JP3925385B2 - 型内被覆成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型内で樹脂を成形した後、樹脂成形品と金型キャビティ面との間に塗料を注入し硬化させ、樹脂成形品の表面に被膜(塗膜と称することもある)を形成する型内被覆成形方法に用いる型内被覆成形用金型に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、熱可塑性樹脂を基材とした樹脂成形品の装飾性を高める方法として、塗装法による加飾が多く用いられている。
従来から行われている塗装法は、金型内で射出成形した成形品を該金型から取り出した後、スプレー法や浸漬法等により、成形品の表面に塗料の塗布を行うことが一般的であり、塗布された塗料はその後硬化することによって、強固な塗膜となって成形品の表面を被覆し、該表面を加飾するとともに保護する。
【0003】
しかしながら、近年においては前記塗装方法による工程の省略化を目的とし、樹脂の成形と塗膜による被覆を同一の金型内で行う型内被覆成形方法(インモールドコーティング方法と称されることもある)が提案されている。
【0004】
前記型内被覆成形方法の一例として、図7にそのフローチャートの概略を示す。図7に示した従来の型内被覆成形方法は、熱可塑性樹脂を基材として金型内で射出成形した後、金型をわずかに開いた状態として型内で成形した樹脂成形品と金型キャビティ面との間に隙間を生じさせ、該隙間に塗料注入機を使用して塗料を注入する。その後、金型を再度型締することによって成形品の表面に塗料を均一に拡張させた後、硬化させて被覆することを特徴とした型内被覆成形方法である。
【0005】
前記型内被覆成形方法によれば、熱可塑性樹脂の成形と前記被覆を同一の金型内で行うため、工程の省略化によるコストダウンが可能であると同時に、浮遊している塵が硬化する以前の塗膜に付着して不良となる等といったことがほとんどなく、高い品質の製品を得ることができる。そのため、特に、外観に対して高い品質が要求される自動車用の部品、例えば、ドア、バンパー、ドアミラーカバー、フェンダー等多くの部品には、前記型内被覆成形方法の利用が検討されている。
【0006】
前記型内被覆成形方法に用いることのできる金型としては、特許文献1、あるいは特許文献2にその例を示めされるように、金型キャビティの外に塗料が漏れ出すことを防止するための型内被覆成形用金型が数多く提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−127198号公報
【特許文献2】
特開2002−127199号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記型内被覆成形方法で塗膜される塗装は、意匠面全体に塗料を1種類しか用いていない単色塗装であることがほとんどである。そのため、前記前記型内被覆成形方法に用いられる型内被覆成形用金型も単色全面塗装を想定して設計されたものである。
【0010】
前記従来の想定で設計された金型を用いて多色塗装成形品を成形しようとした場合に、例え、色が異なる塗料注入機を2台を金型に備えたとしても、色の境界をどうやって所望の形状とするか、その制御は極めて困難であって、所望の形状とすることは難しい。また、仮に塗料の注入位置、注入量、また注入タイミング等を試行錯誤することによって、色の境界をある程度まで所望の形状にできたとしても、境界部分で異なる色が混濁するといった問題を生じることは避けられない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、2種類以上の塗料で塗装を行う多色塗装、また必要に応じて樹脂成形品の一部のみを塗装する部分塗装を行うことのできる型内被覆成形用金型を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明による型内被覆成形用金型は、
(1) 雄型と雌型により形成した金型キャビティを有し、該金型キャビティで成形した樹脂成形品の表面に該金型キャビティ内で被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型において、塗料を注入しない側の金型キャビティ面に該金型キャビティ面を区切って分割する溝部を形成して、該溝部に略一致する形状で該溝部の中を金型型開閉方向に摺動する可動駒を該溝部に配するとともに、該可動駒を金型キャビティ側に移動させる押圧機構を備えることによって、該可動駒をキャビティ内に挿脱可能とし、前記溝部で区切られた金型キャビティ面の分割域に対して、前記塗料注入機の塗料注入口をそれぞれ1箇所ずつ対向するように配した。
【0014】
(2) (1)記載の型内被覆成形用金型において、前記押圧機構を、可動駒に連結されて溝部内に配された複数個のバネとした。
