JPH11223599A - 液体クロマトグラフ用uv検出器 - Google Patents

液体クロマトグラフ用uv検出器

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JPH11223599A
JPH11223599A JP3793598A JP3793598A JPH11223599A JP H11223599 A JPH11223599 A JP H11223599A JP 3793598 A JP3793598 A JP 3793598A JP 3793598 A JP3793598 A JP 3793598A JP H11223599 A JPH11223599 A JP H11223599A
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健 鹿又
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フローセルへの入射光の利用効率が高く、フ
ローセル中を流れる溶媒の屈折率が変わってもベースラ
インの変動を抑えることのできる液体クロマトグラフ用
UV検出器を提供すること 【構成】 光源40から出射した光を第1補助光学系4
1にてフローセル10に入射させ、そのフローセルから
出射された光を第2補助光学系43を介してポリクロメ
ータ44に与え、ポリクロメータ内の回折格子46にて
光分散させた後、光検知器47に受光させるようにした
多波長検出器において、前記フローセルは、軸方向に延
びる試料室11の内形状が、光入口側から光出口側にい
くに従って、徐々に縮小する円錐台形状とし、前記第1
補助光学系は、前記フローセルの光出口側端部近傍で結
像するように調整した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フ用UV検出器に関するもので、より具体的にはフロー
セルの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフに用いられる多波長
検出器の一例を示すと、図1のようになっている。同図
に示すように、光源1から出射された光束は、集光系
(図では1枚のレンズで代表している)2によって集光
されフローセル3に入射する。フローセル3は、図2に
示すようにガラス等の透明部材でつくられた窓板4,4
に挟まれた円柱状の試料室6内を溶媒が流れるようにな
っており、光源1からの光はこの試料室6に向かって照
射されている。そして、光は試料室6を通過する間に、
溶媒に含まれている試料によって吸収を受ける。
【0003】フローセル3を透過した光は、光分散光学
系(図では、1枚の回折格子で代表している)7によっ
て光分散され、フォトダイオードアレーの光検知器8に
入射し、各波長ごとの電気信号に変換されデータとして
取り出されるようになっている。
【0004】ところで、上述した図2に示すフローセル
を、液体クロマトグラフ用多波長検出器に使用すると、
次のような不具合が生じる。
【0005】すなわち、フローセルへの入射光の利用効
率が悪い。これは、一般的に光源1からの光は立体角を
もってフローセル3へ入射する。従って、入射光の一部
は円柱状の試料室6の内壁に衝突して吸収され、フロー
セル3を透過することができず、フローセル3への入射
光の利用効率の減少を招く。このことは、光検知器8
(ダイオードアレイ)から出力される検出信号(電気信
号)の微弱化を招き、測定データのノイズが増加する原
因となる。
【0006】このような問題を改善するための提案とし
て、従来例えば特公平8−3483号公報に開示された
発明がある。係る公報に開示された発明の一つとして、
フローセルの形状を図3に示すように、試料室6の内形
状を光の進行方向に沿って広くなる円錐台形状になるよ
うに設定した。係る構成をとると、ある程度の立体角が
あってもフローセル3内に入射した光は、試料室6の内
周面に衝突しないので吸収されることがない。なお、こ
のように試料室6の内形状を光の進行方向に沿って広く
なる円錐台形状になるように設定したものとしては、本
発明と目的が異なるものの特公昭54−33871号
や、実公昭40−14080号公報などもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たその図3に示す形状の試料室6を有するフローセル3
