JP3927330B2 - 茶葉切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一連の製茶加工工程を経て送られた茶葉を乾燥機に投入する前に切断する、茶葉切断装置の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
茶園において摘採された茶葉(生葉)を、一連の加工工程を通じて、蒸気で蒸して、熱を加えながら揉んで、乾燥する技術は公知となっている。
上記加工工程は大きく分けると、順番に▲1▼茶葉を蒸気で蒸す蒸熱工程→▲2▼茶葉を揉みながら乾燥させる柔捻工程→▲3▼茶葉を十分に乾かす乾燥工程等からなり、製茶工場等で該工程を経た茶(荒茶)は、茶市場や仲買商に出荷される。該荒茶は、更に火入等の工程を経て仕上茶となって、消費者に販売される。
【0003】
ここで、茶葉は、その摘採時期によって、一番茶から四番茶に分類される。具体的には、4月下旬〜5月上旬が一番茶、6月中旬〜下旬が二番茶、7月下旬〜8月上旬が三番茶、10月初旬〜中旬が四番茶とされる。
摘採時期が早い一番茶・二番茶は若い良質な芽が収穫でき、摘採時期が遅い三番茶・四番茶は茶葉の品質は劣るが、生育により葉が大きくなるので収量は増加する。
収穫される茶葉の大きさについては、一番茶〜三番茶は6〜8センチ、四番茶は15〜20センチが通例とされる。
【0004】
上記のうち四番茶については、一連の製茶加工工程の中で中間工程として乾燥工程を経ると生乾きの状態となって、全体的に縮んで6〜7センチとなって、上記一番茶〜三番茶と略同じ大きさとなる。
しかし、乾燥工程を経た該四番茶は水分が失われて硬化しているため、四番茶を積み重ねたときは、一番茶〜三番茶を同枚数積み重ねた場合に比べてより大きいスペースを占めることとなる。
従って、一番茶〜三番茶の場合には一定の枚数を乾燥機に投入可能であるが、四番茶の場合は同じ枚数を同じ乾燥機に投入できないといったことが生じ、四番茶に合わせるには更に大容量の乾燥機を必要とする場合があるのである。
【0005】
そこで、乾燥処理を行う前に低コストで達成できる茶葉の切断工程を設け、6〜7センチほどに縮んだ四番茶の茶葉を含む各種茶葉を更に細かく切断することにより、その体積増加を低減して、一番茶から四番茶まで同容量の乾燥機で乾燥処理を行えるようにした技術が公知となっている。
【0006】
この茶葉の切断工程に配置される茶葉切断装置として、同一出願人による実開昭60−116884号の装置が公知となっている。
この装置は、高速回転軸と低速回転軸の各軸上に複数の回転刃を等間隔に配置し、該高速回転軸と低速回転軸を平行、かつ、互いに回転刃の外周の一部が重複するようにさせ、両軸を互いに逆方向に回転させて茶葉を切断するように構成している。
【0007】
また、一般に、茶葉は、その茎部を垂直に切断するのが、一般に最も効率が良いとされる。
従って、上記の装置においては、回転刃の上方に回転羽根を設けて、茶葉の茎部の姿勢を回転刃と垂直となるような姿勢で一定量ごとに回転刃に送るようにして、茶の茎部が未切断のまま回転刃と回転刃との間隔を通過することを防止できるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の茶葉切断装置においては、茶葉が回転羽根から回転刃に送られて切断されるまでの間に、茶葉が姿勢を変えてしまうことがあり、茶葉の茎部が回転刃の刃部と略平行となって、葉は切断されても茎部が未切断のまま残るという問題は完全には解決されなかった。従って、より良質の茶葉を提供するという観点から、この問題を解決してほしいとの要望があった。
また、時には茶葉全体が回転刃と回転刃の間を未切断のまま通過することもあり、この問題も解決が要望されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであって、該課題を解決するための手段を以下に説明する。
