JP3925649B2 - 転倒検出方法及び転倒救助方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は人が転倒により傷害を受ける前に人の転倒状態を検出する方法に関し、更に詳細には、人の転倒状態を検出して床面に激突する前に救助動作に入って衝撃を緩和したり、転倒の事実や転倒位置を第三者に通報する転倒検出方法及び転倒救助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直立二足歩行する人間にとって、「転倒」は不可避な現象であり、転倒により様々な事故を誘発し、外傷の原因となる。特に、高齢者にとって転倒による骨折は寝たきりの主要原因であり、転倒を回避し骨折を予防することは、患者や介護者の身体的・精神的負担のみならず、医療や介護に要する経済的負担を軽減する上でも極めて有効である。しかし、転倒を検出する方法や転倒から身体を防護する装置はそれほど開発されていない。
【0003】
消防庁の規定では、人が倒れる事故は転倒と転落と墜落に分類されている。転倒とは同一平面上で人が倒れることであり、通常では死亡などの重大事故を生起することは稀である。他方、転落とは高低差のある場所で身体が接しながら滑落することであり、墜落とは高低差のある場所で身体が地面に接しないで落下することを云う。
【0004】
転落と墜落は死亡事故に繋がる重大事故であり、このため転落と墜落を概念として一体的に取り扱うことが行われ、転倒事故と一線を画することが行われている。労働災害の統計においても、転落・墜落データは合計して計数化され、転倒データと区別されている。
【0005】
転落や墜落から作業員を防護する技術は土木分野や建設分野で主として開発されている。建設工事現場では種々の事故が生起するが、その中でも作業員の転落事故や墜落事故は作業員の死亡という重大な結果を招く。従って、転落や墜落を事前に防止するだけでなく、転落事故や墜落事故が生じても、何とか作業員の一命を取り留めることが重要な課題になっている。
【0006】
特開平10−272193号は「人体保護装置」に関する従来技術で、作業員がエアバッグと無重力検知装置を装着することにより構成されている。作業員が高所から落下すると無重力状態となるから、無重力検知装置により作業員の無重力状態、即ち落下状態を検出する。この検出信号を受けて起爆装置がエアバッグを急膨張させる。膨張したエアバッグが作業員を囲繞し、作業員が地面に激突したときにエアバッグがその衝撃を吸収して、作業員の一命を取り留める緊急の防護装置である。
【0007】
また、特開2000−279538は「人体用落下衝撃吸収補助具」に関する従来技術で、加速度検出手段により人体の落下状態を検出し、この信号により空気袋を急膨張させる。地面に激突した際に膨張した空気袋がその衝撃を吸収し、作業員の一命を何とか取り留めようとする緊急防護装置である。
【0008】
上述した従来技術は、作業員が落差を有した空間を一定時間だけ自由落下する過程を対象としているから、作業員に固定された無重力検知装置や加速度検出手段が人体の自由落下状態を確実に検出できるという前提で開発されたものである。この確実な加速度検出によりエアバッグを急膨張させ、そのクッション作用により作業者の死亡事故を防止するものである。
【0009】
一方、人の転倒は、人が意思に反して直立した状態から床面(地面)に横たわった状態になる過程であり、最高位置にある頭部であっても、その落差は人の身長以下である。しかも、転倒過程において、人は反射的に転倒状態を回避しようと自力で回復行動を取るから、人体は自由落下状態で転倒することは極めて少ない。
【0010】
つまり、転倒では落差が極めて短く、同時に転倒加速度が小さいため、人の転倒を無重力検知装置や加速度計により検出することは殆ど不可能であると信じられてきた。従って、転倒事故に関する従来技術においても、加速度をパラメータとして転倒を検出して身体を防護する方法や装置は皆無である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
人の転倒事故は、土木現場や建設現場で生起するよりも、高齢者が集中する病院や老人ホームなどの施設、及び高齢者を抱える家庭などで生起することが多い。特に、高齢者の転倒は骨折を生じ易く、この骨折が高齢者の精神的・身体的機能の低下を惹起し、最終的には痴呆症や寝たきり状態を生起させる可能性がきわめて高い。
【0012】
従って、病院や施設や家庭などにおいて高齢者の転倒による骨折を予防するために、高齢者自身の身体機能の向上や骨粗鬆症の予防や薬剤の副作用を抑えるといった措置が講じられる。しかし、高齢者の身体的条件などの内的要因を改善するだけでは不十分であり、高齢者の居住環境などの外的要因を改善することも行われてきた。
【0013】
高齢者の居住環境の改善としては、▲1▼階段・敷居・溝などの段差を少なくする、▲2▼階段・風呂・廊下・便所などに手すりをつける、▲3▼床面には滑り易い素材を避ける、▲4▼室内を整理する、▲5▼足元を明るくする、▲6▼滑り易い床では靴下を履かない、▲7▼スリッパは使用しない、などといったことが行われている。しかし、高齢者が転倒したときにどうするかといった技術は殆ど開発されていない。このように極めて少ない転倒対策技術の中で、高齢者が転倒したときに衝撃を吸収する実用技術が一つ存在するので、以下に説明する。
【0014】
図16は転倒時の衝撃を吸収するために衝撃吸収体を下着の内側に装着する従来の衝撃吸収下着の説明図である。この衝撃吸収下着94は、左右内部に図示しない内側袋を有し、この内側袋に衝撃吸収体96が内装されている。
【0015】
この衝撃吸収体96は硬質プラスチックシェルを円弧板状に形成して構成されており、大腿骨頸部92aを外側から囲繞するように前記内側袋に配置されている。大腿骨頸部92aは左右の大腿骨92の上端に存在し、人28が転倒したときに骨折しやすい箇所である。
【0016】
高齢者が転倒したときに最も骨折し易い部位は大腿骨頸部92aであり、この骨折が医学統計からみて寝たきりの主要原因となっている。人28が衝撃吸収体96を装着しておくと、転倒時にうける衝撃は衝撃吸収板96により分散されるから、大腿骨頸部92aの骨折率を低減することができる。
【0017】
しかし、この衝撃吸収体96はサイズ的にも小さいから、大腿骨頸部92aを部分的に防護できても、全身を防護することは不可能である。例えば、転倒したときに、膝・腰・手・肘・肩・頭などが床面に激突する場合には、それ相応の骨折が生起する可能性がある。しかも、この衝撃吸収下着94はパッド付き下着であるから、側臥位では大腿外側部にパッドがあたって同部に痛みや褥瘡(床ずれ)を生じやすい。さらに、おむつを常用する高齢者は装着できないし、夏季に高温多湿の我国では常時装着すること自体が困難である。
