JP3926024B2 - 液体クロマトグラフ用uv検出器 - Google Patents

液体クロマトグラフ用uv検出器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体クロマトグラフ用UV検出器に関するもので、より具体的にはフローセルの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体クロマトグラフに用いられる多波長検出器の一例を示すと、図1のようになっている。同図に示すように、光源1から出射された光束は、集光系(図では1枚のレンズで代表している)2によって集光されフローセル3に入射する。フローセル3は、図2に示すようにガラス等の透明部材でつくられた窓板4,4に挟まれた円柱状の試料室6内を溶媒が流れるようになっており、光源1からの光はこの試料室6に向かって照射されている。そして、光は試料室6を通過する間に、溶媒に含まれている試料によって吸収を受ける。
【0003】
フローセル3を透過した光は、光分散光学系(図では、1枚の回折格子で代表している)7によって光分散され、フォトダイオードアレーの光検知器8に入射し、各波長ごとの電気信号に変換されデータとして取り出されるようになっている。
【0004】
ところで、上述した図2に示すフローセルを、液体クロマトグラフ用多波長検出器に使用すると、次のような不具合が生じる。
【0005】
すなわち、フローセルへの入射光の利用効率が悪い。これは、一般的に光源1からの光は立体角をもってフローセル3へ入射する。従って、入射光の一部は円柱状の試料室6の内壁に衝突して吸収され、フローセル3を透過することができず、フローセル3への入射光の利用効率の減少を招く。このことは、光検知器8(ダイオードアレイ)から出力される検出信号(電気信号)の微弱化を招き、測定データのノイズが増加する原因となる。
【0006】
このような問題を改善するための提案として、従来例えば特公平8−3483号公報に開示された発明がある。係る公報に開示された発明の一つとして、フローセルの形状を図3に示すように、試料室6の内形状を光の進行方向に沿って広くなる円錐台形状になるように設定した。係る構成をとると、ある程度の立体角があってもフローセル3内に入射した光は、試料室6の内周面に衝突しないので吸収されることがない。なお、このように試料室6の内形状を光の進行方向に沿って広くなる円錐台形状になるように設定したものとしては、本発明と目的が異なるものの特公昭54−33871号や、実公昭40−14080号公報などもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したその図3に示す形状の試料室6を有するフローセル3では、以下の問題を有する。すなわち、吸光度は同じでも屈折率が異なる溶媒が入れ替わるとき、光検知器8の出力は変化し、測定データのベースラインの変動を招く。この原因は、次のように考えられている。すなわち、今まで流れていた溶媒と異なる屈折率を有する新たな溶媒がフローセル3中に流れこむと、フローセル3の中心部ほど流速が速いため、フローセル3の試料室6の内壁近辺に比べて試料室6の中心部に屈折率の違う新たな溶媒の濃度が濃い状態が生じる。このことがレンズと同じような効果(いわゆるレンズ効果)を生じさせるため、フローセル3への入射光は屈曲し、その一部はフローセル3の試料室6の内壁に衝突することによって吸収される。このため、上記したように光検知器8の出力は変化し測定データのベースラインの変動が生じる。
【0008】
また、結果物(完成された発明)同士を比較すると、本発明の構造と類似するものとして、特開平2−259452号公報に開示された分光光度計がある。この公報に開示された発明では、フローセル単独で見ると、光入口側が広くなった内形状からなる試料室を有している。しかし、その公報の発明では、フローセルと光源との間、つまりフローセルの光入口側の外側にスリットを設置するのを必須の構成とするとともに、スリット近傍、つまりフローセルの光入り口側より光源側で光が結像するようにしている。
【0009】
係る構成をとることにより、そのスリットにより光束を絞り込んだ後フローセル内に入射させ、その入射した光のうち、外側を進む光は試料室の内周面で反射させてフォトセンサに受光させないようにしている。つまり、溶媒等のセル内の条件変化にともなう影響の受けにくい光路の近軸付近のみをフォトセンサに受光させ、その光を利用して吸光度変化を測定するようにしている。したがって、受光されて測定に使用される光量が減少し感度劣化を招く。
