JP3927351B2 - グルコサミン塩含有乳製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルコサミン塩を含むことを特徴とする乳製品に関するものであり、本発明の乳製品は骨そしょう症または変形関節症等の関節症の治療剤若しくは予防剤または治療用若しくは予防用食品等として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、グルコサミン塩特に硫酸塩または塩酸塩等は特公平1−28757もしくはUSP3,683,076等に開示された方法で製造され、該USPにはカプセル剤または錠剤等の形で、関節症治療剤等として使用されることが開示されている。これらの特許においてはグルコサミン塩が一般的に吸湿性で、酸化され易いため、グルコサミンサルフェート・塩化ナトリウム混合塩にしたり、もしくは安定化剤としてナトリウム ハイポサルファイトまたはN−アセチルジエタノ−ルアミンを加えてカプセル剤または錠剤等の経口剤としている。
また、グルコサミン塩は水溶液においては不安定で分解されやすく、そのままでは水溶液のドリンク剤とはできないため、特開平11−92385号公報には還元糖または糖アルコール及び有機酸若しくはその塩の存在下にpHを2〜5にして安定化したグルコサミン塩含有ドリンク剤が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
高齢者に上記関節症などの患者が多いこと、また高齢者は骨がもろくなるなどの骨粗症等の症状を呈する患者も多いことから、カルシウムの吸収し易い形で存在する乳製品、特に高齢者の摂取し易い液状乳製品と共にグルコサミン塩を摂取することができるならば、上記症状の改善や予防に非常に有用であると考えられる。しかしながら、上記公知例からも明らかなように、グルコサミン塩は酸性領域(pH2−5)においては比較的安定であるが、中性付近においては不安定であること、生乳等の乳製品は通常中性であり、pHが6〜7程度であるため、これらへのグルコサミン塩の添加は製品の保存安定性の点から、問題が生ずると考えられる。そのためか現在までグルコサミン塩含有乳製品は開発されていない。本発明は乳製品と共にグルコサミン塩を摂取することができるようにした乳製品の開発を意図したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
グルコサミン塩は通常水溶液中では中性付近においては不安定で分解してしまうにもかかわらず、本発明者等の研究によれば全く意外にも、乳成分の存在下においては、中性付近においても、グルコサミン塩は安定化され、保存安定性が著しく改善されることを見出し、本発明を完成したものである。即ち本発明は下記(1)ないし(4)に関するものである。
【0005】
(1)乳製品中に、乳成分を6%以上およびグルコサミン塩を0.5%以上含有するグルコサミン塩含有乳製品(但し、ハーブ類を含む乳発酵製品を除く)、
(2)乳成分が水に分散及び/または溶解している上記第1項に記載の乳製品、
(3)乳製品が生乳、加工乳または発酵乳である上記第1項または第2項に記載の乳製品、
(4)pHが5ないし7である上記第1項〜第3項のいずれか1項に記載の乳製品
に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を以下により詳しく説明する。
本発明におけるグルコサミン塩としては薬理学的に許容されるものであれば特に制限はなく、無機酸塩、有機酸塩いずれも使用できるが一般的には硫酸塩もしくは塩酸塩等の無機塩が使用され、本発明においては塩酸塩が好ましい。有機酸塩としては例えば酢酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩等が挙げられる。
【0007】
本発明における乳製品は、乳成分を含有する食品であれば特に制限は無い。一般的には乳成分が水中に分散及び/又は溶解している製品、例えば生乳、加工乳、発酵乳等の液状製品、それに更に必要に応じて、嬌味剤、香料、甘味料その他の助剤(添加剤)等を添加して、凍結してシャーペット状若しくはアイスクリーム状にした乳製品、またはゼリー状にした乳製品等が好ましい。
本発明における乳製品中の乳成分の含量は、含有するグルコサミン塩を安定化する量であれば特に制限はなく、通常乳製品中に1%(質量%:以下特に断らない限り同じ) 以上、好ましくは3%以上、より好ましくは6%以上であり、上限は特に無いが味覚、安定性等の点から通常40%以下、好ましくは30% 以下、 更に好ましくは20% 以下である。
なお、乳成分は通常牛乳などの乳における水分以外の成分を意味するが、場合により、本発明の目的を達成する限り、その主要成分のみを含有する場合及び乳を発酵して得られる発酵乳製品における、発酵を受けた乳成分をも含むものとする。乳成分の主要成分としては例えば、カゼイン等の蛋白、脂質、糖質及び灰分等が挙げられる。
