JP3925079B2 - リニア又はリングネットワークにおける伝送方法及び装置 - Google Patents

リニア又はリングネットワークにおける伝送方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニア又はリングネットワークにおけるデータ伝送方法及び装置に関し、ローカルなエリアのリニア(線状)又はリング(環状)のネットワークにおいて、障害時に接続経路をアダプティブに切替えるRAS(Reliability Availability Serviceability )機能を備えると共に、ネットワークの伝送容量を有効に使用し、映像等のリアルタイム性を重視した通信に対応し得るデータ伝送方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々のデータ通信が可能なIP(Internet Protocol )ネットワークはメッシュトポロジ構成を基本としているが、必ずしも最適なネットワークにはならず、例えば、道路や河川等の限られたエリア内の複数の地点間を相互に監視するためのネットワークとしては、リニア又はリング型のネットワークが効率良く軽便に使用される。
【0003】
RAS機能を備えた従来のリング型ネットワークの伝送方式には、並列送信/受信選択伝送方式とループバック伝送方式とがある。図18に従来のリング型ネットワークにおける並列送信/受信選択伝送方式を示し、図19に従来のリング型ネットワークにおけるループバック伝送方式を示す。
【0004】
並列送信/受信選択伝送方式のリング型ネットワークは、図18の(a)に示すように、右回り方向のリング伝送路#0及び左回り方向のリング伝送路#1を有し、各ノードA,B,C,Dは両者のリング伝送路#0,#1によって隣接ノードが相互に接続され、ネットワークを構成する。
【0005】
各ノードA,B,C,Dは、同図の(b)に示すように、右回りリング伝送路#0及び左回りリング伝送路#1の双方に並列に、送信先のノードアドレスを付してデータを送信し、また、右回りリング伝送路#0及び左回りリング伝送路#1の双方からデータを受信し、その一方を選択して自ノードに取込む。
【0006】
同図の(c)は、ノードCからノードAへデータを送信する場合を示し、ノードCからの送信データは、右回りリング伝送路#0及び左回りリング伝送路#1の双方へ送出され、ノードAへ転送される。ノードAは、右回りリング伝送路#0及び左回りリング伝送路#1の双方からデータを受信し、その何れか一方を選択して取込む。
【0007】
ノードAは、取込んだ受信データが異常である場合、他方のリング伝送路からの受信データを取込むように切替える。このように、右回り及び左回りのリング伝送路を備えることにより、一方のリング伝送路の障害に対する信頼性(RAS機能)が確保されたデータ通信を提供することができる。
【0008】
また、図19に示す従来のリング型ネットワークにおけるループバック伝送方式も、前述の並列送信/受信選択伝送方式と同様に、右回り方向及び左回り方向の二重リング伝送路#0,#1でノード間を接続し、通常時は何れか一方の片系リング伝送路のみを使用し、例えば同図の(a)のように右回りリング伝送路#0によりループ伝送経路を形成し、該ループ伝送経路によりデータ通信を行う。
【0009】
そして、同図の(b)に示すように例えば、ノードC,D間の伝送路に異常が発生した場合、該異常箇所を回避してループ伝送経路を形成するために、ノードCは右回りリング伝送路#0を左回りリング伝送路#1へループバック接続し、ノードDは左回りリング伝送路#1を右回りリング伝送路#0へループバック接続し、ループ伝送経路の構成を変更する。
【0010】
従って、ノードC,D間に伝送障害が発生しても、各ノードA,B,C,Dは、右回り方向及び左回り方向のリング伝送路#0,#1を用いて形成されたループ伝送経路によって通信可能となり、伝送障害に対する信頼性(RAS機能)が確保されたデータ通信を行うことができる。
【0011】
従来のリングネットワークにおけるアクセス方式としては、図20に示すトークンリング方式及び図21に示すアーリートークンリリース方式等が有る。トークンリング方式は、送信権を与える特別なデータパケットであるトークンをリングネットワーク上に巡回させ、トークンを受け取ったノードが送信権を得てデータを送信する。
【0012】
図20の(i)はトークンを受け取ったノードBが、ノードD宛てに送信データ[B→D]を送出した場合を示し、該送信データ[B→D]が同図の(ii)に示すようにリング伝送路を経由してノードDに到達すると、ノードDは同図の(iii )に示すように該送信データ[B→D]を取込むと共に、該送信データ[B→D]を受信したことを送信元に通知するために、該送信データ[B→D]にコピービット(c)“1”を付加したデータをリング伝送路上に送出する。
【0013】
上記送信データ[B→D]にコピービット“1”を付加したデータが、同図の(iv)に示すように送信元のノードBに到達すると、送信元のノードBは、該コピービット“1”が付加された送信データ[B→D]の受信により、送信先相手に送信データが正常に送達されたことを確認し、同図の(v)に示すように、コピービット“1”が付加された送信データ[B→D]を破棄し、トークンを次のノードCへ渡す。
【0014】
アーリートークンリリース方式は図21に示すように、各ノードはトークン受信により送信権を得て送信データを送出すると共に、該送信データのフレームにトークンを付加して送出する方式である。即ち、同図の(i)に示すように例えば、ノードBがトークンを受け取ると、ノードD宛ての送信データ[B→D]が有る場合、該送信データ[B→D]のフレームにトークンを付加してリング伝送路に送出する。
【0015】
送信データ[B→D]及びトークンが次のノードCに到達すると、ノードCに送信データが有る場合、同図の(ii)に示すようにノードCは、上記送信データ[B→D]と送信データ[C→A]のデータフレームと、トークンとをリング伝送路に送出する。
【0016】
次のノードDはデータフレームが到達すると、同図の(iii )に示すように、自己宛てのデータ[B→D]を取込むと共に、該データ[B→D]にコピービット(c)“1”を付加し、該コピービット(c)“1”を付加した送信データ[B→D]と、送信データ[C→A]と、トークンとをリング伝送路に送出する。
【0017】
次のノードAはデータフレームが到達すると、同図の(iv)に示すように自己宛てのデータ[C→A]を取込むと共に、該データ[C→A]にコピービット(c)“1”を付加し、コピービット(c)“1”が付加された送信データ[B→D]及び[C→A]のデータフレームとトークンとをリング伝送路に送出する。
【0018】
次のノードBは同図の(v)に示すように、コピービット(c)“1”が付加された送信データ[B→D]の受信により、宛て先ノードDに正常に送信データが送達されたことを確認し、該送信データ[B→D]を破棄し、そして、コピービット(c)“1”が付加された送信データ[C→A]とトークンとをリング伝送路に送出する。
【0019】
次のノードCはコピービット(c)“1”が付加された送信データ[C→A]の到達により、宛て先ノードAに正常に送信データが送達されたことを確認し、該送信データ[C→A]を破棄し、トークンをリング伝送路の次のノードへ送出する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
図18に示した並列送信/受信選択伝送方式によるリング型ネットワークは、片系のリング伝送路が常に予備として使用されるため、有効なデータ通信は実質的に1リング伝送路分の伝送容量でしか行われず、他のリング伝送路を他のデータ通信に使用して2リング伝送路分の伝送容量をフルに使用したデータ通信を行うことができない。
【0021】
特に、SDH(Synchronous Digital Hierarchy ;同期ディジタルハイアラーキ)網のように、同期フレームにデータを多重して伝送する場合、各ノードに固定的にタイムスロットが割り付けられているため、実データが送出されていない場合でも、使用領域が確保されており、ネットワークの伝送容量が有効利用されない。
【0022】
また、図19に示したループバック伝送方式のリング型ネットワークも、前述の並列送信/受信選択伝送方式のものと同様に、全てのデータ通信を実質的に1リング伝送路分の伝送容量で行っており、2リング伝送路分の伝送容量をフルに使用したデータ通信を行うことができない。
【0023】