【0010】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、フローセルへの入射光の利用効率が高く、なおかつ、フローセル中を流れる溶媒の屈折率が変わった場合でもベースラインの変動を極力小さく抑えることのできる液体クロマトグラフ用UV検出器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る液体クロマトグラフ用UV検出器では、光源と、その光源から出射した光をフローセルに入射させる第1光学系と、フローセルから出射された光を光検知手段に受光させる第2光学系とを備え、前記フローセルは、軸方向に延びる試料室の内形状が、光入口側から光出口側にいくに従って、徐々に縮小する円錐台形状とする。そして、さらに、前記第1光学系は、前記フローセルの光出口側端部、或いはその光出口側端部より外側で結像するように調整することである(請求項1)。
【0012】
そして、本発明では、特に第2光学系に分散素子を設けた多波長の測定を可能とした液体クロマトグラフ用UV検出器に適用すると、従来のものと比べて特に顕著な効果が発揮できる(請求項2)。もちろん、第1光学系に分散素子を設けたタイプにも適用してよいのはいうまでもない。
【0013】
本発明のフローセルは、試料室の内形状が円錐台形状で、光の入口側に径の大きい方の底面が向いている。光が通過する以上は、両端の開口部はそれぞれ所定の面積を有するため(たとえ微小であっても)、内形状は、円錐ではなく円錐台形状となる。
【0014】
フローセル中に今まで流れていた溶媒と異なった屈折率をもつ溶媒が流れ込んだ場合、屈折率が変化することにより、光分散素子から見た場合のフローセルの光入口の位置は変動する。しかし、光検知器上には機械的に位置が固定されるフローセルの光出口が結像される。このため、フローセル中において屈折率の異なる溶媒が入れ替わる際に生じるベースラインの変化を、極力小さくすることができる。
【0015】
フローセルへの入射光の焦点はフローセルの光出口に合わせてある。また、円錐台の立体角は入射光の立体角より大きくとることにより、入射光は壁面に接触することなくフローセルの光出口に到達するため、光エネルギーの損失は生じない。つまり、より大きい立体角の光を利用できる。従って、エネルギーの損失なしにフローセルの光出口の像をフォトダイオードアレー等の光検知器上につくることができる。
【0016】
また、前記フローセルの光出口側に溶媒の流入路を設けるとともに、光入口側に前記媒体の流出路を設け、前記フローセルの中心部の溶媒の流れはセル周辺部にも広がり、その中心部の流速を抑えるようにしてもよい。このように、光出口側に流入路を設けると、溶媒(試料)は入射光の出口側から入口側方向に流れる。すると、溶媒が流れる方向に向かってセルの内径は大きくなっているため、セル中心部の溶媒の流れはセル周辺部にも広がる。これにより、セル中心部の流速は抑えられ、レンズ効果を小さくすることができる。これによっても、セル中において屈折率の異なる溶媒が入れ替わる際のベースラインの変化を小さくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明の要部となるフローセルの一例を示している。同図に示すように、フローセル10は、軸方向に貫通する試料室11を備えた筒状のフローセルブロック12の軸方向両端面に、それぞれ透明な石英ガラス板等からなる窓板13を取り付けている。図示省略するが窓板13とフローセルブロック12の間には、薄肉の適当な形状のテフロン(登録商標)製のシートを介在させて液密性を確保し、さらにその窓板13は、Oリング(図示省略)を介してそのOリングの内径と同程度の開口14aが開いている抑え板14にてフローセルブロックに密着されることにより固定される。
【0018】
そして、光は、一方の抑え板14(図中左側)の開口14aから窓板13を介して試料室11内に入り、反対側の窓板13から開口14aを介して出射する。さらに、フローセルブロック12には、軸方向両端近傍に、径方向に延びる流入路15a及び流出路15bを設けている。これにより、試料(溶媒)は、光出口側の流入路15aから試料室11内に進入し、試料室11内を軸方向に進んだ後、光入口側の流出路15bを通って外部に排出されるように流れる。
【0019】
ここで本発明では、試料室11の内形状を円錐台形状とし、しかも、光出口側が細くなるように形成している。すなわち、内形状が円錐台形状の試料室11を用意し、検出器にセットする際に光入口側に円錐台形状の底面(開口部の径が大きい)が位置するようにする。そして、具体的にセットした状態の本発明の一形態である多波長検出器の一例を示すと、図5に示すようになる。
【0020】
同図に示すように、この多波長検出器は光源として、重水素ランプ20及びタングステンランプ21を使用しており、各ランプ20,21の出射面側には、石英製の窓板22を設け、その窓板22に形成した開口部分から所定波長の光が出射するようになっている。そして、各ランプ20,21から出射される光の進路は、ほぼ直交するようにし、その交差位置にアルミ等を適当な厚さもしくは間隔で蒸着したハーフミラー23を配置し、そこにおいて両ランプ20,21からの光が適当な割合の比率で合成され、一つの光路上を進むようにしている。
