JP3927292B2 - ユーザ設置ユニット固定装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はユーザ設置ユニット（プラグイン拡張カードまたはディスク駆動装置など）をコンピュータハウジング内部に固定する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図５は、標準的なコンピュータ用プラグイン拡張カード１０を示す。カード１０はプラグイン・エッジコネクタ部１１を介して主コンピュータ回路と接続するための電子回路（図示せず）を備えている。そのコネクタ部分１１によりカード１０を差し込むとカードがコンピュータに設置される。しかし、カードを所定位置に保持し、迅速に固定するために、カードの一端に更に金属製の取付け板１２が設けられている。この板は、一端に設置用タブ１３、他端にねじ受け凹部１４を備えている。板に穴を開けて、拡張カードに取付けられた外部コネクタに外部アクセス可能にすることもできる。
【０００３】
図６は、拡張カードをコンピュータ内部に装着する領域にある通常のコンピュータハウジング構造１５を示す。特に、最大で４個の拡張カードを支持するようになっている金属取付けブリッジ１６が設けられている。取付けブリッジ１６には、拡張カードを一つづつ所定位置に固定するための固定ねじを受ける４個のねじ穴１７が設けられている。その他に、ブリッジ１６には４個の長方形穴１８が形成され、各々が拡張カードに設けられた外部コネクタにアクセスできるようになっている。
【０００４】
図７は、２個の拡張カード１０を図６の構造１５の取付けブリッジ１６に取付けた状態を示す。拡張カードは最初そのコネクタ部分により、ハウジング壁から直角に突出している回路板に取付けられた内部電気コネクタに差し込まれる（この回路板もコネクタも、本発明がこれら要素に関係ないので図示してない）。同時に、各カードの設置用タブ１３がハウジング構造に形成された対応するスロットに挿入される（このスロットも本発明に関係ないので図示してない）。各カードの取付け板１２は、各取付け板の凹部１４が取付けブリッジ１６の対応する一つのねじ穴１８に整列した状態で、取付けブリッジに向き合っている。次に固定ねじ１９を使用して各カードを所定位置に固定するが、ねじは対応するねじ穴に螺合し、カードの取付け板をブリッジ１６に対して締付けるようにねじ込まれる。この締付けは板１２と取付けブリッジ１６との間に良好な接地（アース）接続を与えるのにも役立つ。
【０００５】
取付け板１２と同様な形態の空白板２０が別のねじ１９により、対応する拡張カードが存在しないブリッジ１６の穴１７の上の所定位置に固定されている。
【０００６】
拡張カードを所定位置に固定するためのこの従来技術の装置は、固定ねじをコンピュータの内部に落とすことがあったり、ねじ１９をねじ込むのに困難を感じたりすることのある未熟なユーザにとって幾らかわずらわしい（ハウジングが近接して存在するのでねじを手で回すのに邪魔である）。多数の固定ねじを多数の拡張カードスロットが存在する場所に設ける必要があることも不便である。
【０００７】
図８は、拡張カードを所定位置に固定する通常の方法により提示される問題点の幾つかを克服するための公知の装置の一つを示している。図８の装置において、係止爪４１を備えた締付け棒４０を使用して複数の拡張カードおよび空白板を所定位置に固定する（明瞭にするため、一つのカード１０だけを示してある）。更に詳細に述べれば、係止爪４１はカード取付け板１２および空白板をハウジング１５のブリッジ１６に向き合わせて締付けるのに役立つ。締付け棒４０の両端に締付け棒をブリッジ１６の上に支持する側柱４２がある。各側柱４２にはブリッジ１６にある穴４４に挿入される垂れ下り栓４３がある。栓４３は締付け棒を位置決めし、締付け棒がその周りを矢印Ｂで示す方向に旋回して締付け棒４０を傾斜位置（栓が最初に穴４４に導入されたとき棒が取る位置）から図４に示す直立位置まで移動することができる軸Ａを規定する働きをする。直立位置で、棒４０の上に設けられた係止部４５がハウジング１５に形成された穴４６に係合している。使用中、カード１０が所定位置に設置されると、締付け棒４０の栓が穴４４に挿入され、棒がその直立位置に旋回して対応する一つの係止爪をカードの取付け板１２と締付け噛み合わせる。直立すると、棒４０は所定位置に係合する。棒４０はプラスチック材料から作られ、取付け板１２を接地しやすくするため、薄い金属接地爪を各係止爪の下に設けることができ、これら接地爪は、棒がその係合位置にあるときハウジングに押しつけられている接点に電気的に接続されている。
【０００８】
