JP3930378B2 - 歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置 - Google Patents

歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーホログラフィ測距装置を用いた歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯形誤差、歯すじ誤差、ピッチ誤差など、歯車の歯形に係る誤差は、触針方式の歯車歯形測定装置によって測定するのが一般的であった。
【0003】
しかし、この触針方式の歯車歯形測定装置の場合は、プローブの直径に限界があり、微細な歯車に対して適用しようとすると、測定端子の支持部分の強度が不足して誤差が大きくなるといった問題があった。また、なによりも触針式の歯車歯形測定装置の場合は、プローブの接触圧力により、歯面にキズを付けたり、歯を撓ませたりするという問題があった。
【0004】
そこで、これらの問題を解決すべく、従来、レーザーホログラフィを応用した種々の非接触測定方法および非接触測定装置が開発されている。
【0005】
例えば、特開平6−109444号公報には、自由曲面形状測定装置に取り付けた被測定歯車が適切な位置に自動的に回転設定されるようにし、また測定機構を適正な位置に移動、設定し、高密度のCCDカメラを利用して直接歯面の干渉縞像をコンピュータに取り込み、歯面形状の測定データを解析、演算により得る構成にした歯面形状の非接触測定方法の技術が開示されている。
【0006】
また、特開平9−14937号公報には、コンピュータによるシミュレーション干渉縞像または実際のマスタ歯面の干渉縞像と被測定歯面の干渉縞像との比較差を逆光線追跡および光線追跡することにより理論値またはマスタ値との差を収斂させ、最終的に歯面誤差を得るようにした歯面形状の非接触測定方法の技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報に開示された歯車歯形の非接触測定方法では、いずれも被測定歯面にレーザーホログラフィによる干渉縞像を生成させ、その像をCCDカメラなどでコンピュータに取り込み、画像解析により歯面の形状を測定していたので、装置が複雑になり、高価なものにならざるを得なかった。
【0008】
また、レーザーホログラフィによる干渉縞像による画像解析システムは、精度を上げれば上げる程、測距有効範囲が狭くなるため、高低差のある歯面を解析する場合は、歯車の測定点が測距有効範囲から外れてしまう結果、その都度測距有効範囲内に入るように、歯車とレーザーホログラフィ測距装置本体の相対位置を変更しなければならなかった。そのため歯車形状の測定に係る全体の時間が長くなってしまい、歯車製造に係る効率を悪化させる結果、実用化が困難になるという問題があった。
【0009】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、装置を簡素化して製造に係るコストを低減することができるだけでなく、歯車とレーザーホログラフィ測距装置との相対位置を変更する頻度を低減して歯車歯形の測定に係る時間を短縮することができる歯車歯形の非接触測定方法及び歯車歯形の非接触測定装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、レーザーホログラフィ測距装置により歯車の歯形を非接触で測定する歯車歯形の非接触測定方法であって、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更することにより、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の一の位相にある点を通るようにする光軸調整工程と、この歯車の一の位相の点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する焦点調整工程と、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、歯車のそれぞれの歯においてこの一の位相と共通の位相にある各点を離散的に順次測定する離散的測定工程とを含み、一の離散的測定工程により一の位相と共通の位相にある各測定点を離散的に測定した後、歯車の種々の位相にある点について光軸調整工程と、焦点調整工程と、離散的測定工程とを行うことを繰返すことにより、歯車の種々の位相にある各点を順次離散的に測定し、これらの測定データを集計して歯形を求めることを特徴とする歯車歯形の非接触測定方法である(請求項1)。
【0011】
本発明によれば、それぞれの歯の一の位相にある各点を離散的に順次測定する間は、歯車の測定点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更するための焦点調整工程の必要がないので、全体の測定時間を大幅に短縮することができる。
【0012】
また、本発明の好ましい態様は、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、上記歯車の一の位相の点と同じ測定光軸上において上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点を順次測定する有効範囲内測定工程を含むことを特徴とする請求項1記載の歯車歯形の非接触測定方法である(請求項2)。
【0013】
この好ましい態様によれば、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、上記歯車の一の位相の点と同じ測定光軸上において上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点が順次測定されるので、新たな焦点調整工程を行うことなく歯車の歯形に関するさらに多くのデータを採取することができる。
【0014】
また、本発明の好ましい態様は、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の他の部分によって遮られないように、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する光軸変更工程を含むことを特徴とする請求項2記載の歯車歯形の非接触測定方法である(請求項3)。
【0015】
この好ましい態様によれば、例えば、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が歯車の山部分によって遮られて歯車の歯溝の位相にある点の測定ができなくなるような場合などでも、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する光軸変更工程により、これら死角となる点を測定することができるようになる。
