JP3925324B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気圧縮式冷凍機を用いた空調装置に関するもので、車両用空調装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
通常、車両用空調装置では、エンジンの廃熱を熱源とするヒータにより室内に吹き出す空気を加熱しているので、蒸気圧縮式冷凍機の蒸発器により室内に吹き出す空気を冷却除湿しながら、その冷却除湿した空気をヒータにより所望の温度まで加熱することができる。
【0003】
しかし、電気自動車(ハイブリッド車も含む。)やディーゼルエンジン自動車等の比較的廃熱量が小さい自動車では、冷却除湿した空気をヒータにより所望の温度まで加熱することが難しい。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来の異なる新規な空調装置を提供し、第2には、廃熱が無い場合又は少ない場合であっても、除湿加熱(除湿暖房)することができる空調装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、冷媒と室外空気とを熱交換する室外熱交換器(20)と、冷媒と室内に吹き出す空気とを熱交換する第1、2室内熱交換器(31、32)と、高圧冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル(41)、及びノズル(41)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒を吸引するとともに、冷媒流と吸引した冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させる昇圧部(42、43)を有するエジェクタ(40)と、高圧冷媒を等エンタルピ的に減圧膨張させる減圧手段(70)と、エジェクタ(40)下流側の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄える気液分離器(50)と、減圧手段(70)を迂回させて冷媒を流す第1バイパス通路(71)と、第1バイパス通路(71)を開閉する第1バイパス弁(72)と、エジェクタ(40)を迂回させて冷媒を気液分離器(50)へ導く第2バイパス通路(74)と、第2バイパス通路(72)を開閉する第2バイパス弁(73)と、第2室内熱交換器(32)にて熱交換させる通過空気量を調整する通過空気量調整手段(81)と、第1バイパス弁(72)、第2バイパス弁(73)及び通過空気量調整手段(81)の作動を制御する電子制御装置(90)とを備え、気液分離器(50)の気相冷媒流出口は、圧縮機(10)の吸入側に接続され、気液分離器(50)の液相冷媒流出口は、第1熱交換器(31)の流入側に接続され、第2室内熱交換器(32)には、圧縮機(10)吐出冷媒が流入し、減圧手段(70)は、第2室内熱交換器(32)下流側に設けられ、室外熱交換器(20)には、減圧手段(70)下流側の冷媒が流入し、エジェクタ(40)には、室外熱交換機(20)下流側の冷媒が流入し、第1室内熱交換器(31)に流入した液相冷媒は、エジェクタ(40)へ吸引されるようになっており、室内の熱を室外に放熱する冷房運転時には、電子制御装置(90)により、第1バイパス弁(72)を開き、第2バイパス弁(73)を閉じ、かつ、通過空気量調整手段(81)を通過空気量が0となるように制御することで、第1室内熱交換器(31)にてエジェクタ(40)で減圧された冷媒に吸熱させながら、室外熱交換器(20)にて放熱させ、室外の熱を室内に放熱する暖房運転時には、電子制御装置(90)により、第1バイパス弁(72)を閉じ、第2バイパス弁(73)を開き、かつ、通過空気量調整手段(81)を通過空気量が最大となるように制御することで、室外熱交換器(20)にて減圧手段(70)で減圧された冷媒に吸熱させながら、第2室内熱交換器(32)にて放熱させ、さらに、室内に吹き出す空気を除湿する除湿運転時には、電子制御装置(90)により、第1バイパス弁(72)を閉じ、第2バイパス弁(73)を閉じ、かつ、通過空気量調整手段(81)を第2室内熱交換器(32)にて冷媒と室内に吹き出す空気が熱交換し得る状態となるように制御することで、第1室内熱交換器(31)にてエジェクタ(40)で減圧された冷媒に吸熱させながら、第2室内熱交換器(32)にて放熱させる空調装置を特徴とする。
【0006】
