JP3925252B2 - 電子部品実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を半田接合により基板に実装する電子部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップなどの電子部品を基板に実装する方法として、半田接合が広く用いられている。この半田接合では、電子部品の接続用電極か基板の回路電極のいずれかに予め半田を供給しておき、電子部品を基板に搭載した後に基板を加熱することにより、基板に搭載された電子部品の半田接合を一括して行うリフロー方式が広く採用されている。このリフロー過程においては、半田接合部に供給された半田が溶融する際に電子部品が自重によってわずかに沈み込むことにより、良好な半田接合が確保される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子機器の小型化に伴って電子部品の部品サイズが微小化するに伴い、上記リフローによる半田接合において微小化に起因する接合不良が発生するようになっている。すなわち、電子部品は微小化によって自重が小さくなっていることから、半田溶融時に電子部品の沈み込みが発生せず、電子部品の接続用電極が基板の回路電極と良好に接合されない不具合の発生度合いが増大している。このような不具合は、接続用電極として形成された半田バンプを、活性作用を有する熱硬化性樹脂を介して搭載する実装工法において特に顕著である。
【0004】
そこで本発明は、リフロー過程における接合不良を防止することができる電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品実装方法は、基板に電子部品を半田接合により実装して実装基板を製造する電子部品実装方法であって、搭載ヘッドにより部品供給部から電子部品を取り出し基板へ移送搭載する部品搭載工程と、基板に搭載された電子部品の上にこの電子部品を自重により基板に対して押し付ける押付部材を載置する押付部材載置工程と、電子部品が搭載されさらにこの電子部品上に押付部材が載置された基板を加熱することにより電子部品の接続用電極と基板の回路電極との接合部の半田を溶融させて半田接合するリフロー工程と、リフロー工程後に、基板を傾斜させることにより押付部材を電子部品の上から落下させるか、またはエアブローによって押付部材を電子部品上から除去することにより電子部品の上から押付部材を回収する回収工程とを含み、回収された押付部材は再使用する。
【0008】
請求項2記載の電子部品実装方法は、請求項1記載の電子部品実装方法であって、前記搭載ヘッドによる基板への電子部品の搭載に先立って、前記電子部品の接続用電極または基板の回路電極に半田の酸化膜除去能力を有する熱硬化性樹脂を供給する。
【0009】
本発明によれば、基板に搭載された電子部品の上にこの電子部品を自重により基板に対して押し付ける押付部材を載置した状態でリフローを行うことにより、半田溶融時に電子部品を適正に沈み込ませることができ、接合不良を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装システムの構成図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図3は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の押付部材供給部の機能説明図、図4、図5、図6は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図である。
【0011】
まず図1を参照して、基板に電子部品を半田接合により実装して実装基板を製造する電子部品実装システムについて説明する。図1において電子部品実装システムは、電子部品実装装置M1、リフロー装置M2より構成される。電子部品実装装置M1は、回路電極が形成された基板を搬送路上で搬送し、搬送路に設けられた実装ステージにてこの基板に電子部品を搭載する。リフロー装置M2には電子部品実装装置M1の搬送路と連結された搬送機構が設けられており、リフロー炉内で電子部品が搭載された基板を搬送しながら加熱することにより、電子部品の接続用電極と基板の回路電極との接合部の半田を溶融させて半田接合する。
【0012】
次に、図2を参照して電子部品実装装置M1について説明する。図2において、基台1の中央部にはX方向に搬送路2が配設されている。搬送路2は上流側装置(図示省略)から受け渡された基板3を装置内において搬送し、搬送路2の途中に設けられた実装ステージにこの基板3を位置決めする。搬送路2の両側には、上流側(図2において左側)から部品供給部4、押付部材供給部6がそれぞれ配設されている。
【0013】
基台1のX方向の両端部には2つのY軸テーブル8が配設されており、Y軸テーブル8にはX軸テーブル9が架設されている。X軸テーブル9には移載ヘッド10が装着されており、X軸テーブル9およびY軸テーブル8を駆動することにより、移載ヘッド10はX方向、Y方向に水平移動する。
【0014】
