JP3926039B2 - ガスセンサコントローラ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば炭酸ガス(CO2ガス)等の濃度を測定するガスセンサに用いられるガスセンサコントローラに関するものであり、この種のガスセンサコントローラは、汎用用途、環境制御、医療技術、施設園芸、農業、発酵工業等の広い技術分野に於いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度の測定及びその測定結果に基づく濃度制御などに使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被検ガス中の特定ガスのガス濃度、例えば炭酸ガス濃度を測定する方法としては、赤外線吸収分析法等が利用されている。
しかし、この方法を利用した計測器及び測定機器は、高価で且つ大型であり、利便性に問題があるばかりか、測定原理上、検知部に光学部品を使用している為に、定期的なメンテナンスを行う必要性があった。また、標準ガスを用いたゼロ・スパン校正が、かなりの頻度で必要となり、汎用性等にも問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した問題を解決するために、近年では、小型で且つ廉価な固体電解質を用いた濃淡電池式炭酸ガスセンサが提案されている。
この種の炭酸ガスセンサは、イオン伝導体である固体電解質素子の両側に、基準電極及び検知電極を備えており、その検知電極は炭酸ナトリウム等で被覆されている。また、センサ自身を加熱するために、例えば積層し埋設されたヒータを備えている。
【0004】
前記炭酸ガスセンサは、ヒータにより所定の温度に加熱されるが、この状態にて、両電極間に生ずる起電力(電位)と、被検ガス中の炭酸ガス濃度とに相関関係があることを利用して、炭酸ガス濃度を測定することができる。
しかし、上述した炭酸ガスセンサでは、経時変化によりセンサ出力が変化し、使用過程において測定精度の誤差を生むという問題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、長期間に渡り、高い精度で被検ガス中の特定ガスのガス濃度を測定することが可能なガスセンサコントローラを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)前記目的を達成するための請求項1の発明は、固体電解質を利用したガスセンサを用いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度を求めるガスセンサコントローラであって、前記特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるサンプルデータ検出手段と、このサンプルデータに基づいて得られた補正準備値と予め記憶された基準値とを比較して補正値を求める補正値算出手段と、この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値の補正を行って、特定ガスのガス濃度を求める濃度検出手段と、を備えたことを特徴とするガスセンサコントローラを要旨とする。
【0007】
本発明では、実際の被検ガス中の特定ガスのガス濃度の測定に先だって、特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、補正に用いるための特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求める。このサンプルデータは、特定ガスのガス濃度が安定した状態にて求めたものであるので、瞬間的なセンサ出力の変動の影響を排除でき、ガスセンサの定常的な変動(オフセット)を反映したものとなる。よって、このサンプルデータに基づいて得られた補正準備値と予め記憶された基準値とを比較して補正値を求めることにより、ガスセンサのセンサ出力に、どの程度の定常的なズレが発生しているかを把握することができる。従って、この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値の補正を行うことにより、例えば経時変化によるセンサ出力の変動の影響を排除して、常に正確な特定ガスのガス濃度の測定を行うことができる。
【0008】
(2)請求項2の発明は、固体電解質を利用したガスセンサを用いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度を求めるガスセンサコントローラであって、前記特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるサンプルデータ検出手段と、このサンプルデータのうち、予め記憶された基準値を中心とした所定の範囲内の値に基づいて補正準備値を求め、該補正準備値と前記基準値とを比較して補正値を求める補正値算出手段と、この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値を補正して、特定ガスのガス濃度を求める濃度検出手段と、を備えたことを特徴とするガスセンサコントローラを要旨とする。
【0009】
本発明では、補正準備値の選び方に特徴がある。つまり、特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるが、このサンプルデータのうち、予め記憶された基準値を中心とした所定の範囲内の値を選択し、その値から補正準備値を求める。そして、この補正準備値と基準値とを比較して補正値を求め、この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値の補正を行うことにより、例えば経時変化によるセンサ出力の変動の影響を排除して、常に正確な特定ガスのガス濃度の測定を行うことができる。
【0010】
特に、本発明では、サンプルデータの範囲を規定しているので、外乱や測定誤差等の影響をかなりの程度排除でき、より正確な濃度測定が可能になる。