【0008】
本発明における乳製品におけるグルコサミン塩の含量は特に限定されないが通常乳製品全体に対して0.1% 以上、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上であり、上限は特に無いが味覚等の点から通常10%以下、好ましくは5% 以下、 更に好ましくは4% 以下である。
【0009】
本発明の乳製品におけるpHは通常5〜7.5程度であり、好ましくは5〜7程度、更に好ましくは6〜7程度である。本発明はこれらのpH範囲に限定されるものではなく、乳成分によるグルコサミン塩の安定効果が達成される限り本発明に含まれるものとする。
【0010】
本発明における乳製品は通常原料乳にグルコサミン塩を必要量添加することによって容易に得ることができる。この際、必要に応じて、その他の添加剤を一緒に添加してもよいし、予めその他の添加剤を添加しておいてもよい。
本発明における乳製品はその他の添加剤として必要に応じて、甘味料、果汁等の味覚の調整剤、その他防腐剤、香料等を適宜含んでいてもよい。
【0011】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び試験例により、より具体的に説明する。
実施例1
市販の牛乳(pH6.85)(水分以外の乳成分含量11,9%)495gに対して、グルコサミン塩酸塩5gを加え、室温で30分間撹拌し、溶解し、グルコサミン塩酸塩含有牛乳を得た。
このものは、グルコサミン塩酸塩を1%含有していた。
又、安定性の比較のために、リン酸緩衝液(リン酸水素2ナトリウム26.0547g及びクエン酸一水和物2.8632gを蒸留水に溶解し、500mlとした液)(pH6.83)を調製し、グルコサミン塩酸塩を1%濃度となるように添加し、上記と同様室温で30分撹拌してグルコサミンを溶解した(比較例)。
【0012】
牛乳中でのグルコサミン塩酸塩の安定性試験
上記実施例1で得られた本発明のグルコサミン塩含有牛乳とグルコサミン塩含有緩衝液を、それぞれの試験試料とし50℃の恒温槽に入れ、〇時間、8時間、24時間、48時間にサンプリングをし、グルコサミン塩酸塩(GLH)の残存量及びpHを測定した。グルコサミン塩酸塩の定量は下記の方法(Elson-Morgan法)によって行った。
【0013】
グルコサミンの定量法
(1)検量線溶液の調製
グルコサミン塩酸塩100mgを秤量して、水に溶解して100mlとする(1000μg)。 この溶液を、それぞれ2、4、6、8、10mlとり、水で100mlに希釈して、10、20、30、40、50μg/0.5mlの標準溶液を調製した。
【0014】
(2)分析用サンプルの調製
上記でサンプリングした牛乳10mlを20mlメスフラスコにとり、12%濃度のトリクロロ酢酸水溶液2mlを加え、乳成分を凝固させ、次いで水を加えて、全量を20mlにする。得られた懸濁液を良く撹拌した後遠心分離機にかけ、上澄み液を得る。該上澄み液2mlを水で200mlに希釈する(回収率100%の時、初期濃度は25μg/0.5mlに相当する)。
対照用の緩衝液については、サンプリングした緩衝液10mlに、水を加えて20mlにする。この溶液2mlを取り、水で200mlに希釈したものを分析用のサンプルとする。
【0015】
(3)吸光度の測定
標準溶液及びサンプル溶液のそれぞれを、0.5mlづつ試験管に取り、アセチルアセトン試薬をくわえ、十分に混合した後、栓をして、沸騰湯浴中90℃以上で1時間加熱する。水冷後、エタノール10mlとエーリッヒ(Ehrlich)試薬1.0mlを加え、1時間静置した後、530nmの吸光度を測定した。
まず、標準溶液の530nmの吸光度から検量線を作成し、その検量線から各サンプルにおけるグルコサミン塩酸塩含量を求めた。初期濃度を100%ととして、その結果を表1に示した。
【0016】
【0017】
【発明の効果】
以上から明らなかように、緩衝液中においては 中性付近においてはグルコサミン塩は時間の経過と共にその含量が著しく減少しているのに対し、本発明のグルコサミン塩含有乳製品では、pHが6−7であってもグルコサミン塩酸塩の保存安定性が良いことが判る。
Claims (4)
- 乳製品中に、乳成分を6%以上およびグルコサミン塩を0.5%以上含有するグルコサミン塩含有乳製品(但し、ハーブ類を含む乳発酵製品を除く)。
- 乳成分が水に分散及び/または溶解している請求項第1項に記載の乳製品。
- 乳製品が生乳、加工乳または発酵乳である請求項第1項または第2項に記載の乳製品。
- pHが5ないし7である請求項第1項〜第3項のいずれか1項に記載の乳製品。
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