【0018】
従って、高齢者を含む人の転倒による骨折を予防する技術が殆ど無いといった状況に鑑みて、本発明は、人が転倒したことを床面(又は地面)に激突する前に検出し、この検出信号(転倒信号)により人が床面に激突する前に衝撃を緩和する装置を提供し、またその転倒信号により転倒の事実や転倒位置を第三者に通報する装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、第1の発明は、人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒するときに鉛直下向きの加速度を前記加速度センサで検出し、この加速度が予め設定された基準加速度を超えることにより、人の転倒を検出する転倒検出方法である。従来から、人の転倒を加速度で検出することは困難であるという認識が一般的であったが、本発明者は転倒現象にも加速度検出が有効ではないかと考え、この発明を完成したものである。人の転倒実験を繰り返す中で、人が完全に転倒する場合には、足が僅かに床面から離れ(足部の床反力がゼロに近い状態)、腰が浮いた状態が出現することを見出すに至った。つまり、この状態は人が瞬間的に自由落下状態になることを意味しており、この前後の過程で人体に固定された加速度センサが自由落下に近い加速度を検出するはずであることを着想した。特に人の重心近傍に加速度センサを装着すると、加速度の変化が最も急激に出現する。従って、基準加速度を設定することにより、鉛直下向きの加速度がこの基準加速度を超えた状態を人の転倒状態と判断することを提案するものである。
【0020】
第2の発明は、人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒するときに鉛直下向きの加速度を前記加速度センサで検出し、この加速度が予め設定された基準加速度を超えることを検出し、しかもこの基準加速度を超えた状態が予め設定された基準時間を超えることにより、人の転倒を検出する転倒検出方法である。転倒実験を繰り返す中で、鉛直下向きの加速度が一定時間継続することを発見してこの発明を完成したものである。つまり、人が完全な転倒状態にあるとき、前記加速度が基準加速度を瞬間的に超えるだけでなく、超えた状態が一定時間継続する事実が発見された。この一定時間として基準時間を設定し、加速度が基準加速度を超えた状態が基準時間だけ継続すれば、人が確実に転倒状態にあると判断できることが提案される。落下加速度が基準加速度を超えるだけで転倒状態を判断するよりも、転倒状態の判断をより確実化できる利点がある。
【0021】
第3の発明は、ガスで急膨張するバッグとこのバッグにガスを爆発的に注入するインフレータとインフレータを起動させる点火部材からなるエアバッグ装置を人体に装着すると共に、人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒して前記加速度センサにより検出される鉛直下向きの加速度が予め設定された基準加速度を超えたときに、又はこの基準加速度を超えた状態が予め設定された基準時間を超えたときに、前記エアバッグ装置を起動して人体に作用する転倒衝撃を緩和するように構成される転倒救助装置である。コンパクトに設計されたエアバッグ装置を人体に装着することによって、転倒が検出されると直ちにエアバッグ装置を起動し、人体の主要部分又は全体を急膨張したバッグで囲繞できる。従って、床面や地面への激突による衝撃を緩和でき、転倒事故が起こっても人に骨折などの傷害を与えず、高齢者などの寝たきり等の事態を予防できる。
【0022】
第4の発明は、ガスで急膨張するバッグとこのバッグにガスを爆発的に注入するインフレータとインフレータを起動させる点火部材からなるエアバッグ装置を人が歩行する床面又はその壁面に配置し、人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒して前記加速度センサにより検出される鉛直下向きの加速度が予め設定された基準加速度を超えたときに、又はこの基準加速度を超えた状態が予め設定された基準時間を超えたときに、前記エアバッグ装置を起動して人体に作用する転倒衝撃を緩和するように構成される転倒救助装置である。家庭や病院や施設などの床面や壁面に密着した状態でエアバッグ装置を配置し、加速度センサにより転倒が検出されると、その転倒信号を受信して転倒位置近傍のエアバッグ装置を瞬時に起動させ、床面や壁面が急膨張したエアバッグで覆われて、転倒した人が衝撃をうけることが無い。従って、転倒事故が起こっても人に傷害を与えず、高齢者などの骨折を予防でき、寝たきり等の事態を招来することが無い。
【0023】
第5の発明は、天井面又は壁面に固定された吊上部材とこの吊上部材から吊上可能に垂下された保護用紐からなる吊上装置を配置し、前記保護用紐を人体に係止し、人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒して前記加速度センサにより検出される鉛直下向きの加速度が予め設定された基準加速度を超えたときに、又はこの基準加速度を超えた状態が予め設定された基準時間を超えたときに、吊上装置の駆動により保護用紐を吊上げて人の転倒を防止するように構成される転倒救助装置である。家庭や病院や施設などの天井や壁面に吊上装置を配置し、通常は高齢者などに保護用紐を緩めた状態で係止しておく。加速度センサにより転倒が検出されると、その転倒信号を受信して吊上装置を瞬時に起動して保護用紐を吊上げて緊張させる。従って、緊張した保護用紐で人体は拘束され、人体の転倒が防止される。その結果、転倒事故が生じないから人は傷害を受けることが無く、高齢者などの骨折を予防できる。
【0024】
第6の発明は、人体の所要位置に加速度センサを装着し、この加速度センサの転倒信号によりアラーム信号を発生して第三者に通報するアラーム装置を配置し、人が転倒して前記加速度センサにより検出される鉛直下向きの加速度が予め設定された基準加速度を超えたときに、又はこの基準加速度を超えた状態が予め設定された基準時間を超えたときに、転倒信号を発生してアラーム装置を駆動するように構成される転倒救助装置である。アラーム装置から出力されるアラーム信号には、音・光・無線など種々の伝達信号があり、病院などでは音信号と同時にナースセンターへの無線信号が用いられる。人が転倒すると、アラーム信号を発して第三者に人の転倒を通報し、転倒に対する緊急の救援体制をとることができる。このアラーム装置を前述した転倒救助装置と併用することにより、より効果的な転倒救助体制を取ることを可能にする。
