【図20】図20は、縫い順決定処理のローチャートである。
【図21】図21は、色間の縫い順決定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図22】図22は、−45度方向の成分の開始線分の決定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図23】図23は、色を縫う順番を示す表である。
【図24】図24は、縫わなければならない部分を示す図である。
【図25】図25は、縫っても良い部分を示す図である。
【図26】図26は、縫ってはいけない部分をに示す図である。
【図27】図27は、一方向のステッチにのみ表した図である。
【図28】図28は、縫い順決定の方法を示す図である。
【図29】図29は、縫い順決定の方法を示す図である。
【図30】図30は、開始線分の終点から次の線分の始点への経路の走査を示す図である。
【図31】図31は、経路選択の優先順位を示す図である。
【図32】図32は、縫い目の接続を行なった状態の図である。
【図33】図33は他の色による重ね縫いの回数を2回に制限した場合の説明の図である。
【図34】図34は、図24〜図26の中で−45度方向の成分について注目した図である。
【図35】図35は、45度方向の終了線分L1eと−45度方向の開始線分L2sとの接続状態を示す図である。
【図36】図36は、45度方向の終了線分L1eと−45度方向の開始線分L2sとの接続状態を示す図である。
【図37】図37は、L1eの終了点とL2sの開始点は渡り糸で中継された状態を示す図である。
【図38】図38は、図7に示す画像を元に、第1の実施の形態に記載の方法で、糸色の決定について特開2000−288275号公報の(実施の形態4)記載の方法を用いて作成した刺繍データの例である。
【図39】図39は、図7に関して45度方向に上記の方法で可変幅モザイクを作成した状態の図であり、
【図40】図40は、図7と図39との差分の画像の図であり、
【図41】図41は、図40について−45度方向に可変幅モザイクを作成した状態の図である。
【図42】図42は、合成刺繍データの縫い目を示す図である。
【図43】図43は、クロスステッチの作成処理の説明図である。
【図44】図44は、 45度方向及び−45度方向のステッチ(線分)の配置を示す図である。
【図45】図45は、第4の実施の形態の説明図である。
【図46】図46は、糸の間隔を1.5mm、ステッチ幅を3mmとした場合の例を示す図である
【図47】図47は、従来技術によるクロスステッチを示す図である。
【図48】図48は、図48に示す従来技術によるクロスステッチの拡大図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ装置
2 マウス
3 キーボード
4 メモリカードコネクタ
5 表示装置
6 CPU
7 RAM
8 ROM
9 I/Oインターフェース
10 メモリカード
11 イメージスキャナ
20 刺繍データ処理装置
Claims (15)
- 画素の集合体である画像の画像データから、任意の色糸による縫い目を特定する刺繍データを作成する刺繍データ処理装置であって、
特定の色の色情報である糸色情報と、前記糸色情報と前記縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶する糸色データ記憶手段と、
前記画像を前記画像データに基づいて、前記縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、当該第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解する第1のブロック分解手段と、
前記第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第1の糸色データ選択手段と、
前記第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成する第1の刺繍データ作成手段と、
前記画像を前記画像データに基づいて、前記縫い目を形成する方向である前記第1の方向と異なる第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解する第2のブロック分解手段と、
前記第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第2の糸色データ選択手段と、
前記第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成する第2の刺繍データ作成手段と、
前記第1の刺繍データと前記第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを作成する刺繍データ合成手段と
を備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。 - 前記第1の糸色データ選択手段が、
前記第1のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第1画像データを生成する第1画像データ生成手段と、
前記第1のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を前記糸色データ記憶手段から選択する第1の糸色選択手段とを備え、
前記第2の糸色データ選択手段が、
前記第2のブロック分解手段が分解した各ブロックについて、当該各ブロックに含まれる各画素の色情報からそれぞれのブロックを代表する代表色を設定し、当該代表色が設定された各ブロックで構成された画像の第2画像データを生成する第2画像データ生成手段と、
前記第2のブロック分解手段が分解した各ブロックに設定された代表色に対応する糸色情報を前記糸色データ記憶手段から選択する第2の糸色選択手段とを備え、
前記第1の刺繍データ作成手段が、前記第1の糸色選択手段により選択された糸色情報に対する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを、前記第1画像データに基づいて生成し、