では、以下の問題を有する。すなわち、吸光度は同じで
も屈折率が異なる溶媒が入れ替わるとき、光検知器8の
出力は変化し、測定データのベースラインの変動を招
く。この原因は、次のように考えられている。すなわ
ち、今まで流れていた溶媒と異なる屈折率を有する新た
な溶媒がフローセル3中に流れこむと、フローセル3の
中心部ほど流速が速いため、フローセル3の試料室6の
内壁近辺に比べて試料室6の中心部に屈折率の違う新た
な溶媒の濃度が濃い状態が生じる。このことがレンズと
同じような効果(いわゆるレンズ効果)を生じさせるた
め、フローセル3への入射光は屈曲し、その一部はフロ
ーセル3の試料室6の内壁に衝突することによって吸収
される。このため、上記したように光検知器8の出力は
変化し測定データのベースラインの変動が生じる。
【0008】また、結果物(完成された発明)同士を比
較すると、本発明の構造と類似するものとして、特開平
2−259452号公報に開示された分光光度計があ
る。この公報に開示された発明では、フローセル単独で
見ると、光入口側が広くなった内形状からなる試料室を
有している。しかし、その公報の発明では、フローセル
と光源との間、つまりフローセルの光入口側の外側にス
リットを設置するのを必須の構成とするとともに、スリ
ット近傍、つまりフローセルの光入り口側より光源側で
光が結像するようにしている。
【0009】係る構成をとることにより、そのスリット
により光束を絞り込んだ後フローセル内に入射させ、そ
の入射した光のうち、外側を進む光は試料室の内周面で
反射させてフォトセンサに受光させないようにしてい
る。つまり、溶媒等のセル内の条件変化にともなう影響
の受けにくい光路の近軸付近のみをフォトセンサに受光
させ、その光を利用して吸光度変化を測定するようにし
ている。したがって、受光されて測定に使用される光量
が減少し感度劣化を招く。
【0010】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、フローセルへの入射光の利用効率が高く、なおか
つ、フローセル中を流れる溶媒の屈折率が変わった場合
でもベースラインの変動を極力小さく抑えることのでき
る液体クロマトグラフ用UV検出器を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る液体クロマトグラフ用UV検出器
では、光源と、その光源から出射した光をフローセルに
入射させる第1光学系と、フローセルから出射された光
を光検知手段に受光させる第2光学系とを備え、前記フ
ローセルは、軸方向に延びる試料室の内形状が、光入口
側から光出口側にいくに従って、徐々に縮小する円錐台
形状とする。そして、さらに、前記第1光学系は、前記
フローセルの光出口側端部、或いはその光出口側端部よ
り外側で結像するように調整することである(請求項
1)。
【0012】そして、本発明では、特に第2光学系に分
散素子を設けた多波長の測定を可能とした液体クロマト
グラフ用UV検出器に適用すると、従来のものと比べて
特に顕著な効果が発揮できる(請求項2)。もちろん、
第1光学系に分散素子を設けたタイプにも適用してよい
のはいうまでもない。
【0013】本発明のフローセルは、試料室の内形状が
円錐台形状で、光の入口側に径の大きい方の底面が向い
ている。光が通過する以上は、両端の開口部はそれぞれ
所定の面積を有するため(たとえ微小であっても)、内
形状は、円錐ではなく円錐台形状となる。
【0014】フローセル中に今まで流れていた溶媒と異
なった屈折率をもつ溶媒が流れ込んだ場合、屈折率が変
化することにより、光分散素子から見た場合のフローセ
ルの光入口の位置は変動する。しかし、光検知器上には
機械的に位置が固定されるフローセルの光出口が結像さ
れる。このため、フローセル中において屈折率の異なる
溶媒が入れ替わる際に生じるベースラインの変化を、極
力小さくすることができる。
【0015】フローセルへの入射光の焦点はフローセル
の光出口に合わせてある。また、円錐台の立体角は入射
光の立体角より大きくとることにより、入射光は壁面に
接触することなくフローセルの光出口に到達するため、
光エネルギーの損失は生じない。つまり、より大きい立
体角の光を利用できる。従って、エネルギーの損失なし
にフローセルの光出口の像をフォトダイオードアレー等
