JP3926140B2 - ガス発生剤組成物およびガス発生部材 - Google Patents

ガス発生剤組成物およびガス発生部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスを微小部位から噴出させてレジストなどの薬液を選択的に塗布するのに有用なガス発生剤組成物、ガス発生部材及びこのガス発生部材を利用した塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の製造プロセスでは、基板に感光材をコーティングし、露光、現像、エッチングすることにより所定のパターンを形成している。特開2000−79366号公報では、成膜領域及び非成膜領域が設定された被処理基板の上方に配置され、かつ被処理基板に対して一定量の液体を連続的に吐出する液体吐出部と、前記被処理基板と液体吐出部とを相対的に移動させるための移動部と、この移動部により移動され、かつ液体吐出部からの液体が非成膜領域に供給される状態になったとき、前記液体が非成膜領域に供給されるのを遮断するための液体遮断部を備えた成膜装置が提案されている。この文献には、光により反応してガスを発生するガス発生材(ニトロセルロースなど)と、光を照射するための光発射部と、この光発射部からの光を反射して前記ガス発生材に導くための光反射部、被処理基板に対して液体を吐出するための液体供給ノズルとを備えており、光発射部からの光を照射してガス発生材からガスを発生させ、液体供給ノズルから滴下された液体の滴下方向を変更させ、滴下方向が変更された液体を液体回収部に回収することも記載されている。この成膜装置を利用すると、表面に段差が存在していても、被処理基板上にレジストや絶縁材などの液体膜を選択的に適用して平坦な表面を有する被膜を形成できる。
【0003】
しかし、この装置では、ガス発生材によるガス発生力が小さく、ノズルから吐出される微量の液流(例えば、マイクロリットル単位の液流)を断続的に方向変換させ、高い精度で膜厚をコントロールすることが困難である。
【0004】
一方、特開平7−40674号公報および特開平7−68962号公報には、支持体上に、ニトロセルロース、黒色着色剤(カーボンブラックなど)及びバインダーを含む感光層を形成し、レーザ光により照射部位を熱分解させてピット又は所定のパターンを形成し、印刷用版材を製造することが開示されている。この感光層では、レーザ光のエネルギーを黒色着色剤で吸収して熱に変換し、レーザ光に対応したピットを形成できる。
【0005】
しかし、この方法でも、ガス発生量及びガス発生力が小さく、液流の方向変換機構のためには十分でない。しかも、多量の煤が生成するため、高い清浄度が必要とされるプロセス(例えば、半導体製造プロセスなど)には利用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、エネルギーの適用部位が微小であってもガス発生量及びガス発生力が大きなガス発生剤組成物、この組成物を用いたガス発生部材および液体の塗布方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、微小部位から高いガス発生力で微小ガスを発生させ、ノズルから連続的に吐出される液流を、高精度にしかも断続的に遮断又は方向変換させるために有用なガス発生剤組成物、この組成物を用いたガス発生部材および塗布方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、ガスを発生させても汚染を抑制できるガス発生剤組成物、この組成物を用いたガス発生部材および塗布方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ガス発生剤及び光吸収剤で構成されたガス発生層を支持体に対して密着させて形成すると、レーザ光の照射に伴って生じる着火エネルギーを、支持体に対して密着したガス発生層により保持でき、加熱領域が微小であっても高いガス圧でガスを噴出でき、流体の流れ方向を精度よく変更できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のガス発生部材は、微小加熱源により微小部位でガスを発生可能なガス発生部材であって、支持体と、この支持体に対して密着して形成され、かつ少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成されたガス発生層とを備えており、ガス発生層の厚みが20〜250μmであり、隣接する支持体とガス発生層とが密着層により密着している。このガス発生部材において、レーザ光の照射エネルギーをE1、飛翔又は飛散物の運動エネルギーをE2としたとき、エネルギー効率E2/E1は0.1〜50程度である。ガス発生部材は、例えば、レーザ光が透過可能な基材で構成された支持体と、この支持体の表面に形成された密着層と、この密着層の表面に形成されたガス発生層とを備えており、前記密着層は、光吸収剤を実質的に含まず、支持体及びガス発生層に対して密着した非光吸収層であってもよい。この密着層は成膜性を有するポリマー型ガス発生剤で構成してもよい。さらに、ガス発生層は、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤と光吸収剤とを含む光吸収層で構成してもよい。前記ガス発生剤としては、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤、低分子又はオリゴマー型ガス発生剤などが例示でき、例えば、ガス発生剤は、少なくともニトロセルロースを含んでいてもよい。前記ガス発生剤は、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤および可塑剤として機能するガス発生剤で構成されていてもよい。
【0011】
このようなガス発生部材において、密着層の厚みは、通常、1μm以上である。
【0012】
さらに、ガス発生層は、単一の層に限らず、複数の層で構成してもよい。例えば、ガス発生層は、ガス発生剤及び光吸収剤で構成された光吸収層(又はエネルギー吸収層)と、この光吸収層上に形成された被覆層(又は負荷層、圧力保持層)とで構成してもよい。
【0013】
本発明は、少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成され、かつ微小加熱源により微小部位でガスを発生可能なガス発生剤組成物であって、前記ガス発生剤が、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤および可塑剤として機能するガス発生剤で構成されているガス発生剤組成物も包含する。この組成物は、レーザ光の照射によりガスを発生可能な組成物であってもよい。
【0014】
本発明は、さらに、ノズルから吐出される液体の流れを断続的に遮断して液体を塗布する方法であって、レーザ光及びサーマルヘッドから選択された微小加熱源を作用させて前記ガス発生部材の微小部位から発生するガスにより、流れ方向を変更させて液体を塗布する方法、レーザ光を照射して支持体側のガス発生層で着火させ、照射部位に対応するガス発生層の微小部位でガスを噴出させるとともに、ガス発生層の微小部位を飛翔させる方法も含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のガス発生部材の一例を示す概略断面図である。この例では、ガス発生部材は、耐熱性が高く、レーザ光が透過可能な基材(ガラス基板やプラスチックフィルムなど)で構成された透明支持体1と、この支持体1の表面に形成され、かつレーザ光に対して透明な密着層2と、この密着層の表面に形成され、かつ少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成されたガス発生層3と、このガス発生層の表面に形成され、かつ発生したガス圧を保持するための被覆層(負荷層又は圧力保持層)4とで構成されている。
【0016】
前記密着層2は、光吸収剤を実質的に含まず、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤及び可塑剤で構成され、かつ支持体1とガス発生層3とを密着した非光吸収層として形成されている。また、前記ガス発生層3は、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤と可塑剤と光吸収剤とで構成され、レーザ光に対する光吸収層として形成されている。さらに、被覆層4は、前記密着層2と同様な成分で構成され、レーザ光に対する不活性層として形成されている。
【0017】
なお、支持体1とガス発生層3との密着性を向上させるため、密着層2とガス発生層3とは、光吸収剤を除き、実質的に同じ組成物(ポリマー型ガス発生剤及び可塑剤)で形成されている。また、前記可塑剤は、後述するガス発生剤として機能する可塑剤で構成されている。
【0018】
このようなガス発生部材では、レーザ光を支持体1側から照射すると、ガス発生層3がレーザ光のエネルギーを吸収して着火し、ガスが発生する。このガスは、密着層2によりガス発生層3が支持体1に密着しているため、密着層2とガス発生層3との界面方向に拡散し伝播するのが規制される。しかも、被覆層の弾性率に応じて、所定の圧力に達するまでは発生したガス圧が被覆層4により保持される。そのため、高いガス圧を保持しつつ、レーザ光の照射部位に対応する微小部位から、高い圧力でガスを噴出できる。なお、ガス発生層3の着火は、密着層2との界面近傍で生じるものと推測される。また、前記支持体1は防火帯としても機能し、被覆層4は圧力保持層として機能する。
【0019】