【0021】
この合成された光は、軸外し楕円鏡25にて集光され、フローセル10の試料室11内を通過する。ここで、上記したように、フローセル10は、試料室11の両端開口のうち、径の大きい方を軸外し楕円鏡25側に位置させる。しかも、上記集光された光は、フローセル10の出口側面(試料室11の径の小さい方の開口部分)に結像するように調整されてる。このような位置関係に配置するのが、本発明の特徴である。そして、このフローセル10の部分を拡大して示すと、図6のようになる。同図中各符号は、図4に示したものに対応し、また、符号26は、Oリングである。
【0022】
一方、フローセルを通過した光は、フローセル室内での液漏れの影響を遮断するための石英窓板28を通過した後、球面鏡29,平面鏡30の順に反射されポリクロメータの入射スリット31上に結像する。そして、ポリクロメータの入射スリット31から出射した光は、回折格子32により各波長に分散され光検知器(フォトダイオードアレイ:PDA)33上に結像するようにしている。なお、図示省略するが、この光検知器33の後段には、信号処理装置が設置され、光検知器33から出力される光強度に応じた電気信号に基づいて、所定の信号処理をするようになっている。
【0023】
なお、上記の石英窓板28を設けたのは以下の理由による。フローセル10で溶媒が漏れた場合、その漏れ出た溶媒そのもの或いは気化したものがポリクロメータ側に流れ込むと、回折格子32や各種鏡がただちに劣化してしまう。そこで係る事態の発生を未然に防止するために、溶媒に対して安定な石英窓板28を設けてフローセルとポリクロメータとを隔離している。
【0024】
なお、上記したフローセル10のより具体的な構造の一例を示すと、図7,図8のようにすることができる。円錐台形状の試料室11を備えたフローセルブロック12の軸方向両端にテフロン製のシート(ガスケット)34を介して窓板13を配置し、その窓板の外側にOリング26を介して抑え板14を配置し、その抑え板14をネジ35にてフローセルブロック12に固定することにより、上記した各部材を密着状態で固定するようにしている。なお、図8において図示省略した光出口側も、光入口側と同様の構成をとることができる(中心の開口面積・径は異なる)。また具体的な試料室11の寸法としては光入口側の径が2.1mmで、光出口側の径が0.8mmとすることができ、窓板13,13の間隔は10.0mmとすることができる。もちろんこの寸法に限定されるわけではないが、好ましい寸法(比)の一つである。
【0025】
さらにまた、シート34とフローセルブロック12との接合面のうち、シート34の外周縁付近に対面するフローセルブロック12の表面には、溝36が形成されている。すなわち、使用状態においてはシート34とフローセルブロック12はしっかりと密着して気密性・液密性を確保している。しかし、一旦分解しようとした場合には、密着しているために取り外しにくい。そこで、予め接合面の一部に溝36を設けておき、取り外す際には、その溝36を設けた位置の真上からドライバー等をシート34に接触させるとともに溝36に向けて押し込む。すると、その押された部分が溝36内に沈み込むため、それにともないシート34の押された部分の反対側が浮き上がる。これにより、シート34とフローセルブロック12との密着が解消されるので、例えば、その浮き上がった部分を摘んで引き上げることにより、シート34を簡単に取り外すことができる。係る目的のための溝36を設けている。
【0026】
図9,図10は、本発明の別の実施の形態を示している。本形態では、上記した図5に示す装置と、光学系が異なり、よりコンパクトにした多波長検出器に適用した例を示している。この多波長検出器は、光源として重水素ランプ40を使用している。なお、使用波長によっては、ハロゲンランプを使用したり、また、両者を切り替えて使用するようにしてもよい。光源40から出射された光は、第1補助光学系(非球面鏡)41により、フローセル10の光出口側開口に結像するようにしている。
【0027】
フローセル10の後段には、第2補助光学系43(平面鏡43a,レンズ43b)が配置され、フローセルから出射した光を、ポリクロメータ44の入射スリット45に結像させるようにしている。さらに、入射スリット45から出射した光は、回折格子46により分光され、フォトダイオードアレイ等の光検知器47上にスペクトルが結像する。なお、符号48は、ポリクロメータの入射側に設けられたシャッターで、ソレノイドやモータで駆動され、そのシャッター48を動かすことにより光路が遮られようになっている。そして、このシャッター48は、必要に応じてそれを閉じることにより光学系及び電気系のバックグランド信号を測定するために使用される。そして、本形態では、第1補助光学系により第1光学系が構成され、第2補助光学系43とポリクロメータ44内の光学系により第2光学系が構成される。
【0028】