【0015】
(3) (1)記載の型内被覆成形用金型において、前記押圧機構を、可動駒に連結されて溝部内に配された油圧シリンダ、または空圧シリンダとした。
【0016】
(4) モールを境に異なる2色の塗膜で被覆された自動車用ドアの成形に用いる(1)から(3)までのいれか一項に記載の型内被覆成形用金型。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明による型内被覆成形用金型の実施形態について説明する。図1〜図5は本発明の実施形態に係わり、図1は型内被覆成形用金型の構成を説明するため概略の構造を示した構造図であり、図2は型内被覆成形用金型に配した可動駒の挙動を説明する概念図である。図3は可動型に配設した可動駒の配置を説明するための図であり、図4は他の押圧機構を有した金型の可動駒の挙動を説明するための概念図である。図5は本実施形態による型内被覆成形用金型を用いた型内被覆成形方法の工程を説明するためのフローチャートである。
図6は他の実施形態による型内被覆成形用金型を用いた型内被覆成形方法の工程を説明するフローチャートである。図7は従来法による型内被覆成形方法の工程を説明するフローチャートである。
【0018】
本発明に係わる型内被覆成形用金型100(金型100と称することもある)の好ましい1例についてその構造を図1を用いて以下詳細に説明する。
本発明による金型100は、可動型10、固定型20、可動駒1、バネ式押圧機構3、及び2台の塗料注入機50A、50B、を備えている。
なお、図1に示した実施形態の1例においては、可動型10が雌型であり、固定型20が雄型である。
【0019】
金型100は、雄型である固定型20と雌型である可動型10とがくいきり構造の嵌合部で嵌め合わされ、該嵌め合わされた状態でその内部に金型キャビティ15を形成する構造となっており、該くいきり構造の嵌合部(くいきり部と称することもある)は金型キャビティ15の全周にわたって形成される。
そして、金型100はくいきり部にて金型キャビティ15に充填した樹脂が、該金型100から漏れ出すことを防止することができる。
【0020】
以下、図1に示した溝部5と可動駒1についてその詳細を説明する。
図1に示した金型100の塗料注入しない側の金型である固定型20の金型キャビティ面に断面矩形の溝部5を加工する。金型100を開いて、可動型10側から固定型20の金型キャビティ面を見たときの溝部5の形状は、図3に示すように固定型20の金型キャビティ面を長て方向に縦断することによって、金型キャビティ面を2つに区切って分割し、2つの分割域を形成している。
【0021】
また、前記2つの分割域に対して、それぞれ塗料注入口51A、及び51Bが対向するように配設されており、該2つの塗料注入口51A、51Bにはそれぞれ塗料注入機50A、及び50Bが接続されて、2つの分割域に異なる種類の塗料を注入できるよう構成されている。
なお、図1に示した金型の分割域の被覆表面積は、それぞれ500cmと300cmである。
【0022】
可動駒1は、前述した溝部5のキャビティ側部分の形状に略一致する形状であって、溝部5の中を金型型閉方向に摺動できるようその形状が形成されている。
なお、図3に示した金型100の実施形態においては、分割域が2つしかないことから可動駒1を1つとしたが、分割域が2個以上必要である場合は必要に応じて、可動駒1を複数個設けて良い。また、分割域の形状が複雑である等といった理由によって可動駒1が1つでは溝部5の形状に対応できない場合は、可動駒1を複数個設けても良い。
【0023】
ここで、図1に示す実施形態において使用した可動駒1は、ステンレス鋼材製の部材を使用した。というのは、型本体を傷つけないとういう点で、固定型20を構成する部材より硬度が低い材質を可動駒1の材質として用いるのが好ましいからである。従って、比較的硬度の低いステンレス材や銅材等を可動駒1に用いることは好ましい。しかし、本発明に適応できる可動駒1の材質は、実施形態に用いた材質に限るものではなく、その他の鋼材、SC材、合金製等、あるいはその他の金属製であっても勿論良い。
【0024】
また、図1に示す実施形態においては、溝部5に連設してバネ3の一部を嵌めこむための空隙を形成している。そして、該空隙にバネ3を入れることにより、溝部5に配設した可動駒1を金型キャビティ15内に押圧することによって、該可動駒1の一部を金型キャビティ15内に挿入する構造となっている。
図1にその構造を概念的に示すが、成形前、樹脂などが金型内に充填されていない状況においては、可動駒1は押圧機構であるバネ3押されて、その一部を金型キャビティ15内に挿入した状態となっている。
