JP3929783B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正しい相手と通信していることの確認機能を備える無線通信装置に関し、特に、受信信号の伝送路特性を利用して通信相手の確認を行う無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信において、受信情報が正しい通信相手から送信された情報であることを確認することは必要である。
例えば、基地局−移動体間で通信を行い基地局からの指示により移動体の走行を安全に制御するシステムを考える。この場合、基地局−移動体間の通信に対して、正常な通信と同様の通信手続きによる妨害通信、即ち、正しい通信相手のふりをして通信を妨害する所謂「なりすまし」があると、この「なりすまし」の妨害電波を移動体側が受信したとき、どちらが正しいのか判断できなくなったり、妨害電波が正しいと誤解することが有り得る。従って、このような「なりすまし」を排除するために、受信した情報が確かに基地局から送信された情報であることを確認することが移動体を安全に走行制御する上で重要となる。
【0003】
従来、正しい通信相手の情報であることを確認して「なりすまし」を排除する方法としては、データの暗号化が一般的に用いられている。これは、送信側は送信データを暗号化して送信し、受信側は正しく暗号化された受信データのみを受付けるようにして「なりすまし」を排除する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の暗号化による方法では、その暗号が不正者に解読されないことが重要になる。このため、複雑な暗号が用いられることが多く、一般に送信するデータ量が増大するため通信速度が低下するという問題点がある。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、複雑な暗号処理を行わずに「なりすまし」の排除が可能な通信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の無線通信装置は、受信信号から生成される信号伝搬経路の実伝送路特性関連情報が、予め定めた相手からの送信信号を受信した場合の記憶されている期待伝送路特性関連情報と一致するか否かを判定し、一致するときに前記受信信号から得られる受信データの有効判定出力を発生する受信信号確認部を備える構成であって、前記予め定めた相手の通信局から伝送路特性関連情報生成用の既知データを暗号化して周期的に送信すると共に、前記受信信号確認部が、前記送信信号を受信して信号伝搬経路の伝送路特性関連情報を生成すると共に受信信号から得られる受信データを出力する受信・復調部と、該受信・復調部から出力された前記受信データの暗号を解読する暗号解読部と、該暗号解読部の解読結果が前記既知データである時に前記受信・復調部で生成した伝送路特性関連情報を前記期待伝送路特性関連情報として記憶する記憶部と、前記受信・復調部が受信信号から生成した実伝送路特性関連情報と前記記憶部に記憶された前記期待伝送路特性関連情報とが一致する時に前記有効判定出力を発生する判定部と、を備える構成とした。
【0006】
かかる構成では、受信信号確認部は、信号を受信すると当該受信信号から信号伝搬経路の実伝送路特性関連情報(受信信号の振幅周波数特性と移動周波数特性から定まる伝送路特性そのもの、或いは伝送路特性によって影響を受ける受信信号に含まれる伝送路特性に関連する情報)を生成する。この生成した信号伝搬経路の実伝送路特性関連情報を、正しい送信信号を受信した場合の記憶されている期待伝送路特性関連情報と比較し、一致しているか否かを判定する。そして、一致するときに前記受信信号は正しい通信相手からのものであると判断し、受信信号から得られる受信データが有効であることを示す判定出力を発生する。不一致であれば前記受信信号は正しくないと判断し、受信信号から得られる受信データが無効であることを示す判定出力を発生する。ここで、予め定めた相手の通信局から送信された暗号化された既知データの暗号を解読し、解読結果が既知データである時に受信信号から生成した信号伝搬経路の伝送路特性関連情報を前記期待伝送路特性関連情報として記憶して実伝送路特性関連情報するので、期待伝送路特性関連情報の信頼性が向上し、延いては通信装置の信頼性が向上するようになる。
【0010】