なお、ガス発生部材は、支持体と、この支持体に対して密着したガス発生層とで構成すればよく、ガス発生層は、支持体に対して直接的に密着していてもよく、前記のように、間接的に密着層を介して密着していてもよい。すなわち、支持体とガス発生層との間に介在する密着層(接着層又は中間層)により、隣接する支持体とガス発生層とを密着していてもよい。さらに、ガス発生層は、複数の層で構成された積層構造、例えば、ガス発生剤及び光吸収剤で構成された光吸収層(エネルギー吸収層)と、この光吸収層上に形成された被覆層との積層構造を有していてもよく、単一の層構造を有していてもよい。
【0020】
図2は本発明の他のガス発生部材を示す概略断面図である。この例では、レーザ光が透過可能な基材で構成された透明支持体11と、この支持体1の表面に形成され、かつレーザ光に対して透明又は不活性な密着層12と、この密着層の表面に形成され、かつ少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成されたガス発生層13とで構成されている。そして、ガス発生層により高いガス圧を保持させるため、ガス発生層13は前記図1のガス発生層3よりも厚く形成されている。
【0021】
このようなガス発生部材でも、レーザ光の照射により発生したガス圧を、厚みの大きなガス発生層13により保持できるため、前記と同様に、高い圧力でガスを噴出できる。
【0022】
支持体(又は密着層)とガス発生層との密着強度は、ガス発生層で発生したガスが、支持体(又は密着層)とガス発生層との界面方向に伝播するのを抑制できればよく、通常、レーザー光の照射により高圧になった支持体(又は密着層)とガス発生層との界面又はその近傍では、ガス発生層の凝集破壊が生じる。
【0023】
さらに、本発明では、ガスの噴出に伴って、レーザ光の照射部位に対応する膜(少なくともガス発生層)の一部が飛翔又は飛散するようである。そして、レーザ光の照射エネルギーをE1、飛翔又は飛散物の運動エネルギーをE2としたとき、本発明では、エネルギー効率E2/E1=0.1〜50、好ましくは0.5〜30、さらに好ましくは1〜30、特に1を越える値(1.5〜20)のエネルギー効率を得ることができる。レーザ光によりガス発生層が着火し、燃焼に伴ってさらに大きなエネルギーが生じるためであると推測される。
【0024】
前記支持体としては、種々の基材、例えば、ガラス、セラミックス、金属箔などの無機基材、プラスチック(ポリアルキレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース誘導体、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリイミド系樹脂など)などの有機基材、これらの複合基材などが例示できる。
【0025】
支持体は微小加熱源の種類に応じて選択でき、微小加熱源がレーザ光などの光エネルギーである場合には、光透過可能な基材(例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロースエステル類などの透明性樹脂)が使用でき、微小加熱源がサーマルヘッドである場合には、耐熱性基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などの耐熱性樹脂)などが利用でき、耐熱性基材はサーマルヘッドとの融着を防止するため離型処理してもよい。
【0026】
さらに、密着層又はガス発生剤層との密着性を向上するため、支持体の表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面活性化処理などを施してもよい。
【0027】
支持体又は基材の形態は、用途に応じて選択でき、フィルム又はシート状、プレート状やディスク状などであってもよい。フィルム又はシート状の支持体又は基材の厚みは特に制限されず、例えば、5〜2000μm、好ましくは10〜200μm(例えば、15〜150μm)程度の範囲から適当に選択できる。
【0028】
密着層は、支持体とガス発生層との密着性が高い限り必ずしも必要ではない。密着層は、支持体及びガス発生層の種類などに応じて、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤による表面処理、アンダーコート剤、アンカーコート剤や接着剤などによる易接着処理や下塗り処理してもよい。アンダーコート剤や接着剤などとしては、例えば、エポキシ樹脂系組成物、ウレタン樹脂系組成物、アクリル樹脂系組成物、酢酸ビニル樹脂系組成物、ポリエチレンイミン、ゴム系組成物(ポリブタジエン含有組成物など)などが例示できる。なお、前記密着層は、通常、エネルギー吸収剤(光吸収剤)を実質的に含まない場合が多い。また、光又は熱エネルギー吸収剤を実質的に含まない場合、密着層は、前記アンダーコート剤や接着剤成分に限らず、ガス発生剤(低分子型ガス発生剤や成膜性を有するポリマー型ガス発生剤など)で構成してもよい。
【0029】
さらに、ガス発生層は、少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成し、エネルギー吸収層(光吸収層)として形成すればよい。ガス発生剤には、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤、低分子又はオリゴマー型ガス発生剤などが含まれ、これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0030】
ガス発生剤は、分解又は燃焼により多量のガスを発生する物質であればよく、このようなガス発生剤は、しばしば、火薬、爆薬、起爆薬などの原料としても使用される。ガス発生剤としては、含窒素化合物(例えば、グアニジン誘導体、テトラゾール誘導体、ニトロ化合物、硝酸エステル化合物、ニトラミン化合物、アジド化合物など)が例示できる。
【0031】
より詳細には、ガス発生剤としては、次のような化合物が例示でき、低分子型又はオリゴマー型ガス発生剤やポリマー型ガス発生剤であってもよい。
【0032】
グアニジン誘導体:例えば、ニトログアニジン(NQ)、グアニジン硝酸塩(GN)、ジシアンジアミド(DCDA)、アミノグアニジン硝酸塩、ジアミノグアニジン硝酸塩、トリアミノグアニジン硝酸塩(TAGN)、ニトロアミノグアニジン、グアニジン過塩素酸塩など
テトラゾール誘導体:例えば、テトラゾール、5−アミノテトラゾール(5−AT)、5−ヒドラジノテトラゾール、5−シアノテトラゾール、5−ヒドロキシテトラゾール、2−メチル−5−アミノ−テトラゾール、グアニルアミノテトラゾール、ビテトラゾール誘導体[例えば、ビテトラゾールジアンモニウム塩(BHT−2NH3)、ビテトラゾール(BHT)、アミノグアニジニウムビテトラゾール、カルシウムビテトラゾール、グアニジニウムビテトラゾールなど]、アゾテトラゾール誘導体[例えば、アゾテトラゾールジアンモニウム塩など]、テトラセンなど
トリアジン誘導体:例えば、メラミン、トリヒドラジノトリアジン(THT)、ジニトロアメリン(DNAM)など
ヒドラジン誘導体:例えば、カルボヒドラジド(CDH)など。
【0033】
トリアゾール誘導体:例えば、3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール−5−オン(NTO)、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾールなど
ジシアナミド誘導体:例えば、ナトリウムジシアナミド、アンモニウムジシアナミドなど。
【0034】
ニトラミン化合物:例えば、ニトログアニジン(NQ)、トリメチレントリニトロアミン(RDX)、テトラメチレンテトラニトロアミン(HMX)、エチレンジニトラミン(EDNA)、ヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(CL−20)、1,4−ジニトログリコールウリール(DINGU)、2−ニトロイミノ−5−ニトロ−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(NNHT)、1,3,3−トリニトロアゼチジン(TNAZ)、1,3,5,5−テトラニトロヘキサヒドロピリミジン(DNNC),1,3,3,5,7,7−ヘキサニトロ−1,5−ジアザシクロオクタン(HNDZ)など。
【0035】
ニトロ化合物:例えば、トリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ジニトロナフタレン(DNN)、ヘキサニトロスチルベン(HNS)、ジアミノトリニトロベンゼン(DATB)、トリアミノトリニトロベンゼン(TATB)、テトリル、ピクリン酸、ジアゾジニトロフェノール(DDNP)、トリシネート、ニトロ尿素、ビス−2,2−ジニトロプロピルアセタール/ホルマール(BDNPA/F)、1,4,5,8−テトラニトロ−1,4,5,8−テトラアザデカリン(TNAD)、2,6−ジアミノ−3,5−ジニトロピラジン−1−オキシド(LLM−105)、2,4−ジニトロイミダゾール(2,4−DNI)、5,7−ジアミノ−4,6−ジニトロベンゾフロキサン(CL−14)、1,1’−[メチレンビス(オキシ)]ビス[2−フルオロ−2,2−ジニトロエタン](FEFO)、ジニトロアゾキシフラザン(DNAF)、アミノニトロフラザン(ANF)、7−アミノ−4,6−ジニトロベンゾフロキサン(ADNBF)、4,6−ジニトロベンゾフロキサンカリウム塩(KDNBF)、1,1−ジアミノ−2,2−ジニトロエチレン(FOX−7)など。
【0036】