【0016】
また、本発明の好ましい態様は、歯車の回転軸から一方の側を測定光軸が通るようにして各歯の一方の面を測定する工程と、歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るように上記光軸変更工程を行なう工程と、この歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るようにして各歯の他方の面を測定する工程とを含むことを特徴とする請求項3記載の歯車歯形の非接触測定方法である(請求項4)。
【0017】
この好ましい態様によれば、歯車の回転軸から一方の側を測定光軸が通るようにすることにより、各歯の一方の面を測定光軸が遮られない状態で測定することができるとともに、歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るようにすることにより、各歯の他方の面を同様に測定光軸が遮られない状態で測定することができる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様は、上記レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸は、歯車の回転軸と直交する方向に沿うように設定されるとともに、上記レーザーホログラフィ測距装置と歯車との相対位置は、歯車の回転軸の方向と、測定光軸の方向と、歯車の回転軸および測定光軸それぞれに直交する方向とのそれぞれの方向にレーザーホログラフィ測距装置本体を相対的に移動することにより変更されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の歯車歯形の非接触測定方法である(請求項5)。
【0019】
この好ましい態様によれば、構造が簡単であるとともに、測定に係る距離の演算が容易であり、歯車歯形の測定システムを構成しやすい。
【0020】
また、本発明の別の態様は、レーザーホログラフィ測距装置により歯車の歯形を非接触で測定する歯車歯形の非接触測定装置であって、歯車の回転軸を中心にして歯車の回動姿勢を変更可能な回動姿勢変更手段と、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更可能な相対位置変更手段と、歯車歯形に関する設計データを格納する記憶手段と、記憶手段に格納された設計データに基づいて、歯車の測定点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上にあるように回動姿勢変更手段と相対位置変更手段とをそれぞれ制御するとともに、測定光軸上にある歯車の測定点を測定するようにレーザーホログラフィ測距装置を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更してレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の一の位相にある点を通るように相対位置変更手段を制御する光軸調整と、この歯車の一の位相の点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更するように相対位置変更手段を制御する焦点調整と、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で、歯車の回転軸を中心にして歯車のピッチずつ歯車を順次回動させて、歯車のそれぞれの歯においてこの一の位相と共通の位相にある各点を離散的に順次測定するように回動姿勢変更手段とレーザーホログラフィ測距装置とを制御する離散的測定と、一の離散的測定により一の位相と共通の位相にある各測定点を離散的に測定した後、歯車の種々の位相にある点について光軸調整と、焦点調整と、離散的測定とを行うことを繰返すことにより、歯車の種々の位相にある各点を順次離散的に測定する処理とを行なうとともに、これらの測定データを集計して歯形を求めるものであることを特徴とする歯車歯形の非接触測定装置(請求項6)。
【0021】
この態様によれば、それぞれの歯の一の位相にある各点を離散的に順次測定する間は焦点調整工程の必要がないので、全体の測定時間を大幅に短縮することができる。
【0022】
また、本発明の好ましい態様は、上記制御手段は、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で、歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、上記歯車の一の位相の点と同じ測定光軸上において上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点を順次測定する有効範囲内測定を行うように、回動姿勢変更手段とレーザーホログラフィ測距装置とを制御するものであることを特徴とする請求項6記載の歯車歯形の非接触測定装置である(請求項7)。
【0023】
この好ましい態様によれば、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点が順次測定されるので、新たな焦点調整工程を行うことなく歯車の歯形に関するさらに多くのデータを採取することができる。
【0024】
また、本発明の好ましい態様は、上記制御手段は、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の他の部分によって遮られないように、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する光軸変更を行うように、相対位置変更手段を制御するものであることを特徴とする請求項7記載の歯車歯形の非接触測定装置である(請求項8)。
【0025】
この好ましい態様によれば、例えば、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が歯車の山部分によって遮られて歯車の歯溝の位相にある点の測定ができなくなるような場合などでも、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する光軸変更工程により、これら死角となる点を測定することができるようになる。
【0026】