即ち、請求項1においては、高速回転軸と低速回転軸の各軸上に複数の回転刃を等間隔に配置し、該高速回転軸と低速回転軸を平行、かつ、互いに回転刃の外周の一部が重複するようにさせ、両軸を互いに逆方向に回転させて茶葉を切断し、更に該回転刃の上方に複数枚の羽根からなる回転羽根を設け、該回転羽根の回動により一定量の茶葉を落下させるようにした茶葉切断装置において、前記隣接する回転刃と回転刃の間にカラーをそれぞれ配置し、該カラーの幅を切断される茶葉の大きさよりも小さくし、更に該回転刃の上方に、前記回転軸に対し垂直方向に摺動可能な茶葉案内回転体を設けたものである。
【0010】
請求項2においては、請求項1記載の茶葉切断装置において、一の上記回転軸上に配置される上記カラーの外周は、他の回転軸の回転刃の刃部に近接させるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る茶葉切断装置の全体的な構成を示した側面図である。
【0012】
即ち、図1に示すようにこの茶葉切断装置100は、切断機構を有するカッタ部1と投入機構を有する投入部2から構成され、モータ3の駆動力により駆動される。そして、装置上方から投入された茶葉を上記カッタ部1により切断して、切断後の茶葉は装置100下方から排出される。
ただし、モータ以外の駆動源、例えばエンジン等により駆動される構成とすることも可能であるので、駆動源をモーターに限定するものではない。
【0013】
この茶葉切断装置100において、最初に茶葉を切断するためのカッタ部1について説明する。
図2はカッタ部において、フレームから前後側の側板と茶葉案内回転体を取り外した様子を示した斜視図、図3はカッタ部において、二つの回転刃仕組の構成を示した断面図、図4はカッタ部のフレームの構成を示した斜視図、図5はカッタ部において、高速回転刃仕組を取り付けた様子を示した斜視図、図6はカッタ部の二つの回転刃仕組の様子を示した斜視図である。
【0014】
まず、フレームの構成について、図1及び図4を用いて説明する。即ち、装置100の左右側には側板51・52が立設配置され(図4)、左右の両側板51・52はパイプ状の連結フレーム61・62によりそれぞれ前部及び後部を連結され、図1に示す如く装置前後側が側板54・55により覆われて、四角形状のフレームが構成される。
【0015】
そして、カッタ部1は該フレームの内部に配置される。即ち、図2に示す如く前記側板51・52間には、互いに逆方向に回転される低速回転刃仕組4及び高速回転刃仕組5が平行配置され、切断機構を形成している。そして、図1に示すように両仕組4・5の上方に該切断機構に茶葉を案内する茶葉案内回転体6がそれぞれ配置され、これら低速回転刃仕組4・高速回転刃仕組5・茶葉案内回転体6により、カッタ部1が構成される。
【0016】
次に上記各回転刃仕組4・5の構成について説明する。
即ち、図3に示すように、装置左右側に配置される側板51・52にはベアリング96・96・・・を組み込んだ取付金具が配置され(4a・4b、5a・5b)、該ベアリング96・96・・・を介して二本の低速回転軸81・高速回転軸82が互いに平行に軸架される。
両回転軸81・82とも、一の側板52側においては後述する押圧カラー95を介してベアリング96・96により軸支され、他側の側板51側においては回転軸81・82に外嵌されるストッパカラー97を介してベアリング96・96により軸支される構成としている。
該回転軸81・82の断面は多角形状、本実施例では正六角形としている。
【0017】
そして、それぞれの回転軸81・82には、茶葉を切断するための鋸歯状の刃部を周縁部に有する円板状の回転刃84・84・・・、及び回転刃84の配置ピッチを決定するための円板状のカラー86・86・・・が交互に並べて配置される。回転刃84及びカラー86の中心には回転軸81・82の断面形状(正六角形)と一致する中心孔が開口されており、該中心孔に上記回転軸81・82が挿嵌されて、一体的に回転する回転刃仕組4・5がそれぞれ構成される。
【0018】
両回転刃仕組4・5の回転刃84・84・・・は、一側の回転刃仕組の隣接する回転刃84・84の間に他側の回転刃仕組の回転刃84が挟入するように、位置をずらしながら等間隔に配置しており、両回転刃仕組4・5の回転刃群84・84・・・の外周が一部重複するように構成し、該重複部分で茶葉を切断するようにしている。
【0019】
ここで、一の回転刃仕組における回転刃群84・84・・・の配置ピッチ(図3におけるp)は、その間に配置されるカラー86・86・・・の長さによって定まる。