硝酸エステル化合物:例えば、ニトログリセリン(NG)、多価アルコールナイトレート[例えば、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)、ペンタエリスリトールトリナイトレート(Petrin)、ペンタエリスリトールテトラナイトレート(PETN)、ニトログリコール、ブタントリオールトリナイトレート(BTTN)、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)、ジエチレングリコールジナイトレート(DEGDN)など]、ニトラトエチルニトラミン(NENA)、アルキルニトラトエチルニトラミン類[メチル−2−ニトラトエチル−ニトラミン(MeNENA)、エチル−2−ニトラトエチル−ニトラミン(EtNENA)、n−ブチル−2−ニトラトエチル−ニトラミン(BuNENA)など]、ポリグリシジルナイトレート(PGN)、ニトロセルロース(NC)、セルロースアセテートナイトレート(CAN)、セルロースナイトレートカルボキシメチルエーテル(CNC)など。
【0037】
アジド系化合物:例えば、アジ化ナトリウム、アジ化鉛、ビス(1,3−ジアジド−2−プロピル)−スクシネート(BAPS)、ビス(1,3−ジアジド−2−プロピル)−アジピネート(BAPA)、ビス(1,3−ジアジド−2−プロピル)−セバシネート(BAPSe)、アジドポリマー[グリシジルアジドポリマー(GAP)、3,3−ビス(アジドメチル)オキセタン(BAMO)、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン(AMMO)、3−ニトラトメチル−3−メチルオキセタン(NIMMO)、ビス−3,3−ニトラトメチルオキセタン(BNMO)、BAMO/AMMO共重合体、BAMO/THF(テトラヒドロフラン)共重合体、GAP/THF共重合体など]など。
【0038】
硝酸塩:例えば、グアニル尿素硝酸塩、エチレンジアミンジナイトレート、ヒドロキシルアンモニウムナイトレート(HAN)、トリエタノールアンモニウムナイトレート(TEAN)、モノメチルヒドラジン硝酸塩、モノメチルアミン硝酸塩(MMAN)など
その他の化合物、例えば、ヒドラジニウムニトロフォルメート(HNF)、アンモニウムジニトラミド(ADN)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、3,6−ジアミノ−1,2,4,5−テトラジン−1,4−ジ−N−オキシド(LAX−112)、ジアミノアゾフラザン(DAAF)、ジアミノアゾキシフラザン(DAAOF)、N−グアニル尿素−ジニトラミド(FOX−12)など。
【0039】
これらのガス発生剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいガス発生剤は、ニトログアニジン(NQ)、トリアミノグアニジン硝酸塩(TAGN)、5−アミノテトラゾール(5−AT)、ビテトラゾールジアンモニウム塩(BHT−2NH3)、トリヒドラジノトリアジン(THT)、カルボヒドラジド(CDH)、トリメチレントリニトロアミン(RDX)、テトラメチレンテトラニトロアミン(HMX)、エチレンジニトラミン(EDNA)、ヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(CL−20)、トリニトロトルエン(TNT)、ジニトロトルエン(DNT)、ヒドラジニウムニトロフォルメート(HNF)、アンモニウムジニトラミド(ADN)、ニトロセルロース(NC)、セルロースアセテートナイトレート(CAN)、セルロースナイトレートカルボキシメチルエーテル(CNC)、グリシジルアジドポリマー(GAP)などのアジドポリマー、ニトログリセリン(NG)、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)である。ガス発生剤は、通常、少なくともニトロセルロース(NC)を含む場合が多い。なお、ニトロセルロースの窒素含有量は、6.7〜14.1%の範囲から選択でき、通常、10〜13.5%(特に11〜13.5%)程度である。
【0040】
これらのガス発生剤のうち成膜性を有するポリマー型ガス発生剤(又はバインダーとして機能するガス発生剤)としては、セルロース誘導体[ニトロセルロース(NC)、セルロースアセテートナイトレート(CAN)、セルロースナイトレートカルボキシメチルエーテル(CNC)など]、ポリビニルテトラゾール誘導体[ポリ(1−ビニル−5−アミノテトラゾール)、ポリ(2−ビニル−5−アミノテトラゾール)、ポリ(1−ビニルテトラゾール)、ポリ(2−ビニルテトラゾール)、ポリ(1−メチル−5−ビニルテトラゾール)、ポリ(2−メチル−5−ビニルテトラゾール)など]、ポリアミノトリアゾール誘導体[ポリメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリエチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリプロピレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリブチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリペンタメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリヘキサメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリヘプタメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリオクタメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリノナメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ポリデカメチレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾールなどのポリアルキレン−4−アミノ−1,2,4−トリアゾールなど]、アジドポリマー[グリシジルアジドポリマー(GAP)、3,3−ビス(アジドメチル)オキセタン(BAMO)、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン(AMMO)、3−ニトラトメチル−3−メチルオキセタン(NIMMO)、ビス−3,3−ニトラトメチルオキセタン(BNMO)、BAMO/AMMO共重合体、BAMO/THF(テトラヒドロフラン)共重合体、GAP/THF共重合体など]などが例示できる。これらの成膜性を有するガス発生剤は単独で又は組み合わせて使用できる。
【0041】
ガス発生剤は可塑剤として機能する化合物であってもよい。可塑剤として機能するガス発生剤(高エネルギー可塑剤)としては、例えば、硝酸エステル系化合物[NG、TMETN、Petrin、PETN、ニトログリコール、BTTN、TEGDN、DEGDN、NENAなど]、アルキルニトラトエチルニトラミン類[MeNENA、EtNENA、BuNENAなど]、アジド系化合物[グリシジルアジドポリマー可塑剤(GAP可塑剤)、BAPS、BAPA、BAPSeなど]、ニトロ系化合物[BDNPA/Fなど]などが例示できる。
【0042】
ガス発生剤は、成膜性を備えているか否かに拘わらず、分解又は燃焼しにくいバインダーと組み合わせて使用してもよい。バインダーとしては、被膜形成能を有する種々の樹脂が使用でき、例えば、溶媒(有機溶剤、水、水と有機溶剤との混合溶媒)に可溶性の樹脂に限らず、無溶剤型バインダーも使用可能である。なお、無溶剤型バインダーには、稀釈剤を併用してもよい。バインダーは熱可塑性樹脂であってもよく熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂であってもよい。
【0043】
バインダーとしては、例えば、セルロース誘導体[セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート(CAB)などのセルロースエステル類、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類など]、スチレン系樹脂[ポリスチレン(PS)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのスチレンと(メタ)アクリル系単量体との共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体など]、アクリル系樹脂[ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドなど]、塩化ビニル系樹脂[ポリビニルクロライド(PVC)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体など]、ビニル系樹脂[エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、シクロペンタジエン系ポリマーなど)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体など]、ゴム又はエラストマー[アクリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなど]、ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート系コポリエステル、ポリアルキレンナフタレート系コポリエステル、ポリアルキレンアジペート系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタンなど)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド11、ポリアミド12,ポリアミド611,ポリアミド612などのホモポリアミド、ナイロン6/11,ナイロン6/12,ナイロン66/11,ナイロン66/12などのコポリアミドなど)、エポキシ系樹脂[ビスフェノールA型エポキシ樹脂など]、ビニルエステル系樹脂[エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加体など]、ジアリルフタレート系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、熱硬化性アクリル系樹脂、多糖類又はその誘導体(デンプン、グアガム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウムなど)などが例示できる。さらに、光硬化性樹脂には、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどが例示できる。なお、熱硬化性樹脂は慣用の硬化剤を用いて硬化させることができ、光硬化性樹脂は光重合開始剤を用いて硬化させることができる。これらのバインダーは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0044】
