JP3930699B2 - パターン切換弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エア抜きが可能のパターン切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば油圧ショベルなどの動きをコントロールするレバーパターンは、第1パターン、第2パターン、第3パターンおよび第4パターンの4パターンあり、これらは共通のJISパターンに統合されつつあるが、ユーザによっては自分の好みのパターンで使用したいという要望がある。
【0003】
これらのパターンを容易に切換えるため、図7に示されるようなパターン切換弁10が使用される。図8は、その回路図および回路組合せ表を示す。
【0004】
図7および図8において、A〜Hは、パイロット油圧を発生させる手動操作弁としてのリモコン弁21がそれぞれ接続されるポートであり、1〜8は、リモコン弁21からのパイロット油圧によりパイロット作動されるコントロールバルブ22のパイロット圧作用部22aがそれぞれ接続されるポートである。
【0005】
コントロールバルブ22は、油圧ショベルの下部走行体に対し上部旋回体を旋回させる油圧モータを制御するスプール、上部旋回体に装着されたフロント作業機のブームを上下動する油圧シリンダを制御するスプール、ブームの先端部に連結されたアームを掘削・排土動作させる油圧シリンダを制御するスプール、アームの先端部に連結されたバケットを掘削・排土動作させる油圧シリンダを制御するスプールをそれぞれ有する。
【0006】
図8において、右弁は、オペレータの右側に位置するリモコン弁、左弁は、オペレータの左側に位置するリモコン弁、引込は、オペレータが手前に傾けるリモコン弁操作、左側は、左側に傾けるリモコン弁操作、押出は、遠ざける方向に傾けるリモコン弁操作、右側は、右側に傾けるリモコン弁操作である。
【0007】
図8において、ブーム上は、油圧ショベルのフロント作業機のブームを上昇させるバルブ制御動作、ブーム下は、そのブームを下降させるバルブ制御動作、バケット掘削は、フロント作業機のバケットの先端をオペレータ側に引寄せるバルブ制御動作、バケット排土は、バケットの先端をオペレータから遠ざけるバルブ制御動作、アーム排土は、アームをオペレータから遠ざけるバルブ制御動作、アーム掘削は、アームをオペレータ側に引寄せるバルブ制御動作、旋回左は、油圧ショベルの下部走行体に対し上部旋回体を左回りに旋回させるバルブ制御動作、旋回右は、油圧ショベルの下部走行体に対し上部旋回体を右回りに旋回させるバルブ制御動作である。
【0008】
パターン切換弁10は、図9に示されたケーシング12の内部に、図10に示されたスリーブ13が嵌着されて固定され、さらに、このスリーブ13の内部に、図11に示されたシャフト14が回動自在に嵌合されている。
【0009】
このシャフト14は、ケーシング12の一方の端板部15に4方向位置で選択的に固定可能となっている。すなわち、シャフト14の一端軸部16に半径方向にレバー17が嵌着され、このレバー17に軸方向に挿脱可能の蝶ボルト18が挿入され、この蝶ボルト18の先端部がケーシング12の端板部15の4方向角度位置にそれぞれ設けられたねじ穴19の1つに螺入される。
【0010】
ケーシング12には、リモコン弁21に接続される8つのポートA,B,C,D,E,F,G,Hが、異なる軸方向位置に設けられているとともに、コントロールバルブ22のパイロット圧作用部22aに接続される8つのポート1,2,3,4,5,6,7,8が、同一軸方向位置で放射状に配置されている。
【0011】
各ポートA,B,C,D,E,F,G,Hの内側には通路23が設けられ、ケーシング12とスリーブ13との間には、8つの円環状通路24が、軸方向の8箇所に所定間隔の隔壁部を介して形成されている。
【0012】
リモコン弁21側の8つのポートA,B,C,D,E,F,G,Hは、通路23を経て8つの円環状通路24とそれぞれ連通し、これらの円環状通路24は、スリーブ13に設けられた通路25を経て、シャフト14の回動角度に応じて選択された軸方向位置および角度位置の径方向通路26と連通し、これらの径方向通路26は、シャフト14の軸方向に穿設された軸方向通路27と連通し、これらの軸方向通路27は、シャフト14の同一の軸方向位置かつ異なる角度位置に穿設された複数の径方向通路28およびスリーブ内通路29を経て、コントロールバルブ22側のポート1,2,3,4,5,6,7,8と連通する。
【0013】
図7(c)に示されるように、レバー17と反対側の端板部31およびシャフト14には、第1〜第4パターンの各パターン角度にレバー17が位置したときにシャフト14の回動を仮に位置決め係止するデテント機構32が設けられている。
【0014】
