JP3925215B2 - 浴槽水噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水や温水を貯溜した浴槽内に、加圧した状態の浴槽水を噴射して、人体のマッサージを行なう浴槽水噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴槽本体の側壁部に設けた吸込口から浴槽水を吸込み、循環ポンプにより循環配管を通じて外部循環させた上、浴槽本体の側壁部に設けた噴射口から空気とともに気泡水流として勢い良く浴槽本体内部に噴射するようにした気泡水流浴槽が広く用いられている。この様な気泡水流浴槽では、入浴者が水流を当てることで、マッサージや血行促進を行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、マッサージ感を得たり、血行促進を行なうには多量の浴槽水を加圧循環する必要があり、ポンプが大型化していた。又、ポンプの大型化に伴い運転時の騒音や振動といった問題があった。
又、広範囲をマッサージする場合にはノズルを複数設ける必要があり、さらに装置が複雑になってしまうといった問題があった。
又、水流自体が単調である為に、入浴者への刺激も単調となり、いくら強い水流をあてても血行促進が行われないといった問題もあった。
【0004】
本発明の浴槽水噴射装置は、このような課題を解決する為になされたものであり、本発明の目的は、ポンプや装置を複雑や大型化することなく、入浴者へのマッサージを行なう浴槽水噴射装置を提案するものであり、さらには入浴者への広範囲で血行促進効果のある水流を噴射する浴槽水噴射装置を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記目的を達成するために請求項1は、浴槽に固定されるノズルと加圧装置で構成されており、前記ノズルは、前記加圧装置により加圧された浴槽水が流入する流入室と、該流入室に組み込まれ、浴槽水の噴射口を備えた噴射部位と該噴射部位に連続し前記流入室内に位置する室内部位とを有する噴射体であって、前記流入室内の浴槽水を前記噴射口に導く管路を有する前記噴射体と、前記流入室に流入した浴槽水が前記流入室の内周壁面に沿った前記室内部位周りの旋回流を起こすように、前記流入室に浴槽水を導く給水機構とを有していることを特徴としているので、装置を簡単に構成することが出来る。
【0006】
又、前記噴射体は、前記噴射口を前記流入室外部の浴槽側に臨ませた状態で、前記室内部位が前記流入室内で傾斜した姿勢で首振り運動可能に前記流入室に組み込まれ、前記給水機構は、前記流入室に浴槽水を導くことにより、前記流入室に流入した浴槽水が前記流入室の内周壁面に沿って前記室内部位の周りに旋回する旋回流を起こすと共に、前記旋回流によって、前記室内部位周りで流速差を起こし、該流速差に基づいて生じる力を前記室内部位に及ぼし該旋回流の流速差に基づいて生じる力により、前記噴射体を前記室内部位が前記流入室内で傾斜した姿勢で前記旋回流の流れ方向に首振り運動させて公転させることを特徴としている。
【0007】
上記した構成を有する本発明の浴槽水噴射装置は、給水機構から流入室に浴槽水を導いて、この流入室で室内部位周りの旋回流を起こす。この旋回流は室内部位周りで流速差を起こすので、流入室では、この流速差に基づいて力が生じる。この力は、流体中を物体が移動する際に、その物体を挟んだ流体の速度差に基づいて当該物体に作用する揚力と同質のものである。よって、以後の説明において、流速差に基づく力を、説明の簡便のために揚力と称することとする。
このように、流入室に室内部位が入り込み、この室内部位周りの旋回流が起きている場合の揚力Fは、その発生の時点で、室内部位の速度はゼロであり、相対的には、旋回流の流速V[m/sec]の影響を受ける。そして、この揚力Fは、揚力を受ける室内部位の最大射影面積Sに相当する物理量としてその長さをL[m]、浴槽水の密度をρ[kg/m3]とすると、次式で表される。式中のCは揚力係数である。
=(ρ・V・C・L)/2 [N]
なお、こうして揚力Fが室内部位に作用すると、その結果として室内部位には抗力F(=(ρ・V・C・L)/2 [N])も作用する。このCは抗力係数である。
今、流入室で室内部位周りの旋回流が起きた状況を考えると、既述したように、室内部位には揚力が作用する。この揚力は、室内部位周りの旋回流の流速が大きい側に旋回流中中央側から外向きに働く。その一方、室内部位は、流入室において、傾斜した姿勢で首振り可能であることから、この揚力を受けて傾斜し、流入室内壁側に傾くと共に、この揚力と抗力の合力方向に動く。この合力は、抗力が旋回流の流れ方向に沿ったものであることから、室内部位を旋回流の流れ方向に沿って動かす方向に働く。
こうなると、室内部位周りの旋回流の流速差の状況も変化し、この新たな状況下での揚力・抗力により、室内部位は傾斜した姿勢のままで旋回流の流れ方向に移動する。このため、噴射体は、首振り運動して流入室において公転する。以下、この公転を首振り公転と称する。そして、この噴射体の噴射口は流入室の外部に臨んでいることから、噴射口に導かれた浴槽水は、噴射体の首振り箇所を頂上とする円錐状に噴射される。こうした噴射にあっても、噴射体の首振り公転に倣って公転する。こうした噴射を公転噴射と場合により略称する。
しかも、上記のように室内部位が揚力を受けて流入室内壁側に傾斜すると、この室内部位は、流入室の旋回流に直に押されることになる。よって、室内部位は、旋回流から直接運動エネルギを受けて傾斜姿勢のままで旋回流の流れ方向に移動することになり、噴射体の首振り公転は促進される。
【0008】
なお、ここでいう運動エネルギーAは次式で定義できるものをいい、水の流れ(旋回流)に支配されるエネルギーである。
A=(ρ・V・Q)/2 [W]
ここで、ρは水の密度、Qは、瞬間流量[m3/sec]を表し、Vは旋回流の速度を表す。
また、遠心力は次式で定義できるものをいい、水の回転や旋回によって室内部位が公転することによって発生する力であって、前記公転もしくは旋回の回転半径方向に発生する力である。
F=MV/R [N]
ここで、Mは噴射体の質量を、Vは公転の速度を、Rは公転半径を表す。
【0009】
これらの結果、本発明の浴槽水噴射装置によれば、ノズル自体の駆動を伴うような複雑な装置を用いることなく円錐状の浴槽水噴射を実現でき、これにより、広範囲に浴槽水を入浴者に当てることが出来る。
【0010】
しかも、こうした広範囲への噴射を図る上で、流入室への浴槽水流入を図って旋回流を起こし、この旋回流により噴射体に流入室での首振り公転を起こせば足りる。よって、噴射体の首振り公転を浴槽水の旋回流のみで起こしており、この首振り公転実現にモータ等の装置を一切必要としない。このため、モータ駆動等に基づく騒音や振動を発生させることがなく、静音性・静振性に非常に優れるという利点がある。
また、上記した広範囲噴射を実現するための噴射体の首振り公転を、流入室への上記した噴射体組み込み、流入室への浴槽水導入による旋回流生成で起こすので、構成の簡略化、コスト低減を図ることができる。なお、構成の簡略化を通して、装置のコンパクト化を図ることもできる。
【0011】
また、室内部位周りの流速差の発生状況は、流入室への浴槽水導入の様子や流入室形状等で調整できる。よって、噴射体の首振り公転状況も調整でき、これにより、噴射態様の多様化を図ることができる。例えば、上記した揚力や抗力、遠心力を高めて噴射体を高速で首振り公転させて噴射できるほか、噴射体の首振り公転状況を安定化させることで、この首振り公転の軌跡を容易に安定したものとでき、噴射の安定化も達成できる。