(3)請求項3の発明は、固体電解質を利用したガスセンサを用いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度を求めるガスセンサコントローラであって、前記特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるサンプルデータ検出手段と、前記サンプルデータに基づいて得られた補正準備値と予め記憶された基準値とを比較して補正値を求める第1補正値算出手段と、前記サンプルデータのうち、予め記憶された基準値を中心とした所定の範囲内の値に基づいて補正準備値を求め、該補正準備値と前記基準値とを比較して補正値を求める第2補正値算出手段と、前記第1補正値算出手段による補正値又は前記第2補正値算出手段による補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値の補正を行って、特定ガスのガス濃度を求める濃度検出手段と、を備え、前記特定ガスのガス濃度の安定状態を示す信号に応じて、前記特定ガスのガス濃度を求める際に用いる補正値として、前記第1補正値算出手段による補正値と前記第2補正値算出手段による補正値とを切り換える切換手段を備えたことを特徴とするガスセンサコントローラを要旨とする。
本発明では、同じガスセンサを用いる場合でも、補正方法を違えている。例えば、最初のある期間は、第1補正値算出手段による補正値を用いて補正を行い、その後、第2補正値算出手段による補正値を用いて補正を行うことにより、長期間にわたって精度のよい濃度測定が可能になる。
4)請求項4の発明は、前記特定ガスが、炭酸ガスであることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0011】
5)請求項5の発明は、前記サンプルデータが複数ある場合には、それらの中央値又は平均値を前記補正準備値とすることを特徴とする前記請求項1〜のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0012】
本発明は、サンプルデータからの補正準備値の求め方を例示している。この様に、サンプルデータの中央値又は平均値を補正準備値とすることにより、測定誤差等の影響を低減でき、より正確な濃度測定が可能になる。
6)請求項6の発明は、前記サンプルデータが複数ある場合には、予め設定された順位又は範囲により所定数個選択し、該所定数個のサンプルデータの中央値又は平均値を前記補正準備値とすることを特徴とする前記請求項1〜のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0013】
本発明は、サンプルデータからの補正準備値の求め方を例示している。この様に、サンプルデータを選択し、該選択されたサンプルデータの中央値又は平均値を補正準備値とすることにより、より一層測定誤差等の影響を低減でき、正確な濃度測定が可能になる。
【0015】
7)請求項7の発明は、前記ガスセンサが、ヒータを内蔵した基体に加え、基準電極と固体電解質からなるイオン導電体と検知電極と前記検知電極に接した炭酸塩層と前記各電極から電気信号を取り出す為のリードとから構成されることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0016】
本発明は、ガスセンサとして炭酸ガスセンサの構成を例示している。この構成のガスセンサでは、ヒータにより一定温度に加熱すると、被検ガス中の炭酸ガス濃度に応じて、両電極間に起電力を発生するので、この起電力をセンサ出力として取り出すことにより、炭酸ガス濃度を検出することができる。
【0017】
(8)請求項8の発明は、
前記固体電解質が、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又は酸素イオンを導電種とすることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0018】
本発明は、固体電解質を例示している。ここでは、固体電解質として、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又は酸素イオンを導電種とする固体電解質を用いることができる。
(9)請求項9の発明は、
前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、明暗を識別する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0019】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段を例示している。従って、明(例えば昼)・暗(例えば夜)を識別する手段を用いる場合には、特定ガスのガス濃度が安定した状態と考えられる夜に、サンプルデータを記憶することにより、外乱等の影響を低減して、適正な補正値を算出できるので、例えば日中において、より正確な濃度測定が可能となる。
【0020】
(10)請求項10の発明は、前記明暗を識別する手段が、光受光素子であることを特徴とする前記請求項9に記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0021】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出するために使用する明暗を識別する手段を例示している。従って、明(例えば昼)・暗(例えば夜)を識別可能な光受光素子を用いる場合には、特定ガスのガス濃度が安定した状態と考えられる夜に、サンプルデータを記憶することにより、適正な補正値を算出できるので、例えば日中において、より正確な濃度測定が可能となる。なお、光受光素子としては、太陽電池、ホトダイオード、CDSなどが挙げられる。
【0022】
(11)請求項11の発明は、
前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、気温、湿度、風速、又は気圧の変化を識別する手段を使用すること特徴とする前記請求項1〜8のいずれかにガスセンサコントローラを要旨とする。
