JP3924920B2 - カラーフィルタ付基板ならびにそれを用いた液晶パネルおよび電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタ付基板ならびにそれを用いた液晶パネルおよび電子機器に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】
カラー液晶パネルにおいては、3原色に対応するそれぞれの色が各画素に対応して平面配置されたカラーフィルタを、液晶パネルを構成する一方の基板に密着させて用い、各色のフィルタを通過する光量を、液晶による制御によって、表示色に応じてコントロールすることによって色表示を行っている。
【0003】
したがって、カラー表示の色合いを、様々な条件や、好みに合わせて変える場合には、異なった色バランスのカラーフィルタを用いることによって行うことが一般的である。そのため、様々な条件や好みに対応させるためには、多くの種類のカラーフィルタを用意する必要があった。
【0004】
また、カラーフィルタの製造工程において発生してしまう色バランスのばらつきを所定の範囲に収めるためには、カラーフィルタを選別する以外に対応の方法がなかった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、所定の色バランスを持つカラーフィルタを用いていながら、色バランスの調節が可能なカラーフィルタ付基板ならびにそれを用いた液晶パネルおよび電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラーフィルタ付基板は、基板と、この基板の一面に配置され、青の領域、緑の領域及び赤の領域を含んでなるカラーフィルタと、このカラーフィルタの前記基板とは逆側に形成された透明導電膜とを、備えるカラーフィルタ付基板であって、前記透明導電膜は、波長領域400〜500nmにおいて透過率が落ち込む厚みを有するとともに、前記カラーフィルタの透過率を、前記青の領域において他色の領域より高くすることで前記カラーフィルタ付基板の総合的な色バランスをとることを特徴とする。
【0007】
これによれば、透明導電膜は、波長領域400〜500nmにおいて透過率が落ち込む厚みを有するとともに、カラーフィルタの透過率を、青の領域において他色の領域より高くすることでカラーフィルタ付基板の総合的な色バランスをとることできるとしたカラーフィルタ付基板が得られる。
【0008】
したがって、分光特性の異なったカラーフィルタを用意することなく、好みや、様々な条件、例えば、反射型の液晶パネルを形成した場合の反射板の材質や、バックライトに用いられる光源の種類に対応した、分光特性を有するカラーフィルタ付基板を形成することができる。
【0009】
また、製造工程において発生した色バランスのばらつきを有するカラーフィルタを用いて、カラーフィルタを選別することなく、分光特性が所定の範囲に収まったカラーフィルタ付基板を形成することができる。
【0012】
本発明に係るカラーフィルタ付基板は、前記透明導電膜の前記基板とは逆側に形成された配向膜を有し、前記透明導電膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方と、前記配向膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方と、によって所望の分光特性としたことを特徴とする。
【0013】
これによれば、透明導電膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方と、配向膜の膜厚の調節と種類の選択の少なくともいずれか一方とによって、所望の分光特性としたカラーフィルタ付基板が得られる。
【0014】
本発明に係るカラーフィルタ付基板は、前記カラーフィルタの前記基板とは逆側の面を覆う保護膜を有し、前記透明導電膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方と、前記保護膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方と、によって所望の分光特性としたことを特徴とする。
【0015】
これによれば、前記透明導電膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方と、前記保護膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方とによって、所望の分光特性のカラーフィルタ付基板が得られる。
【0016】
本発明に係る液晶パネルは、上述のカラーフィルタ付基板と、前記カラーフィルタ付基板に対向して配置された対向基板と、前記カラーフィルタ付基板と前記対向基板との間に封入された液晶と、を有することを特徴とする。
【0017】
これによれば、前述した作用効果を有する液晶パネルが得られる。また、カラーフィルタ付基板を適切な分光特性とすることによって、適切な色合いのカラー表示を行うことができる液晶パネルを形成することができる。
【0018】
本発明に係る液晶パネルは、所定の分光特性を有するカラーフィルタ付基板と、前記カラーフィルタ付基板に対向して配置され、透明導電膜が形成された対向基板と、前記カラーフィルタ付基板と前記対向基板との間に封入された液晶と、を有し、前記透明導電膜の膜厚の調節および種類の選択の少なくともいずれか一方によって、所望の分光特性としたことが好ましい。