部品供給部4には複数のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダ5はテープに保持された電子部品を収納し、このテープをピッチ送りすることにより移載ヘッド10によるピックアップ位置5aに電子部品を供給する。電子部品15には、下面に接続用電極としての半田バンプ15aが形成されており、移載ヘッド10は吸着ノズル10aによりテープフィーダ5のピックアップ位置5aから電子部品15を真空吸着してピックアップし、基板3上に移送搭載する。X軸テーブル9、Y軸テーブル8および移載ヘッド10は、部品供給部4から電子部品を取り出して基板3へ移送搭載する部品搭載手段となっている。
【0015】
部品供給部4の下流に配置された押付部材供給部6には、複数のバルクフィーダ7が並設されている。図3に示すように、バルクフィーダ7は、バルク状の押付部材16をホッパー状の収納容器7b内に収納し、これらの押付部材16を搬送部7cによって順送りすることにより移載ヘッドによるピックアップ位置7aに供給する。押付部材16は後述するように、基板3に搭載された電子部品15の上に載置して用いる重り部材であり、電子部品15上に載置することによりこの電子部品15を自重により基板3に対して押し付ける機能を有する。
【0016】
移載ヘッド10は、バルクフィーダ7のピックアップ位置7aから吸着ノズル10aにより押付部材16を真空吸着してピックアップし、基板3に搭載された電子部品15上にこの押付部材16を載置する。X軸テーブル9、Y軸テーブル8および移載ヘッド10は、押付部材供給部6から押付部材16を取り出して、基板3に搭載された電子部品15上に載置する押付部材載置手段となっている。
【0017】
搬送路2と部品供給部4の間の移載ヘッド10の移動経路には、ペースト供給部11、部品認識カメラ12が配設されている。ペースト供給部11は、回転テーブル状のペースト貯溜容器を備えており、回転テーブルの底面に所定膜厚のペースト塗膜を形成する。ここで用いられるペーストは、熱硬化性樹脂中に活性成分を含有させ半田酸化膜の除去能力を付与したものが用いられる。このペースト塗膜に対して、移載ヘッド10に保持された電子部品15を下降させることにより、電子部品15の半田バンプ15aにはペースト14(図4参照)が転写塗布により供給される。
【0018】
従って、ペースト供給部11は、移載ヘッド10による基板3への電子部品15の搭載に先立って、電子部品15の接続用電極である半田バンプ15aに半田の酸化膜除去能力を有する熱硬化性樹脂を供給する樹脂供給手段となっている。なお、樹脂供給手段として、ペースト14を吐出するディスペンサを用い、電子部品15の搭載に先立って、基板3の回路電極3a上に予めペースト14を供給するようにしても良い。
【0019】
部品認識カメラ12は、部品供給部4から電子部品15をピックアップした移載ヘッド10が上方を通過する際に、吸着ノズル10aに保持された状態の電子部品15を下方から撮像する。そして撮像結果を認識処理することにより電子部品15の識別や位置検出が行われる。
【0020】
この電子部品実装装置は上記のように構成されており、以下この電子部品実装装置を用いた電子部品実装方法について、図4、図5、図6を参照して説明する。移載ヘッド10は部品供給部4から吸着ノズル10aによって電子部品15をピックアップして取り出し、図4(a)に示すようにペースト供給部11上に位置している。ペースト供給部11のペースト貯溜容器11aの底面には、ペースト14が貯溜されている。スキージ11bに対してペースト貯溜容器11aが相対回転することにより、ペースト貯溜容器11aの底面には、ペースト14の塗膜が形成されている。
【0021】
吸着ノズル10aをペースト貯溜容器11aに対して上下動させることにより、図4(b)に示すように、電子部品15の半田バンプ15aの下面にはペースト14が転写塗布により供給される(樹脂供給工程)。なお、この樹脂供給工程において、ペースト14を吐出するディスペンサを用い、電子部品15の搭載に先立って、基板3の回路電極3a上に予めペースト14を供給するようにしても良い。
【0022】
この後、ペースト塗布後の電子部品15を基板3へ移送搭載する(部品搭載工程)。すなわち、移載ヘッド10は部品認識カメラ12の上方を通過してここで電子部品15の認識を行った後、基板3上に移動する。そして図4(c)に示すように、半田バンプ15aを基板3に形成された回路電極3aに位置合わせした上で、基板3に対して吸着ノズル10aを昇降させる。これにより、半田バンプ15aは回路電極3aに着地する。
【0023】
このとき、半田バンプ15aはペースト14を介して回路電極3a上に下降するため、図6(a)に示すように、半田バンプ15aの下端部が回路電極3aの上面に接触せず、隙間dが生じたままの状態となる場合がある。このような隙間dは、ファインピッチ部品のようにサイズが微小で重量が軽い電子部品に生じやすく、このままリフローに送られると、半田接合不良を招きやすい。そこで、本実施の形態では、以下に説明する方法によってこの半田接合不良を防止するようにしている。
【0024】
