JP3930765B2 - 装身具、装身具の製造方法及び装身具の処理方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、装身具及びその製造方法並びに装身具の処理方法に関し、特に、特定の赤銅を使用し、経時的な色彩変化を得るように構成された装身具及びその製造方法並びに装身具の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、金を0.5重量%から5重量%含有する銅合金、いわゆる赤銅は、例えば、刀のつばやかんざしなどの製作に用いられてきた日本独特の金属素材であり、現代的な装身具においても、そのような日本調のデザインをあしらったブローチなどに使用された実例がある。
【0003】
しかし、従来の赤銅を装身具に使用する場合には、銅の比率が95重量%以上含有するものであるため、予め赤銅を酸化させて黒色、あるいは黒紫色とした状態として使用されていたが、一旦黒色化した赤銅は簡単に元に戻すことができず、また、このような黒い赤銅を装身具に用いても、決して美しいものとはいえなかった。
【0004】
より詳細に説明するならば、通常は、このような赤銅は、緑青,硫酸銅およびミョウバンの混合溶液で煮ることにより、酸化処理を施して黒色または黒紫色とした状態にて使用されてきた。
このように酸化処理を施すことにより、赤銅はいわゆる赤銅色と呼ばれる美しく艶のある黒色装飾金属に変化するものであるが、この酸化処理により黒色化した赤銅は元の色彩(ピンク色)に戻すことはできないものであるために黒色でしか使用用途は無いものであった。
従って、このような赤銅を、指輪、ペンダント、ネックレス、イヤリング、カフス、ブローチ、タイタック、バングル、バックル、チョーカーおよびブレスレット等の装身具に使用する場合には、基本的に濃い黒色金属でしかないため用途が限定され、また、金や銀またはプラチナといった比較的淡い色彩の貴金属と組み合わせた場合にも深い黒色であるがゆえにデザインが限定されてしまうといった難点も有していた。
また、従来の赤銅を装身具に使用する方法においては、凹状の被象嵌部が形成された装身具本体に、前記被象嵌部に合わせた所定形状からなる装飾部材として赤銅を圧入するという象嵌技法によることから、装身具本体の全体的形状がほぼ平面でなければ確実に象嵌できず、その後の加工や永年の使用によって象嵌部分が突出する恐れがある。したがって、ブローチなどの平面的な装身具にのみその使用は限られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、日本古来の伝統的な赤銅を装飾金属として用いて新た趣味感を出すことができるユニークな装身具とその製造方法を追求した結果、当該赤銅がその製造直後に有するピンク色の色彩から経時的に薄いチョコレート色を経由して濃いチョコレート色の色彩に変化する事及び当該色彩がチョコレート色に変化した赤銅を元のピンク色の色彩に容易に復元させる事が可能であるとの知見が得られた事に基づき、当該装飾具における色彩の変化を繰り返し楽しめるユニークな装身具を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、赤銅を使用した装身具であって、所定の期間において当該赤銅がその色彩をピンク色からチョコレート色に経時的な色彩変化しかつ当該色彩がチョコレート色に変化した赤銅を元のピンク色の色彩に容易に復元させる事により当該装飾具における色彩の変化を繰り返し楽しめるユニークな装身具及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、経時的色彩変化が発生し、チョコレート色に変化した後に、表面を研磨処理することにより初期の色彩であるピンク色に戻すことを可能とした装身具の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を有する装身具の製造に際し、装飾部材として、前記装飾部材の色彩が前記装飾部材が製造直後に有する所定の色彩からゆっくりした経時的変化を顕出可能とすると共に、研磨処理により経時的変化した前記装飾部材の色彩が製造直後の前記所定の色彩に容易に復帰できる様な銅に対する金の混合比率を有する赤銅を使用する事を特徴とする装身具の製造方法であることを特徴とする。また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の装身具の製造方法に於いて、前記装飾部材は酸化処理せずにそのまま直接前記装身具本体に象嵌する装身具の製造方法を特徴とする。更に、請求項3記載の発明は、請求項1及び請求項2に記載の装身具の製造方法に於いて、前記装飾部材に研磨処理を施す装身具の製造方法を特徴とする。