また、本発明の好ましい態様は、上記制御手段は、歯車の回転軸から一方の側を測定光軸が通る状態で各歯の一方の面を測定するように相対位置変更手段を制御する処理と、歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るように相対位置変更手段を制御して上記光軸変更を行う処理と、この歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通る状態で各歯の他方の面を測定するように相対位置変更手段を制御する処理とを行うものであることを特徴とする請求項8記載の歯車歯形の非接触測定装置である(請求項9)。
【0027】
この好ましい態様によれば、歯車の回転軸から一方の側を測定光軸が通るようにすることにより、各歯の一方の面を測定光軸が遮られない状態で測定することができるとともに、歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るようにすることにより、各歯の他方の面を同様に測定光軸が遮られない状態で測定することができる。
【0028】
また、本発明の好ましい態様は、上記レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸は、歯車の回転軸と直交する方向に沿うように設定されるとともに、上記相対位置変更手段は、歯車の回転軸の方向と、測定光軸の方向と、歯車の回転軸および測定光軸それぞれに直交する方向とのそれぞれの方向にレーザーホログラフィ測距装置本体を相対的に移動することによりレーザーホログラフィ測距装置と歯車との相対位置を変更するものであることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の歯車歯形の非接触測定装置である(請求項10)。
【0029】
この好ましい態様によれば、構造が簡単であるとともに、測定に係る距離の演算が容易であり、歯車歯形の測定システムを構成しやすい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置10の構成を示す斜視図であり、図2は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置10の概略の構成を示すブロック図である。
【0031】
図1と図2とを参照して、図示の本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置10は、レーザーホログラフィ測距装置2により歯車1の歯形を非接触で測定するものであって、歯車1の回転軸1aを中心にして歯車1の回動姿勢を変更可能な回動姿勢変更手段3と、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更可能な相対位置変更手段4と、歯車歯形に関する設計データを格納する記憶手段5(図2)と、記憶手段5に格納された設計データに基づいて、歯車1の測定点Pがレーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2c上にあるように回動姿勢変更手段3および相対位置変更手段4とをそれぞれ制御するとともに、測定光軸2c上にある歯車1の測定点Pを測定するようにレーザーホログラフィ測距装置2を制御する制御手段6(図2)とを備えている。
【0032】
上記レーザーホログラフィ測距装置2は、本実施形態では、一般に市場に流通している、いわゆるコノスコピック・ホログラフィ方式の測距装置を採用しており、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと、測距制御ユニット2b(図2)とを備えている。
【0033】
レーザーホログラフィ測距装置本体2aは、物体からの反射光が、光学結晶内部で直交する二軸の偏光に分割されるとともに、この分割された二つの偏光が光学結晶を出るときに再び出会うことにより、物体までの距離情報を含んだ同心円状の多数の縞模様が形成されるというコノスコープの原理を応用した非接触式の測距装置である。本実施形態では、685nmの波長のレーザー光を用い、測定装置の対物レンズ2dから約40mmの距離で測定有効範囲が約2mm内にある物体において、物体までの距離を2.5μm以下の測定精度で測定することが可能なものを採用している。また、このレーザーホログラフィ測距装置本体2aは、対物レンズの交換により、例えば対物レンズ2dから約14mmの距離で測定有効範囲が約0.6mm内にある物体において、物体までの距離を1μm以下の測定精度で測定することが可能となるなど、対象とする歯車の大きさ、許容測定誤差など種々の条件に対応可能になっている。
【0034】
このレーザーホログラフィ測距装置本体2aの測定光軸2cは、歯車歯形の非接触測定装置10の構造を簡単にするとともに、測定に係る距離の演算を容易にして、システムを構成しやすくするために、略水平に設けられた歯車1の回転軸1aと直交するように、鉛直方向に設定されている。
【0035】
また、測距制御ユニット2b(図2)は、制御手段6から入力される測定の指示のためのディジタル制御信号を受け取ることにより、図略のコノスコープで得られる物体までの距離情報を含んだ同心円状の多数の縞模様を解析して、レーザーホログラフィ測距装置本体2aの対物レンズ2dから歯車1の測定点Pまでの距離を演算するとともに、その歯車1の測定点Pまでの距離をディジタル信号に変換して、制御手段6に送る。
【0036】
上記回動姿勢変更手段3は、水平に設けられた歯車1の回転軸1aを中心にして歯車1の回動姿勢を変更可能にするためのものであり、歯車1の回転角度の検出と制御が可能なように、歯車1の回転軸1aを中心にして回転する回動用ステッピングモーター3aと、回動用ステッピングモーター3aを制御する回動用モーター制御ユニット3b(図2)とを備えている。
【0037】
そして回動姿勢変更手段3の回動用モーター制御ユニット3bは、歯車1の回転角度データすなわち、歯車1の歯車軸(C軸)についての回転角度データをディジタル信号の形で制御手段6に送るとともに、制御手段6から歯車1の移動データすなわち、C軸についての回転角度データの増減分もしくは移動後の回転角度データをディジタル信号の形で受け取り、これらのデータに基づいて、回動用ステッピングモーター3aをパルス制御により駆動する。
【0038】
上記相対位置変更手段4は、レーザーホログラフィ測距装置本体2aを移動させてレーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更するためのものであり、水平に設けられた歯車1の回転軸1aの方向(Y軸)にレーザーホログラフィ測距装置本体2aを移動させるY軸移動手段42と、鉛直に設けられた測定光軸2cの方向(Z軸)にレーザーホログラフィ測距装置本体2aを移動させるZ軸移動手段43と、歯車1の回転軸1aおよび測定光軸2cそれぞれに直交する水平の方向(X軸)にレーザーホログラフィ測距装置本体2aを移動させるX軸移動手段41とを有している。