また、上述のように、両仕組の回転刃は交互に等間隔に配置されているので、切断機構全体における回転刃84・84・・・の配置ピッチ(即ち、茶葉の切断ピッチ)は、図3におけるq(=p/2)となる。
本発明では、6〜7センチの大きさである上記四番茶の茶葉を確実に切断することができるように上記qを設定するものとする。例えばqが(6〜7センチより小さい)5センチとなるように設定したり、それより小さくなるように設定する等である。
【0020】
尚、上記のように回転刃84の配置ピッチpを小さくしながら、装置の時間当たりの切断処理能力をある程度に保持するには、回転刃84を多数配置する必要がある。従って、各カラー86の長さの誤差が大きいと、該誤差が重畳されて回転刃84の位置決め精度が悪くなって、一側の回転刃仕組の回転刃84と他側の回転刃仕組の回転刃84との間隔が不揃いとなって、茶葉が不揃いに切断されたり、両仕組の回転刃84・84・・・が互いに干渉して回転できなくなる等の不都合が生じる。
従って、回転刃群84・84・・・の配置ピッチを決定するカラー86は、長さの寸法誤差が単体で小さいものであることが望ましい。
例えば、カラー86の材質として合成樹脂等を採用することにより、寸法誤差を小さくすることができるとともに、回転刃仕組4・5の軽量化を図ることも可能である。ただし、合成樹脂の使用は、単体の寸法誤差を小さくするための一例であって、これに限定するものではない。
【0021】
また、一の回転刃仕組に配置されるカラー86の外周部分は、他の回転刃仕組の回転刃84の刃部に近接するよう、該カラー86の外径を設定している。
これにより、茶葉が回転刃84と回転刃84の間に落下して切断されないということが少なくなり、茶葉を確実に切断することができるようにしている。また、万一、茶葉が回転刃84と回転刃84の間に落下したとしても、該カラー86の外径が大きいので該カラー86の外周に巻きつくことが防止され、故障が低減されるのである。
【0022】
尚、どの程度近接させるか、即ち該カラー86の外周と回転刃84の刃部との間隔(図3に示すh)は、大きくすれば茶葉が未切断のまま落下することが多くなり、小さくすると茶葉は確実に切断できるが、回転刃やカラーの径の精度を高くする等の必要があって、装置の製造が困難となる。
従ってこの間隔は、茶葉を確実に切断する観点と、装置製造上の問題の両方を考慮して決定する必要がある。
ここで、茶葉は生乾きの状態となると、茶葉自体の厚みはほとんど変わらなくても、しわが寄って起伏(うねり)を生じてかさばってくる。
従って、この茶葉の起伏を考慮すると、上記間隔を5ミリメートル以内とすれば、ほとんどすべての茶葉について未切断のまま落下することが防止されるとともに、装置を製造する上でもあまり困難とならない。
【0023】
そして、それぞれの回転軸81・82上において、上記回転刃群84・84・・・の両端には一対の押し座金91・91が対向配置される。
該押し座金91は、両仕組4・5の回転刃群84・84・・・を両端から回転軸81・82方向に押圧して固定するためのものである。従って、該押し座金91の外径は、(回転刃84の外径を超えない限度で)大きくする方が、押圧面積が大きくなって、回転刃84が安定した状態で固定されることとなって望ましい。
【0024】
尚、回転刃84と回転刃84の間に配置されるカラー86は、その両側を回転刃84・84により挟まれる構成となっていることから、その剛性は比較的小さくても差し支えない。
一方、回転刃群84・84・・・両端の押し座金91については、外径の大きい回転刃84と外径の小さい押圧カラー95とに挟まれる構成となっていることから、回転刃84を押圧して安定させる機能を有効に奏するためには、ある程度の剛性が必要となる。
従って、押し座金91の材質としては鋼等を採用するのが望ましいが、アルミ等を用いると、剛性を良好に維持しつつ回転刃仕組4・5の軽量化を図ることも可能である。
【0025】
そして、それぞれの回転軸81・82上において、上記押し座金91の左右両外側には押圧カラー95がそれぞれ隣接配置される。該押圧カラー95は上記回転軸81・82の断面形状と一致する形状(ここでは正六角形)の中心孔を軸心上に有しており、該押圧カラー95を該回転軸81・82上に外嵌して、回転軸81・82方向に摺動自在としている。