なお、硬化剤と組み合わせて硬化膜を形成できるポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(HTPB)、カルボキシ末端ポリブタジエン(CTPB)、ヒドロキシ末端ポリエチレン(HTPE)、アジドポリマー(GAP、BAMO、AMMO、NIMMO、BNMO、BAMO/AMMO共重合体、BAMO/THF(テトラヒドロフラン)共重合体、GAP/THF共重合体など)なども例示できる。
【0045】
バインダーとして成膜性を有するガス発生剤を用いる場合、ガス発生層はガス発生剤で形成してもよく、バインダーとして分解又は燃焼しにくいバインダーを用いる場合、ガス発生剤の含有量は、バインダー100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは20〜500重量部、さらに好ましくは50〜200重量部程度である。また、成膜性を有するガス発生剤(バインダー)に対する非成膜性ガス発生剤の割合も上記と同様の範囲から選択できる。
【0046】
ガス発生層及びガス発生剤組成物は、種々のエネルギー、例えば、光(レーザ光など)の照射又は熱の作用によりガスを発生可能である。このような組成物は、エネルギー吸収剤(光吸収剤及び/又は熱吸収剤)を含んでいてもよい。
【0047】
光吸収剤は、光線の波長に応じて選択でき、白色、黄色、橙色、赤色、青色、緑色、紫色、黒色などの着色剤であってもよい。代表的な光吸収剤は、黒色着色剤(カーボンブラック、黒色染料など)である。さらに、熱吸収剤としては、例えば、赤外線吸収剤などが例示でき、光吸収剤と同様に黒色着色剤であってもよい。
【0048】
光吸収剤の含有量は、例えば、ガス発生剤100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部程度である。
【0049】
さらに、本発明のガス発生層及びガス発生剤組成物は、可塑性を付与するため、可塑剤を含んでいてもよい。この可塑剤は、前記のようにガス発生剤で構成してもよく、通常の可塑剤(非ガス発生性可塑剤)であってもよい。
【0050】
通常の可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤[ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのジアルキルフタレート]、アセテート系可塑剤[トリアセチン、アセチルトリエチルサイトレートなど]、アジピン酸系可塑剤[ジブチルアジペート、ジオクチルアジペートなどのジアルキルアジペート]、ブチルフタリルブチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート(MPEG)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、樟脳などが例示できる。
【0051】
これらの可塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。可塑剤(ガス発生剤としての可塑剤を含む)の使用量は、例えば、ガス発生剤100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは1〜70重量部(例えば、1〜50重量部)程度の範囲から選択でき、5〜100重量部(例えば、10〜50重量部)程度であってもよい。
【0052】
なお、ガス発生層及びガス発生剤組成物は、通常、ガス発生剤(特に、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤)に加えて、エネルギー吸収剤(特に、光吸収剤)及び成膜助剤(特に、可塑剤)から選択された少なくとも一種とで構成する場合が多い。
【0053】
さらに、ガス発生層及びガス発生剤組成物は、前記のように、バインダーの種類に応じて硬化剤を含有していてもよい。硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物[ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)、ダイマージイソシアネート(DDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)など]、ポリアミン化合物、多価カルボン酸類、エポキシ化合物などが例示できる。
【0054】
ガス発生層及びガス発生剤組成物は、着火性や燃焼性を改善し、発熱量を大きくするため、酸化剤を含有していてもよい。酸化剤としては、例えば、塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩などが例示でき、これらの塩は、アンモニア、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属との塩であってもよい。具体的な酸化剤としては、例えば、NH4ClO4、NH4NO3、KClO4、NaClO4、KNO3、NaNO3、Sr(NO32、塩基性硝酸銅(BCN)などが例示できる。これらの酸化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0055】
酸化剤の含有量は、例えば、バインダー(成膜性を有するガス発生剤を含む)100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
【0056】
ガス発生層及びガス発生剤組成物は、着火性を改善し、燃焼速度を向上させるため、燃焼触媒を含んでいてもよい。燃焼触媒としては、例えば、金属酸化物(酸化鉄、酸化銅など)、クロム酸塩(亜クロム酸銅、重クロム酸アンモニウムなど)などが例示できる。これらの燃焼触媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0057】
燃焼触媒の使用量は、例えば、ガス発生剤100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。
【0058】
なお、ガス発生層及びガス発生剤組成物は、例えば、ガス発生剤などの安定性を改善するため、安定剤を含有していてもよい。特に硝酸エステル化合物を含む系において安定性を向上させるためには、安定剤を含有させるのが有用である。このような安定剤としては、アミン系安定剤(ジフェニルアミン、2−ニトロジフェニルアミンなど)、エチルセントラリット、レゾルシノールなどが例示できる。
【0059】
ガス発生層及びガス発生剤組成物は、架橋剤(安息香酸アンモニウム、トリメチロールプロパン(TMP)、メラミン樹脂など)、老化防止剤(フェニルイソプロピル−P−フェニレンジアミン(商品名 ノクラック810−NA)など)を含有していてもよい。さらに、酸化剤とバインダーとの結合を高めるため、前記組成物は、結合剤(例えば、1,2−トリス(2−メチルアジリデニル)フォスフィンオキサイド(商品名 MAPO)など)を含有していてもよい。さらに、着火性や燃焼性を改善したり、燃焼に伴って多量の熱を効率よく発生させるため、ガス発生層及びガス発生剤組成物は、金属成分(例えば、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、ケイ素鉄、アルミニウム・マグネシウム合金、ホウ素など)を含んでいてもよい。
【0060】
なお、本発明のガス発生層及び組成物は、必要により種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、界面活性剤などを含んでいてもよい。
【0061】
ガス発生層をエネルギー吸収層(光吸収層)と被覆層とで構成する場合、エネルギー吸収層は前記ガス発生層と同様にして形成でき、前記被膜層は、無機質膜(金属蒸着膜、シリカ、アルミナなどの金属化合物の蒸着膜など)で形成してもよいが、通常、非導電性被膜、特に前記密着層と同様にして形成してもよく、樹脂被膜で形成してもよい。樹脂としては、例えば、前記バインダーの項で記載した種々の成膜性樹脂が使用できる。代表的な樹脂として、セルロース誘導体(セルロースアセテートなどのセルロースエステル類など)、アクリル系樹脂(メタクリル酸メチルを主たる成分とするメタクリル酸メチル系樹脂など)、スチレン系樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合体など)、ビニル系樹脂[エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体など]、ゴム又はエラストマー、ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート系コポリエステル、ポリアルキレンナフタレート系コポリエステル、ポリアルキレンアジペート系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル系ポリウレタンなど)、エポキシ系樹脂[ビスフェノールA型エポキシ樹脂など]、ビニルエステル系樹脂[エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加体など]、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、光硬化性樹脂などが例示できる。