【0025】
第7の発明は、GPS信号を受け取るGPSアンテナと地図データを格納した記憶部とこのGPS信号と地図データから位置を導出する測位演算部と導出された位置を外部に通報する位置送信部からなる転倒位置通報装置を人体に装着し、人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒して前記加速度センサにより検出される鉛直下向きの加速度が予め設定された基準加速度を超えたときに、又はこの基準加速度を超えた状態が予め設定された基準時間を超えたときに、前記位置送信部から人の転倒位置を外部に通報するように構成されることを特徴とする転倒救助装置である。自動車などの運転に使用されるGPS装置によるナビゲーションシステムを転倒救助装置に利用することが提案される。つまり、歩行する人にGPS装置からなる転倒位置通報装置を装着して人の位置を導出し、加速度センサが人の転倒を検出すると、この転倒信号をトリガー信号として人の転倒位置を第三者に通報して、転倒者に対する緊急の転倒救助体制をとることを可能にする。
【0026】
【発明の実施の形態】
従来では、落差の小さな転倒を加速度により検出することは困難であるという認識が一般的であった。しかしながら、本発明者は人の転倒実験を繰り返す中で、転倒においても足が僅かに床面から離れ(足部の床反力がゼロに近い状態)、腰が浮いた状態が出現することを発見するに至った。この状態では、人体は瞬間的に自由落下に類似した状態になっており、大きな鉛直下向きの加速度が生じているはずである。
【0027】
特に、人の重心近傍に加速度センサを装着すると、前記自由落下類似状態の前後において大きな鉛直下向き加速度が出現する。しかも、この大きな加速度は短時間ながらも一定時間だけ継続しているはずである。この大きな加速度の出現とその一定時間の継続性を発見して、本発明は完成されたものである。
以下に、本発明に係る転倒検出方法及び転倒救助装置の実施形態を添付する図面に従って詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明において人体の重心近傍に加速度センサを装着して左側方又は右側方に転倒した場合におけるZ方向加速度(鉛直方向加速度)の信号波形図である。横軸は転倒を開始してからの時間t(s)を示し、縦軸はZ方向加速度、即ち鉛直方向加速度az(m/s2)を示す。正は鉛直上向き加速度であり、負は鉛直下向き加速度である。
【0029】
加速度センサを装着する位置を種々に設定して、人の転倒実験を行った。特に、人の重心近傍に装着したところ、明瞭な加速度の信号波形が得られた。実線は人が左側方へ転倒した場合を示し、点線は右側方への転倒を示している。
【0030】
Z方向加速度azは0.30〜0.75(s)の範囲で負方向の極大を示す。この負方向の極大は人が鉛直下向きに落下していることを示し、そのピーク近傍で、足が床面から僅かに離れ(足部の床反力がゼロに近い状態)、腰が完全に浮いた状態になることが分かった。従って、このピーク近傍で自由落下類似状態が出現していると判断する。
【0031】
実線(左側方転倒)と点線(右側方転倒)でピーク値は異なるが、この原因は転倒したときに床面が足に作用する反力にバラツキが存在するからである。このピーク値は実線では−7.5(m/s2)であり、点線では−4.8(m/s2)である。このようなバラツキがあっても、自由落下類似状態を示す負方向極大が一定値を越えたり、越えた状態が一定時間継続することにより転倒現象を検出することができるはずである。
【0032】
通常の重力加速度gは−9.8(m/s2)であるから、完全な自由落下状態ではZ方向加速度azは重力加速度gに一致するはずである。転落や墜落ではこのように大きな落下加速度が得られる。しかし、落差の小さな転倒現象では、完全な自由落下状態は出現しない。従って、従来から、転倒現象を加速度で判定することは困難であるとする考え方に研究者は束縛されていたのである。本発明は、自由落下類似状態の発見により、転倒現象の検出を可能にしたものである。
【0033】
負方向極大から転倒現象を検出する場合に、閾値を設定する。例えば閾値として−4(m/s2)を設定し、Z方向加速度が−4(m/s2)以下になると、自由落下類似状態と判断する。本発明では、この加速度の閾値を基準加速度と称する。また、Z方向加速度が基準加速度以下、言い換えれば基準加速度よりも負方向に大きくなることを基準加速度を超えると表現し、人の転倒現象が検出されたと考える。
【0034】
また、負方向極大の幅から推定すると、Z方向加速度が−4(m/s2)以下になる時間は約0.2(s)である。即ち、−4(m/s2)以下の加速度継続時間が0.2(s)である。この基準加速度を超えた状態の継続時間により転倒現象をより確実に検出することが可能になる。
【0035】
例えば0.05(s)を基準時間と考えて、基準加速度を超えた状態の継続時間がこの基準時間より長くなれば、その段階で自由落下類似状態と判断して人が転倒状態にあると判断する。基準時間は適切に設定することが重要である。
【0036】
以上のように、人の転倒の第1条件は、Z方向加速度が基準加速度を超えることである。第2条件は、Z方向加速度が基準加速度を超えた状態が基準時間を超えることである。人の転倒は第1条件で判断しても良いし、第2条件で判断しても良い。第2条件の方がより確実な転倒判定であると云える。
【0037】
図2は、本発明において人体の重心近傍に加速度センサを装着して左後側方又は後方に転倒した場合におけるZ方向加速度(鉛直方向加速度)の信号波形図である。横軸と縦軸は図1と同様である。
【0038】
実線は左後側方への転倒を示し、破線は後方への転倒を示す。前述と同様に、Z方向加速度は0.30〜0.75(s)の範囲で負方向の極大を示している。この負方向極大のピーク近傍で、足が床面から僅かに離れ(足部の床反力がゼロに近い状態)、腰が完全に浮いた状態になることが実証された。このピーク近傍が自由落下類似状態の出現を意味している。
【0039】
実線(左後側方転倒)のピーク値は−7.0(m/s2)であるが、このピークは急峻すぎる。破線(後方転倒)ではピーク値は−8.0(m/s2)である。また、負方向極大の幅は実線と破線の両者から判断して0.2〜0.3(s)と考えられる。
【0040】