このように噴射体を高速首振り公転させれば、噴射された浴槽水が入浴者に当るポイントも高速で移動することになる。つまり、この首振り公転の周期で規定される公転周波数を高めることで、入浴者があたかも噴射の着水範囲(着水ポイントの集合箇所)の全体で着水を受けているように錯覚させることができる。
【0012】
又、この様に全体で着水を受けているように錯覚させる様な場合でも、実際は噴射が高速で移動しているので、同時に連続的な噴射を受ける場合に比べて血管の拡張収縮が行われ、その結果血行が促進される。
また、こうした各着水ポイントへの着水の推移を起こしていても上記の錯覚を起こすので、着水範囲の総てに同時に浴槽水が着水するような連続的な噴射を要しない。よって、その分、節水効果があり、加圧循環ポンプを小型化できる。
【0013】
また上記課題を解決する為に請求項2は、前記噴射体の傾斜角度を規制するガイド部を有することを特徴としている。こうすれば、前記ガイド部が噴射体の傾斜角度を確実に規制することが可能となるので、前記噴射体より噴射される浴槽水の公転軌跡も確実に規制することができる。従って、必要以上の噴射角度で浴槽水を噴射することが無くなり、無駄がない。又、装置の小型化も可能である。
【0014】
また上記課題を解決する為に請求項3は、流入室に組み込まれた噴射体を、その噴射部位が室内部位よりも小径の柱状体とすることを特徴としている。こうすれば、噴射体は流入室の小径側で噴射口を流入室の外部に臨ませ、既述したように室内部位を公転させるので、噴射体(室内部位)の首振り運動の中心部分も小径となる。よって、流入室から受ける浴槽水の水圧の受圧面積は狭くなり、公転の際の中心部分での抵抗も小さくなる。これらの点も、噴射体の首振り公転の高速化や安定化に有益である。
【0015】
又上記課題を解決する為に請求項4は、噴射体は、前記噴射部位と前記室内部位との繋ぎ部分を段差部として備え、前記流入室は、前記噴射部位が貫通配置される開口を有し、該開口周縁を、前記噴射体の前記段差部の受け座とすることを特徴としている。
従って、室内部位が傾斜した場合において、上記の段差部は、傾斜した側で開口周縁に受けられ、この傾斜した側以外では、段差部は開口周縁から離れる。つまり、開口周縁に対する段差部の接触はいわゆる片当たりとなり、噴射体の首振り公転に伴い、この方当たりのまま、開口周縁との接触する段差部の位置は開口周縁に沿って変わって行く。このため、方当たりしていない段差部から漏れ出ようとする流入室内の浴槽水を、この段差部部位のシール水として機能させることができる。よって、段差部と開口周縁に特段の潤滑剤や潤滑機能を要しないので、構成の単純化は、保守点検・組み付け作業の簡略化を図ることができる。
また、噴射体の首振り公転の最中で段差部を方当たりさせるに過ぎないので、段差部と開口周縁との接触は狭小範囲でしか起きない。よって、この接触に伴う摩擦力を低減でき、摩耗防止の上から好ましい。
【0016】
又上記課題を解決する為に請求項5は、前記噴射体は、前記公転(首振り公転)を起こしつつ、前記噴射体自体が前記室内部位の軸を中心に回転する自転を起こすことを特徴としている。
こうすれば、前記噴射体は公転しながら前記噴射体自体の軸を中心に自転を起こすことが可能となる。従って、前記噴射体が公転する際に、流入室の壁面の接触しても自転、すなわち転がることが可能である為に、接触部の摩擦力に逆らわずに転がることで、噴射体もしくは流入室内壁の摩耗が大幅に低減出来る。
【0017】
さらに、噴射体の首振り公転による噴射の円錐状の公転噴射を実行しながら、噴射体の自転することによって浴槽水に自転方向の速度成分を付与する。このため、この噴射体の自転によって発生する自転軸周りの遠心力で浴槽水(円錐状の公転噴射を起こしている浴槽水)を分散できるので、より広い範囲に浴槽水を噴射させることができる。しかも、浴槽水が分散するので円錐状の公転噴射自体が広がり、中抜けの少ない噴射を行なうことが可能となる。
【0018】
又上記課題を解決する為に請求項6は、前記ノズルの有する前記噴射体は、前記流入室への浴槽水の流入の無い非流入時において、前記室内部位を前記流入室に対して傾斜させていることを特徴としている。
例えば、ノズル(噴射方向)を水平面に対して傾斜、もしくは平行した姿勢を採るものとし、この噴射体は自身に作用する重力により非噴射時において室内部位を流入室に対して傾斜させているものとできる。こうすれば、浴槽水の流入室流入の前から噴射体の室内部位と流入室内壁との間を狭くできる。よって、浴槽水の流入室流入の当初から、上記の狭くなった間を浴槽水が通過する間の流速を高めることができ、旋回流の流速差を確実に引き起こすことができる。このため、浴槽水流入当初から、上記した揚力を確実に発生させることができるので、噴射体の首振り公転・噴射状態の安定化を容易に図ることができる。
このように噴射体を傾斜させるに当たり、次のようにすることもできる。つまり、流入室底面の中央に突起を設け、この突起により、噴射体の室内部位を非噴射時において流入室に対して傾斜させることもできる。こうしても、浴槽水流入当初から確実に揚力を発生させて、噴射体の首振り公転・噴射状態を容易に安定化することができる。こうした突起を噴射体における室内部位下端に有するようにすることもできる。
【0019】
又上記課題を解決する為に請求項7は、前記給水機構は、前記流入室の周壁において前記流入室に偏心して連通したノズル管路を有することを特徴としている。従って、偏心した前記ノズル管路により、確実に前記流入室内に前記室内部位周りで速度差をもつ旋回流を起こすことが出来るので、前述した噴射体の公転を引き起こすことが可能となる。
【0020】
又上記課題を解決する為に請求項8は、前記噴射口近傍に、大気と連通した空気混入室を設けたことを特徴としている。
この様な構成で、加圧装置で加圧された浴槽水が噴射口より噴射されると、浴槽水は噴射口より噴射される時に、速度が速められた状態で前記空気混入室を貫通して浴槽内へ噴射される。
この噴射された浴槽水は、前記空気混入室内部の浴槽水を、噴射された浴槽水の粘性により引張って浴槽内へと噴射し、前記空気混入室内部の浴槽水を浴槽内へと排出した後、前記空気混入室に連通した大気から、該浴槽水と空気の表面摩擦抵抗によって、空気を浴槽内へと噴射する。
この時、前記浴槽水と前記空気が空気混入室から噴射される際に、前述した様に噴射体は高速で公転しながら浴槽水を噴射するので、この噴射される浴槽水と空気も一緒に公転しながら噴射されることにより、前記空気は浴槽内の浴槽水によって引き千切られ、微細な気泡として、前記浴槽水と一緒に浴槽内に噴射される。
【0021】
この様な、浴槽水噴射装置を用いて人体に浴槽水を当てた場合、前述した浴槽水の公転によるマッサージ効果や血行促進が得られるだけでなく、浴槽水の噴射に気泡を混入することで人体への刺激を適度に和らげることが出来る。
又、本発明においても特別な装置等を用いる必要が無い。
【0022】
又上記課題を解決する為に請求項9は、前記流入室の中心に、大気と連通した空気吸入口を設けたことを特徴としている。
このような構成で浴槽水を前記噴射体より噴射すると、
前述した様に前記流入室には前記流入室内部に旋回流を起こす様にしてあるので、前記流入室内部では、浴槽水が旋回することで、浴槽水自体に遠心力が作用し、浴槽水が前記流入室壁面に沿って旋回し、前記流入室中心の圧力が低下し、前記流入室の中心圧力を大気圧力以下とすることが出来る。
【0023】
又、前記流入室中心には大気と連通した前記空気導入口を設けてあるので、前記流入室は前記空気導入口より空気を吸込み、浴槽水と一緒に前記流入室に設けられた前記噴射体へと供給される。