このデテント機構32は、端板部31に円錐形の凹部33が設けられ、シャフト14の軸方向通路27の1つにボール34とこのボール34を凹部33に押圧する圧縮コイルスプリング35とが設けられたもので、凹部33は、第1〜第4パターンの各パターン角度にレバー17が位置した際にボール34と嵌合するように4箇所に設けられている。なお、このデテント機構32のボール34とは反対側に、軸方向通路27を塞ぐためのボール36が配設されている。
【0015】
図12に第1〜第4パターンの切換パターンを示し、例えば第3パターンのポートHに入った油の流れを例に説明すると、リモコン弁21よりポートHの通路23に供給された油は、ケーシング12とスリーブ13間の円環状通路24に入り、この円環状通路24を通ってスリーブ13の通路25に達する。さらに、この通路25よりシャフト14内の径方向通路26および軸方向通路27を通り、シャフト14の反対側の径方向通路28に達し、さらにスリーブ内通路29を経て、ポート7よりコントロールバルブ22のパイロット圧作用部22aに達し、コントロールバルブ22のスプールを切換える。
【0016】
円環状通路24内にあるエアは、通路23から通路25への油の流れで通路26,27,28,29などを経て外部ヘ押出され、コントロールバルブ22のスプールなどに加工されたエア抜き穴(図示せず)より外部に排出される。
【0017】
ところが、ポートBのように通路23と通路25とが接近している場合は、主として円環状通路24のうち通路23・通路25間が接近した側に液流れが発生しやすく、遠回りとなる側には液流れが生じ難いので、この遠回りとなる円環状通路24内のエアは、外部へ排出され難く、残留しやすい。
【0018】
また、リモコン弁21からコントロールバルブ22への流れはスプールなどに加工されたエア抜き穴により生じるが、このエア抜き穴は、応答性の問題から大きくできず、エア抜きが即座にできるような流れは生じない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
このように、レバーパターンを容易に切換えるためにパターン切換弁10が使用されるが、このパターン切換弁10内にはエアが残留し易く、抜け難い箇所があることから、リモコン弁21・コントロールバルブ22間のエアによる応答遅れが発生することが多い。
【0020】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、パターン切換弁内のエアを排出し、応答遅れを防止することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、複数の一方の弁とこれらの一方の弁から供給されたパイロット圧液により操作される複数の他方の弁との接続関係を切換えるための複数の切換用パターン通路と、これらの切換用パターン通路の少なくともエアの残留しやすい部分を共有しその共有した通路内のエア抜きをするエア抜き用パターン通路とを具備し、エア抜き用パターン通路は、少なくとも1つの一方の弁からパイロット圧液の供給を受けて中立状態にある残りの一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることでエアを排出するものであり、切換用パターン通路からエア抜き用パターン通路への切換によって、これらが共有する通路内のエア抜きを容易にでき、残留エアによる一方の弁・他方の弁間の応答遅れを防止できるとともに、少なくとも1つの一方の弁からエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、中立状態にある残りの一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることで、エア抜き用パターン通路内のエアを確実に排出できる。
【0022】
請求項2に記載された発明は、複数の一方の弁とこれらの一方の弁から供給されたパイロット圧液により操作される複数の他方の弁との接続関係を切換えるための複数の切換用パターン通路と、これらの切換用パターン通路の少なくともエアの残留しやすい部分を共有しその共有した通路内のエア抜きをするエア抜き用パターン通路とを具備し、エア抜き用パターン通路は、一方の弁にパイロット圧液を供給するパイロットポンプの吐出ラインから分岐された別の吐出ラインより、一方の弁を経ることなくパイロット圧液の供給を受けて中立状態にある全ての一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることでエアを排出するものであり、切換用パターン通路からエア抜き用パターン通路への切換によって、これらが共有する通路内のエア抜きを容易にでき、残留エアによる一方の弁・他方の弁間の応答遅れを防止できるとともに、一方の弁にパイロット圧液を供給するパイロットポンプの吐出ラインから分岐された別の吐出ラインより、一方の弁を経ることなくエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、中立状態にある全ての一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることで、一方の弁を全く操作することなく、エア抜き用パターン通路内のエアを容易に排出できる。