【0039】
そして各移動手段41、42、43は、それぞれの軸におけるレーザーホログラフィ測距装置本体2aの位置の検出と制御が可能なように、それぞれ1つの移動用ステッピングモータ4a(図2)と、移動用ステッピングモータ4aを制御する移動用モーター制御ユニット4b(図2)とを備えている。
【0040】
これら移動用モーター制御ユニット4bは、レーザーホログラフィ測距装置本体2aの位置データすなわち、X軸、Y軸、Z軸、それぞれについての位置データをディジタル信号の形で制御手段6に送るとともに、制御手段6からは、レーザーホログラフィ測距装置本体2aの移動データすなわち、X軸、Y軸、Z軸についての位置データの増減分もしくは移動後の位置データをディジタル信号の形で受け取って、これらのデータに基づき、各移動用ステッピングモータ4aをパルス制御により駆動する。
【0041】
上記記憶手段5は、歯車歯形に関する設計データを格納するためのものであり、本実施形態では、後述する制御手段6のコンピュータ本体61に含まれるハードディスク61bにおいて歯車歯形に関する設計データを格納するための記憶領域がこれに相当する。
【0042】
上記制御手段6は、記憶手段5に格納された設計データに基づいて、歯車1の各測定点がレーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2c上にあるように回動姿勢変更手段3と相対位置変更手段4とをそれぞれ制御するとともに、測定光軸2c上にある歯車1の測定点Pを測定するようにレーザーホログラフィ測距装置2を制御するものであり、本実施形態では、コンピュータ本体61と、コンピュータ本体61に設計データを入力するとともにコンピュータ本体61に工程に関する指示を与えるための入力装置62と、コンピュータ本体61における処理結果を表示する表示装置63とを備えている。
【0043】
コンピュータ本体61は、情報処理を司るコンピュータ集積回路61aと、ハードディスク61bと、信号を授受するための入出力アダプター61cと、これらを接続するバス回路61d、その他の電気回路とを備えたいわゆるパーソナルコンピュータが採用されている。
【0044】
コンピュータ集積回路61aは、中央で演算処理を行ういわゆるCPUを含んだ集積回路で構成され、コンピュータ本体61の他の回路や装置とバス回路61dその他の配線で電気的に接続され、これらとディジタル信号の形式で情報データの授受を行なうことにより各装置を統括制御している。
【0045】
ハードディスク61bは、前述のように記憶手段5として歯車歯形に関する設計データを設計データを格納するための記憶領域に格納するだけでなく、本実施形態では、制御手段6において歯車歯形の非接触測定装置10を制御する測定プログラムを格納するためにも用いられる。また、測定した歯形の形状データや、解析結果を格納するためにも用いられる。
【0046】
入出力アダプター61cは、コンピュータ集積回路61aが、レーザーホログラフィ測距装置本体2aの測距制御ユニット2b、回動姿勢変更手段3の回動用モーター制御ユニット3b、および相対位置変更手段4の移動用モーター制御ユニット4bとディジタル信号を授受するために設けられた補助的回路であり、相互に信号形式を変換することにより、コンピュータ集積回路61aが各制御ユニット2b、3b、4bを制御することが可能になっている。
【0047】
コンピュータの入力装置62は、本実施形態では、いわゆるキーボード62aとマウス62bが採用されている。これら入力装置62は、コンピュータ本体61に対してプログラムをロードして実行するための指示に関するデータ、処理工程に必要なデータ、処理工程の選択に関するデータなどの入力を行うためのものである。
【0048】
コンピュータの表示装置63は、本実施形態では、いわゆるCRTディスプレーあるいは液晶ディスプレーと呼ばれる表示手段が採用され、測定結果、解析結果が表示される。
【0049】
そして、この制御手段6は、コンピュータ本体61のハードディスク61bに格納されたプログラムが図略のCPUを含むコンピュータ集積回路61aにロードされて実行されることにより、レーザーホログラフィ測距装置2と、回動姿勢変更手段3と、相対位置変更手段4とをそれぞれ制御することにより、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法を実行するように構成されている。
【0050】
次に、図3〜図7を参照して、この本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置10において、上記制御手段6が実行する歯車歯形の非接触測定方法の詳細について説明する。
【0051】
図3は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法の前半を示すフロー図であり、図4は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法の後半を示すフロー図である。また、図5は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法のX軸に係る光軸調整工程と、焦点調整工程と、離散的測定工程と、光軸変更工程の概要を示す説明図である。また、図6は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法の有効範囲内測定工程の概要を示す説明図であり、図7は、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法のY軸に係る光軸調整工程の概要を示す説明図である。
【0052】
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置10の測定方法の前半は、まず、ステップS1において、測定プログラムを起動することにより、測定をスタートさせる。
【0053】
次に、ステップS2において、記憶手段5に格納された設計データの有無を確認し、NOの場合はステップS3に進む。また、YESの場合はステップS4に進む。
【0054】
ステップS3においては、入力装置62から、歯車諸元を入力することにより、歯車1の設計データを記憶手段5に格納する。
【0055】
また、ステップS4においては、既に記憶手段5に格納してある歯車歯形の設計データを記憶手段5からコンピュータ集積回路61aの記憶領域に読み込む。
