JP3929431B2 - 中綴じ製本装置 - Google Patents
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Description
このように作製した書類や印刷物を冊子にまとめるための器具または装置としては、コの字型の針を打ち込むステープラーや、書類に穴をあけるためのパンチが知られ、事務用品として広く市販されている。
通常使用されるステープラーは書類の端部を綴じるという機能を主とし、紙を挟む部分の奥行きが十分ではない。週刊誌などのように用紙中央で中綴じして製本する必要があるときにはステープラーの紙を挟む部分の奥行きを長くしたものやステープラーの打針部を90°回転可能としたものも市販され、使用されている。
このようなステープラー、あるいはパンチを用いて、効率的に、しかも打針位置または孔の位置を一定にし、複数の冊子を作製する際にも仕上がりの整った冊子を作製するための器具あるいは装置が開発されている。
この書類綴り補助具は、板状の本体の左側の上下端部に用紙の角部をステープラーで留めるために切欠き部を備えている。さらにステープラーあるいはパンチを使用するためのスペースである2箇所の四角形状の切欠き部と、用紙の中心位置を示す中心表示を備える。当該補助具上に用紙を載置した後、切欠きの必要箇所にステープラーあるいはパンチを設置して作業を行う。
このような器具を用いずに用紙の綴じ作業を行う場合、同一の人による作業であっても冊子毎に打針位置が異なり、また複数人による作業では尚更打針位置が異なるため、冊子の仕上がりにばらつきがあった。しかし、本補助具を使うことによれば、誰が作業を行っても打針または孔の位置を一致させることが可能である。従って、仕上がりの整った冊子を作製することができる。
この綴じ機の構成は、「事務用枚葉シート束(M)を載置セツトし得る台盤(F)の上面に、ステープラー嵌め込み用凹段面(b)を側面のほぼ蟻溝型として区成し、その凹段面(b)へ複数のステープラー(S)をスライド操作自在に、且つ枚葉シート束(M)の喰え込み可能な並列状態に嵌め込むと共に、その複数のステープラー(S)を上方から手動操作ハンドル(H)の押し下げ操作の押し下げ操作により、一挙同時に閉合させるように設定する。」ことから成る。
上記構成の卓上式の事務用綴じ機によれば、一度に2箇所の打針を行うため、作業効率がよい。また綴じ位置もの調節も可能であり、仕上がりが整っている。
以下、図を参照して、中綴じ製本装置の従来例について説明する。
図6は、中綴じ製本装置の従来例を示す外形図である。中綴じ製本装置20は盤体21に2箇所のステープラー装着溝22と、2箇所の用紙取り出し用切欠き23と、手提げ用孔24を有する。また、一側面につき2箇所、合計4箇所の用紙上下位置固定具用溝25、さらに2箇所の用紙左右位置固定具用溝26が設けられるものである。用紙上下位置固定具用溝25には用紙上下位置固定具28が載置され、止め具29によって盤体21に固定される。また用紙左右位置固定具用溝26においても左右位置固定具27が載置され、止め具29によって固定される。
特許文献1および2における発明および考案は、単に用紙の端部を閉じて冊子を作製するものであったが、上記構成による中綴じ製本装置によれば、上下、左右の位置固定具によって用紙を安定的に固定し、常に用紙の中心線上に打針可能である。また用紙取り出し用切欠き23は製本を終えた冊子の下から手を当てるなどして、容易に製本した冊子を取り出すことを可能とするものである。
従って、持運びが容易な軽量、コンパクトな装置で、効率的に作業を実施することができ、仕上がりも美しくしかも安価に製本することが可能である。
また、特許文献2における卓上式の事務用綴じ具においては、用紙をセットするための目盛が設けられているものの、用紙の端部を固定するための立体的な固定具がないため、複数枚重ねた用紙の安定性が悪い。
さらに、機能としては用紙の端部を綴じるものでありながら、綴じ機全体としては部品点数が多い。そのために製造コストが高くなるという問題点がある。
上記構成の中綴じ製本装置においては、用紙取出用切欠部は製本作業の終了した冊子の下から手を入れて容易に製本した冊子を取り出すことができるという作用を有する。また固定部材に従って盤体上に用紙を置くことで、用紙の安定性を保つという作用を有する。このような位置固定具用孔と固定部材を用いることで、サイズの異なる用紙であっても必ず中心線上に打針可能である。さらに、用紙のサイズの変更に伴う固定部材の位置変更は、固定部材を位置固定具用孔から外して新たに用紙のサイズに合致した別の位置固定具用孔に装着することによって実施されるので容易であり短時間に行うことが可能である。