【0023】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載のパターン切換弁におけるエア抜き用パターン通路が、パイロット圧液の供給を受けて中立状態にある一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることでエアを排出する一方のエア抜き用パターン通路と、複数の他方の弁にパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポートから共通のドレンポートにエアを排出する他方のエア抜き用パターン通路とを具備したパターン切換弁であり、一方のエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、中立状態にある一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることで、一方のエア抜き用パターン通路内のエアを容易に排出できるとともに、複数の他方の弁にパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポートは他方のエア抜き用パターン通路を経て共通のドレンポートに連通するから、このドレンポートよりエアを排出できる。
【0024】
請求項4に記載された発明は、請求項3記載のパターン切換弁において、一方のエア抜き用パターン通路に含まれる軸方向に設けられた一方の軸方向通路と、他方のエア抜き用パターン通路に含まれ一方の軸方向通路の延長上に設けられた他方の軸方向通路と、一方の軸方向通路と他方の軸方向通路との間を遮断する遮断体とを具備したものであり、一方の軸方向通路の延長上に他方の軸方向通路を設けることにより、これらの軸方向通路を容易に形成できるとともに、遮断体により、一方の軸方向通路と他方の軸方向通路とを遮断することで、一方のエア抜き用パターン通路から排出されるべきエアが他方のエア抜き用パターン通路に入ることを防止して、確実に排出できる。
【0025】
請求項5に記載された発明は、請求項3または4記載のパターン切換弁における一方のエア抜き用パターン通路が、複数のリモコン弁にそれぞれ連通される複数の円環状通路を含み、他方のエア抜き用パターン通路は、複数のリモコン弁から供給されたパイロット圧液によりそれぞれ操作される複数のコントロールバルブにそれぞれ連通される放射状通路を含むものであり、一方のエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、この一方のエア抜き用パターン通路から中立状態にあるリモコン弁のドレンへの液流れを生じさせることで、一方のエア抜き用パターン通路の円環状通路内に残留するエアを容易に排出できるとともに、複数のコントロールバルブにパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポートは他方のエア抜き用パターン通路の放射状通路を経て共通のドレンポートに連通するから、このドレンポートよりエアを排出でき、残留エアによるリモコン弁・コントロールバルブ間の応答遅れを防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図3を参照し、他の実施の形態を図4を参照し、さらに別の実施の形態を図5、図6を参照しながら説明する。なお、従来と同様の部分には、図7乃至図12に示されたものと同一符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
図1に示されるように、本パターン切換弁11は、従来のパターン切換弁10と同様に、第1パターン、第2パターン、第3パターンおよび第4パターンの4パターン切換構造を有するとともに、これらに加えて、エア抜きパターンを有する。
【0028】
第1パターン、第2パターン、第3パターンおよび第4パターンには、複数の一方の弁としてのリモコン弁21と、これらのリモコン弁21から供給されたパイロット圧液により操作される複数の他方の弁としてのコントロールバルブ22との接続関係を切換えるための複数の切換用パターン通路24〜29が設けられている。
【0029】
切換用パターン通路24〜29は、既に説明したようにポートA〜Hとポート1〜8との間に設けられた円環状通路24、通路25、シャフト14内の径方向通路26、軸方向通路27、径方向通路28およびスリーブ内通路29である。
【0030】