【0023】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段を例示している。従って、気温、湿度、風速、又は気圧の変化を識別する手段を用いる場合には、その識別した結果から、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出できる。よって、その安定した状態にて測定したサンプルデータを記憶することにより、適正な補正値を算出できるので、より正確な濃度測定が可能となる。
【0024】
例えば温度変化から、昼・夜の区別が可能である。
(12)請求項12の発明は、
前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、時間変化を検出する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0025】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段を例示している。従って、時間変化を検出する手段(例えばタイマ)を用いる場合には、その検出結果から、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出できる。よって、その安定した状態にて測定したサンプルデータを記憶することにより、適正な補正値を算出できるので、より正確な濃度測定が可能となる。
【0026】
例えばガスセンサの電源ONから所定の時間経過した場合には、特定ガスのガス濃度が安定した状態とみなすことができる。
(13)請求項13の発明は、
前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、空調機器又は制御機器から出力信号の変化を検出する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0027】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段を例示している。従って、空調機器又は制御機器から出力信号の変化を検出する手段を用いる場合には、その検出結果から、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出できる。よって、その安定した状態にて測定したサンプルデータを記憶することにより、適正な補正値を算出できるので、より正確な濃度測定が可能となる。
【0028】
例えば空調機器や制御機器が、稼働(ON)又は停止(OFF)になってから、その状態が継続した場合には、状態が安定したとみなすことができる。従って、ON・OFFが切り替わらない状態にてサンプリングを行うことができる。
(14)請求項14の発明は、
前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、ガスセンサ自身の出力変化等の自身の出力を利用する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0029】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段を例示している。従って、ガスセンサ自身の(所定期間における)出力変化が小さな場合には、安定した状態とみなすことができる。よって、その安定した状態にて測定したサンプルデータを記憶することにより、適正な補正値を算出できるので、より正確な濃度測定が可能となる。
【0030】
例えば時間当たりの濃度変化が小さな場合や、サンプルデータの値の変化が小さな場合には、安定した状態であると判断できる。
(15)請求項15の発明は、
前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、超音波又は焦電効果を利用した手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラを要旨とする。
【0031】
本発明は、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段を例示している。従って、超音波や、焦電効果(赤外線)を利用して、人の出入りを検出し、人により影響が少ない時期、例えば人がいない場合や人数が変化しない場合、安定した状態とみなすことができる。よって、その安定した状態にて測定したサンプルデータを記憶することにより、イレギュラー要因を排除して、適正な補正値を算出できるので、より正確な濃度測定が可能となる。
【0032】
なお、本発明のガスセンサコントローラでは、前記請求項9〜15に記載の特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段のうち、2つ以上の手段を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
つまり、特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段のうち、2つ以上の手段を組み合わせることにより、より正確に、特定ガスのガス渡度が安定した状態を検出することができる。
例えば昼夜の変化をホトダイオードの単一信号でとらえるだけでは、例えば夜間に特定ガスのガス濃度変化が発生したり、夜間にも拘わらず蛍光灯等が点灯したりして、イレギュラー的な要素が発生し、補正が正しく行われない可能性があるが、複数の手段を組み合わせることにより、イレギュラー的な要素を排除し、より好適に補正を行うことができ、更に正確な濃度測定が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のガスセンサコントローラの実施の形態の例(実施例)について、図面に基づいて説明する。
(実施例1)
本実施例1の炭酸ガスセンサコントローラは、炭酸ガスセンサのセンサ出力に対して、経時変化によるズレを補正する補正演算を行って、常に正確に炭酸ガス濃度を測定するものである。
【0035】
a)まず、炭酸ガスセンサコントローラ及びその周辺装置の構成について説明する。
▲1▼図1に炭酸ガスセンサの素子構造を示す。尚、図1(b)は炭酸ガスセンサの平面図であり、図1(a)は図1(b)のA−A断面図である。
【0036】
この炭酸ガスセンサは、固体電解質からなるイオン導電体上に炭酸塩を積層した構造であり、被検ガス中の炭酸ガス濃度に応じて一対の電極間に発生した起電力に基づき、炭酸ガス濃度を測定するものである。