なお、後述する樹脂充填の際に、樹脂充填圧力によりバネが圧縮されることによって、可動駒1が反キャビティ側に移動して、図2(2)に示したように可動駒1のキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置されることが好ましい。
【0025】
従って、バネ3は、樹脂充填圧力によりバネ3が圧縮されて可動駒1のキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置になるようなバネ定数のものに選定しておくことが好ましい。
また、溝部5と前記バネを入れる空隙の間に可動駒1の後退量を規制するストッパを形成し、樹脂充填圧力によりバネが圧縮されて、可動駒1が反キャビティ側に移動してきた際に、該ストッパにより可動駒1の移動量を規制して、可動駒1のキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置されるような構成にしておくことはさらに好ましい。
【0026】
なお、図1に示した実施形態においては、バネ3を入れる空隙と溝部5との間に図示しない突起を形成し、該溝部5を反キャビティ側に摺動して移動してきた可動駒1が該突起部に引っかかって、それ以上反キャビティ側に移動しないような構成としており、可動駒1が突起部に引っかかって停止する時点で、可動駒1のキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置されるような構成にした。
【0027】
次に、塗料注入機50A及び50Bについて簡単に説明する。
本実施の形態における塗料注入機50Aは、可動型10に取り付けられて、可動型10の金型キャビティ面に配設された塗料注入口51Aより金型キャビティ15内に塗料を注入することができるよう構成されている。また、塗料注入機50Aの塗料注入口51Aには図示しないバルブが取りつけられており、基材の射出成形時においては、該バルブが閉じられていることによって、金型100の金型キャビティ15内に射出された樹脂が塗料注入口51Aより塗料注入機50A内に進入することを防止している。
【0028】
そして、本実施の形態における塗料注入機50Aは、図示しない駆動装置によって駆動されて、塗料注入機50Aの中に供給された塗料を、所望する量だけ正確に可動型10の金型キャビティ面より注入することができるよう構成されている。
【0029】
なお、本実施の形態における塗料注入機50Aは、前記したように可動型10の金型キャビティ面より塗料を注入するよう構成したが、これに限るものではなく、金型キャビティ15内で成形した樹脂成形品と金型キャビティ面との間に生じた隙間部分に塗料を注入できるように構成すれば良く、その条件を満たせば塗料注入機50Aは固定型20に取りつけられる等しても良い。
【0030】
また、本実施の形態においては、前記した塗料注入機50Aと同一構成の塗料注入機50Bが、可動型10の金型キャビティ面に配設された塗料注入口51Bより金型キャビティ15内に塗料を注入することができるよう構成されている。そして、塗料注入口51Aと51Bは、図3にその配置を説明するように、溝部5により区切られた2つの分割域に塗料注入口を対向させるようにして、それぞれ1つずつが配されている。
【0031】
以下、金型100を用いた型内被覆成形方法の詳細を図1、図2および図5を用いて説明する。
まず、第1の工程として、図示しない型締装置により金型100を型締めする。この状態において、可動駒1は図2(1)に示すように、押圧機構であるバネ3押されて、その一部を金型キャビティ15内に挿入した状態となっている。
【0032】
そして、基材である熱可塑性樹脂を金型内に射出(本実施の形態においては、基材としてABS樹脂:宇部サイコン株式会社製 UT20B)する。この際に、図2(2)に示したように可動駒1を押圧するバネは樹脂の充填圧力に負ける。そのため、可動駒1はキャビティ側から後退するが、図示しないストッパによって、可動駒1のキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置されるような位置で停止する。
【0033】
その後、基材をある程度(後述する塗料の注入圧力に耐えうる程度)まで冷却させる。基材の冷却後、図2(3)に示すように金型をわずかに開いた状態(本実施の形態においては1mmほど型開方向に可動型10を移動させた状態)として、金型キャビティ15内で成形した樹脂成形品と可動型10の金型キャビティ面との間に隙間を生じさせる。
【0034】
この際、可動駒1は押圧機構であるバネ3に押されて、図2(3)に示したように、その一端を先に成形した樹脂成形品に当接させており、該成形品の一部を塗料を注入する側の金型キャビティ面に押しつけた状態となっている。