の光検知器上につくることができる。
【0016】また、実施の形態で示したように、光出口
側に流入路を設けると、溶媒(試料)は入射光の出口側
から入口側方向に流れる。すると、溶媒が流れる方向に
向かってセルの内径は大きくなっているため、セル中心
部の溶媒の流れはセル周辺部にも広がる。これにより、
セル中心部の流速は抑えられ、レンズ効果を小さくする
ことができる。これによっても、セル中において屈折率
の異なる溶媒が入れ替わる際のベースラインの変化を小
さくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の要部となるフロ
ーセルの一例を示している。同図に示すように、フロー
セル10は、軸方向に貫通する試料室11を備えた筒状
のフローセルブロック12の軸方向両端面に、それぞれ
透明な石英ガラス板等からなる窓板13を取り付けてい
る。図示省略するが窓板13とフローセルブロック12
の間には、薄肉の適当な形状のテフロン(登録商標)製
のシートを介在させて液密性を確保し、さらにその窓板
13は、Oリング(図示省略)を介してそのOリングの
内径と同程度の開口14aが開いている抑え板14にて
フローセルブロックに密着されることにより固定され
る。
【0018】そして、光は、一方の抑え板14(図中左
側)の開口14aから窓板13を介して試料室11内に
入り、反対側の窓板13から開口14aを介して出射す
る。さらに、フローセルブロック12には、軸方向両端
近傍に、径方向に延びる流入路15a及び流出路15b
を設けている。これにより、試料(溶媒)は、光出口側
の流入路15aから試料室11内に進入し、試料室11
内を軸方向に進んだ後、光入口側の流出路15bを通っ
て外部に排出されるように流れる。
【0019】ここで本発明では、試料室11の内形状を
円錐台形状とし、しかも、光出口側が細くなるように形
成している。すなわち、内形状が円錐台形状の試料室1
1を用意し、検出器にセットする際に光入口側に円錐台
形状の底面(開口部の径が大きい)が位置するようにす
る。そして、具体的にセットした状態の本発明の一形態
である多波長検出器の一例を示すと、図5に示すように
なる。
【0020】同図に示すように、この多波長検出器は光
源として、重水素ランプ20及びタングステンランプ2
1を使用しており、各ランプ20,21の出射面側に
は、石英製の窓板22を設け、その窓板22に形成した
開口部分から所定波長の光が出射するようになってい
る。そして、各ランプ20,21から出射される光の進
路は、ほぼ直交するようにし、その交差位置にアルミ等
を適当な厚さもしくは間隔で蒸着したハーフミラー23
を配置し、そこにおいて両ランプ20,21からの光が
適当な割合の比率で合成され、一つの光路上を進むよう
にしている。
【0021】この合成された光は、軸外し楕円鏡25に
て集光され、フローセル10の試料室11内を通過す
る。ここで、上記したように、フローセル10は、試料
室11の両端開口のうち、径の大きい方を軸外し楕円鏡
25側に位置させる。しかも、上記集光された光は、フ
ローセル10の出口側面(試料室11の径の小さい方の
開口部分)に結像するように調整されてる。このような
位置関係に配置するのが、本発明の特徴である。そし
て、このフローセル10の部分を拡大して示すと、図6
のようになる。同図中各符号は、図4に示したものに対
応し、また、符号26は、Oリングである。
【0022】一方、フローセルを通過した光は、フロー
セル室内での液漏れの影響を遮断するための石英窓板2
8を通過した後、球面鏡29,平面鏡30の順に反射さ
れポリクロメータの入射スリット31上に結像する。そ
して、ポリクロメータの入射スリット31から出射した
光は、回折格子32により各波長に分散され光検知器
(フォトダイオードアレイ:PDA)33上に結像する
ようにしている。なお、図示省略するが、この光検知器
33の後段には、信号処理装置が設置され、光検知器3
3から出力される光強度に応じた電気信号に基づいて、
所定の信号処理をするようになっている。
【0023】なお、上記の石英窓板28を設けたのは以
下の理由による。フローセル10で溶媒が漏れた場合、
その漏れ出た溶媒そのもの或いは気化したものがポリク
ロメータ側に流れ込むと、回折格子32や各種鏡がただ
ちに劣化してしまう。そこで係る事態の発生を未然に防