【0056】
次に、ステップS5において、ステップS3あるいはステップS4でコンピュータ集積回路61aの記憶領域に読み込んだ設計データから、歯車1の理論歯形を計算する。
【0057】
ステップS6において、相対位置変更手段4を制御してレーザーホログラフィ測距装置2をX軸の中心に移動させる(図5参照)。
【0058】
ステップS7において、最初の焦点調整工程を行う。この焦点調整工程は、相対位置変更手段4を制御して、X軸の中心に位置する歯車1の頂点がレーザーホログラフィ測距装置2の測距有効範囲内に入るように、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更するものである(図5参照)。
【0059】
ステップS8において、レーザパワーの調整を行う。
【0060】
次に図4を参照して、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置10の測定方法の後半は、まず、ステップS9において、光軸調整工程を行う。この光軸調整工程は、相対位置変更手段4を制御して、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更することにより、レーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2cが、歯車1の一の位相にある点を通るようにするものであり、歯車1の測定位置にY軸に沿って移動するステップS9yと、歯形測定の位置までX軸方向に沿って移動するステップS9xの少なくとも一方の工程を含んでいる。本実施形態においては、各歯の一方の面1j(図5参照)を測定光軸2cが遮られない状態で測定することができるようにするために、最初の光軸調整工程は、歯車1の回転軸1aから一方の側(図5において右側)を測定光軸2cが通るようにして行われる。
【0061】
次に、ステップS10において、測定前の焦点調整工程を行う。この焦点調整工程は、相対位置変更手段4を制御して、歯車1の一の位相の点がレーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2c上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更するものである。
【0062】
そして、その後、ステップS11において、有効範囲内測定工程を行う。この有効範囲内測定工程は、図6にも示すように、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置が一定に保たれた状態で、回動姿勢変更手段3を制御して、歯車1の回転軸1aを中心にして歯車1を回動させることにより、歯車1の一の位相の点と同じ測定光軸2c上において一の位相の点P1と同じ測距有効範囲内の各点を順次測定するものである。本実施形態においては、例えば歯1bがAからBの位置に回動する間に、同じ測定光軸2c上において測距有効範囲内の各点P1〜P5が順次測定される。
【0063】
ステップS12において、同じ測距有効範囲内の各点が測定されたかどうかを判断し、YESの場合はステップS13に進む。また、NOの場合はステップS11を繰返す。
【0064】
ステップS13において、離散的測定工程を行う。この離散的測定工程は、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置が一定に保たれた状態で、回動姿勢変更手段3を制御して歯車1の回転軸1aを中心にして歯車1を回動させることにより、歯車1のそれぞれの歯においてこの一の位相と共通の位相にある各点を離散的に順次測定するものである。このことを図6を参照して説明すると、次の歯1cがCの位置からAの位置にまで回動した時に、ステップ11で測定したP1と同じ位相にある点P6が測定されることを示している。
【0065】
次に、ステップS14において、図6に示すように、各歯の一方の面1jの歯先1mから歯底1nまで測定したかどうかを判断する。
【0066】
NOの場合はステップS9xに進んで、S9x〜14の工程すなわち、S9xのX軸に係る光軸調整工程と、S10の焦点調整工程と、S11の有効範囲内測定工程と、ステップS12の判断と、ステップS13の離散的測定工程と、ステップS14の判断とを繰返すことにより、歯車1の一方の面1jを歯先1mから歯底1nにかけて測定する(図5参照)。
【0067】
また、YESの場合は、各歯の一方の面1jの歯先1mから歯底1nまでの測定が完了したと判断してステップS15に進む。
【0068】
このように、各歯の一方の面1jを測定光軸2cが遮られない状態で測定することができるようにするために、歯車1の回転軸1aから一方の側(図5において右側)を測定光軸2cが通るようにしてステップS9x〜14を行うことにより、各歯の一方の面1jが測定される。
【0069】
ステップS15において、光軸変更工程を行う。この光軸変更工程は、例えば、レーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2cが歯車1の山部分によって遮られて歯車1の歯溝の位相にある点の測定ができなくなるような場合などでも、これら死角となる点を測定することができるようにするものであり、本実施形態では、歯車1の回転軸1aから他方の側(図5において左側)を測定光軸2cが通るように上記光軸変更工程が行なわれる(図5参照)。
【0070】
ステップS16において、各歯の他方の面1kの歯先1qから歯底1rまで測定したかどうかを判断し、NOの場合はステップS9yに進んで、S9x〜14の工程を繰返すことにより、歯車1の他方の面1kを歯先1qから歯底1rにかけて測定する(図5参照)。また、YESの場合はステップS17に進む。
【0071】
このように、各歯の他方の面1kを測定光軸2cが遮られない状態で測定することができるようにするために、歯車1の回転軸1aから他方の側(図5において左側)を測定光軸2cが通るようにしてステップS9x〜14を行うことにより、各歯の他方の面1kが測定される(図5参照)。
【0072】
次に、ステップS17において、設定した歯車1の軸方向(Y軸方向)の分割数だけ測定したかどうかを判断し、NOの場合はステップS9yに進んで図7に示すように歯車1の軸方向(Y軸方向)の次の層の測定に移行する。また、YESの場合は歯車歯形の測定を終了するとともに測定データを解析して、後述するように解析結果を表示装置63に出力する。
【0073】