請求項2のように、前記記憶部に記憶した期待伝送路特性関連情報を適宜更新する構成とするとよい。この場合、期待伝送路特性関連情報の更新時期は、請求項3のように、実伝送路特性関連情報と期待伝送路特性関連情報の不一致により前記判定部から無効判定出力が発生する毎に行う構成とするとよい。また、請求項4のように、予め定めた所定の時間間隔で行う構成としてもよく、請求項5のように、予め定めた通信相手の通信局と通信を開始する毎に行うようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の通信装置による通信相手の確認動作原理について図1を参照して説明する。
図1は、例えば固定の基地局からの電波を市街地を走行する移動体に搭載した通信装置で受信する場合の例である。
【0014】
移動体1に搭載した通信装置2(以下、移動局2とする)は、一般に無指向性のアンテナを利用するために、様々な方向からの電波を区別なく受信する。このため、図1に示すように、固定の基地局の通信装置3(以下、固定局3とする)から送信された電波を移動局2が受信する場合、固定局3からの直接波R1以外に、市街地の建築物や地面等で反射された反射波R2,R3も受信する。従って、移動局2で受信される電波は、複数の経路を経て到達する各電波R1〜R3の合成波となる。受信電波が合成波の場合、受信場所により受信電波の経路が変化するため、各電波の位相関係が変化し振幅が変化する。これらは電波の周波数により異なるので周波数特性を有している。従って、受信場所により合成波の振幅周波数特性や位相周波数特性は異なる。これは干渉性フェージングと呼ばれ、受信電波の伝搬経路の伝送路特性が大きく影響する。言い換えれば、受信電波の伝搬経路の伝送路特性は受信信号の振幅や位相で規定できる。
【0015】
例えば、固定局3と異なる場所に存在する妨害装置(図示せず)から送信された図中破線で示す電波R4,R5が、正しい通信相手である固定局3からの電波R1〜R3と合成されて移動局2で受信された場合、その受信信号の振幅周波数特性や位相周波数特性は、固定局3からの電波R1〜R3だけの場合とは異なり、受信信号の伝搬経路の伝送路特性が異なる。
【0016】
従って、受信信号から得られる伝搬経路の伝送路特性を調べれば、受信信号が正しい通信相手からのものか妨害装置による「なりすまし」によるものかの確認が可能である。
図2は、上述の原理を利用して通信相手が正しいか否かを確認可能な本発明に係る通信装置の参考例を示し、図1のように移動体1に搭載する通信装置2の場合の要部構成例である。
【0017】
本参考例の通信装置2は、受信信号から生成される信号伝搬経路の実伝送路特性関連情報と正しい送信信号を受信した場合に期待される期待伝送路特性関連情報とを比較して、両者が一致するか否かの判定出力Eを発生する構成の受信信号確認部を備える。
本参考例の受信信号確認部は、例えば無指向性のアンテナ11から入力される受信信号から実伝送路特性関連情報として伝送路特性Rを算出すると共に当該受信信号からデータDを抽出して出力する受信・復調部12と、任意の場所で予め計測した期待伝送路特性関連情報としての各伝送路特性データTを測定場所の位置データと共に記憶する記憶部である伝送路特性データ記憶部13と、受信・復調部12から出力される実伝送路特性Rと伝送路特性データ記憶部13に記憶された受信位置に対応した予め計測された期待伝送路特性データTとが一致する時にデータDが有効であることを示す判定出力E=1を出力し、不一致の時にデータDを無効とする判定出力E=0を出力する判定部14と、電波を受信した時の移動体1の位置を計測してその受信位置情報Sを伝送路特性データ記憶部13に出力する位置検出部としての例えばGPS装置15とを備える。
【0018】
前記伝送路特性データ記憶部13に記憶される期待伝送路特性データTは、固定局3と移動局2との間で、予め固定局3から既知の信号を送信し移動局2が各位置で受信した受信信号に基づいて得られた計測データであり、各計測位置と対応付けられて各計測位置毎の伝送路特性データTが伝送路特性データ記憶部13に記憶されている。ここで、伝送路特性データTは、伝送路の振幅周波数特性をAc、位相周波数特性をPcとおくと、これらAc、Pcで定まり、受信位置xにおける伝送路特性データT(x)は、Ac、PcをパラメータとしてT(x)=T(Ac(x),Pc(x))として一般的には得られる。ここで、Ac(x)、Pc(x)は、受信位置xにおける振幅周波数特性、位相周波数特性である。
【0019】
次に本参考例の受信信号確認部の動作を説明する。