これにより、従来の異なる新規な空調装置を得ることができるとともに、廃熱が無い場合又は少ない場合であっても、除湿加熱(除湿暖房)することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、第1、2室内熱交換器(31、32)は、冷媒と室内空気とを直接的に熱交換することを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明では、第2室内熱交換器(32)を通過する室内空気量を調節する通過空気量調節手段(81)を備えることを特徴とするものでる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、第2室内熱交換器(32)は、第1室内熱交換器(31)より空気流れ下流側に設置されていることを特徴とするものである。
【0010】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る空調装置を電気自動車用の空調装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る空調装置の模式図である。
【0012】
圧縮機10は電動モータにより駆動されて冷媒を吸入圧縮するものであり、室外熱交換器20は圧縮機10から吐出した冷媒と室外空気とを熱交換して冷媒を冷却又は加熱するものであり、第1、2室内熱交換器31、32は室内に吹き出す空気と媒とを熱交換させるものである。
【0013】
このとき、第2室内熱交換器32は、空調ケーシング80内において第1室内熱交換器31より空気流れ下流側に設置されているとともに、そのコア面には、第2室内熱交換器32を通過する室内空気量を調節する通過空気量調節手段をなすエアミックスドア81が設けられている。
【0014】
また、エジェクタ40は高圧冷媒を減圧膨張させて蒸発した気相冷媒を吸引するとともに、膨張エネルギーを圧力エネルギーに変換して圧縮機10の吸入圧を上昇させるものである。
【0015】
具体的には、エジェクタ40は、図2に示すように、流入する高圧冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル41、ノズル41から噴射する高い速度の冷媒流により気相冷媒を吸引しながら、ノズル41から噴射する冷媒流とを混合する混合部42、及びノズル41から噴射する冷媒と蒸発器30から吸引した冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ43等からなるものである。
【0016】
このとき、混合部42においては、駆動流の運動量と吸引流の運動量との和が保存されるように駆動流と吸引流とが混合するので、混合部42においても冷媒の圧力が(静圧)が上昇する。
【0017】
一方、ディフューザ43においては、通路断面積を徐々に拡大することにより、冷媒の速度エネルギ(動圧)を圧力エネルギ(静圧)に変換するので、エジェクタ40においては、混合部42及びディフューザ43の両者にて冷媒圧力を昇圧する。そこで、以下、混合部42とディフューザ43とを総称して昇圧部と呼ぶ。
【0018】
因みに、本実施形態では、ノズル41から噴出する冷媒の速度を音速以上まで加速するために、通路途中に通路面積が最も縮小した喉部41aを有するラバールノズル(流体工学(東京大学出版会)参照)を採用しているが、勿論、先細ノズルを採用してもよいことは言うまでもない。
【0019】
また、図1中、気液分離器50はエジェクタ40から流出した冷媒が流入するとともに、その流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄える気液分離手段であり、気液分離器50の気相冷媒流出口は圧縮機10の吸引側に接続され、液相冷媒流出口は第1室内熱交換器31側の流入側に接続される。
【0020】
そして、本実施形態では、冷媒を二酸化炭素として、図3に示すように、圧縮機10にてノズル41に流入する高圧の冷媒を冷媒の臨界圧力以上まで昇圧しているが、冷媒をフロン(R134a)等して高圧冷媒の圧力を臨界圧力未満としてよいことは言うまでもない。
【0021】
内部熱交換器60は、減圧される前の高圧冷媒と圧縮機10に吸入される低圧冷媒とを熱交換するもので、この内部熱交換器60は、本実施形態では高圧冷媒が流れるチューブ62と低圧冷媒が流れるチューブ61とをろう付けすることにより構成されている。
【0022】
減圧器70は、第2室内熱交換器32の冷媒出口側と室外熱交換器20の冷媒入口側とを結ぶ冷媒通路に設けられて高圧冷媒を等エンタルピ的に減圧膨張させる可変絞り型の膨脹弁であり、バイパス通路71は減圧器70を迂回させて冷媒を流す通路であり、第1バイパス弁72はバイパス通路71を開閉する電磁弁である。
【0023】