前記第2の刺繍データ作成手段が、前記第2の糸色選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを、前記第2画像データに基づいて生成すること
を特徴とする請求項1に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記第1のブロック分解手段が、前記画像を、前記第1の方向と垂直の方向に、前記第1のブロックの前記第1の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を前記第1のブロックに分解し、かつ、前記第1の方向の長さが第1のブロックの増大単位量であり前記第1のブロックに接する第1の増大単位ブロックに分解し、
前記第1の画像データ生成手段が、前記第1のブロックの代表色と前記第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、前記判断結果が類似である場合には、前記第1のブロックに対して前記第1の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、前記新たなブロックの代表色と前記第1のブロック分解手段により前記新たなブロックに接して分解される別の第1の増大単位ブロックに代表色とが類似であると判断される限り、前記第1の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続け、
前記第2のブロック分解手段が、前記画像を、前記第2の方向と垂直の方向に、前記第2のブロックの前記第2の方向と垂直な方向の長さで分解し、これにより形成される各行を前記第2のブロックに分解し、かつ、前記第2の方向の長さが前記第2のブロックの増大単位量であり、前記第2のブロックに接する第2の増大単位ブロックに分解し、
前記第2の画像データ生成手段が、前記第2のブロックの代表色と前記第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、前記判断結果が類似である場合には、前記第2のブロックに対して前記第2の増大単位ブロックを融合して新たなブロックを形成し、前記新たなブロックの代表色と前記第2のブロック分解手段により前記新たなブロックに接して分解される別の第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であると判断される限り、前記第2の増大単位ブロックの融合とこれにより形成される新たなブロックに対する代表色の設定とを続けることを特徴とする請求項2に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記第1の画像データ生成手段が、前記第1の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された前記第1の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、
前記判断結果が類似でない場合には、前記第1のブロック分解手段が、新たな第1のブロックを前記あるブロックに接して分解し、
前記第2の画像データ生成手段が、前記第2の方向に形成されたあるブロックの代表色と当該あるブロックに接して分解された前記第2の増大単位ブロックの代表色とが類似であるか否かを判断し、
前記判断結果が類似でない場合には、前記第2のブロック分解手段が、新たな第2のブロックを前記あるブロックに接して分解すること
を特徴とする請求項3に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から前記第1画像データ生成手段により設定された代表色であり、
前記第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が当該新たなブロックに含まれる各画素の色情報から前記第2画像データ生成手段に設定された代表色であることを特徴とする請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記第1の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックを形成した前記第1のブロックに設定された代表色であり、
前記第2の増大単位ブロックの融合により形成される新たなブロックに設定される代表色が、当該新たなブロックを形成した前記第2のブロックに設定された代表色であること
を特徴とする請求項3又は4に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記第1のブロック分解手段が分解するブロックの、前記第1の方向に垂直な方向の長さを設定する第1ブロック高さ決定手段と、
前記第2のブロック分解手段が分解するブロックの、前記第2の方向に垂直な方向の長さを設定する第2ブロック高さ決定手段と、
前記第2の方向に垂直な方向の長さと、前記第1の方向と、前記第2の方向とに基づいて前記第1のブロックの増大単位量を決定する第1のブロック増大単位量決定手段と、
第1ブロック高さ決定手段が決定する前記第1の方向に垂直な方向の長さと、前記第1の方向と、前記第2の方向とに基づいて前記第2のブロックの増大単位量を決定する第2のブロック増大単位量決定手段と
を備えたことを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の刺繍データ処理装置。 - 画素の集合体である画像の画像データから、任意の色糸による縫い目を特定する刺繍データを作成する刺繍データ処理装置であって、
特定の色の色情報である糸色情報と、前記糸色情報と前記縫い目を形成するための色糸とを対応付け、当該色糸への糸替えを指示する識別子とを記憶する糸色データ記憶手段と、
前記画像データを複製することで第1の複製画像を作成する第1の画像複製手段と、
前記第1の複製画像に対応する第1の複製画像データを、少なくとも前記縫い目を形成する方向である第1の方向の長さが、当該第1の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第1のブロックに分解する第1のブロック分解手段と、
前記第1のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第1の糸色データ選択手段と、