図８の装置は多数のカードの固定を容易にし、固定ねじがハウジング内部で紛失する危険を回避するが、多数の欠点がなお存在する。例えば、大きい取付けブリッジのための装置は、棒４０の旋回移動を支持するための側柱を設けたことにより、空間が貴重な用途には不適切になる（たとえば、装置を図６の状況に使用するのが困難になる）。更に、図８の装置を使用して得られる締付け力の大きさは一般に、やはり調節可能性という利益を有するねじ機構で達成できる程大きくはない。最後に、複雑なプラスチック部品（棒４０）および別々の金属接地部品を設ける必要性のため固定装置の原価が上昇する。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の短所の少なくとも幾つかを克服する拡張カード（又は他のユーザ設置ユニット）を固定するための装置を提供することが本発明の目的である。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ユーザ設置ユニットをコンピュータハウジング内部に固定する装置が提供され、この装置は、
ハウジングの穴を通過して内部係止爪に接続する外部アームを有し且つハウジングの中で旋回可能な締付けレバーと、
互いに螺合する第１および第２の部材を有するねじ山手段であって、前記第１および第２の部材が各々前記ハウジングおよび前記アームと力を伝達し合う関係にあり、前記部材の一方がユーザ動作による外部からのアクセスが可能で、ハウジングの中で締付けレバーを旋回させ、それにより前記ユーザ設置ユニットの一部を前記係止爪とハウジングとの間に締付けるねじ山手段とを備えている。
この装置により、ねじ山固定手段がハウジング外部に設けられ、したがって動作しやすく、固定ねじがコンピュータ内部に落ちる危険を回避している。更に、締付けレバーの横方向の範囲をユーザ設置ユニットの横方向範囲に制限することが可能である。
【００１１】
ユーザ設置ユニットは、たとえば、プラグイン拡張カード、ディスク駆動装置、または他の機能ユニットであるが、「ユーザ設置ユニット」という用語をコンピュータハウジングのアクセス穴を閉じるための空白板をも包含すると解釈するものとする。
【００１２】
有利にも、締付けレバーは前記外部アームに接続する複数の内部係止爪を備えており、これら係止爪は複数のユーザ設置ユニットをハウジングに対して締付けることによりそれらを固定する働きをする。好適に、係止爪はそれぞれの穴を貫いてハウジングから突出し、ハウジングの外部の締付けレバーと接続し、これら穴と穴との間のハウジングの部分は締付けレバーが完全に入りこんで損傷を生ずる可能性を防止する。
【００１３】
好適には、締付けレバーは前記穴に隣接するコンピュータハウジングの中で旋回し、第１等級のレバー(first class lever) を形成する。ねじ山手段に関しては、これはハウジングのねじ穴およびねじ穴と噛み合っているボルトにより好適に形成され、締付けレバーアームの自由端に対して支持されている。
【００１４】
本発明を実施する固定装置を次に、限定しない例を用いて、付図を参照して説明する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１ないし図４は、図５ないし図８に比較して拡大した尺度で、拡張カードをコンピュータハウジング内部に固定する本発明の実施例を示す。この実施例によれば、固定ねじ１９（図７を参照）は、外部アクセス可能な一つのねじ部材２５により所定位置に固定されている締付けレバー２２によって置換えられている。
【００１６】
更に詳細に、図１および図２を参照して説明すれば、締付けレバー２２は、クランク形状の金属部材からなり、４本の係止爪２６を先端に有するアーム２４から構成されている。係止爪２６は屈曲端部を備えている。ねじ部材２５はアーム２４の自由端に保持され、刻み目のある頭を備えている。
【００１７】
締付けレバー２２の係止爪２６は、図６および図７の取付けブリッジ１６と同様の拡張カードブリッジ３４に隣接してコンピュータハウジング３１（図３を参照）に形成されたそれぞれの穴３２を通して挿入されるようになっている。係止爪２６を穴３２に挿入した状態で、ねじ部材２５はハウジング３１に形成されたねじ穴３３に噛み合うことができる。ねじ部材２５の頭およびアーム２２はハウジング３１の外側にあって、ユーザがいつでもねじ部材２５の頭に触れることができるようにしている。ユーザがねじ部材２５を締めあげてアーム２４の自由端をハウジング３１の方に近づけるにつれて、締付けレバー２２は、一般に穴３３に最も近い穴３２の縁の線に沿う軸の周りをハウジングの中で旋回動作を行う。この旋回動作により係止爪２６の端部が取付けブリッジ３４の方に移動する。その結果、係止爪２６を拡張カード１０または空白板２０を図４に示したように取付けブリッジ上の所定位置に締付けるのに使用することができる。係止爪２６の屈曲端部はカード１０の取付け板１２および／または空白板２０をハウジング３１のブリッジ３４に対して止めるのに役立つ。
【００１８】