また、異常発生時にループバック接続により形成されるループ伝送経路の距離が増大し、データ伝送の遅延が生ずる。更に、同図の(b)において、例えば、ノードBからノードAへデータを送信する場合、ノードCにとっては無用なデータをノードBから一旦ノードCへ転送しなければならず、転送効率が悪い。
【0024】
また、図20及び図21に示すトークンを用いたアクセス方式は、トークンの巡回により送信権制御を行い、各ノードから送信データを送出する際の衝突を防いでいるが、図20に示すトークンリング方式は、伝送路上に一度に1ノードからの送信データしか送出することができない。
【0025】
一方、図21に示すアーリートークンリリース方式は、伝送路上に複数のノードからの送信データを送出することが可能であるが、送信に要する時間はトークンが一巡する時間によって規定され、多量のデータを送信するノードにおいては伝送効率が悪い。
【0026】
多量のデータを効率よく送信し得るアクセス方式として、トークンが一周する最大時間内であれば、1ノードがデータを送信し続けられるタイムドトークンプロトコルが知られているが、いずれのアクセス方式も、リングネットワーク上に送出された送信データの終端(破棄)を、コピービット等を付した送信データの返送等の確認によって送信元ノードで行うため、送信先ノードから送信元ノードへの経路において、本来の通信データ以外の無効なデータを配送しなければならない。
【0027】
また、いずれのアクセス方式も1系統のリング伝送にしか対応しておらず、前述の2重リング構成のネットワークも一方のリング伝送路は予備であり、通常時のデータ通信に有効に使用されるのは1リング伝送路のみである。更に、送信データの優先度或いはサービス品質クラス(QOS)に応じたアクセス制御に対応していないため、それらの制御は上位レイヤに委ねられている。
【0028】
本発明は、2本の双方向伝送路の伝送容量をフルに使用し、効率良くデータ通信を行うとともに、データ転送遅延を生ずることなく、複数のノード間で同時にデータ通信を行うことができ、かつ、リアルタイム性を重視したメディア通信や多量データの転送を効率良く行うことができるリニア又はリングネットワークにおける伝送方法及び装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明のリニア又はリングネットワークにおける伝送方法は、(1)隣接ノード間が双方向の伝送路によって接続されたリニア又はリングネットワークにおいて、上記各ノードは、左端局、右端局又は中間局として動作し、左端局及び右端局は、送信権情報含むトークンパケット及びデータパケット格納領域を有するパケットトレーラを生成し、左端局は該パケットトレーラを右方向伝送路上に、右端局は該パケットトレーラを左方向伝送路上に送出し、各中間局は、右方向のデータパケットの送信要求発生時に、上記左方向伝送路上のパケットトレーラのトークンパケットに送信要求情報を書込み、左方向のデータパケットの送信要求発生時に、上記右方向伝送路上のパケットトレーラのトークンパケットに送信要求情報を書込んで送信要求を行い、上記左端局及び右端局は、対向する端局から送出されたパケットトレーラ内のトークンパケットに書込まれた各中間局の送信要求情報を基に、送信要求を行った中間局に対する予約領域を確保したデータパケット格納領域を有する上記パケットトレーラを生成し、上記送信要求を行った中間局は、上記パケットトレーラ内の予約領域にデータパケットを格納して送信先ノードへデータを送信するものである。
【0030】
また、本発明のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置は、(2)隣接ノードの伝送装置と双方向の伝送路によって接続されたリニア又はリングネットワークの伝送装置において、上記各ノードの伝送装置は、端局又は中間局の何れかに切替わって動作する機能を備え、端局として動作する場合に、トークンパケット及びデータパケット格納領域を有するパケットトレーラを生成し、該パケットトレーラを上記伝送路に送出する手段と、対向する端局から送出され上記伝送路に配送されたパケットトレーラを受信して終端する手段を備え、かつ、該対向する端局から送出されたパケットトレーラ内に配送途中で書込まれた各中間局の送信要求情報を基に、該送信要求を行った中間局に対して送信権を与える送信権情報を前記トークンパケットに格納し、該送信権情報を格納したトークンパケットを含むパケットトレーラを、対向する端局に向けて送出する手段を有し、中間局として動作する場合に、データパケットの送信要求発生時に、データ送出方向と逆方向のパケットトレーラのトークンパケットに送信要求情報を書込む手段と、該送信要求を行った中間局は、データ送出方向と同方向のパケットトレーラ内に含まれるトークンパケットの送信権情報に従って、該パケットトレーラに送信データを格納し、送信先ノードへデータを送信する手段とを備えたものである。
【0031】
また、(3)前記伝送装置は、前記双方向の伝送路からのデータフレーム受信異常状態又は自装置の送信異常状態を検知する手段と、隣接ノードの伝送装置からデータフレームが受信されない場合、端局動作に切り替わり、かつ、該隣接ノードの伝送装置へ端局動作を促す端局催告フレームを送出する手段と、端局動作の他ノードの伝送装置から通知される端局通知データフレーム、及び上記端局催告フレームに基づいて、端局動作となるか中間局動作となるかを決定する手段と、を備えたものである。
【0032】
また、(4)前記伝送装置は、前記双方向の伝送路に配送されるパケットトレーラ内に自装置のノードアドレスを書き込む手段と、他のノードの記伝送装置が書き込んだ他ノードアドレスを、双方向伝送路に配送された各パケットトレーラから読み取り、該読み取った他ノードアドレスを基に、左方向及び右方向の各ノードの配列位置を認識する手段を備えたものである。
【0033】
また、(5)前記伝送装置は、端局として動作する場合に、トークンパケットを含む独立した複数のパケットトレーラを生成送出し、該パケットトレーラに、送信要求を行った中間局に対する予約領域を確保したパケットトレーラを生成して送出する手段を備え、中間局として動作する場合に、トークンパケット内の送信権情報による予約割り当てに従い、該予約領域に送信データを格納して送信する手段を備えたものである。
【0034】
また、(6)前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、データ送信方向のパケットトレーラ内に空き領域が有るとき、該空き領域に送信データを格納して送信し、既に送出した送信要求情報に応じて割り当てられた予約領域を有するパケットトレーラが到来した際に、残留送信データがなければ、該予約領域を解除する手段を備えたものである。
【0035】
また、(7)前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、トークンパケットに送信要求情報を書込む際に、送信データの優先度情報を付加して書込む手段を備え、端局として動作する場合に、該送信データの優先度情報に基づいて送信権付与の調停を行う手段を備えたものである。
【0036】
また、(8)前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、データ送信方向のパケットトレーラ内に空き領域が有る場合、該空き領域の先頭位置から順に送信データを格納することを特徴とするものである。
また、(9)前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、自装置宛のデータを受信すると、該データが格納されていたパケットトレーラ内の領域を空き領域として次ノードの伝送装置に該パケットトレーラを送出するものである。
【0037】
また、(10)前記伝送装置は、データ送受を行う端末装置とのインタフェース機能を有する端末インタフェース部を備え、該端末インタフェース部は、ネットワーク伝送路ヘの出力タイミングを調整するバッファーメモリを備えたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は本発明におけるリニア又はリングネットワークの構成例を示す。リング接続のネットワークは同図の(i)に示すように、任意のノードのうち例えばノードAを端局とし、他の残りのノードB〜Dを中間局とし、隣接する各ノード間を双方向の伝送路により接続して構成される。
【0039】
端局のノードAは、左端局及び右端局として動作する。左端局及び右端局として動作するノードAは、送信権を与えるトークンパケットを発行し、また、ノードAが端局として動作していること(マスタ)を示すマスタ通知フレーム“a”を送出する。