【0062】
被膜は、被膜の特性(曲げ弾性率や引っ張り弾性率など)を調整するため、必要により種々の添加剤、例えば、可塑剤、硬化剤又は架橋剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、着色剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、界面活性剤などを含んでいてもよい。
【0063】
密着層とガス発生層との密着性を向上させるためには、密着層及びガス発生層に互いに共通又は同一の成分を含有させてもよい。例えば、密着層をニトロセルロースなどの成膜性ガス発生剤で構成するとともに、第2の層をニトロセルロースなどの成膜性ガス発生剤と光吸収剤とで構成してもよい。さらには、このような組合せにおいて、支持体に対する密着層の密着性が小さい場合、密着層には密着性向上剤を含有させてもよい。さらに、密着層とガス発生層との密着性を向上するため、密着層とガス発生層との少なくとも界面近傍域は、光吸収剤の含有の有無を除いて、実質的に同じ成分割合の組成物で形成してもよい。例えば、密着層を成膜性ガス発生剤と密着性向上剤とを特定の割合で含む組成物で形成し、ガス発生剤を前記密着層の組成物に光吸収剤を添加した組成物で形成してもよい。なお、密着性向上剤としては、例えば、前記可塑剤、前記シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤や接着剤などであってもよい。
【0064】
各層の厚みは適当に選択でき、例えば、密着層の厚みは、支持体とガス発生層とを密着可能な範囲、例えば、1μm以上(例えば、1〜200μm、好ましくは2〜100μm、さらに好ましくは3〜70μm)程度の範囲から選択できる。ガス発生剤(ポリマー型ガス発生剤など)を用いる場合、密着層の厚みは、例えば、10μm以上(例えば、10〜100μm、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは25〜70μm程度)であってもよい。
【0065】
ガス発生部材において、ガス発生層(又はエネルギー吸収層(光吸収層)と被覆層との全体)の厚みはガスの噴出性に大きな影響を及ぼす。すなわち、ガス発生層の曲げ弾性率及び/又は引っ張り弾性率に応じて、ガス発生層で保持可能なガス圧をコントロールでき、ガス発生層の厚みが小さいと、発生したガス圧を保持できず、ガス発生層の厚みが厚すぎると、ガスの噴出性が損なわれる場合がある。そのため、ガス発生層の厚みは、通常、10μm以上(例えば、10〜250μm、好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは25〜150μm)程度の範囲から選択でき、通常、20μm以上(例えば、20〜250μm、好ましくは25〜200μm、さらに好ましくは30〜100μm程度)である。
【0066】
なお、密着層が形成されている場合、密着層及びガス発生層の全体の厚みは、通常、20〜250μm、好ましくは40〜200μm、さらに好ましくは50〜150μm程度であり、通常、60〜150μm程度である。
【0067】
ガス発生層が光吸収剤(エネルギー吸収層)と被覆層とで構成されている場合、光吸収層(エネルギー吸収層)の最小厚みは1μm(好ましくは5μm、さらに好ましくは10μm)である。
【0068】
本発明のガス発生部材及びガス発生剤組成物は、微小加熱源により微小部位でガスを発生可能である。微小加熱源としては、例えば、レーザ光(YAGレーザ、半導体レーザなど)、サーマルヘッドなどが利用でき、微小なホットスポットから大きなエネルギーでガスを発生又は噴出できる。加熱エリア(ホットスポット)の面積は特に制限されず、例えば、0.1μmφ〜10mmφ、好ましくは1μmφ〜1mmφ、さらに好ましくは5〜500μmφ程度である。
【0069】
ガス発生層及びガス発生剤組成物によるガス発生量は、1g当たり1×10-3〜6×10-2モル、好ましくは1×10-2〜6×10-2モル、さらに好ましくは2×10-2〜6×10-2モル程度である。
【0070】
本発明のガス発生部材は、前記のように、微小な加熱源によりガス発生層の微小領域を加熱して高いガス圧でガスを放出又は噴出させることができる。そのため、本発明のガス発生部材は、ノズルなどの吐出口から吐出される液体などの流体の流れを、放出又は噴出するガスで断続的に遮断したり流体の流れ方向を変更するのに有用である。特に、吐出口から吐出される液体の流れを断続的に遮断又は変更させて液体を基処理基板に塗布する方法において、前記ガス発生部材に微小加熱源を作用させ、ガス発生部材の微小部位から発生するガスにより、液体の流れ方向を変更させて液体を塗布するために有用である。なお、微小加熱源を作用させると(レーザ光の照射など)、支持体側のガス発生層で着火し、照射部位に対応するガス発生層の微小部位でガスが噴出し、ガス発生層の微小部位を飛翔させることもできる。
【0071】
このような方法では、段差を有する基板において、塗布領域と非塗布領域とが設定されている場合であっても均一な厚みに塗膜を形成できる。例えば、半導体プロセス製造において、半導体基板上に形成された金属薄膜や層間絶縁膜などを、リソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング(RIE)などのエッチング技術を利用して、例えば、金属配線や半導体素子などの段差のある一次パターンを形成し、その一次パターン上に層間絶縁膜を形成してリソグラフィ技術及びRIEなどのエッチング技術を用いて二次パターンを形成する場合、一次パターンの段差に応じて上層の層間絶縁膜に段差が生じると、二次パターンの形成に利用するリソグラフィ工程において露光不良などを生じ、歩留まりが低下する。これに対して本発明では、一次パターンが形成された基板を走査しながら、一次パターンに応じた塗布領域と非塗布領域に対応させて、非塗布領域では前記ガス圧を利用して塗布剤の流れ方向を変更させ、塗布領域を選択的に塗布でき、均一な厚みの塗膜を形成できる。
【0072】
なお、ガス発生部材は、通常、被処理基板に対して相対的に移動可能であるとともに、流体(又は塗布剤)の吐出口(又はノズル)と同伴して移動可能である。ガス発生部材の形態は特に制限されず、例えば、フィルム又はシート状、テープ状などであってもよい。さらに、微小加熱源による加熱領域を更新するため、ガス発生部材は、微小加熱源に対して相対的に移動可能であるのが好ましい。例えば、リールやガス発生部材に形成されたスプロケットホールなどを利用して、巻き取り又は繰り出し可能なテープ状ガス発生部材を形成し、微小加熱源(レーザ光の照射位置やサーマルヘッドの位置など)に対してテープ状ガス発生部材の加熱領域を規則的(又は周期的)に移動させてもよい。
【0073】
さらに、ガス発生部材から発生するガス流の方向は、液体(又は塗布剤)の流れ方向に対して横断する方向、例えば、直交する方向、斜め下方や斜め上方などの適当な方向にガス流を噴出させることができる。
【0074】
なお、液体の種類は特に制限されず、種々の被膜成形性塗布剤、例えば、フォトレジスト、絶縁材料、反射性材料、低誘電率材料や高誘電材料、配線材料などが例示できる。なお、塗布剤における溶媒の種類は特に制限されず、水性溶媒であってもよく有機溶媒であってもよい。液体流の幅(塗布幅)は、スキャニング操作による塗布効率を損なわず、前記ガス圧により流れ方向が変更可能であればよく、例えば、10〜1000μm程度であってもよい。
【0075】
本発明は、表面が平坦でない基材又は基板、特に表面に段差部を有する基板に微細加工が施された機能部品(半導体、液晶基板など)を製造するのに有効である。
【0076】
【発明の効果】
本発明では、支持体に対して密着したガス発生層を備えているので、エネルギーの適用部位が微小であってもガス発生量及びガス発生力を向上できる。そのため、微小部位から高いガス発生力で微小ガスを発生させ、ノズルから連続的に吐出される液流を、高精度にしかも断続的に遮断又は方向変換させることができる。さらに、ガスを発生させても汚染を抑制できる。
【0077】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は「重量部」を示す。各試験方法は下記のとおりである。
【0078】
(1)レーザ光照射試験
レーザ光照射試験は、図3に示す装置を用いて行った。すなわち、電源29に接続されたレーザ装置(アルゴンレーザ)21を利用して、シャッター22の露光時間を1/500秒に設定して、ガス発生部材25に対して、レーザ光(パワー600mW,レーザビーム径約200μm)を照射する。なお、光路には、ビームサンプラー23と集光レンズ24とが配置されている。オシロスコープ28によりガス発生部材25を透過したレーザ光の光量の変化を測定し、図4に示すグラフ[時間(横軸)と、フォトセンサー26aにより検出され、かつ増幅器27aで増幅された信号の電圧値との関係を示すグラフ]を得る。この電圧値の変化は光量の変化を意味している。レーザ光の照射開始時間を測定するために、ビームサンプラー23でレーザ光の一部を反射させ、反射光の光量をフォトセンサー26bで検出し、増幅器27bで増幅して参照光として記録する。