一側の側板51側の押圧カラー95は、上記押し座金91とストッパカラー97にその両端を当接している。一方、他側の側板52側の押圧カラー95は、該側板51より外側へ突出される構成としており、外周をベアリング96により軸支され、一端は押し座金91に当接され、他端は回転軸81・82の一端に螺装されるナット99により締結固定される。
このナット99を締め付けることにより、外側の押圧カラー95・95、押し座金91・91を介して、回転刃が両側から押圧固定されるのである。
【0026】
そして、該押圧カラー95・95・・・の外周側に、更にパイプ状の巻き付き防止カラー89・89・・・が遊嵌される。該巻き付き防止カラー89は押し座金91と側板51・52の間に配置され、回転軸81・82に対し相対回転自在としている。また、四つの巻き付き防止カラー89・89・・・それぞれの軸方向の長さ(例えば図3に示すL)は、それぞれが配置される押し座金91と側板(51又は52)との間の距離(L' )よりわずかに短くしており、それぞれの巻きつき防止カラー89・89・・・が回転軸81・82方向にわずかに摺動自在としている。
以上構成により、各回転刃仕組4・5は該巻き付き防止カラー89に対して相対回転自在かつ摺動自在であるので、外側にある該巻き付き防止カラー89に茶葉が巻き付いたり詰まったりしても、該カラー89が回転不能又は摺動不能となるのみであって、各回転刃仕組4・5は回転を維持することができる。従って、駆動時のトラブルが発生しにくい構成となっている。
【0027】
尚、上記押圧カラー95は、低速回転刃仕組4側と高速回転刃仕組5側とで軸方向の長さが異なるようにしている。これにより、両回転刃仕組4・5の回転刃84・84・・・の位置がずらされて、一側の回転刃仕組の隣接する回転刃84・84の間に、他側の回転刃仕組の回転刃84を挟入することができるようにして、両仕組4・5の回転刃に重複部分ができるようにしている。
【0028】
高速回転刃仕組5の回転軸は、一側の側板51より外方に延出され、その先端には入力プーリー98が固定され、該入力プーリー98は上記モータ3のモータ軸に設けられた図外の出力プーリーと図外のベルトを介して連動連結され、モータ3の駆動力を受けて駆動される。
そして、該高速回転刃仕組5の回転軸82上には伝達歯車101が相対回転不能に固定され、該伝達歯車101は、低速回転刃仕組4の回転軸81上に固定された減速歯車102と噛合される。これにより、高速回転刃仕組5側の回転軸82の回転が、減速されて低速回転刃仕組4側の回転軸81に伝達され、両仕組4・5は図1や図2で示す矢印の如く、互いに逆方向に回転される。
【0029】
尚、本実施例では歯車列101・102により両者に一定の減速比を与えているが、無段変速機構等を用いて、両者を任意の減速比とすることも差し支えない。
また、低速回転刃仕組4と高速回転刃仕組5が各別に駆動される構成としてもよい。
【0030】
次に、以上構成の回転刃仕組4・5をフレームへ取り付ける構成について説明する。
即ち、図4に示すように、カッタ部1の左右側の側板51・52には、それぞれ前後側から細長い切欠が設けられ(51a・51b、52a・52b)、該切欠に上記の回転刃仕組の回転軸81・82を前後からそれぞれ挿入し、該状態で取付金具4a・4b・5a・5bを側板51・52にボルト締結により固定するのである。
【0031】
即ち、前後側の側板54・55を取り外せば、両回転刃仕組4・5を簡単に取付け・取外し可能な構成となっており、装置のメンテナンス性が良好である。
尚、低速回転刃仕組4及び高速回転刃仕組5をフレームから取り外した状態が図4及び図6に示され、高速回転刃仕組5のみをフレームに取り付けた状態が図5に示され、この状態から低速回転刃仕組4を取付け、前後側の側板54・55を取り付ければ、図2に示す状態とすることができる。さらに後述の茶葉案内回転体6を取り付けることにより、カッタ部1が完成する。
【0032】
次に、茶葉を切断機構にスムーズに案内するための茶葉案内回転体6の構成について、説明する。