このように、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法は、離散的測定工程により一の位相と共通の位相にある各測定点を離散的に測定した後、歯車1の種々の位相にある点について光軸調整工程と、焦点調整工程と、離散的測定工程とを行うことを繰返すことにより、歯車1の他の位相にある各点を順次離散的に測定していくことを特徴とする歯車歯形の非接触測定方法であり、それぞれの歯の一の位相にある各点を離散的に順次測定する間は焦点調整工程の必要がない結果、全体の測定時間を大幅に短縮することができるものである。
【0074】
また、有効範囲内測定工程により、歯車1を回動させるだけで、歯車1の一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点が順次測定されるので、新たな焦点調整工程を行うことなく歯車1の歯形に関するさらに多くのデータを採取することができるものである。
【0075】
次に図8を参照して、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置10の作用について説明する。
【0076】
図8は歯車歯形の測定に係る各距離の関係を示す概念図であり、図9は本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置10による測定結果の一例を示す歯形のレンダリング図20である。
【0077】
図8を参照して、図示のように、歯車1の歯形がインボリュート歯面の場合は、αをいわゆる歯車歯形の圧力角(rad)として次の関係がある。
α=cos-1(db/dx) (rad) ▲1▼
invα=tanα−α (rad) ▲2▼
ここで、dbは、歯車の基礎円直径(mm)、dxは、歯面上の任意の点Pにおける直径(mm)を表し、また、invαは、歯車1の歯において歯形上の直径がdxとなる角度を示している。
【0078】
一方、角度θ(rad)だけずらした歯車1の歯1b上の任意の点Pの座標を(Ex、Ez)とすると、Ex(mm)、Ez(mm)は、次の式で表される。
Ex=dx・sin(θ+invα)/2 ▲3▼
Ez=dx・cos(θ+invα)/2 ▲4▼
このことから、角度θ(rad)だけずらした歯において、直径dxの歯上の任意の点Pの理論座標(Ex、Ez)は、▲1▼〜▲4▼の式を用いて、dxと既知の値dbおよびθだけで算出することができることがわかる。
【0079】
このように、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置10においては、この角度θ(rad)だけずらした歯1bにおける理論座標(Ex、Ez)の点を通るようにレーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2cを定めるとともに、対物レンズ2dと測定点Pの距離Lを測定することにより、対物レンズ2dの高さから距離Lを除算して、理論値Ezに対する実際の座標を測定することができるものである。
【0080】
図9は、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置で得られた歯車歯形の測定データを基にして行う歯車の解析の手順を示すフロー図である。
【0081】
図9を参照して、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法で得られた歯車歯形の測定データは、ステップS21において、図10に示すような実歯形のレンダリング図20を作成する他、ステップS22において、JISの精度評価に係る検査グラフあるいは検査表を作成する。ここでJISの評価項目は、(1)単一ピッチ誤差、(2)部分累積ピッチ誤差、(3)累積ピッチ誤差、(4)全歯形誤差、(5)全歯すじ誤差、(6)片歯面1ピッチかみあい誤差、(7)片歯面全かみあい誤差、(8)歯形形状誤差、(9)歯形こう配誤差、(10)歯すじ形状誤差、(11)歯すじ傾斜誤差の11項目である。
【0082】
また、ステップS23において、得られた歯形の形状データは、同様にして得られた他の歯車の測定データと組み合わせることにより、他の歯車とのかみあいシミュレーションを行うのに用いられる。そして、このかみあいシミュレーションの過程において、▲1▼回転伝達誤差解析、▲2▼回転むら(回転変動率)解析、▲3▼周波数解析等を行う。
【0083】
なお、これらの測定データ、解析データは、ネットワークを介して各部門が利用できるようにすることにより、例えば製造部門と設計部門との間の情報伝達において時間差をなくすなど、工期を短縮して、歯車製造に係るコストをさらに低減することが可能となる。
【0084】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置10によれば、それぞれの歯の一の位相にある各点を離散的に順次測定する間は、歯車1の測定点Pがレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸2c上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車との相対位置を変更するための焦点調整工程の必要がないので、全体の測定時間を大幅に短縮することができる。
【0085】
また、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置が一定に保たれた状態で歯車1の回転軸1aを中心にして歯車1を回動させることにより、上記歯車1の一の位相の点と同じ測定光軸2c上において上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点が順次測定されるので、新たな焦点調整工程を行うことなく歯車1の歯形に関するさらに多くのデータを採取することができる。
【0086】
また、例えば、レーザーホログラフィ測距装置2の測定光軸2cが歯車1の山部分によって遮られて歯車1の歯溝の位相にある点の測定ができなくなるような場合などでも、レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更する光軸変更工程により、これら死角となる点を測定することができるようになる。
【0087】
また、歯車1の回転軸1aから一方の側(図5において右側)を測定光軸2cが通るようにすることにより、各歯の一方の面1jを測定光軸2cが遮られない状態で測定することができるとともに、歯車1の回転軸1aから他方の側(図5において左側)を測定光軸2cが通るようにすることにより、各歯の他方の面1kを同様に測定光軸2cが遮られない状態で測定することができる。
【0088】