止するために、溶媒に対して安定な石英窓板28を設け
てフローセルとポリクロメータとを隔離している。
【0024】なお、上記したフローセル10のより具体
的な構造の一例を示すと、図7,図8のようにすること
ができる。円錐台形状の試料室11を備えたフローセル
ブロック12の軸方向両端にテフロン製のシート(ガス
ケット)34を介して窓板13を配置し、その窓板の外
側にOリング26を介して抑え板14を配置し、その抑
え板14をネジ35にてフローセルブロック12に固定
することにより、上記した各部材を密着状態で固定する
ようにしている。なお、図8において図示省略した光出
口側も、光入口側と同様の構成をとることができる(中
心の開口面積・径は異なる)。また具体的な試料室11
の寸法としては光入口側の径が2.1mmで、光出口側
の径が0.8mmとすることができ、窓板13,13の
間隔は10.0mmとすることができる。もちろんこの
寸法に限定されるわけではないが、好ましい寸法(比)
の一つである。
【0025】さらにまた、シート34とフローセルブロ
ック12との接合面のうち、シート34の外周縁付近に
対面するフローセルブロック12の表面には、溝36が
形成されている。すなわち、使用状態においてはシート
34とフローセルブロック12はしっかりと密着して気
密性・液密性を確保している。しかし、一旦分解しよう
とした場合には、密着しているために取り外しにくい。
そこで、予め接合面の一部に溝36を設けておき、取り
外す際には、その溝36を設けた位置の真上からドライ
バー等をシート34に接触させるとともに溝36に向け
て押し込む。すると、その押された部分が溝36内に沈
み込むため、それにともないシート34の押された部分
の反対側が浮き上がる。これにより、シート34とフロ
ーセルブロック12との密着が解消されるので、例え
ば、その浮き上がった部分を摘んで引き上げることによ
り、シート34を簡単に取り外すことができる。係る目
的のための溝36を設けている。
【0026】図9,図10は、本発明の別の実施の形態
を示している。本形態では、上記した図5に示す装置
と、光学系が異なり、よりコンパクトにした多波長検出
器に適用した例を示している。この多波長検出器は、光
源として重水素ランプ40を使用している。なお、使用
波長によっては、ハロゲンランプを使用したり、また、
両者を切り替えて使用するようにしてもよい。光源40
から出射された光は、第1補助光学系(非球面鏡)41
により、フローセル10の光出口側開口に結像するよう
にしている。
【0027】フローセル10の後段には、第2補助光学
系43(平面鏡43a,レンズ43b)が配置され、フ
ローセルから出射した光を、ポリクロメータ44の入射
スリット45に結像させるようにしている。さらに、入
射スリット45から出射した光は、回折格子46により
分光され、フォトダイオードアレイ等の光検知器47上
にスペクトルが結像する。なお、符号48は、ポリクロ
メータの入射側に設けられたシャッターで、ソレノイド
やモータで駆動され、そのシャッター48を動かすこと
により光路が遮られようになっている。そして、このシ
ャッター48は、必要に応じてそれを閉じることにより
光学系及び電気系のバックグランド信号を測定するため
に使用される。そして、本形態では、第1補助光学系に
より第1光学系が構成され、第2補助光学系43とポリ
クロメータ44内の光学系により第2光学系が構成され
る。
【0028】なお、この光学系では、実公平7−548
24号公報に開示された単一波長のUV検出器において
波長によって回折光結像距離をほぼ一定にするという技
術を多波長のUV検出器に適用したもので、回折格子4
6の分散方向は、光路平面上ではなく光路平面からある
角度をもっている。この配置によって、回折格子面が入
射光軸にほぼ正対できるので、回折格子の横方向のサイ
ズを大きくしなくともより立体角の大きい光を分光する
ことができる。さらに、ポリクロメータの横方向のサイ
ズを小さくすることができる。
【0029】また、入射光とは異なる光学平面上に光検
知器(フォトダイオードアレイ)47が設置されている
ので、ポリクロメータ内の入射光の光学平面上に存在す
るポリクロメータの側壁、遮光板、その他の構造物から
反射される光が光検知器47に到達せず、結果として光
学系として迷光が減少し、たとえば吸光度検出器として
使用した場合は直線性のダイナミックレンジがより大き
