JP3929600B2 - 廃棄物溶融スラグの鋳造設備 - Google Patents
廃棄物溶融スラグの鋳造設備 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみや産業廃棄物、シュレッダーダスト、下水汚泥、あるいはそれらの焼却残渣等を溶融炉で溶融処理した場合に生ずるスラグを製品化し再利用するための廃棄物溶融スラグの鋳造設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、都市ごみや産業廃棄物等は焼却処分されることが多い。焼却減容された焼却残渣は、埋め立て処分されている。しかし、埋め立て処分場の確保は次第に困難になっているので、焼却残渣を溶融炉で溶融した後固化し、路盤材、骨材、ブロック等として製品化しリサイクルするようになりつつある。廃棄物を焼却せず直接溶融炉で溶融処理する場合もある。
【0003】
溶融炉から排出される廃棄物溶融スラグは、1400℃前後の高温融体であるので、冷却固化した後、破砕や磁選などの工程を経て再利用可能な製品とする。この冷却処理は、スラグを融体から固体へと相変化させるものであり、その物性を大きく変える重要な因子である。
【0004】
従来、溶融炉から出湯した廃棄物溶融スラグの冷却処理には、主としてスラグを固定水槽やウォータースライダーのような流水やジェット水等、水を使って急激に冷却する水砕処理が用いられていた。その処理は比較的簡単でコストも低廉であるが、水砕処理により得られる水砕スラグは、天然骨材と比較すると表面の凹凸が少なく、親水性が劣り、針状のものが含まれている。従って、需要の大きい土木、建築資材として利用するには締固め特性やセメント、アスファルト等との接合力が悪くリサイクル使用が進んでいない。
【0005】
これに対し、廃棄物溶融スラグを徐冷し結晶化させると、物理的強度が大となり、路盤材、骨材、ブロック等、土木、建築資材として有効利用するための品質規格を十分満足するものとなるので、固化した結晶化スラグは、破砕して砕石とし路盤材、骨材として使用したり、粉砕したものをセメントと混合して成形しブロックとしたり、粉体として混練成形し焼成してセラミックス化しパネル等として利用することが可能である。
【0006】
そこで、最近では溶融スラグを鍋状の容器にとり、空気中に放置して冷却する空冷処理が注目されている。
しかし、このような空冷処理は、水砕処理と比較すると、冷却に要する時間が長くなり、冷却用として広いスペースが必要で、冷却固化したスラグを破砕するために大型の破砕機を用いなければならない。従って、処理コストが割高になる。また、スラグを結晶化させるとき、内部に気泡が成長して骨材等としての物性が安定しなくなるという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃棄物溶融スラグの製品化における上記課題を解決するものであって、溶融炉から排出される溶融スラグを冷却処理するとき、気泡の成長を抑制して結晶化することができ、更めて破砕、粉砕、磁選、分級、あるいは成形、焼成等の工程を経ず、簡単なプロセスで高品質のスラグ製品を低コストで製造できる廃棄物溶融スラグの鋳造設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、溶融炉から出湯されたスラグを貯留するタンディシュと、タンディッシュから注湯されたスラグを冷却固化する鋳型とを備えた廃棄物溶融スラグの鋳造設備において、鋳型に徐冷部と急冷部とを形成すると共に、鋳型内のスラグを加圧するプレス機を設けることにより上記課題を解決している。
【0009】
廃棄物溶融スラグは、溶融炉からタンディシュに出湯され、一旦ここに貯留された後、鋳型へ出湯される。鋳型内のスラグは、プレス機によって気泡抑制用の圧力が加えられ、徐冷部で徐冷されて結晶化される。鋳型内のスラグはプレス機によって加圧されて徐冷部から急冷部へと移動し、急冷部でカッテイング可能な温度まで急速に冷却される。冷却固化されたスラグは鋳型から押し出され、切断されて製品として搬出される。
【0010】
スラグが排出されて空間が生ずると、鋳型内には再度スラグが注湯され、上記工程が繰り返される。
この鋳造設備では、プレス機によって気泡抑制用の圧力を加えながら、徐冷部でスラグを徐冷するので、スラグは内部に気泡が成長することはなく、結晶化が促進されて強度が大となる。また、結晶化された後、急冷部で急冷するので、冷却に要する時間が短縮できる。しかも、冷却固化されて鋳型から排出されるスラグは、切断するだけで製品となる。従って、更めて破砕、粉砕、磁選、分級、あるいは成形、焼成等の工程を経ることなく、簡単なプロセスで高品質の製品を低コストで製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の一形態である廃棄物溶融スラグの鋳造設備の構成図である。
【0012】
この廃棄物溶融スラグの鋳造設備は、溶融炉(図示略)から出湯されたスラグを貯留するタンディシュ1と、タンディッシュ1から注湯されたスラグSを冷却固化する鋳型2とを備えている。
【0013】
タンディシュ1は、底面が傾斜しており、溶融したスラグSを所定時間貯留することによりスラグS中のメタルMを比重差で分離することができる。
タンディシュ1と鋳型2との間にはスライディングノズル3が設けられておりその開閉によってタンディシュ1から鋳型2へのスラグSの注湯量が任意に調節できる。
【0014】
鋳型2は、竪形の筒状体であって、上部には断熱材4を被覆した徐冷部5が形成され、下部には水冷ジャケット6を設けた急冷部7が形成され、その中間に空冷部8が形成されている。この鋳型2の上端部には、鋳型2内のスラグSを加圧するためのプレス機9が設けられている。徐冷部5には、その温度を検出し温度管理を行うための温度計TCと、注湯されたスラグSのレベルを検出するレベルセンサーLS1 とが設置されている。