図1(a)に示す様に、炭酸ガスセンサのセンサ素子1には、ヒータ3が一体に形成されており、センサ素子1のベースの基板5は、剛性が高く電気的に絶縁の高いアルミナセラミックより構成されている。
【0037】
ヒータ3は面状ヒータであり、発熱体としてPtを用いている。このヒータ3は、センサ素子1の先端側の素子部7が450℃になるように制御される。
固体電解質9は、アルミナセラミック製の基板5の窪み部11に配置されている。この固体電解質9としては、Liイオン導電体が用いられており、基板5の外表面と同じ高さになるように配置されている。
【0038】
前記固体電解質9の下側には、電位の基準となる基準電極13が設けられており、この基準電極13は、金ペーストを厚膜印刷し焼き付けて構成されている。また、基準電極13と外気(被検ガス)とのガス雰囲気に差を持たせることを主眼に、基準電極13及び固体電解質9は基板5の窪み部11に埋設され、更に、それらの周囲にはガラスを主体とした保持材15が充填されている。
【0039】
前記固体電解質9の上面には、炭酸ガスと解離平衡をなすLiの炭酸塩17が素子部7全面を覆う形で焼き付けられている。
この炭酸塩17の表面には検知電極19が設けられており、検知電極19はメッシュ状の金ワイヤが焼き付けられている。
【0040】
また、図1(b)に示す様に、センサ素子1は、ステンレスで構成されたリードフレーム21にリード線23を介して強固に固定され、リードフレーム21はアルミナセラミックを主体とした台座25に固定されている。
尚、センサ素子1及びリードフレーム21の周囲にはプロテクタ27が装着されている。
【0041】
▲2▼次に、炭酸ガスセンサコントローラ等の電気的構成について説明する。
図2のブロック図に示す様に、炭酸ガスセンサのセンサ素子1からのセンサ出力は、起電力なので、オぺアンプ等を用いたアナログ回路(増幅回路)31により所定の増幅がなされる。
【0042】
尚、マイコン内部でセンサ毎にゼロ・スパン定数を掛け濃度換算しない場合は、本アナログ回路部分で可変抵抗等を用いて増幅率・オフセット調整を実施しセンサ入力電圧レベルが揃えられる。
補正演算等の演算を含む信号処理は、周知のCPU33a、ROM33b、RAM33c、A/Dコンバータ33d、D/Aコンバータ33e等を内蔵した1チップマイコン33を使用して行われる。このうち、ROM33bには、炭酸ガスセンサの制御や各種演算のプログラムが書き込まれており、RAM33cには、サンプルデータを記憶するセンサ収録エリアが設定されている。更に、外部の不揮発性記憶素子(不揮発性メモリ;例えばE2PROM)35には、後述する演算に使用される設定値1,2等が記憶されている。
【0043】
従って、ここでは、前記1チップマイコン33及び不揮発性メモリ35により、炭酸ガスセンサコントローラが構成されていることになる。
前記補正を行なうための信号を出力する条件信号出力機器(例えば各種のセンサ)からの信号(条件信号)のうち、入力レベル(アナログ)によって条件が判別されるものは、A/Dコンバータ33dを介して用いられる。一方、ハイ・ローなどのデジタル信号のものは、そのまま使用される。尚、タイマ等の信号の場合は、内部クロック信号を用いる為に外部信号を用いる必要は無い。
【0044】
また、濃度出力・表示は、内蔵D/Aコンバータ33eを介して行われるか、D/Aコンバータ33eを介さず、例えばLCDドライバを介し直接にLCDからなる表示装置39を駆動しても良い。
▲3▼次に、炭酸ガスセンサコントローラにおける信号処理の手順の要部を説明する。
【0045】
図3のブロック図に示す様に、センサ出力は、予め不揮発性メモリ35に入力されているセンサ毎に固有のゼロ・スパン定数(設定値1)に基づき、炭酸ガス濃度に換算される。尚、不揮発性メモリ35には、設定値1以外に、補正演算する際に使用される基準値H1やサンプルデータを規定する後述する上下限比率等の設定値2が記憶されている。
【0046】
また、これとは別に、センサ出力回路にて電圧入力レベル調整が行われ所定(一定)の感度係数により炭酸ガス濃度に換算してもよい。
そして、条件信号(例えば時間を示す信号)の状態により、後述する補正演算を実施するかどうか、又は入力されたセンサ出力が補正演算用のサンプルデータかどうかが決定される。
【0047】
ここで、もし補正演算を実施しないのであれば、前記濃度計算によって得られた値が、そのまま炭酸ガス濃度として表示装置39に表示される。
また、補正演算を実施し、補正演算用のサンプルデータとして使用されるのであれば、サンプルデータはセンサ収録エリアに格納され、且つその値に補正演算がなされて濃度出力・表示される。
【0048】
更に、補正演算用サンプルデータとして使用されなければ、サンプルデータをセンサ収録エリアに格納することなく、その値に補正演算がなされて濃度出力・表示される。
そして、実際の炭酸ガス濃度測定における補正演算は、条件信号に基づいて、センサ収録エリア内のサンプルデータの平均値又は中央値等を求め、設定値2とのズレを計算し、そのズレを示す比率を炭酸ガス濃度の測定値に反映させて、実際の炭酸ガス濃度を求め、その結果を表示する。
【0049】
b)次に、本実施例1における制御処理を、図4のタイミングチャート、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。
本制御処理では、条件信号としてタイマの信号を用い、時間の経過に応じ、下記の手法により、補正MODE1及び補正MODE2の各補正を切り換えて、炭酸ガス濃度の測定を行う。
【0050】
▲1▼まず、図4に基づいて、本制御処理の要点を述べる。
・電源投入後6時間はセンサ出力安定化の為に何も実施されない。
・6時間後からは補正MODE1を行う為のサンプルデータが収録される。
・30時間から54時間までは、30時間より前24時間分(電源投入後6時間後〜30時間後)のセンサ出力をべースに、補正MODE1が実施されるとともに、補正MODE2を行う為のサンプルデータが収録される。従って、実際に補正演算が反映されるのは30時間の濃度出力・表示以降である。