【0040】
リニア接続のネットワークは図1(ii)に示すように、任意のノードのうち例えば、ノードAを左端局、ノードDを右端局とし、残りの他のノードB,Cを中間局とし、隣接する各ノード間を双方向の伝送路により接続して構成される。
【0041】
図1(ii)において、ノードAは左端局として、また、ノードDは右端局として動作する。左端局及び右端局として動作するノードA及びDは、それぞれ送信権を与えるトークンパケットを発行し、また、ノードAは自局が端局(マスタ)として動作していることを示すマスタ通知フレーム“a”を送出し、ノードDも自局が端局(マスタ)として動作していることを示すマスタ通知フレーム“d”を送出する。
【0042】
図1の(iii )は、(i)に示したリング接続のネットワークの論理的な通信路の構成を示し、(iv)は(ii)に示したリニア接続のネットワークの論理的な通信路の構成を示す。各ノードA〜Dは、左パケット多重部PMUX(L)及び右パケット多重部PMUX(R)を備える。
【0043】
左端局の右パケット多重部PMUX(R)及び右端局の左パケット多重部PMUX(L)は、トークンコントローラTCNTに接続され、中間局の左パケット多重部PMUX(L)及び右パケット多重部PMUX(R)は、それぞれ隣接するノードの右パケット多重部PMUX(R)及び左パケット多重部PMUX(L)互いに接続され、双方向にパケットデータを中継する。
【0044】
図2に本発明の各ノードにおける伝送装置の構成を示す。該伝送装置の基本構成は図の(i)に示すように、左回線インタフェース11、右回線インタフェース21、左パケット多重部(PMUX(L))12、右パケット多重部(PMUX(R))22、右トークンコントローラ(TCNT(R))13、左トークンコントローラ(TCNT(L))23、制御部(CNT)31及び端末インタフェース32を備える。
【0045】
左回線インタフェース11及び右回線インタフェース21は、右方向伝送路#0及び左方向伝送路#1の信号に対するインターフェース機能を有し、それぞれ、左パケット多重部(PMUX(L))12及び右パケット多重部(PMUX(R))22に接続され、信号を中継する。
【0046】
左パケット多重部(PMUX(L))12は、左回線インタフェース11から出力される右方向伝送路#0からのパケットを、端末インタフェース32へ出力すると共に、該伝送装置が端局の場合は、該パケットを右トークンコントローラ(TCNT(R))13へ、該伝送装置が中間局の場合は右パケット多重部(PMUX(R))22へ出力する。
【0047】
また、左パケット多重部(PMUX(L))12は、該伝送装置が端局の場合は右トークンコントローラ(TCNT(R))13からのパケットを、該伝送装置が中間局の場合は右パケット多重部(PMUX(R))22からのパケットを、端末インタフェース32からのパケットと共に多重して左回線インタフェース11へ出力する。
【0048】
右パケット多重部(PMUX(R))22は、右回線インタフェース21から出力される左方向伝送路#1からのパケットを、端末インタフェース32へ出力すると共に、該伝送装置が端局の場合は、該パケットを左トークンコントローラ(TCNT(L))23へ、該伝送装置が中間局の場合は左パケット多重部(PMUX(L))12へ出力する。
【0049】
また、右パケット多重部(PMUX(R))22は、該伝送装置が端局の場合は左トークンコントローラ(TCNT(L))23からのパケットを、該伝送装置が中間局である場合は左パケット多重部(PMUX(L))12からのパケットを、端末インタフェース32からのパケットと共に多重して右回線インタフェース21へ出力する。
【0050】
図2(ii)は中間局として動作するときの形態を示し、左パケット多重部(PMUX(L))12と右パケット多重部(PMUX(R))22とが直接接続され、右トークンコントローラ(TCNT(R))13及び左トークンコントローラ(TCNT(L))23は、切離された状態となる。なお、同図の下部に以降の図面で中間局を表記する記号図を示している。
【0051】
図2(iii )は端局として動作するときの形態を示し、左パケット多重部(PMUX(L))12は右トークンコントローラ(TCNT(R))13に、右パケット多重部(PMUX(R))22は左トークンコントローラ(TCNT(L))23に接続された状態となる。なお、同図の下部に以降の図面で端局を表記する記号図を示している。
【0052】
図3(i)は回線インタフェース部の構成を示し、同図の(ii)はトークンコントローラ(TCNT)の構成を示す。回線インタフェース部は、各種ネットワーク伝送路に対応したインタフェース機能を有し、ネットワーク伝送路からの及びそこへの信号の入力部及び出力部を具え、ネットワーク伝送路に対応した物理インタフェース変換部3−1を具える。
【0053】
物理インタフェース変換部3−1は、物理レイヤにおけるアラーム信号を監視し、物理レイヤのアラーム信号を検出すると制御部(CNT)へアラーム情報を送出する。フレーム分離/生成部3−2の分離部は、物理インタフェース変換部3−1からパケットを受信し、該パケットからネットワーク伝送路のプロトコルに応じたヘッダやフレーム信号等を取除き、純粋な通信データ(ペイロードデータ)のみをパケット多重部(PMUX)へ引き渡す。
【0054】
また、フレーム分離/生成部3−2の分離部は、同様にパケット内のアラーム信号を監視し、アラーム信号を検出すると制御部(CNT)へアラーム情報を通知する。制御部(CNT)はこれらのアラーム情報(受信フレーム異常、送信異常等)を受信すると、後述するルールに従って当該ノードの伝送装置を中間局とするか、又は端局として動作させるかを決定する。
【0055】
フレーム分離/生成部3−2の生成部は、パケット多重部(PMUX)から出力されるパケットに対してネットワーク伝送路に応じたヘッダ等を付加してフレームを構成し、物理インタフェース変換部3−1に該パケットフレームを引き渡す。
【0056】
トークンコントローラ(TCNT)は、端局となった伝送装置において機能し、図3(ii)に示すように、トークンパケット(TP)タイミング生成部3−3と、トレーラ生成部3−4と、トレーラ終端部3−5と、送信権調停/生成部3−6とを備える。
【0057】
トークンパケット(TP)タイミング生成部3−3は、回線インタフェース部からのフレームタイミング信号を基に、トークンパケット(TP)の送出タイミング信号を生成し、該タイミング信号をトレーラ生成部3−4へ出力する。
【0058】
トレーラ生成部3−4は、上記タイミング信号に従ったタイミングで、送信権調停/生成部3−6から送出される送信権情報に基づいて送信権を与えるトークンパケット(TP)を含むパケットトレーラを生成し、該パケットトレーラをパケット多重部(PMUX)へ送出する。
【0059】
トレーラ終端部3−5は、ネットワーク伝送路を介して対向する他方の端局のトレーラ生成部から送出され、各ノードで送信権リクエスト情報及び送信データパケットが格納されたパケットトレーラを、パケット多重部(PMUX)を経て受信し、終端する。トレーラ終端部3−5は、該パケットトレーラ内に格納された各中間局ノードからの送信権リクエスト情報を、送信権調停/生成部3−6へ通知した後、該パケットトレーラ全てを廃棄する。
【0060】
送信権調停/生成部3−6は、トレーラ終端部3−5から通知される各中間局ノードからの送信権リクエスト情報、及び制御部(CNT)から通知される自ノードのデータ送信リクエスト情報を基に、送信権(トークン)の発行及び調停を行い、各ノードの送信権に関する送信権情報をトレーラ生成部3−4へ通知する。
【0061】
図4はパケット多重部(PMUX)の構成を示す。各ノードの伝送装置は、左パケット多重部(PMUX(L))4−10及び右パケット多重部(PMUX(R))4−20の2系統のパケット多重部(PMUX)を有し、同図は、該2系統のパケット多重部(PMUX)相互の接続関係を示している。
【0062】
左パケット多重部(PMUX(L))4−10及び右パケット多重部(PMUX(R))4−20において、パケットトレーラ解析部4−11,4−21は、回線インタフェース部4−30から入力されるパケットトレーラのデータから各種の情報を取得する。
【0063】
取得する情報は、パケットトレーラ内のデータパケット格納領域の空き領域情報、送信権予約受付け情報、ネットワーク伝送路上における各ノードの配列情報、各種制御情報等であり、パケットトレーラ解析部4−11,4−21は、それらを解析して抽出し、それらの情報を制御部CNTへ通知する。
【0064】
