JP3925090B2 - 内燃機関の筒内圧検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の筒内圧検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の筒内圧を検出するための筒内圧検出手段を備えた内燃機関の筒内圧検出装置が知られている。この種の内燃機関の筒内圧検出装置の例としては、例えば特開平10−103091号公報に記載されたものがある。特開平10−103091号公報に記載された内燃機関の筒内圧検出装置では、爆発行程時の筒内圧を検出するために、筒内圧検出手段が吸気弁よりも下流側に配置され、筒内に対して曝されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平10−103091号公報に記載された内燃機関の筒内圧検出装置のように筒内圧検出手段が吸気弁よりも下流側に配置されて筒内に対して曝されるようになっていると、爆発行程時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定した場合、例えば吸気行程時のように爆発行程時よりも筒内圧が低い時には、筒内圧検出手段の分解能が不足し、その時の筒内圧を正確に検出することができない。一方で、吸気行程時のように爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定した場合には、爆発行程時に、筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなくなるおそれが生じてしまう。また、筒内圧検出手段を吸気弁よりも下流側ではなく上流側に配置した場合には、筒内圧検出手段が配置されている部分における圧力と筒内圧とが異なってしまうため、筒内圧を正確に検出することができない。
【0004】
前記問題点に鑑み、本発明は爆発行程時よりも筒内圧が低い時に筒内圧を正確に検出することができると共に、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなってしまうのを回避することができる内燃機関の筒内圧検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の筒内圧を検出するための筒内圧検出手段を備えた内燃機関の筒内圧検出装置において、前記筒内圧検出手段は連通路によって筒内とだけ連通し、少なくとも爆発行程時に前記連通路を遮断することを特徴とする内燃機関の筒内圧検出装置が提供される。
【0006】
請求項1に記載の内燃機関の筒内圧検出装置では、筒内圧検出手段は連通路によって筒内とだけ連通し、少なくとも爆発行程時に前記連通路を遮断するようになっている。そのため、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内に対して曝されることが回避され、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定した場合であっても、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなくなってしまうことがない。また、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定することにより、そのような時においても筒内圧を正確に検出することができる。つまり、爆発行程時よりも筒内圧が低い時に筒内圧を正確に検出することができると共に、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなくなってしまうのを回避することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、少なくとも爆発行程時に前記連通路を遮断し、吸気行程時に前記連通路を連通させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の筒内圧検出装置が提供される。
【0008】
請求項2に記載の内燃機関の筒内圧検出装置では、筒内圧検出手段と筒内とを連通するための連通路が、少なくとも爆発行程時に遮断され、吸気行程時には連通せしめられる。そのため、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定した場合において爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなってしまうのを回避することができると共に、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定することによって、爆発行程時よりも筒内圧が低い吸気行程時の筒内圧を正確に検出することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、吸気行程時に検出された筒内圧に基づき、筒内に吸入される吸入空気量を算出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の筒内圧検出装置が提供される。
【0010】