上記構成の中綴じ製本装置においては、用紙の角部に一致する内側面が直角を有する形状よりなる固定具を、同じくこの固定具を挿通および立設させるための直角を有する位置固定孔に挿通させ、これに沿って用紙を載置することで用紙位置を安定させ、固定するという作用を有する。
上記構成の中綴じ製本装置においては、ステープラーを押圧するときに、中綴じ製本装置とこの中綴じ製本装置の設置場所との間で生じる衝撃を緩和するという作用を有する。
さらにステープラー押圧時に使用者の手に生じる応力を緩和する作用をも有する。
上記構成の中綴じ製本装置においては、盤体表面の大きさとほぼ一致するサイズの用紙の中綴じを行う際にも、盤体の側端部に接する第2の固定部材を用いることで、用紙の位置を安定させた状態で固定することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る中綴じ製本装置の外形図である。図1において、中綴じ製本装置1は、盤体2に向かい合うように設けられた2箇所のステープラー装着溝3を備え、さらに2箇所の用紙取出し用切欠き4と、端部に穿設された手提げ用孔5を備えている。
また盤体2上においては、複数の用紙位置固定ピン用孔6を有し、この用紙位置固定ピン用孔6に着脱可能に挿通する位置固定ピン7を備える。用紙位置固定ピン用孔6は製本すべき用紙の規格寸法に合わせて、予め配置されている。
用紙位置固定ピン用孔6および位置固定ピン7の配置位置は、用紙(図示せず)の1つの角部を挟む近傍である。すなわち、用紙の角部の両側面に1個ずつ位置固定ピン7を立てて製本の供される用紙の角を固定するものである。用紙の四隅全て、つまり合計8つの位置固定ピン7を立設してもよいし、用紙の対角線上の2つの角部、つまり合計4つの位置固定ピン7を立設してもよい。
さらに、盤体2側端部には、用紙位置固定具8を備える。用紙位置固定具8についても、盤体2の四隅全てに配置してもよいし、対角線上の2つの端部にだけ固定してもよい。
また用紙取出し用切欠き4においては、長方形の溝として示されるが、盤体2内部に向かってU字状のカーブを持つ溝であってもよく、その形状は限定されるものではない。
さらに盤体2、ステープラー装着溝3および手提げ用孔5については直線的なフォルムであるが、安全上、またデザインに配慮して、直角を有する端部をカーブを有する形状としてもよい。
また手提げ用孔5については、端部に穿設された形状であるが、製本作業の妨げにならない程度の突起物を盤体2上に設けてもよい。
用紙位置固定具8を設けつつ盤体2を用紙の規定寸法とすることによって、盤体2自身全体を用紙の装着板として利用可能となる。従って、略同一の大きさの中綴じ製本装置であっても、用紙位置固定ピン用孔6や位置固定ピン7の数を節約することが可能とある。この用紙位置固定具8については、盤体2に一致するようなサイズの用紙を製本するとき以外には取り外してもよい。
図2において、盤体2には複数の緩衝材9が接着されている。緩衝材9の素材については、弾性を有するゴム、ウレタン等に代表される弾性体が望ましいが、素材を特に限定するものではなく、盤体2における接着位置や緩衝材9の形状においても限定しない。また、配置であるが、図2に示されるようにステープラー装着溝3、用紙取出し用切欠き4、手提げ用孔5や用紙位置固定ピン用孔6を避けつつ、打針時に盤体2が傾いたり撓んだりすることのないように万遍なく設置することが望ましい。
上記構成の中綴じ製本装置においては、使用時にステープラー(図示せず)を押圧した際、中綴じ製本装置1と中綴じ製本装置1の設置場所であるデスク等との間に生じる衝撃を緩和させるという効果を有する。従って、盤体2とこの盤体2を載置した机などの接触面同士において、摩擦傷による損傷を低減することができる。さらに、ステープラーを押圧する使用者の手にかかる反力を緩和するものである。
図3は、盤体2上の製本したい用紙12のサイズに該当する位置に設けられた用紙位置固定ピン用孔6に位置固定ピン7を挿通し、各ステープラー装着溝3にそれぞれステープラー10を装着し、打針部11を90°回転させ、複数枚の用紙12をセットした状態である。
このステープラー10は市販の中綴じ用のステープラーであり、針を収容して打ち込むことが可能な打針部11は90°回転可能に設けられている。中綴じ以外の目的の場合には、針はステープラー10の長手方向に垂直方向に打ち込まれるが、このように90°回転させた状態にしておくことによれば、平行に打ち込むことができる。
ステープラー装着溝3はステープラー10の長さ以上に盤体2の中央方向へ深く形成しておき、各ステープラー10を前後に所望の位置に移動させ、打針位置を決定する。そしてステープラー10を片方ずつ、あるいは両方を同時に押圧して打針を行う。打針箇所が2箇所以上必要であれば、さらにステープラー装着溝3内をステープラー10を移動させて打針を行う。