また、パケットトレーラ内のデータは、パケットトレーラ解析部4−11,4−21を経た後、切替えスイッチSWにより、端局動作の場合はトークンコントロール(TCNT(R),TCNT(L))へ、中間局動作の場合は他系のパケット多重部(PMUX)へ出力される。
【0065】
この切替えスイッチSWは、制御部(CNT)によって制御され、制御部(CNT)は回線インタフェース部から通知されるアラーム情報等を基に、後述するルールに従って、当該伝送装置が端局動作(マスタ)となるか、中間局動作(スレーブ)となるかを決定し、該決定に応じて端局動作(マスタ)時はトークンコントロール(TCNT(R),TCNT(L))側に切替えスイッチSWを切替え、中間局動作(スレーブ)時は他系のパケット多重部(PMUX)側に切替えスイッチSWを切替える。
【0066】
自局アドレス検出部4−12,4−22は、パケットトレーラ内のデータパケットの中から自局アドレス宛てのデータパケットを検出し、該パケットのデータをコピーし、端末インタフェース部4−30にメモリ4−13,4−23を介して送出する。
【0067】
端局動作(スレーブ)時、パケット多重部(PMUX(L)4−10,PMUX(R))4−20から出力されるパケットトレーラは、それぞれ、トークンコントローラ(TCNT(R),TCNT(L))へ引き渡され、該トークンコントローラ(TCNT(R),TCNT(L))で全て破棄される。また、トークンコントローラ(TCNT(R),TCNT(L))から発行されるトークンパケット(TP)は、それぞれ、パケット多重トレーラ生成部4−14,4−24)に入力される。
【0068】
パケット多重トレーラ生成部4−14,4−24は、データパケット生成部4−15,4−25でパケット化した端末インタフェース部4−30からのデータパケット(DP)と、トークンコントローラ(TCNT)からのトークンパケット(TP)又は他系のパケット多重部(PMUX)からのパケットトレーラと、制御部(CNT)から出力されるリクエストを情報とを多重し、パケットトレーラを生成して回線インタフェースへ送出する。
【0069】
なお、端末インタフェース部4−30からの送信データは、データ量監視・記憶部4−16,4−26により、送信データ量が測定され、該送信データ量は制御部(CNT)へ通知される。制御部(CNT)は該送信データ量を基に、送信権リクエスト情報を生成し、該送信権リクエスト情報をデータ送信方向と逆方向のパケット多重トレーラ生成部4−14,4−24へ入力する。
【0070】
パケット多重トレーラ生成部4−14,4−24は、端局動作(マスタ)時には、トークンコントロール(TCNT)から出力されるトークンパケット(TP)を、パケットトレーラの先頭に格納し、それに続くデータパケット格納領域に、データパケット(DP)生成部4−15,4−25から出力されるデータパケット(DP)を、制御部(CNT)から指示に従って多重する。
【0071】
中間局動作(スレーブ)時は、他方のパケット多重部(PMUX)から出力されるパケットトレーラを選択し、該トレーラに含まれるトークンパケット(TP)及びデータパケット(DP)に、反対方向のデータ量監視・メモリ部14−16,14−26で算出したデータ量を含む送信権リクエスト情報を多重する。
【0072】
制御部(CNT)は、到来したパケットトレーラ内のデータからパケットトレーラ解析部4−11,4−21により認識される該パケットトレーラ内の空き領域情報、自ノードの送信権予約受付け情報、及びデータ量監視・メモリ部14−16,14−26に保持された送信データ量情報に基づいて、自ノードでの送信データの送出可否を判断し、送出可能であると判断した場合に、上記パケット多重トレーラ生成部4−14,4−24に対して、自ノードのデータパケット(DP)の多重化を指示する。
【0073】
図5は端末インタフェース部の構成を示す。端末インタフェース部は、回線インタフェース部と同様に、物理インタフェース変換部及びフレーム分離/生成部を備えた回線部5−1と、ネットワーク伝送路ヘ送信されるまで送信データを格納するメモリ5−2と、双方向のネットワーク伝送路の双方から受信されるデータを格納する遅延吸収用のメモリ5−3と、送信データを双方向ネットワーク伝送路の何れか一方にのみ送信するように、送信先パケット多重部(PMUX)を切替えるスイッチ(SW)5−4とから成る。
【0074】
スイッチ(SW)5−4は、送信するデータの送信先ノードアドレスと、制御部(CNT)が保有するノード配列情報を基に、送信先ノードが何れの方向の双方向ネットワーク伝送路上に配置されているかを認識し、該送信先方向のパケット多重部(PMUX)へ、送信データ格納メモリ5−2の出力を切替える。
【0075】
本発明のトレーラ生成部で生成され、伝送路上に配送されるパケットトレーラの構成を図6の(i)に示す。パケットトレーラには同図に示すように、トークンパケット(TP)が先頭に搭載され、それに続いて各ノードから送出されるデータパケット(DP)が頭詰めで順次搭載される。また、トークンパケット(TP)の後には、適宜、ノード間の通信制御を行うためのコントロールパケット(CP)が搭載される。
【0076】
各パケットは、例えば、HDLC(high level data link control procedures )準拠型式等のフォーマット構成を備え、図6の(ii)に示すように、フラグフィールドF、アドレスフィールドA、制御フィールドC、情報フィールドI、フレームチェックシーケンスフィールドFCSを有する。
【0077】
トークンパケット(TP)、データパケット(DP)又はコントロールパケット(CP)等のパケット種別を表す識別情報、及び送信データの優先度を表す優先度情報は制御フィールドCに格納する。そして、送信データの優先度情報を基に、前記制御部CNTが優先制御を行うことにより、リアルタイム性を重視したデータ通信にも対応したネットワークを構成することができる。
【0078】
図6の(iii )に通信路の論理構成とパケットトレーラの配送方向を示す。論理的通信路は、一つの左端局Aと任意数の中間局B〜Dと一つの右端局Eとを、双方向の伝送路で接続したリニアトポロジとなる。物理的に各ノード(局)をリング状に接続した場合であっても、後述する端局決定ルールによって、何れかのノード(局)が左端局及び右端局として決定され、自動的に図6の(iii )に示すような通信路論理構成となる。
【0079】
ここで、左端局Aへ向かうパケットトレーラを「RtoLパケットトレーラ」、右端局Eへ向かうパケットトレーラを「LtoRパケットトレーラ」と称す。各ノードは、左端局A方向の送信データパケットをRtoLパケットトレーラに搭載し、右端局E方向の送信データパケットをLtoRパケットトレーラに搭載する。
【0080】
例えば、ノードBからノードDへの送信データパケットはLtoRパケットトレーラに搭載し、ノードCからノードBへの送信データパケットはRtoLのパケットトレーラに搭載する。そのため、それぞれの伝送方向へ独立にデータパケットを送信することができ、双方向の伝送路を無駄なく効率的に使用することができ、伝送容量を有効に利用することができる。なお、全ノードへ一斉に送信するマルチキャストデータパケットは、両方のパケットトレーラに搭載することにより送信される。
【0081】
図7にパケットトレーラの配送の様子とトークンコントローラ(TCNT)の動作を示す。パケットトレーラは、左トークンコントローラ(TCNT−L)7−1及び右トークンコントローラ(TCNT−R)7−2から、ネットワーク伝送路上に重なり合うことのないよう続けて送出され、各パケットトレーラは、反対側のトークンコントローラ(TCNT)に到達すると、該到達先のトークンコントローラ(TCNT)により終端され廃棄される。
【0082】
左トークンコントローラ(TCNT−L)7−1及び右トークンコントローラ(TCNT−R)7−2は、パケットトレーラが到着すると、該トレーラ内のデータパケット(DP)を破棄し、また、トークンパケット(TP)から送信権リクエスト情報を抽出し、該送信権リクエスト情報を基に生成した新たな送信権情報を含むトークンパケット(TP)を生成する。
【0083】
そして、回線インタフェース部からのフレームタイミング信号により、トークンパケット(TP)の送出タイミングを決定し、該送出タイミングに、上記トークンパケット(TP)を搭載したパケットトレーラをパケット多重部(PMUX)を経てネットワーク伝送路上に順次送出する。
【0084】
