JP3930463B2 - 突き上げピンおよび半導体製造装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置のダイボンディング装置に係わり、接着シ−トに貼着された半導体素子を接着シ−トの裏面からピンで突き上げて、半導体素子を接着シ−トから剥離させる半導体製造装置に関する。
半導体装置の製造工程において、半導体基板より切断された半導体素子をリ−ドフレ−ム上へ接着する工程をダイボンディングという。図25に従来のダイボンディング装置を示す。
ダイボンディング装置は主に、半導体素子を1つ取り上げる部分、取り上げた半導体素子をリ−ドフレ−ム上へ移送する部分、リ−ドフレ−ムを搬送する部分より構成される。
半導体素子を取り上げる部分は、半導体素子の切断が終了した半導体基板1を接着シ−トに貼着された状態で固定するウェハリング2と、ウェハリング2を移動するXYテ−ブル3と、XYテ−ブル上のカメラ4と、XYテ−ブル下に設置され、半導体素子を接着シ−トの裏面からピンで突き上げて半導体素子を接着シ−トから剥離させる素子突き上げ装置30から構成される。
半導体素子をリ−ドフレ−ム上へ移送する部分は、接着シ−トから剥離された半導体素子を取り上げて位置修正ステ−ジ11へ移送する素子吸着ヘッド10と、半導体素子の位置を修正する位置修正ステ−ジ11と、半導体素子をコレット12により支持して位置修正ステ−ジ11からリ−ドフレ−ム上に移送するボンディングヘッド部8を有する。
リ−ドフレ−ムを搬送する部分は、リ−ドフレ−ムを供給するリ−ド供給部5と、リ−ドフレ−ム搬送部6と、リ−ドフレ−ム上に接着剤を供給するペ−スト供給部7と、リ−ドフレ−ム収納部9により構成される。
半導体素子を取り上げる部分について、図26および図27を用いてさらに詳しく説明する。図26の(a)は、素子突き上げ装置30上の半導体基板1の上面拡大図、図26の(b)は図26の(a)におけるA−A´断面図、図27は素子突き上げ装置30の動作を示す断面図である。
素子突き上げ装置30は、バックアップホルダ15、突き上げピン17、ピンホルダ19、ピンホルダ駆動装置31、制御装置32、真空装置20から構成される。
バックアップホルダ15は上面に貫通する穴18を有する真空チャンバで、この真空チャンバに接続されている真空装置20によりバキュ−ム吸引して、バックアップホルダ15の上面上の接着シ−ト14を固定する。接着シ−ト14上には、半導体素子13が貼着されている。バックアップホルダ15の真空チャンバには、突き上げピン17を複数本設置することができるピンホルダ19が挿入されていて、このピンホルダ19は駆動装置31により上下方向に移動する。制御装置32は、駆動装置31の上下駆動を制御する。
図27に示すように、ピンホルダ19の上昇により、突上げピン17はバックアップホルダ15の上面に貫通する穴18を通って、接着シ−ト14上の半導体素子13を持ち上げる(図27の(b))。一方、接着シ−ト14はバキュ−ム吸引によりバックアップホルダ15に固定されているため、半導体素子13が接着シ−ト14より剥離し、素子吸着ヘッド10により取り上げられる(図27の(c))。この後、ピンホルダ19は下降し、バキュ−ム吸引は解除される。XYステ−ジ3の移動により、新たな半導体素子13´がバックアップホルダ15上に移動され、再びバキュ−ム吸引により接着シ−ト14はバックアップホルダ15に固定される(図27の(d))。
一般に、半導体素子13と接着シ−ト14との接着力は、接着シ−ト14の接着剤の特性や、半導体素子13の面積に依存する。しかし、上述の従来の素子突き上げ装置30では、これらに関係なく、突上げピン17の先端部の形状、移動高さ、移動速度、および真空吸引圧力等の条件が常に一定である。
近年、特に半導体素子13の面積の大型化に伴い、半導体素子13と接着シ−ト14との接着力が増大し、従来のような一定の条件下では半導体素子13を接着シ−ト14から剥離することが困難になっている。
このため、半導体素子13を接着シ−ト14から剥離するために、突き上げピン17は非常に大きい力で半導体素子13を突上げる必要がある。このような加圧により、接着シ−ト14の接着剤と接着シ−ト14との間の接着力よりも半導体素子13の裏面との間の接着力の方が大きくなり、接着シ−ト14から剥離された半導体基板13の裏面に接着剤が残ったり、または接着シ−ト14が破れて半導体基板13の裏面に残ってしまうという問題が発生する。
この現象を、図を用いてさらに詳しく説明する。図28は、従来の素子突き上げ装置30の突き上げピン17の側面図である。突き上げピン17は、ピンホルダ19に嵌め込む円筒型の部分17aと円錐型の繋ぎ部分17b、さらに曲率半径Rの球面を有する突端部分17cから成る。また、これらの中心軸を通るように切断された断面において、突端部分17cの球面が形成する扇形の円周角θは180℃より小さい。図29は、突き上げピン17が半導体素子13を突き上げる様子を示す拡大図である。突き上げピン17は接着シ−ト14および接着剤23を引き伸ばすように半導体素子13を突き上げる。図中、Aゾ−ンでは、接着シ−ト14と接着剤23が、突き上げピン17の突端部分17cと半導体素子13の裏面とにより挟まれているため、接着シ−ト14と接着剤23は伸びにくい。これに対して、Bゾ−ンでは、半導体素子13の裏面に接していないため、Aゾ−ンに比べて容易に伸びる。このように接着シ−ト14と接着剤23は、Aゾ−ンとBゾ−ンにおいて均等に伸びることができない。これに起因して、特に突端部分17cと円錐型の繋ぎ部分17bの境界線S上では、図29に示すように、接着シ−ト14および接着剤23が非常に薄くなる。このため、接着剤23間の結合または接着剤23と接着シ−ト14との間の結合が弱まり、接着力が低下する。このようにして、境界線S上において、Aゾ−ンの接着剤23がBゾ−ンから切断されて半導体素子13の裏面に接着したり、または接着シ−ト14が破断して接着剤23により半導体素子13の裏面に接着したりする。
このように、裏面に接着剤や接着シ−ト14が残っている状態の半導体素子13をプラスチックパッケ−ジに収納した場合、回路基板に実装する時の熱応力により、パッケ−ジに亀裂が生じて、不良の原因となる。特に、近年多く用いられるようになったLOC(Lead On Chip)構造のように、半導体素子の裏面が封止樹脂に直接覆われる構造のパッケ−ジでは、亀裂が発生しやすい。
さらに、突き上げピン17に荷重される力が増大するために、接着シ−ト14を突上げピン17が突き破ってしまうという問題が発生している。
突上げピン17が接着シ−ト14を突き破ると、突上げピン17の先端部が半導体装置13の裏面に直接接触するが、前述のように突上げピン17の先端部に大きい力が加わっているため、半導体装置13の裏面に突上げピン17の跡や、傷、亀裂等のダメ−ジが発生する。
このような裏面にダメ−ジを有する半導体素子13をプラスチックパッケ−ジに収納した場合、回路基板に実装する時の熱応力により、半導体素子13に亀裂が生じて、不良の原因となる。裏面にダメ−ジを有する半導体素子13と有しない半導体装置13をそれぞれプラスチックパッケ−ジに収納し、赤外線加熱により半田付けを行い、回路基板に実装した後の不良率を比べた場合、裏面にダメ−ジを有しない半導体素子では、139素子中1つも不良が発生しなかったが、裏面にダメ−ジを有する半導体素子では550素子中10素子の不良が発生した。このように、裏面にダメ−ジを有する半導体素子13は明らかに不良率が高い。
さらに、従来の素子突き上げ装置30では、接着シ−ト14が破れた後もそのまま作業を続ける。この時、バックアップホルダ15は、図26の(a)に点線で示すように、突き上げ動作の対象となる半導体素子13のみでなく、前回の突き上げ動作により半導体素子13がすでに剥離され取り上げられた領域まで広い範囲に渡って接着シ−ト14をバキュ−ム吸引する。このため、前回の突き上げ動作により接着シ−ト14が破断してしまっていると、その破断した部分もバキュ−ム吸引することになるため、接着シ−ト14の破断部分からリ−クして充分に圧力を低下させることができないため、接着シ−ト14を固定することができなくなる。これにより、半導体素子13を接着シ−トから剥離することができないという問題を生じる。
また、突上げピン17が接着シ−ト14を突き破った時に、突上げピン17の先端部が強い力で半導体装置13の裏面に直接接触することにより、突上げピン17の先端部を破損する場合がある。この時にも、従来の素子突き上げ装置30はそのまま作業を続けるため、破損した突き上げピン17の先端部により、さらに接着シ−トを破り、半導体素子13の裏面にダメ−ジを与え続けてしまう。
このように、従来の素子突き上げ装置30では、ある纏まった単位(1ロット)の半導体素子のダイボンディングが終了した後に、初めて接着シ−ト14の破断が発見されるため、このような接着シ−トの破断を発見した時にはすでに多量の不良品を発生させているという問題がある。
このように、従来の素子突き上げ装置では、接着シ−ト14の接着剤の特性や、半導体素子13の面積に関係なく、突上げピン17の先端部の形状、移動高さ、移動速度、および真空吸引圧力等の条件が常に一定であった。
このため、特に半導体素子の大型化に伴い、突き上げピンに荷重される力が増大することにより、半導体素子の裏面に接着シ−トの接着剤が残存したり、接着シ−トが破断して半導体素子の裏面に残存していた。また、突上げピン17が接着シ−トを突き破って半導体素子の裏面に傷や亀裂等のダメ−ジを発生させていた。
このように、裏面に接着シ−トが残存したり、裏面にダメ−ジを有する半導体素子を樹脂封止した半導体装置は、樹脂や半導体素子に亀裂が発生するという問題があった。
さらに、従来の素子突き上げ装置では、接着シ−トが破れた後も作業を続けていたため、接着シ−トをバキュ−ム吸引して固定することができず、半導体素子を接着シ−トから剥離することができないという問題があった。
また、従来の素子突き上げ装置30では、ある纏まった単位(1ロット)の半導体素子の処理が終了した後に、初めて接着シ−ト14の破断が発見されるため、このような接着シ−トの破断を発見した時にはすでに多量の不良品を発生させているという問題があった。