【0019】
これによれば、対向基板に形成される透明導電膜の膜厚の調節および種類の選択によって、所望の色合いのカラー表示が可能な液晶パネルを形成することができる。
【0020】
したがって、分光特性の異なったカラーフィルタ付基板を用意することなく、好みや、様々な条件、例えば、反射型の液晶パネルを形成した場合の反射板の材質や、バックライトに用いられる光源の種類に対応した、カラー表示が可能な液晶パネルを形成することができる。
【0021】
また、色バランスのばらつきのあるカラーフィルタ付基板を用いて所定の色バランスを有する液晶パネルを形成することができる。
【0022】
本発明に係る電子機器は、上記液晶パネルを備えることを特徴とする。
【0023】
これによれば、前述した作用効果を有する電子機器を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0025】
〔第1実施形態〕
<カラーフィルタ付基板および液晶パネル>
図1は、本実施形態の液晶パネル10を示す部分断面図である。この図に示すように、液晶パネル10は、カラーフィルタ付基板20と、対向基板40との間にTN型の液晶14が封入されて形成されている。また、カラーフィルタ付基板20と、対向基板40のそれぞれの外面には、偏光板16,16が貼付されている。
【0026】
カラーフィルタ付基板20は、ガラスやプラスチックなどで形成された透明な基板24と、基板24の内側に取り付けられたカラーフィルタ28と、カラーフィルタ28の基板24とは逆側を覆う保護膜34と、保護膜34の基板24とは逆側に形成された透明導電膜32と、透明導電膜32の表面に設けられ液晶14に面する配向膜36とを備えて形成されている。カラーフィルタ28は、各画素に対応して3原色すなわち赤、緑、青、のパターンがブラックマトリックス29を境界にして配置されて形成されている。なお、ブラックマトリックスは、例えば反射型液晶パネルのように、カラーフィルタ部分での透過光量の低下を回避したい場合など、用途によっては設けられない場合もある。図1においてカラーフィルタ28の部分に記したアルファベットR、G、Bは、それぞれ赤、緑、青の1つの領域を示している。カラーフィルタ28の内面側を覆う保護膜34は、更に内面側に形成される透明導電膜32をパターニングする際のエッチング等によってカラーフィルタ28が影響を受けることを防ぐものである。
【0027】
対向基板40は、ガラスやプラスチックなどで形成された基板42と、基板42の内面側に形成された透明導電膜44と、透明導電膜44を覆い液晶14に面する配向膜48とを備えて形成されている。また、対向基板40には、各画素を形成する透明導電膜44の各領域に対応してスイッチング素子であるMIM素子(図示せず)が形成されている。
【0028】
なお、対向基板40を構成する基板42の内面側に反射面を形成して反射型の液晶パネルとする場合は、基板42は必ずしも透明である必要はなく、セラミック、シリコンウエハなどの材料を使用することもできる。この場合、基板42の外面側に配置された偏光板16は不要となる。
【0029】
図2は、本実施形態のカラーフィルタ付基板20に用いられる透明導電膜32であるITO(Indium Tin Oxide)膜を、150nm、270nm、430nmのそれぞれの膜厚で形成した場合の分光特性を、波長に対する透過率のグラフとして示している。この図に示すように、透明導電膜32は、その膜厚によって異なった分光特性を示す。
【0030】
図3は、本実施形態のカラーフィルタ28を構成する3原色の各色すなわち青、緑、赤の領域毎の分光特性を示している。また、同図中、太線で示したグラフは、これら3原色の領域が面配置されたカラーフィルタ28の総合分光特性を示している。
【0031】
図4は、図3に分光特性を示したカラーフィルタ28と、図2に分光特性を示した150nmの膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を含んで形成された、カラーフィルタ付基板20の一例の分光特性と、膜厚150nmの透明導電膜32のみの分光特性とを示す図である。なお、この膜厚のITO膜は、面積抵抗が約15Ω/□となる。また、同図において、赤とあるのは、カラーフィルタ28の赤の領域に対応するカラーフィルタ付基板20の領域における分光特性を示している。同様に、同図において、緑、青とあるのは、各色のカラーフィルタ28の領域に対応するカラーフィルタ付基板20の領域における分光特性を示している。また、同図中、太線で示した曲線は、このカラーフィルタ付基板20の総合分光特性を示している。図4に示したカラーフィルタ付基板20の一例においては、膜厚150nmのITO膜からなる透明導電膜32が、波長400nm付近の領域を除きほぼ平坦な分光特性を持っているため、このカラーフィルタ付基板20の分光特性は、波長400nm付近における若干の落ち込みを除き、図3に示したカラーフィルタ28の分光特性とほぼ同様となっている。したがって、カラーフィルタ28自体の色バランスが適切であれば、このカラーフィルタ付基板20を用いた液晶パネル10は、色バランスのとれた液晶パネル10となる。
【0032】