なお、この光学系では、実公平7−54824号公報に開示された単一波長のUV検出器において波長によって回折光結像距離をほぼ一定にするという技術を多波長のUV検出器に適用したもので、回折格子46の分散方向は、光路平面上ではなく光路平面からある角度をもっている。この配置によって、回折格子面が入射光軸にほぼ正対できるので、回折格子の横方向のサイズを大きくしなくともより立体角の大きい光を分光することができる。さらに、ポリクロメータの横方向のサイズを小さくすることができる。
【0029】
また、入射光とは異なる光学平面上に光検知器(フォトダイオードアレイ)47が設置されているので、ポリクロメータ内の入射光の光学平面上に存在するポリクロメータの側壁、遮光板、その他の構造物から反射される光が光検知器47に到達せず、結果として光学系として迷光が減少し、たとえば吸光度検出器として使用した場合は直線性のダイナミックレンジがより大きくなる。
【0030】
**実験結果
本発明に係るフローセルを作成し、フォトダイオードアレーからの出力及び溶媒の成分を変化させた場合のベースラインの変動を、円柱形状のフローセルと比較した。波長及び溶媒等の測定条件を以下の通り行い、またフローセルに入射した光は、フローセルの光の出口側に結像するようにしている。
【0031】
まず、フローセルがH20で満たされているときの、光検出器(フォトダイオードアレー)からの250nm及び400nmにおける出力は以下のようであった。
【0032】
【表1】
Figure 0003926024
すなわち、従来型のフローセルより、本発明に係る実施の形態によるフローセルの方が250nmにおいて約1.3倍、400nmにおいて約1.2倍エネルギーが高い。なお、円筒形状のフローセルの場合には、光の焦点をフローセルのどの位置にあわせるかによって光検出器からの出力は多少変化するといわれている。そして,表1に示した値は、本発明品同様光出口側に結像したものである。但し、光入口側に結像した場合でもほとんど差が認められなかった。
【0033】
次に表2に示すように、溶媒の成分を変化させた場合のベースラインの変動を示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003926024
また、上記溶媒条件での従来型の円柱状の試料室を有するフローセルによるベースラインの変化は、図11に示すようになった。また、同様の条件での本発明では、図12に示すようになった。ここで、H2Oのみを流しているときのベースラインをそれぞれB1(従来:図11),B3(本発明:図12)、CH3CNのみを流しているときのベースラインをそれぞれB2(従来:図11),B4(本発明:図12)、グラジエント中のベースラインの変動区間をそれぞれB12(従来:図11),B34(本発明:図12)とおくと、以下の2つのことがわかる。
(1)B12とB34のベースライン変動の幅(図中の幅を示す矢印の長さ)を比較すると、本発明の方が減少している。
(2)B1,B2のベースラインの高さは一致していないが、B3,B4のベースラインの高さは一致している。
【0035】
また、同様に、図3に示す光出口側が広くした円錐台形状の試料室を持ったフローセルによるベースラインの変化は、図13に示すようになる。ここで、上記と同様にH2Oのみを流している時のベースラインをB5、CH3CNのみを流している時のベースラインをB6とし、グラジエント中のベースラインの変動区間をB56とおくと、以下の2つのことがわかる。
(1)B56とB34のベースライン変動の幅(図中の幅を示す矢印の長さ)を比較すると、本発明の方が減少している。
(2)B5,B6のベースラインの高さは一致していないが、B3,B4のベースラインの高さは一致している。
【0036】
以上のことから、従来の試料室が円柱状のフローセルや、光入口側を狭くした円錐台形状の試料室を持ったフローセルと、本発明品とを比較すると、本発明品の方が溶媒組成が変化した場合のベースラインの安定度が目覚ましく改善されていることがわかる。
【0037】
以上のように、液体クロマトグラフ用多波長検出器において、本発明に係るフローセルを使用することにより、従来使用されているフローセルに比べて、エネルギーも高く、また溶媒変化にともなうベースラインの変動を最小に抑えることができ、安定した測定が可能となる。
【0038】
また、上記した各実施の形態では、いずれも多波長検出器に適用した例を示したが、本発明ではこれに限ることはなく、単一波長を試料に照射するタイプのUV検出器に適用できる。一例を示すと、図14に示すように、光源50から出射した光は、球面鏡51,スリット52,回折格子53,球面鏡54を備えた第1光学系を経て、フローセル10に入射するようにしている。このように第1光学系側に分散素子である回折格子53を設けて波長分散し、目的の波長の光のみをフローセル10内に通過させるようにしている。また、フローセル10の後段には、フォトダイオード55を配置している。
【0039】