そして請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の装身具の製造方法に於いて、前記装飾 部材に於ける、銅に対する金の混合比率は、好ましくは6重量%から12重量%である装身具の製造方法であることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、装飾部材に、特定の金の含有比率を有する銅合金である赤銅、例えば金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金、を用いる事により、酸化処理を施されていないピンク色の色彩を有する赤銅が酸化して経時的にゆっくりとチョコレート色に変化すると同時に容易に元のピンク色の色彩に復帰させることが可能であるので、装身具の色彩的趣味感に欠けることがなく、更に、装飾部材が少しずつ酸化するので、経時的な色彩の変化をも楽しむことができるユニークな装身具の製造方法を提供できる。
【0008】
請求項5記載の発明は、所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を具備した装身具であって、前記装飾部材は、金を少なくとも6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されており、少なくともその外表面がピンク色の色彩を呈している装身具であることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、装飾部材が少しずつ酸化するので、経時的な色彩の変化を繰り返し楽しむことができるユニークな装身具を提供できる。
【0010】
請求項7及び8記載の発明は、所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を具備した装身具であって、前記装飾部材は、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されており、少なくともその外表面がピンク色の色彩を呈している装身具が使用されてから、所定の期間経過後に、前記装身具本体に象嵌された装飾部材の前記外表面に研磨処理を施すことにより、経時的な色彩変化を呈している前記装飾部材の前記外表面の色彩を元のピンク色の色彩に戻す装身具の処理方法を特徴とする。
【0011】
この方法によれば、表面を研磨するなどにより酸化により経時的に変化した当該赤銅からなる装飾部材の色彩を元のピンク色の色彩に簡単に戻すことができ、繰り返し、経時的な色彩の変化を楽しむことができる装身具が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者は、赤銅における銅の含有量を、従来のものに比べて少なくすることで、この銅合金が酸化しても銅合金表面を研磨すれば元の銅合金の色であるピンク色に色上げできることに着目すると共に、酸化がゆっくりと行なわれることで経時的な色変化を実現させて、ユニークな装身具を提供できることを見出し本発明をするに至った。
【0013】
すなわち、本発明の骨子は、所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を有する装身具の製造に際し、装飾部材として、前記装飾部材の色彩が前記装飾部材が製造直後に有する所定の色彩からゆっくりした経時的変化を顕出可能とすると共に、研磨処理により経時的変化した前記装飾部材の色彩が製造直後の前記所定の色彩に容易に復帰できる様な銅に対する金の混合比率有する赤銅を使用する事を特徴とする装身具の製造方法である。
処で、従来から装飾品或は細工物として使用されている所謂「赤銅」とは、学研学習事典データベースに開示されている赤銅(しゃくどう)に関する記載からも明らかなとおり、銅に2乃至8%の金、ときには1%くらいの銀を加えた合金で緑青、硫酸銅、ミョウバンの混合溶液で煮ることによって当該銅合金を酸化処理して美しい黒色に着色されたものであるのに対し、本発明では、装身具本体に象嵌される装飾部材として、金を含む銅合金を使用するものではあるものの、当該装飾部材の色彩が当該装飾部材が製造直後に有する所定の色彩、つまりピンク色の色彩からゆっくりした経時的変化を顕出可能とすると共に 、その後の研磨処理により当該経時的変化した当該装飾部材の色彩、つまりチョコレート色の色彩が当該装飾部材の製造直後の前記所定の色彩、つまりピンク色の色彩に容易に復帰できる様な銅に対する金の所定の混合比率有する銅合金である赤銅を使用するという技術思想に特徴がある。