図5は、ITO膜からなる透明導電膜32が膜厚270nmとして形成された、変形例のカラーフィルタ付基板20の分光特性を、図4と同様に示したグラフである。なお、この膜厚のITO膜は、面積抵抗が約7Ω/□となる。この図に示すように、ITO膜からなる透明導電膜32は、膜厚270nmでは、波長400〜500nmにおける分光特性が落ち込んでいるため、同図中、太線として示したカラーフィルタ付基板20の総合特性も、波長400〜500nm付近の透過率が低い分光特性となり、残りの波長領域が強調された分光特性となる。したがって、このカラーフィルタ付基板20を用いた液晶パネル10は、黄色がかったカラー表示となる。その結果、色バランスのとれたカラーフィルタ28を用いた場合でも、黄色がかった液晶パネル表示が必要な場合は、260〜280nmの膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を有するカラーフィルタ付基板20とすることによって対応可能である。
【0033】
また、何らかの理由により、カラーフィルタ28自体の分光特性が緑色と赤色の透過率が低く青色の透過率が高いものを用いる場合には、260〜280nm付近の膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を用いたカラーフィルタ付基板20とすることによって、色バランスのとれた分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することが可能となる。
【0034】
さらに、光源として緑色と赤色が弱く青色が強いものを用いた液晶パネル10の場合には、260〜280nm付近の膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を用いたカラーフィルタ付基板20を備えた液晶パネル10とすることによって、カラー表示の色バランスがとれた液晶パネル10を形成することができる。
【0035】
図6は、ITO膜からなる透明導電膜32が膜厚430nmとして形成された、変形例のカラーフィルタ付基板20の分光特性を、図4と同様に示したグラフである。なお、この膜厚のITO膜は、面積抵抗が約4Ω/□となる。この膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を用いた場合には、総合特性を同図に太線で示すように、波長400〜500nm付近、および600〜700nm付近の光の透過率が低く、波長500〜600nm付近の透過率が高い分光特性のカラーフィルタ付基板20となる。その結果、このカラーフィルタ付基板20を用いて形成した液晶パネル10は、緑がかったカラー表示となる。したがって、色バランスのとれたカラーフィルタ28を用いた場合でも、緑色がかった液晶パネル10の表示が必要な場合は、420〜440nmの膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を有するカラーフィルタ付基板20とすることによって対応可能である。
【0036】
また、何らかの理由により、緑色の透過率が低く赤色や青色の透過率が高い分光特性のカラーフィルタ28を用いる場合には、420〜440nm付近の膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を用いたカラーフィルタ付基板20とすることによって、色バランスのとれた分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することが可能となる。
【0037】
さらに、光源として緑色が弱く赤色や青色が強いものを用いた液晶パネル10の場合には、420〜440nm付近の膜厚のITO膜からなる透明導電膜32を用いたカラーフィルタ付基板20を備えた液晶パネル10とすることによって、カラー表示の色バランスががとれた表示が可能である。
【0038】
なお、上記においては、透明導電膜32の膜厚を調節することによって、適切な分光特性を有する透明導電膜32とし、その透明導電膜32を用いたカラーフィルタ付基板20が所望の分光特性を備えるようにしていた。しかし、透明導電膜32の膜厚および/あるいは種類を適切に選択することによって、所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することもできる。例えば、透明導電膜32の材料としては、ITOに限らず、酸化錫、酸化インジウムなどの材料を使用することもできる。
【0039】
また、上記においては、カラーフィルタ付基板20に、カラーフィルタ28の一面側を覆う保護膜34が、その後に形成される透明導電膜32のパターニングの際のエッチング等によってカラーフィルタ28に損傷等が及ぶことを防止するために設けられた例を示した。しかしながら、透明導電膜32が、ベタ電極として形成される場合は、エッチング工程が不要であるため、保護膜34は必ずしも設けなくともよい。
【0040】
上述したように、本実施形態のカラーフィルタ付基板20は、透明導電膜32の膜厚を調節することによって、所望の分光特性とすることができる。
【0041】
したがって、分光特性の異なったカラーフィルタを用意することなく、好みや、様々な条件、例えば、反射型の液晶パネルを形成した場合の反射板の材質や、バックライトに用いられる光源の種類に対応した、分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することができる。
【0042】