【0051】
・54時間後からは、54時間より前24時間分のセンサ出力をべースに補正MODE2が実施される。
尚、補正のインターバルは5分毎である。従って、1ユニット(24時間)では、288ヶのサンプルデータが得られる。
【0052】
▲2▼以下、この補正演算の手順を、図5のフローチャートに基づいて説明する。図5のステップ100では、電源ONから6時間経過したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ110に進み、一方否定判断されるとステップ150に進む。
【0053】
ステップ150では、電源ONから6時間経過していないので、補正演算を行わず、センサ出力の濃度換算を行って、その値を炭酸ガス濃度として、例えば文字や音等により出力する。
一方、ステップ110では、30時間経過したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されるとステップ160に進む。
【0054】
ステップ160では、6時間から30時間の間であるから、補正MODE1用のサンプルデータを収録し、一旦本処理を終了する。つまり、炭酸ガス濃度を測定し、その値をRAM33c内のセンサ収録エリアに記憶する。
一方、ステップ120では、54時間経過したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ130に進み、一方否定判断されるとステップ170に進む。
【0055】
ステップ170では、30時間から54時間の間であるから、後述する様に、補正MODE1による補正を実行する。
続くステップ180では、補正MODE2用のサンプルデータを収録し、一旦本処理を終了する。
【0056】
一方、ステップ130では、54時間以上経過したので、後述する様に、補正MODE2による補正を実行する。
続くステップ140では、補正MODE2用のサンプルデータを収録し、一旦本処理を終了する。
【0057】
▲3▼次に、前記ステップ170にて行われる補正MODE1の補正演算について説明する。
図6の各ステップにて、1ユニット(24時間分の収録されたサンプルデータ)から補正準備値Bxを算出する。具体的には、ステップ200にて、サンプルデータの内、小さい方からX,Y(実施例では25、26)番目のセンサ出力(ここでは濃度に換算した値を使用する)の平均値Bxを、補正準備値として算出する。尚、25、26番目というのは、予め不揮発性メモリ35に入力されている設定値2である。
【0058】
続くステップ210では、補正係数βxを算出する。具体的には、まず、下記式(1)に示す様に、平均値Bxと基準値H1(=400ppm)との差△Bxを求める。尚、基準値H1も予め不揮発性メモリ35に入力されている設定値2である。
【0059】
△Bx=Bx−H1 …(1)
次に、下記式(2)に示す様に、差△Bxを平均値Bxで割った値(△Bx/Bx)を1から引いて、ずれ率、即ち補正係数βxを求める
βx=(1−△Bx/Bx) …(2)
続くステップ220では、下記式(3)に示す様に、実際に測定によって得られた測定値(濃度)axに補正係数βxをかけて、濃度換算された出力Outx、即ち、実際の炭酸ガス濃度を得る。
【0060】
Outx=(βx)×(ax) …(3)
つまり、上述した処理は、下記式(3)’に示す様に、サンプルデータから補正係数の算出のために使用される値、即ち補正準備値Bxを求め、このBxと基準値H1との差(△Bx=Bx−H1)をとり、この差△Bxを利用してセンサ出力のズレ(比率=1一△Bx/Bx)を計算し、実際に測定された測定値axに補正を加え(ズレ率を掛け)て、炭酸ガス濃度Outxを求め、その濃度出力・表示を行うものである。
【0061】
Outx=(ax)×(1一△Bx/Bx) …(3)’
この様に、本処理では、電源ONから30時間〜54時間の間は、前記補正MODE1による補正演算を行なうことにより、経時変化の影響を低減して、正確に炭酸ガス濃度を測定することができる。
【0062】
▲3▼次に、前記ステップ130にて行われる補正MODE2の補正演算について説明する。
本処理では、1ユニット(24時間分の収録されたサンプルデータ)の内、基準値(H1;400ppm)の上下限+A、−B(±20)%に入る範囲(即ち320〜480ppm)のサンプルデータの中央値を、補正準備値として用いる。尚、前記範囲内の補正準備値のサンプルデータがない場合は、前回の補正準備値を使用する。
【0063】
ここで、上下限としての±20%というのは、予め不揮発性メモリ35に入力されている設定値2である。従って、不揮発性メモリ35内に予め入力されている設定値2は、下記5ケである。
1;H1=400pom、2;X=25番目、3;Y=26番目、
4;A=20%(80ppm)、 5;−B=20%(−80ppm)
以下、本処理の手順を、図7のフローチャートに沿って、具体的に説明する。
【0064】
図7のステップ300にて、1ユニット(24時間分の収録されたサンプルデータ)の内、下記式(4),(5)のサンプル条件を満たすか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ310に進み、一方否定判断されるとステップ340に進む。
【0065】
(1−B/100)×H1<サンプルデータ …(4)
(1+A/100)×H1>サンプルデータ …(5)
ステップ310では、サンプル条件を満たすサンプルデータを用いて、そのメジアン(中央値)Axを算出する。
【0066】
続くステップ320では、補正係数αxを算出する。具体的には、まず、下記式(6)に示す様に、中央値Axと基準値H1との差△Axを求める。
△Ax=Ax−H1 …(6)
次に、下記式(7)に示す様に、差△Axを中央値Axで割った値(△Ax/Ax)を1から引いて、ずれ率、即ち補正係数αxを求める
αx=(1−△Ax/Ax) …(7)
続くステップ330では、下記式(8)に示す様に、実際に測定によって得られた測定値axに補正係数αxをかけて、濃度換算された出力(Outx)、即ち、実際の炭酸ガス濃度を得る。
【0067】
Outx=(αx)×(ax) …(8)
