JP3924662B2 - 超電導磁気軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば高速回転を必要とする流体機械や工作機械、または余剰電力をフライホイールの回転運動エネルギに変換して貯蔵する電力貯蔵装置などに適用される超電導磁気軸受に関する。さらに詳しくは、超電導体と永久磁石を使用して、固定部分に対して回転体を非接触状態に浮上させて回転支持する超電導磁気軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の超電導磁気軸受として、図2に示すようなものが知られている。
【0003】
この超電導磁気軸受は、鉛直軸状の回転体(1) の下端部に設けられた環状永久磁石部(2) および永久磁石部(2) と径方向に対向するように固定部分を構成するハウジング(3) 側に設けられた環状超電導体部(4) よりなる。
【0004】
永久磁石部(2) は、鉛直円筒状の支持筒(5) の内周に固定された上下複数の環状永久磁石(6) を備えている。
【0005】
超電導体部(4) は、上側の大部分が永久磁石部(2) の内側にはめられた環状の冷却液循環容器(7) を備えている。容器(7) の下部は永久磁石部(2) の下方において径方向外側に張出しており、容器(7) の内部には、軸線を通る断面形状がL字状で環状をなす冷却空間(8) が形成されている。鉛直円筒状の第2種超電導体(9) が、冷却空間(8) 内の上部に固定され、容器(7) の上部の薄肉の外側周壁と環状の空隙を介して永久磁石(6) と径方向に対向している。
【0006】
容器(7) の下部の外側周壁にこれを径方向に貫通する冷却液流入穴(10)と冷却液流出穴(11)が形成されており、流入穴(10)の径方向外側部分に冷却液供給管(12)が、流出穴(11)の径方向外側部分に冷却液排出管(13)がそれぞれ接続されている。供給管(12)と流入穴(10)により冷却液流入管路(14)が構成され、流入穴(10)の径方向内側端部が冷却空間(8) への冷却液出口(14a) となっている。流出穴(11)と排出管(13)により冷却液流出管路(15)が構成され、流出穴(11)の径方向内側端部が冷却空間(8) からの冷却液入口(15a) となっている。供給管(12)および排出管(13)は図示しない冷却装置に接続されており、この冷却装置により、冷却液たとえば液体窒素が、流入管路(14)、冷却液出口(14a) 、容器(7) の冷却空間(8) 、冷却液入口(15a) および流出管路(15)を通って循環させられ、冷却空間(8) 内に満たされる冷却液により超電導体(9) が冷却される。
【0007】
液体窒素の一部は、上記のように循環している間に気化して窒素ガスになり、窒素ガスは軽いため、その一部は容器(7) の冷却空間(8) 内の上部に溜まる。ところが、上記の従来の超電導磁気軸受の場合、冷却液流出管路(15)の冷却液入口(15a) が超電導体(9) の最下部より下方の冷却空間(8) 内のほぼ最下部に位置しているので、冷却空間(8) 内の上部に溜まった窒素ガスは冷却液流出管路(15)から排出されず、冷却空間(8) 内の上部の超電導体(9) の周囲に窒素ガスが充満する。このため、超電導体(9) を完全に冷却することができず、超電導状態が得られないことがある。
【0008】
液体窒素以外の冷却液を用いた場合にも、冷却液が気化してガスになることにより、同様の問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上記の問題を解決し、冷却液循環容器内の超電導体を常に完全に冷却して、良好な超電導状態を得ることができる超電導磁気軸受を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による超電導磁気軸受は、固定部分に対して回転体を非接触状態に浮上させて回転支持する超電導磁気軸受であって、前記固定部分側に設けられた超電導体部と、この超電導体部に対向するように前記回転体側に設けられた永久磁石部とを備えており、前記超電導体部が、冷却液を循環させるための冷却空間、この冷却空間内に冷却液を流入させるための冷却液