本発明の第1の目的は、突き上げピンを用いて接着シ−トより半導体素子を剥離する時に、半導体素子の裏面に接着剤等が残存せず、また接着シ−トの破断を防止することにより、半導体装置の不良の発生を防止することができる突き上げピンを提供することである。
また、本発明の第2の目的は、突き上げピンを用いて接着シ−トより半導体素子を剥離する時に、半導体素子の裏面にダメ−ジを与える等の不良の発生を防止し、さらに、突き上げピンが接着シ−トを突き破った場合には、それ以上の多量の不良品の発生を防止することができる半導体製造装置を提供することである。
さらに、本発明の第3の目的は、突き上げピンを用いて接着シ−トより半導体素子を剥離する時に、半導体素子の裏面にダメ−ジを与える等の不良の発生を防止し、突き上げピンが接着シ−トを突き破った場合に、接着シ−トの破断を検知して、それ以上の多量の不良品の発生を防止することができる半導体装置の製造方法を提供することである。
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明による突き上げピンは、接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用され、前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなる手段を有することを特徴とする。
また、本発明による突き上げピンは、接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用され、その先端は半球以上の球形状を有することを特徴とする。
また、本発明による半導体製造装置は、接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離し、前記突き上げピンは前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなる手段を有することを特徴とする。
さらに、本発明による半導体製造装置は、接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離し、前記突き上げピンの先端は半球以上の球形状を有することを特徴とする。
また、本発明による半導体製造装置は、半導体素子が接着剤により貼着された接着シ−トを真空吸引により固定し、前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて、前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離し、前記突き上げピンは前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなる手段を有し、前記半導体製造装置は前記真空吸引の圧力を測定する手段と、この圧力測定手段の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明による半導体製造装置は、接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記接着シ−トより剥離し、前記突き上げピンは前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなる手段を有し、前記半導体製造装置は前記突き上げピンに加わる荷重を測定する手段と、この荷重測定手段の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明による半導体製造装置は、接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記接着シ−トより剥離し素子吸着ヘッドにより前記素子を取り上げ、前記突き上げピンは前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなる手段を有し、前記半導体製造装置は、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間に電圧を印加する手段と、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間の導通電流を測定する手段と、この電流測定手段の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明による半導体装置の製造方法は、半導体素子が接着剤により貼着された接着シ−トを真空吸引により固定し、前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなるように、前記接着シ−トの裏面から前記半導体素子を突き上げピンにより突き上げる際に、真空吸引の圧力を測定し、この測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御することを特徴とする。
また、半導体装置の製造方法は、接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を、前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなるように、前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げる際に、前記突き上げピンに加わる荷重を測定し、この荷重の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御することを特徴とする。
さらに、本発明による半導体装置の製造方法は、接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から、前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなるように、突き上げピンにより突き上げて前記接着シ−トより剥離し、素子吸着ヘッドにより前記素子を取り上げる際に、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間に電圧を印加して、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間の導通電流を測定し、この測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御することを特徴とする。
このように、本発明による突き上げピンは、半導体素子を接着シ−トの裏面から突き上げる時に接着シ−トおよび接着剤が均一の厚さとなる手段を有するため、接着剤および接着シ−トが従来のように不均等に引き伸ばされることにより発生する接着剤間の結合または接着剤と接着シ−トとの間の結合の低下がないため、接着剤が半導体素子の裏面に残存したり、接着シ−トが破断することを防止することができる。
また、本発明による突き上げピンは、その先端が半球以上の球形状であるため、半導体素子を接着シ−トの裏面から突き上げる時に接着シ−トおよび接着剤が突き上げピンの突端部の形状に沿って球面状に均等に引き伸ばされる。これにより、接着剤および接着シ−トが従来のように不均等に引き伸ばされることにより発生する接着剤間の結合または接着剤と接着シ−トとの間の結合の低下がないため、接着剤が半導体素子の裏面に残存したり、接着シ−トが破断することを防止することができる。
また、本発明の半導体製造装置は、半導体素子を接着シ−トの裏面から突き上げる時に接着シ−トおよび接着剤が均一の厚さとなる手段を有する突き上げピンを具備するため、前述の理由により、接着剤が半導体素子の裏面に残存したり、接着シ−トが破断することを防止することができる。
さらに本発明の半導体製造装置は、その先端が半球以上の球形状である突き上げピンを具備するため、前述の理由により接着剤が半導体素子の裏面に残存したり、接着シ−トが破断することを防止することができる。
このように、本発明による突き上げピンおよび半導体製造装置では、半導体素子の裏面に接着剤または接着シ−ト等の異物が貼着することを防止できるため、半導体素子を樹脂封止して半導体装置を製造した後に、半導体素子の裏面に貼着しているこれらの異物が原因となり、樹脂に亀裂が生じるという問題を防止することができる。
さらに、本発明による突き上げピンおよび半導体製造装置では、接着シ−トが均一の厚さとなるように引き伸ばされるため、従来に比べてより大きい荷重力まで接着シ−トが破断しないことにより、突上げピンが接着シ−トを突き破って半導体素子の裏面に傷や亀裂等のダメ−ジを発生させることはない。したがって、半導体素子を樹脂封止して半導体装置を製造した後に、半導体素子の裏面のダメ−ジが原因となり、半導体素子に亀裂が生じるという問題を防止することができる。
また、本発明による半導体製造装置では、前述の突き上げピンを具備し、さらに、真空吸引の圧力を測定する手段を具備するため、圧力の測定値の低下により接着シ−トの破断を検知し、装置の停止し接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。
このため、接着シ−トが破れた状態で作業を続けることにより、接着シ−トの破断した箇所より空気が漏れて接着シ−トを真空吸引して固定することができず、半導体素子を接着シ−トから剥離することができないという問題を回避することができる。
さらに、接着シ−トの破断が、ある纏まった単位(1ロット)の半導体素子の処理が終了した後ではなく、個々の半導体素子の処理ごとに検知できるため、多量の不良品の発生を回避することができる。
また、本発明による半導体製造装置は、前述の突き上げピンを具備し、さらに、突き上げピンに加わる荷重を測定する手段を具備するため、荷重の測定値の低下により接着シ−トの破断を検知し、装置の停止し接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。