前記隙間を生じさせた後、塗料注入機50Aによって塗料注入口51Aから前記隙間に対して塗料を5ml(ミリリットル)注入する。なお、本実施形態で用いた第1の塗料は、プラグラス#8000:白色(大日本塗料株式会社製)である。
【0035】
また、塗料注入機50Aにより塗料を注入すると同時に、塗料注入機50Bによって塗料注入口51Bから前記隙間に対して第2の塗料を3ml(ミリリットル)注入する。なお、本実施形態で用いた第2の塗料は、プラグラス#8000:赤色(大日本塗料株式会社製)である。
【0036】
前記隙間に塗料を注入した際において、2つの異なる塗料は、図2(4)に示したように溝部5から金型キャビティ15内に突出した可動駒1により金型キャビティ面に押しつけられた成形品の一部分で、区分されて互いに交わることなく、それぞれの分割域の成形品の表面を流動する。
【0037】
塗料を注入した後、可動型10を固定型20の方向に移動させ金型100を再度閉じて型締めすることにより、隙間の中の塗料を押し広げながら流動させ、金型100の金型キャビティ15内の被覆領域の隅々まで行き渡らせると同時に圧力をかけたままの状態とする。
なお、バネ3に押圧された可動駒1は、成形品に当接したままの状態で金型の型締めに伴って徐々に反キャビティ側に移動する。隙間の中の塗料は押し広げられながら流動して、互いに交わることなく、それぞれの分割域の成形品の表面を被覆する。本実施形態において、基材の上に形成される塗膜の厚さは0.1mm程度であった。
【0038】
なお、金型キャビティ面に押しつけられた成形品の一部分に被覆が施されないという問題を生じる場合もあるが、該被覆が施されない部分が意匠面となる場合には、外観を向上させる対策を施せば良く、そのような場合は、シールの添付等により外観を向上させれば良い。
例えば、自動車用ドアを成形する場合は、ドアの上部と下部で色が異なることが多いが、色の境界部分には通常モール等が貼りつけられており、被覆を施す必要はない。このような場合に本発明を適応することは非常に有効であるので、色の異なるモール付きの自動車ドアに本発明を適応することは非常に効率的であって好ましい。
【0039】
次ぎに、他の実施形態として、押圧機構に油圧シリンダ7を用いた場合を、図4(1)及び図6を用いて説明するが、押圧機構に油圧シリンダ7を用いた実施形態は、先に説明した実施形態と、押圧機構の構成とその作動方法が異なっているだけなので、その部分についてのみ説明する。
【0040】
図4(1)に示す実施形態においては、溝部5に連設して油圧シリンダ7を嵌めこむための空隙を形成しており、該空隙に油圧シリンダ7を入れることによって、油圧シリンダ7のシリンダロッドに接続されて溝部5に配設した可動駒1Aを金型キャビティ15内に押圧する構成となっている、
そして、油圧シリンダを作動させることによって、シリンダロッドをキャビティ側に前進させれば、可動駒1Aの一部を金型キャビティ15内に挿入でき、シリンダロッドをキャビティ側から後退させれば、該可動駒1Aを金型キャビティ15外に移動させることができる。
そして、油圧シリンダにストロークセンサを取付ければ、可動駒1Aのキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置することも容易に可能である。
【0041】
以下、油圧シリンダ7方式の押圧機構を備えた金型100を用いた型内被覆成形方法の詳細を図6を用いて説明する。
まず、第1の工程として、図示しない型締装置により金型100を型締めする。この状態において、可動駒1Aは、押圧機構で油圧シリンダに制御されて、可動駒1Aのキャビティ側端面と金型キャビティ面とが同一平面状に配置された状態となっている。
【0042】
そして、基材である熱可塑性樹脂を金型内に射出(先の実施の形態と同様に、基材としてABS樹脂:宇部サイコン株式会社製 UT20B)する。その後、基材をある程度(後述する塗料の注入圧力に耐えうる程度)まで冷却させる。
基材の冷却後、金型をわずかに開いた状態(先の実施の形態と同様に、1mmほど型開方向に可動型10を移動させた状態)として、金型キャビティ15内で成形した樹脂成形品と可動型10の金型キャビティ面との間に隙間を生じさせる。
【0043】
隙間を生じさせた後、油圧シリンダ7を作動させて、可動駒1Aをキャビティ側に移動させることにより、可動駒1Aの一端を樹脂成形品に当接させた状態で、その一部を金型キャビティ15内に挿入した状態とする。
前記隙間を生じさせた後、塗料注入機50Aによって塗料注入口51Aから前記隙間に対して前述した第1の塗料を注入する。
また、塗料注入機50Aにより塗料を注入すると同時に、塗料注入機50Bによって塗料注入口51Bから前記隙間に対して前述した第2の塗料を注入する。
【0044】
前記隙間に塗料を注入した際において、2つの異なる塗料は、溝部5から金型キャビティ15内に突出した可動駒1Aにより金型キャビティ面に押しつけられた成形品の一部分で、区分されて互いに交わることなく、それぞれの分割域の成形品の表面を流動する。