各ポートA〜Hにはリモコン弁21がそれぞれ接続されている。例えば、ポートH,Fに接続されたリモコン弁21a,21bで説明すると、これらのリモコン弁21a,21bの液供給口には、パイロットポンプ41の吐出ライン42が接続され、リモコン弁21a,21bの液排出口には、タンク43に連通するドレン通路44が接続され、リモコン弁21a,21bの液出力口は、出力ライン45a,45bを介してポートH,Fに接続されている。
【0031】
また、前記エア抜きパターンには、複数の切換用パターン通路24〜29内のエア抜きをするためのエア抜き用パターン通路が設けられている。
【0032】
このエア抜き用パターン通路は、少なくとも1つのリモコン弁21aからパイロット圧液の供給を受けて中立状態にある残りのリモコン弁21bのドレン通路44への液流れを生じさせることでエアを排出する一方のエア抜き用パターン通路24,46,47と、複数のコントロールバルブ22にパイロット圧液を供給するポート1〜8から、ケーシング12に設けられた共通のドレンポート50にエアを排出する他方のエア抜き用パターン通路51〜54である。
【0033】
一方のエア抜き用パターン通路24,46,47は、図2に示されるように、複数のリモコン弁21にポートA〜Hを介してそれぞれ連通される複数の円環状通路24と、これらの円環状通路24にそれぞれ連通されスリーブ13およびシャフト14の径方向に設けられた複数の径方向通路46と、これらの径方向通路46を連通するためにシャフト14の中心部に軸方向に設けられた一方の軸方向通路47とで構成されている。
【0034】
円環状通路24は、従来例の説明で述べたようにエアが残留しやすい部分であるとともに、切換用パターン通路24〜29とエア抜き用パターン通路24,46,47とが共有する通路であり、この円環状通路24がエア抜きの主たる対象通路となる。
【0035】
他方のエア抜き用パターン通路51〜54は、複数のコントロールバルブ22のパイロット圧作用部22aにそれぞれ連通された各ポート1〜8の内側に放射状に設けられた放射状通路51と、これらの放射状通路51の中心部に位置するとともに一方の軸方向通路47の延長上に設けられた他方の軸方向通路52と、この軸方向通路52からシャフト14の径方向に設けられた通路53と、この通路53を前記ドレンポート50に連通するスリーブ13の通路54とで構成されている。
【0036】
一方の軸方向通路47と他方の軸方向通路52は、同軸上に穿設されているが、一方の軸方向通路47より他方の軸方向通路52は小径に形成され、その異径段部にプラグなどの遮断体55が嵌着され、この遮断体55により、軸方向通路47,52間が遮断されている。遮断体55の外周面には、Oリング56が嵌着され、軸方向通路47,52間の液流通が防止されている。
【0037】
このように、エア抜きパターンでは、リモコン弁21側の全ポートA,B,C,D,E,F,G,Hが、ケーシング12・スリーブ13間の円環状通路24、シャフト14内の径方向通路46および軸方向通路47により相互に連通する。同様に、エア抜きパターンでは、コントロールバルブ22側の全ポート1,2,3,4,5,6,7,8が、通路51〜54によりドレンポート50と連通する。
【0038】
図2は、パターン切換弁におけるエア抜きパターン時の液流れ状態を示したもので、(a)は、ポートH断面部における液流れ状態を示し、(b)は、ポートD断面部における液流れ状態を示し、(c)は、ポートF断面部における液流れ状態を示し、(d)は、ポートB断面部における液流れ状態を示し、(e)は、ポートE断面部における液流れ状態を示し、(f)は、ポートC断面部における液流れ状態を示し、(g)は、ポートG断面部における液流れ状態を示し、(h)は、ポートA断面部における液流れ状態を示し、(i)は、ポート1〜8断面部における液流れ状態を示す。
【0039】
図3に示されるように、シャフト14の一端軸部16に半径方向にレバー17が嵌着され、このレバー17に軸方向に挿脱可能の蝶ボルト18が挿入され、この蝶ボルト18の先端部がケーシング12の端板部15の4方向角度位置にそれぞれ設けられたねじ穴19の1つに螺入される。
【0040】
これらのねじ穴19が設けられた4方向角度位置が第1パターン位置、第2パターン位置、第3パターン位置、第4パターン位置に相当するが、これらのパターン位置とは別のエア抜きパターン位置を図3(b)に示す。
【0041】
このエア抜きパターン位置までレバー17を回動してシャフト14を回動した場合の各ポート部断面が図2となる。
【0042】
次に、図1乃至図3に示された実施の形態の作用を説明する。
【0043】
例えばポートHに接続されたリモコン弁21aを操作して、パイロットポンプ41から吐出ライン42に加圧供給されたパイロット液をポートHに導くと、そのパイロット液は、図2(a)に示されるように円環状通路24、径方向通路46を経て軸方向通路47に入り、さらに、図2(b)〜(h)に示される別の径方向通路46を経て別の円環状通路24に入り、これらの円環状通路24からポートA〜Gに至り、これらのポートA〜Gにそれぞれ接続された中立状態にある残りのリモコン弁21bを経てドレン通路44からタンク43に戻る。