前記第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第1の刺繍データを生成する第1の刺繍データ作成手段と、
前記第1の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する色で、当該選択された糸色情報が得られたブロックに含まれる全ての画素の色を設定する第1のブロック色設定手段と、
前記第1のブロック色設定手段を用いて、前記第1の複製画像データから第1のブロック画像を作成する第1のブロック画像作成手段と、
前記画像と前記第1のブロック画像との差分を取ることで差分画像を作成する差分画像作成手段と、
前記差分画像に対応する差分画像データを、少なくとも前記縫い目を形成する方向である前記第1の方向と異なる第2の方向の長さが、当該第2の方向と垂直の方向の長さに比べて長い第2のブロックに分解する第2のブロック分解手段と、
前記第2のブロック分解手段が分解したブロックに含まれる各画素の色情報に対応する糸色情報を、前記糸色データ記憶手段から選択する第2の糸色データ選択手段と、
前記第2の糸色データ選択手段により選択された糸色情報に対応する前記識別子を用いて、当該選択された糸色情報が得られたブロックに前記識別子に対応付けられた色糸で縫い目を形成するための第2の刺繍データを生成する第2の刺繍データ作成手段と、
前記第1の刺繍データと前記第2の刺繍データとを合成して、新たに刺繍データを生成する刺繍データ合成手段と
を備えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。 - 前記刺繍データ合成手段が、
前記第1の刺繍データ作成手段及び前記第2の刺繍データ作成手段で作成された各刺繍データについて、特定の前記糸色情報に対応した色で一定方向に連続する縫い目を当該色の一つの線分とし、
前記線分の色に基づいて、設定された色縫い順に従って、所定の色の線分が通過すべき部分として前記所定の色の糸で縫わねばならない箇所と、前記所定の色の線分より後の縫い順の線分が通過する部分として前記所定の色の糸で縫っても良い箇所と、前記縫わなければならない箇所と前記縫ってもよい箇所以外の部分として前記所定の色の糸で縫ってはいけない箇所とを決定し、
前記各所定の色について、ある線分から次の線分への経路が前記縫わなければ成らない箇所で連続していない場合、前記縫ってもよい箇所を通過する経路を検索し、前記検索された経路を前記所定の色の線分が通過するように刺繍データを作成すること
を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の刺繍データ処理装置。 - 前記刺繍データ合成手段が、
所定の色の所定の色の前記第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、前記第2の方向に連続し前記所定の色と同色の第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、前記第1の終了線分の終了側端点である終了点に最も近い交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、
前記開始線分の両端点のうち、前記交点に最も近い端点を前記開始線分の開始点に指定すること
を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の刺繍データ処理装置。 - 前記刺繍データ合成手段が、
所定の色の前記第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対して、前記第2の方向に連続し前記所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、前記第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対して、前記第2の線分が交点を有して複数本ある場合に、前記開始点に最も近い交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、
前記開始線分の両端点のうち、前記交点に最も近い端点を前記開始線分の開始点に指定すること
を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の刺繍データ処理装置。 - 前記刺繍データ合成手段が、
所定の色の前記第1の方向に向かう線分のうち、最後に縫われる線分である第1の終了線分に対しても、前記第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分に対しても、前記第2の方向に連続し前記所定の色と同色の第2の線分が交点を持たず、かつ、前記第1の方向に連続する前記所定の色の他の線分に対して、前記第2の線分が交点を有する場合に、前記交点を有する第2の線分を前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とし、
前記開始線分の両端点のうち、前記交点に最も近い端点を前記開始線分の開始点に指定すること
を特徴とする請求項1乃至9に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記刺繍データ合成手段が、
前記第1の方向に連続する所定の色の縫い目の最後に縫われる線分である第1の終了線分と、前記第1の方向に連続する前記所定の色の縫い目の開始点から連続する第1の開始線分と、前記第1の方向に連続する前記所定の色の線分の何れに対しても、前記第2の方向に連続し、前記所定の色と同色の第2の線分が交点を持たない場合に、前記第1の終了線分の端点と最も近い端点を有する前記第2の線分を、前記第2の方向に連続する線分のうち最初に縫われる線分である開始線分とすること
を特徴とする請求項1乃至9に記載の刺繍データ処理装置。 - 前記縫ってもよい箇所の重ね縫いの回数を制限する重ね縫い回数制限手段を備えたことを特徴とする請求項9乃至13に記載の刺繍データ処理装置。
- 請求項1乃至14の何れかに記載の刺繍データ処理装置の各手段としてコンピュータシステムを機能させるための刺繍データ処理プログラム。
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