このため、前述の吸引圧力の測定手段を具備する場合と同様に、接着シ−トが破れた状態で作業を続けることにより、半導体素子を接着シ−トから剥離することができないという問題や、多量の不良品が発生するという問題を回避することができる。
さらに、本発明による半導体製造装置は、前述の突き上げピンを具備し、さらに、素子吸着ヘッドと突き上げピンとの間に電圧を印加する手段と、この素子吸着ヘッドと突き上げピンとの間の導通電流を測定する手段と、この電流測定手段の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する制御手段とを具備するため、接着シ−トが破断した場合に、装置を停止して、接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。
このため、接着シ−トが破れた状態で作業を続けることにより、半導体素子を接着シ−トから剥離することができないという問題や、多量の不良品が発生するという問題を回避することができる。
また、本発明による半導体装置の製造方法は、接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなるように、前記接着シ−トの裏面から前記半導体素子を突き上げピンにより突き上げるため、接着剤が半導体素子の裏面に貼着したり接着シ−トが破断することを防止することができ、半導体装置の不良の発生を防止することができる。
さらに、真空吸引の圧力を測定し、この測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する本発明による半導体装置の製造方法は、接着シ−トが破断した場合に、真空吸引の圧力の低下を検知して突き上げ動作を停止することにより、接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。
また、突き上げピンに加わる荷重を測定し、この荷重の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する本発明による半導体装置の製造方法は、接着シ−トが破断した場合に、荷重の測定値が変化することを検知して突き上げ動作を停止することにより、接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。
さらに、素子吸着ヘッドにより半導体素子を取り上げる際に、素子吸着ヘッドと突き上げピンとの間に電圧を印加して、この素子吸着ヘッドと突き上げピンとの間の導通電流を測定し、この測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する本発明による半導体装置の製造方法は、接着シ−トが破断した場合に、素子吸着ヘッドと突き上げピンとの間に導通電流が流れることを検知して突き上げ動作を停止することにより、接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。
以上のように、本発明による半導体装置の製造方法では、いずれの場合にも、接着剤が半導体素子の裏面に貼着したり接着シ−トが破断することを防止することができ、半導体装置の不良の発生を防止することができる。さらに、接着シ−トが破断した場合には、この破断を検知して突き上げ動作を停止するため、接着シ−トが破れた状態で作業を続けることにより、半導体素子を接着シ−トから剥離することができないという問題や、多量の不良品が発生するという問題を回避することができる。
本発明による突き上げピンによれば、接着シ−トより半導体素子を剥離する時に、半導体素子の裏面に接着剤等が残存せず、また接着シ−トの破断を防止することができるため、半導体装置の不良の発生を防止することができる。
また、本発明による半導体製造装置では、突き上げピンを用いて接着シ−トより半導体素子を剥離する時に、半導体素子の裏面にダメ−ジを与える等の不良の発生を防止し、さらに、突き上げピンが接着シ−トを突き破った場合には、それ以上の多量の不良品が発生することを防止することができる。
さらに、本発明による半導体装置の製造方法では、突き上げピンを用いて接着シ−トより半導体素子を剥離する時に、半導体素子の裏面にダメ−ジを与える等の不良の発生を防止し、さらに、突き上げピンが接着シ−トを突き破った場合に、接着シ−トの破断を検知して、それ以上の多量の不良品の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明による第1および第2の実施の形態は、突き上げピンの先端部の形状を改良して、接着シ−トの破断を防止するものである。
図1に本発明の第1の実施の形態による素子突き上げ装置30を示す。図1の(a)は本発明の実施の形態による素子突き上げ装置30の上面図、図1の(b)は図1の(a)におけるA−A´断面図である。図26に示す従来の素子突き上げ装置と同様に、本実施の形態による素子突き上げ装置30は、バックアップホルダ15、突き上げピン27、ピンホルダ19、ピンホルダ駆動装置31、制御装置32、真空装置20から構成される。
従来と同様に、バックアップホルダ15は上面に貫通する穴18を有する真空チャンバで、この真空チャンバに接続されている真空装置20によりバキュ−ム吸引して、バックアップホルダ15の上面上の接着シ−ト14を固定する。接着シ−ト14上には、半導体素子13が貼着されている。バックアップホルダ15の真空チャンバには、突き上げピン27を複数本設置することができるピンホルダ19が挿入されていて、このピンホルダ19は駆動装置31により上下方向に移動する。
ここで、突き上げピン27は、従来と異なり、球状の先端部27cを有している。この形状については、後に詳しく説明する。
図2に、本実施の形態による素子突き上げ装置30の動作を示す。従来と同様に、ピンホルダ19の上昇に伴い、突き上げピン27はバックアップホルダ15の上面に形成された穴18を通過して、接着シ−ト14と半導体素子13を突き上げる(図2の(b))。一方、接着シ−ト14はバキュ−ム吸引によりバックアップホルダ15に固定されているため、半導体素子13が接着シ−ト14より剥離し、素子吸着ヘッド10により取り上げられる(図2の(c))。この後、ピンホルダ19は下降し、バキュ−ム吸引は解除される(図2の(d))。
本発明の第1の実施の形態による突き上げピン27の形状を、図3を用いてさらに詳しく説明する。図3は、突き上げピン27の拡大側面図である。図3の(a)に示すように、本発明の第1の実施の形態による突き上げピン27は、球状の突端部分27cと例えば円柱型のベ−ス部分27aとから構成される。
突端部分27cとベ−ス部分27aとは、例えば突端部分27cに凹部を設け、ベ−ス部分にはこの突端部分の凹部に嵌合する凸部を形成して、これらを嵌合し接着剤を用いて接合することができる。
また、突端部分27cは必ずしも球状である必要はなく、例えば、図3の(b)に示すように、半球状でも構わない。
また、図3の(c)乃至(d)に示すように、ピンホルダ19に嵌め込む円柱型のベ−ス部分27aと球状の突端部分27cとの間に円柱型、円錐型等様々な形状を有する繋ぎ部分27bを形成することも可能である。
さらに、ベ−ス部分27aあるいは繋ぎ部分27bの断面はかならずしも円型である必要はなく、三角形、四角形等の多角形、楕円形、等どのような形状でも構わない。ただし、バックアップホルダ15の貫通穴18を通ってバックアップホルダ15の上面より高くまで上昇する部分は、突き上げピン27の移動方向に投影した時に突端部分27cの球により形成される円の内側に存在する必要がある。
このように、本実施の形態では、突き上げピン27の中心軸を含む断面において、突端部分27cの形成する扇型の円周θが180度以上となる。
上述の第1の実施の形態では、突端部分27cは、容易に磨耗しにくい材料を用いて形成されることが望ましく、例えばルビ−、ボ−ルベアリングのボ−ル、超硬合金(例えば炭化タングステン等の非常にかたい化合物の粉末とコバルト等の金属粉末とを焼結したもの)等により形成される。一方、ベ−ス部分27aおよび繋ぎ部分27bは、突端部分27cに比べて磨耗等による劣化が少ないため、突端部分27cより硬度が小さく容易に加工できる材料により形成されることが望ましく、例えば超硬またはSUS等により形成される。
突き上げピン27はまた、図4に示されている第2の実施の形態に示すように、円柱型のベ−ス部分27aの先端を半球状にして突端部分27cを形成してもよい(図4の(a)参照)。
このように、本実施の形態においても、突き上げピン27の中心軸を含む断面において、突端部分27cの形成する扇型の円周θを180度とすることができる。
なお、ベ−ス部分27aは、例えば図4の(b)に示すように、接続部分27bよりも細い円柱型等、接続部分と異なる直径を有する円柱により構成することが可能である。さらに、ベ−ス部分27aは、バックアップホルダ15の貫通穴18を通らない部分として、図4の(c)に示すように、太くすることもできる。また、円柱型のみでなく楕円柱、多角形柱等、その断面は様々な形状とすることができる。
このような突き上げピン27は、例えば超硬またはSUS等により一体に形成することができる。
また、上記2つの実施の形態において、突端部27aの球面の半径が非常に小さい場合には、接着シ−ト14が容易に破れやすくなる。また、半導体素子13の面積の増加に伴い増大する荷重に耐えられない可能性が生じる。一方、突端部27aの球面の半径が非常に大きい場合には、半導体素子13の裏面と突き上げピン27の接触面積が増大し、接着剤23または接着シ−ト14が残存しやすい。このため、突端部27aの球面の半径は、例えば0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成することが望ましい。
図5に、本発明の第1の実施の形態による突き上げピン27を用いて、半導体素子13を接着シ−ト14の裏面より突き上げた場合の、半導体素子13、接着シ−ト14および突き上げピン27の拡大断面図を示す。ここで、突き上げピンの突端部27cを突き上げピン27の移動方向に垂直な断面により二つの半球に分断し、半導体素子13側をC1 、ベ−ス部分27a側をC2 とすると、突き上げピンの突端部27cは半球以上の球面を有していて、突端部27cと接続部27bの境界線Sは、ベ−ス部分27a側の半球C2 の球面上にある。すなわち、本実施の形態では、突端部27cと接続部27bの境界線Sによる変曲点が、半球C2 の球面上にあり、前に図29で示した従来の場合のように半導体素子13側の半球C1 の球面上に存在しない。
