JP3927058B2 - 簡易山留め工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水道工事、電話線埋設工事などのような小規模な根切りの山留めに用いるのに適した簡易山留め工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電話線埋設工事などにおいては、道路脇などの地盤面を幅が2〜3m、深さが3m程度で根切りして、電話線などの埋設作業を行っている。このような小規模の根切りの山留めでは、一般に、図4に示すように、根切り側面20に矢板21を打ち込んでから根切りを行うか、あるいは根切りを行いながら矢板20を打ち込み、根切り深さ方向に所定の間隔で腹起し22を水平に取り付けると共に、腹起し22の間に切梁23を水平に架け渡して、根切り側面20を保護している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における小規模な根切りのための山留め工法では次のような解決すべき課題がある。腹起しを支持している切梁が狭い間隔で配置されているので、これらが根切り作業の邪魔になってしまう。また、堀り進むにつれて、矢板、腹起しおよび切梁からなる支保機構も下降させて根切り側面を保護する必要があるが、支保機構を下降させるためには、一旦解体して組みなおすなどの作業が必要である。
【0004】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、根切り作業がし易く、しかも支保機構の落とし込み作業を簡単に行うことのできる簡易山留め工法を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の簡易山留め工法は、地盤面における根切り領域を包含するように複数本の親杭を立て、腹起し梁として、梁本体の両端に、親杭を摺動自在の状態で差込可能な筒状部材を取り付けたものを用意し、この腹起し梁の両端の筒状部材にそれぞれ親杭の上端を差し込み、この状態で腹起し梁をほぼ水平な状態で落とし込み、所定の高さ位置に固定することにより、親杭および腹起し梁からなる支保工枠を構成し、腹起し梁の背面側に矢板を配置し、支保工枠および矢板を根切り部分に落とし込みながら根切り作業を行うことを特徴としている。
【0006】
本発明では、垂直に立てた親杭に対して腹起し梁を上下にスライド可能な状態に取り付けてある。従って、根切り作業を行いながら、腹起し梁を適切な位置まで下降させることができる。また、根切り深さが深くなったときには、親杭の先端から別の腹起し梁を落とし込み、この腹起し梁で矢板の上側部分を支持させることができる。
【0007】
ここで、最初から支保枠を立てる代わりに、地盤面における根切り領域を所定の深さまで掘り込んだ後に、親杭を立てて支保枠を組むようにしてもよい。
【0008】
また、前記親杭としては、H型鋼または箱型鋼を用いることができる。この場合には、前記腹起し梁の両端の筒状部材を鋼製の矩形筒とすればよい。
【0009】
さらに、前記腹起し梁の梁本体も、同様にH型鋼または箱型鋼を用いることができる。
【0010】
次に、前記腹起し梁を所定の高さ位置に固定するためには、前記親杭にその軸線方向に沿って所定の間隔で複数のピン孔を形成しておき、ピン孔に差し込んだ固定ピンによって前記腹起し梁を所定の高さ位置に保持するようにすればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した簡易山留め工法の一例を説明する。
【0012】
図1は本例の簡易山留め工法によって根切りが行われた状態を示す説明図である。根切り部分1は例えば桁行き方向が10m程度で梁間方向が5m程度で、深さが3m程度の小規模なものである。この根切り部分1の四隅にはH型鋼からなる親杭2(1)〜2(4)が垂直に立てられている。
【0013】
また、これらの親杭2(1)〜2(4)の上端部分には桁行き方向および梁間方向に2本ずつの腹起し梁3(1)、3(2)および4(1)、4(2)が掛け渡されている。また、親杭2(1)〜2(4)の中程の高さ位置の部分にも、それぞれ腹起し梁3(3)、3(4)および4(3)、4(4)が掛け渡されている。これら親杭2(1)〜2(4)および腹起し梁3(1)〜3(4)、4(1)〜4(4)によって直方体の支保枠5が構成されている。また、各腹起し梁3(1)〜3(4)、4(1)〜4(4)の背面には、縦矢板6が敷き詰められた状態で垂直に配置されており、これらの縦矢板6によってほぼ垂直な根切り面が保護されている。
【0014】
図2を参照して、本例の腹起し梁3(3(1)〜3(4)、4(1)〜4(4))の構成を説明する。腹起し梁3は、H型鋼からなる所定長さの梁本体31と、この梁本体31の両端に取り付けられている鋼製の矩形枠32から構成されている。矩形枠32はその矩形開口が上下方向に向く状態で梁本体31に取り付けられている。また、この矩形枠の矩形開口は、親杭2(2(1)〜2(4))を差し込み可能な大きさであると共に、親杭2に沿って上下にスライド可能な大きさに設定されている。従って、垂直に立てた一対の親杭2の上端にそれぞれ両端の矩形枠32を差し込めば、腹起し梁3を水平に保持しながら、親杭2に沿って下方にスライドさせて、任意の高さ位置まで落とし込むことが可能である。
【0015】
ここで、各親杭2には、その上端部分および中程の位置に、フランジ間に固定ピン7を着脱可能な状態で差し通すためのピン孔8が形成されている。図2に示すように、固定ピン7を差し込むと、この固定ピン7によって腹起し梁3がその高さ位置に保持される。勿論、ピン孔8を親杭2の長手方向に沿って多数の個所に形成しておけば、腹起し梁3を多数の高さ位置に固定することが可能になる。