流入管路および前記冷却空間内から冷却液を流出させるための冷却液流出管路が設けられた冷却液循環容器と、前記冷却空間内に配置された超電導体とを備え、前記永久磁石部が、前記冷却液循環容器の壁を介して前記超電導体と対向するように配置された永久磁石を備えている超電導磁気軸受において、前記超電導体部に対して前記永久磁石部が径方向の外側から対向し、前記永久磁石部が、回転体の下端に固定された鉛直円筒状の支持筒と、この支持筒の内周に固定された上下複数の環状永久磁石とを備え、前記冷却液循環容器が、環状の前記冷却空間を有する環状のものであり、鉛直円筒状の前記超電導体が、前記冷却液循環容器の外側周壁の内側にはめられるとともに、前記冷却空間内の下部に配置された鉛直円筒状の超電導体支持部材と前記冷却液循環容器の頂壁との間に挟み止められて、前記超電導体と前記冷却液循環容器の内側周壁との間に間隔があいており、前記超電導体支持部材の下部の周方向複数箇所に、前記超電導体支持部材の内側と外側とで冷却液を流通させるための穴が形成され、前記超電導体支持部材の上端の周方向複数箇所に、前記超電導体支持部材の内側と外側とで冷却液を流通させるとともに前記超電導体の下端面の一部を前記冷却空間内に露出させるための切欠きが形成され、前記冷却液流入管路における前記冷却空間への冷却液出口が前記冷却空間の下部に位置し、前記冷却液流出管路における前記冷却空間からの冷却液入口が前記冷却空間の上部に位置していることを特徴とするものである。
【0011】
鉛直円筒状の超電導体と冷却液循環容器の内側周壁との間に間隔があいているので、超電導体の内周面が冷却空間内に完全に露出する。さらに、超電導体が、冷却空間内の下部に配置された鉛直円筒状の超電導体支持部材と冷却液循環容器の頂壁との間に挟み止められていて、超電導体支持部材の上端の周方向複数箇所に、超電導体支持部材の内側と外側とで冷却液を流通させるとともに超電導体の下端面の一部を冷却空間内に露出させるための切欠きが形成されているので、超電導体の下端面の一部も超電導体支持部材の切欠きの部分で冷却空間内に露出する。このため、超電導体は広い範囲で冷却液と接触することになり、超電導体を効率良く冷却することができる。
【0012】
このように、この発明の超電導磁気軸受によれば、気化したガスが超電導体の周囲に充満することを防止するとともに、超電導体を効率良く冷却することができ、これにより、冷却液循環容器内の超電導体を常に完全に冷却して、良好な超電導状態を得ることができる。
好ましくは、前記冷却液流入管路における冷却液出口が、前記超電導体の最下部と同じ高さかこれより下方に位置し、前記冷却液流出管路における冷却液入口が、前記超電導体の最上部と同じ高さかこれより上方に位置している。
【0013】
このようにすれば、冷却液から気化したガスは超電導体より上方の冷却空間内の上部に溜まるだけで、超電導体の周囲には溜まらない。このため、超電導体の周囲には冷却液だけが充満し、この冷却液により常に超電導体が完全に冷却される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1を参照して、この発明をフライホイール式電力貯蔵装置に適用した実施形態について説明する。
【0015】
図1は、電力貯蔵装置の超電導磁気軸受の部分を示している。なお、図1において、図2の従来例と同じ部分には同一の符号を付している。
【0016】
電力貯蔵装置は、たとえば、余剰電力を回転運動エネルギに変換して貯蔵しておくためのフライホイールが設けられた鉛直軸状の回転体(1) 、運転時に回転体(1) を軸方向(アキシアル方向)および径方向(ラジアル方向)に非接触支持するための超電導磁気軸受(20)、運転時に回転体(1) を径方向に非接触支持するための上下2組の制御型ラジアル磁気軸受、起動時に回転体(1) を軸方向に非接触支持しておくための制御型アキシアル磁気軸受、電力貯蔵時に回転体(1) を高速回転させる電動機として電力取出し時に発電機として機能する内蔵型の発電兼用電動機などを備えており、これらが固定部分を構成するハウジング(3) の内部に配置されている。ハウジング(3) の内部は、風損を防ぐため、真空状態に保持されている。ハウジング(3) 、回転体(1) のフライホイールの部分、ラジアル磁気軸受、アキシアル磁気軸受、電動機などについては、公知の構成を採用しうるので、詳細な図示および説明は省略する。