【0079】
シャッターが閉じられた状態から完全に開放されるまでに少しの時間がかかるため、参照光の光量が最大値の50%に到達した時間を、レーザ光の照射開始時間T1と定義した。また、ガス発生部材にレーザ光が照射され、ガス発生部材のガス発生層が燃焼して孔が開くと、透過光が観察される。透過光が観察された時間T2も参照光の場合と同様に、透過光の光量が最大値の50%に到達した時間とした。そして、ガス発生部材の着火遅れ時間ΔT=T2−T1とした。
【0080】
(2)顕微鏡による観察
顕微鏡により、上記(1)レーザ光照射試験に従ってレーザ光を照射したガス発生部材の状態を観察した。
【0081】
(3)水滴飛散試験
水滴の飛散状況を調べるため、図5に示すように、孔径40μmのノズル31から垂直方向に吐出された水流31aから0.5mmの距離にガス発生材部材35を設置した。レーザ光(パワー600mW、レーザビーム径約200μm)がガス発生部材35に照射されると、ガス発生部材は激しくガスを噴出し、その噴出したガスは水流31aを水滴として飛散させる。飛散した水滴は、ガス発生部材35に対して水流31aを介して反対側に水平方向に配置され、かつ水平方向に赤色色素32aで着色されたガラス板32上に落ち、痕跡を残す。垂下する水流から痕跡までの距離を水滴の飛散距離とした。20回レーザ光の照射を行い、その結果を観察した。
【0082】
(4)圧電素子を利用した発生ガス速度測定試験
図3に示す装置において、フォトセンサー26aに代えて圧電素子を用いる以外、前記(1)のレーザ光照射試験と同様な方法で、時間と、圧電素子により検出され、かつ増幅器で増幅された信号の電圧値との関係を示すグラフを得る(図6参照)。この電圧値変化は光量及び音圧の変化を意味している。また、レーザ光の照射開始時間を測定するために、前記(1)のレーザ光照射試験と同様にして、ビームサンプラーでレーザ光の一部を反射させ、参照光として記録した。シャッターが閉じられた状態から完全に開放されるまでに少しの時間がかかるため、参照光の光量が最大値の50%に到達した塒間を、レーザ光の照射開始時間と定義した。また、ガス発生部材にレーザ光が照射され、ガス発生部材からガスが噴出すると音圧が測定された。音圧が測定開始された時間はチャート上で急に電圧変化が開始される場所であり、容易に判断できた。そして、(音圧が測定開始された時間)−(レーザ光の照射開始時間)を、ガス発生部材から発生したガスの到達時間とした。ガス発生部材と圧電素子との距離を変化させたデータを得た後、計算により、発生ガスの速度を求めた。
【0083】
実施例1
[密着層/被覆層用塗布液]
ニトロセルロース(NC、ニトロヘミー・ウィミス社製,混合綿 タイプI グレードC)6部、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN、日本油脂(株)製)4部、酢酸エチル90部を三角フラスコに入れ、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拌した。混合液は無色透明の粘性液体となった。撹拌に伴って混入した気泡を除くため、1時間以上放置した後、この混合液を使用した。
【0084】
[ガス発生層用塗布液]
カーボンブラック(C,三菱化学(株)製,三菱カーボンブラックMCF88,平均粒子径18nm)1部、酢酸エチル90部を三角フラスコに入れ、超音波洗浄器を使用して30分間振動を与えて、カーボンブラックを酢酸エチル中に分散させた。この分散液に、前記ニトロセルロース(NC)6部及び前記トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)4部をさらに加え、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拌した。混合液は黒色の粘性液体であり、撹拌に伴って混入した気泡を除くために1時間以上放置した後に、この混合液を使用した。
【0085】
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に、3層構造の膜を形成した。密着層は、密着層用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。ガス発生層は、ガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。さらに、被覆層は、被覆層用塗布液をガス発生層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0086】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/TMETN(6部/4部) 60μm
ガス発生層 NC/TMETN/C(6部/4部/1部) 15μm
被覆層 NC/TMETN(6部/4部) 60μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されるように、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は400〜440μsの範囲にあり、10回の平均値は416μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0087】
レーザ光照射したガス発生部材を顕微鏡で観察したところ、レーザ光の照射部に平均孔径452μmの孔が開いていることが確認された。また、飛散物の観察により球面平凸レンズ状の微細片が燃焼により発生して飛散していることが分かった。
【0088】
さらに、ガス発生部材を水滴飛散状況観察試験(3)に供し、20回レーザ光を照射した後にガラス板を観察すると、水滴の痕跡の個数は20個であった。また平均の飛散距離は2.8mmであった。水滴の痕跡の多くは広がり角約90°の範囲内に存在していた。ガス発生部材は水流を水滴として飛散させるだけの力を持っていることが示された。
【0089】
さらには、ガス発生部材を発生ガス速度測定試験(4)に供し、レーザ光を照射してデータを得た。ガス発生部材と圧電素子の距離が1.8mmであるとき、ガス発生部材から発生したガスの到達時間は361μsであり、距離が4.8mmであるとき、ガスの到達時間は368μsであり、距離が7.8mmである時ガスの到達時間は382μsであった。これらのデータより計算により求められた発生ガスの速度は約300m/sであった。
【0090】
実施例2
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に、2層構造の膜を形成した。密着層は、実施例1で調製した密着層用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成し、ガス発生層は、実施例1で調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置して乾燥することにより形成した。最終的な膜の組成と厚さは、次の通りである。
【0091】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/TMETN(6部/4部) 60μm
ガス発生層 NC/TMETN/C(6部/4部/1部) 75μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は488〜514μsの範囲にあり、10回の平均値は501μsであった。非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が再現性よく生じることが確認された。
【0092】
また、レーザ光照射したガス発生部材を顕微鏡で観察したところ、レーザ光の照射部に平均孔径384μmの孔が開いていることが確認された。また、飛散物の観察により球面平凸レンズ状の微細片が燃焼により発生して飛散していることが分かった。
【0093】
実施例3
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ125μmのOHP(オーバーヘツドプロジェクタ用)シート上に、実施例1と同様にして3層構造の膜(密着層、ガス発生層及び被覆層)を形成した。形成された膜は簡単にOHPシートから剥離可能であったので、OHPシートから剥離した膜について試験した。最終的な膜の組成と厚さは、次の通りである。
【0094】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/TMETN(6部/4部) 100μm
ガス発生層 NC/TMETN/C(6部/4部/1部) 10μm
被覆層 NC/TMETN(6部/4部) 50μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し、オシロスコープでデータを得た。透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は374〜400μsの範囲にあり、10回の平均値は385μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で得られた。
【0095】
さらに、レーザ光照射したガス発生部材を顕微鏡で観察したところ、レーザ光の照射部に平均孔径376μmの孔が開いていることが確認された。また、飛散物の観察により球面平凸レンズ状の微細片が燃焼により発生して飛散していることが分かった。
【0096】
実施例4
前記ニトロセルロース(NC)6部、グリシジルアジドポリマー(GAP、スリーエム(3M)社製,GAP可塑剤L−12616,分子量約700)4部、酢酸エチル90部の混合液を、フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に塗布して乾燥し、厚み60μmの密着層を形成した。