くなる。
【0030】**実験結果 本発明に係るフローセルを作成し、フォトダイオードア
レーからの出力及び溶媒の成分を変化させた場合のベー
スラインの変動を、円柱形状のフローセルと比較した。
波長及び溶媒等の測定条件を以下の通り行い、またフロ
ーセルに入射した光は、フローセルの光の出口側に結像
するようにしている。
【0031】まず、フローセルがH20で満たされてい
るときの、光検出器(フォトダイオードアレー)からの
250nm及び400nmにおける出力は以下のようで
あった。
【0032】
【表1】 すなわち、従来型のフローセルより、本発明に係る実施
の形態によるフローセルの方が250nmにおいて約
1.3倍、400nmにおいて約1.2倍エネルギーが
高い。なお、円筒形状のフローセルの場合には、光の焦
点をフローセルのどの位置にあわせるかによって光検出
器からの出力は多少変化するといわれている。そして,
表1に示した値は、本発明品同様光出口側に結像したも
のである。但し、光入口側に結像した場合でもほとんど
差が認められなかった。
【0033】次に表2に示すように、溶媒の成分を変化
させた場合のベースラインの変動を示す。
【0034】
【表2】 また、上記溶媒条件での従来型の円柱状の試料室を有す
るフローセルによるベースラインの変化は、図11に示
すようになった。また、同様の条件での本発明では、図
12に示すようになった。ここで、H2Oのみを流して
いるときのベースラインをそれぞれB1(従来:図1
1),B3(本発明:図12)、CH3CNのみを流し
ているときのベースラインをそれぞれB2(従来:図1
1),B4(本発明:図12)、グラジエント中のベー
スラインの変動区間をそれぞれB12(従来:図1
1),B34(本発明:図12)とおくと、以下の2つ
のことがわかる。 (1)B12とB34のベースライン変動の幅(図中の
幅を示す矢印の長さ)を比較すると、本発明の方が減少
している。 (2)B1,B2のベースラインの高さは一致していな
いが、B3,B4のベースラインの高さは一致してい
る。
【0035】また、同様に、図3に示す光出口側が広く
した円錐台形状の試料室を持ったフローセルによるベー
スラインの変化は、図13に示すようになる。ここで、
上記と同様にH2Oのみを流している時のベースライン
をB5、CH3CNのみを流している時のベースライン
をB6とし、グラジエント中のベースラインの変動区間
をB56とおくと、以下の2つのことがわかる。 (1)B56とB34のベースライン変動の幅(図中の
幅を示す矢印の長さ)を比較すると、本発明の方が減少
している。 (2)B5,B6のベースラインの高さは一致していな
いが、B3,B4のベースラインの高さは一致してい
る。
【0036】以上のことから、従来の試料室が円柱状の
フローセルや、光入口側を狭くした円錐台形状の試料室
を持ったフローセルと、本発明品とを比較すると、本発
明品の方が溶媒組成が変化した場合のベースラインの安
定度が目覚ましく改善されていることがわかる。
【0037】以上のように、液体クロマトグラフ用多波
長検出器において、本発明に係るフローセルを使用する
ことにより、従来使用されているフローセルに比べて、
エネルギーも高く、また溶媒変化にともなうベースライ
ンの変動を最小に抑えることができ、安定した測定が可
能となる。
【0038】また、上記した各実施の形態では、いずれ
も多波長検出器に適用した例を示したが、本発明ではこ
れに限ることはなく、単一波長を試料に照射するタイプ
のUV検出器に適用できる。一例を示すと、図14に示
すように、光源50から出射した光は、球面鏡51,ス
リット52,回折格子53,球面鏡54を備えた第1光
学系を経て、フローセル10に入射するようにしてい
る。このように第1光学系側に分散素子である回折格子
53を設けて波長分散し、目的の波長の光のみをフロー
セル10内に通過させるようにしている。また、フロー
セル10の後段には、フォトダイオード55を配置して
いる。
【0039】また、上記した各実施の形態では、いずれ
もフローセルに対する入射光は、そのフローセルの光出
口側で結像するようにしたが、本発明はこれに限ること
はなく、例えば図15に示すように、光出口側よりもさ
らに外側で結像するようにしてもよい。但し、その場合
には、光出口側の開口径よりも、通過する光の光束の径