これは、従来の技術においては、歯車の歯溝の面は、測定光を歯車のインボリュート面に合わせた場合など、測定光が歯車の山部分に遮られて死角となるため、測定できなくなるという不具合があったが、このような死角となるような部分でも歯形を測定することができるという効果を奏するものである。これにより、インボリュート面だけでなく、歯元部分を含めた全歯形を測定することが可能となる。この歯元部分を含めた全歯形の測定は、歯車1の歯形測定の分野では今まで実施されていない事柄である。
【0089】
また、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置10によれば、構造が簡単であるとともに、測定に係る距離の演算が容易であり、歯車歯形の測定システムを構成しやすい。
【0090】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0091】
例えば、レーザーホログラフィ測距装置2は、本実施形態では、一般に市場に流通している、いわゆるコノスコピック・ホログラフィ方式の測距装置を採用しているが、必ずしもコノスコピック・ホログラフィ方式の測距装置に限定されない。レーザーホログラフィを応用した非接触式の測距装置であれば、その他の方式の測距装置を採用することも可能である。
【0092】
また、レーザーホログラフィ測距装置2において、レーザー光の波長、対物レンズ2dの仕様、測定距離、測定有効範囲、測定精度などの諸元は種々の設計変更が可能である。
【0093】
さらに、レーザーホログラフィ測距装置本体2aの測定光軸2cは、略水平に設けられた歯車1の回転軸1aと直交するように、鉛直方向に設定されているが、必ずしも図示のように鉛直方向に限定されない。水平方向など、その他の方向に測定光軸2cを設定することが可能である。
【0094】
回動姿勢変更手段3は、必ずしも図示の形状、仕様に限定されない。水平に設けられた歯車1の回転軸1aを中心にして歯車1の回動姿勢を変更可能なものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0095】
また、相対位置変更手段4も、必ずしも図示の形状、仕様に限定されない。レーザーホログラフィ測距装置本体2aと歯車1との相対位置を変更可能なものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0096】
記憶手段5も、必ずしもコンピュータ本体61に含まれるハードディスク61bに限定されない。光学的コンパクトディスク(CD)やフレキシブルディスク(FD)など、その他の記憶媒体が採用可能である。
【0097】
また、本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法において、光軸調整工程と、焦点調整工程と、光軸変更工程とは、必ずしも図示のような相対位置変更手段4によって実行されることは必須ではなく、他の手段を採用することも可能である。
【0098】
また、有効範囲内測定工程と、離散的測定工程とも、必ずしも図示のような回動姿勢変更手段3によって実行されることは必須ではなく、他の手段を採用することも可能である。
【0099】
また、実歯形のレンダリング図20、歯形検査表、回転伝達誤差解析、回転むら(回転変動率)の評価、周波数解析など、測定で得られた歯形座標を基にした解析の内容についても、必ずしも本発明を限定するものではない。これら以外にも歯車1の歯形の形状データから導き出されるものを結果として出力することは差し支えない。
【0100】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歯車歯形の非接触測定方法および歯車歯形の非接触測定装置によれば、装置を簡素化して製造に係るコストを低減することができるだけでなく、歯車とレーザーホログラフィ測距装置との相対位置を変更する頻度を低減して歯車歯形の測定に係る時間を短縮するとともに、例えば歯車の歯溝の面など、測定光が歯車の山部分に遮られて死角となるような部分でも歯形を測定することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置の構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法の前半を示すフロー図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法の後半を示すフロー図である。
【図5】 X軸に係る光軸調整工程と、焦点調整工程と、離散的測定工程と、光軸変更工程の概要を示す説明図である。
【図6】 有効範囲内測定工程の概要を示す説明図である。
【図7】 Y軸に係る光軸調整工程の概要を示す説明図である。
【図8】 歯車歯形形の測定に係る各距離の関係を示す概念図である。
【図9】 本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置で得られた歯車歯形の測定データを基にして行う歯車の解析の手順を示すフロー図である。
【図10】 本発明の実施の形態に係る歯車歯形の非接触測定方法および非接触測定装置による測定結果の一例を示す歯形のレンダリング図である。
【符号の説明】
10 歯車歯形の非接触測定装置
1 歯車
1a 回転軸
2 レーザーホログラフィ測距装置
2a レーザーホログラフィ測距装置本体
2c 測定光軸
3 回動姿勢変更手段
4 相対位置変更手段
5 記憶手段
6 制御手段

Claims (10)

  1. レーザーホログラフィ測距装置により歯車の歯形を非接触で測定する歯車歯形の非接触測定方法であって、
    レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更することにより、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の一の位相にある点を通るようにする光軸調整工程と、
    この歯車の一の位相の点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する焦点調整工程と、
    レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、歯車のそれぞれの歯においてこの一の位相と共通の位相にある各点を離散的に順次測定する離散的測定工程とを含み、
    一の離散的測定工程により一の位相と共通の位相にある各測定点を離散的に測定した後、歯車の種々の位相にある点について光軸調整工程と、焦点調整工程と、離散的測定工程とを行うことを繰返すことにより、歯車の種々の位相にある各点を順次離散的に測定し、これらの測定データを集計して歯形を求めることを特徴とする歯車歯形の非接触測定方法。