図7は茶葉案内回転体の構成を示した正面一部断面図、図8は茶葉案内回転体のカッタ部フレームへの取付構成を示した斜視図である。
【0033】
即ち、この茶葉案内回転体6は、図7に示す如く主軸8にベアリング72を介してパイプ体73を回転自在に外嵌し、該パイプ体73の外周面にローラ体74を取り付けた構成としている。
尚、このローラ体74は樹脂等で構成すればよいが、表面が滑らかな材質のものが望ましい。スポンジ等とすると、生乾きの茶葉の先端が引っかかる等してローラ体74の表面が傷つき、切断機構に茶葉をスムーズに送ることができなくなるおそれがある。
【0034】
そして、上記構成の茶葉案内回転体6が、以下のようにしてカッタ部1のフレームに取り付けられる。
即ち、図8に示すように、上記左右側の側板51・52それぞれの内面側に、前後に細長い構成の案内体78・78が配置される(ただし、まったく左右対称の構成であるので、側板51側の構成は図略とする)。
該案内体78は長手方向に垂直な断面が略「コ」字状となる構成として、長手方向に溝78aが形成され、開放側を内側に向けて一対の案内体78・78が対向配置され、両案内体78・78の上記溝78aに上記主軸8の左右両端が挿入され、主軸8を図8の矢印の如く前後方向に摺動可能としている。
【0035】
上記茶葉案内回転体6は、落下する茶葉を切断機構の回転刃84との間に挟み込んで回転することによって、茶葉の投入姿勢を整える役割を果たすものである。
従って、以上のように茶葉案内回転体6を摺動可能としたので、一度に大量の茶葉が投入された場合でも、それに応じて回転刃84と茶葉案内回転体6との距離が変更されることにより、茶葉の詰まり等を防止することができる。
【0036】
また、茶葉案内回転体6の主軸8の左右両端には付勢バネ75・75が取り付けられており、該主軸8を回転刃84に対して近接方向(図1における左方向、図8における左下の方向)に付勢している。従って、茶葉が投入されていないときは、主軸8両端は案内体78の回転刃側端部に設けられる当接部78bに接当されており、茶葉が投入されるとその量に応じて、主軸8は該付勢バネ75に抗して回転刃84から遠ざかる方向(図1における右方向、図8における右上の方向)に摺動される。
【0037】
従って、茶葉を一度に大量に投入したときも、少量しか投入しないときも、それに応じて回転刃84と茶葉案内回転体6との距離が調整されて茶葉の詰まりが防止されてスムーズに茶葉を送るとともに、付勢バネ75の付勢力により茶葉が適当な力で回転刃84側に押圧されるので、茶葉の投入姿勢を整えるという役割をより効果的に発揮するのである。
【0038】
次に、投入部2について説明する。
即ち、図1に示す如く、投入部2はカッタ部1と同様に四角形のフレームにて構成され、平面視においてカッタ部1のフレームと略同一の大きさとなるようにしている。そして、カッタ部1のフレームの上に投入部2のフレームが連接されて設けられる。
そして図1に示すように、該フレーム内には装置左右方向に回転軸心を有する回転羽根7が配置される。該回転羽根7は図1の矢印方向に駆動力を受けて回転される。
【0039】
そして、茶葉の投入経路を構成する前後一対の案内板10f・10rがフレーム内部に設けられる。該案内板10f・10rは平板状部材で構成され、上方は開放されて装置100上面に茶葉投入口を構成するとともに、上記回転羽根7の回転域の前側及び後側を略隙間なく覆うように適宜湾曲され、下方は狭窄されてカッタ部1に茶葉を案内することとしている。
【0040】
このように回転羽根7の回転域の前側と後側とを略隙間なく覆うように案内板10f・10rを構成したことにより、茶葉が回転羽根7の回転域から外れて、逆流してカッタ部1に落下することが防止される。
また、図1に示すように、前側の案内板10fの下端位置(A)は、平面視で上記茶葉案内回転体6の軸心位置と略同じとしているので、茶葉は必ず茶葉案内回転体6の後方を通過することとなり、必ずカッタ部1に送られるので、未切断の茶葉が発生するということがないのである。
尚、上記案内板10fの下端位置(A)を平面視で茶葉案内回転体6の軸心位置より後方に位置させても、同様の効果が得られる。