請求項3に記載の内燃機関の筒内圧検出装置では、吸気行程時に検出された筒内圧に基づいて筒内に吸入される吸入空気量が算出される。そのため、エアフローメータの出力値に基づいて算出される吸入空気量と筒内に実際に吸入される吸入空気量とが一致しないような機関運転条件下において、エアフローメータの出力値に基づいて吸入空気量を算出する場合よりも正確に筒内に吸入される吸入空気量を算出することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、作用角又はバルブリフト量を変更可能な吸気弁の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量を筒内圧に基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の筒内圧検出装置が提供される。
【0012】
請求項4に記載の内燃機関の筒内圧検出装置では、吸気弁の作用角又はバルブリフト量が変更可能な場合にはエアフローメータの出力値に基づいて算出される吸入空気量と筒内に実際に吸入される吸入空気量とが一致しなくなる機関運転条件が多くなることに鑑み、作用角又はバルブリフト量を変更可能な吸気弁の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量は筒内圧に基づいて算出される。そのため、吸気弁の作用角又はバルブリフト量が変更可能な場合であっても筒内に吸入される吸入空気量を正確に算出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は本発明の内燃機関の筒内圧検出装置の第一の実施形態の概略構成図、図2は図1に示した内燃機関の筒内圧検出装置の詳細図である。図1及び図2において、1は内燃機関、2は吸気弁、3は排気弁、4は吸気弁を開閉させるためのカム、5は排気弁を開閉させるためのカム、6は吸気弁用カム4を担持しているカムシャフト、7は排気弁用カム5を担持しているカムシャフトである。図3は図1に示した吸気弁用カム及びカムシャフトの詳細図である。図3に示すように、本実施形態のカム4のカムプロフィルは、カムシャフト中心軸線の方向に変化している。つまり、本実施形態のカム4は、図3の左端のノーズ高さが右端のノーズ高さよりも大きくなっている。すなわち、本実施形態の吸気弁2のバルブリフト量は、バルブリフタがカム4の左端と接しているときよりも、バルブリフタがカム4の右端と接しているときの方が小さくなる。
【0015】
図1及び図2の説明に戻り、8は気筒内に形成された燃焼室、9はバルブリフト量を変更するために吸気弁2に対してカム4をカムシャフト中心軸線の方向に移動させるためのバルブリフト量変更装置である。つまり、バルブリフト量変更装置9を作動することにより、カム4の左端(図3)においてカム4とバルブリフタとを接触させたり、カム4の右端(図3)においてカム4とバルブリフタとを接触させたりすることができる。バルブリフト量変更装置9によって吸気弁2のバルブリフト量が変更されると、それに伴って、吸気弁2の開口面積が変更されることになる。本実施形態の吸気弁2では、バルブリフト量が増加されるに従って吸気弁2の開口面積が増加するようになっている。10はバルブリフト量変更装置9を駆動するためのドライバ、11は吸気弁2の開弁期間を変更することなく吸気弁の開閉タイミングをシフトさせるための開閉タイミングシフト装置である。つまり、開閉タイミングシフト装置11を作動することにより、吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせたり、遅角側にシフトさせたりすることができる。12は開閉タイミングシフト装置11を作動するための油圧を制御するオイルコントロールバルブである。尚、本実施形態における可変動弁機構には、バルブリフト量変更装置9及び開閉タイミングシフト装置11の両者が含まれることになる。
【0016】
13はクランクシャフト、14はオイルパン、15は燃料噴射弁、16は吸気弁2のバルブリフト量及び開閉タイミングシフト量を検出するためのセンサ、17は機関回転数を検出するためのセンサである。18は気筒内に吸入空気を供給する吸気管内の圧力を検出するための吸気管圧センサ、19はエアフローメータ、20は内燃機関冷却水の温度を検出するための冷却水温センサ、21は気筒内に供給される吸入空気の吸気管内における温度を検出するための吸入空気温センサ、22はECU(電子制御装置)である。50はシリンダ、51,52は吸気管、53はサージタンク、54は排気管、55は点火栓、56はアクセルペダル開度とは無関係に開度が変更せしめられるスロットル弁である。60は例えば吸気行程時の筒内圧ような比較的低い筒内圧を検出するために吸気弁2よりも下流側に配置された筒内圧センサ、61は筒内圧センサ60と筒内とを連通するための連通路、62は筒内圧センサ60と筒内とを連通させたり、連通路61を遮断したりするために機械的に開閉される連通路開閉弁である。
【0017】
図4は図1に示したバルブリフト量変更装置等の詳細図である。図4において、30は吸気弁用カムシャフト6に連結された磁性体、31は磁性体30を左側に付勢するためのコイル、32は磁性体30を右側に付勢するための圧縮ばねである。コイル31に対する通電量が増加されるに従って、カム4及びカムシャフト6が左側に移動する量が増加し、吸気弁2のバルブリフト量が減少せしめられることになる。