この装置はこのようにして一つの締付けレバーを４個のユーザ設置ユニット（図４では４個のユニットは、２個の拡張カードおよび２個の空白板により構成されている）を所定位置に固定するのに使用することができる。締付けレバー自身はユーザが容易に触れ得る一つのねじ２５により固定されている。固定ねじ２５または締付けレバー２２がハウジングの中に落下する危険が少なからず存在するが、レバー２２は、穴３２と穴３２との間にあるハウジングの部分によりハウジングの中に完全には入らないようにされている。
【００１９】
例示実施例に対して多数の変形案が可能であることが認められよう。たとえば、係止爪２６の数を変えることができ、事実、締付けレバーは、ユーザ設置ユニットを一つだけ所定位置に固定する場合にこのような係止爪を一つだけ備えることができる。更に、ユーザ設置ユニットは拡張カードに限定されるものではなく、たとえば、コンピュータハウジングに対して所定位置に固定したいディスク駆動装置でもよい。
【００２０】
締付けレバー２２が金属から形成されているので、コンピュータハウジング３１上への取付け板１２および／または空白板２０の接地を行いやすい。
【００２１】
ねじ部材の第１のものがハウジング３１と力伝達関係を維持しており且つねじ部材の第２のものが締付けレバーのアーム２４と力伝達関係を維持しており、またこれらねじ部材の一つがユーザ動作について外部からアクセスし得る状態にあれば、ねじ山装置を、図示したものから変えることができる。したがって、一つの可能な代わりの装置はハウジング３１にアーム２４の孔を通過する外部突出植込ボルトを設け、この植込ボルトをアーム２４を押す刻み目付きナットと噛み合わせることである。本発明の例示実施例では、締付けレバー２２は第１等級のレバー、すなわちその支点が負荷（ここでは、係止爪の締付け端部分）と力印加点（ねじ部材２５の頭がアーム２４に接触する点）との間に設けられているものを形成している。適切に計画することにより、締付けレバーの等級を変えることが可能である。
【００２２】
以下に本発明の実施の形態を要約する。
１． ユーザ設置ユニットをコンピュータハウジング内に固定するための装置であって、
ハウジングの穴を通過して内部係止爪に接続する外部アームを有し且つハウジングの中で旋回可能な締付けレバーと、
互いに螺合する第１および第２の部材を有するねじ山手段であって、前記第１および第２の部材が各々前記ハウジングおよび前記アームと力を伝達し合う関係にあり、前記部材の一方がユーザ動作による外部からのアクセスが可能で、ハウジングの中で締付けレバーを旋回させ、それにより前記ユーザ設置ユニットの一部を前記係止爪とハウジングとの間に締付けるねじ山手段とを備えているユーザ設置ユニット固定装置。
【００２３】
２． 前記締付けレバーは、前記外部アームに接続する複数の内部係止爪を有し、複数のユーザ設置ユニットを、それらをハウジングに対して締付けることにより、固定する働きをする上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００２４】
３． 前記係止爪は、前記ハウジングのそれぞれの穴を貫いてハウジングから突出し、ハウジングの外部にある前記アームと接続し、前記穴と穴との間にあるハウジングの部分は締付けレバーがハウジング内に完全に進入することのないようにしている上記２に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００２５】
４． 前記締付けレバーは金属から作られ、前記ユーザ設置ユニットの電気的接地系統の部分を形成している上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００２６】
５． 前記締付けレバーはハウジング内で内部干渉なしに前記穴を通して取り外し得る上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００２７】
６． 前記締付けレバーは前記穴に隣接して前記ハウジングの中で旋回するようになっており、それにより前記締付けレバーが第１等級のレバーを形成している上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００２８】
７． ねじ山手段の前記第１の部材はハウジングのねじ穴により形成され、前記第２の部材は前記アームを貫いて突出し前記ねじ穴に螺合するボルトである上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００２９】
８． ねじ山手段の前記第１の部材は前記ハウジングに固定された外側に突出する植込ボルトにより形成され、前記第２の部材は前記植込ボルトと螺合するナットである上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００３０】
９． 前記ユーザ設置ユニットは拡張カードである上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００３１】