【0044】
すなわち、操作されたリモコン弁21aから一方のエア抜き用パターン通路24,46,47,46,24にパイロット圧液を供給して、この一方のエア抜き用パターン通路24,46,47,46,24から、中立状態にある残りのリモコン弁21bのドレン通路44への液流れを生じさせることで、一方のエア抜き用パターン通路24,46,47,46,24中の円環状通路24内に残留するエアを外部に容易に排出でき、この残留エアによるリモコン弁21・コントロールバルブ22間の応答遅れを防止できる。
【0045】
このとき、複数のコントロールバルブ22にパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポート1〜8は、他方のエア抜き用パターン通路51〜54を経て共通のドレンポート50に連通されるから、このドレンポート50よりエアを排出できる。
【0046】
また、一方の軸方向通路47の延長上に他方の軸方向通路52を設けることにより、これらの軸方向通路47,52を容易に形成できるとともに、遮断体55により、一方の軸方向通路47と他方の軸方向通路52とを遮断することで、一方のエア抜き用パターン通路24,46,47,46,24から排出されるエアが他方のエア抜き用パターン通路51〜54に入ることを防止して、残留エアの排出が特に困難であった円環状通路24から残留エアを確実に排出できる。
【0047】
このように、仮にポートHのリモコン弁21aを作動させると、パイロット圧液は、ポートHからシャフト14内の通路46,47を経て他のポートA〜Gへ流れるが、これらのポートA〜Gは、中立状態にあるリモコン弁21bのドレン通路44に通じており、パターン切換弁11内のエア、特に従来の構造では外部に排出され難い円環状通路24内のエアを、中立状態にあるリモコン弁21bからドレンに排出できる。
【0048】
その際、図2(d)に示されるポートBのように、通路23と通路25とが接近している場合でも、ポートBの反対側に設けられた径方向通路46から2つに分かれた円環状通路24にほぼ等しい液量が流れるので、円環状通路24のどこにあるエアも、液とともにポートBより排出され、円環状通路24内に残留しない。
【0049】
このように、図12に示された第1パターン〜第4パターンの切換用パターン通路24〜29から、図2に示されたエア抜きパターンのエア抜き用パターン通路24,46,47,46,24および51〜54への切換によって、切換用の第1〜第4パターンとエア抜きパターンの両方で共有する円環状通路24内のエア抜きを容易にでき、円環状通路24内に残留するエアによるリモコン弁21・コントロールバルブ22間の応答遅れを防止できる。
【0050】
次に、図4に示された実施の形態は、パターン切換弁11における一方のエア抜き用パターン通路24,46,47の構造は図1乃至図3に示されたものと同様であるが、リモコン弁 21 にパイロット圧液を供給するパイロット圧源としてのパイロットポンプ41の吐出ライン 42 から分岐された別の吐出ラインより、リモコン弁 21 を経ることなく軸方向通路47にパイロット圧液の供給を受けて、全ポートA〜Hに接続された全てのリモコン弁21a,21bが中立状態にあっても、それらのリモコン弁21a,21bのドレン通路44への液流れを生じさせる点で、図1乃至図3に示されたものと異なる。
【0051】
また、複数のコントロールバルブ22にパイロット圧液を供給するポート1〜8から共通のドレンポート50にエアを排出する他方のエア抜き用パターン通路51〜54は、図1乃至図3に示されたものと同一である。
【0052】
そして、リモコン弁 21 にパイロット圧液を供給するパイロットポンプ41の吐出ライン 42 から分岐された別の吐出ラインより、リモコン弁 21 を経ることなく一方のエア抜き用パターン通路47,46,24にパイロット圧液を供給して、中立状態にある全てのリモコン弁21a,21bのドレン通路44への液流れを生じさせることで、リモコン弁21a,21bを全く操作することなく、一方のエア抜き用パターン通路47,46,24内のエアを容易に排出できる。このとき、複数のコントロールバルブ22にパイロット圧液をそれぞれ供給するポート1〜8は他方のエア抜き用パターン通路51〜54を経て共通のドレンポート50に連通するから、このドレンポート50よりエアを排出できる。
【0053】
要するに、図4に示された実施の形態は、図1乃至図3に示された構造および機能に加え、リモコン弁21側の各ポートA,B,C,D,E,F,G,Hに連通する軸方向通路47に、パイロット圧源としてのパイロットポンプ41を、リモコン弁 21 を経ることなく接続し、これにより、パイロットポンプ41からシャフト14内の軸方向通路47にパイロット圧液を直接導入するものであり、この場合、パターン切換弁11を第1〜第4の切換用パターンからエア抜きパターンにするだけで、パターン切換弁11内のエア、特に切換用パターン通路24〜29とエア抜き用パターン通路47,46,24が共有する円環状通路24内のエアを確実に排出できる。