1冊の製本が終了したら、次の製本用の用紙をセッティングする。その際にサイズが異なる用紙をセッティングする際には、位置固定ピン7をそのサイズに合致した位置に移動させてからセッティングを行い、ステープラー10を移動させて打針し、冊子を取り出す。このようにしてすべての冊子の製本作業を終了する。
製本作業を終了すれば、手提げ用孔5を用いて持ち運びが可能であるので、場所を移動してさらに製本作業を継続することも可能であるし、作業台の横や倉庫の中などに収納しても場所をとらずに保管することができる。
図4において、中綴じ製本装置1は盤体2上に用紙ガイド線13、ステープラー用ガイド目盛14及びそれらのガイド線や目盛が示すサイズの名称(例えばB5)を付している。図において、用紙ガイド線13を一般に使用頻度の高い最大A3から最小B5までの4パターンとしているが、米国で多用されるいわゆるレターサイズやはがきサイズなども含めてもよいことは言うまでもない。なお、本実施の形態ではA3の用紙ガイド線は存在させておらず、盤体2の外周がその大きさに合致している。
このような方法による位置固定によれば、特許文献3において位置固定具を調整するため、用紙左右位置固定具と2箇所の用紙上下位置固定具とを必要サイズに合わせるために、各々調整し、さらに止め具を締結するという作業が省略され、製本作業をスムーズに行うことができる。
また、ステープラー用ガイド目盛14においては、用紙の規格に応じた好適な中綴じ位置に予めこのような目盛を付しておくことで、複数の冊子を製本しても綴じ位置を一致させることができ、仕上がりの整った冊子を作製可能とするものである。
図5は本発明の第2の実施の形態に係る中綴じ製本装置の外形図である。本実施の形態に係る中綴じ製本装置15においても、前述のステープラー10(図示せず)、あるいは必要に応じて用紙位置固定具8(図示せず)を装着して使用するものである。
中綴じ製本装置15の盤体16上には用紙ガイド線17を備え、さらに各用紙サイズの用紙ガイド線17の各角部には、角型位置固定具19を立設するための用紙位置固定用具用溝18を備えるものである。
なお、図において用紙位置固定用具用溝18は貫通孔で示されるが、角型位置固定具19を挿通、固定するに十分のものであれば裏面まで達しない穴としてもよい。
この角型位置固定具19においては、例えばA4サイズの用紙(図示せず)を製本する場合、A4の用紙サイズを示した用紙ガイド線17の角部に備えられた用紙位置固定用具用溝18の四隅の4箇所、あるいは用紙の対角線上の2箇所に立設させるものである。この状態において用紙(図示せず)を載置する。
自家出版物の製本を目的とするような場合、教育機関や個人事業主などが使用する場合に、市販の中綴じ用ステープラーを装着して使用することもあり、製本コストを低く抑えるには大きな効果を発揮する。また、左右対称の構造であるため右利き、左利きの別による操作容易性にも差がない。製本作業に習熟しない児童などにも使いやすい構造である。
Claims (4)
- 盤体と、この盤体上に設けられ複数の用紙サイズについて角部を備えるガイド線と、前記盤体にステープラーを着脱可能に形成された2つの第1の溝部と、前記盤体の上下左右の少なくとも一方に形成された一以上の用紙取出用切欠部と、前記ガイド線の角部の近傍で、かつ、前記角部の全て又は対向する2つの角部に形成され、中綴じ製本に供される用紙の設置位置を固定するための複数の位置固定具用孔と、前記位置固定具用孔に着脱可能に挿通して前記用紙の位置を固定する複数の固定部材とを有し、
前記ガイド線は、前記盤体の同心上に配置され、
前記位置固定具用孔と前記固定部材の水平断面形状が一致することを特徴とする中綴じ製本装置。 - 盤体と、この盤体上に設けられ複数の用紙サイズについて角部を備えるガイド線と、前記盤体にステープラーを着脱可能に形成された2つの第1の溝部と、前記盤体の上下左右の少なくとも一方に形成された一以上の用紙取出用切欠部と、前記ガイド線の角部の近傍で、かつ、前記角部の全て又は対向する2つの角部に形成され、中綴じ製本に供される用紙の設置位置を固定するための複数の位置固定具用孔と、前記位置固定具用孔に着脱可能に挿通して前記用紙の位置を固定する複数の固定部材とを有し、
前記ガイド線は、前記盤体の同心上に配置され、
前記固定部材は、内側面が略直角を形成してなるものであることを特徴とする中綴じ製本装置。 - 前記盤体の裏面に緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中綴じ製本装置。
- 前記盤体の側端部に接して前記用紙の位置を固定する第2の固定部材を着脱可能に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の中綴じ製本装置。
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