図8に各ノードからのデータパケットをパケットトレーラにより送信する様子を示す。図8の(i)はトークンパケット(T)が周回する様子を示し、右から左へ移動するパケットトレーラのトークンパケット(T)の後に、左方向のデータパケットを搭載して送信し(左方向送信フェーズ)、また、右方向のデータパケットを送信するための送信権リクエスト情報を、この右から左へ移動中のパケットトレーラのトークンパケット(T)に付加する(右方向送信権リクエストフェーズ)。
【0085】
同様に、左から右へ移動するパケットトレーラのトークンパケット(T)の後に、右方向のデータパケットを搭載して送信し(右方向送信フェーズ)、また、左方向のデータパケットを送信するための送信権リクエスト情報を、この左から右へ移動中のパケットトレーラのトークンパケット(T)に付加する(左方向送信権リクエストフェーズ)。
【0086】
即ち、データパケットを送信する場合、送信方向と逆方向のトークンパケット(T)に送信権リクエスト情報を載せ、該送信権リクエスト情報を受信したトークンコントロール(TCNT)は、優先度等を基にノード間の送信権調停を行い、送信権を与えたノードのデータパケット(DP)搭載領域を事前に確保し、図8(ii)に示すように該領域を予約領域としたパケットトレーラを生成送出する。このように、送信権調停及び予約領域の確保により、通信サービス品質(QOS)に応じた通信、及びリアルタイム性を確保したデータ通信が可能となる。
【0087】
図8の(iii )はデータパケット(D)を右方向へ送信する様子を示し、先ず、右トークンコントローラ(TCNT)8−1で初期化・生成された左方向のトークンパケット(T)8−2,8−3が左方向伝送路上に配送され、今、中間局ノードB及びCが右方向へのデータパケット(D)の送信要求をしている場合、ノードB及びCは、左方向へ移動するトークンパケット(T)8−2,8−3へ、送信権リクエスト情報Req(自ノードアドレス、優先度、送信データサイズ)を載せる。
【0088】
該送信権リクエスト情報Reqを基に、左トークンコントローラ(TCNT)8−4は送信権調停処理を行い、その結果与えられた送信権及び確保された予約領域の情報が、左トークンコントローラ(TCNT)8−4から右方向のトークンパケット(T)8−2´,8−3´に搭載され、ノードB及びCは、該トークンパケット(T)8−2´,8−3´の予約領域の情報に従って、送信データ量を決定し、パケットトレーラ内の予約領域に該送信データのデータパケット(D)を搭載することにより、右方向へのデータ送信が行われる。
【0089】
図9はトークンパケットの構成例を示す。トークンパケットは、例えば、HDLC準拠のパケットの情報フィールドIに、管理情報として、右端局及び左端局のアドレス並びにパケットトレーラ長等を格納し、RtoL送信権マップ部及びLtoR送信権マップ部に、それぞれ、各ノード(局)の送信権情報(局アドレス、優先送信データサイズ、非優先送信データサイズ)及び当該パケットトレーラ内の空き領域サイズ等を格納する。
【0090】
次に、図10を参照して各ノードにおけるデータパケット送信ルールを説明する。例として先ず、中間局Cから右方向のデータ送信要求が発生したとすると、中間局Cは、送信権予約リクエストのために左方向のトークンパケットの到来を待つ一方、右方向のパケットトレーラの到来を待つ(1)。
【0091】
ここで、中間局Cは、右方向パケットトレーラのトークンパケットT0の到来を先に検出したとすると(2)、このパケットトトレーラに空き領域があるかどうかを調べ、空き領域があれば該空き領域を獲得してデータパケットDを送信することができるものとする(無予約送信)。
【0092】
他方、データパケットDが未送信の場合、左方向のトークンパケットT2の到来を検出すると(3)、該トークンパケットT2に送信権予約リクエストを付加する。そして、トークンパケットT2が左端局Aに到着し、左端局Aで送信権調停、予約受付け処理が行われ、該トークンパケットT2を含むパケットトレーラが右方向に送出されて中間局Cに到着するまでの間に、中間局Cで右方向のトークンパケットT1を検出すると(4)、該トークンパケットT1のパケットトレーラに空き領域が存在する場合、該空き領域を獲得してデータパケットDを送信することができるものとする(予約後無予約送信)。
【0093】
送信権予約リクエストを行ったトークンパケットT2の次に左方向トークンパケットT3が到来しても(4´)、該トークンパケットT3に対して二重に送信権を予約するリクエストを行ってはならない(オーバブッキング禁止)。
【0094】
先の送信権予約リクエストに対する受付け処理が行われた予約済みの右方向トークンパケットT2の到来が中間局Cで検出されると(5)、そのパケットトレーラの予約領域にデータパケットDを格納して送信する(予約送信)。
【0095】
なお、中間局Cは、上記(4)の予約後無予約送信により、既にデータパケットDを送信済で、残留データの送信要求がない場合には、予約済みの右方向トークンパケットT2に対して予約をキャンセルし、予約領域を空き領域として下方の中間局に渡す。残留データの送信要求がある場合は、該送信権予約リクエストによる予約領域を使用して残留データパケットDを送信することができる。
【0096】
また、各中間局は、自局宛のデータパケットを受信すると、該データパケットを破棄し、該データパケットが占有していた領域を空き領域にして、下方の中間局に渡す。こうすることにより、更にネットワーク伝送路の有効利用を図ることができる。
【0097】
また、送信権予約リクエスト情報に、優先度を示すリクエスト属性(優先/非優先)を付加して送出すると、該「優先」の送信権予約リクエストは、パケットトレーラ容量を超えた送信権予約リクエストが集中した場合でも、トークンコントローラの送信権調停処理によって優先的に受付けられる。
【0098】
従って、リアルタイム性を重視する通信サービスのデータパケット送信時に、「優先」の送信権予約リクエストを送出することにより、該データパケットに優先的に送信権が与えられ、伝送遅延及びデータ破棄が少なく、リアルタイム性が損なわれない通信サービスを供給することが可能となる。
【0099】
一方、「非優先」の送信権予約リクエストは、パケットトレーラ容量を超えた送信権予約リクエストが集中した場合、トークンコントローラの送信権調停処理において受付けが拒否され、該送信リクエスト対象のデータ送信は待機させられ又は破棄される。従って、厳しいリアルタイム性が要求されず、データ破棄に対して再送要求等を行う手順を有するTCP(Transmission Control Protocol )等のプロトコルによる通信に使用される。
【0100】
上記の送信ルール及び送信権調停処理により、送信権を与えたノードに対する送信データ格納用の予約領域をパケットトレーラ内に事前に確保し、予約領域以外の空き領域も有効に活用してデータ送信を行い、また、優先度を示す送信権リクエスト属性を付加し得ることにより、2リング伝送路分の伝送容量をフルに使用した効率的データ通信を行うことができ、かつ、リアルタイム性又は高品質性を重視するメディア通信にも好適に適用することができる。
【0101】
次に、図11を参照して各ノード(局)が局配列を認識する手順について説明する。各ノードは、トークンパケット(TP)の送信権マップにより局配列を認識する。同図に示すように、左方向のトークンパケット(TP)のLtoR送信権マップ部11−1、及び右方向のトークンパケット(TP)のRtoL送信権マップ部11−2には、それぞれ局配列情報格納部を備える。
【0102】
そして、トークンパケット(TP)発信元の端局ノードから順番に、該トークンパケット(TP)の局配列情報格納部に自局の局アドレスを頭詰めで格納して次のノード(局)へトークンパケット(TP)を転送するとともに、各ノード(局)は、両方向からのトークンパケット(TP)の送信権マップに格納された局配列情報を読み出すことにより、各ノード(局)は局の配列状況を認識することができる。
【0103】
例えば、ノードBは、左方向のトークンパケット(TP)のLtoR送信権マップ部11−3に、ノードD及びノードCのアドレスが格納されていることから、右側にノードC及びノードDが配列されていることを認識する。また、右方向のトークンパケット(TP)のRtoL送信権マップ部11−4に、ノードAのアドレスが格納されていることから、左側にノードAが配列されていることを認識する。
【0104】
各ノード(局)は局配列を認識することにより、送信先のノード(局)にデータパケットを送出する場合、送信権予約リクエスを送出するトークンパケットの方向、及びデータパケットを格納するパケットトレーラの方向を決定することができる。
【0105】