位置xにおいて移動局2が電波を受信し、アンテナ11から受信信号が受信・復調部12に入力すると、受信・復調部12は、その受信信号の振幅周波数特性Ar(x)及び位相周波数特性Pr(x)から伝送路特性R(x)(=R(Ar(x),Pr(x)))を算出して受信位置xにおける実際の伝送路特性R(x)として判定部14に出力する。伝送路特性データ記憶部13には、GPS装置15から移動局2の位置情報Sが入力しており、GPS装置15から電波を受信した時の位置xの位置情報Sが入力すると、記憶している伝送路特性データTの中から位置xに対応する期待伝送路特性T(x)を検索して期待伝送路特性情報として判定部14に出力する。判定部14は、入力した実伝送路特性R(x)と期待伝送路特性T(x)を比較する。そして、両者が一致すれば受信信号は正しい通信相手の固定局3からのものであると判断して受信データDは有効として判定出力E=1を出力する。一方、両者が不一致であれば受信信号は妨害装置からのものであると判断して受信データDを無効とする判定出力E=0を出力する。
【0020】
例えば、有効判定出力E=1が入力した時に受信データDを記憶し、無効判定出力E=0が入力した時に受信データDは偽データとして記憶しないような構成とすれば、正しい通信相手のデータのみを記憶できるようになる。
かかる構成によれば、送信信号を暗号化しなくとも通信相手の確認が可能となり、妨害装置による「なりすまし」を排除できると共に、通信速度の低下を防止できる。
【0021】
尚、伝送路特性データ記憶部13に記憶されている期待伝送路特性データは、有り得る位置x全てについてとは必ずしも限らない。例えば、データが存在しない位置での期待伝送路特性を、正しい相手からの受信信号による実伝送路特性が正しいと判定できる程度に、各位置についての期待伝送路特性データを有すればよい。或いは、受信側は、期待伝送路特性データの存在する位置にあるときに実伝送路特性Rと比較、判定をするようにしてもよい。その場合には、次回の判定までは、直前までの判定結果により受信データの有効/無効は判定される。
【0022】
次に本発明の通信装置の一実施形態について説明する。
図3は、本実施形態の通信装置における受信信号確認部の構成図である。
図3において、本実施形態の受信信号確認部は、無指向性のアンテナ21、受信・復調部22、伝送路特性データ記憶部23、判定部24の他に、暗号解読部としての暗号復号部25を備える。
【0023】
前記受信・復調部22は、無指向性のアンテナ21から入力される受信信号から実際の伝送路特性Rを算出して判定部24に出力すると共に受信信号からデータDを抽出して暗号解読部としての暗号復号部25に出力する。また、前記伝送路特性Rと異なることがない程度の短期間で伝送路特性R′を算出して伝送路特性データ記憶部23に出力する。
【0024】
暗号復号部25は、受信・復調部22から入力する暗号化されたデータDを解読し、データDが正しいデータであるか否かの判定結果を伝送路特性データ記憶部23に出力する。
前記伝送路特性データ記憶部23は、暗号復号部25からの判定結果が正しいデータであることを示すときのみ、受信・復調部22から入力する伝送路特性を期待伝送路特性データTとして記憶する。
【0025】
判定部24は、第1実施形態と同様に両伝送路特性R,Tを比較してその判定出力Eを出力する。
本実施形態の動作について説明する。
本実施形態の場合、正しい通信相手の固定局3から周期的に既知データを暗号化して送信する。
【0026】
移動局2が電波を受信し、アンテナ21から受信信号が受信・復調部22に入力すると、受信・復調部22は、その受信信号に基づいて実際の伝送路特性Rを算出して判定部24に出力する。また、受信信号から抽出したデータDを暗号復号部25に出力する。また、前記伝送路特性Rと異なることがない程度の短期間の間で受信された信号について伝送路特性R′を算出して伝送路特性データ記憶部23に出力する。
【0027】
暗号復号部25は、受信データDの暗号を解読し、受信データDが固定局3から送信された既知のデータか否かを判定し、既知データであれば伝送路特性データ記憶部23に通知する。
伝送路特性データ記憶部23は、暗号復号部25から入力する判定結果が既知データであることを示していれば、受信・復調部22から入力する伝送路特性R′を期待伝送路特性データTとして記憶する。伝送路特性データ記憶部23は、記憶した伝送路特性データTを判定部24に出力する。
【0028】
判定部24は、受信・復調部22からの実伝送路特性Rと伝送路特性データ記憶部23からの期待伝送路特性Tを比較し、両者が一致しているか否かを判定し、一致している時に受信データDが有効であることを示す判定出力E=1を出力する。
この場合、伝送路特性データ記憶部23に記憶される期待伝送路特性データTを適宜更新する必要がある。この更新タイミングとしては、判定部24の判定が不一致になった時に更新し、新たに実際の受信信号に基づいて伝送路特性R′を算出して期待伝送路特性データTとして記憶すればよい。また、予め定めた所定時間間隔で更新するようにしてもよい。また、通信相手が固定局同士である場合には、通信を開始する度に既知データの送信により伝送路特性R′を算出して期待伝送路特性データTとして記憶し更新するようにしてもよい。