【0018】
図5はバルブリフト量変更装置が作動されるのに伴って吸気弁のバルブリフト量が変化する様子を示した図である。図5に示すように、コイル31に対する通電量が減少されるに従って、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。また本実施形態では、バルブリフト量変更装置9が作動されるのに伴って、吸気弁2の開弁期間も変更せしめられる。つまり、吸気弁2の作用角も変更せしめられる。詳細には、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁2の作用角が増加せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。更に本実施形態では、バルブリフト量変更装置9が作動されるのに伴って、吸気弁2のバルブリフト量がピークとなるタイミングも変更せしめられる。詳細には、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁2のバルブリフト量がピークとなるタイミングが遅角せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。
【0019】
図6は図1に示した開閉タイミングシフト装置等の詳細図である。図6において、40は吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせるための進角側油路、41は吸気弁2の開閉タイミングを遅角側にシフトさせるための遅角側油路、42はオイルポンプである。進角側油路40内の油圧が増加されるに従い、吸気弁2の開閉タイミングが進角側にシフトせしめられる。つまり、クランクシャフト13に対するカムシャフト6の回転位相が進角せしめられる。一方、遅角側油路41の油圧が増加されるに従い、吸気弁2の開閉タイミングが遅角側にシフトせしめられる。つまり、クランクシャフト13に対するカムシャフト6の回転位相が遅角せしめられる。
【0020】
図7は開閉タイミングシフト装置が作動されるのに伴って吸気弁の開閉タイミングがシフトする様子を示した図である。図7に示すように、進角側油路40内の油圧が増加されるに従って吸気弁2の開閉タイミングが進角側にシフトされる(実線→破線→一点鎖線)。このとき、吸気弁2の開弁期間は変更されない、つまり、吸気弁2が開弁している期間の長さは変更されない。
【0021】
図8は第一の実施形態の変形例の図2と同様の図である。図8において、図2に示した参照番号と同一の参照番号は、図2に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示している。62’は筒内圧センサ60と筒内とを連通させたり、連通路61を遮断したりするために電気的に開閉される連通路開閉弁である。
【0022】
図9は第一の実施形態及びその変形例の筒内圧検出方法を示したフローチャートである。このルーチンは所定時間間隔で実行される。図9に示すように、このルーチンが開始されると、まずステップ100において吸気行程であるか否かが判断される。具体的には、例えばシリンダ50内に空気が吸入されうるように吸気弁2が開弁されているか否かが判断される。あるいは他の実施形態では、代わりに、吸気TDC(上死点)から吸気BDC(下死点)までの任意のタイミングであるか否かを判断することも可能である。YESのときにはステップ101に進み、NOのときにはステップ102に進む。ステップ101では、筒内圧センサ60によって筒内圧を検出するために筒内圧センサ60と筒内とを連通させるべく連通路開閉弁62,62’が開弁せしめられる。一方、NOのときには、例えば爆発行程時の筒内圧のような比較的高い筒内圧に筒内圧センサ60が耐えられなくなってしまうのを回避するために連通路61を遮断すべく連通路開閉弁62,62’が閉弁せしめられる。
【0023】
ステップ103では、筒内圧を検出するために予め定められた所定タイミングであるか否かが判断される。第一の実施形態及びその変形例では、例えば1ms間隔で所定タイミングが設定されている。あるいは他の実施形態では、代わりに3ms間隔で所定タイミングを設定することも可能であり、また、22.5°CA(クランクアングル)間隔で所定タイミングを設定することも可能である。YESのときにはステップ104に進み、NOのときには筒内圧が検出されることなく、このルーチンを終了する。ステップ104では、筒内圧センサ60によって筒内圧が検出される。
【0024】
単位時間当たりに筒内に吸入される吸入空気量(質量流量)mc’は、ステップ104において検出された筒内圧Pcと、比熱比κと、ガス定数Rと、吸入空気温センサ21により検出された吸気マニホルド温度Tmと、予め算出されたシリンダ50の容積Vcと、下記の式(1)とに基づいて算出される。
dPc/dt=(κRTm/Vc)×mc’・・・・・(1)
【0025】
次いで単位時間当たりに筒内に吸入される吸入空気量を積分することにより、吸気弁2の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量を算出することができる。