このため、従来のように、特にこの境界線S上において接着シ−ト14および接着剤23が極端に引き伸ばされて薄くなることを防止し、接着シ−ト14および接着剤23が突き上げピンの突端部27cの球面に沿って均等に引き伸ばすことができる。
このように、本実施の形態では、特定の場所(境界線S上)において、接着剤23間の結合または接着剤23と接着シ−ト14との間の結合が弱まることがないため、接着剤23が接着シ−ト14から剥離して半導体素子13の裏面に付着することを防止できる。
また、本実施の形態では、特定の場所(境界線S上)において、接着シ−ト14が薄くなることはないため、突き上げピン27を大きい力で突き上げても接着シ−ト14は容易に破断されなくなる
さらに、本実施の形態では、接着シ−ト14および接着剤23が突き上げピンの突端部27cの形状に沿って球面状に均等に引き伸ばされる。このため、接着剤23および接着シ−ト14は、ほぼ一点において半導体素子13の裏面に接し、半導体素子13の裏面に接着剤23および接着シ−ト14が残存することがない。
以上、図5を用いて、本発明の第1の実施の形態について、従来の突き上げピンとの差を説明したが、突き上げピンの突端部分27cが半球状である第2の実施の形態においても、図5に示す第1の実施の形態と同様に、接着シ−ト14および接着剤23を突き上げピンの突端部27cの球面に沿って均等に引き伸ばすことができる。
また、突き上げピンの突端部分27cは、その変曲点が非常に滑らかなために接着シ−ト14および接着剤23がほぼ均等に引き伸ばされる形状であれば、厳密に半球状である必要はない。
図6に、本実施の形態による突き上げピン27と従来の突き上げピン17を用い、突端部の球面の曲率半径を変化させて、半導体素子13の裏面に残存した接着剤23および接着シ−ト14の面積を測定した結果を示す。半導体素子13の面積は400mm2 である。この図に示すように、従来では、半導体素子13の裏面に接着剤が常に残存し、突端部27cの曲率半径が大きくなると、さらに接着シ−ト14が残っていたが、本実施の形態の突き上げピンによれば、曲率半径の広い範囲に渡って、接着剤23および接着シ−ト14は半導体素子13の裏面にまったく残存しない。
さらに、図7に、本実施の形態による突き上げピン27と従来の突き上げピン17を用い、様々な粘着性を有する接着シ−トを用いて、接着シ−ト14が破断した時に突き上げピンに荷重されている力を測定した結果を示す。A、B、Cは、それぞれ異なる粘着性を有する接着シ−トを示している。これによれば、いずれの粘着性を有する接着シ−トにおいても、本実施の形態の突き上げピン27を用いた場合には、従来に比べてより大きい荷重力まで接着シ−ト14が破断しないことがわかる。
このように、上記第1、第2の実施の形態の突き上げピン27によれば、半導体素子13の裏面に接着剤23または接着シ−ト14が貼着することを防止できる。このため、半導体素子13を樹脂封止して半導体装置を製造した後に、半導体素子13の裏面に貼着しているこれらの異物が原因となり、樹脂に亀裂が生じるという問題を防止することができる。
また、上記第1および第2の実施の形態の突き上げピン27を用いた場合には、従来に比べてより大きい荷重力まで接着シ−ト14が破断しない。このため、半導体素子13の面積が増大し、この半導体素子13を接着シ−ト14から剥離するために必要な荷重力が増した場合にも、突上げピン27が接着シ−ト14を突き破って半導体素子13の裏面に傷や亀裂等のダメ−ジを発生させることはない。したがって、半導体素子13を樹脂封止して半導体装置を製造した後に、半導体素子13の裏面のダメ−ジが原因となり、半導体素子に亀裂が生じるという問題を防止することができる。
このように、上記第1および第2の実施の形態の突き上げピン27を用いることにより、接着シ−ト14の破断を防止することが可能であるが、さらに半導体素子13の面積が増大する等、種々の原因により接着シ−ト14が破断される可能性を完全に除去することはできない。ここで、上記第1または第2の実施の形態による突き上げピン27を用いて接着シ−ト14の破断を防止するが、突発的に接着シ−ト14が破断された場合に、被害を最小限に止める方法を、第3の実施の形態として説明する。この実施の形態による半導体素子突き上げ装置30は、図8に示すように、バックアップホルダ15−の真空チャンバ内の圧力を測定し、リ−クした場合にはこの圧力が上昇することを利用して、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破ったことを検知する機構を備えている。
図8の(a)は、本発明の第3の実施の形態による半導体素子突き上げ装置30のバックアップホルダ15部分の上面図、図8の(b)は図8の(a)におけるA−A´断面図およびバックアップホルダ15の周辺装置を示す図である。
本実施の形態による素子突き上げ装置30は、図1の(b)に示す本発明の第1の実施の形態による素子突き上げ装置と同様に、バックアップホルダ15、突き上げピン27、ピンホルダ19、ピンホルダ駆動装置31、制御装置32、真空装置20を具備する。これらに加えて、本発明の第3の実施の形態による半導体素子突き上げ装置30は、さらに、バックアップホルダ15の真空チャンバ内の圧力を測定する装置33と、突き上げ動作前にこの圧力測定装置33により測定されたイニシャルデ−タを記憶し、このイニシャルデ−タと突き上げ動作中または突き上げ動作後に圧力測定装置33により測定された真空チャンバ内の圧力とを比較することにより圧力の変動を観察して接着シ−ト14の破断を判断する機構とを具備する。また、本実施の形態による素子突き上げ装置30の制御装置32は、前述の接着シ−ト14の破断を判断する機構による判断結果に基づいてピンホルダ駆動装置31の動作を制御する機構を有する。
以下、本実施の形態による素子突き上げ装置30の動作と、測定される圧力の変化を図9、図10を用いて説明する。各々、素子突き上げ装置30の断面図を左側に、測定される圧力の変化を図の右側に示す。
図9は、半導体素子13が接着シ−ト14より剥離する過程において、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破る場合を示している。
まず、接着シ−ト14をバックアップホルダ15に固定する。また、半導体素子13を突き上げた時に半導体素子13を接着シ−ト14より剥離するために必要な圧力をあらかじめ設定しておく。この圧力は、半導体素子13の面積、接着剤23の性質等により異なるため、適宜設定する必要がある。
突き上げ動作を始める前に、接着シ−ト14をバックアップホルダ15上に載せて真空チャンバ−のバキュ−ム吸引を開始し、接着シ−ト14をバックアップホルダ15に固定する。この時、制御装置は、真空チャンバ内の圧力が先に設定された値となるまでは、ピンホルダ駆動装置31を動作させず、ピンホルダ19は上昇を開始しない(図9の(a))。
真空チャンバ内の圧力が設定値になった(P点)後に、制御装置32がピンホルダ駆動装置31を動作させて、ピンホルダ19が上昇を開始する。突き上げピン27がバックアップホルダ15の穴18を通過して、接着シ−ト14上の半導体装置13を裏面側より突き上げる(図9の(b))。
この時、図9の(c)に示すように、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破ると、この突き破られた部分からリ−クし、測定中の圧力が一時低下する(Q点)。制御装置32は、このような圧力の変化を検知し、ピンホルダ駆動装置31を停止し、また、警告音、モニタ−テレビ等により作業者に知らせる。
図10は、半導体素子13が接着シ−ト14より剥離した後に、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破る場合を示している。
図9の場合と同様に、真空チャンバ内の圧力をあらかじめ設定しておく。半導体装置13を貼着した接着シ−ト14をバックアップホルダ15上に載せて、真空チャンバ−のバキュ−ム吸引を開始し、接着シ−ト14をバックアップホルダ15に固定する(図10の(a))。
図9の場合と同様に、真空チャンバ内の圧力が設定値になった(P点)後に、制御装置32がピンホルダ駆動装置31を動作させて、ピンホルダ19が上昇を開始する。突き上げピン27がバックアップホルダ15の穴18を通過して、接着シ−ト14上の半導体装置13を裏面側より突き上げる(図10の(b))。
さらに、突き上げピン27が半導体装置13を突き上げて、半導体装置13が接着シ−ト14より剥離する(図10の(c))。
この時、図10の(d)に示すように、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破ると、この突き破られた部分からリ−クし、測定中の圧力が一時低下する(Q点)。制御装置32は、このような圧力の変化を検知し、ピンホルダ駆動装置31を停止し、また、警告音、モニタ−テレビ等により作業者に知らせる。
図11は、真空チャンバ内の圧力の実測値、および突き上げピン27の高さの変位を示したもので、図11の(a)は突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破らない正常な状態、図11の(b)は突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破った場合である。図11の(b)にQ部として示すように、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破ると、観測される圧力は、正常な場合に比べて低下する。
したがって、真空チャンバ内の圧力を常時測定し、その測定値が描く波形を正常な場合の波形と比較することにより、正確に接着シ−トの破断を検知することができる。