また、上記した各実施の形態では、いずれもフローセルに対する入射光は、そのフローセルの光出口側で結像するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば図15に示すように、光出口側よりもさらに外側で結像するようにしてもよい。但し、その場合には、光出口側の開口径よりも、通過する光の光束の径を小さくし、フローセルにて吸収されないように構成するのがよい。
【0040】
さらにまた、図16に示すようなタイプの検出器にも適用できる。すなわち、タングステンランプ60から出射した光をレンズ61で集束させ、シースルータイプの重水素ランプ62に集光する。これにより、重水素ランプ62からは、2つのランプから発光される光が合成された状態で出射される。そして、その光をレンズ63で集束させてフローセル64の光出口側で結像させる。このフローセル64も、光入口側が広くなった円錐台形状の試料室を備えたものを用いている。さらに、フローセル64を透過した光を、レンズ65で集光するとともに、スリット66上に結像させ回折格子67に照射させ、波長分散させた光を、光検出器68で検出するようになっている。図から明らかなように、光検出器68以外の光学部品が、同一直線状に並ぶため、構造がシンプルとなる。さらに、セル64の出口とレンズ65との間隔よりも、レンズ65とスリット66との間隔を短くすることで波長分解能を高くし、かつ光の利用効率も高くすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る液体クロマトグラフ用UV検出器では、フローセルの試料室の内形状を光入口側が広くなった円錐台形状とし、かつ、セルへの入射光の焦点はセルの光出口近傍或いはそれよりも外側に設けたことにより、立体角を大きくとることができ、フローセルへの入射光の利用効率が高く、なおかつ、フローセル中を流れる溶媒の屈折率が変わった場合でもベースラインの変動を極力小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を示す図である。
【図2】従来技術を示す図である。
【図3】従来技術を示す図である。
【図4】本発明の要部となるフローセルの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る検出器の一実施の形態を示す図である。
【図6】本発明に用いられるフローセルを示す模式図である。
【図7】そのフローセルの具体的な構造の一例を示す図である。
【図8】その断面図である。
【図9】本発明に係る検出器の他の実施の形態を示す平面図である。
【図10】図9に示す検出器を示す側面図である。
【図11】従来の装置を用いて行った測定結果を示す図である。
【図12】本発明の装置を用いて行った測定結果を示す図である。
【図13】従来の装置を用いて行った測定結果を示す図である。
【図14】本発明に係る検出器の他の実施の形態を示す平面図である。
【図15】フローセルと入射光の結像位置の関係を示す図である。
【図16】本発明に係る検出器の他の実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 フローセル
11 試料室
12 フローセルブロック
13 窓板
14 抑え板
15a 流入路
15b 流出路
20,21,40,50,60,62 ランプ(光源)
22 窓板
23 ハーフミラー(第1光学系)
25 軸外し楕円鏡(第1光学系)
28 石英窓板
29 球面鏡(第2光学系)
30 平面鏡(第2光学系)
31 入射スリット(第2光学系)
32,46,67 回折格子(第2光学系)
33,47,68 光検知器
41 第1補助光学系(第1光学系)
43 第2補助光学系(第2光学系)
44 ポリクロメータ(第2光学系)
51,54 球面鏡(第1光学系)
53 回折格子(第1光学系)

Claims (3)

  1. 光源と、その光源から出射した光をフローセルに入射させる第1光学系と、フローセルから出射された光を光検知手段に受光させる第2光学系とを備え、
    前記フローセルは、軸方向に延びる試料室の内形状が、光入口側から光出口側にいくに従って、徐々に縮小する円錐台形状とし、
    前記第1光学系は、前記フローセルの光出口側端部近傍、或いはその光出口側端部より外側で結像するように調整したことを特徴とする液体クロマトグラフ用UV検出器。
  2. 前記第2光学系に分散素子を設け、多波長の測定を可能とした請求項1に記載の液体クロマトグラフ用UV検出器。
  3. 前記フローセルの光出口側に溶媒の流入路を設けるとともに、光入口側に前記媒体の流出路を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体クロマトグラフ用UV検出器。
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