一方、後側の案内板10rの下端位置(B)は、低速回転刃仕組4の軸心位置より後方に位置しているが、茶葉が低速回転刃仕組4の軸心位置より後方側に落下しても、矢印方向に回転する低速回転刃仕組4の回転刃84の取り込み作用により、茶葉は回転刃84上を前方側へ搬送され、必ずカッタ部1に送られ、確実に切断されることとなる。
【0041】
次に、上記回転羽根7の構成について説明する。
図9は投入部の回転羽根の構成を示した側面断面図である。
【0042】
即ち図9に示す如く、該回転羽根7は、断面正六角形の駆動軸12に平板状の羽根13・13・・・が等間隔に三枚取り付けられた構成としている。該駆動軸12はモータ3により駆動してもよいし、低速回転刃仕組4又は高速回転刃仕組5から駆動力を得る構成としてもよいし、別途設けた駆動源より駆動力を得る構成としてもよい。
【0043】
そして、該駆動軸12には押さえ金具11・11・・・が取り付けられる。
この押さえ金具11・11・・・は羽根13・13・・・を駆動軸12に固定するためのものであって、平板状部材を中央で二段に折曲した如き構成としており、中央に細幅の取付部11aを有し、両側に羽根押さえ部11b・11bを有する構成としている。
当該構成の押さえ金具11・11・・・を、該取付部11aを介して駆動軸12の周面にボルトにより等間隔に三つ取り付け、隣接する羽根押さえ部11b・11bの間に平板状の羽根13が挟着されて、三枚の羽根13を有する回転羽根7が構成される。
【0044】
ここで、茶葉は、その茎部を垂直に切断するのが、一般に最も効率が良いとされる。
従って、本実施例のように両回転刃仕組4・5の回転軸心と回転羽根7の回転軸心とを平行に構成した場合は、回転羽根7上に茶葉が投入された際に、回転羽根7の回転軸心と茶葉の茎部とが平行に位置するのがよい。
即ち、茶葉の茎部が回転羽根7の回転軸心と平行であれば、茶葉案内回転体6によりその姿勢のまま切断機構に搬送されて、茶葉の茎部は両回転刃仕組4・5の回転軸心と平行の状態で切断機構に入るので、その茎部は回転刃84によって垂直に切断されることとなるのである。
【0045】
そして、上述のように茶葉投入時に茶葉の茎部が回転羽根の回転軸心と平行となるようにするには、上記押さえ金具11の該取付部11aの幅Wを、より細く構成するのが望ましい。
このことを、回転羽根が上方開放状態となった時に茶葉が投入された場合に、茶葉が堆積する様子に着目して説明する。
図10は取付部の幅が狭い場合の、回転羽根への茶葉の堆積の様子を示した斜視図、図11は取付部の幅が広い場合の、回転羽根への茶葉の堆積の様子を示した斜視図である。
【0046】
即ち、回転羽根7上に落下した茶葉は重力の作用により押さえ金具11の該取付部11aに堆積するが、茶葉は一般に茎部の方向に細長いので、該取付部11aの幅Wが細い場合は回転軸心と平行となって堆積する方が、そうでない姿勢で堆積するより安定となるのである。従って、茶葉は自然に、図10に示す如く回転軸心と茎部が平行となるように堆積するのである。
一方、取付部11aの幅Wが広い場合は、回転軸心と平行でなくても該取付部11aに安定して堆積できてしまうので、図11に示す如く茶葉の方向のばらつきが大きい状態で堆積してしまうのである。
従って、上述のとおり、取付部11aの幅は、小さい程良いのである。
【0047】
上記点を考慮すると、最も理想とされるのは、取付部11aがない状態(即ち、W=0)となる。これは、例えば、上記押さえ金具11を駆動軸12と一体的に形成したりすることにより可能である。
また、本実施例では、取付部11aは平板状としているが、例えば円弧状の凹部としてもかまわない。
また、本実施例では、回転羽根は羽根が三枚の構成としているが、それ以上の羽根を有する構成としても差し支えない。
【0048】
ここで、茶葉を回転軸にどれだけ平行に揃えるべきかについては、切断装置の規模や、処理量等を考慮して、その都度判断すべきものである。
従って、どれだけ平行に揃えて切断するかによって、羽根押さえ金具の取付部11aに要求される形状が異なることとなる。
【0049】
以上構成の茶葉切断装置に茶葉を投入すると、茶葉はまず投入部2の回転羽根7に落下し、回転羽根の取付部に堆積される。そこで、カッタ部1の回転刃の回転軸81・82とほぼ平行に茶葉の茎部が整列され、案内板10・10の内部を回転されて、整列された状態でカッタ部1に落下する。