図12および図13は、本実施の形態による素子突き上げ動作を制御する方法を示すフロ−チャ−トである。いずれの場合も、例えば素子の品種等の変更により素子の面積が変更された場合に、素子を接着シ−ト14から剥離するために必要な真空チャンバ内の圧力が変化するため、接着シ−ト14を突き破らないように新しい素子13の突き上げ動作を行い、真空チャンバ内の圧力を測定し、その波形を新しいイニシャルデ−タとして記憶する。この後、真空チャンバ内の圧力を常時測定し、イニシャルデ−タと常時比較しながら連続して突き上げ動作を行う場合を図12に、1つの素子の突き上げ動作を行う間、真空チャンバ内の圧力を測定し、測定された圧力の波形を記憶し、1つの素子ごとに、この波形とイニシャルデ−タの波形とを比較する場合を図13に示している。
まず、図12について説明する。前述のように、例えば素子の品種等の変更により素子の面積が変更された場合に、素子を接着シ−トから剥離するために必要な真空チャンバ内の圧力が変化するため、この圧力を測定し、その波形を新しいイニシャルデ−タを記憶する。次に、接着シ−ト14のバキュ−ム吸引を開始し、さらに突き上げピンの上昇を開始する。この時、真空チャンバ内の圧力を常に測定し、あらかじめ測定記憶されたイニシャルデ−タと比較することにより、真空チャンバ内の真空がリ−クしているか否かを常時判断する。
ここで、リ−クしていると判断された場合には、接着シ−ト14が破断している可能性があるため、ただちに装置を停止し警告音等により作業者に知らせる。作業者は、原因を調査し、対策を施した後に次の素子の突き上げを再開する。
リ−クしていないと判断される場合には、突き上げピンが突上げ最高点に到達するまで、さらに突き上げピンの上昇を続けて、同時に真空チャンバ内の圧力を常時測定し、リ−クの有無の判断を常に行う。
突き上げピンが突上げ最高点に到達した後は、突き上げピンを下降させ、次の素子の突き上げ動作を行う。
次に、図13の場合について、説明する。この場合には、真空チャンバ内の圧力を常時測定しリ−クの判断を常に行っていた図12の場合と異なり、1つの素子の突き上げ動作を行う間に測定された圧力を波形として記憶し、1つの素子の突き上げ動作が終了した時点で、この波形とイニシャルデ−タの波形との比較によりリ−クを判断する。このリ−クの判断を行うタイミング以外は、前述の図12のフロ−チャ−トと同様に行う。
図13の場合には、1つの素子について1回のみリ−クの有無を判断すればよいため、判断機構に高速性が要求されないため簡単に実現することができる。
一方、図12の場合には、常に圧力の測定とリ−クの判断を行っているために、リ−クした時点で即座に装置を停止することができる。このため、素子への損害が小さく、また、リ−クの原因を容易に発見することができる。
このように、本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置30は、真空チャンバの圧力を測定する測定装置33と、圧力の測定値の低下により接着シ−ト14の破断を検知し、装置の停止および作業者への告知を行う制御装置32を具備するため、接着シ−ト14が破れた状態で作業が続くことを防止できる。このため、従来の素子突き上げ装置のように、接着シ−ト14が破れた後に作業を続けることにより、接着シ−ト14をバキュ−ム吸引して固定することができず、半導体素子13を接着シ−ト14から剥離することができないという問題を回避することができる。
また、従来の素子突き上げ装置30では、ある纏まった単位(1ロット)の半導体素子の処理が終了した後に、初めて接着シ−ト14の破断が発見されるため、このような接着シ−トの破断を発見した時にはすでに多量の不良品を発生させているという問題があったが、本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置30は、このような問題を回避することができる。
なお、上記実施の形態では、圧力の測定値が描く波形を正常な場合の波形と比較することにより、接着シ−トの破断を判定したが、例えば圧力の測定値の絶対値により判断することも可能である。
また、イニシャルデ−タは、少なくとも品種の変更時等の素子の面積が変化した場合には新たに測定記憶する必要があるが、接着シ−トまたは装置等のばらつきによる誤動作を防止するために、品種等が変更されない場合にも、ある一定の期間を経過する度に、イニシャルデ−タを設定することが望ましい。
次に、第4の実施の形態として、突上げピン27に加わる荷重を測定し、この荷重の低下により、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破ったことを検知する機構を備えた半導体素子突き上げ装置30を図14に示す。
図14の(a)は、本発明の第4の実施の形態による半導体素子突き上げ装置30のバックアップホルダ15部分の上面図、図14の(b)は図14の(a)におけるA−A´断面図およびバックアップホルダ15の周辺装置を示す図である。
本実施の形態による素子突き上げ装置30は、図1の(b)に示す本発明の第1の実施の形態による素子突き上げ装置と同様に、バックアップホルダ15、突き上げピン27、ピンホルダ19、ピンホルダ駆動装置31、制御装置32、真空装置20を具備し、これらの構造は、前述の実施の形態と同様である。これらに加えて、本発明の第4の実施の形態による半導体素子突き上げ装置30は、さらに、例えばひずみゲ−ジ等の突き上げピン27に加わる荷重を測定する装置34と、この測定装置34により測定された荷重値とあらかじめ測定されたイニシャルデ−タとを比較して荷重値の変動を検知し、作業を続行するか否かを判断する機能を有する判断装置35を具備する。制御装置32は、判断装置35の判定によりピンホルダ駆動装置31の動作を制御する機構を有している。
以下、本実施の形態による素子突き上げ装置30の動作を図15、図16を用いて説明する。
まず、図15に示すように、半導体素子13が搭載されていない接着シ−ト14を用いて、一連の突き上げ動作を行い、突き上げピン27に加わる荷重を測定する。図15の(a)乃至(d)に、動作の各状態における、素子突き上げ装置30の断面図を左側に、突き上げピン27の高さの変位と測定される荷重の変化を図の右側に示す。
半導体装置13の搭載されていない接着シ−ト14をバックアップホルダ15上に載せて真空チャンバ−のバキュ−ム吸引を開始し、接着シ−ト14をバックアップホルダ15に固定する(図15の(a))。
次に、突き上げピン27を装着したピンホルダ19を駆動装置31により上昇させる。突き上げピン27はバックアップホルダ15の穴18を通過し、接着シ−ト14を裏面から突き上げる。真空チャンバ−のバキュ−ム吸引は、通常半導体装置13を接着シ−ト14から離脱する場合と同様に行う。図15の(b)の右側に示すように、突き上げピン27の高さの上昇に伴い、突き上げピン27に加わる荷重が上昇する。
さらに、通常半導体装置13を接着シ−ト14より離脱するために必要な高さまで、突き上げピン27を上昇させる。この時、図15の(c)に示すように、接着シ−ト14が突き破られない場合には、突き上げピン27の上昇に伴い、荷重も上昇する。したがって、突き上げピン27の高さが最高点に達した時点で、荷重も最高値をとる。
この後、突き上げピン27を下降させると、図15の(d)の右側に示すように、突き上げピンに加わる荷重は、突き上げピン27の高さが最高点に達した時点(R部)で、最高値をとる。判断装置35はこの最高値を記憶する。
なお、この測定は、半導体素子13が全く搭載されていない接着シ−ト14を用いて行うか、あるいは接着シ−ト14上の一部に半導体素子13が搭載されているが、接着シ−ト上に半導体素子13が存在していない部分を用いて行うことが可能である。
このようにして、接着シ−トが破断しない場合の突き上げピン27に加わる荷重の最高値を荷重測定装置34により測定し、判断装置35に記憶した後に、半導体素子13を接着シ−ト14から離脱する実際の作業を行う。ここで、一連の突上げ動作を行う度に、荷重測定装置34は突き上げピン27の高さが最高点に達した時の突上げピンに加わる荷重値を測定し、判断装置35はこの測定値と記憶している前述の最高値とを比較することにより、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破ったか否かを判断する。
図16に、突き上げピン27が接着シ−ト14を突き破った場合の、素子突き上げ装置30の断面図と、突き上げピン27に加わる荷重の変化を示す。
従来と同様に、半導体装置13が搭載された接着シ−ト14をバックアップホルダ15上に載せて真空チャンバ−のバキュ−ム吸引を開始し、接着シ−ト14をバックアップホルダ15に固定する(図16の(a))。
次に、突き上げピン27を装着したピンホルダ19を駆動装置31により上昇させる。突き上げピン27はバックアップホルダ15の穴18を通過し、接着シ−ト14を介して半導体素子13を裏面から突き上げる。図16の(b)の右側に示すように、突き上げピン27の高さの上昇に伴い、突き上げピン27に加わる荷重が上昇する。
ここで、突き上げピン27が接着シ−トを行き破った場合には、図16の(c)に示すように、突き上げピン27に加わる荷重が低下する。さらに、突き上げピン27は上昇を続けるが、図15の(c)と異なり、荷重はほとんど上昇しない。
従来と同様に、半導体素子13は素子吸着ヘッド10により取り上げられ、ピンホルダ19が下降する(図16の(d))。
この時、図16の(d)の右側に示すように、突き上げピン27が接着シ−トを行き破った後は、荷重がほとんど上昇しないため、突き上げピン27の高さが最高点に達した時点(R部)おける荷重は、作業前に測定された最高値より小さくなる。