然も、本発明に於いては、当該所定の金の混合比率を有する銅合金からなる当該装飾部材を従来の赤銅の様に、緑青、硫酸銅、ミョウバンの混合溶液で煮るという酸化処理を行うことなく、ピンク色を呈している赤銅そのものを、そのまま直接的に装飾部材として使用して当該装身具本体に象嵌する様に構成するものである。
更に、本発明に於いては、当該装身具本体に象嵌された上記赤銅からなる装飾部材を、その外表面を平滑にする為に一般的な研磨処理を施す事も望ましい。
一方、本発明に於いては、本発明者は、前記装飾部材に於ける赤銅の銅に対する金の混合比率は、6重量%から12重量%である事が好ましい事を見い出したものである。
換言するならば、本発明の特徴は、装飾部材に、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する外表面の色彩がピンク色を呈する銅合金である赤銅をそのまま酸化処理せずに直接当該装身具本体に象嵌し、要すれば研磨処理を施して製造し、ピンク色を呈する外表面を持つ装飾部材を含む装身具を完成させた後に、当該装身具を使用中に当該装飾部材の銅合金が経時的に酸化して当該装飾部材の外表面が当該ピンク色の色彩からゆっくりと薄いチョコレート色から濃いチョコレート色を持つ色彩に変化して行くがその途中の任意の時点で当該装飾部材に研磨処理などを施すことにより元の赤銅の色(ピンク)に色上げを可能と共に利用者が当該装身具の当該装飾部材の色彩の変化を楽しむ事が可能となると共に、かかる色彩の変化を何回も繰り返し楽しむ事が出来るので、装身具の趣味感を向上させることが可能である。
上記したとおり、本発明に於ける当該装身具は、所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を具備した装身具であって、前記装飾部材は、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されており、少なくともその外表面がピンク色の色彩を呈している事を特徴とする装身具であり、又、本発明の当該装身具は、当該装飾部材の当該外表面の色彩が、経時的に薄いチョコレート色から濃いチョコレート色に変化する様に構成されており、且つ前記変化した色彩状態から元のピンク色の色彩状態に復帰可能に構成されている事を特徴とする装身具である。
更に、本発明に於いては、上記した当該装飾部材の色彩の変化を実現する為の当該装身具の処理方法としては、例えば、所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を具備した装身具であって、前記装飾部材は、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されており、少なくともその外表面がピンク色の色彩を呈している装身具が使用されてから、所定の期間経過後に、前記装身具本体に象嵌された装飾部材の前記外表面に研磨処理を施すことにより、経時的な色彩変化を呈している前記装飾部材の前記外表面の色彩を元のピンク色の色彩に戻すことを特徴とする装身具の処理方法である。
【0014】
また、本発明に於いて、当該所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体に当該装飾部材を象嵌する方法は特に特定されるものではないが、例えば、装飾部材を被象嵌部に象嵌する際に装飾部材にフラックスを塗布し、その後ロウ付けを行って、例えば曲面を有するような装身具本体であっても、装飾部材を被象嵌部に確実にロウ付けすることである。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、装身具が指輪である場合について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る装身具を示す図である。図中1は装身具を示す。この装身具1は、所定形状を有する装身具本体11を有する。この装身具本体11は、装飾部材を収容できる被象嵌部を有している。この被象嵌部には、第1及び第2の装飾部材12、13が象嵌されている。
【0016】
装身具本体11は、象嵌法により象嵌できる金などの金属により構成される。また、装身具本体11は、凹状の被象嵌部を有する所定形状に成形される。成形については、従来の金属成形法、例えば、ロストワックスキャスティングにより行うことができる。さらに、装身具本体11は、曲面を有する形状が実現可能となる。このような曲面を有していても、後述する本発明の装身具の製造方法により確実に象嵌を行うことができるからである。
【0017】