また、製造工程において発生した色バランスのばらつきを有するカラーフィルタ28を用いて、カラーフィルタ28を選別することなく、分光特性が所定の範囲に収まったカラーフィルタ付基板20を形成することができる。
【0043】
なお、上記においては、カラーフィルタ付基板20の透明導電膜32の膜厚を調節することによって、カラーフィルタ付基板20の分光特性を適切な特性とし、そのカラーフィルタ付基板20を用いた液晶パネル10が所望の色バランスとなるようにしている。しかしながら、対向基板40の透明導電膜44の膜厚および/あるいは種類を適切に選択し、対向基板40に所望の分光特性を持たせることによって、液晶パネルの表示が所望の色バランスとなるようにしてもよい。
【0044】
<電子機器>
図7は、本実施形態の液晶表示パネル10を、上部筐体91と下部筐体92とを有する電子機器である電子手帳90に組み込んだ状態を分解斜視図として示している。なお、図7においては、液晶表示パネル10以外の部品を大幅に省略して描いてある。電子手帳90は、回路基板93上などに、表示情報出力源、表示情報処理回路、クロック発生回路などの様々な回路や、それらの回路に電力を供給する電源回路等を含んで構成される。
【0045】
なお、本実施形態の液晶パネル10が組み込まれる電子機器としては、電子手帳90に限らず、ノート型パソコン、携帯電話、時計、ページャ、電卓、POS端末、ICカード、ミニディスクプレーヤなど様々な電子機器が考えられる。
【0046】
〔第2実施形態〕
本実施形態は、カラーフィルタ付基板20において、透明導電膜32ではなく保護膜34の膜厚の調節および種類の選択の少なくとも一方によって、所望の分光特性とする点が第1実施形態と異なる。それ以外の点は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
本実施形態の液晶パネル10は、図1に模式的な断面図として示した第1実施形態の液晶パネル10と同様な構造を有する。また、本実施形態のカラーフィルタ付基板20に用いられるカラーフィルタ28は、第1実施形態のカラーフィルタ28と同様であり、第1実施形態において図3に示した分光特性を有する。
【0048】
図8は、本実施形態のカラーフィルタ付基板20に用いられる2種類の保護膜34の分光特性を示すグラフである。同図中、Aで示したグラフは、膜厚3.2μmのアクリル樹脂で形成した保護膜34(タイプA)の分光特性であり、Bで示したグラフは、膜厚3.2μmのアクリル樹脂で形成した保護膜34(タイプB)の分光特性である。この図に示すように、タイプAの保護膜34はほぼ平坦な分光特性を有するが、タイプBの保護膜34は、波長400〜500nm付近の透過率が他の領域より低い分光特性となっている。
【0049】
図9は、タイプBの保護膜34と、第1実施形態の場合と同様なカラーフィルタ28、すなわち図3で示した分光特性を有するカラーフィルタ28とを用いて形成したカラーフィルタ付基板20の分光特性、および、タイプBの保護膜34のみの分光特性を示すグラフである。同図において、赤とあるのは、カラーフィルタ28の赤の領域に対応するカラーフィルタ付基板20の領域における分光特性を示している。同様に、同図において、緑、青とあるのは、カラーフィルタ28の各色の領域に対応するカラーフィルタ付基板20の領域における分光特性を示している。また、同図中、太線は、このカラーフィルタ付基板20の総合分光特性を示している。図8に示したカラーフィルタ付基板20の一例においては、タイプBの保護膜34が、波長400nm〜500nm付近の領域で低い透過率となる分光特性を持っているため、このカラーフィルタ付基板20の総合的な分光特性は、同図に太線で示すように400〜500nmの領域では透過率が低く、500〜700nmの領域で透過率が高い特性となる。その結果、このカラーフィルタ付基板20を用いて、通常の条件で液晶パネル10を形成すると、黄色みがかった表示の液晶パネル10が得られる。したがって、若干、黄色みがかった表示が好まれる場合には、保護膜34としてこのタイプのもの、すなわちアクリル樹脂で形成した膜厚3.0〜3.5μmのものを使用することによって、通常のカラーフィルタ28を用いているにも拘わらず、そのような嗜好に対応するカラーフィルタ付基板20を形成することができる。
【0050】
また、何らかの理由により、青色の透過率が高く緑色や赤色の透過率が低い分光特性のカラーフィルタ28を用いる場合には、タイプBの保護膜34すなわちアクリル樹脂で形成した膜厚3.0〜3.5μmの保護膜34とともに使用することによって、色バランスのとれた分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することが可能となる。
【0051】
さらに、光源として青色が強く緑色や赤色が弱いものを用いた液晶パネル10の場合には、タイプBの保護膜34すなわちアクリル樹脂で形成した膜厚3.0〜3.5nmの保護膜34を使用することによって、色バランスのとれた通常のカラーフィルタ28を使用して、カラー表示の色バランスががとれた表示が可能な液晶パネル10を形成することができる。
【0052】
上述したように、本実施形態のカラーフィルタ付基板20は、保護膜34の種類を選択することによって、分光特性を調節することができる。
【0053】