一方、前記ステップ300にて否定判断されて進むステップ340では、今回、条件を満たすサンプルデータがないので、前回算出した補正係数αx-1を今回の補正係数αxとして、前記ステップ330に進み、同様な処理を行なって、一旦本処理を終了する。
【0068】
つまり、電源ONから54時間以降は、この様な補正MODE2による補正演算を行なうことにより、正確に炭酸ガス濃度を測定することができる。
(実験例1)
次に、本実施例1の効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0069】
本実験例1では、被検ガスとして、ベースの窒素/酸素の混合ガスに炭酸ガスを含ませたガスを用意し、その被検ガス中の炭酸ガス濃度を測定した。
その実験結果を図8に記すが、図8は、縦軸に炭酸ガス濃度を示し、横軸に試験時間を示したものである。
【0070】
この図8では、炭酸ガス濃度を測定するときに、本実施例の補正(補正MODE1+補正MODE2)を行った場合(線c)と、補正を行わなかった場合(線b)を示している。また、補正準備値(線d)も併せて記載した。尚、基準の炭酸ガス濃度は赤外線方式の炭酸ガス分析計による値(線a)を用いた。
【0071】
図8から明かな様に、補正を行わない場合には、センサ出力から得られた炭酸ガス濃度は、時間とともに上昇傾向にあり、ずれが大きくなるのに対し、本実施例の様に補正を行なう場合には、基準の値とほぼ同等の測定結果が得られ好適である。
【0072】
つまり、本実施例の炭酸ガスセンサコントローラを用いることにより、炭酸ガスセンサの出力が経時変化によって変動した場合でも、常に精度の高い炭酸ガス濃度の測定ができるという顕著な効果を奏する。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略又は簡略化する。
【0073】
本実施例では、条件信号としてホトダイオードの信号を用い、ホトダイオードの信号の変化に応じてサンプリングを行ったものである。
▲1▼ここで、図9に基づいて、本制御処理の要点を述べる。
・電源投入後6時間はセンサ出力安定化の為に何も実施されない。
【0074】
・ホトダイオード信号の状態表示は、昼間はHiで夜間がLoになり、Lo信号状態で補正準備値を求める為のデータ収録を行う。
・補正準備値は、ホトダイオード信号の立ち上がり時(Lo→Hi)に更新され、補正準備値を求める為に用いたデータ収録エリア内のサンプルデータはクリアされる。
【0075】
・ホトダイオード信号の立ち下がり時(Hi→Lo)より、サンプルデータの収録が行われる。
・即ち、一般的な使用状態においては、約24時間毎(毎朝)に、補正準備値の更新、データ収録エリアのクリアが行われる。
【0076】
・尚、補正準備値を求める為のサンプルデータは、補正準備値の更新前のホトダイオード信号Loの間に収録され、そのすべてのサンプルデータの中央値(メジアン)が補正準備値となる。
▲2▼次に、補正演算に用いられる補正係数の算出処理について、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
本処理は、ホトダイオード信号の立ち上がり毎に実施される割り込み処理である。
図10のステップ400では、ホトダイオード信号の立ち上がりか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ410に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0078】
ステップ410では、ホトダイオード信号がLoのときにデータ収録エリアに記憶したサンプルデータを用い、補正準備値としてそのメジアン(中央値)Cxを算出する。
続くステップ420では、補正係数γxを算出する。具体的には、まず、下記式(9)に示す様に、中央値Cxと基準値H1(=400ppm)との差△Cxを求める。
【0079】
△Cx=Cx−H1 …(9)
次に、下記式(10)に示す様に、差△Cxを中央値Cxで割った値(△Cx/Cx)を1から引いて、ずれ率、即ち補正係数γxを求める
γx=(1−△Cx/Cx) …(10)
続くステップ430では、この新たに求めた補正係数γxの値を用いて、補正係数γxの値を書き換える。
【0080】
続くステップ440では、次回のサンプルデータの記憶のために、データ収録エリアをクリアして、一旦本処理を終了する。
つまり、上述した処理により、ホトダイオード信号の立ち上がり毎に(従って毎朝)、補正準備値Cxを求めて、補正係数γxを更新するとともに、データ収録エリアをクリアしている。
【0081】
▲3▼次に、前記補正係数γxを用いた補正演算の処理について、図11のフローチャートに基づいて説明する。
図11のステップ500では、電源ONから6時間経過したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ510に進み、一方否定判断されるとステップ560に進む。
【0082】
ステップ560では、電源ONから6時間経過していないので、補正演算を行わず、センサ出力の濃度換算を行って、その値を炭酸ガス濃度として、例えば文字や音等により出力する。
一方、ステップ510では、ホトダイオード信号がHi(日中)かLo(夜)かを判定する。ここでHiであると判断されるとステップ530に進み、一方Loであると判断されるとステップ520に進む。
【0083】
ステップ520では、ホトダイオード信号がLo、即ちデータ収録の期間であるので、測定した濃度をサンプルデータとしてデータ収録エリアに記憶し、後述するステップ540に進む。
一方、ステップ530では、補正準備値Cxがあるか否か、即ち補正準備値Cxが算出可能なサンプルデータが得られ、実際に補正準備値Cxが得られたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ540に進み、一方否定判断されると前記ステップ560に進む。
【0084】
ステップ540では、既に前記図10の処理にて算出された補正係数γxを読み込み処理を行う。
続くステップ550では、この読み込んだ補正係数γxを用い、下記式(11)に基づいて、実際の濃度の測定値axを補正して、炭酸ガス濃度Outxを算出する処理を行って、一旦本処理を終了する。