【0054】
次に、図5に示された実施の形態は、図1に示された実施の形態の変形例であり、また、図6に示された実施の形態は、図4に示された実施の形態の変形例である。
【0055】
これらの図5および図6に示された実施の形態は、共に、エア抜きパターンでポート1〜8をブロックする場合を示し、図1および図4に示された、エアが残留しやすい円環状通路24内のエアを外部へ排出するための一方のエア抜き用パターン通路24,46,47を生かすとともに、他方のエア抜き用パターン通路51〜54を廃止したものである。これらの図5および図6において、図1および図4と同様の部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
なお、本発明は、油圧ショベルのみに限定されるものではなく、油圧シリンダなどの液圧アクチュエータにより作動される作業機に広く適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、切換用パターン通路からエア抜き用パターン通路への切換によって、これらが共有する通路内のエア抜きを容易にでき、残留するエアによる一方の弁・他方の弁間の応答遅れを防止できるとともに、少なくとも1つの一方の弁からエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、中立状態にある残りの一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることで、エア抜き用パターン通路内のエアを確実に排出できる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、切換用パターン通路からエア抜き用パターン通路への切換によって、これらが共有する通路内のエア抜きを容易にでき、残留するエアによる一方の弁・他方の弁間の応答遅れを防止できるとともに、一方の弁にパイロット圧液を供給するパイロットポンプの吐出ラインから分岐された別の吐出ラインより、一方の弁を経ることなくエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、中立状態にある全ての一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることで、一方の弁を全く操作することなく、エア抜き用パターン通路内のエアを容易に排出できる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、一方のエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、中立状態にある一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることで、一方のエア抜き用パターン通路内のエアを容易に排出できるとともに、複数の他方の弁にパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポートは他方のエア抜き用パターン通路を経て共通のドレンポートに連通するから、このドレンポートよりエアを排出できる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、一方の軸方向通路の延長上に他方の軸方向通路を設けることにより、これらの軸方向通路を容易に形成できるとともに、遮断体により、一方の軸方向通路と他方の軸方向通路とを遮断することで、一方のエア抜き用パターン通路から排出されるべきエアが他方のエア抜き用パターン通路に入ることを防止して、確実に排出できる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、一方のエア抜き用パターン通路にパイロット圧液を供給して、この一方のエア抜き用パターン通路から中立状態にあるリモコン弁のドレンへの液流れを生じさせることで、一方のエア抜き用パターン通路の円環状通路内に残留するエアを容易に排出できるとともに、複数のコントロールバルブにパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポートは他方のエア抜き用パターン通路の放射状通路を経て共通のドレンポートに連通するから、このドレンポートよりエアを排出でき、残留エアによるリモコン弁・コントロールバルブ間の応答遅れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係るパターン切換弁の一実施の形態を示す断面図、(b)はその回路図である。