【0017】
超電導磁気軸受(20)は、回転体(1) の下部を軸方向および径方向に非接触支持するものであり、回転体(1) の下端部に同心状に設けられた環状永久磁石部(2) および永久磁石部(2) と径方向に対向するようにハウジング側に設けられた環状超電導体部(21)よりなる。
【0018】
回転体(1) の下端部に水平支持円板(22)が固定され、その下面に永久磁石部(2) が固定されている。永久磁石部(2) は、回転体(1) と同心になるように円板(22)の下面に固定された鉛直円筒状の支持筒(5) を備えており、支持筒(5) の内周に、上下複数の環状永久磁石(6) が環状鉄製ヨーク(23)を介して配置され、支持筒(5) の下端面に固定された環状係止部材(24)により固定されている。たとえば、各永久磁石(6) は軸方向の両端面に磁極を有し、上下に隣接する永久磁石(6) の対向する磁極が同極性となるように配置されており、ヨーク(23)が磁極となる。また、永久磁石(6) は回転体(1) と同心状に配置され、回転体(1) の回転軸心の周囲における永久磁石(6) の磁束分布が回転体(1) の回転によって変化しないようになされている。
【0019】
詳細な図示は省略したが、ハウジング(3) の下部の適当箇所に、回転体(1) と同心の鉛直な支持軸(25)が上下方向の位置の調整ができるように設けられている。支持軸(25)の上部はハウジング(3) の図示しない底壁を貫通してその内部に入っており、この支持軸(25)の上端面に超電導体部(21)が固定されている。
【0020】
超電導体部(21)は、回転体(1) と同心になるように支持軸(25)の上端面に固定された環状の冷却液循環容器(クライオスタット)(26)を備えている。容器(26)は、環状の冷却空間形成部材(第1部材)(27)と底壁形成部材(第2部材)(28)とから構成されている。第1部材(27)は、比較的小径の鉛直円筒状の内側周壁(27a) と、内側周壁(27a) の上端から径方向外側に水平に張出した頂壁(27b) と、頂壁(27b) の外周縁から内側周壁(27a) の下端より少し上方の位置までのびた比較的大径で薄肉の鉛直円筒状の外側周壁(27c) と、外側周壁(27c) の下端から径方向外側に少し張出した水平フランジ部(27d) とが一体に形成されたものである。第2部材(28)は水平な穴あき円板よりなり、その中心の円形穴(29)に第1部材(27)の内側周壁(27a) の下端部が密にはまるとともに、外周部上面が第1部材(27)のフランジ部(27d) の下面に密着するように、第1部材(27)に固定されている。そして、これにより、容器(26)の内部に、軸線を通る断面形状が長方形状の環状の冷却空間(30)が形成されている。
【0021】
鉛直円筒状の第2種超電導体(9) が、容器(26)の外側周壁(27c) の内側にはめられ、冷却空間(30)内の下部に配置された鉛直円筒状の超電導体支持部材(31)と容器(26)の頂壁(27b) との間に挟み止められている。支持部材(31)の外径は外側周壁(27c) の内径より少し小さく、支持部材(31)の下端に一体に形成された外向きフランジ部(31a) が外側周壁(27c) の下端部の内側に密にはめられている。支持部材(31)の下部の周方向複数箇所に、支持部材(31)の内側と外側とで冷却液を流通させるための穴(32)が形成されている。支持部材(31)の上端の周方向複数箇所に、支持部材(31)の内側と外側とで冷却液を流通させるとともに超電導体(9) の下端面の一部を冷却空間(30)内に露出させるための切欠き(33)が形成されている。超電導体(9) の外周面は外側周壁(27c) の内周面に密着し、超電導体(9) は、薄肉の外側周壁(27c) と環状の微小な空隙を介して、永久磁石部(2) の永久磁石(6) に対向している。超電導体(9) がはめられた外側周壁(27c) の部分の肉厚およびこの周壁(27c) と永久磁石部(2) との間の環状の空隙は非常に小さいものであるが、図面にはこれを比較的大きく表わしている。超電導体(9) の内径は容器(26)の内側周壁(27a) の外径よりかなり大きく、内側周壁(27a) と超電導体(9) との間には比較的大きな間隔があいている。このため、超電導体(9) の内周面は、冷却空間(30)内に完全に露出している。また、超電導体(9) の下端面も、支持部材(31)の内外両側の部分と切欠き(33)の部分とで、冷却空間(30)内に露出している。