次に、障害時に接続経路をアダプティブに自動的に切替えるRAS機能について説明する。従来の並列送信/受信選択伝送方式及びループバック伝送方式は、二重リング伝送路の一方を予備として備え、通常時は伝送路が有効に活用されないが、伝送路異常時でも予備系により通信が可能となる。
【0106】
それに対し、本発明は通常時も双方向のネットワーク伝送路を利用してデータ通信を行い、ネットワーク伝送路を有効に利用するとともに、伝送路異常時にはアダプティブにネットワークパスを切替え、伝送路異常発生時でも支障なくデータ通信を可能にする。
【0107】
各局は伝送フレームの受信状態と自局の送信異常状態とをリアルタイムに監視し、その監視情報を相互に局間で授受することにより、各局は、以下のネットワークパス切替えルールに従って、端局動作(マスタ)となるか又は中間局動作(スレーブ)となるかを自律的に決定して切替え、障害伝送路を回避したネットワークパスを設定する。
【0108】
以下に本発明によるネットワークパス切替えルールRAS−r1〜RAS−r7を記す。
・RAS−r1:上流からデータフレームが到来しない局は端局動作(マスタ)となる。
・RAS−r2:マスタ局は、両系の上流から互いに異なる他のマスタからのマスタ通知フレームが到来した場合、中間局動作(スレーブ)となる。
・RAS−r3:マスタ局は、両系の上流から同一の他のマスタからのマスタ通知フレームが到来した場合(二重マスタ状態)、局間同士で予め定めた順位に従って、順位の高い局がマスタ状態を維持し、順位の低い局はスレーブとなる。
・RAS−r4:データフレームが到来しない伝送路側の逆方向の下流にマスタ勧誘フレームを送出する。
・RAS−r5:片系の上流からのみマスタ勧誘フレームを受けた局は、マスタとなる。
・RAS−r6:両系の上流からマスタ勧誘フレームを受けた局(両隣接局マスタ)は、マスタとならない。
・RAS−r7:上流からデータフレームが到来した場合、上記ルールRAS−r4を解消し、マスタ勧誘フレームの送出を停止する。
【0109】
図12に、両系の伝送路からの入力(In=#0,#1)に、(1)データフレームが到来しない場合、(2)マスタ局m及びマスタ局nからマスタ通知フレームが到来した場合、及び(3)マスタ局m及びマスタ局nからマスタ通知フレーム及びマスタ勧誘フレームが到来した場合について、上記ネットワークパス切替えルールRAS−r1〜RAS−r7に従って切替わるマスタ・スレーブ状態をまとめた一覧表を示す。
【0110】
図13にノード断時のネットワークパス切替えの具体例を示す。同図の(i)は、ノードAが端局(マスタ)となり、他のノードB〜Dが中間局(スレーブ)となっている通常状態を示している。また、“a”はノードAが端局(マスタ)であることを示すマスタ通知フレームであり、該マスタ通知フレームaは、各ノード間で中継され相互に通知する。
【0111】
同図の(ii)は、ノードCで異常が発生し、ノード断となった状態を示す。このとき、ノードCからノードB及びノードDへデータフレームが送達されない。そこで、ノードB及びノードDは、ルールRAS−r1により、上流からデータフレームが到来しないので端局(マスタ)となる。
【0112】
また、同図の(iii )に示すように、ノードB及びノードDは、ルールRAS−r4により、データフレームが到来しない伝送路の逆方向の下流に、即ちノードCに向けて、それぞれ、マスタ勧誘フレームbm、dmを送出する。ノードCは障害中であるため、マスタ勧誘フレームbm、dmに対してそれを正しく受信して端局動作(マスタ)になることはなく、マスタ勧誘フレームbm、dmはそのまま続けて送出される。
【0113】
一方、同図の(iii )において、ノードB及びノードDが端局動作(マスタ)となったことにより、ノードB及びノードDは、それぞれノードAに向けてマスタ通知フレームb,dを送出する。すると、ノードAは同図の(iv)に示すように、ルールRAS−r2に従って、両系の上流から互いに異なる他ノードB,Dのマスタ通知フレームb,dが到来したことにより、中間局(スレーブ)に切替わり、以降、通常状態としてノードB及びノードDが端局(マスタ)、ノードAが中間局(スレーブ)となって動作する。
【0114】
次に、同図の(v)に示すように、ノードCの障害が復旧すると、ノードCは、ルールRAS−r6により、両系からマスタ勧誘フレームbm,dmが通知されている(即ち、両隣接局がマスタである)ため、ノードCは端局動作(マスタ)となることなく、同図の(vi)に示すように、ノードBから通知されるマスタ勧誘フレームbmを基に、ノードDに対してノードBがマスタである旨のマスタ通知フレームbを送出し、また、ノードDから通知されるマスタ勧誘フレームdmを基に、ノードBに対してノードDがマスタである旨のマスタ通知フレームdを送出する。
【0115】
すると、マスタノードBは、ノードAとノードCの両方からマスタ通知フレームdを受け、また、マスタノードDは、ノードAとノードCの両方からマスタ通知フレームbを受ける。マスタノードB及びマスタノードDは、ルールRAS−r3により、マスタノードが両系から同一の他ノードのマスタ通知フレームを受けた場合は、ノード間で予め定めた順位に従って順位の高いノードが現状を維持してマスタとなり、順位の低いノードは中間局(スレーブ)に切替わる。
【0116】
ここで、この順位が高い方からノードA>ノードB>ノードC>ノードD>であるとすると、マスタノードBはマスタ通知フレームdにより通知される他のマスタノードDより、順位が上であるので現状を維持してマスタとなる。一方、マスタノードDは、マスタ通知フレームbにより通知される他のマスタノードBより、順位が下であるので、中間局(スレーブ)に切替わり、同図の(vii )に示すように、ノードBのみがマスタとなって通常動作状態となる。
【0117】
図14に片系断となったときのネットワークパス切替えの具体例を示す。同図の(i)は、ノードAが端局(マスタ)となり、他のノードB〜Dが中間局(スレーブ)となっている通常状態を示している。同図の(ii)は、ノードCからノードDへの伝送路が断状態となった様子を示す。
【0118】
このとき、ノードCからノードDへデータフレームが送達されない。そこで、同図の(iii )に示すようにノードDは、ルールRAS−r1により、上流からデータフレームが到来しないので端局(マスタ)となり、ノードAへマスタ通知フレームdを送出し、また、ルールRAS−r4により、データフレームが到来しない伝送路の逆方向の下流に、即ちノードCに向けてマスタ勧誘フレームdmを送出し、ノードCは、一旦マスタ通知フレームdをノードBの側へ送出する。
【0119】
次に同図の(iv)に示すように、ノードCはマスタ勧誘フレームdmによりルールRAS−r5に従ってマスタと成り、マスタ通知フレームcをノードBの側へ送出し、中間局のノードBは該マスタ通知フレームcをマスタノードAへ送出する。
【0120】
次に同図の(v )に示すように、マスタノードAは、両系の上流から互いに異なる他ノードC,Dのマスタ通知フレームc,dが到来したことにより、ルールRAS−r2によりスレーブとなる。従って、ノードC及びDがマスタノード、ノードA及びBがスレーブとなって通常動作状態となる。
【0121】
次に同図の(vi)に示すように、ノードCからノードDへの伝送路の障害が復旧すると、ノードCはルールRAS−r5によりマスタ勧誘フレームdmに応じてマスタとなっているため、ノードCからノードDへマスタ通知フレームcが到達し、同図の(vii )に示すように、ノードDはルールRAS−r7によりノードCへのマスタ勧誘フレームdmの送出を停止し、ノードCに対してはマスタ通知フレームdを送出する。
【0122】
この状態で、マスタノードCは、両系から同一の他ノードマスタ通知フレームdを受け、マスタノードDは、両系から同一の他ノードマスタ通知フレームcを受ける。この場合、図の(viii)に示すように、ルールRAS−r3により、ノード間で予め定めた順位の高いノードCは、現状を維持してマスタとなり、順位の低いノードDは中間局(スレーブ)に切替わる。この状態で通常動作状態となる。
【0123】
図15にネットワーク分割状態(離島状態)時のネットワークパス切替えの具体例を示す。同図の(i)は、ノードAが端局(マスタ)となり、他のノードB〜Dが中間局(スレーブ)となっている通常動作状態を示している。同図の(ii)は、ノードC,D間及びノードA,B間の双方向伝送路が断状態となった場合を示す。
【0124】
このとき、ノードA,B間及びノードC,D間でデータフレームが送達されず、上流からデータフレームが到来しないので、ノードA,B,C,Dは、同図の(iii )に示すように、ルールRAS−r1により、端局(マスタ)となる。