【0016】
なお、この構成の腹起し梁3は、一般には、H型鋼の端に矩形筒32を溶接により固着することにより構成でき、工場生産され、現場に搬入される。
【0017】
次に、図3を参照して、本例の簡易山留め工法による根切り作業手順の一例を説明する。まず、図3(a)に示すように、地盤面10における矩形の根切り領域11の四隅を掘り、そこに複数本、本例では4本の親杭2(1)〜2(4)を垂直に立てる。
【0018】
次に、図3(b)に示すように、桁行き方向の両端に位置している親杭2(1)および2(4)の上端から腹起し梁3(3)を水平に落とし込む。同様に、親杭2(2)、2(3)の上端から腹起し梁3(2)を水平に落とし込む。さらに、梁間方向の両端に位置している親杭2(1)、2(2)の上端から腹起し梁4(3)を落とし込み、親杭2(3)、2(4)の上端から腹起し梁4(4)を落とし込む。
【0019】
ここで、固定ピン7を親杭2の中程の位置にあるピン孔8に差し込んでおくことにより、各腹起し梁を親杭2の中程の位置で止める。
【0020】
この後は、図3(c)に示すように、各腹起し梁3(3)、3(4)および4(3)、4(4)の背面に縦矢板6を差し込む。
【0021】
しかる後は、親杭2および腹起し梁3(3)、3(4)および4(3)、4(4)によって構成されている支保枠5および矢板6を根切り部分に落とし込みながら根切り作業を行う。
【0022】
根切り深さが深くなった後は、図3(d)に示すように、各親杭2の上端から腹起し梁3(1)、3(2)、4(1)、4(2)を差し込み、親杭2の上端部分のピン孔8に差した固定ピン7によって、これらの腹起し梁を親杭2の上端部分に水平に架け渡した状態にする。
【0023】
この状態で、支保枠5および矢板6を根切り部分1に落とし込みながら所定の深さまで根切り作業を行う。
【0024】
なお、本例では、親杭、腹起し梁としてH型鋼を用いているが、これ以外の素材のものを用いてもよいことは勿論である。
【0025】
また、腹起し梁を所定の高さ位置に保持するための機構は、固定ピン以外でもよい。例えば、チェーンなどを用いて所定の高さ位置に保持してもよい。
【0026】
さらに、図1に示すように、根切り部分1を長手方向に延長していく場合には、腹起し梁を長手方向に延ばしていけばよい。この場合、腹起し梁4(2)、4(4)は切梁として機能して、左右の親杭2が内側に倒れないように支持する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の山留め工法においては、親杭に対して上下にスライド可能な状態で腹起し梁を配置し、所定の高さ位置に腹起し梁を保持した状態で根切りを行いながら、親杭および腹起し梁からなる矢板の支保枠を徐々に落とし込み、所定深さまで根切りが進んだ後は、更に腹起し梁を親杭の上端から所定の高さ位置まで落と込み、矢板を保持して根切り側面を保護するようにしている。
【0028】
従って、本発明によれば、根切り深さが深くなった場合に支保枠を組みなおすなどの作業が不要であり、また、腹起し梁の所望の高さ位置に保持することができる。よって、従来の支保機構を用いる場合に比べて、効率良く根切り作業を行うことができる。また、切梁が根切り作業の邪魔になるなどの弊害も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した根切り作業における支保枠および矢板の状態を示す斜視図である。
【図2】 図1の腹起し梁の端部を示す部分斜視図である。
【図3】 本発明を適用した根切り作業手順を示す説明図である。
【図4】 従来の山留め工法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 根切り部分
2、2(1)〜2(4) 親杭
3(1)〜3(4)、4(1)〜4(4) 腹起し梁
5 支保枠
6 縦矢板
7 固定ピン
8 ピン孔
10 地盤面
11 根切り領域
Claims (6)
- 地盤面における根切り領域を包含するように複数本の親杭を立て、
腹起し梁として、梁本体の両端に、親杭を摺動自在の状態で差込可能な筒状部材を取り付けたものを用意し、
この腹起し梁の両端の筒状部材にそれぞれ親杭の上端を差し込み、この状態で腹起し梁をほぼ水平な状態で落とし込み、所定の高さ位置に固定することにより、親杭および腹起し梁からなる支保工枠を構成し、
根切り側面に沿って配置される腹起し梁の背面側に矢板を配置し、
支保工枠および矢板を根切り部分に落とし込みながら根切り作業を行う簡易山留め工法。 - 請求項1において、
地盤面における根切り領域を所定の深さまで掘り込んだ後に、親杭を立てることを特徴とする簡易山留め工法。 - 請求項1または2において、
所定の深さまで根切りを行った後に、別の腹起し梁を親杭の上端から落とし込み、所定の高さ位置に固定することを特徴とする簡易山留め工法。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記親杭はH型鋼または箱型鋼であり、
前記腹起し梁の両端の筒状部材は鋼製の矩形筒であることを特徴とする簡易山留め工法。 - 請求項4において、
前記腹起し梁の梁本体はH型鋼または箱型鋼であることを特徴とする簡易山留め工法。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記腹起し梁を所定の高さ位置に固定するための固定ピンを用意しておくと共に、前記親杭にその軸線方向に沿って所定の間隔で複数のピン孔を形成しておき、ピン孔に差し込んだ固定ピンによって前記腹起し梁を所定の高さ位置に保持することを特徴とする簡易山留め工法。
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