図17に、突き上げピン27に加わる荷重の実測値を示す。図中、A〜Dはそれぞれ、半導体素子13の面積を変化させていて、AからDにしたがって半導体素子13の面積が順次大きくなる。半導体素子13の面積が小さいAおよびBでは、突き上げピン27に加わる荷重がほぼ単調に増加し、突き上げピン27の高さが最高点に達した時点(S部)において、最高値を記録する。一方、半導体素子13の面積が大きいCおよびDでは、突き上げピン27に加わる荷重が、初め急激に上昇し、接着シ−トが破断した時点(T部)において低下し、その後はほとんど変化しない。このため、突き上げピン27の高さが最高点に達した時点(U部)で、AまたはBにおけるS部に比べて小さい荷重値となる。
このように、荷重測定装置34は突き上げピン27に加わる荷重を測定し、判断装置35は、突き上げピン27の高さが最高点に達した時点(R部)おける荷重と、作業前に測定し記憶された最高値とを比較して、前者が後者より小さい場合には接着シ−トが破断されたと判断して、制御装置32に異常を伝える。制御装置32は、ピンホルダ駆動装置31を停止し、また、警告音、モニタ−テレビ等により作業者に知らせる。
なお、上記の実施の形態では、突き上げピン27が最高点に達した時点での突き上げピン27に加わる荷重値が、作業前に測定した荷重の最高値より小さい場合に、接着シ−ト14が破断されていると判断したが、作業前に測定した荷重の最高値を基準値として適当な幅を有する基準範囲を設定し、この基準範囲に荷重値が含まれない場合に、接着シ−ト14が破断されていると判断することも可能である。
また、上記の本発明による第4の実施の形態では、突き上げピン27が最高点に達した時点での突き上げピン27に加わる荷重の絶対値を比較することにより、接着シ−トの破断を判断したが、前述の本発明による第3の実施の形態と同様に、荷重の測定値が描く波形を比較することにより判断することも可能である。以下、このような制御方法について、図18および図19を用いて説明する。
図18および図19は、突き上げ動作の制御方法を示すフロ−チャ−トである。いずれの場合も、例えば素子の品種等の変更により素子の面積が変更された場合に、素子を接着シ−ト14から剥離するために必要な荷重値が変化するため、前述のように、例えば半導体装置13が搭載されていない接着シ−ト14を用いて一連の突き上げ動作を行い、突き上げピン27に加わる荷重値を測定し、その波形を新しいイニシャルデ−タとして記憶する。この後、荷重を常時測定し、イニシャルデ−タと常時比較しながら連続して突き上げ動作を行う場合を図18に、一連の突き上げ動作を行う間、突き上げピンに加わる荷重を測定し、測定された荷重の波形を記憶し、1つの素子ごとに、この波形とイニシャルデ−タの波形とを比較する場合を図19に示している。
まず、図18について説明する。前述のように、例えば素子の品種等の変更により素子の面積が変更された場合に、素子を接着シ−トから剥離する時の荷重が変化するため、前述のように、例えば半導体装置13が搭載されていない接着シ−ト14を用いて一連の突き上げ動作を行い、突き上げピン27に加わる荷重値を測定し、その波形を新しいイニシャルデ−タとして記憶する。次に、接着シ−ト14のバキュ−ム吸引を開始し、さらに突き上げピンの上昇を開始する。この時、突き上げピン27に加わる荷重を常に測定し、あらかじめ測定記憶されたイニシャルデ−タと比較することにより、荷重値の変化の有無を常時判断する。
ここで、変化が有ると判断された場合には、接着シ−ト14が破断している可能性があるため、ただちに装置を停止し警告音等により作業者に知らせる。作業者は、原因を調査し、対策を施した後に次の素子の突き上げを再開する。
変化が無いと判断される場合には、突き上げピンが突上げ最高点に到達するまで、さらに突き上げピンの上昇を続けて、同時に突き上げピン27に加わる荷重を常時測定し、荷重値の変化の有無の判断を常に行う。
突き上げピンが突上げ最高点に到達した後は、突き上げピンを下降させ、次の素子の突き上げ動作を行う。
次に、図19の場合について、説明する。この場合には、荷重を常時測定し変化の有無の判断を常に行っていた図18の場合と異なり、一連の突き上げ動作を行う間に測定された荷重を波形として記憶し、一連の突き上げ動作が終了した時点で、この波形とイニシャルデ−タの波形とを比較して変化の有無を判断する。この判断を行うタイミング以外は、前述の図18のフロ−チャ−トと同様に行う。
図19の場合には、1つの素子について1回のみイニシャルデ−タと測定デ−タを比較し変化の有無を判断すればよいため、判断機構に高速性が要求されないため簡単に実現することができる。
一方、図18の場合には、常に荷重値の比較と変化の判断を行っているために、荷重値の変化が生じた時点で即座に装置を停止することができる。このため、素子への損害が小さく、また、変化の原因を容易に発見することができる。
このように、本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置30は、突き上げピン27に加わる荷重を測定する測定装置34と、突き上げピン27が最高点に達した時の荷重値より接着シ−ト14の破断を判断する判断装置35と、判断装置35からの信号により、装置の停止および作業者への告知を行う制御装置32を具備するため、接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。このため、従来の素子突き上げ装置のように、接着シ−ト14が破れた後に作業を続けることにより、接着シ−ト14をバキュ−ム吸引して固定することができず、半導体素子13を接着シ−ト14から剥離することができないという問題を回避することができる。
また、従来の素子突き上げ装置30のように、ある纏まった単位(1ロット)の半導体素子の処理が終了した後に、初めて接着シ−ト14の破断が発見されるため、このような接着シ−ト14の破断を発見した時にはすでに多量の不良品を発生させているという問題を回避することができる。
次に、第5の実施の形態として、素子13を吸着する素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間に電位差を与えて、電流が流れた場合には、シ−トが破れたと判断する方法について説明する。
図20の(a)は、本発明の第5の実施の形態による半導体素子突き上げ装置30のバックアップホルダ15部分の上面図、図20の(b)は図20の(a)におけるA−A´断面図およびバックアップホルダ15の周辺装置を示す図である。
本実施の形態による素子突き上げ装置30は、図1の(b)に示す本発明の第1の実施の形態による素子突き上げ装置と同様に、バックアップホルダ15、突き上げピン27、ピンホルダ19、ピンホルダ駆動装置31、制御装置32、真空装置20を具備し、これらの構造は、前述の実施の形態と同様である。これらに加えて、本発明の第4の実施の形態による半導体素子突き上げ装置30は、さらに、素子13を吸着する素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間に電位差を与える例えば電池等の電源装置36、素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間に流れる電流を検知する検知機37、検知された電流値に応じて接着シ−ト14の破れを判断する判断機38を具備する。本実施の形態の制御装置32は、判断機38の判断結果に応じて、ピンホルダ駆動装置31の動作を制御する機構を有する。ここで、素子吸着ヘッド10または突き上げピン27に直接電位を印加せずに、例えば、ピンホルダ19等を介して電圧を印加することも可能である。また、素子吸着ヘッド10、突き上げピン27、ピンホルダ19等は、例えば超硬、SUS等の導電性の材料により形成する。
以下に、電流の導通および接着シ−ト14の破れを検知する方法を、図を用いて説明する。
第1の方法は、素子13を素子吸着ヘッド10により吸着する時に、同時に電流の導通を検知する方法である。このために、例えば図21に示すように、素子13の周辺部にテストパット41を設け、このテストパット41を、たとえばポリイミド等の保護膜42により覆われている素子13またはボンディングパッド43等の他の領域より高くする。このようにして、素子13を吸着する時に、テストパット41と素子吸着ヘッド10とを接触させて、テストパット41を介して、素子13と素子吸着ヘッド10を同電位とする。この時、接着シ−ト14が破断している場合には、突き上げピン27と素子13とが直接接触するため、素子13を介して、突き上げピン27から素子吸着ヘッド10に電流が流れる。一方、接着シ−ト14が破断していない場合には、接着シ−ト14が素子13と突き上げピン27との間の絶縁性を保持するため、電流は流れない。
上記の方法は、素子13を介して素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間に流れる電流を検知したが、素子13を介せずに素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間の電流を直接検知することも可能である。この方法では、図22に示すように、素子吸着ヘッド10が素子13を吸着し、位置修正ステ−ジ11へ移送した後に、XYステ−ジ3が移動する前に、突き上げピン27および素子吸着ヘッド10が再び突き上げ動作および吸着動作を行い、接着シ−ト14のみを介して接触する。この時、接着シ−ト14が破断している場合には、突き上げピン27と素子吸着ヘッド10とが直接接触するため、突き上げピン27から素子吸着ヘッド10に電流が流れる。一方、接着シ−ト14が破断していない場合には、接着シ−ト14が素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間の絶縁性を保持するため、電流は流れない。
この方法では、第1の方法に比べて、素子13に新たなテストパット41を設ける必要がなく、どのような品種の素子13にも適用することが可能である。また、素子13に直接電流を流す第1の方法では、素子13に非常に大きい電流が流れないように、印加電圧等に注意を払う必要があるが、第2の方法では、素子を介さずに導通電流を検知するため、電流値等を考慮する必要がないため容易に実施することができる。