実線と破線のピーク値や波形の相違は床面からの反力のバラツキが原因である。波形の全体像から判断して、基準加速度として例えば−4.5(m/s2)を設定することができ、基準時間として例えば0.03(s)を設定することができる。勿論、基準加速度と基準時間の設定は、波形から許される範囲で任意に設定することができる。基準加速度と基準時間の設定は図1と図2の両者を満足するように設定される必要がある。
【0041】
図3は、本発明においてZ方向加速度azの波形に対し基準加速度a0と基準時間Tの関係説明図である。Z方向加速度の波形として図2の実線波形が示されている。この波形に対し、適切な基準加速度a0が設定される。
【0042】
Z方向加速度(az)が基準加速度a0を越えた時刻をτ=0とする。このτ=0の時点で転倒の第1条件が満足された分けであるから、人は転倒したと判断され、加速度センサに付属する回路により第1転倒信号が送信される。この第1転倒信号により本発明の転倒救助装置が作動し、転倒者が地面に激突しても、その衝撃を緩和して傷害を生じさせない。また、この第1転倒信号により転倒の事実や転倒位置を第三者に通報して転倒者の救助活動が行われる。この転倒通報装置や転倒位置通報装置も、本発明では転倒救助装置に含まれる概念である。
【0043】
また、τ=0の時点からZ方向加速度(az)が基準加速度a0を越えた状態の継続時間が計測され、適切に設定された基準時間Tを超えた時点、即ちτ=Tの時刻に第2転倒信号が送信される。この第2転倒信号により本発明の転倒救助装置を作動させたり、転倒通報装置を作動させたり、転倒位置通報装置を作動させても良い。
【0044】
転倒救助装置を第1転倒信号で作動させるか、第2転倒信号で作動させるかは装置の設計者の判断である。転倒状態が確実なのは第2転倒信号であるが、転倒救助動作が第1転倒信号よりも基準時間Tだけ遅れる。しかし、基準時間Tだけ遅れても、この遅れ時間Tは例えば0.02(s)のように微小時間であるから、転倒者の救助に支障が生じることはない。
【0045】
図4は本発明に用いられる加速度センサ2の構造原理図である。加速度センサ2は、フレーム4の中にウェイト6とスプリング8とダンパ10を直列に配置し、ウェイト6と信号発生部12とが相対変位して加速度信号が生じるように構成されている。
【0046】
加速度センサ2は人体に固定して装着される。人が転倒して加速度センサ2が人体と共に落下すると、フレーム4と信号発生部12とは人体と一緒に落下する。ウェイト6は慣性を有するから原位置にとどまろうとし、その結果、ウェイト6と信号発生部12の間に相対変位が生じる。この相対変位は矢印によって信号発生部12に物理作用を与える。
【0047】
この相対変位に基づく物理作用により、圧電式加速度センサ、歪ゲージ式加速度センサ、動電式加速度センサ、サーボ式加速度センサなどに分類される。信号発生部12が水晶やチタン酸バリウム等の圧電素子であると、圧電素子が力を受けて電気が発生し、この電気信号が加速度信号を与える。
【0048】
信号発生部12が半導体歪ゲージであると、ブリッジ回路を組むことにより、相対変位により発生する電気信号を加速度信号として使用する。動電式ではウェイト6に電磁コイルが固定され、コイルがフレーム内の磁界中を動くときに誘導起電力が生じ、この誘導起電力を加速度信号として利用できる。サーボ式では、信号発生部12として電気容量型検出器が使用され、フレーム4とウェイト6との僅かな相対変位を電気容量の変化として検出し加速度信号を生じる。
【0049】
特に、加速度センサ2として、判断回路を内蔵した半導体加速度センサが有効である。この加速度センサ2は同一チップ上に加速度検出部と判断回路部が一体に形成される。
【0050】
加速度検出部でZ方向加速度信号を発生し、判断回路部で演算を行って第1転倒信号又は第2転倒信号を発生することができる。即ち、Z方向加速度が基準加速度a0を越えたときに第1転倒信号を発生し、この状態が基準時間Tを超えたときに第2転倒信号を発生することになる。従って、判断回路を内蔵した半導体加速度センサだけで、後述する転倒検出装置45を構成できる。
【0051】
図5は、本発明において加速度センサ2からの転倒信号を受信して人体保護用のバッグを急膨張させるエアバッグ装置14の概略説明図である。エアバッグ装置14は、制御回路となるコントロールユニット16と、点火部材18と、ガス発生剤22を内装したインフレータ20と、バッグ24から構成される。
【0052】
コントロールユニット16が加速度センサ2から有線又は無線で転倒信号を受信すると、点火部材18によりインフレータ20を起動させ、瞬時にガス発生剤22によりガスGを大量に発生させる。このガスGはバッグ24を急膨張させ、転倒者をバッグ24で囲繞したり、床面や壁面をバッグ24で覆って、転倒時の衝撃から転倒者を防護する。
【0053】
図6は本発明においてエアバッグ装置14を人体に着用して転倒時の衝撃を緩和する転倒救助装置の動作説明図である。この転倒救助装置は第1の転倒衝撃緩和装置とも呼ばれる。(6A)では、床30に立っている人28がバッグ24を含んだエアバッグ装置14を着用する。人28の重心近傍に加速度センサ2を装着して固定する。
【0054】
(6B)では、人28が転倒し、足が床面から僅かに離れ(足部の床反力がゼロに近い状態)、腰が浮いた転倒状態が出現する。このとき、加速度センサ2は鉛直下向きのZ方向加速度azを検出し、付属回路により第1転倒信号又は第2転倒信号を送信する。
【0055】
(6C)では、前記転倒信号を受けて、エアバッグ装置14が作動し、バッグ24が急膨張して人体を囲繞する。この急膨張は人体が床面に激突する前に完成し、人体が床面に激突してもその衝撃から人28を防護する。また、転倒信号を受信すると、アラーム装置が起動し、音や光や無線信号などのアラーム信号ALを発生して転倒を第三者に通報する。病院や施設内での転倒では、ナースセンターや事務室に転倒を通報し、直ちに救助を受けることができる。
【0056】
図7は本発明においてエアバッグ装置14を床面に配置して転倒時の衝撃を緩和する転倒救助装置の動作説明図である。この転倒救助装置は第2の転倒衝撃緩和装置とも呼ばれる。(7A)では、床30の表面にバッグ24を載置し、その横に転倒信号を受信する受信センサ32を配置してエアバッグ装置14を構成する。床30に立っている人28の重心近傍には加速度センサ2が装着される。
【0057】
(7B)では、人28が転倒して腰が浮いた転倒状態が出現する。このとき、加速度センサ2は鉛直下向きのZ方向加速度azを検出し、付属回路により転倒信号Sを送信する。転倒信号Sは第1転倒信号又は第2転倒信号のどちらでもよい。この転倒信号Sは受信センサ32により受信される。
【0058】