【図2】 同上パターン切換弁のエア抜きパターンにおける各断面部の説明図であり、(a)は、ポートH断面部、(b)は、ポートD断面部、(c)は、ポートF断面部、(d)は、ポートB断面部、(e)は、ポートE断面部、(f)は、ポートC断面部、(g)は、ポートG断面部、(h)は、ポートA断面部、(i)は、ポート1〜8断面部における液流れ状態を示す。
【図3】 (a)は同上パターン切換弁の正面図、(b)はそのレバー側の側面図である。
【図4】 (a)は本発明に係るパターン切換弁の他の実施の形態を示す断面図、(b)はその回路図である。
【図5】 (a)は図1に示された実施の形態の変形例を示す断面図、(b)はその回路図である。
【図6】 (a)は図4に示された実施の形態の変形例を示す断面図、(b)はその回路図である。
【図7】 (a)は従来のパターン切換弁を示す正面図、(b)はそのレバー側の側面図、(c)は(a)のc−c線断面図である。
【図8】 従来のパターン切換弁の回路図および回路組合せ表を示した説明図である。
【図9】 (a)は従来のパターン切換弁のケーシングを示す正面図、(b)はその左側面図、(c)はその右側面図、(d)は(b)のd−d線断面図である。
【図10】 (a)は従来のパターン切換弁のスリーブを示す正面図、(b)はその右側面図、(c)は(b)のc−c線断面図、(d)は(b)のd−d線断面図、(e)は(b)のe−e線断面図、(f)は(b)のf−f線断面図である。
【図11】 (a)は従来のパターン切換弁のシャフトを示す正面図、(b)はその右側面図、(c)は(b)のc−c線断面図、(d)は(b)のd−d線断面図、(e)は(b)のe−e線断面図、(f)は(b)のf−f線断面図である。
【図12】 従来のパターン切換弁の切換パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
A〜H ポート
1〜8 ポート
11 パターン切換弁
21 一方の弁としてのリモコン弁
22 他方の弁としてのコントロールバルブ
24〜29 切換用パターン通路
24,46,47 一方のエア抜き用パターン通路
24 円環状通路
47 一方の軸方向通路
50 ドレンポート
51〜54 他方のエア抜き用パターン通路
51 放射状通路
52 他方の軸方向通路
55 遮断体
Claims (5)
- 複数の一方の弁とこれらの一方の弁から供給されたパイロット圧液により操作される複数の他方の弁との接続関係を切換えるための複数の切換用パターン通路と、
これらの切換用パターン通路の少なくともエアの残留しやすい部分を共有しその共有した通路内のエア抜きをするエア抜き用パターン通路とを具備し、
エア抜き用パターン通路は、
少なくとも1つの一方の弁からパイロット圧液の供給を受けて中立状態にある残りの一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることでエアを排出する
ことを特徴とするパターン切換弁。 - 複数の一方の弁とこれらの一方の弁から供給されたパイロット圧液により操作される複数の他方の弁との接続関係を切換えるための複数の切換用パターン通路と、
これらの切換用パターン通路の少なくともエアの残留しやすい部分を共有しその共有した通路内のエア抜きをするエア抜き用パターン通路とを具備し、
エア抜き用パターン通路は、
一方の弁にパイロット圧液を供給するパイロットポンプの吐出ラインから分岐された別の吐出ラインより、一方の弁を経ることなくパイロット圧液の供給を受けて中立状態にある全ての一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることでエアを排出する
ことを特徴とするパターン切換弁。 - エア抜き用パターン通路は、
パイロット圧液の供給を受けて中立状態にある一方の弁のドレンへの液流れを生じさせることでエアを排出する一方のエア抜き用パターン通路と、
複数の他方の弁にパイロット圧液をそれぞれ供給する複数のポートから共通のドレンポートにエアを排出する他方のエア抜き用パターン通路と
を具備したことを特徴とする請求項1または2記載のパターン切換弁。 - 一方のエア抜き用パターン通路に含まれる軸方向に設けられた一方の軸方向通路と、
他方のエア抜き用パターン通路に含まれ一方の軸方向通路の延長上に設けられた他方の軸方向通路と、
一方の軸方向通路と他方の軸方向通路との間を遮断する遮断体と
を具備したことを特徴とする請求項3記載のパターン切換弁。 - 一方のエア抜き用パターン通路は、複数のリモコン弁にそれぞれ連通される複数の円環状通路を含み、
他方のエア抜き用パターン通路は、複数のリモコン弁から供給されたパイロット圧液によりそれぞれ操作される複数のコントロールバルブにそれぞれ連通される放射状通路を含む
ことを特徴とする請求項3または4記載のパターン切換弁。
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