図5(a)に示すように、基板3に搭載された電子部品15の上方に、押付部材供給部6から吸着ノズル10aによって押付部材16を取り出した移載ヘッド10が移動する。そして吸着ノズル10aが昇降することにより、図5(b)に示すように、電子部品15上に押付部材16を載置する(押付部材載置工程)。これにより、電子部品15は押付部材16の自重Wにより基板3に対して押し付けられる。この押し付けにより、図6(a)に示すように半田バンプ15aには、ペースト14中に半田バンプ15aを沈み込ませる力fが作用し、半田バンプ15aの下端部が回路電極3aの上面に接触する。
【0025】
このようにして電子部品15が搭載されさらにこの電子部品15上に押付部材16が載置された基板3は、リフロー装置M2に送られる。そしてこの基板3をを加熱することにより、図5(c)に示すように、電子部品15の半田バンプ15aと基板3の回路電極3aとの接合部の半田を溶融させて半田接合する(リフロー工程)。
【0026】
このリフロー工程においては、半田バンプ15aが溶融した後に冷却されて固化することにより、図6(c)に示すように、回路電極3aの上面と半田接合された半田接合部15a*が形成されるとともに、回路電極3aとの接合部の周囲は、ペースト14が熱硬化した補強樹脂部14*が形成される。このリフロー過程において、電子部品15は押付部材16の自重によって押し付けられていることから、半田バンプ15aが溶融する際の沈み込みが確保され、良好な半田接合が実現される。
【0027】
この後、リフロー装置M2から排出されて常温に冷却された基板3は、押付部材回収部(図示省略)に送られ、ここで図5(d)に示すように基板3を傾斜させることにより、押付部材16を電子部品15の上から落下させ回収する。回収された押付部材16は、再び電子部品実装装置M1の押付部材供給部6に送られ、再使用される。これにより、押付部材16の数に限りがある場合でもそれを有効利用することができ、経済的である。なお、押付部材回収部においては、基板3を傾斜させる代わりに、エアブローによって押付部材16を電子部品15上から除去する方法を用いても良い。
【0028】
このように、電子部品の上に押付部材を載置し、電子部品を押付部材の自重により基板に対して押し付けた状態でリフローを行うことにより、微小サイズの電子部品を半田接合により実装する際に発生しやすい接合不良、すなわち、電子部品の接続用電極が基板の回路電極に対して直接着地せず、さらにリフロー過程の半田溶融時において電子部品の沈み込みが発生しないことに起因する接合不良を防止することができる。この効果は、上記実施の形態に示すように、接続用電極を活性作用を有する熱硬化性樹脂を介して搭載する実装工法において特に顕著である。
【0029】
なお上記実施の形態では、接続用電極が電子部品の下面に形成された半田バンプである例を示したが、接続用電極の形態は半田バンプに限定されず、接続用電極と回路電極の接続部に予め供給された半田をリフロー過程において加熱溶融させる形態であれば、本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、基板に搭載された電子部品の上にこの電子部品を自重により基板に対して押し付ける押付部材を載置した状態でリフローを行うようにしたので、半田溶融時に電子部品を適正に沈み込ませることができ、接合不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装システムの構成図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の押付部材供給部の機能説明図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図5】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【符号の説明】
M1 電子部品実装装置
M2 リフロー装置
3 基板
4 部品供給部
6 押付部材供給部
10 移載ヘッド
11 ペースト供給部
14 ペースト
15 電子部品
15a 半田バンプ
16 押付部材
Claims (2)
- 基板に電子部品を半田接合により実装して実装基板を製造する電子部品実装方法であって、搭載ヘッドにより部品供給部から電子部品を取り出し基板へ移送搭載する部品搭載工程と、基板に搭載された電子部品の上にこの電子部品を自重により基板に対して押し付ける押付部材を載置する押付部材載置工程と、電子部品が搭載されさらにこの電子部品上に押付部材が載置された基板を加熱することにより電子部品の接続用電極と基板の回路電極との接合部の半田を溶融させて半田接合するリフロー工程と、リフロー工程後に、基板を傾斜させることにより押付部材を電子部品の上から落下させるか、またはエアブローによって押付部材を電子部品上から除去することにより電子部品の上から押付部材を回収する回収工程とを含み、回収された押付部材は再使用することを特徴とする電子部品実装方法。
- 前記搭載ヘッドによる基板への電子部品の搭載に先立って、前記電子部品の接続用電極または基板の回路電極に半田の酸化膜除去能力を有する熱硬化性樹脂を供給することを特徴とする請求項1記載の電子部品実装方法。
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