【0026】
第一の実施形態及びその変形例によれば、図2に示すように筒内圧センサ60が吸気弁2よりも下流側に配置され、図9のステップ102において筒内圧センサ60と筒内とを連通するための連通路61が少なくとも爆発行程時に連通路開閉弁62,62’によって遮断される。そのため、爆発行程時に筒内圧センサ60が筒内に対して曝されることが回避され、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧センサ60を設定した場合であっても、爆発行程時に筒内圧センサ60が筒内圧に耐えられなくなってしまうことがない。また、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い吸気行程時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧センサ60を設定することにより、吸気行程時においてもステップ104において筒内圧を正確に検出することができる。つまり、爆発行程時よりも筒内圧が低い吸気行程時に筒内圧を正確に検出することができると共に、爆発行程時に筒内圧センサ60が筒内圧に耐えられなってしまうのを回避することができる。
【0027】
つまり第一の実施形態及びその変形例によれば、筒内圧センサ60と筒内とを連通するための連通路61が、少なくとも爆発行程時には図9のステップ102が実行されることによって遮断され、吸気行程時にはステップ101が実行されることによって連通せしめられる。そのため、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い吸気行程時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧センサ60を設定した場合において爆発行程時に筒内圧センサ60が筒内圧に耐えられなってしまうのを回避することができると共に、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い吸気行程時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧センサ60を設定することによって、爆発行程時よりも筒内圧が低い吸気行程時の筒内圧を正確に検出することができる。
【0028】
更に第一の実施形態及びその変形例によれば、上述したように吸気行程時に検出された筒内圧に基づいて筒内に吸入される吸入空気量が算出される。そのため、エアフローメータ19の出力値に基づいて算出される吸入空気量と筒内に実際に吸入される吸入空気量とが一致しないような機関運転条件下において、エアフローメータ19の出力値に基づいて吸入空気量を算出する場合よりも正確に筒内に吸入される吸入空気量を算出することができる。
【0029】
また第一の実施形態及びその変形例によれば、作用角及びバルブリフト量を変更可能な吸気弁2の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量が、上述したように筒内圧に基づいて算出される。そのため、第一の実施形態及びその変形例のように吸気弁2の作用角及びバルブリフト量が変更可能な場合であっても筒内に吸入される吸入空気量を正確に算出することができる。
【0030】
上述した第一の実施形態及びその変形例では、作用角及びバルブリフト量を変更可能な吸気弁2に対し筒内圧センサ60、連通路61及び連通路開閉弁62,62’が適用されているが、他の実施形態では、代わりに作用角のみを変更可能な吸気弁や、バルブリフト量のみを変更可能な吸気弁や、位相のみを変更可能な吸気弁や、それらを組み合わせた吸気弁に対し筒内圧センサ60、連通路61及び連通路開閉弁62,62’を適用することも可能である。
【0031】
以下、本発明の内燃機関の筒内圧検出装置の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態の構成は、後述する点を除き、図1〜図7に示した第一の実施形態の構成とほぼ同様である。また第二の実施形態の変形例の構成は、後述する点を除き、図8に示した第一の実施形態の変形例の構成とほぼ同様である。従って、第二の実施形態及びその変形例は、第一の実施形態及びその変形例とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0032】
図10は第二の実施形態及びその変形例の筒内圧検出方法を示したフローチャートである。このルーチンは所定時間間隔で実行される。図10に示すように、このルーチンが開始されると、まずステップ200において吸気行程であるか否かが判断される。具体的には、例えばシリンダ50内に空気が吸入されうるように吸気弁2が開弁されているか否かが判断される。あるいは他の実施形態では、代わりに、吸気TDC(上死点)から吸気BDC(下死点)までの任意のタイミングであるか否かを判断することも可能である。YESのときにはステップ201に進み、NOのときにはステップ202に進む。ステップ201では、筒内圧センサ60によって筒内圧を検出するために筒内圧センサ60と筒内とを連通させるべく連通路開閉弁62,62’が開弁せしめられる。一方、NOのときには、例えば爆発行程時の筒内圧のような比較的高い筒内圧に筒内圧センサ60が耐えられなくなってしまうのを回避するために連通路61を遮断すべく連通路開閉弁62,62’が閉弁せしめられる。ステップ203では、筒内圧センサ60によって筒内圧が検出される。