を小さくし、フローセルにて吸収されないように構成す
るのがよい。
【0040】さらにまた、図16に示すようなタイプの
検出器にも適用できる。すなわち、タングステンランプ
60から出射した光をレンズ61で集束させ、シースル
ータイプの重水素ランプ62に集光する。これにより、
重水素ランプ62からは、2つのランプから発光される
光が合成された状態で出射される。そして、その光をレ
ンズ63で集束させてフローセル64の光出口側で結像
させる。このフローセル64も、光入口側が広くなった
円錐台形状の試料室を備えたものを用いている。さら
に、フローセル64を透過した光を、レンズ65で集光
するとともに、スリット66上に結像させ回折格子67
に照射させ、波長分散させた光を、光検出器68で検出
するようになっている。図から明らかなように、光検出
器68以外の光学部品が、同一直線状に並ぶため、構造
がシンプルとなる。さらに、セル64の出口とレンズ6
5との間隔よりも、レンズ65とスリット66との間隔
を短くすることで波長分解能を高くし、かつ光の利用効
率も高くすることができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る液体クロマ
トグラフ用UV検出器では、フローセルの試料室の内形
状を光入口側が広くなった円錐台形状とし、かつ、セル
への入射光の焦点はセルの光出口近傍或いはそれよりも
外側に設けたことにより、立体角を大きくとることがで
き、フローセルへの入射光の利用効率が高く、なおか
つ、フローセル中を流れる溶媒の屈折率が変わった場合
でもベースラインの変動を極力小さく抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術を示す図である。
【図2】従来技術を示す図である。
【図3】従来技術を示す図である。
【図4】本発明の要部となるフローセルの一例を示す図
である。
【図5】本発明に係る検出器の一実施の形態を示す図で
ある。
【図6】本発明に用いられるフローセルを示す模式図で
ある。
【図7】そのフローセルの具体的な構造の一例を示す図
である。
【図8】その断面図である。
【図9】本発明に係る検出器の他の実施の形態を示す平
面図である。
【図10】図9に示す検出器を示す側面図である。
【図11】従来の装置を用いて行った測定結果を示す図
である。
【図12】本発明の装置を用いて行った測定結果を示す
図である。
【図13】従来の装置を用いて行った測定結果を示す図
である。
【図14】本発明に係る検出器の他の実施の形態を示す
平面図である。
【図15】フローセルと入射光の結像位置の関係を示す
図である。
【図16】本発明に係る検出器の他の実施の形態を示す
平面図である。
【符号の説明】
10 フローセル 11 試料室 12 フローセルブロック 13 窓板 14 抑え板 15a 流入路 15b 流出路 20,21,40,50,60,62 ランプ(光源) 22 窓板 23 ハーフミラー(第1光学系) 25 軸外し楕円鏡(第1光学系) 28 石英窓板 29 球面鏡(第2光学系) 30 平面鏡(第2光学系) 31 入射スリット(第2光学系) 32,46,67 回折格子(第2光学系) 33,47,68 光検知器 41 第1補助光学系(第1光学系) 43 第2補助光学系(第2光学系) 44 ポリクロメータ(第2光学系) 51,54 球面鏡(第1光学系) 53 回折格子(第1光学系)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、その光源から出射した光をフロ
    ーセルに入射させる第1光学系と、フローセルから出射
    された光を光検知手段に受光させる第2光学系とを備
    え、 前記フローセルは、軸方向に延びる試料室の内形状が、
    光入口側から光出口側にいくに従って、徐々に縮小する
    円錐台形状とし、 前記第1光学系は、前記フローセルの光出口側端部近
    傍、或いはその光出口側端部より外側で結像するように
    調整したことを特徴とする液体クロマトグラフ用UV検
    出器。
  2. 【請求項2】 前記第2光学系に分散素子を設け、多波
    長の測定を可能とした請求項1に記載の液体クロマトグ
    ラフ用UV検出器。
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