【0022】
超電導体(9) は、たとえばイットリウム系超電導体、たとえばYBa2 Cu3 O7-x からなるバルクの内部に常電導粒子(Y2 BaCu)を均一に混在させたものからなり、第2種超電導状態が出現する環境下において、永久磁石(6) から発せられる磁束侵入を拘束する性質を有するものである。そして、超電導体(9) は、上記のように配置されることにより、永久磁石(6) の磁束が所定量浸入する離隔位置であってかつ回転体(1) の回転によって侵入磁束の分布が変化しない位置に配置されている。
【0023】
容器(26)の第2部材(28)に、外周面から径方向内側にのびた後に上向きにのびて冷却空間(30)内の第2部材(28)の上面に抜ける冷却液流入穴(34)と冷却液流出穴(35)が形成されている。流入穴(34)の径方向外側端部に、冷却液供給管(12)が接続されている。供給管(12)は、ハウジング(3) を貫通して図示しない冷却装置に接続されている。供給管(12)と流入穴(34)によって冷却液流入管路(36)が形成されており、冷却空間(30)内の流入穴(34)の上端部が流入管路(36)から冷却空間(30)への冷却液出口(吐出口)(36a) となっている。冷却液出口(36a) は、冷却空間(30)内の最下部であって超電導体(9) の最下部より下方に位置している。流出穴(35)の径方向外側端部に、冷却液排出管(13)が接続されている。排出管(13)は、ハウジング(3) を貫通して上記の冷却装置に接続されている。流出穴(35)の径方向内側の上方にのびる部分に、鉛直状の冷却液吸込管(37)の下端部が接続されている。吸込管(37)の上端は、容器(26)の頂壁(27b) の径方向内側の部分の下面より少し下方に位置している。容器(26)の頂壁(27b) の径方向内側の部分に浅い環状みぞが形成され、この部分の頂壁(27b) の下面は、超電導体(9) が取付けられた径方向外側の頂壁(27b) の部分の下面、すなわち、超電導体(9) の上端面より少し上方に位置している。そして、吸込管(37)の上端は、超電導体(9) の上端の高さとほぼ同じかあるいはこれより少し上方に位置している。吸込管(37)、流出穴(35)および排出管(13)によって冷却液流出管路(38)が形成されており、冷却空間(30)内の吸込管(37)の上端が冷却空間(30)から流出管路(38)への冷却液入口(吸込口)(38a) となっている。
【0024】
上記の冷却装置により、冷却液である液体窒素が次のように容器(26)の冷却空間(30)を通して循環されられ、冷却空間(30)内に満たされる液体窒素により超電導体(9) が冷却される。
【0025】
冷却装置から出た液体窒素は、流入管路(36)を通って、冷却液出口(36a) から冷却空間(30)内に入り、空間(30)内の満たされる。そして、冷却空間(30)内の液体窒素は、冷却液入口(38a) から流出管路(38)に入り、流出管路(38)を通って冷却装置に戻される。液体窒素の一部は、上記のように循環している間に気化して窒素ガスとなり、その一部は冷却空間(30)内の上部に溜まる。しかし、窒素ガスの層の最下部が冷却液入口(38a) の高さまで下がると、窒素ガスは冷却入口(38a) から流出管路(38)に入って排出されるため、窒素ガスは冷却液入口(38a) より下方に溜まることはない。すなわち、窒素ガスは、冷却液入口(38a) より上方の冷却空間(30)内の最上部のわずかな部分に溜まるだけである。そして、冷却液入口(38a) が超電導体(9) の最上部とほぼ同じ高さかこれより上方に位置しているので、超電導体(9) の周囲には窒素ガスは溜まらない。このため、超電導体(9) の周囲には液体窒素だけが充満し、超電導体(9) が常に液体窒素によって完全に冷却され、良好な超電導状態が得られる。また、超電導体(9) はその内周面全体と下端面の大部分とを合わせた広い範囲で液体窒素と接触するので、超電導体(9) を効率良く冷却することができる。