【0033】
吸気弁2が吸気BDCよりも前に閉弁するように吸気弁2の閉弁時期が設定されている場合、吸気弁2の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量(質量流量)mcは、吸気弁2が閉弁する時に図10のステップ203において算出された筒内圧Pcと、実機で事前に概算された係数a,bと、下記の式(2)とに基づいて算出される。
mc=a×Pc+b・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0034】
一方、吸気弁2が吸気BDCよりも後に閉弁するように吸気弁2の閉弁時期が設定されている場合、吸気弁2の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量(質量流量)mcは、吸気BDCのタイミングで図10のステップ203において算出された筒内圧Pcと、上述した係数a,bと、上述した式(2)とに基づいて算出される。
【0035】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載の発明によれば、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内に対して曝されることが回避され、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定した場合であっても、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなくなってしまうことがない。また、例えば爆発行程時よりも筒内圧が低い時の筒内圧を検出するのに適するように筒内圧検出手段を設定することにより、そのような時においても筒内圧を正確に検出することができる。つまり、爆発行程時よりも筒内圧が低い時に筒内圧を正確に検出することができると共に、爆発行程時に筒内圧検出手段が筒内圧に耐えられなくなってしまうのを回避することができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、エアフローメータの出力値に基づいて算出される吸入空気量と筒内に実際に吸入される吸入空気量とが一致しないような機関運転条件下において、エアフローメータの出力値に基づいて吸入空気量を算出する場合よりも正確に筒内に吸入される吸入空気量を算出することができる。
【0037】
請求項4に記載の発明によれば、吸気弁の作用角又はバルブリフト量が変更可能な場合であっても筒内に吸入される吸入空気量を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の筒内圧検出装置の第一の実施形態の概略構成図である。
【図2】図1に示した内燃機関の筒内圧検出装置の詳細図である。
【図3】図1に示した吸気弁用カム及びカムシャフトの詳細図である。
【図4】図1に示したバルブリフト量変更装置等の詳細図である。
【図5】バルブリフト量変更装置が作動されるのに伴って吸気弁のバルブリフト量が変化する様子を示した図である。
【図6】図1に示した開閉タイミングシフト装置等の詳細図である。
【図7】開閉タイミングシフト装置が作動されるのに伴って吸気弁の開閉タイミングがシフトする様子を示した図である。
【図8】第一の実施形態の変形例の図2と同様の図である。
【図9】第一の実施形態及びその変形例の筒内圧検出方法を示したフローチャートである。
【図10】第二の実施形態及びその変形例の筒内圧検出方法を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…吸気弁
3…排気弁
4,5…カム
6,7…カムシャフト
8…気筒内の燃焼室
9…バルブリフト量変更装置
11…開閉タイミングシフト装置
18…吸気管圧センサ
19…エアフローメータ
56…スロットル弁
60…筒内圧センサ
61…連通路
62…連通路開閉弁
Claims (4)
- 内燃機関の筒内圧を検出するための筒内圧検出手段を備えた内燃機関の筒内圧検出装置において、前記筒内圧検出手段は連通路によって筒内とだけ連通し、少なくとも爆発行程時に前記連通路を遮断することを特徴とする内燃機関の筒内圧検出装置。
- 少なくとも爆発行程時に前記連通路を遮断し、吸気行程時に前記連通路を連通させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
- 吸気行程時に検出された筒内圧に基づき、筒内に吸入される吸入空気量を算出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
- 作用角又はバルブリフト量を変更可能な吸気弁の開弁期間中に筒内に吸入される吸入空気量を筒内圧に基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
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