落下した茶葉は、整列した状態で茶葉案内回転体6により低速回転刃仕組4と高速回転刃仕組5との重複部に搬送される。茶葉は回転刃84の刃部に対し垂直に投入されるので最も効率良く切断され、また、回転刃84の配置ピッチ(q)を茶葉の大きさより小さくしたことにより、未切断の茶葉の発生が防止される。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
即ち、請求項1に示す如く、高速回転軸と低速回転軸の各軸上に複数の回転刃を等間隔に配置し、該高速回転軸と低速回転軸を平行、かつ、互いに回転刃の外周の一部が重複するようにさせ、両軸を互いに逆方向に回転させて茶葉を切断し、更に該回転刃の上方に複数枚の羽根からなる回転羽根を設け、該回転羽根の回動により一定量の茶葉を落下させるようにした茶葉切断装置において、前記隣接する回転刃と回転刃の間にカラーをそれぞれ配置し、該カラーの幅を切断される茶葉の大きさよりも小さくし、更に該回転刃の上方に、前記回転軸に対し垂直方向に摺動可能な茶葉案内回転体を設けたので、回転羽根の間に投入された茶葉はその茎部を回転軸心と平行になるように揃えられ、落下後すぐに茶葉案内回転体に捉えられて姿勢が維持されるので、切断するときも茶葉の茎部は回転刃の刃部と垂直となって、最も効率良く切断され、未切断の茎部の発生が少なくなるのである。
【0051】
また、回転刃の間隔が茶葉の大きさよりも小さいので、未切断の茶葉が発生することがなく、切断後の茶葉の大きさのばらつきが少なくなって、その後の乾燥のばらつきも抑えられるのである。
また、カラーによって、回転刃と回転刃の間に茶葉が落下することが低減され、茶葉全体が未切断のまま切断部を通過するということが防止されるのである。
【0052】
請求項2に示す如く、請求項1記載の茶葉切断装置において、一の上記回転軸上に配置される上記カラーの外周は、他の回転軸の回転刃の刃部に近接させるので、回転刃と回転刃の間を茶葉が落下することが請求項1の場合以上に低減され、茶葉全体や茎部が未切断のまま切断部を通過するということがより効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る茶葉切断装置の全体的な構成を示した側面図。
【図2】カッタ部において、フレームから前後側の側板と茶葉案内回転体を取り外した様子を示した斜視図。
【図3】カッタ部において、二つの回転刃仕組の構成を示した断面図。
【図4】カッタ部のフレームの構成を示した斜視図。
【図5】カッタ部において、高速回転刃仕組を取り付けた様子を示した斜視図。
【図6】カッタ部の二つの回転刃仕組の様子を示した斜視図。
【図7】茶葉案内回転体の構成を示した正面一部断面図。
【図8】茶葉案内回転体のカッタ部フレームへの取付構成を示した斜視図。
【図9】投入部の回転羽根の構成を示した側面断面図。
【図10】取付部の幅が狭い場合の、回転羽根への茶葉の堆積の様子を示した斜視図。
【図11】取付部の幅が広い場合の、回転羽根への茶葉の堆積の様子を示した斜視図。
【符号の説明】
6 茶葉案内回転体
7 回転羽根
81 低速回転軸
82 高速回転軸
84 回転刃
86 カラー
100 茶葉切断装置

Claims (2)

  1. 高速回転軸と低速回転軸の各軸上に複数の回転刃を等間隔に配置し、該高速回転軸と低速回転軸を平行、かつ、互いに回転刃の外周の一部が重複するようにさせ、両軸を互いに逆方向に回転させて茶葉を切断し、更に該回転刃の上方に複数枚の羽根からなる回転羽根を設け、該回転羽根の回動により一定量の茶葉を落下させるようにした茶葉切断装置において、前記隣接する回転刃と回転刃の間にカラーをそれぞれ配置し、該カラーの幅を切断される茶葉の大きさよりも小さくし、更に該回転刃の上方に、前記回転軸に対し垂直方向に摺動可能な茶葉案内回転体を設けたことを特徴とする茶葉切断装置。
  2. 請求項1記載の茶葉切断装置において、一の上記回転軸上に配置される上記カラーの外周は、他の回転軸の回転刃の刃部に近接させることを特徴とする茶葉切断装置。
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