(7C)では、受信センサ32が転倒信号を受信し、エアバッグ装置14が作動して、バッグ24が急膨張して床30の表面を覆う。この急膨張は人体が床面に激突する前に完成し、人体が床面に激突してもその衝撃から人28を防護する。また、転倒信号を受信すると、アラーム装置が作動し、音や光や無線信号などのアラーム信号ALを発生して転倒を第三者に通報する。ナースセンターや事務室に転倒が通報されると、直ちに救助活動が行われる。
【0059】
図8は本発明において吊上装置34を天井に配置して転倒時の衝撃を緩和する転倒救助装置の動作説明図である。この転倒救助装置は転倒吊上装置とも呼ばれる。(8A)では、天井にモータ33と支持部材36とフリーローラ38からなる吊上装置34が配置されている。その横に転倒信号を受信する受信センサ32が付設されている。床30に立っている人28の重心近傍には加速度センサ2が装着される。吊上装置34から保護用紐40が垂下され、緩んだ状態で人28に係合されている。
【0060】
(8B)では、人28が転倒して腰が浮いた転倒状態が出現する。このとき、加速度センサ2は鉛直下向きのZ方向加速度azを検出し、付属回路により転倒信号Sを送信する。転倒信号Sは第1転倒信号又は第2転倒信号のどちらでもよい。この転倒信号Sは受信センサ32により受信される。
【0061】
(8C)では、受信センサ32が転倒信号Sを受信し、吊上装置34が作動する。モータ33が矢印方向に回動すると、保護用紐40が吊上げられて緊張状態になり、人28は転倒することが無く、保護用紐40による吊上動作を受けるだけである。また、転倒信号Sを受信すると、アラーム装置が作動し、音や光や無線信号などのアラーム信号ALを発生して転倒救助を第三者に通報する。ナースセンターや事務室にも転倒が通報される。
【0062】
図9は、本発明において転倒検出装置からの転倒信号を受信して転倒位置通報装置により転倒位置を外部に通報する転倒救助装置のブロック図である。転倒位置通報装置44は自動車などのナビゲーションシステムに使用されるGPS装置を利用したもので、信号処理部48、測位演算部50、記憶部52、電源54、時刻発生部56、位置送信部58及びGPSアンテナ60から構成される。この転倒位置通報装置44は歩行する人に装着される。
【0063】
人工衛星から送られてくるGPS信号(Global Positioning System)はGPSアンテナで受信され、このGPS信号を分析して人の位置が算出される。まず、GPS信号は信号処理部48において一定の加工を受け、測位演算部50に出力される。
【0064】
測位演算部50では、記憶部52に格納された地図データと比較しながら、GPS信号により人が存在する位置が導出される。時刻発生部56からは時刻データが測位演算部50に送られ、時刻信号と位置信号が位置送信部58に出力される。電源54は転倒位置通報装置44の駆動用電源である。
【0065】
転倒検出装置45も歩行する人に装着される装置で、人が転倒したときに第1転倒信号又は第2転倒信号を出力する装置である。加速度センサ2が判断回路を内蔵して加速度信号を処理して第1又は第2の転倒信号を出力できる場合には、加速度センサ2が転倒検出装置45に相当する。加速度センサ2は単に加速度を検出するだけで、転倒信号発生用の判断回路(コンピュータを含む)を別に配置する場合には、加速度センサ2と判断回路の全体が転倒検出装置45に相当する。
【0066】
人が転倒して、転倒検出装置45が転倒信号Sを位置送信部58に出力すると、位置送信部58はこの転倒信号Sをトリガーとして、この時点の位置信号を転倒位置信号と判断して外部に出力する。この信号は転倒位置通報信号Pとして無線で出力され、ナースセンターなどの転倒管理本部60に転倒位置を通報する。
【0067】
転倒管理本部60がこの転倒位置通報信号を受信すると、この信号を処理して転倒位置が図示しないディスプレイに表示される。転倒位置を確認すると、管理者は直ちに転倒場所に駆けつけて転倒者の救助活動に入る。この装置を用いると、転倒位置が地図に示されるから、救助活動を迅速に行える利点がある。
【0068】
この転倒位置通報装置44は単体で使用されるだけでなく、前述した転倒衝撃緩和装置と一緒に使用されると、人が転倒しても衝撃が緩和されて転倒者は骨折等の傷害を受けることが無く、しかも転倒位置が通報されるから、救助活動を迅速且つ円滑に進行することができる。
【0069】
図10は本発明においてコンピュータを用いた転倒救助装置のブロック図である。転倒救助装置62は、人の転倒を検出する転倒検出装置45と、この転倒検出装置45から出力される転倒信号Sにより転倒者を救助する救助装置73から構成されている。
【0070】
転倒検出装置45は加速度センサ2とA/D変換器64とコンピュータから構成され、コンピュータは入出力ポート66と中央演算処理装置68とROM70とRAM72から構成されている。加速度センサ2により計測される加速度信号はA/D変換されてコンピュータにより処理される。
【0071】
検出された加速度が基準加速度を超えると、コンピュータの判断で第1転倒信号Sが出力され、又は加速度が基準加速度を越えた状態が基準時間だけ継続すると第2転倒信号Sが出力される。第1転倒信号か第2転倒信号のいずれかの信号が人の転倒信号Sとなる。
【0072】
この転倒信号Sが救助装置73に入力されると、救助装置73の特徴に応じた救助活動が行われる。救助装置73には前述された各種の装置、即ちアラーム装置74、エアバッグ装置14、吊上装置34及び転倒位置通報装置44が存在する。これらの装置の1種類が選択されてもよいし、2種類以上の装置が選択されてもよい。
【0073】
簡単に説明すると、アラーム装置74はアラーム信号を発生して転倒を第3者に知らせ、エアバッグ装置14は転倒者又は床面に配置されて急膨張して人の転倒衝撃を緩和させ、吊上装置34は転倒時に人を吊上げて転倒を回避し、転倒位置通報装置44はGPS信号により人の転倒位置を演算して第3者に通報し、これらの装置を作動させて転倒者を迅速に救助することができる。
【0074】
図11は、図10に示す転倒救助装置の動作を第1転倒信号を用いて説明する第1フロー図である。ステップs1では、基準加速度a0の大きさが初期設定され、同時に救助モードmが選択される。パラメータmには救助動作を選択する1,2,3又は4の数字が入力される。
【0075】
ステップs2では、加速度センサ2により加速度aが計測される。加速度aとしては、落下に対して変化の大きなZ方向加速度az(鉛直方向加速度)が最適である。しかし、加速度センサ2が3次元方向の加速度を検出できる場合には、3次元方向の加速度aでも構わない。この加速度aはax、ay、azを用いてa=(ax 2+ay 2+az 2)1/2で算出される合成加速度である。