【0015】
鋳型2の下方には、プレス機9によって鋳型2から押し出される固化したスラグSのレベルを検出するレベルセンサーLS2 と、スラグ製品Pを搬送するためのコンベヤ10が配置されている。
【0016】
溶融したスラグSの鋳造を行う場合には、溶融炉からタンディシュ1に出湯されたスラグSを、一旦ここで貯留して、スラグS中のメタルMを分離した後、スライディングノズル3を開いて鋳型2へ注湯する。
【0017】
スラグSの注湯量は、タンディシュ1への出湯量と鋳造速度に基づいてスライディングノズル3で調節する。即ち、スラグSのレベルはレベルセンサーLS1 によって検出し、所定のレベルに達したらスライディングノズル3が閉じ、スラグSの注湯を中止する。
【0018】
鋳型2内のスラグSには、プレス機9によって気泡抑制用の圧力を所定時間加える。この間に溶融スラグ層S1 のスラグSは、徐冷部5で徐冷され結晶化する。その後、プレス機9の圧力を高め、鋳型2内のスラグSを加圧して徐冷部5から空冷部8、急冷部7へと下方へ移動させる。急冷部7の水冷ジャケット6には冷却水Wを循環させて、圧縮スラグ層S2 のスラグSをカッテイング可能な温度まで急速に冷却する。
【0019】
冷却固化されたスラグSは、プレス機9に加圧されて鋳型2から下方へ押し出されてゆく。このスラグSのレベルはレベルセンサーLS2 で検出され、所定のレベルに達したら、カッター(図示略)で切断されてスラグ製品Pとなり、コンベヤ10で系外へ搬出する。
【0020】
スラグSが押し出されて鋳型2の上部に空間が生ずると、鋳型2内には再度タンディシュ1からスラグSが注湯され、上記工程が繰り返される。
なお、鋳造開始時には、鋳型2内には固化されたスラグSが存在しないので、注湯されるスラグSの重量とプレス機9の加圧力を支持するためのダミーバを鋳型1内に設置しておく。
【0021】
この鋳造設備では、プレス機9によって気泡抑制用の圧力を加えながら、徐冷部5でスラグSを徐冷するので、スラグSは内部に気泡が成長することなく結晶化が促進されて強度が大となる。また、結晶化された後、急冷部7で急冷するので、冷却に要する時間が短縮でき、冷却用のスペースも少なくできる。
【0022】
冷却固化されて鋳型2から排出されるスラグSは、切断するだけで製品Pとなる。従って、更めて破砕、粉砕、磁選、分級、あるいは成形、焼成等の工程を経る必要がなく、簡単なプロセスで高品質の製品を低コストで製造することができる。
【0023】
切断のタイミングや鋳型2を調整することにより製品Pの形状を変化させることも可能であり、さらに、後段に表面研磨工程を加えると御影石相当の極めて高品質の製品Pを製造できる。
【0024】
スラグSの処理量が多い場合には、タンディシュ1に対して複数系列の鋳型2を設けることもできる。
スラグS中のメタルMはタンディシュ1で分離されるので、スラグ製品P中へ鉄分が混入して錆が発生するのを防止でき、磁選工程を設ける必要もなくなる。また、メタルMは一回にまとまった量を出湯できるので、鋳型に取ってリサイクルすることが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の廃棄物溶融スラグの鋳造設備によれば、溶融炉から排出される溶融スラグを冷却処理するとき、気泡の成長を抑制して結晶化することができ、更めて破砕、粉砕、磁選、分級、あるいは成形、焼成等の工程を経ず、簡単なプロセスで高品質のスラグ製品を低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である廃棄物溶融スラグの鋳造設備の構成図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ
2 鋳型
3 スライディングノズル
4 断熱材
5 徐冷部
6 水冷ジャケット
7 急冷部
8 空冷部
9 プレス機
10 コンベヤ
LS1 レベルセンサー
LS2 レベルセンサー
M 金属
P スラグ製品
S スラグ
TC 温度計
W 冷却水
Claims (1)
- 溶融炉から出湯されたスラグを貯留するタンディシュと、タンディッシュから注湯されたスラグを冷却固化する鋳型とを備えた廃棄物溶融スラグの鋳造設備であって、鋳型に徐冷部と急冷部とを形成すると共に、鋳型内のスラグを加圧するプレス機を設けたことを特徴とする廃棄物溶融スラグの鋳造設備。
Priority Applications (1)
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JP14169498A JP3929600B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 廃棄物溶融スラグの鋳造設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14169498A JP3929600B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 廃棄物溶融スラグの鋳造設備 |
Publications (2)
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JPH11337041A JPH11337041A (ja) | 1999-12-10 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP14169498A Expired - Fee Related JP3929600B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 廃棄物溶融スラグの鋳造設備 |
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