したがって、分光特性の異なったカラーフィルタを用意することなく、好みや、様々な条件、例えば、反射型の液晶パネルを形成した場合の反射板の材質や、バックライトに用いられる光源の種類に対応した、分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することができる。
【0054】
また、製造工程において発生した色バランスのばらつきを有するカラーフィルタ28を用いて、カラーフィルタ28を選別することなく、分光特性が所定の範囲に収まったカラーフィルタ付基板20を形成することができる。
【0055】
なお、上記においては、保護膜の厚さを一定とし適切な種類の保護膜34を選択することによって、所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成する例を示した。しかしながら、保護膜34の種類を一定とし適切な厚さの保護膜34とすること、あるいは、適切な厚さと種類の保護膜34とすることによっても、所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板20を形成することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内または特許請求の範囲の均等範囲内で各種の変形実施が可能である。
【0057】
例えば、上記各実施形態では、透明導電膜の膜厚および/あるいは種類を適切に選択して、または、保護膜の膜厚および/あるいは種類を適切に選択して、所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板を形成する例を示した。しかし、透明導電膜および保護膜の、膜厚および/あるいは種類を適切に選択することによって所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板を形成することもできる。
【0058】
また、上記各実施形態においては、配向膜の選択については触れなかったが、配向膜の膜厚および/あるいは種類を適切に選択して、所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板を形成することもできる。さらに、透明導電膜の膜厚および/あるいは種類を適切に選択して、または、保護膜の膜厚および/あるいは種類を適切に選択するとともに、配向膜の膜厚および/あるいは種類を適切に選択して、所望の分光特性を有するカラーフィルタ付基板を形成することもできる。
【0059】
さらに、上記各実施形態においては、TN液晶を用いたMIMアクティブマトリクス型の液晶表示パネルの例を示したが、液晶表示パネルは、駆動方式で言えば、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス液晶表示パネルやスタティック駆動液晶表示パネル、また、TFTで代表される三端子スイッチング素子あるいはMIM以外の二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示パネル、電気光学特性で言えば、STN型、相転移型、強誘電型など、種々のタイプの液晶パネルを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶パネルを示す部分断面図である。
【図2】第1実施形態のカラーフィルタ付基板に用いられる透明導電膜のみの分光特性を示すグラフである。
【図3】第1実施形態のカラーフィルタ付基板に用いられるカラーフィルタのみの分光特性を示すグラフである。
【図4】第1実施形態のカラーフィルタ付基板の一例の分光特性を示すグラフである。
【図5】第1実施形態のカラーフィルタ付基板の変形例の分光特性を示すグラフである。
【図6】第1実施形態のカラーフィルタ付基板の変形例の分光特性を示すグラフである。
【図7】第1実施形態の液晶パネルを用いた電子手帳を示す分解斜視図である。
【図8】第2実施形態に係るカラーフィルタ付基板に用いられる保護膜の分光特性の例を示すグラフである。
【図9】第2実施形態に係るカラーフィルタ付基板の一例の分光特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 液晶パネル
14 液晶
20 カラーフィルタ付基板
24 基板
28 カラーフィルタ
32 透明導電膜
36 配向膜
40 対向基板
90 電子手帳(電子機器)
Claims (3)
- 基板と、この基板の一面に配置され、青の領域、緑の領域及び赤の領域を含んでなるカラーフィルタと、このカラーフィルタの前記基板とは逆側に形成された透明導電膜とを、備えるカラーフィルタ付基板であって、
前記透明導電膜は、波長領域400〜500nmにおいて透過率が落ち込む厚みを有するとともに、前記カラーフィルタの透過率を、前記青の領域において他色の領域より高くすることで前記カラーフィルタ付基板の総合的な色バランスをとることを特徴とするカラーフィルタ付基板。 - 請求項1に記載のカラーフィルタ付基板であって、前記透明導電膜は、260〜280nmの膜厚を有することを特徴とするカラーフィルタ付基板。
- 請求項1又は請求項2のいずれかに記載のカラーフィルタ付基板と、前記カラーフィルタ付基板に対向して配置された対向基板と、前記カラーフィルタ付基板と前記対向基板との間に封入された液晶と、を有することを特徴とする液晶パネル。
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