【0076】
ステップs3で、検出された加速度が基準加速度を越えるかどうかが判定され、超えていない場合にはステップs2に戻り、再び加速度を検出する。基準加速度を越えた場合には、第1転倒信号(s4)を発生する。条件式としてa>a0を採用したから、加速度aや基準加速度a0の値は絶対値で計測される。
【0077】
第1転倒信号を受けると、設定された救助モードmに従って救助動作に移行する。m=1ではアラーム信号(s5)を発生し、m=2ではエアバッグ(s6)を急膨張させ、m=3では転倒者を吊上げ(s7)、m=4では転倒位置を通報(s8)する。これらの救助動作によって、転倒者の迅速な救助活動が行われる。
【0078】
図12は、図10に示す転倒救助装置の動作を第2転倒信号を用いて説明する第2フロー図である。ステップt1では、基準加速度a0の大きさと基準時間の長さTが初期設定され、同時に救助モードmが選択される。a0の値は絶対値が使用されている。
【0079】
ステップt2では、継続時間τがゼロに設定されて継続時間τが進行し始める。この継続時間τは加速度が基準加速度を越えた状態の継続時間を測定するために用いられ、第2転倒信号を発生させるために必要な時間である。
【0080】
ステップt3では、加速度センサ2により加速度aが計測され、その絶対値が記憶される。加速度aとしては、前述と同様に落下に対して変化の大きなZ方向加速度az(鉛直方向加速度)が最適である。しかし、加速度センサ2が3次元方向の加速度を検出できる場合には、3次元方向の加速度aでも構わない。この加速度aはax、ay、azを用いてa=(ax 2+ay 2+az 2)1/2で算出される合成加速度である。
【0081】
ステップt4で、検出された加速度aが基準加速度a0を越えるかどうかが判定され、超えていない場合にはステップt2に戻り、継続時間τをゼロに再設定して再び進行させ、加速度を再検出(t3)する。基準加速度を越えた場合には、その時点の継続時間τが計測(t5)され、基準時間Tを超えているかどうかが判定(t6)される。
【0082】
継続時間τが基準時間Tを超えていない場合には、加速度の測定(t3)に戻り、同様のステップを繰り返す。継続時間τが基準時間Tを超えた場合には、第2転倒信号が送信(t7)される。この第2転倒信号は、加速度aが基準加速度a0を越えている継続時間が基準時間Tを超えたことを意味している。
【0083】
第2転倒信号を受けると、設定された救助モードmに従って救助動作に移行する。m=1ではアラーム信号(t8)を発生し、m=2ではエアバッグ(t9)を急膨張させ、m=3では転倒者を吊上げ(t10)、m=4では転倒位置を通報(t11)する。これらの救助動作によって、転倒者の迅速な救助活動が行われる。
【0084】
図13は本発明に係る転倒救助装置の第1実施形態のブロック図である。この転倒救助装置62は人が転倒したことを検出する転倒検出装置45と、転倒検出装置45からの転倒信号を受信して転倒者を緊急に救助する救助装置73から構成されている。
【0085】
まず、転倒検出装置45から説明する。加速度測定手段(加速度センサ)2によりZ方向加速度azが計測され、基準加速度設定手段80により設定された基準加速度a0と比較される。加速度判定手段78によりaz>a0の条件が判定されると計時手段82にその旨が出力される。
【0086】
az>a0の継続時間τが計時手段82により測定され、基準時間設定手段86により設定された基準時間Tと比較される。継続時間判定手段84によりτ>Tが判定されると、救助装置73に第2転倒信号が送信される。
【0087】
次に、救助装置はアラーム装置74、エアバッグ装置14、吊上装置34及び転倒位置通報装置44から構成される。第2転倒信号により、これらの救助装置73の一つ以上の装置が駆動され、転倒者の救助が行われる。これら装置の動作の詳細は既に詳述されているので、ここでは省略する。
【0088】
図14は本発明に係る転倒救助装置の第2実施形態のブロック図である。前述と同様に、転倒救助装置62は人が転倒したことを検出する転倒検出装置45と、転倒検出装置45からの転倒信号を受信して転倒者を緊急に救助する救助装置73から構成されている。
【0089】
この第2実施形態は、前述した第1実施形態とほぼ同様の構成であるから、同一部分については説明を省略し、相違点だけを以下に説明する。この第2実施形態はローパスフィルタ88を配置した点に特徴を有する。
【0090】
人は転倒するときに、スムーズに転倒するよりは微動しながら転倒することの方が多い。この微動成分は加速度測定手段(加速度センサ)2によりZ方向加速度azに直接現れる。図1及び図2から分かるように、負方向の極大部が出現する前に、加速度信号に高周波の振動成分が現れ、極大部にも重畳されている。
【0091】
この高周波振動成分は転倒検出に誤情報を与える可能性があり、転倒の検出精度を向上させるには、加速度信号からこの高周波成分を除去することが必要になる。従って、ローパスフィルタ88を加えることによって、加速度信号から低周波信号だけを選択して加速度判定手段78に出力する。
【0092】
従って、加速度判定手段78に入力される加速度信号は滑らかな負方向極大信号だけになる。この平滑化された加速度信号に対し、基準加速度a0と基準時間Tを対比して、人の転倒を確実に検出し、誤動作の無い転倒救助動作を行うことができる。
【0093】
図15は本発明に係る転倒救助装置の第3実施形態のブロック図である。前述と同様に、転倒救助装置62は人が転倒したことを検出する転倒検出装置45と、転倒検出装置45からの転倒信号を受信して転倒者を緊急に救助する救助装置73から構成されている。
【0094】
この第3実施形態は、前述した第2実施形態とほぼ同様の構成であるから、同一部分については説明を省略し、相違点だけを以下に説明する。この第3実施形態は3次元方向加速度を検出する点に特徴を有する。
【0095】
前述した加速度測定手段(加速度センサ)2はZ方向加速度azを選択的に検出してきた。この理由は、転倒時の落下加速度はZ方向(鉛直方向)に最も特徴的に現れると考えたからである。
【0096】
しかし、加速度センサ2が、X方向(ax)、Y方向(ay)及びZ方向(az)を測定するように構成されている場合には、これらの加速度成分から3次元方向加速度aを求めることもできる。3次元方向加速度aはa=(ax 2+ay 2+az 2)1/2により定義される。
【0097】