第1の装飾部材12は、被象嵌部に象嵌される被象嵌部材である。これは、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されている。この銅合金は当初はピンク色である。従来の赤銅よりも金の含有量を多く(銅の含有量を少なく)することにより、酸化がゆっくりと行なわれるようになり、また、酸化が表面的に行なわれるようになる。したがって、装飾部材12は、酸化されチョコレート色になっても研磨処理などにより元の色(ピンク)に戻す色上げを行うことが可能となる。なお、第2の装飾部材13は、象嵌以外の方法により施されたものである。第2の装飾部材における装飾については特に制限はない。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態に係る装身具の製造方法を説明するための図であり、図2(a),(b)は、図1に於けるA部分に第1の装飾部材12を象嵌する場合の断面図であり、(c)は、図2(b)の矢印Cの方向から見た、第1の装飾部材の象嵌後にロウ付けする場合を示す図である。
【0019】
本発明の装身具の製造方法においては、まず、所定の形状を有し、凹状の被象嵌部を備えた装身具本体を得る。そして、金を6重量%以上12重量%以下含有する銅合金を、被象嵌部に象嵌され得る形状に加工して第1の装飾部材12を得る。なお、第1の装飾部材12の加工も、プレス切断など従来の金属成形法をそのまま採用することができる。
【0020】
次いで、図2(a)に示すように、上記のようにして得られた装身具本体11の被象嵌部14に、得られた第1の装飾部材12を象嵌する。これは、具体的には、まず、装身具本体11の被象嵌部14に流動状のフラックスを塗布して、第1の装飾部材12を装身具本体11の被象嵌部14に挿入し、フラックス塗布面を挟み込む状態で、図2(a)の矢印B方向に金槌などで第1の装飾部材12を叩き、被象嵌部14に第1の装飾部材12を圧入する。なお、フラックスは、装身具本体11の被象嵌部14の代わりに第1の装飾部材12に塗布しても良く、両者に塗布しても良い。
【0021】
次に、象嵌後の第1の装飾部材12を装身具本体11にロウ付けする。この場合、図2(c)に示すように、装身具本体11と第1の装飾部材12との間にロウ16を置き、バーナーでロウ16を加熱する。この場合、装身具本体11と第1の装飾部材12との間にロウ16を置く前にフラックスを塗っておくと、さらに良好な結果が得られる。
【0022】
バーナーでロウ16を加熱すると、象嵌工程の際に使用されたフラックス及び/又はロウを置く前に使用したフラックスが蒸発する。その結果、象嵌工程の際に使用されたフラックスにより第1の装飾部材12と装身具本体11との間に空隙部15が形成され、ロウを置く前に使用したフラックスの誘導作用によりロウ16が空隙部15に自然に流れ込む。これにより、第1の装飾部材12と装身具本体11とが表面のみならず内面まで確実にロウ付けされる。したがって、第1の装飾部材12及び装身具本体11が曲面を有する形状であっても、その後の加工や永年の使用によっても象嵌部分が突出して装身具の美的外観を損なうことがない。
【0023】
また、本発明の装身具の製造方法においては、上記した様な外表面がピンク色の色彩を 持つ特定の金の含有比率から構成された銅合金を酸化処理することなくそのまま装飾部材として使用して完成された当該装身具を、一定期間使用され酸化してチョコレート色となった第1の装飾部材12に対し、研磨処理を施すことができる。例えば、象嵌された第1の装飾部材12の露出部分をヤスリなどを用いて研磨し、その後、酸洗い処理、ゴムかけ処理、ヘラかけ処理、炭とぎ処理、バフ研磨処理を、第1の装飾部材12の表面に傷がなくなるまで繰り返す。研磨処理の工程については、その処理内容及び順序は特に制限はなく、第1の装飾部材12の表面の凹凸をなくし、表面の傷を消す処理であれば良い。かかる研磨処理を施すことで、第1の装飾部材12を当初の銅合金の色、すなわちピンク色に戻すことができ、再度チョコレート色となる経時的な色変化を楽しむことができる。
【0024】
このように、本実施の形態によれば、第1の装飾部材12に、金を6重量%以上12重量%以下含有する銅合金を用いるので、銅合金が酸化してチョコレート色となっても、研磨処理などにより元の銅合金の色(ピンク)に色上げを可能とし、ユニークな装身具を提供することができる。また、本実施の形態によれば、第1の装飾部材12を被象嵌部14に象嵌する際に第1の装飾部材12にフラックスを塗布し、その後ロウ付けを行うので、ロウ付けを行う際の熱でフラックスが蒸発し、蒸発したフラックスの空隙(装身具本体11と第1の装飾部材12との間)15にロウが入り込む。このため、例えば曲面を有するような装身具本体11であっても、装飾部材を被象嵌部に確実にロウ付けすることができる。