第2バイパス弁73は、内部熱交換器60を流出してエジェクタ40に向かって流れる冷媒をエジェクタ40を迂回させて気液分離器50に導くバイパス通路74を開閉する電磁弁であり、可変絞り75は気液分離器50から第1室内熱交換器31に供給される冷媒を減圧するとともに、第1室内熱交換器31から流出する冷媒過熱度が所定範囲となるようにその供給量、つまり絞り開度を制御する弁である。
【0024】
また、電子制御装置(ECU)90は、第1室内熱交換器31直後の空気温度を検出する第1温度センサ91の検出温度Te、第2室内熱交換器32直後の空気温度を検出する第2温度センサ92の検出温度Tgc、外気温度を検出する外気センサ93の検出温度TAM、内気温度を検出する内気センサ94の検出温度Tr、及び室内に注がれる日射量を検出する日射センサ95の検出値Ts等の空調センサの検出値、乗員が希望する室内温度Tsetを設定入力するための温度設定パネル96の設定値等に基づいて、圧縮機10の回転数及びエアミックスドア81の開度、送風機82、内外気切替装置83及び吹出モード切替装置84等を制御する。
【0025】
次に、本実施形態の特徴的作動の説明する。
【0026】
1.冷房運転時(図4参照)
第1バイパス弁72を開き、第2バイパス弁73を閉じ、かつ、エアミックスドア81を閉じて第2室内熱交換器32を通過する風量を0とした状態で圧縮機10を稼動させる。
【0027】
これにより、圧縮機10から吐出した冷媒は、第2室内熱交換器32→第1バイパス弁72(バイパス通路71)→室外熱交換器20→内部熱交換器60(チューブ62)→エジェクタ40(ノズル41→混合部42→ディフューザ43)→気液分離器50→内部熱交換器60(チューブ61)→圧縮機10の順に循環する。
【0028】
このとき、エアミックスドア81を閉じて第2室内熱交換器32を通過する風量を0としているので、圧縮機10から吐出した高温・高圧冷媒は、第2室内熱交換器32にて室内に吹き出す空気に放熱することなく、室外熱交換器20にて外気中に放熱して冷却される。
【0029】
そして、室外熱交換器20にて冷却された冷媒は、エジェクタ40のノズル41にて等エントロピ的に減圧膨張して、音速以上の速度で混合部42内に流入するため、混合部42に流入した高速冷媒の巻き込み作用に伴うポンプ作用により、第1室内熱交換器31で室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発した冷媒が混合部42内に吸引されるため、低圧側の冷媒が気液分離器50→第1室内熱交換器31→エジェクタ40(昇圧部)→気液分離器50の順に循環する。
【0030】
また、第1室内熱交換器31から吸引された冷媒(吸引流)とノズル41から吹き出す冷媒(駆動流)とは、混合部42にて混合しながらディフューザ43にてその動圧が静圧に変換されて気液分離器50に戻る。したがって、室内の熱が室外に放熱される。
【0031】
また、高圧冷媒と低圧冷媒とが内部熱交換器60で熱交換されるため、第1室内熱交換器31の冷媒入口側と冷媒出口側とのエンタルピ差が増大し、吸熱能力(冷凍能力)は増大する。
【0032】
なお、圧縮機10の回転数は、室内に吹き出す空気の温度、つまり第1温度センサ91の検出温度Teが目標温度となるように制御される。
【0033】
2.暖房運転時(図5参照)
第1バイパス弁72を閉じ、第2バイパス弁73を開き、かつ、エアミックスドア81を開いて全風量が第2室内熱交換器32を通過するようにした状態で圧縮機10を稼動させる。
【0034】
これにより、圧縮機10を吐出した冷媒は、第2室内熱交換器32→減圧器70→室外熱交換器20→内部熱交換器60(チューブ62)→第2バイパス弁73(バイパス通路74)→気液分離器50→内部熱交換器60(チューブ61)→圧縮機10の順に循環し、第1室内熱交換器31には冷媒が循環しない。
【0035】
したがって、圧縮機10を吐出した高温・高圧冷媒は、第2室内熱交換器32にて室内に吹き出す空気中に放熱し、減圧器70にて減圧されて室外熱交換器20に流入し、室外熱交換器20に流入した低温・低圧の冷媒は、外気から吸熱して蒸発した後、気液分離器50に流入する。したがって、室外の熱が室内に放熱される。
【0036】
なお、チューブ61内を流れる冷媒の温度とチューブ62内を流れる冷媒の温度とは略等しいので、内部熱交換器60では熱交換されない。
【0037】
また、圧縮機10の回転数及び減圧器70の絞り開度は、室内に吹き出す空気の温度、つまり第2温度センサ92の検出温度Tgcが目標温度となるよに制御される。
【0038】
3.除湿運転(図6参照)