また、第3の方法として、第2の方法と同様に、素子13を移送した後に、素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間の導通を直接検知するが、素子13を吸着するための素子吸着ヘッド10を用いて電流の導通を検知するのではなく、電流の導通を検知するために専用の素子吸着ヘッド10´を別に設けて、これを用いて導通を検知することも可能である。
この場合、第2の方法の特徴に加えて、素子吸着ヘッド10により素子13を移送している間に、同時に素子吸着ヘッド10´により導通電流の検知を行うことができるため、導通電流を検知するために追加される作業により、従来に比べて作業効率が低下することを防止することができる。
図23および図24に、上述の導通電流の検知による接着シ−ト14の破断検出方法のフロ−チャ−トを示す。図23は、前述の第1の方法による破断検出のフロ−チャ−トである。接着シ−ト14をホルダ15に固定するバキュ−ム吸引を開始すると同時に、導通電流の検知を開始する。突き上げピン27が上昇し、接着シ−ト14を介して素子13に接触し、さらに素子13を突き上げる間、電流の検知を行い、突き上げピン27と素子吸着ヘッド10とが導通しているか否かの判断を行う。ここで、導通電流が検知され、接着シ−ト14が破断していると判断された場合には、装置を停止し、警告音等により作業者にシ−トの破断を知らせる。作業者は、原因を調査し、対策を施した後に、再び突き上げ動作を開始させる。導通電流が検知されない場合には、接着シ−ト14は破断していないと判断され、突き上げピン27は最高点まで上昇する。素子吸着ヘッド10は素子13を吸着し、接着シ−ト14より取り上げる。突き上げピン27は下降し、次の素子の突き上げ動作が再び開始される。
図24は、前述の第2または第3の方法による破断検出のフロ−チャ−トを示している。図23に示す第1の方法と同様に、バキュ−ム吸引を開始して接着シ−ト14をホルダ15に固定するが、第1の方法と異なり、ここでは導通電流の検知は行わない。突き上げピン27の上昇を開始し、最高点まで上昇させ、素子吸着ヘッド10は素子13を吸着して接着シ−ト14より取り上げる。突き上げピン27は下降し、素子吸着ヘッド10は素子13を移送する。ここで、第1の方法のように、ただちに次の素子の突き上げ動作が開始されず、素子13を位置修正ステ−ジ11まで移送した素子吸着ヘッド10または導通電流を検知するための素子吸着ヘッド10´を再び下降させると同時に、突き上げピン27を上昇させて、導通電流の検知を開始する。素子13はすでに移送されているため、素子吸着ヘッド10または10´と突き上げピン27とは、接着シ−トを介して接触する。ここで、導通電流が検知され、接着シ−ト14が破断していると判断された場合には、装置を停止し、警告音等により作業者にシ−トの破断を知らせる。作業者は、原因を調査し、対策を施した後に、再び突き上げ動作を開始させる。導通電流が検知されない場合には、接着シ−ト14は破断していないと判断され、xyステ−ジが移動して次の素子13´の突き上げ動作を開始する。
このように、本発明の第5の実施の形態による素子突き上げ装置30は、素子吸着ヘッド10と突上げピン27の間に電圧を印加する電源36と、素子吸着ヘッド10と突き上げピン27との間に流れる導通電流を検知する測定装置37と、導通電流により接着シ−ト14の破断を判断する判断装置38と、判断装置38からの信号により、装置の停止および作業者への告知を行う制御装置32を具備するため、接着シ−トが破れた状態で作業が続くことを防止できる。このため、従来の素子突き上げ装置のように、接着シ−ト14が破れた後に作業を続けることにより、接着シ−ト14をバキュ−ム吸引して固定することができず、半導体素子13を接着シ−ト14から剥離することができないという問題を回避することができる。
また、従来の素子突き上げ装置30のように、ある纏まった単位(1ロット)の半導体素子の処理が終了した後に、初めて接着シ−ト14の破断が発見されるため、このような接着シ−ト14の破断を発見した時にはすでに多量の不良品を発生させているという問題を回避することができる。
また、第3乃至第5の実施の形態を適宜組み合わせることにより、接着シ−ト14の破断を、真空チャンバ内の圧力の低下と突き上げピンに加わる荷重値の低下と導通電流とのいずれか2つ以上の方法により検知することができるため、さらに確実に接着シ−トの破断を検知でき、不良品の発生をさらに確実に低減することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態による素子突き上げ装置の構造を示す上面図および断面図。 本発明の第1の実施の形態による素子突き上げ装置の動作を示す断面図。 本発明の第1の実施の形態による突き上げピンの拡大側面図。 本発明の第2の実施の形態による突き上げピンの拡大側面図。 本発明の第1の実施の形態による突き上げピンを用いた場合の突き上げピン先端部と接着シ−トおよび半導体素子の拡大断面図。 本発明の第1の実施の形態による突き上げピンを用いた場合に半導体素子の裏面に残存した接着剤および接着シ−トの面積を測定した結果を示す図。 本発明の第1の実施の形態による突き上げピンを用いた場合の接着シ−トが破断する時に突き上げピンに荷重されている力を測定した結果を示す図。 本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置の構造を示す上面図および断面図。 本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置の動作を示す断面図。 本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置の動作を示す断面図。 本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置を用いた場合の真空チャンバ内の圧力の実測値、および突き上げピンの高さの変位を示す図。 本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置の動作の制御方法を説明するフロ−チャ−トを示す図。 本発明の第3の実施の形態による素子突き上げ装置の動作の制御方法を説明するフロ−チャ−トを示す図。 本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置の構造を示す上面図および断面図。 本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置の動作を示す断面図。 本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置の動作を示す断面図。 本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置を用いた場合の突き上げピンに加わる荷重の実測値を示す図。 本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置の動作の制御方法を説明するフロ−チャ−トを示す図。 本発明の第4の実施の形態による素子突き上げ装置の動作の制御方法を説明するフロ−チャ−トを示す図。 本発明の第5の実施の形態による素子突き上げ装置の構造を示す上面図および断面図。 本発明の第5の実施の形態による素子突き上げ装置の適用される半導体素子の構造を示す断面図。 本発明の第5の実施の形態による素子突き上げ装置の他の動作状態を示す断面図。 本発明の第5の実施の形態による素子突き上げ装置の動作の制御方法を説明するフロ−チャ−トを示す図。 本発明の第5の実施の形態による素子突き上げ装置の動作の制御方法を説明するフロ−チャ−トを示す図。 従来の半導体製造装置の構造を示す斜視図。 従来の素子突き上げ装置の構造を示す上面図および断面図。 従来の素子突き上げ装置の動作を示す断面図。 従来の突き上げピンの拡大側面図。 従来の突き上げピンを用いた場合の突き上げピン先端部と接着シ−トおよび半導体素子の拡大断面図。
符号の説明
1…ウェハ、2…ウェハリング、3…XYテ−ブル、4…カメラ、5…リ−ド供給部、6…リ−ドフレ−ム搬送部、7…ペ−スト供給部、8…ボンヂングヘッド部、9…リ−ドフレ−ム収納部、10…素子吸着ヘッド、11…位置修正ステ−ジ、12…コレット、13…半導体素子、14…接着シ−ト、15…バックアップホルダ、16…溝、17、27…突き上げピン、18…穴、19…ピンホルダ、20…真空装置、30…素子突き上げ装置、31…駆動装置、32…制御装置、33…圧力測定装置、34…荷重測定装置、35…判断装置、36…電源、37…導通検知機、38…制御判断機、41…テストパッド、42…保護膜、43…ボンディングパッド。

Claims (15)

  1. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用される突き上げピンにおいて、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状を有し前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす先端部分と、前記先端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有する円柱状のベース部分とから少なくともなり、前記先端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されていることを特徴とする突き上げピン。
  2. 前記突き上げピンは軸の上面を半球状に加工して形成された先端を有することを特徴とする請求項1記載の突き上げピン。
  3. 接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離する半導体製造装置において、前記突き上げピンは円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状を有し前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす先端部分と、前記先端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有する円柱状のベース部分とから少なくともなり、前記先端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されていることを特徴とする半導体製造装置。