従って、前記噴射体へと供給された浴槽水と空気は、前記噴射口より前記浴槽内へと噴射される。又、この時、前述した様に噴射体は高速で公転しながら浴槽水を噴射するので、この噴射される浴槽水と空気も一緒に公転しながら噴射されることにより、前記空気は浴槽内の浴槽水によって引き千切られ、微細な気泡として、前記浴槽水と一緒に浴槽内に噴射される。
この様な、浴槽水噴射装置を用いて人体に浴槽水を当てた場合、前述した浴槽水の公転によるマッサージ効果や血行促進が得られるだけでなく、浴槽水の噴射に気泡を混入することで人体への刺激を適度に和らげることが出来る。
又、本発明においても特別な装置等を用いる必要が無い。
【0024】
又上記課題を解決する為に請求項10は、前記ノズルを複数備えた特徴としている。
こうすれば、前記ノズルにより円錐状に拡大噴射して、入浴者に広範囲に水流を当てるだけでなく、複数の部位へ広範囲に同時に水流を当てることが出来る。例えば、両足の部位と腰の部位、肩の部位といった様に同時に、水流を当てることで、マッサージを行なって血行促進をすることが出来る。
【0025】
又上記課題を解決する為に請求項11は、前記噴射体が起こす公転の周期で定まる周波数は約3Hz以上とされていることを特徴としている。
こうした周波数の噴射体を有するノズルをマッサージ浴槽装置用のノズルとして用いた場合、人体への浴槽水の着水ポイントは3Hz以上の周波数で実際は推移する。しかし、このような周波数での着水ポイント推移であると、人体は着水ポイントが推移していることを認識しにくい。このため、あたかも円錐状の公転噴射の軌跡全体に浴槽水が着水しているように錯覚させることが可能となり、結果として浴槽水量を減らすことができる。この時、当然着水対象範囲が小さい場合と大きい場合とでは、同じ首振り公転周波数でも首振り公転速度は異なり、着水範囲が小さい場合には移動速度は小さくても良く、着水範囲が大きい場合には移動速度は大きくなる。
又、この様に浴槽水が高速で推移している場合であっても、人体への着水ポイントでは、浴槽水が推移することで、血管の拡張収縮が繰り返されるので、その結果血行が促進される。
【0026】
又上記課題を解決する為に請求項12は、
前記浴槽水噴射装置を浴槽に固定し、該浴槽内の浴槽水を、浴槽に入浴した人体に向けて噴射することを特徴としている。
こうすれば、使用者が全身で入浴もしくは部分的な入浴を行なうことで、前述したような作用効果で、全身もしくは部分的に血行を促進することが出来る。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の浴槽水噴射装置を適用した実施例のマッサージ浴槽装置1の全体構成図を説明する説明図である。
図示するように、マッサージ浴槽装置1は、浴槽水を貯溜する浴槽2と、加圧装置として加圧循環ポンプ5と、ノズル10、制御装置3、操作装置4で構成されている。
又、前記浴槽2には前記浴槽2内に開口した給水口7を有し、前記給水口7と前記加圧循環ポンプ5と前記ノズル10とは、浴槽水を循環する為の循環路6により接続されている。
又、前記制御装置3には、前記操作装置4、加圧循環ポンプ5、電源が接続されており、前記加圧循環ポンプ5の運転を制御する様に構成されている。
又、給水口7には図示しないフィルターが備えられている。
このような構成における、浴槽水の流れについて説明する。上記マッサージ浴槽装置1は、例えば、リモコンなどの操作装置4により、使用操作がなされると、前記制御装置3により、前記加圧循環ポンプ5を作動させる。
前記加圧循環ポンプ5が作動すると、前記加圧循環ポンプ5は、前記給水口7より前記浴槽2内の浴槽水を吸入し、循環路6を通して前記ノズル10へと浴槽水を送り込み、前記ノズル10より再び浴槽内へ噴射され、送り込まれる。
【0028】
次に、ノズル10について説明する。
図2は噴射体20に関する説明図であり、図2(a)は噴射体20の断面図、図2(b)は噴射体20の詳細図を示しており、図3はノズル10に関する図、図3(a)はノズル10に関する詳細図、図3(b)はノズル10の断面図を示している。
図3(a)に示す様に、ノズル10は、浴槽水が流入する流入室として円筒状に形成された旋回室15を備え、この旋回室15に、循環路6と旋回室流入路11を経て浴槽水を給水する構成になっている。
旋回室流入路11は、ノズル管路であり、循環路6より通水断面積が小さく構成されており、旋回室15の中心に対して偏心して当該旋回室15に接続されている。
よって、旋回室流入路11からの浴槽水は、旋回室15に対してその接線方向から流入し、図3(b)に示す様に、旋回室15内壁に沿って旋回する旋回流を生成する。
この場合、旋回室流入路11の通水断面積は循環路6より小さいことから、旋回室15に流入する浴槽水の流速を高めることができる。
【0029】
又、ノズル10は、この旋回室15に噴射体20を組み込んで備える。噴射体20は、浴槽水の噴射口25を備えた小径円柱の噴射部位22と、この噴射部位に連続した大径円柱の受力部位21を有する。この受力部位21は、旋回室15内に位置して上記の旋回流から後述の種々の力を受け、噴射体20の後述する首振り公転駆動等に関与する。
【0030】
受力部位21は、横方向に貫通する給水管路23を備え、この給水管路23から、旋回室15内の浴槽水を噴射口25に導く。給水管路23は、受力部位21に十字に交差して開けられており、噴射口25へ浴槽水が導かれる際に整流がなされるので、噴射口25からの浴槽水噴射は安定する。
【0031】
又、噴射体20は、前記噴射部位22と受力部位21の間に段差部24を有しており、前記旋回室15の開口上部に設けられた開口部16に前記段差部24を内接させた状態で挿入・支持されている。
従って、旋回室流入路11から旋回室15に浴槽水が流入すると、この浴槽水は、旋回室15の内周壁面に沿った受力部位21周りの旋回流を引き起こす。
【0032】
本実施例では、図示するように、円筒状の旋回室15の内径に対して、受力部位21の外径を約40%とした。しかし、受力部位21の外径を旋回室15の内径の約35〜80%、好ましくは約40〜70%とすることができる。こうした内外径比のもたらす効果については後述する。
【0033】
又、図3(a)に示すように、噴射体20は、噴射口25を旋回室15の外部に臨ませた状態で、噴射体20を支持する。しかも、噴射体20は、前記小径の噴射部位と前記開口部16に挿入されているだけなので、噴射体20を支持した上で、受力部位21を旋回室15内において各方向に傾斜可能とすると共に、この受力部位21を傾斜した姿勢で首振り可能とするだけでなく、噴射体20は、旋回室15内部で噴射体20自身が中心軸を中心に回転する自転が自在に行なえるようになっている。
これら、自転や公転は、受力部位21と上記の旋回流で引き起こされるが、その詳細については、後述する。
【0034】
旋回室15の下流壁は、図示するように噴射体20の噴射部位22の側で小径とされたテーパガイド部14とされている。このテーパガイド部14は、受力部位21、延いては噴射体20の最大傾斜角度を規制し、噴射体の公転角度を規制している。
又、ノズル10は水平方向に浴槽水を噴射する様に、前記噴射体20を設けてあるので、前記旋回室に浴槽水が流入していない時、すなわち非流入時には、前記噴射体20は自らの自重により、大径とされた受力部位を下方向に傾けた状態で、前記テーパガイド部に当接している。
【0035】
ここで、上記構成のノズル10における浴槽水噴射の様子や、その挙動について説明する。
図4は旋回室15に浴槽水が流入してからの受力部位21の挙動とこの受力部位21にかかる力の様子を時間経過に沿って説明する説明図、図5は受力部位21がこうした挙動を採ることで得られる浴槽水噴射の様子を説明する説明図である。