【0097】
この密着層の表面に、前記ニトロセルロース(NC)6部、グリシジルアジドポリマー(GAP)4部、およびカーボンブラック(C,三菱カーボンブラックMCF88)1部、及び酢酸エチル90部のガス発生層用塗布液を塗布し、厚み10〜70μmの範囲で厚みの異なるガス発生層を形成した。そして、上記と同様にして着火遅れ時間を測定したところ、表1に示す結果を得た。
【0098】
【表1】
Figure 0003926140
【0099】
実施例5
前記ニトロセルロース(NC)6部、前記グリシジルアジドポリマー(GAP)4部、酢酸エチル90部の混合液を、フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に塗布して乾燥し、厚み0〜60μmの範囲で厚みが異なる密着層を形成した。
【0100】
この密着層の表面に、前記ニトロセルロース(NC)6部、前記グリシジルアジドポリマー(GAP)4部、カーボンブラック(C,三菱カーボンブラックMCF88)1部、及び酢酸エチル90部のガス発生層用塗布液を塗布し、厚み60μmのガス発生層を形成した。そして、上記と同様にして着火遅れ時間を測定したところ、表2に示す結果を得た。
【0101】
【表2】
Figure 0003926140
【0102】
実施例6
[支持体用塗布液]
酢酸セルロース(CA、ダイセル化学工業(株)製,VAC)7部、ジエチルフタレート(DEP、和光純薬工業(株)製 試薬)3部、酢酸メチル(ナカライテスク(株)製)90部を三角フラスコに入れ、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拝した。混合液は無色透明の粘性液体となった。撹拌に伴って混入した気泡を除くため、1時間以上放置した後に、この混合液を使用した。
【0103】
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス板上に、3層構造の膜(支持層、密着層、ガス発生層)を形成した。支持層は、支持体用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。密着層は、実施例1で調製した密着層用塗布液を支持層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成し、ガス発生層は、実施例1で調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。形成された膜をガラスから剥離した後に試験に供した。剥離した支持層は支持体層として機能させた。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0104】
支持層 CA/DEP(7部/3部) 100μm
密着層 NC/TMETN(6部/4部) 30μm
エネルギー吸収層 NC/TMETN/C(6部/4部/1部) 40μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が455μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0105】
実施例7
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス板上に、3層構造の膜(支持層、密着層、ガス発生層)を形成した。支持層は、実施例6で調製した支持体用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。密着層は、実施例4で調製した密着層用塗布液を支持層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成し、ガス発生層は、実施例4で調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。形成された膜はガラスから剥離した後に試験に供した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0106】
支持体の層 CA/DEP(7部/3部) 90μm
密着層 NC/GAP(6部/4部) 20μm
ガス発生層 NC/GAP/C(6部/4部/1部) 30μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が431μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0107】
実施例8
[ガス発生部材の作製]
縦24mm×横60mm×厚さ40μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(東洋紡績(株)製,パイレンフィルム−OT 品名 P2161)上に、2層構造の膜(密着層及びガス発生層)を形成した。密着層は、バーコーターを使用して、ウレタン系接着剤[武田薬品工業(株)製二液混合型ラミネート剤タケラック(主剤A−385と硬化剤A−50とを6:1(重量比)で混合した混合物)]を支持体である二軸延伸ポリプロピレンフィルムの上に塗布し、80℃で10秒間加熱した後、40℃で1日放置することにより形成した。ガス発生層は、フィルムアプリケーターを使用して、実施例4で調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0108】
支持体 二軸延伸ポリプロピレンフィルム 40μm
密着層 二液混合型ラミネート剤タケラック 1μm
ガス発生層 NC/GAP/C(6部/4部/1部) 20μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し(但し、レーザー光パワーを1500mWとした)、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が408μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0109】
実施例9
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製,メリネックス 易接着タイプ)上に、2層構造の膜(密着層及びガス発生層)を形成した。密着層は、実施例4で調製した密着層用塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成し、ガス発生層は、実施例4で調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0110】
支持体 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム 75μm
密着層 NC/GAP(6部/4部) 10μm
ガス発生層 NC/GAP/C(6部/4部/1部) 40μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し(但し、レーザー光パワーを1000mWとした)、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が423μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0111】
実施例10
[密着層/被覆層用塗布液]
前記ニトロセルロース8部、ジブチルフタレート(DBP、ナカライテスク(株)製,試薬ナカライ一級)2部、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)90部を三角フラスコに入れ、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拝した。混合液は無色透明の粘性液体となった。攪拌に伴って混入した気泡を除くため、1時間以上放置した後に、この混合液を使用した。
【0112】
[ガス発生層用塗布液]
カーボンブラック(C,三菱化学(株)製 三菱カーボンブラック MCF88 粒子径18nm)1部、酢酸エチル90部を三角フラスコに入れ、超音波洗浄器を使用して30分間振動を与えて、カーボンブラックを酢酸エチル中に分散させた。この分散液に、前記ニトロセルロース8部、ジブチルフタレート2部をさらに加え、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拝した。混合液は黒色の粘性液体であり、撹拌に伴って混入した気泡を除くために1時間以上放置した後に、この混合液を使用した。
【0113】
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に、3層構造の膜(密着層、ガス発生層及び被覆層)を形成した。密着層は、密着層用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。ガス発生層は、調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成し、被覆層は、調製した被覆層用塗布液をガス発生層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0114】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/DBP(8部/2部) 63μm
ガス発生層 NC/DBP/C(8部/2部/1部) 16μm
被覆層 NC/DBP〈8部/2部)62μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し(但し、レーザー光パワーを1500mWとした)、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が575μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0115】