【0029】
本実施形態では、期待伝送路特性データTを生成するために既知信号を暗号化するが、暗号化する信号は通信データの一部だけであり、しかも、使用する暗号は比較的簡単なものでよく、通信するデータ量が極端に増大することはないので、通信動作全体からみれば通信速度にはあまり影響がなく、通信速度を低下させることはない。
【0030】
かかる構成では、実際の受信信号から期待伝送路特性Tを定めているので、正しい通信相手か否かの確認の信頼性が向上する。
上記実施形態では、比較する伝送路特性関連情報として振幅周波数特性と位相周波数特性から定めた伝送路特性を用いたが、移動局で受信される信号から導出される伝送路特性には、そのパラメータとして振幅周波数特性と位相周波数特性のいずれかしか含まれていない場合があり、また、全周波数についての特性ではなく受信周波数のみについての特性である。従って、伝送路特性関連情報として受信強度を比較して通信相手を確認するようにしてもよい。また、伝送路特性関連情報として伝送路特性により特徴付けられる信号を比較することにより、通信相手を確認するようにしてもよい。
【0031】
以下に、スペクトル拡散通信への適用例について説明する。
スペクトル拡散通信には、直接拡散方式と周波数ホッピング方式がある。
図4は、直接拡散方式によるスペクトル拡散通信を用いた場合の図2や図3の受信・復調部12、22の構成例である。
図4において、受信部31は、アンテナ11(又は21)で受信された信号に増幅等の必要な信号処理を行う。整合フィルタ32は、送信側で用いた擬似雑音符号と同一の擬似雑音符号を用いこの擬似雑音符号と受信部31から入力する信号との相関処理を行い自己相関出力Uを出力する。データ生成部33は、整合フィルタ32から入力する自己相関出力Uに対してS/N比向上のための処理や振幅検波処理等を施しデータDを出力する。
【0032】
前記自己相関出力Uは、正しい通信相手である固定局3からの直接波R1(図1に示す)のみが受信される場合には、図5(A)に示すように周期的なパルス信号Usとなる。一方、直接波R1以外に反射波R2,R3も受信されるようなマルチパスによる干渉性フェージングの存在下では、通常、図5(B)に示すように遅延分散して複数のピークが存在する波形の信号Umとなる。そして、遅延分散は、受信電波の伝搬経路により異なってくるので、受信位置に応じて信号Umの波形形状は異なる。このように、スペクトル拡散通信における自己相関出力Uの信号形状は、移動局2の受信位置での伝搬路特性に依存する。
【0033】
従って、整合フィルタ32の自己相関出力Uは、前述した伝送路特性により特徴付けられる信号と考えることができ、伝送路特性関連情報として図2及び図3における実際の伝送路特性RやR′の代わりに用いることができる。
図2の構成では、既知信号を用いて種々の位置での自己相関出力Uを予め計測して伝送路特性データ記憶部13にその計測データを記憶させておけばよい。伝送路特性データ記憶部13にGPS装置15から受信位置情報Sが入力した時に、伝送路特性データ記憶部13は、位置データに対応して記憶されている自己相関出力Uを検索して期待伝送路特性データTとして判定部14に出力する。判定部14は、この期待伝送路特性データT(期待自己相関出力)を受信・復調部12の整合フィルタ32から出力された実伝送路特性R(実際の自己相関出力U)と比較し、両者の一致/不一致を判定して受信データDの有効/無効の判定出力Eを出力する。
【0034】
図3の構成では、受信・復調部22で、自己相関出力が異なることがない程度の短時間の間に出力された各自己相関出力を判定部24と伝送路特性データ記憶部23に出力し、暗号復号部25で受信データDが正常と判定された時に、伝送路特性データ記憶部23が受信・復調部22から入力する自己相関出力を期待自己相関出力として記憶し、記憶した自己相関出力を期待伝送路特性情報として判定部24に出力し、判定部24で、受信・復調部22の整合フィルタ32から出力された実伝送路特性情報としての実際の自己相関出力と比較し、両者の一致/不一致を判定して通信相手が正しいか否かを判定するようにする。
【0035】
尚、上記構成例では、自己相関処理に整合フィルタを用いたが、これに限るものではなく、例えば最ゆう推定法における各積分器の出力レベルの分布も伝送路特性を反映しており適用できる。また、スライディング相関器等は、自己相関値が高くなる位相で同期して自己相関出力を生成する。その場合でも、例えば自己相関出力の出力パルスレベルがその値での予め知られた正しいレベルと一致しているか否かにより通信相手が正しいか否かの判定ができ、同様に適用できる。