この第3実施形態では、加速度合成手段90を配置することによって、加速度成分ax、ay及びazから3次元方向加速度aを導出する。この3次元方向加速度aの低周波成分をローパスフィルタ88により選択して、加速度判定手段78に出力し、人の転倒を検出する。このように3次元方向加速度aにより人の転倒を検出して転倒者を救助することもできる。
【0098】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
【0099】
【発明の効果】
第1の発明によれば、人の転倒を鉛直下向きの加速度(Z方向加速度)により検出することができる。従来から人の転倒を加速度で検出することは困難であるという認識が一般的であった。転倒実験を繰り返す中で、人が完全に転倒する場合には、足が僅かに床面から離れ(足部の床反力がゼロに近い状態)、腰が浮いた状態が出現することを発見し、この短時間の自由落下状態を加速度センサで検出し、落下加速度が基準加速度を超えた段階で人の転倒判断を可能としたものである。人が加速度センサを装着するだけで人の転倒判定が可能となるから、病院や施設や家庭などで、特に高齢者の転倒を救助でき、転倒による骨折を回避して寝たきり状態や痴呆症などの低減に寄与することができる。
【0100】
第2の発明によれば、加速度が基準加速度を超えた状態が基準時間を超えることを計測して、人の転倒判定が可能となる。本発明者の研究により、人が転倒するときには、Z方向加速度が基準加速度を瞬間的に超えるだけでなく、超えた状態が一定時間継続する事実が初めて明らかにされた。従って、Z方向加速度が基準加速度を超えた状態が基準時間だけ継続することを判定して、人の転倒を確実に判断することが可能になる。転倒の確実な判定によって、救助活動の無駄を省き、高齢者の転倒による骨折を回避して寝たきり状態や痴呆症などの低減に寄与することができる。
【0101】
第3の発明によれば、加速度センサとエアバッグ装置を人体に装着して、加速度センサからの転倒信号によりエアバッグ装置を起動して、転倒者を完全に無傷で保護することができる。転倒事故が起こっても、床面や地面への激突による衝撃を緩和でき、人に骨折などの傷害を与えず、高齢者などの寝たきり等の事態を予防できる。
【0102】
第4の発明によれば、エアバッグ装置を人が歩行する床面又はその壁面に配置し、人体に加速度センサを装着して、加速度センサからの転倒信号によりエアバッグ装置を起動して、転倒者を完全に無傷で保護することができる。人に装着される加速度センサからの転倒信号を無線で受信するように構成すれば、人はエアバッグ装置に全く拘束されない。つまり、エアバッグ装置は床面又はその壁面に配置されるから、人は装着する負担から解放され、特に高齢者にとっては負担感の無い転倒救助装置が提供される。
【0103】
第5の発明によれば、天井面又は壁面に固定された吊上部材から垂下された保護用紐を人体に緩く係止し、人体に装着された加速度センサからの転倒信号により吊上装置を緊急に起動して、転倒者を完全に無傷で保護することができる。
【0104】
第6の発明によれば、加速度センサからの転倒信号によりアラーム信号を発生して、転倒事故を第三者に通報することができる。アラーム装置から出力されるアラーム信号には、音・光・無線など種々の伝達信号があり、病院などでは音信号と同時にナースセンターへの無線信号が用いられる。人が転倒すると、アラーム信号を発して第三者に人の転倒を通報し、転倒に対する緊急の救援体制をとることができる。このアラーム装置を前述した転倒救助装置と併用することにより、効果的な転倒救助体制を取ることができる。
【0105】
第7の発明によれば、加速度センサからの転倒信号により、人が転倒した位置を第三者に通報して、転倒者の救助活動を迅速確実に行うことができる。転倒位置の検出は、自動車などの運転に使用されるGPS装置によるナビゲーションシステムが利用され、転倒位置が確実に捕捉される。この転倒位置通報装置を前述した転倒救助装置と併用することにより、効果的な転倒救助体制を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において人体の重心近傍に加速度センサを装着して左側方又は右側方に転倒した場合におけるZ方向加速度(鉛直方向加速度)の信号波形図である。
【図2】本発明において人体の重心近傍に加速度センサを装着して左後側方又は後方に転倒した場合におけるZ方向加速度(鉛直方向加速度)の信号波形図である。
【図3】本発明においてZ方向加速度azの波形に対し基準加速度a0と基準時間Tの関係説明図である。
【図4】本発明に用いられる加速度センサ2の構造原理図である。
【図5】本発明において加速度センサ2からの転倒信号を受信して人体保護用のバッグを急膨張させるエアバッグ装置14の概略説明図である。
【図6】本発明においてエアバッグ装置14を人体に着用して転倒時の衝撃を緩和する転倒救助装置の動作説明図である。
【図7】本発明においてエアバッグ装置14を床面に配置して転倒時の衝撃を緩和する転倒救助装置の動作説明図である。
【図8】本発明において吊上装置34を天井に配置して転倒時の衝撃を緩和する転倒救助装置の動作説明図である。
【図9】本発明において転倒検出装置からの転倒信号を受信して転倒位置通報装置により転倒位置を外部に通報する転倒救助装置のブロック図である。
【図10】本発明においてコンピュータを用いた転倒救助装置のブロック図である。
【図11】図10に示す転倒救助装置の動作を第1転倒信号を用いて説明する第1フロー図である。
【図12】図10に示す転倒救助装置の動作を第2転倒信号を用いて説明する第2フロー図である。
【図13】本発明に係る転倒救助装置の第1実施形態のブロック図である。
【図14】本発明に係る転倒救助装置の第2実施形態のブロック図である。
【図15】本発明に係る転倒救助装置の第3実施形態のブロック図である。
【図16】転倒時の衝撃を吸収するために衝撃吸収体を下着の内側に装着する従来の衝撃吸収下着の説明図である。
【符号の説明】
2は加速度センサ(加速度測定手段)、4はフレーム、6はウェイト、8はスプリング、10はダンパ、12は信号発生部、14はエアバッグ装置、16はコントロールユニット、18は点火部材、20はインフレータ、22はガス発生剤、24はバッグ、28は人、30は床、32は受信センサ、33はモータ、34は吊上装置、36は支持部材、38はフリーローラ、40は保護用紐、44は転倒位置通報装置、45は転倒検出装置、46はGPSアンテナ、48は信号処理部、50は測位演算部、52は記憶部、54は電源、56は時刻発生部、58は位置送信部、60は転倒管理本部、62は転倒救助装置、64はA/D変換器、66は入出力ポート、68は中央演算処理装置、70はROM、72はRAM、73は救助装置、74はアラーム装置、78は加速度判定手段、80は基準加速度設定手段、82は計時手段、84は継続時間判定手段、86は基準時間設定手段、88はローパスフィルタ、90は加速度合成手段、92は大腿骨、92aは大腿骨頸部、94は衝撃吸収下着、96は衝撃吸収体、aは加速度、a0は基準加速度、axはX方向加速度、ayはY方向加速度、azはZ方向加速度(鉛直方向加速度)、ALはアラーム信号、Gはガス、Pは転倒位置通報信号、Sは転倒信号、Tは基準時間、τは継続時間。