第1バイパス弁72及び第2バイパス弁73を閉じ、かつ、エアミクスドア81を開いて第2室内熱交換器32にて冷媒と室内に吹き出す空気とが熱交換し得る状態で圧縮機10を稼動させる。
【0039】
これにより、圧縮機10から吐出した冷媒は、第2室内熱交換器32→減圧器70→室外熱交換器20→内部熱交換器60(チューブ62)→エジェクタ40(ノズル41→混合部42→ディフューザ43)→気液分離器50→内部熱交換器60(チューブ61)→圧縮機10の順に循環する。
【0040】
このとき、エアミックスドア81を開いているので、圧縮機10から吐出した高温・高圧冷媒は、少なくとも第2室内熱交換器32にて室内に吹き出す空気中に放熱して冷却される。
【0041】
一方、ノズル41に流入した冷媒は、冷房運転時と同様に、ノズル41にて等エントロピ的に減圧膨張するため、エジェクタ40でポンプ作用が発生し、第1室内熱交換器31で室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発した冷媒が混合部42内に吸引されるため、低圧側の冷媒が気液分離器50→第1室内熱交換器31→エジェクタ40(昇圧部)→気液分離器50の順に循環する。
【0042】
そして、室内に吹き出す空気は、第1室内熱交換器31にて冷却除湿された後、第2室内熱交換器32にて室内に吹き出す空気の温度、つまり第2温度センサ92の検出温度Tgcが目標温度となるまで加熱される。
【0043】
したがって、廃熱が無い場合又は少ない場合であっても、除湿加熱(除湿暖房)することができる。
【0044】
また、エアミックスドア81は、原則として全風量が第2室内熱交換器32を通過するように全開とし、減圧器70の開度を調節することにより第2室内熱交換器32での放熱量を調節して吹出空気温度を制御する
具体的には、第2室内熱交換器32での放熱量を増大させるには、減圧器70の絞り開度を小さくして減圧器70での減圧量を増大させ、逆に、第2室内熱交換器32での放熱量を減少させるには、減圧器70の絞り開度を大きくして減圧器70での減圧量を減少させる。
【0045】
なお、このとき、減圧器70の絞り開度制御とともに、エアミックスドア81の開度を制御してもよいことは言うまでもない。
【0046】
また、圧縮機10の回転数は、十分な除湿能力が発揮されるように、第1温度センサ91の検出温度Teが目標温度(例えば、3℃〜4℃)となるように制御される。
【0047】
(第2実施形態)
第1実施形態では、第2室内熱交換器32は、冷媒と室内に吹き出す空気とを直接的に熱交換して室内に吹き出す空気を加熱したが、本実施形態は、熱媒体と室内に吹き出す空気とを熱交換する第1熱交換器32aと、熱媒体と冷媒とを熱交換する第2熱交換器32bとにより第2室内熱交換器32を構成して、室内に吹き出す空気と冷媒とを間接的に熱交換するようにしたものである。
【0048】
因みに、熱媒体は、水にエチレングリコール系の不凍液を添加した流体である。
【0049】
なお、熱媒体は、冷媒に加えてエンジン(内燃機関)やインバータ等で発生する廃熱とも熱交換するため、冷媒の熱に加えて回収した廃熱も室内に吹き出す空気に与えられる。
【0050】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、圧縮機10から吐出した冷媒は、運転モードによらず第2室内熱交換器32に流入したが、圧縮機10の吐出側に冷媒流れを切り換えるバルブを設け、冷房運転時には、圧縮機10から吐出した冷媒を第2室内熱交換器32を迂回させて直接に室外熱交換器20に流し、暖房運転時及び除湿運転時に、圧縮機10から吐出した冷媒を第2室内熱交換器32に流すようにしてもよい。なお、この場合には、エアミックスドア81を廃止してもよい。
【0051】
また、上述の実施形態では、内部熱交換器60設けたが、内部熱交換器60を廃止してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るエジェクタの模式図である。
【図3】p−h線図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る空調装置の冷房運転時における冷媒流れを示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る空調装置の暖房運転時における冷媒流れを示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る空調装置の除湿運転時における冷媒流れを示す図である。
【図7】 本発明の第実施形態に係る空調装置の模式図である。
【符号の説明】