【0045】
塗料を注入した後、可動型10を固定型20の方向に移動させ金型100を再度閉じて型締めすることによって、隙間の中の塗料を押し広げながら流動させ、金型100の金型キャビティ15内の被覆領域の隅々まで行き渡らせると同時に圧力をかけたままの状態とする。
なお、油圧シリンダに押圧された可動駒1Aは、成形品に当接したままの状態で金型の型締めに伴って徐々に反キャビティ側に移動するようその油圧を調整しておく。隙間の中の塗料は押し広げられながら流動して、互いに交わることなく、それぞれの分割域の成形品の表面を被覆する。
【0046】
なお、本発明に使用できる押圧機構は、前述したバネや油圧シリンダ7に限らず、空圧シリンダであっても良く。また図4(2)に示すような電磁石9を使用して可動駒1を固定型20に引っ張るような方式のものであっても良い。
【0047】
また、本発明の型内被覆成形用金型を用いて樹脂成形品の一部にだけ被覆を施したい場合は、被覆を施したい部分と施したくない部分を可動駒1により区切って分割し、被覆を施したい分割域に対向するように塗料を注入すれば良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明においては、押圧機構により金型キャビティ内に挿入した可動駒によって、樹脂成形品の被覆領域を所望の形状に分割することができるので、樹脂成形品を2種類以上の塗料で多色塗装することができ、また必要に応じて樹脂成形品の一部のみを塗装することも可能である。
【0049】
また、前記押圧機構をバネとすれば、簡単な構成の金型で前記成形を行うことも可能である。また、前記押圧機構を油圧シリンダとすれば精度の高い成形を安定して容易に実施することが可能である。
【0050】
特に本発明を、モールを境に異なる2色の塗膜で被覆された自動車ドアに本発明を適応することは非常に効果的であって好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる型内被覆成形用金型の構成を説明するための構造図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる型内被覆成形用金型に配した可動駒の挙動を説明する概念図である。
【図3】本発明の実施形態に係わる可動型に配設した可動駒の配置を説明するための説明図である。
【図4】本発明による他の実施形態に係わる型内被覆成形用金型に配した押圧機構を説明する概念図である。
【図5】本実施形態による型内被覆成形用金型を用いた型内被覆成形方法の工程を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明による他の実施形態による型内被覆成形用金型を用いた型内被覆成形方法の工程を説明するフローチャートである。
【図7】従来法による型内被覆成形方法の工程を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 可動駒
1A 可動駒
1B 可動駒
3 バネ(押圧機構)
5 溝部
7 油圧シリンダ(押圧機構)
9 電磁石
15 金型キャビティ
10 可動型
20 固定型
50A 塗料注入機
51A 塗料注入口
50B 塗料注入機
51B 塗料注入口
100 型内被覆成形用金型

Claims (4)

  1. 雄型と雌型により形成した金型キャビティを有し、該金型キャビティで成形した樹脂成形品の表面に該金型キャビティ内で被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用金型において、
    塗料を注入しない側の金型キャビティ面に該金型キャビティ面を区切って分割する溝部を形成して、該溝部に略一致する形状で該溝部の中を金型型開閉方向に摺動する可動駒を該溝部に配するとともに、該可動駒を金型キャビティ側に移動させる押圧機構を備えることによって、該可動駒をキャビティ内に挿脱可能とし、前記溝部で区切られた金型キャビティ面の分割域に対して、前記塗料注入機の塗料注入口をそれぞれ1箇所ずつ対向するように配したことを特徴とする型内被覆成形用金型。
  2. 前記押圧機構は、可動駒に連結されて溝部内に配された複数個のバネからなる請求項1に記載の型内被覆成形用金型。
  3. 前記押圧機構は、可動駒に連結されて溝部内に配された油圧シリンダ、または空圧シリンダからなる請求項1に記載の型内被覆成形用金型。
  4. モールを境に異なる2色の塗膜で被覆された自動車用ドアの成形に用いる請求項1から請求項までのいれか一項に記載の型内被覆成形用金型。
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