  4. 前記突き上げピンは軸の上面を半球状に加工して形成された先端を有することを特徴とする請求項3記載の半導体製造装置。
  5. 接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記接着シ−トより剥離する半導体製造装置において、前記突き上げピンは円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状を有し前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす先端部分と、前記先端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有する円柱状のベース部分とから少なくともなり、前記先端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されており、前記半導体製造装置は前記突き上げピンに加わる荷重を測定する手段と、この荷重測定手段の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する制御手段とを具備することを特徴とする半導体製造装置。
  6. 前記制御装置は、前記荷重測定手段の測定値を設定された値と比較して、測定値の低下を検知した場合に突き上げピンの突き上げ動作を停止する機能を具備する請求項5記載の半導体製造装置。
  7. 接着シ−トに接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げピンにより突き上げて前記接着シ−トより剥離し素子吸着ヘッドにより前記素子を取り上げる半導体製造装置において、前記突き上げピンは円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状を有し前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす先端部分と、前記先端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有する円柱状のベース部分とから少なくともなり、前記先端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されており、前記半導体製造装置は、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間に電圧を印加する手段と、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間の導通電流を測定する手段と、この電流測定手段の測定結果に基づいて突き上げピンの動作状態を制御する制御手段とを具備することを特徴とする半導体製造装置。
  8. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用される複数の突き上げピンを有する半導体製造装置であって、
    前記複数の突き上げピンはそれぞれ、前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されていることを特徴とする半導体製造装置。
  9. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用される複数の突き上げピンであって、前記複数の突き上げピンはそれぞれ、前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている複数の突き上げピンと、
    前記複数の突き上げピンが設置され、上下方向に移動可能なピンホルダと、
    前記複数の突き上げピンおよび前記ピンホルダを収納し、上面に前記突き上げピンが貫通する穴を有する真空チャンバとしてのバックアップホルダと、
    前記バックアップホルダに接続された真空装置と、
    前記ピンホルダを上下方向に移動させるピンホルダ駆動装置とを具備することを特徴とする半導体製造装置。
  10. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用される複数の突き上げピンであって、前記複数の突き上げピンはそれぞれ、前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている複数の突き上げピンと、
    前記複数の突き上げピンが設置され、上下方向に移動可能なピンホルダと、
    前記複数の突き上げピンおよび前記ピンホルダを収納し、上面に前記突き上げピンが貫通する穴を有する真空チャンバとしてのバックアップホルダと、
    前記バックアップホルダに接続された真空装置と、
    前記ピンホルダに接続され、前記突き上げピンに加わる荷重を測定する装置と、
    前記荷重を測定する装置の測定結果に基づいて前記突き上げピンの動作状態を制御する制御装置とを具備することを特徴とする半導体製造装置。
  11. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離するために使用される複数の突き上げピンであって、前記複数の突き上げピンはそれぞれ、前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている複数の突き上げピンと、
    前記突き上げピンにより突き上げられた前記半導体素子を吸着する素子吸着ヘッドと、
    前記複数の突き上げピンが設置され、上下方向に移動可能なピンホルダと、
    前記複数の突き上げピンおよび前記ピンホルダを収納し、上面に前記突き上げピンが貫通する穴を有する真空チャンバとしてのバックアップホルダと、
    前記バックアップホルダに接続された真空装置と、
    前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間に電圧を印加して、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間の導通電流を測定する装置と、
    前記導通電流を測定する装置の測定結果に基づいて前記突き上げピンの動作状態を制御する制御装置とを具備することを特徴とする半導体製造装置。
  12. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離する半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている突き上げピンを用意し、
    前記半導体素子が前記接着剤により貼着された前記接着シ−トを真空吸引により固定し、
    前記接着シ−トおよび前記接着剤が均一の厚さとなるように、前記接着シ−トの裏面から前記半導体素子を突き上げピンにより突き上げる際に、前記突き上げピンに加わる荷重を測定し、
    前記測定された荷重に基づいて前記突き上げピンの動作状態を制御することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離する半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている突き上げピンを用意し、
    前記半導体素子が前記接着剤により貼着された前記接着シ−トを素子吸着ヘッドにより真空吸引して固定し、
    前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間に電圧を印加して、前記素子吸着ヘッドと前記突き上げピンとの間の導通電流を測定し、
    前記導通電流の測定結果に基づいて前記突き上げピンの動作状態を制御することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離する半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が180度以上の一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている突き上げピンを用意し、
    前記半導体素子が貼着された前記接着シ−トを固定し、
    前記接着シ−トの裏面から前記突き上げピンを上方に突き上げることで前記接着シ−トの表面から前記半導体素子を剥離することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 接着シ−ト上に接着剤により貼着された半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げることにより前記半導体素子を前記接着シ−トより剥離する半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体素子を前記接着シ−トの裏面から突き上げる時に前記接着剤の延びが一定となるように前記接着シ−トに均一な突き上げ圧力を加えて前記接着シ−トを突き上げる際に前記接着シ−トおよび接着剤を均等に引き伸ばす、円周が一定の角度を有する半球以上の球形状の突端部分と、前記突端部分の直径と同じ直径もしくはそれよりも小さな直径を有し、前記突端部分を支持する円柱状のベース部分とを少なくとも有し、前記突端部分の球面の半径が0.25mm〜0.99mmの範囲内に形成されている突き上げピンを用意し、
    前記半導体素子が貼着された前記接着シ−トを固定し、
    前記接着シ−トの裏面から前記突き上げピンを上方に突き上げることで前記接着シ−トの表面から前記半導体素子を剥離することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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