【0036】
次に、周波数ホッピング方式への適用について図6を参照して説明する。
図6は、高速ホッピング方式における各周波数信号の位相と振幅を例示した図である。尚、図中、矢印の長さが振幅を示し、矢印の向きが位相を示している。また、簡単のため位相は上側を(+)、下側を(−)としている。
図(A)は送信信号を示し、異なる周波数f1、f2、f4、f6の各信号の組み合わせを用いてデータを符号化している。各データD1〜D3の論理値はここでは位相により表されており、各データの論理値を、D1=D2=1、D3=0(−1で表す)とすると、データD1、D2とデータD3の信号は位相が互いに異なる。
【0037】
図(B)は図(A)の送信信号を受信した場合の受信信号の例を示している。送信時点では、各データ毎に各信号の振幅と位相は揃えられているが、受信信号では、伝送路の周波数特性によって各周波数f1、f2、f4、f6で振幅と位相が影響を受ける。この受信信号の振幅と位相の状態から、各周波数f1、f2、f4、f6における伝送路の振幅特性と位相特性が導出でき、図2や図3の判定部14、24において比較する伝送路特性が生成され、前述と同様にして正しい通信相手か否かを確認できる。
【0038】
上述の実施形態では、固定局と移動局間で無線通信する場合について述べたが、固定局同士或いは移動局同士の無線通信にも適用できることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、伝送路特性を利用して通信相手が正しいか否かを確認できるので、複雑な暗号処理を行わずに「なりすまし」の排除が可能となる。これにより、暗号化によるデータ量の増大を抑制でき、通信速度の低下を防げるようになる。
【0040】
しかも、受信信号が正しい通信相手から送信されたものであることを確認して実際の通信時における受信信号から期待伝送路特性を定めることで、通信相手の確認信頼性がより一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信相手確認原理の説明図
【図2】本発明に係る無線通信装置の参考例の要部ブロック図
【図3】本発明に係る無線通信装置の一実施形態の要部ブロック図
【図4】スペクトル拡散通信に適用した場合の受信・復調部の構成例図
【図5】(A)は直接拡散方式の遅延分散のない自己相関出力の図、(B)は遅延分散のある自己相関出力の図
【図6】(A)は周波数ホッピング方式の送信信号例を示す図、(B)は(A)の送信信号の受信信号例を示す図
【符号の説明】
2,3 通信装置
21 アンテナ
22 受信・復調部
23 伝送路データ記憶部
24 判定部
25 暗号解読部
Claims (5)
- 受信信号から生成される信号伝搬経路の実伝送路特性関連情報が、予め定めた相手からの送信信号を受信した場合の期待伝送路特性関連情報と一致するか否かを判定し、一致するときに前記受信信号から得られる受信データの有効判定出力を発生する受信信号確認部を備える構成であって、
前記予め定めた相手の通信局から伝送路特性関連情報生成用の既知データを暗号化して周期的に送信すると共に、
前記受信信号確認部が、
前記送信信号を受信して信号伝搬経路の伝送路特性関連情報を生成すると共に受信信号から得られる受信データを出力する受信・復調部と、
該受信・復調部から出力された前記受信データの暗号を解読する暗号解読部と、
該暗号解読部の解読結果が前記既知データである時に前記受信・復調部で生成した伝送路特性関連情報を前記期待伝送路特性関連情報として記憶する記憶部と、
前記受信・復調部が受信信号から生成した実伝送路特性関連情報と前記記憶部に記憶された前記期待伝送路特性関連情報とが一致する時に前記有効判定出力を発生する判定部と、
を備える構成としたことを特徴とする無線通信装置。 - 前記記憶部に記憶した期待伝送路特性関連情報を適宜更新する構成とした請求項1に記載の無線通信装置。
- 期待伝送路特性関連情報の更新は、実伝送路特性関連情報と期待伝送路特性関連情報の不一致により前記判定部から無効判定出力が発生する毎に行う構成とした請求項2に記載の無線通信装置。
- 期待伝送路特性関連情報の更新は、予め定めた所定の時間間隔で行う構成とした請求項2に記載の無線通信装置。
- 期待伝送路特性関連情報の更新は、前記予め定めた通信相手の通信局と通信を開始する毎に行う請求項2に記載の無線通信装置。
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