【0125】
また、ルールRAS−r4により、データフレームが到来しない伝送路の逆方向の下流に、即ちノードAはノードBに向けてマスタ勧誘フレームamを、ノードBはノードAに向けてマスタ勧誘フレームbmを、ノードCはノードDに向けてマスタ勧誘フレームcmを、ノードDはノードCに向けてマスタ勧誘フレームdmを送出する。
【0126】
また、ノードAはノードDへマスタ通知フレームaを、ノードDはノードAへマスタ通知フレームdを、ノードBはノードCへマスタ通知フレームbを、ノードCはノードBへマスタ通知フレームcを送出する。そして、ノードA,Bのネットワークと、ノードC,Dのネットワークとに分割された状態で通常動作状態となる。
【0127】
次に同図(iv)に示すように、ノードA,B間の伝送路障害が復旧すると、ノードA,Bは、上流からデータフレームが到来するので、ルールRAS−r7により、それぞれマスタ勧誘フレームam,bmの送出を停止し、マスタ通知フレームa,bを送出する。
【0128】
すると、マスタノードAは、両系の上流から互いに異なる他のマスタ通知フレームb,dが到来するため、ルールRAS−r2によりスレーブとなる。また、マスタノードBも、両系の上流から互いに異なる他のマスタ通知フレームc,dが到来するため、ルールRAS−r2によりスレーブとなる。従って、図の(v )に示すように、ノードC及びDがマスタとなり、ノードA及びBがスレーブとなる通常動作状態となる。
【0129】
このように、各ノードはネットワーク伝送路異常検出時、上記ネットワークパス切替えルール(RAS−1〜RAS−7)により、自律的にネットワークのパス構成を切替え、リアルタイムに正常な伝送路間でネットワークパスを再構成し、伝送異常による通信不能区間を最小限とした通信路を維持し、信頼性の高いデータ通信を可能にする。
【0130】
図16にSDH網に適用した本発明の実施例を示す。この実施例は、前述の回線インタフェース部としてSDH網のインタフェースを具備し、端末インタフェース部として例えばLAN(Local Area Network)のインタフェースを具備したものである。
【0131】
同図(i)に機能ブロック図を示す。回線インタフェース部としては、光−電気変換部(OE)、電気−光変換部(EO)及びSDHインタフェース部からなり、SDHインタフェース部はSDHフレームの生成/分離を行う。また、端末インタフェース部としては、レイヤ3スイッチ部(L3SW)と100Base−Tインタフェース部を備え、100Base−Tインタフェースを有する端末と接続され、レイヤ3スイッチ部(L3SW)により、インタネットプロトコル(IP)のレイヤ3(ネットワーク層、IP層)のルート切分りけを行い、ルータ機能を実現する。
【0132】
同図(ii)にSDH網上でのパケットトレーラの構成例を示す。パケットトレーラはSDHフレームのペイロード部分に格納され、複数フレーム分のペイロード部分を連結してパケットトレーラが構成される。パケットトレーラを構成するSDHフレームのフレーム数Nは、システムによって決定され、データ処理効率を上げる場合はNを大きくし、データの遅延を少なくする場合はNを小さくする。パケットトレーラの先頭にはトークンパケット(TP)を載せ、それに続けてデータパケット(DP)及び必要に応じて制御パケット(CP)を搭載する。
【0133】
この場合、各ノードアドレスをIPアドレスに置き換え、制御部(CNT)等にネットワーク上のノード配列情報テーブル(左方向及び右方向のパスとそのノードIPアドレスの配列、更に端末のIPアドレス情報を格納したテーブル)を備え、該ノード配列情報テーブルを用いてルーティングを行うことができる。本発明は、下位層のネットワークが同期網であってもパケットトレーラを構成し、該パケットトレーラには可変長データパケットが搭載可能であるため、インタネットプロトコル(IP)による通信との親和性が良い。
【0134】
また、一般にルータを用いてノード間の多段接続を行う場合、同図の(iii )に示すように、それぞれのルータは配送データを一旦バッファーに格納してから次のノードへ配送するため、ルータを通過する毎に遅延が増加する。それに対し、本発明の伝送装置は、同図の(iv)に示すように、端末インタフェース部にのみバッファーを有し、端末からネットワークに出力するノードのみバッファによる遅延が発生するだけで、ノード間の多段接続における遅延は生じない。
【0135】
通常、IPネットワークは、ルータが10〜20段の多段接続となり、監視系のシステムにおいては100〜200の多段接続が必要となる場合があり、各ノードにおける固定遅延は大きな問題となる。そのため、多段接続を想定したシステムにおいては、ルータを用いたネットワークアーキテクチャは最適なものとはならない。本発明はこれを解決するものでもある。さらに、IPレイヤにおける優先度情報と本発明におけるリクエスト情報内の優先度とをリンクさせることにより、下位層におけるQOSへの対応も可能となる。
【0136】
図17にATM(Asynchronous Transfer Mode)網に適用した本発明の実施例を示す。この実施例は、回線インタフェース部としてATMoverSDHのインタフェース機能を備え、端末インタフェースとしてLANのインタフェース機能を備えたものである。なお、SDH網以外の他の網を用いる場合は、他の網インタフェース機能を備える。
【0137】
図17(i)に機能ブロック図を示す。回線インタフェース部は、光−電気変換部(OE)、電気−光変換部(EO)、SDHインタフェース部及びATMインタフェース部からなる。ATMインタフェース部はATMセルの生成及び分離を行い、ATMセル化したパケットをSDH網等の回線インタフェースに載せて送出する。
【0138】
また、端末インタフェース部は、レイヤ3スイッチ部(L3SW)と100Base−Tインタフェース部を備え、100Base−Tインタフェースを有する端末と接続され、レイヤ3スイッチ部(L3SW)により、インタネットプロトコル(IP)のレイヤ3(ネットワーク層、IP層)のルート切分りけを行い、ルータ機能を実現する。
【0139】
同図(ii)にATM層でのパケットトレーラの構成例を示す。パケットトレーラはATMセルのペイロード部分に格納され、複数セル分のペイロード部分を連結してパケットトレーラが構成される。パケットトレーラを構成するATMセル数Nは、システムによって決定される。パケットトレーラの先頭にはトークンパケット(TP)を載せ、それに続けてデータパケット(DP)及び必要に応じて制御パケット(CP)を搭載する。また、複数のATMセルがSDHフレームにマッピングされる。
【0140】
RAS機能実現に必要なフレーム受信状態と自端末の送信異常状態の監視は、SDHにおいては、LOS(Loss Of Signal:光入力断)、LOF(Loss Of Frame :フレーム同期バイト不一致)、LOP(Loss Of Pointer :ポインタ喪失)、P−AIS(Path-Alarm Indication Signal:パス警報表示)等の信号を用い、ATM網においては、OCD(Out of Cell Delineation :セル同期外れ)、LCD(Loss of Cell Delineation:セル同期損失)等の信号を用いて、フレーム受信異常を検出する。また、パケットの同期外れ等を検出してフレーム受信異常と判断する構成とすることもできる。自端末の送信異常は、SDH網においてMS−FERF,P−FERF(自端末送信異常)信号を用いて検出することができる。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、双方向伝送路の伝送容量をフルに使用し、送信データを送信方向にのみ伝送することにより使用効率が向上し、従来のリングネットワーク等に比べて2倍の容量を活用することができ、経済的にシステムを構築することができる。
【0142】
また、送信方向のデータ格納領域を事前に予約して確保することにより、リアルタイム性を重視したメディア通信を提供することができる。また、予約されていない空き領域のデータ格納領域を各ノードが動的に獲得して送信することにより、伝送容量の利用効率を向上させることができ、ネットワークの品質向上を図ることができる。
【0143】
また、データパケットの送信要求情報に優先度を付すことにより、リアルタイム性を確保したメディア通信、サービス品質クラス(QOS)に応じた通信を提供することができ、更に、本発明の伝送装置は、端末インタフェース部にネットワーク伝送路ヘの出力タイミングを調整するバッファーメモリを備え、パケットトレーラをバッファに格納することなく中継することにより、多段接続によるデータ転送の遅延を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるリニア又はリングネットワークの構成例を示す図である。