図4に示すように、今、旋回室流入路11から旋回室15に浴槽水を流入させる(時刻t0)。この場合、浴槽水は、通路断面積大の循環路6から通水断面積小の旋回室流入路11を通過してくることから、大きな流速で旋回室15に流入する。
よって、この浴槽水が衝突等を起こすことで供与することのできる運動エネルギは、高まる。
【0036】
こうして旋回室15に浴槽水が流入すると、浴槽水は、旋回室15の内壁に沿って受力部位21周りに旋回する旋回流を起こす。この旋回流における流速は、旋回室流入路11の連通部でその流速Uinが最も高い。
流入浴槽水が最初に旋回を始める場所、即ち旋回室流入路11の開口の延長線上にある周壁部位15aと、当該部位に対向する周壁部位15bとでは、それぞれの流速Uaと流速Ubに差が生じ、両者の関係は、Ua>Ubとなる。つまり、周壁部位15aから周壁部位15bまで浴槽水が行き渡る(旋回する)間に、旋回室15内での流れ分散や旋回室15内壁面との浴槽水接触、浴槽水粘性、表面摩擦等の影響を受け、浴槽水は減速する。
【0037】
よって、受力部位21周りで浴槽水の流速差が生じる。この場合、移動するものは流体(浴槽水)であるものの、この浴槽水と受力部位21との相対的な関係では、流体中を物体が移動する状況と変わるものではない。
従って、流体中を物体が移動する際に、その物体を挟んだ流体の速度差に基づいて当該物体に揚力が作用する状況が、旋回室15における浴槽水と受力部位21との間で起き、受力部位21には揚力と同質の力が作用する。なお、便宜上、この力を揚力と称するのは、既述した通りであるが、他の現象で例示するならば、このように流体の速度差によって揚力が発生することは、飛行機の翼表面の速度差、すなわち圧力差によって揚力を発生することと同様である。
【0038】
図3に示すように、旋回室15に受力部位21が入り込み、図4の時刻t0では、次のようになる。この時刻t0で停止している受力部位21周りの旋回流が起きることから、その揚力Fは、周壁部位15aの旋回流の流速Ua[m/sec]の影響を受ける。そして、この揚力Fは、揚力を受ける受力部位21の最大射影面積をS[m]、浴槽水の密度をρ[kg/m3]とすると、次式で表される。式中のCは揚力係数である。
=(ρ・V・C・S)/2 [N]
こうして揚力Fが受力部位21に作用すると、その結果として受力部位21には抗力F(=(ρ・V・C・S)/2 [N])も作用する。このCは抗力係数である。
上記の式中の最大射影面積Sは、受力部位21の長さL[m]に依存することから、受力部位21の長さLを長くすれば、揚力・抗力を大きくできる。
【0039】
図4の時刻t0に示すように、旋回室15で受力部位21周りの旋回流が起きると、既述したように、受力部位21には揚力が作用する。この揚力は、受力部位21周りの旋回流の流速が大きい周壁部位15aの側に旋回流中中央側から外向きに働く。その一方、受力部位21は、旋回室15において、傾斜した姿勢で首振り可能であることから、この揚力Fを受けて図中矢印Fで示す方向に傾斜する。こうして、受力部位21が旋回室15の内壁側に傾くと、時刻t1では、この揚力Fと抗力Fが共に作用しその合力方向に動く。この合力は、抗力が旋回流の流れ方向に沿ったものであることから、受力部位21を旋回流の流れ方向に沿って動かす方向に働く。
【0040】
こうなると、受力部位21が傾いた側で旋回流の通過間隔が狭小となり、この狭小で旋回流流速は高まる。この状況は間隔狭小箇所が受力部位21周りに移動するように起きるので、旋回流の最も流速の大きい箇所も旋回室15の内周壁に沿って移動する。従って、流速の最も大きい箇所の移動に伴って、揚力Fの向き並びに抗力Fの向きも変わることから、時刻t2,t3,t4と進むほどに、受力部位21は傾斜した姿勢のままで旋回流の流れ方向に移動する。なお、こうして揚力・抗力の影響を受けて噴射体が公転を始めると、旋回室径方向にこの噴射体に遠心力が作用することになる。
尚、本説明は浴槽水の非流入時において、噴射体20が前記旋回室15に対して、中心にある場合の説明を行なったが、図3(a)で示した様に、非流入時に噴射体20が傾斜している場合には、浴槽水の流入初期から、旋回室内で旋回流の通過間隔に大小が生じるので、前述した様に、より確実に噴射体20の公転運動が確実となる。
【0041】
このため、噴射体20は、段差部24による支持箇所を中心に首振り運動して旋回室15において公転(首振り公転)する。そして、この噴射体20の噴射口25は旋回室15の外部に臨んでいることから、噴射口25に給水管路23を経て導かれた浴槽水は、噴射体20の首振り中心の箇所を頂上とする円錐状に噴射される。こうした噴射にあっても、噴射体の首振り公転に倣って公転し、既述した円錐状の公転噴射となる。
【0042】
又、このような円錐状の公転噴射を行っている間において、段差部は前記旋回室15の開口上部に設けられた開口部16に前記段差部24を内接させた状態で挿入・支持されている。
こうすれば、室内部位が傾斜した場合において、上記の段差部は、傾斜した側で開口周縁に受けられ、この傾斜した側以外では、段差部は開口周縁から離れる。つまり、開口周縁に対する段差部の接触はいわゆる方当たりとなり、噴射体の首振り公転に伴い、この方当たりのまま、開口周縁との接触する段差部の位置は、噴射体自体が段差部の接触抵抗に逆らわずに転がりながら、開口周縁に沿って変わって行く。このため、方当たりしていない段差部から漏れ出ようとする流入室内の浴槽水を、この段差部部位の潤滑剤として機能させることができる。よって、段差部と開口周縁に特段の潤滑剤や潤滑機能を要しないので、構成の単純化は、保守点検・組み付け作業の簡略化を図ることができる。
【0043】
また、噴射体の首振り公転の最中で段差部は方当たりしながら、開口周縁を転がっているに過ぎないので、段差部と開口周縁との接触は狭小範囲、且つ摩耗が発生しない。よって、この接触に伴う摩擦力を低減でき、摩耗防止の上から好ましい。
このように段差部の方当たりを採るに当たり、流入室は、前記開口周縁に、前記段差部の側に突出した環状隆起部を有するものとできる。こうすれば、段差部は環状突起部にしか方当たり接触しないので、方当たりの安定化や上記した摩耗防止等に有益である。
更に、段差部を傾斜面形状とすれば、方当たりの安定化や上記した摩耗防止等により有益である。
【0044】
又、上記のように受力部位21が揚力Fの影響を受けて旋回室15の内壁側に傾斜すると、この受力部位21は、旋回室15の旋回流に直に押される方向に抗力Fを受ける。よって、傾斜した姿勢の受力部位21は、既述した遠心力の影響も受けて傾斜姿勢のままで旋回流の流れ方向に移動することになり、噴射体10の首振り公転は促進される。
【0045】
ここで、こうした公転噴射の様子を図でもって説明する。図5に示すように、上記のように噴射体20が首振り公転を起こすと、噴射口25は、噴射体20の首振り公転に伴い噴射方向を変えながら公転する。よって、噴射口25は、螺旋状に拡大した軌道を描きながら浴槽水を噴射し、その結果として、円錐状の公転噴射を実現する。従って、浴槽水の噴射軌跡を、噴射口11の軌跡よりはるかに大きい軌跡の円錐状の公転噴射の軌跡とし、広範囲に亘って人体のマッサージが出来る。
従って、本実施例のマッサージ浴槽装置1によれば、ノズル自体の駆動を伴うことなく円錐状の公転噴射を実現でき、これにより、広範囲の浴槽水着水、即ち広範囲のマサージを図ることができる。
【0046】