10…圧縮機、20…室外熱交換器、31…第1室内熱交換器、
32…第2室内熱交換器、40…エジェクタ、50…気液分離器、
71…減圧器、72…第1バイパス弁、73…第2バイパス弁。

Claims (4)

  1. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
    冷媒と室外空気とを熱交換する室外熱交換器(20)と、
    冷媒と室内に吹き出す空気とを熱交換する第1、2室内熱交換器(31、32)と、
    高圧冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル(41)、及び前記ノズル(41)から噴射する高い速度の冷媒流により冷媒を吸引するとともに、前記冷媒流と吸引した冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させる昇圧部(42、43)を有するエジェクタ(40)と、
    高圧冷媒を等エンタルピ的に減圧膨張させる減圧手段(70)と、
    前記エジェクタ(40)下流側の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄える気液分離器(50)と、
    前記減圧手段(70)を迂回させて冷媒を流す第1バイパス通路(71)と、
    前記第1バイパス通路(71)を開閉する第1バイパス弁(72)と、
    前記エジェクタ(40)を迂回させて冷媒を前記気液分離器(50)へ導く第2バイパス通路(74)と、
    前記第2バイパス通路(72)を開閉する第2バイパス弁(73)と、
    前記第2室内熱交換器(32)にて熱交換させる通過空気量を調整する通過空気量調整手段(81)と、
    前記第1バイパス弁(72)、前記第2バイパス弁(73)及び前記通過空気量調整手段(81)の作動を制御する電子制御装置(90)とを備え、
    前記気液分離器(50)の気相冷媒流出口は、前記圧縮機(10)の吸入側に接続され、
    前記気液分離器(50)の液相冷媒流出口は、前記第1熱交換器(31)の流入側に接続され、
    前記第2室内熱交換器(32)には、前記圧縮機(10)吐出冷媒が流入し、
    前記減圧手段(70)は、前記第2室内熱交換器(32)下流側に設けられ、
    前記室外熱交換器(20)には、前記減圧手段(70)下流側の冷媒が流入し、
    前記エジェクタ(40)には、前記室外熱交換機(20)下流側の冷媒が流入し、
    前記第1室内熱交換器(31)に流入した前記液相冷媒は、前記エジェクタ(40)へ吸引されるようになっており、
    室内の熱を室外に放熱する冷房運転時には、前記電子制御装置(90)により、前記第1バイパス弁(72)を開き、前記第2バイパス弁(73)を閉じ、かつ、前記通過空気量調整手段(81)を前記通過空気量が0となるように制御することで、前記第1室内熱交換器(31)にて前記エジェクタ(40)で減圧された冷媒に吸熱させながら、前記室外熱交換器(20)にて放熱させ、
    室外の熱を室内に放熱する暖房運転時には、前記電子制御装置(90)により、前記第1バイパス弁(72)を閉じ、前記第2バイパス弁(73)を開き、かつ、前記通過空気量調整手段(81)を前記通過空気量が最大となるように制御することで、前記室外熱交換器(20)にて前記減圧手段(70)で減圧された冷媒に吸熱させながら、前記第2室内熱交換器(32)にて放熱させ、
    さらに、室内に吹き出す空気を除湿する除湿運転時には、前記電子制御装置(90)により、前記第1バイパス弁(72)を閉じ、前記第2バイパス弁(73)を閉じ、かつ、前記通過空気量調整手段(81)を前記第2室内熱交換器(32)にて冷媒と室内に吹き出す空気が熱交換し得る状態となるように制御することで、前記第1室内熱交換器(31)にて前記エジェクタ(40)で減圧された冷媒に吸熱させながら、前記第2室内熱交換器(32)にて放熱させることを特徴とする空調装置。
  2. 前記第1、2室内熱交換器(31、32)は、冷媒と室内空気とを直接的に熱交換することを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記第2室内熱交換器(32)を通過する室内空気量を調節する通過空気量調節手段(81)を備えることを特徴とする請求項2に記載の空調装置。
  4. 前記第2室内熱交換器(32)は、前記第1室内熱交換器(31)より空気流れ下流側に設置されていることを特徴とする請求項3に記載の空調装置。
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