【0085】
Outx=(γx)×(ax) …(11)
この様に、本実施例では、電源ONから6時間経過後に、補正準備値Cxが算出された状態では、更新した補正係数γxを用いて、測定値axを補正することにより、常に正確な炭酸ガス濃度を測定できるという効果を奏する。
【0086】
特に本実施例では、外界の状態に応じて、センサ出力の安定している時期にデータをサンプリングしているので、より精度の高い濃度測定を行うことができるという利点がある。
(実験例2)
次に、本実施例2の効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0087】
本実験例2は、被検ガスとして、ベースの窒素/酸素の混合ガスに炭酸ガスを含ませたガスを用意し、その被検ガス中の炭酸ガス濃度を測定したものである。図12のその実験結果を記すが、図12は、縦軸に炭酸ガス濃度を示し、横軸に試験時間を示したものである。
この図12では、炭酸ガス濃度を測定するときに、本実施例の補正を行った場合(線c)と、補正を行わなかった場合(線b)を示している。また、補正準備値(線d)及びホトダイオード信号(線e)も併せて記載した。尚、基準の炭酸ガス濃度は赤外線方式の炭酸ガス分析計による値(線a)を用いた。
【0088】
図12から明かな様に、補正を行わない場合には、センサ出力から得られた炭酸ガス濃度は、時間とともに上昇傾向にあり、ずれが大きくなるのに対し、本実施例の様に、補正を行なう場合には、基準の値とほぼ同等の測定結果が得られ好適である。
【0089】
つまり、本実施例の炭酸ガスセンサコントローラを用いることにより、炭酸ガスセンサの出力が経時変化によって変動した場合でも、常に精度の高い炭酸ガス濃度の測定ができるという顕著な効果を奏する。
また、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0090】
(1)例えば前記実施例1では、補正MODE1と補正MODE2とを途中で切り替えて使用したが、全ての補正期間にわたり又は実施例1の各補正期間に、補正MODE1又は補正MODE2による補正のみを行なってよい。
(2)また、前記実施例では、タイマやホトダイオード信号を用いて炭酸ガス濃度の安定した状態を判定したが、それ以外に、各種の手段を単独で或は組み合わせて採用できる。
【0091】
各種の手段としては、例えば、太陽電池、ホトダイオード、CDS等の光受光素子などの明暗を識別する手段、気温、湿度、風速、又は気圧の変化を識別する手段、空調機器又は制御機器から出力信号の変化を検出する手段、ガスセンサ自身の出力変化等の自身の出力を利用する手段、超音波又は焦電効果を利用した手段が挙げられる。
【0092】
(3)更に、前記実施例1では、ガスセンサコントローラについて述べたが、本発明は、それらに限らず、上述した処理を実行させる手段を記憶している記録媒体にも適用できる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フロッピィディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0093】
つまり、上述したガスセンサコントローラの処理を実行させることができる例えばプログラム等の手段を記憶したものであれば、特に限定はない。
(4)尚、ここでは、濃度が測定される特定ガスとして炭酸ガスを挙げたが、上述した補正準備値等を用いて補正を行なう構成は、他のガス種の濃度測定を行なうガスセンサコントローラにも適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述した様に、本発明のガスセンサコントローラでは、被検ガス中の例えば炭酸ガスの様な特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、補正準備用の特定ガスのガス濃度の測定を行って補正準備値を求め、この補正準備値と予め記憶された基準値とを比較して補正値を求め、この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定における補正を行うので、ガスセンサのセンサ出力が経時変化等により変動した場合でも、常に正確に特定ガスのガス濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の炭酸ガスセンサを示し、(a)はセンサ素子を示す(b)のA−A断面図、(b)は炭酸ガスセンサの平面図である。
【図2】 炭酸ガスセンサコントローラ及びその周辺装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 炭酸ガスセンサコントローラ等における処理手順を示すブロック図である。
【図4】 実施例1の処理手順を示すタイミングチャートである。
【図5】 実施例1の補正演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 実施例1の補正MODE1の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】 実施例1の補正MODE2の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 実験例1の実験結果を示すグラフである。
【図9】 実施例2の処理手順を示すタイミングチャートである。
【図10】 実施例2の割込処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 実施例2の補正演算の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】 実験例2の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…センサ素子
3…ヒータ
5…基板
7…素子部
9…固体電解質
13…基準電極
17…炭酸塩
18…検知電極
31…増幅回路
33…1チップマイコン
35…不揮発性記憶素子(不揮発性メモリ)
37…条件信号出力装置
39…表示装置

Claims (15)