しかも、こうした広範囲への浴槽水の着水を図る上で、旋回室15への浴槽水流入を図って旋回流を起こし、この旋回流により噴射体20に首振り公転を起こせば足りる。つまり、広範囲着水に際して、可動部材を、ノズル内に設けた旋回室15に組み込める小さな噴射体20だけとできる。加えて、噴射体20の首振り公転を浴槽水の旋回流のみで起こしており、モータ等のアクチュエータを一切必要としない。このため、本実施例のマッサージ浴槽装置1は、アクチュエータ駆動に基づく騒音や振動を発生させることがなく、静音性・静振性に非常に優れる。
【0047】
加えて、ギヤ等の噛み合わせも不要であることから、ゴミ等の噛み込みも無く、噴射の信頼性を高めることができる。このギヤ等が不要であることと相まって、噴射部位22を小径として開口部16に対する転がり抵抗を小さくしたので、噴射体20の首振り公転に際し、エネルギーロスがなく、首振り公転の高速化をもたらすことができる。
【0048】
また、移動部分が小さいことに加えて、アクチュエータ等の電気的駆動部を持たないので、マッサージ浴槽装置1の小型化を推進できる。さらに、電気的駆動部分の耐久性が問題になることがないと共に、ノズル先端までの電気的配線も要しない。よって、漏電等の配慮をも必要とせず、組み付け作業や保守作業の簡略化、構成の簡略化、延いてはコスト低減を図ることができる。
【0049】
また、上記した円錐状の公転噴射による広範囲着水を、旋回室15への噴射体20の組み込みと、旋回室15への浴槽水導入による旋回流生成とで容易に実現できる。これにより、構成の簡略化、コスト低減を図ることができると共に、構成の簡略化を通して、装置のコンパクト化を図ることもできる。
【0050】
本実施例では、旋回室15への浴槽水流入を図る旋回室流入路11を通水断面積が小さなものとして、旋回室15への流入浴槽水を流速を高めた。旋回室15に流入する浴槽水流速は、既述したように揚力Fを規定する。よって、通水断面積が種々のものとされた旋回室流入路11を用意し、これらを選択的に使用すれば、受力部位21に作用する揚力Fの他、抗力・遠心力も調整できる。これら力は、噴射体20の首振り公転の周波数も定める。よって、旋回室流入路11の通水断面積調整、若しくは旋回室流入路11の選択で、噴射体20の首振り公転の周波数も調整できる。よって、次の利点がある。
【0051】
浴槽水の噴射が人体等のマッサージ部位にあたる瞬間の力と面積をそれぞれF1、ΔSとすると、人体がある瞬間に感じる浴槽水の噴射の強さはF1/ΔSと規定できる。噴射体20の首振り公転周波数をf1とし、この周波数で噴射が継続されている場合、周波数f1の逆数である周期(Δt=1/f1)の時間間隔で人体等のマッサージ部位にあたる総面積Sは、この周期Δtの間にΔSを積分した値(S=∫ΔS)となる。
【0052】
一方、人が刺激を皮膚等を介して感じる時に、刺激を感じる受容器は、人や刺激を受ける場所によっても異なるが数Hz〜数百Hzの範囲の刺激に対して、刺激を連続してもしくは、連続と同様な刺激を受けている様な錯覚を生じる。従って、ある瞬間に強さF1/ΔSの刺激をΔtの周期である軌道で移動(移動総軌跡S=∫ΔS)した場合、人は強さF1/ΔSの刺激を総面積Sで受けているように錯覚を生じる。この傾向はΔtが小さいほど顕著に表れて、f=約3HzすなわちΔt=約0.3秒程度から感じ始める。
従って、旋回室流入路11の通水断面積調整や旋回室流入路11の選択を行って、噴射体20の首振り公転周波数f1を約3Hz以上とできる。こうすれば、マッサージの刺激を損なう(小さくする)ことなく着水面積を大きくすることができる。
【0053】
マッサージ浴槽装置1では、旋回流に基づいて揚力を発生させ、この揚力を噴射体の首振り公転並びにその高速化に供している。つまり、浴槽水の運動エネルギを直に首振り公転に用いているわけではないので、流体素子を用いたものに比して、噴射の勢いの衰退を招かない。
また、実際にはマッサージポイントへの着水の推移を起こしていても上記の錯覚を起こすので、着水範囲の総てに同時に浴槽水が着水するような連続的な噴射を要しない。よって、その分、装置の小型化が可能である。
【0054】
上記した本実施例では、噴射体20を、開口部16により自転可能に支持されていることから、首振り公転時に、開口部16の支持箇所で摩擦力が生じる。また、テーパガイド部14との接触により、その接触でも摩擦が生じる。そして、この摩擦の発生状況や、噴射体20の受力部位21が受ける上記した力や運動エネルギとのバランスで、噴射体20は、自身の中心軸を中心に自転を起こす。この自転の方向は、上記のバランスで定まり、旋回流と同方向とすることもでき、逆方向とすることもできる。
【0055】
本実施例の噴射体20では、旋回流の運動エネルギを直接受ける部位を円柱状としたが、その形状が円柱形状に限られるわけではなく、三角柱や四角柱、六角柱などの多角柱とすることもできる。
また、受力部位21の重量にあっても、その形状や大きさや材質等により増減することができる。重量の増減により、受力部位21に作用する抗力や揚力を受けた時の公転速度や、遠心力自体を増大・減少できるばかりか、テーパガイド部14との摩擦力や、噴射体自体の慣性力を変えることができる。よって、噴射体20の首振り公転の回転数を変えることもできる。
【0056】
次に、また別の変形例について説明する。この変形例は、噴射体の首振り公転に伴う円錐状の公転噴射の軌跡をより広げる点に特徴があり、噴射体20に別の実施例を用いた物である。
図6は変形例の噴射体120、130を説明するための説明図であり、図6(a)は噴射体120の縦断面図、図6(b)は噴射体130の縦横断面図である。図7は噴射体120を組み込んだノズルを縦方向断面視した断面図、図8は噴射体120を用いたノズル10からの浴槽水噴射の様子を説明する説明図である。
【0057】
図6(a)に示すように、噴射体120は、開口部16で支持される噴射部位122に、給水管路123と連通する噴射口125を有する。この噴射口125は、噴射体120の中心軸(自転軸)に対して傾斜した状態で形成されている。噴射体130は、図6(b)に示すように、噴射部位127に、給水管路129と連通する噴射口126を有し、この噴射口125を噴射体130の中心軸(自転軸)に対して偏心させている。これら噴射体にあっても、噴射体120と同様に、開口部16により支持されており、首振り公転可能である。また、それぞれが有する受力部位121、128により、各噴射体は噴射体20と同様な力を受けて公転および自転を行なう。
【0058】
既述したように旋回室15で旋回流が生じると、図8に示すように、噴射体120は、受力部位21と等価な受力部位121を有することから、首振り公転と中心軸周りの自転を起こす。これにより、噴射口125からの噴射軌跡は、円錐状の公転噴射の軌跡と次の軌跡の組み合わせとなる。つまり、噴射口125は自転軸に対して傾斜しているので、この傾斜した噴射口125からの浴槽水は、傾斜した噴射口自体が噴射体自転に伴って自転することにより変わることで、この浴槽水噴射は、自転軸を中心とした円錐状軌跡を採る。よって、噴射口125からの噴射軌跡は、円錐状の公転噴射の軌跡と上記の円錐状軌跡が組み合ったものとなる。
【0059】
よって、この拡散軌跡と円錐状の公転噴射軌跡が組み合わさった軌跡での噴射によって、より広い範囲に浴槽水を着水できるばかりか、その着水範囲の中抜けをなくすことができる。しかも、この変形例では、こうした広範囲の噴射実現に際し、特段の水量増加を必要とせず、噴射体120の公転および自転を引き起こせばよいので、効率良く節水を行なうことができる。
【0060】