実施例11
[ガス発生層用塗布液]
カーボンブラック(C,三菱化学(株)製 三菱カーボンブラック MCF88 粒子径18nm)1部、酢酸エチル90部を三角フラスコに入れ、超音波洗浄器を使用して30分間振動を与えて、カーボンブラックを酢酸エチル中に分散させた。この分散液に、ニトロセルロース8部、ジブチルフタレート2部、トリメチレントリニトロアミン(RDX、日本工機(株)製,アメリカ軍用規格 MIL−DTL−398D 適合グレード)2部をさらに加え、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間攪拌した。混合液は黒色の粘性液体であり、攪拌に伴って混入した気泡を除くために1時間以上放置した後に、この混合液を使用した。
【0116】
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に、3層構造の膜(密着層、ガス発生層及び被覆層)を形成した。密着層は、実施例10で調製した密着層用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。ガス発生層は、調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成し、被覆層は、実施例10で調製した被覆層用嬢布液をガス発生層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0117】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/DBP(8部/2部) 60μm
ガス発生層 NC/DBP/C/RDX(8部/2部/1部/2部)15μm
被覆層 NC/DBP(8部/2部) 60μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し(但し、レーザー光パワーを1200mWとした)、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が488μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0118】
実施例12
[ガス発生層用塗布液]
カーボンブラック(C,三菱化学(株)製 三菱カーボンブラック MCF88 粒子径18nm)1部、酢酸エチル90部を三角フラスコに入れ、超音波洗浄器を使用して30分間振動を与えて、カーボンブラックを酢酸エチル中に分散させた。この分散液に、ニトロセルロース8部、ジブチルフタレート2部、ニトログアニジン(NQ、中国化薬(株)製 アメリカ軍用規格MIL−N−494B適合グレード)3部をさらに加え、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拌した。混合液は黒色の粘性液体であり、撹拌に伴って混入した気泡を除くために1時間以上放置した後に、この混合液を使用した
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に、2層構造の膜(密着層、ガス発生層)を形成した。密着層は、実施例10で調製した密着層用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。ガス発生層は、調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0119】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/DBP(8部/2部) 60μm
ガス発生層 NC/DBP/C/NQ(8部/2部/1部/3部) 75μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し(但し、レーザー光パワーを1200mWとした)、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が503μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【0120】
実施例13
[ガス発生層用塗布液]
カーボンブラック(C,三菱化学(株)製 三菱カーボンブラック MCF88 粒子径18nm)1部、酢酸エチル90部を三角フラスコに入れ、超音波洗浄器を使用して30分間振動を与えて、カーボンブラックを酢酸エチル中に分散させた。この分散液に、ニトロセルロース8部、ジブチルフタレート2部、ビテトラゾールジアンモニウム塩(BHT−2NH3、東洋化成工業(株)製 開発品)3部をさらに加え、室温下で、マグネティックスターラーを使用して約3時間撹拌した。混合液は黒色の粘性液体であり、撹拌に伴って混入した気泡を除くために1時間以上放置した後に、この混合液を使用した。
【0121】
[ガス発生部材の作製]
フィルムアプリケーターを使用して、縦24mm×横60mm×厚さ150μmのガラス上に、2層構造の膜(密着層、ガス発生層)を形成した。密着層は、実施例10で調製した密着層用塗布液をガラス上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。ガス発生層は、調製したガス発生層用塗布液を密着層上に塗布し、室温下で放置し、乾燥することにより形成した。最終的な各層の組成と厚さは、次の通りである。
【0122】
支持層 ガラス 150μm
密着層 NC/DBP(8部/2部) 60μm
ガス発生層 NC/DBP/C/BHT-2NH3(8部/2部/1部/3部) 75μm
得られたガス発生部材をレーザ光照射試験(1)に供し(但し、レーザー光パワーを1200mWとした)、オシロスコープでデータを得たところ、透過光のカーブは、10回照射中10回とも、図4に示されたのと同様に、激しく立ち上がり、透過光は減衰しなかった。着火遅れ時間は10回の平均値が498μsであり、非常に短い着火遅れ時間で激しい燃焼が高い再現性で生じることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のガス発生部材の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は本発明のガス発生部材の他の例を示す概略断面図である。
【図3】図3は実施例のレーザ光照射試験に用いた装置を示す概略図である。
【図4】図4は実施例のレーザ光照射試験で得られた時間と光量との関係を示すグラフである。
【図5】図5は実施例の水滴飛散試験に用いた装置を示す概略図である。
【図6】図6は実施例の発生ガス速度測定試験で得られた時間と電圧値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11…支持体
2,12…密着層
3,13…ガス発生層
4…被覆層

Claims (12)

  1. 微小加熱源により微小部位でガスを発生可能なガス発生部材であって、支持体と、この支持体に対して密着して形成され、かつ少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成されたガス発生層とを備えており、ガス発生層の厚みが20〜250μmであり、隣接する支持体とガス発生層とが密着層により密着しているガス発生部材。
  2. レーザ光の照射エネルギーをE1、飛翔又は飛散物の運動エネルギーをE2としたとき、E2/E1が0.1〜50である請求項1記載のガス発生部材。
  3. レーザ光が透過可能な基材で構成された支持体と、この支持体の表面に形成された密着層と、この密着層の表面に形成されたガス発生層とを備えており、前記密着層が、光吸収剤を実質的に含まず、支持体及びガス発生層に対して密着した非光吸収層で構成されている請求項1記載のガス発生部材。
  4. ガス発生剤が、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤、および低分子又はオリゴマー型ガス発生剤から選択された少なくとも一種の成分で構成されている請求項1記載のガス発生部材。
  5. ガス発生剤が、少なくともニトロセルロースを含む請求項1記載のガス発生部材。
  6. ガス発生剤が、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤および可塑剤として機能するガス発生剤で構成されている請求項1記載のガス発生部材。
  7. 密着層の厚みが1μm以上である請求項記載のガス発生部材。
  8. ガス発生層が、ガス発生剤及び光吸収剤で構成された光吸収層と、この光吸収層上に形成された被覆層とで構成されている請求項1記載のガス発生部材。
  9. 少なくともガス発生剤及び光吸収剤で構成され、かつ微小加熱源により微小部位でガスを発生可能なガス発生剤組成物であって、前記ガス発生剤が、成膜性を有するポリマー型ガス発生剤および可塑剤として機能するガス発生剤で構成されているガス発生剤組成物。
  10. レーザ光の照射によりガスを発生可能である請求項記載のガス発生剤組成物。
  11. ノズルから吐出される液体の流れを断続的に遮断して液体を塗布する方法であって、レーザ光及びサーマルヘッドから選択された微小加熱源を作用させて請求項1記載のガス発生部材の微小部位から発生するガスにより、流れ方向を変更させて液体を塗布する方法。
  12. レーザ光を照射して支持体側のガス発生層で着火させ、照射部位に対応するガス発生層の微小部位でガスを噴出させるとともに、ガス発生層の微小部位を飛翔させる請求項11記載の方法。
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