１０． 前記ユーザ設置ユニットはディスク駆動装置である上記１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
【００３２】
【発明の効果】
本発明によれば、一つの締付けレバーによって複数個のユーザ設置ユニットを所定位置に固定することができる。締付けレバー自身はユーザが容易に触れ得る一つのねじにより固定されているので、締めずらい多数の固定ねじを締めるという煩雑さが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の締付けレバーの一方の側の斜視図である。
【図２】本発明の一実施例の締付けレバーの他方の側の斜視図である。
【図３】図１および図２の締付けレバーを受けるようになっているコンピュータハウジングの部分の外側の斜視図である。
【図４】図３の形態のハウジングに、二つの拡張カードを締付けた図１および図２の締付けレバーの動作を示す斜視図である。
【図５】コンピュータ用の公知のプラグイン拡張カードの斜視図である。
【図６】コンピュータハウジングの一部の内部の斜視図であり、拡張カードを取付け るための公知の構造を示す。
【図７】図６と同様の斜視図であるが、図５の二つのカードが取付け位置に形成されていることを示している。
【図８】コンピュータハウジングの一部の内部の斜視図であり、拡張カードを取付けるための他の公知の構造を示す。
【符号の説明】
１０ 拡張カード（ユーザ設置ユニット）
１２ 取付け板
２０ 空白板（ユーザ設置ユニット）
２２ 締付けレバー
２４ アーム
２５ ねじ部材
２６ 係止爪
３１ ハウジング
３２ 穴
３４ 拡張カードブリッジ

Claims (10)

1. ユーザ設置ユニットをコンピュータハウジング内に固定するための装置であって、
   ハウジングの穴を通過する締付けレバーであって、内部係止爪に接続する外部アームを有し且つハウジングの中で旋回可能な締付けレバーと、
   互いに螺合する第１および第２の部材を有するねじ山手段であって、前記第１および第２の部材が各々前記ハウジングおよび前記アームと力を伝達し合う関係にあり、前記部材の一方がユーザ動作による外部からのアクセスが可能で、ハウジングの中で締付けレバーを旋回させ、それにより前記ユーザ設置ユニットの一部を前記係止爪とハウジングとの間に締付けるねじ山手段とを備えていることを特徴とするユーザ設置ユニット固定装置。
2. 前記締付けレバーは、前記外部アームに接続する複数の内部係止爪を有し、複数のユーザ設置ユニットを、それらをハウジングに対して締付けることにより、固定する働きをする請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
3. 前記係止爪は、前記ハウジングのそれぞれの穴を貫いてハウジングから突出し、ハウジングの外部にある前記アームと接続し、前記穴と穴との間にあるハウジングの部分は締付けレバーがハウジング内に完全に進入することのないようにしている請求項２に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
4. 前記締付けレバーは金属から作られ、前記ユーザ設置ユニットの電気的接地系統の部分を形成している請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
5. 前記締付けレバーはハウジング内で内部干渉なしに前記穴を通して取り外し得る請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
6. 前記締付けレバーは前記穴に隣接して前記ハウジングの中で旋回するようになっており、それにより前記締付けレバーが第１等級のレバーを形成している請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
7. ねじ山手段の前記第１の部材はハウジングのねじ穴により形成され、前記第２の部材は前記アームを貫いて突出し前記ねじ穴に螺合するボルトである請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
8. ねじ山手段の前記第１の部材は前記ハウジングに固定された外側に突出する植込ボルトにより形成され、前記第２の部材は前記植込ボルトと螺合するナットである請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
9. 前記ユーザ設置ユニットは拡張カードである請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。
10. 前記ユーザ設置ユニットはディスク駆動装置である請求項１に記載のユーザ設置ユニット固定装置。

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