この噴射体120に替わり、図6(b)に示す噴射体130を用いることもできる。この噴射体130は、噴射口126を噴射体自転軸に対して偏心させていることから、この偏心した噴射口からの浴槽水は、上記の傾斜した噴射口と同様、偏心噴射口自体の自転により、自転軸を中心とした円柱状の軌跡となる。よって、噴射体130を組み込んだノズル10は、この円柱状の軌跡と円錐状の公転噴射軌跡が組み合わさった軌跡での噴射を実現し、図8とほぼ同様の噴射を行う。
【0061】
上記した変形例の噴射体120や噴射体130において、受力部の形状は円柱状であったり、三角柱や四角柱、六角柱などの多角柱の他、羽根形状とすることもできる。このように受力部の形状を変化させることで、受力部の受ける揚力、抗力、自転力の状態を変化させることが出来る。こうすることで、公転による噴射軌跡と自転による噴射軌跡を自由に組み合わせることが、可能となり、噴射のパターンを自由に組み合わせることが可能となる。
【0062】
また、旋回室15内周壁と各噴射体の受力部位121、128の隙間や、テーパガイド部14のテーパ角度を変えることで、これら噴射体の首振り公転角度を変えることができる。例えば、マッサージ浴槽装置1のノズル10の場合、噴射対象が足や手のように比較的小さな部位には、受力部位121、128と旋回室15内周壁との隙間を小さくして、噴射体の首振り公転角度を小さくする。テーパガイド部15のテーパ角度でも同様である。
【0063】
又、受力部位121、128の形状を比較的小さくもしくは四角柱や三角柱や円柱のようにして、首振り公転時に羽根が旋回流から受ける抵抗力を増加させることも出来る。こうすれば、噴射体の首振り公転の周波数を自転周波数よりも大きく、すなわち高速で公転運動することが出来る。よって、被噴射部位の集中噴射が可能となり、且つ同時に噴射を強く受けているようなマッサージ感にすることが可能である。
なお、上記したように噴射体の首振り公転周波数と自転周波数を羽根形状・受力部位重量等で調整できることから、噴射目的や噴射範囲等に適うよう、各周波数を自由に設定することが可能である。
【0064】
なお、上記した実施例およびその変形例において、ノズルが噴射部位や段差部と接触を起こすガイド部と噴射体には、少なくともその一方に、摺動性や耐摩耗性に優れた材料、例えば、ポリアセタール、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、シリコーン、ABS、PPS等の樹脂を用いることが出来る。また、ステンレス等の金属とする場合にあっては、表面粗さを小さくするなどすれば良い。
【0065】
次に、噴射体の支持手法の変形例について説明する。図9は変形例の噴射体340と支持の様子を説明するための説明図である。
図示するように、噴射体340が組み込まれる旋回室350は、その上端に開口部351を有する。噴射体340は、旋回室350に組み込まれた状態で、開口部351から噴射部位341の噴射口342を外部に臨ませる。
旋回室350が流入した浴槽水でほぼ満水の状態となると、その浴槽水は噴射体340の噴射口342に給水管路344を経て導かれる。こういった状態では、噴射体340は、旋回室350に流入した浴槽水で開口部351の側に押し上げられ、開口部351の開口周縁で、噴射部位341の先端を支持される。つまり、この噴射体340は、浴槽水流入時において、噴射口342の周縁を、開口部351の開口周縁が受け座として支持し、受力部位343が旋回流に基づく揚力を受けることで、既述したように首振り公転する。
【0066】
この噴射体340の首振り公転の際、上記の上向きの押し上げにより、噴射体340は、その噴射部位341の先端を開口部351の開口周縁に押し付ける。ところで、こうした押しつけの際には、噴射体自体が首振り公転をしていることから、噴射部位先端が噴射体340の傾斜した側で開口周縁に受けられるいわゆる片当たりを起こす。こうなれば、この傾斜した側以外では、噴射部位先端は開口周縁から離れ、噴射体340の首振り公転に伴い、この片当たりのまま、開口周縁との接触する噴射部位先端の位置は開口周縁に沿って変わって行く。このため、片当たりしていない噴射部位先端から漏れ出ようとする旋回室350の浴槽水を、この噴射部位先端の潤滑水として機能させることができる。よって、噴射部位先端と開口周縁に特段の潤滑剤や潤滑機能を要しないので、構成の単純化や、保守点検・組み付け作業の簡略化を図ることができる。
また、噴射体340の首振り公転の最中で噴射部位先端を片当たりさせるに過ぎないので、噴射部位先端と開口周縁との接触は狭小範囲でしか起きない。よって、この接触に伴う摩擦力を低減でき、摩耗防止の上から好ましい。
【0067】
図10はまた別の変形例の噴射体支持手法を説明するための説明図である。図示するように、この変形例では、開口部351の開口周縁に、噴射部位341の先端の側に突出した環状隆起部352を有する。この変形例では、上記したように噴射部位341先端が片当たりしている場合に、この環状隆起部352でしか噴射部位先端を片当たり接触させない。このため、片当たりの安定化や上記した摩耗防止等に有益である。なお、摩耗が起きたとしても、環状隆起部352周りでは噴射部位先端の接触位置が変わらないので、摩耗による回転数が低下する等の性能変化がなく回転が安定する。
【0068】
この場合、図9や図10に示す噴射部位先端を傾斜面形状や球形形状、円弧状形状とすれば、片当たりの安定化や上記した摩耗防止等により有益である。また、この先端形状の曲率やテーパ角度が大きくければ、片当たりがより安定化し、噴射体が僅かに傾くと、開口周縁に噴射部位先端の全周が接触しない取合いになって片当たりとなる。また、噴射部位先端の周縁をテーパ状或いは円弧状に面取りすることでも、片当たりの安定化や上記した摩耗防止等により有益である。
【0069】
図11は他の変形例の噴射体支持手法を説明するための説明図である。図示するように、この変形例では、開口部351の開口周縁352を球形形状とし、噴射部位341の先端をこの球形に適合した凸の球形形状とした。この変形例では、球形同士の接触であることから、両者の球形状の関係によって、噴射部位先端を開口周縁352に上記したような片当たりさせる場合と、噴射部位先端をほぼ全周に亘って開口周縁352で受け止める場合を採ることができる。このいずれの場合であっても、噴射体340の首振り公転の安定化を図ることができる。なお、この変形例で片当たりを起こすには、噴射部位341先端の曲率と開口周縁352の曲率を異ならせれば良く、ほぼ全周当たりにするには、両者の曲率をほぼ一致させればよい。
【0070】
次に、浴槽水の循環噴射に際して、外気より空気を吸入して、前記空気を浴槽水の噴射と同時に浴槽内に噴射する形態の実施例を説明する。
図12は、本実例であるマッサージ浴槽装置401を説明する為の全体構成図である。
図示するように、マッサージ浴槽装置401は、浴槽水を貯溜する浴槽2と、加圧装置として加圧循環ポンプ5と、ノズル410、制御装置3、操作装置4で構成されている。
又、前記浴槽2には前記浴槽2内に開口した給水口7を有し、前記給水口7と前記加圧循環ポンプ5と前記ノズル10とは、浴槽水を循環する為の循環路6により接続されている。
又、前記制御装置3には、前記操作装置4、加圧循環ポンプ5、電源が接続されており、前記加圧循環ポンプ5の運転を制御する様に構成されている。
又、給水口7には図示しないフィルターが備えられている。
【0071】
このような構成における、浴槽水の流れについて説明する。上記マッサージ浴槽装置401は、例えば、リモコンなどの操作装置4により、使用操作がなされると、前記制御装置3により、前記加圧循環ポンプ5を作動させる。
前記加圧循環ポンプ5が作動すると、前記加圧循環ポンプ5は、前記給水口7より前記浴槽2内の浴槽水を吸入し、循環路6を通して前記ノズル410へと浴槽水を送り込み、前記ノズル410より再び浴槽内へ噴射され、送り込まれる構成となっている。