【0025】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では、装身具が指輪である場合について説明しているが、本発明は装身具が指輪以外のもの、例えば、ペンダント、ネックレス、イアリング、カフス、ブローチ、タイタック、バングル、バックル、チョーカー、ブレスレットなどその他の装身具にも適用することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明で明らかな通り、本発明の装身具及びその製造方法によれば、本発明において特定された赤銅からなる装飾部材に酸化処理を行わず、また必要によって当該装飾部材に適宜の研磨処理を施すことにより、赤銅の表面酸化をゆっくりと行わせることになり、赤銅の初期の色彩であるピンク色からチョコレート色への色彩変化が得られる効果を有すると同時に、当該装飾部材が経時的変化によりチョコレート色に変化した後に、当該装飾部材の赤銅の外表面を研磨処理することにより、初期の色彩であるピンク色に戻すことを可能としたため、何回でも経時的色彩変化を楽しめる装身具が得られると言う今までにない著効を奏する。
【0027】
また、本発明の装身具の製造方法は、装飾部材を被象嵌部に象嵌する際に装飾部材にフラックスを塗布し、その後ロウ付けを行うので、ロウ付けを行う際の熱でフラックスが蒸発し、蒸発したフラックスの空隙(装身具本体と装飾部材との間)にロウが入り込む。このため、例えば曲面を有するような装身具本体であっても、装飾部材を被象嵌部に確実にロウ付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る装身具を示す図である。
【図2】 (a)〜(c)は本発明の実施の形態に係る装身具の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…装身具、11…装身具本体、12…第1の装飾部材、13…第2の装飾部材、14…被象嵌部、15…空隙、16…ロウ。
Claims (8)
- 所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を有する装身具の製造に際し、装飾部材として、前記装飾部材の色彩が前記装飾部材が製造直後に有する所定の色彩からゆっくりした経時的変化を顕出可能とすると共に、研磨処理により経時的変化した前記装飾部材の色彩が製造直後の前記所定の色彩に容易に復帰できる様な銅に対する金の混合比率を有する赤銅を使用する事を特徴とする装身具の製造方法。
- 前記装飾部材は酸化処理せずにそのまま直接前記装身具本体に象嵌する事を特徴とする請求項1に記載の装身具の製造方法。
- 前記装飾部材に研磨処理を施す事を特徴とする請求項1又は2に記載の装身具の製造方法。
- 前記装飾部材に於ける、銅に対する金の混合比率は、好ましくは6重量%から12重量%である事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の装身具の製造方法。
- 所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を具備した装身具であって、前記装飾部材は、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されており、少なくともその外表面がピンク色の色彩を呈している事を特徴とする装身具。
- 前記装飾部材の前記外表面の色彩が、経時的に薄いチョコレート色から濃いチョコレート色に変化する様に構成されており、且つ前記変化した色彩状態から元のピンク色の色彩状態に復帰可能に構成されている事を特徴とする請求項5に記載の装身具。
- 所定の形状を有し、被象嵌部を備えた装身具本体と、前記装身具本体の前記被象嵌部に象嵌された装飾部材と、を具備した装身具であって、前記装飾部材は、その色彩が前記装飾部材が製造直後に有する所定の色彩からゆっくりした経時的変化を顕出可能とすると共に、研磨処理により経時的変化した前記装飾部材の色彩が製造直後の前記所定の色彩に容易に復帰できる様な銅に対する金の混合比率を有する銅合金で構成されており、少なくともその外表面がピンク色の色彩を呈している装身具が使用されてから、所定の期間経過後に、前記装身具本体に象嵌された装飾部材の前記外表面に研磨処理を施すことにより、経時的な色彩変化を呈している前記装飾部材の前記外表面の色彩を元のピンク色の色彩に戻すことを特徴とする装身具の処理方法。
- 前記装飾部材は、金を好ましくは6重量%以上12重量%以下含有する銅合金で構成されているおことを特徴とする請求項7に記載の装身具の処理方法。
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