  2. レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、上記歯車の一の位相の点と同じ測定光軸上において上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点を順次測定する有効範囲内測定工程を含むことを特徴とする請求項1記載の歯車歯形の非接触測定方法。
  3. レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の他の部分によって遮られないように、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する光軸変更工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項2記載の歯車歯形の非接触測定方法。
  4. 歯車の回転軸から一方の側を測定光軸が通るようにして各歯の一方の面を測定する工程と、歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るように上記光軸変更工程を行なう工程と、
    この歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るようにして各歯の他方の面を測定する工程とを含むことを特徴とする請求項3記載の歯車歯形の非接触測定方法。
  5. 上記レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸は、歯車の回転軸と直交する方向に沿うように設定されるとともに、
    上記レーザーホログラフィ測距装置と歯車との相対位置は、歯車の回転軸の方向と、測定光軸の方向と、歯車の回転軸および測定光軸それぞれに直交する方向とのそれぞれの方向にレーザーホログラフィ測距装置本体を相対的に移動することにより変更されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の歯車歯形の非接触測定方法。
  6. レーザーホログラフィ測距装置により歯車の歯形を非接触で測定する歯車歯形の非接触測定装置であって、
    歯車の回転軸を中心にして歯車の回動姿勢を変更可能な回動姿勢変更手段と、
    レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更可能な相対位置変更手段と、
    歯車歯形に関する設計データを格納する記憶手段と、
    記憶手段に格納された設計データに基づいて、歯車の測定点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上にあるように回動姿勢変更手段と相対位置変更手段とをそれぞれ制御するとともに、測定光軸上にある歯車の測定点を測定するようにレーザーホログラフィ測距装置を制御する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更してレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の一の位相にある点を通るように相対位置変更手段を制御する光軸調整と、
    この歯車の一の位相の点がレーザーホログラフィ測距装置の測定光軸上において測距有効範囲内に入るようにレーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更するように相対位置変更手段を制御する焦点調整と、
    レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で、歯車の回転軸を中心にして歯車のピッチずつ歯車を順次回動させて、歯車のそれぞれの歯においてこの一の位相と共通の位相にある各点を離散的に順次測定するように回動姿勢変更手段とレーザーホログラフィ測距装置とを制御する離散的測定と、
    一の離散的測定により一の位相と共通の位相にある各測定点を離散的に測定した後、歯車の種々の位相にある点について光軸調整と、焦点調整と、離散的測定とを行うことを繰返すことにより、歯車の種々の位相にある各点を順次離散的に測定する処理とを行なうとともに、
    これらの測定データを集計して歯形を求めるものであることを特徴とする歯車歯形の非接触測定装置。
  7. 上記制御手段は、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置が一定に保たれた状態で、歯車の回転軸を中心にして歯車を回動させることにより、上記歯車の一の位相の点と同じ測定光軸上において上記一の位相の点と同じ測距有効範囲内の各点を順次測定する有効範囲内測定を行うように、回動姿勢変更手段とレーザーホログラフィ測距装置とを制御するものであることを特徴とする請求項6記載の歯車歯形の非接触測定装置。
  8. 上記制御手段は、レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸が、歯車の他の部分によって遮られないように、レーザーホログラフィ測距装置本体と歯車との相対位置を変更する光軸変更を行うように、相対位置変更手段を制御するものであることを特徴とする請求項7記載の歯車歯形の非接触測定装置。
  9. 上記制御手段は、歯車の回転軸から一方の側を測定光軸が通る状態で各歯の一方の面を測定するように相対位置変更手段を制御する処理と、
    歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通るように相対位置変更手段を制御して上記光軸変更を行う処理と、
    この歯車の回転軸から他方の側を測定光軸が通る状態で各歯の他方の面を測定するように相対位置変更手段を制御する処理とを行うものであることを特徴とする請求項8記載の歯車歯形の非接触測定装置。
  10. 上記レーザーホログラフィ測距装置の測定光軸は、歯車の回転軸と直交する方向に沿うように設定されるとともに、
    上記相対位置変更手段は、歯車の回転軸の方向と、測定光軸の方向と、歯車の回転軸および測定光軸それぞれに直交する方向とのそれぞれの方向にレーザーホログラフィ測距装置本体を相対的に移動することによりレーザーホログラフィ測距装置と歯車との相対位置を変更するものであることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の歯車歯形の非接触測定装置。
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