又、前記ノズル410は、大気に連通し空気を前記ノズル410へと導く空気通路406を備えており、前記空気通路406は大気解放場所に、前記空気吸込口400を備えている。
【0072】
次に、ノズル410について説明する。
図13はノズル410に関する詳細図を示している。
図13に示す様に、ノズル410は図3に示したノズル10と同様に、旋回室15、旋回室流入路11、噴射体20を備えている。
又、本実施例の構成においても、図3に示した実施例と同様に、循環水の旋回流をもって、噴射体20に前述した種々の力を与えて、噴射体20に首振り公転および噴射体軸まわりの自転運動を起こさせている。
又、前記ノズル410は、前記噴射口25近傍にあって、前記空気通路406と連通した空気混入室407を備えている。
【0073】
この様な構成で、浴槽水がノズル410より噴射される際の特徴を図14に示す。
図14に示す様に、この様な構成で、加圧装置で加圧された浴槽水が噴射口25より噴射されると、浴槽水は噴射口25より噴射される時に、速度が速められた状態で前記空気混入室407を貫通して浴槽内へ噴射される。
この噴射された浴槽水は、前記空気混入室407内部の浴槽水を、噴射された浴槽水の粘性により引張って浴槽内へと噴射排出し、前記空気混入室内部の浴槽水を浴槽内へと排出した後、前記空気混入室に連通した大気から、噴射された該浴槽水と空気の表面摩擦抵抗により、空気を浴槽内へと噴射する。
【0074】
この時、前記浴槽水と前記空気が空気混入室407から噴射される際に、前述した様に噴射体は高速で公転しながら浴槽水を噴射するので、この噴射される浴槽水と空気も一緒に公転しながら噴射されることにより、前記空気は浴槽内の浴槽水によって引き千切られ、微細な気泡として、前記浴槽水と一緒に浴槽内に噴射される。
【0075】
この様な、浴槽水噴射装置を用いて人体に浴槽水を当てた場合、前述した浴槽水の公転によるマッサージ効果や血行促進が得られるだけでなく、浴槽水の噴射に気泡を混入することで人体への刺激を適度に和らげることが出来る。
【0076】
次に、浴槽内に空気を吸入する他の変形例について説明する。
図15は本実施例におけるマッサージ浴槽装置501の全体構成図である。
図示するように、マッサージ浴槽装置501は、浴槽水を貯溜する浴槽2と、加圧装置として加圧循環ポンプ5と、ノズル510、制御装置3、操作装置4を備えている。
又、前記浴槽2には前記浴槽2内に開口した給水口7を有し、前記給水口7と前記加圧循環ポンプ5と前記ノズル510とは、浴槽水を循環する為の循環路6により接続されている。
又、前記制御装置3には、前記操作装置4、加圧循環ポンプ5、電源が接続されており、前記加圧循環ポンプ5の運転を制御する様に構成されている。
又、給水口7には図示しないフィルターが備えられている。
【0077】
このような構成における、浴槽水が前記ノズル510に送り込まれるまでの流れについては、前述した図12に示した実施例と同様である。
又、前記ノズル510は、大気に連通し空気を前記ノズル510へと導く空気通路506を備えており、前記空気通路506は大気解放場所に、前記空気吸入口500を備えている。
【0078】
次に、ノズル510について説明する。
図16は前記ノズル510に挿入され、浴槽水を噴射する噴射体60を説明する図であり、図16(a)は噴射体60の縦断面図、図16(b)は噴射体60の外観図を示している。
又、図18は噴射体60が挿入された前記ノズル510を説明する図である。
【0079】
図16、図17に示す様に、噴射体60は浴槽水を噴射するの噴射口65を備えた小径円柱の噴射部位62と、この噴射部位に連続した大径円柱の受力部位61を有する。この受力部位61は、前述した例と同様に、前記ノズル510に設けられた旋回室15内に位置して上記の旋回流から種々の力を受け、噴射体60の首振り公転および噴射体60の中心軸まわりの自転運動等に関与する。
噴射体60は、前記噴射体60の中心軸方向に、前記噴射口と貫通する給水管路66を備え、この給水管路66から、旋回室15内の浴槽水を噴射口65へと導く構成となっている。
【0080】
又、噴射体60は、前記噴射部位62と受力部位61の間に段差部64を有しており、前記旋回室15の開口上部に設けられた開口部16に前記段差部64を内接させた状態で挿入・支持されている。
又、旋回室流入路11は前記循環路6に接続され、且つ前記旋回室15に偏心して連通して設けられているので、浴槽水が流入すると、この浴槽水は、旋回室15の内周壁面に沿った受力部位61周りの旋回流を引き起こす構成となっている。
【0081】
又、図17に示すように、噴射体60は、噴射口65を旋回室15の外側に臨ませた状態で、噴射体60を支持する。しかも、噴射体60は、前記小径の噴射部位と前記開口部16に挿入されているだけなので、噴射体60を支持した上で、受力部位61を旋回室15内において各方向に傾斜可能とすると共に、この受力部位61を傾斜した姿勢で首振り可能とするだけでなく、噴射体60は、旋回室15内部で噴射体60自身が中心軸を中心に回転する自転が自在に行なえるようになっている。
これら自転や公転は、受力部位61と上記の旋回流で引き起こされるが、その詳細については、前述した実施例と同様、受力部位周りに発生する揚力、抗力、および公転開始とともに発生する遠心力により公転や自転運動を行なう。
【0082】
又、旋回室15の下流壁は、図示するように噴射体60の噴射部位62の側で小径とされたテーパガイド部14とされている。このテーパガイド部14は、受力部位61、延いては噴射体60の最大傾斜角度を規制し、噴射体の公転角度を規制している。
【0083】
又、前記噴射体60に設けられた給水管路66は、前記旋回室15中心に開口し前記給水管路に向き合う様に、空気導入口508を有しており、前記空気導入口508は前記空気通路506により、前記前記空気吸入口500に連通している。
【0084】
以上の構成で、前記マッサージ浴槽501を運転させた時の、浴槽水および空気の流れについて説明する。
図18は浴槽水が前記ノズル510より浴槽内に噴射される時の特徴を説明する図である。
図示する様に、加圧循環ポンプ5で加圧された浴槽水が、前記ノズル510に供給されると、前述した様に旋回流を発生させる。
又、旋回室15に旋回流が発生すると前述した種々の作用により前記噴射体60が公転および自転運動を行なう。
又、前記旋回室15内で旋回流が発生すると、浴槽水の流れ自体が遠心力を受けて、旋回室内壁側に偏り、旋回室中心の圧力が低下する。
又、本実施例では前記噴射体60の噴射口65の開口面積を図2で示した噴射体20の噴射口25より大きく設けており、浴槽水を前記噴射口65より噴射するのに要する圧力、すなわち旋回室内の圧力を小さくできる様に設けてあるので、前述した様に旋回室中心の圧力が低下すると、容易に大気圧力以下になる。
【0085】
又、前記旋回室15の中心の圧力が下がると、前記空気吸入口500が大気より空気を吸い込み、前記空気通路506、および前記空気導入口508を通じて、旋回室中心へと空気を供給する。
【0086】
又、前述した様に、浴槽水は前記旋回室15内で旋回した後、前記旋回室15中心に設けられた前記給水管路66を通って、前記噴射口65より浴槽内に噴射されるので、前記旋回室15内に供給された空気は、この浴槽水と一緒に、前記給水管路66を通って、前記噴射口65より浴槽内に噴射される。
一方、噴射体60は前記給水管路66を前記空気導入口508に向けた状態で、首振り公転および自転運動を行なうので、前述した噴射体60の首振り公転および自転運動により、空気の吸込みが阻害されることはない。