  1. 固体電解質を利用したガスセンサを用いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度を求めるガスセンサコントローラであって、
    前記特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるサンプルデータ検出手段と、
    このサンプルデータに基づいて得られた補正準備値と予め記憶された基準値とを比較して補正値を求める補正値算出手段と、
    この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値の補正を行って、特定ガスのガス濃度を求める濃度検出手段と、
    を備えたことを特徴とするガスセンサコントローラ。
  2. 固体電解質を利用したガスセンサを用いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度を求めるガスセンサコントローラであって、
    前記特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるサンプルデータ検出手段と、
    このサンプルデータのうち、予め記憶された基準値を中心とした所定の範囲内の値に基づいて補正準備値を求め、該補正準備値と前記基準値とを比較して補正値を求める補正値算出手段と、
    この補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値を補正して、特定ガスのガス濃度を求める濃度検出手段と、
    を備えたことを特徴とするガスセンサコントローラ。
  3. 固体電解質を利用したガスセンサを用いて、被検ガス中の特定ガスのガス濃度を求めるガスセンサコントローラであって、
    前記特定ガスのガス濃度が安定した状態にて、特定ガスのガス濃度の測定を行ってサンプルデータを求めるサンプルデータ検出手段と、
    前記サンプルデータに基づいて得られた補正準備値と予め記憶された基準値とを比較して補正値を求める第1補正値算出手段と、
    前記サンプルデータのうち、予め記憶された基準値を中心とした所定の範囲内の値に基づいて補正準備値を求め、該補正準備値と前記基準値とを比較して補正値を求める第2補正値算出手段と、
    前記第1補正値算出手段による補正値又は前記第2補正値算出手段による補正値を用いて実際の特定ガスのガス濃度の測定値の補正を行って、特定ガスのガス濃度を求める濃度検出手段と、
    を備え、
    前記特定ガスのガス濃度の安定状態を示す信号に応じて、前記特定ガスのガス濃度を求める際に用いる補正値として、前記第1補正値算出手段による補正値と前記第2補正値算出手段による補正値とを切り換える切換手段を備えたことを特徴とするガスセンサコントローラ。
  4. 前記特定ガスが、炭酸ガスであることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  5. 前記サンプルデータが複数ある場合には、それらの中央値又は平均値を前記補正準備値とすることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  6. 前記サンプルデータが複数ある場合には、予め設定された順位又は範囲により所定数個選択し、該所定数個のサンプルデータの中央値又は平均値を前記補正準備値とすることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  7. 前記ガスセンサが、ヒータを内蔵した基体に加え、基準電極と固体電解質からなるイオン導電体と検知電極と前記検知電極に接した炭酸塩層と前記各電極から電気信号を取り出す為のリードとから構成されることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  8. 前記固体電解質が、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又は酸素イオンを導電種とすることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  9. 前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、明暗を識別する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  10. 前記明暗を識別する手段が、光受光素子であることを特徴とする前記請求項9に記載のガスセンサコントローラ。
  11. 前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、気温、湿度、風速、又は気圧の変化を識別する手段を使用すること特徴とする前記請求項1〜8のいずれかにガスセンサコントローラ。
  12. 前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、時間変化を検出する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  13. 前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、空調機器又は制御機器から出力信号の変化を検出する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  14. 前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、ガスセンサ自身の出力変化等の自身の出力を利用する手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
  15. 前記特定ガスのガス濃度が安定した状態を検出する手段として、超音波又は焦電効果を利用した手段を使用することを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサコントローラ。
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