Claims (6)
- 人体の所要位置に加速度センサを装着し、人が転倒するときに鉛直下向きの負方向の加速度a z を前記加速度センサで検出することにより人の転倒を検出する転倒検出方法において、人が左側方、右側方、左後側方又は後方に転倒する場合に、転倒開始時から0.3〜0.75(s)の間に重力加速度−9.8(m / s 2 )より小さいピーク値を有する加速度a z を検出し、前記加速度a z が設定された基準加速度a 0 を超えることを検出し、しかもこの基準加速度a 0 を超えた状態が設定された基準時間Tを越えることにより、人の転倒を検出し、前記基準加速度a 0 をa 0 ≧−4.0(m / s 2 )の範囲で設定し、前記基準時間 T を T ≦0.20(s)の範囲で設定することを特徴とする転倒検出方法。
- ガスで急膨張するバッグとこのバッグにガスを爆発的に注入するインフレータとインフレータを起動させる点火部材からなる人体に装着したエアバッグ装置と、人体の所定位置に装着した加速度センサを有し、鉛直下向きの負方向の加速度a z を前記加速度センサで検出することにより人の転倒を検出し、前記エアバッグ装置を起動して人体に作用する転倒衝撃を緩和する転倒救助装置において、前記加速度センサが、人が左側方、右側方、左後側方又は後方に転倒する場合に、転倒開始時から0.3〜0.75(s)の間に重力加速度−9.8(m / s 2 )より小さいピーク値を有する加速度a z を検出し、前記加速度a z が設定された基準加速度a 0 を超えることを検出し、しかもこの基準加速度a 0 を超えた状態が設定された基準時間 T を越えた時に前記エアバッグ装置を起動し、前記基準加速度a 0 をa 0 ≧−4.0(m / s 2 )の範囲で設定し、前記基準時間 T を T ≦0.20(s)の範囲で設定することを特徴とする転倒救助方法。
- ガスで急膨張するバッグとこのバッグにガスを爆発的に注入するインフレータとインフレータを起動させる点火部材からなるエアバッグ装置を人が歩行する床面又はその壁面に配置し、人体の所定位置に加速度センサを装着し、鉛直下向きの負方向の加速度a z を前記加速度センサで検出することにより人の転倒を検出し前記エアバッグ装置を起動して人体に作用する転倒衝撃を緩和する転倒救助装置において、前記加速度センサが、人が左側方、右側方、左後側方又は後方に転倒する場合に、転倒開始時から0.3〜0.75(s)の間に重力加速度−9.8(m / s 2 )より小さいピーク値を有する加速度a z を検出し、前記加速度a z が設定された基準加速度a 0 を超えることを検出し、しかもこの基準加速度a 0 を超えた状態が設定された基準時間 T を越えた時に前記エアバッグ装置を起動し、前記基準加速度a 0 をa 0 ≧−4.0(m / s 2 )の範囲で設定し、前記基準時間 T を T ≦0.20(s)の範囲で設定することを特徴とする転倒救助方法。
- 天井面又は壁面に固定された吊上部材とこの吊上部材から吊上可能に垂下された保護用紐からなる吊上装置を配置し、前記保護用紐を人体に係止し、人が転倒した際に吊上装置の駆動により保護用紐を吊上げて人の転倒を防止する転倒救助装置であって、人体の所定位置に装着された加速度センサが、人が左側方、右側方、左後側方又は後方に転倒する場合に、転倒開始時から0.3〜0.75(s)の間に重力加速度−9.8(m / s 2 )より小さいピーク値を有する加速度a z を検出し、前記加速度a z が設定された基準加速度a 0 を超えることを検出し、しかもこの基準加速度a 0 を超えた状態が設定された基準時間 T を越えた時に前記転倒救助装置における前記吊上げ装置の駆動により前記保護用紐を吊上げて人の転倒を防止し、前記基準加速度a 0 をa 0 ≧−4.0(m / s 2 )の範囲で設定し、前記基準時間 T を T ≦0.20(s)の範囲で設定することを特徴とする転倒救助方法。
- 人体の所定位置に装着した加速度センサと、この加速度センサの転倒信号によりアラーム信号を発生して第三者に通報するアラーム装置を有し、鉛直下向きの負方向の加速度a z を前記加速度センサで検出することにより人の転倒を検出し、前記アラーム装置を起動さ せ第三者に通報する転倒救助装置において、前記加速度センサが、人が左側方、右側方、左後側方又は後方に転倒する場合に、転倒開始時から0.3〜0.75(s)の間に重力加速度−9.8(m / s 2 )より小さいピーク値を有する加速度a z を検出し、前記加速度a z が設定された基準加速度a 0 を超えることを検出し、しかもこの基準加速度a 0 を超えた状態が設定された基準時間 T を越えた時に前記アラーム装置を駆動し、前記基準加速度a 0 をa 0 ≧−4.0(m / s 2 )の範囲で設定し、前記基準時間 T を T ≦0.20(s)の範囲で設定することを特徴とする転倒救助方法。
- GPS信号を受け取るGPSアンテナと地図データを格納した記憶部とこのGPS信号と地図データから位置を導出する測位演算部と導出された位置を外部に通報する位置送信部からなる人体に装着された転倒位置通報装置と、人体の所定位置に装着された加速度センサを有し、鉛直下向きの負方向の加速度a z を前記加速度センサで検出することにより人の転倒を検出して、前記位置送信部から人の転倒位置を外部に通報する転倒救助装置において、前記加速度センサが、人が左側方、右側方、左後側方又は後方に転倒する場合に、転倒開始時から0.3〜0.75(s)の間に重力加速度−9.8(m / s 2 )より小さいピーク値を有する加速度a z を検出し、前記加速度a z が設定された基準加速度a 0 を超えることを検出し、しかもこの基準加速度a 0 を超えた状態が設定された基準時間 T を越えた時に、前記位置送信部から人の転倒位置を外部に通報し、前記基準加速度a 0 をa 0 ≧−4.0(m / s 2 )の範囲で設定し、前記基準時間 T を T ≦0 . 20(s)の範囲で設定することを特徴とする転倒救助方法。
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