【0087】
又、前記給水管路66に供給される浴槽水は、旋回方向に速度成分を保ったまま供給されるので、前記噴射口65より噴射される際も旋回した状態で噴射される。又、前記噴射体60は公転しながら浴槽水を噴射するので、前記給水管路66に供給された空気は、前述した浴槽水自身の旋回と、噴射体60の公転運動の影響を受けて、微細な気泡となり浴槽内へ噴射される。
【0088】
又、さらに、噴射体60は公転しながら浴槽水を噴射するので、この噴射される浴槽水と空気も一緒に公転しながら噴射されることにより、前記気泡は浴槽内の浴槽水によってさらに引き千切られ、より微細な気泡として、前記浴槽水と一緒に浴槽内に噴射される。
【0089】
この様な、浴槽水噴射装置を用いて人体に浴槽水を当てた場合、前述した浴槽水の公転によるマッサージ効果や血行促進が得られるだけでなく、浴槽水の噴射に気泡を混入することで人体への刺激を適度に和らげることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マッサージ浴槽装置を説明するための全体構成図である。
【図2】 噴射体20の説明図であり、図2(a)は噴射体20の縦断面図、図2(b)は噴射体20の外観図である。
【図3】 ノズル10の説明図であり、図3(a)はノズル10を断面視して説明するための説明図、図3(b)はノズル10を横方向に断面視して説明する為の説明図である。
【図4】 旋回室15に浴槽水が流入してからの受力部位21の挙動とこの受力部位21にかかる力の様子を時間経過に沿って説明する説明図である。
【図5】 受力部位21がこうした挙動を採ることで得られる浴槽水噴射の様子を説明する説明図であ。
【図6】 変形例の噴射体120、130を説明するための説明図であり、図6(a)は噴射体120の縦断面図、図6(b)は噴射体130の縦断面図である。
【図7】 噴射体120を組み込んだノズルを縦方向断面視した断面図である。
【図8】 噴射体120を用いたノズル10からの浴槽水の噴射の様子を説明する説明図である。
【図9】 変形例の噴射体340と支持の様子を説明するための説明図である。
【図10】 また別の変形例の噴射体支持手法を説明するための説明図である。
【図11】 他の変形例の噴射体支持手法を説明するための説明図である。
【図12】 マッサージ浴槽装置401を説明する為の全体構成図である。
【図13】 ノズル410の説明図である。
【図14】 ノズル410より浴槽水と空気を噴射する時の説明図である。
【図15】 マッサージ浴槽装置501を説明するための全体構成図である。
【図16】 噴射体60を説明するための説明図である。
【図17】 ノズル510を説明するための説明図である。
【図18】 ノズル510より浴槽水と空気を噴射する時の説明図である。
【符号の説明】
1…マッサージ浴槽装置
2…浴槽
3…制御装置
4…操作装置
5…加圧循環ポンプ
6…循環路
7…給水口
10…ノズル
11…旋回室流入路
13…噴射ガイド
14…テーパガイド部
15…旋回室
16…開口部
20…噴射体
21…受力部位
22…噴射部位
23…給水管路
24…段差部
25…噴射口
60…噴射体
61…受力部位
62…噴射部位
64…段差部
65…噴射口
66…給水管路
120…噴射体
121…受力部位
122…噴射部位
123…給水管路
124…段差部
125…段差部
126…噴射口
127…噴射部位
128…受力部位
129…給水管路
130…噴射体
340…噴射体
341…噴射部位
342…噴射口
344…給水管路
350…旋回室
351…開口部
352…環状隆起部
400…空気吸入口
401…マッサージ浴槽装置
403…噴射ガイド
406…空気通路
407…空気混入室
410…ノズル
500…空気吸入口
501…マッサージ浴槽装置
506…空気通路
508…空気導入口
510…ノズル

Claims (12)

  1. 浴槽に固定されるノズルと加圧装置を備え、前記浴槽に浴槽水を貯溜した状態で、前記加圧装置により、前記浴槽内から浴槽水を吸入し、加圧した状態で、前記ノズルへ供給し、浴槽内へ噴射する装置であって、
    前記ノズルは、
    前記加圧装置により加圧された浴槽水が流入する流入室と、
    該流入室に組み込まれ、浴槽水の噴射口を備えた噴射部位と該噴射部位に連続し前記流入室内に位置する室内部位とを有する噴射体であって、前記流入室内の浴槽水を前記噴射口に導く管路を有する前記噴射体と、
    前記流入室に浴槽水を導く給水機構とを有し、
    前記噴射体は、
    前記噴射口を前記流入室外部の浴槽側に臨ませた状態で、前記室内部位が前記流入室内で傾斜した姿勢で首振り運動可能に前記流入室に組み込まれ、
    前記給水機構は、
    前記流入室に浴槽水を導くことにより、前記流入室に流入した浴槽水が前記流入室の内周壁面に沿って前記室内部位の周りに旋回する旋回流を起こすと共に、前記旋回流によって、前記室内部位周りで流速差を起こし、
    該流速差に基づいて生じる力を前記室内部位に及ぼして、該力により、前記噴射体を前記室内部位が前記流入室内で傾斜した姿勢で前記旋回流の流れ方向に首振り運動させて公転させることを特徴とする
    浴槽水噴射装置。
  2. 請求項1記載の浴槽水噴射装置であって、前記噴射体の傾斜角度を規制するガイド部を有することを特徴とする浴槽水噴射装置。
  3. 請求項1記載の浴槽水噴射装置であって、前記流入室に組み込まれた前記噴射体は、前記噴射部位を前記室内部位よりも小径の柱状体として備える、浴槽水噴射装置。
  4. 請求項1記載の浴槽水噴射装置であって、前記噴射体は、前記噴射部位と前記室内部位との繋ぎ部分を段差部とし、前記流入室は、前記噴射部位が貫通配置される開口を有し、該開口周縁を、前記噴射体の前記段差部の受け座とする、浴槽水噴射装置。
  5. 請求項1記載の浴槽水噴射装置であって、前記噴射体は、前記公転を起こしつつ、前記噴射体自体が前記室内部位の軸を中心に回転する自転を起こす、浴槽水噴射装置。
  6. 請求項1記載の浴槽水噴射装置であって、前記ノズルの有する前記噴射体は、前記流入室への浴槽水の流入の無い非流入時において、前記室内部位を前記流入室に対して傾斜させている、浴槽水噴射装置。
  7. 請求項1ないし請求項6いずれか一項記載の浴槽水噴射装置であって、前記給水機構は、前記流入室の周壁において前記流入室に偏心して連通したノズル管路を有する浴槽水噴射装置。
  8. 請求項1ないし請求項7いずれか一項記載の浴槽水噴射装置であって、前記噴射口近傍に、大気と連通した空気混入室を設けたことを特徴とする、浴槽水噴射装置。
  9. 請求項1ないし請求項7いずれか一項記載の浴槽水噴射装置であって、前記流入室の中心に、大気と連通した空気導入口を設けたことを特徴とする、浴槽水噴射装置。
  10. 請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の浴槽水噴射装置であって、前記ノズルを複数備えた特徴とする、浴槽水噴射装置。
  11. 請求項1ないし請求項10いずれか一項記載の浴槽水噴射装置であって、前記噴射体が起こす公転の周期で定まる周波数は約3Hz以上とされている、浴槽水噴射装置。
  12. 請求項1ないし請求項11いずれか一項記載の浴槽水噴射装置であって、前記浴槽水噴射装置を浴槽に固定し、該浴槽内の浴槽水を、浴槽に入浴した人体に向けて噴射することを特徴とするマサージ浴槽装置。
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