【図2】本発明の各ノードにおける伝送装置の構成図である。
【図3】本発明の回線インタフェース部及びトークンコントローラ(TCNT)の構成図である。
【図4】本発明のパケット多重部(PMUX)の構成図である。
【図5】本発明の端末インタフェース部の構成図である。
【図6】本発明のパケットトレーラの構成及びその配送方向を示す図である。
【図7】パケットトレーラの配送の様子を示す図である。
【図8】各ノードからのデータパケットを送信する様子を示す図である。
【図9】トークンパケットの構成例を示す図である。
【図10】データパケット送信ルールを説明図である。
【図11】各ノード(局)が局配列を認識する手順の説明図である。
【図12】ネットワークパス切替えルールに従うマスタ/スレーブ切替の一覧表である。
【図13】ノード断時のネットワークパス切替えの具体例を示す図である。
【図14】片系断となったときのネットワークパス切替えの具体例を示す図である。
【図15】ネットワーク分割状態(離島状態)時のネットワークパス切替えの具体例を示す図である。
【図16】SDH網に適用した本発明の実施例を示す図である。
【図17】ATM網に適用した本発明の実施例を示す図である。
【図18】従来のリング型ネットワークにおける並列送信/受信選択伝送方式の説明図である。
【図19】従来のリング型ネットワークにおけるループバック伝送方式の説明図である。
【図20】従来のトークンリング方式の説明図である。
【図21】従来のアーリートークンリリース方式の説明図である。
【符号の説明】
A ,B,C,D ノード(局)
a,d マスタ通知フレーム
PMUX(L) 左パケット多重部
PMUX(R) 右パケット多重部
TCNT(L) 左トークンコントローラ
TCNT(R) 右トークンコントローラ

Claims (10)

  1. 隣接ノード間が双方向の伝送路によって接続されたリニア又はリングネットワークにおいて、
    上記各ノードは、左端局、右端局又は中間局として動作し、左端局及び右端局は、送信権情報含むトークンパケット及びデータパケット格納領域を有するパケットトレーラを生成し、左端局は該パケットトレーラを右方向伝送路上に、右端局は該パケットトレーラを左方向伝送路上に送出し、
    各中間局は、右方向のデータパケットの送信要求発生時に、上記左方向伝送路上のパケットトレーラのトークンパケットに送信要求情報を書込み、左方向のデータパケットの送信要求発生時に、上記右方向伝送路上のパケットトレーラのトークンパケットに送信要求情報を書込んで送信要求を行い、
    上記左端局及び右端局は、対向する端局から送出されたパケットトレーラ内のトークンパケットに書込まれた各中間局の送信要求情報を基に、送信要求を行った中間局に対する予約領域を確保したデータパケット格納領域を有する上記パケットトレーラを生成し、
    上記送信要求を行った中間局は、上記パケットトレーラ内の予約領域にデータパケットを格納して送信先ノードへデータを送信することを特徴とするリニア又はリングネットワークにおける伝送方法。
  2. 隣接ノードの伝送装置と双方向の伝送路によって接続されたリニア又はリングネットワークの伝送装置において、
    上記各ノードの伝送装置は、端局及又は中間局の何れかに切替わって動作する機能を備え、
    端局として動作する場合に、トークンパケット及びデータパケット格納領域を有するパケットトレーラを生成し、該パケットトレーラを上記伝送路に送出する手段と、対向する端局から送出され上記伝送路に配送されたパケットトレーラを受信して終端する手段を備え、かつ、該対向する端局から送出されたパケットトレーラ内に配送途中で書込まれた各中間局の送信要求情報を基に、該送信要求を行った中間局に対して送信権を与える送信権情報を前記トークンパケットに格納し、該送信権情報を格納したトークンパケットを含むパケットトレーラを、対向する端局に向けて送出する手段を有し、
    中間局として動作する場合に、データパケットの送信要求発生時に、データ送出方向と逆方向のパケットトレーラのトークンパケットに送信要求情報を書込む手段と、該送信要求を行った中間局は、データ送出方向と同方向のパケットトレーラ内に含まれるトークンパケットの送信権情報に従って、該パケットトレーラに送信データを格納し、送信先ノードへデータを送信する手段とを備えたことを特徴とするリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  3. 前記伝送装置は、前記双方向の伝送路からのデータフレーム受信異常状態又は自装置の送信異常状態を検知する手段と、
    隣接ノードの伝送装置からデータフレームが受信されない場合、端局動作に切り替わり、かつ、該隣接ノードの伝送装置へ端局動作を促す端局催告フレームを送出する手段と、端局動作の他ノードの伝送装置から通知される端局通知データフレーム、及び上記端局催告フレームに基づいて、端局動作となるか中間局動作となるかを決定する手段と、
    を備えたことを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  4. 前記伝送装置は、前記双方向の伝送路に配送されるパケットトレーラ内に自装置のノードアドレスを書き込む手段と、他のノードの記伝送装置が書き込んだ他ノードアドレスを、双方向伝送路に配送された各パケットトレーラから読み取り、該読み取った他ノードアドレスを基に、左方向及び右方向の各ノードの配列位置を認識する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  5. 前記伝送装置は、端局として動作する場合に、トークンパケットを含む独立した複数のパケットトレーラを生成送出し、該パケットトレーラに、送信要求を行った中間局に対する予約領域を確保したパケットトレーラを生成して送出する手段を備え、中間局として動作する場合に、トークンパケット内の送信権情報による予約割り当てに従い、該予約領域に送信データを格納して送信する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  6. 前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、データ送信方向のパケットトレーラ内に空き領域が有るとき、該空き領域に送信データを格納して送信し、既に送出した送信要求情報に応じて割り当てられた予約領域を有するパケットトレーラが到来した際に、残留送信データがなければ、該予約領域を解除する手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  7. 前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、トークンパケットに送信要求情報を書込む際に、送信データの優先度情報を付加して書込む手段を備え、端局として動作する場合に、該送信データの優先度情報に基づいて送信権付与の調停を行う手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  8. 前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、データ送信方向のパケットトレーラ内に空き領域が有る場合、該空き領域の先頭位置から順に送信データを格納することを特徴とする請求項6に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  9. 前記伝送装置は、中間局として動作する場合に、自装置宛のデータを受信すると、該データが格納されていたパケットトレーラ内の領域を空き領域として次ノードの伝送装置に該パケットトレーラを送出することを特徴とする請求項6に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
  10. 前記伝送装置は、データ送受を行う端末装置とのインタフェース機能を有する端末インタフェース部を備え、該端末インタフェース部は、ネットワーク伝送路ヘの出力タイミングを調整するバッファーメモリを備えたことを特徴とする請求項2に記載のリニア又はリングネットワークにおける伝送装置。
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