【0026】
上記の電力貯蔵装置は、たとえば、次のようにして起動される。
【0027】
まず、ラジアル磁気軸受およびアキシアル磁気軸受を作動状態にし、回転体(1) を径方向および軸方向に非接触支持して、所定の運転位置に浮上させる。次に、支持軸(25)の上下方向の位置を調整して、超電導磁気軸受(20)の超電導体部(21)の超電導体(9) を永久磁石部(2) の永久磁石(6) の内側に位置させ、容器(26)の冷却空間(30)に液体窒素を供給し、超電導体(9) を所定の温度まで冷却して第2種超電導状態を出現する超電導状態に保持する。永久磁石(6) から発せられる磁束がその内側に位置する超電導体(9) の内部に侵入している状態で、超電導体(9) を冷却(磁場冷却)して第2種超電導状態にすると、超電導体(9) の内部に侵入していた磁束の多くがそのまま超電導(9) の内部のピン止め点にピン止めされて、超電導体(9) の内部に拘束される。次に、ラジアル磁気軸受とアキシアル磁気軸受により回転体(1) を運転位置に保持した状態で、支持軸(25)を上昇させて、超電導体(9) を上昇させる。アキシアル磁気軸受により回転体(1) を運転位置に保持した状態で、作動状態になった超電導磁気軸受(20)の超電導体(9) を上昇させると、超電導磁気軸受(20)による軸方向上向きの支持力が徐々に大きくなり、その分、アキシアル磁気軸受による支持力が徐々に小さくなる。そして、アキシアル磁気軸受による支持力が零になった時点で、超電導体(9) をその位置に停止させる。これにより、回転体(1) の重量が超電導磁気軸受(20)のみによって支持され、回転体(1) は超電導磁気軸受(20)とラジアル磁気軸受により運転位置に非接触支持されるので、アキシアル磁気軸受を非作動状態にし、電動機を駆動して、回転体(1) を高速回転させる。このとき、超電導体(9) に侵入した磁束は、磁束分布が回転体(1) の回転軸心に対して均一で不変である限り、理想的には回転を妨げる抵抗とはならない。
【0028】
電力貯蔵装置の全体構成、超電導磁気軸受の構成、たとえば、超電導体部および永久磁石部の構成、超電導体部における冷却液循環容器の構成、超電導体の構成および配置、冷却液流入管路および冷却液流出管路の構成などは、上記実施形態のものに限らず、適宜変更可能である。
【0029】
上記実施形態では、冷却液流入管路(36)の冷却液出口(36a) が超電導体(9) の最下部より下方の冷却空間(30)内の最下部に位置しているが、冷却液出口は、冷却空間内の下部に位置していればよく、必ずしも超電導体の最下部より下方に位置していなくてもよい。また、上記実施形態では、冷却液流出管路(38)の冷却液入口(38a) が冷却空間(30)内の超電導体(9) の最上部とほぼ同じ高さに位置しているが、冷却液入口は、冷却空間の上部に位置していればよく、超電導体の最上部より上方または下方に位置していてもよい。
【0030】
上記実施形態では、冷却液循環容器(26)の壁に形成された冷却液流入穴(34)およびこれに接続された冷却液供給管(12)により冷却液流入管路(36)が形成され、流入穴(34)の一端部が冷却液出口(36a) となっているが、たとえば、冷却液循環容器の壁を貫通して冷却空間内の下部に達するように配置された冷却液供給管だけで冷却液流入管路を形成して、冷却空間内の冷却液供給管の端部を冷却液出口とすることができる。また、上記実施形態では、冷却液循環容器(26)の壁に形成された冷却液流出穴(35)ならびにこれに接続された冷却液吸込管(37)および冷却液排出管(13)により冷却液流出管路(38)が形成され、吸込管(37)の上端部が冷却液入口(38a) となっているが、たとえば、冷却液循環容器の壁を貫通して冷却空間内の上部に達するように配置された冷却液排出管だけで冷却液流出管路を形成して、冷却空間内の冷却液排出管の端部を冷却液入口とすることができる。
【0031】
上記実施形態では、冷却液として液体窒素が用いられているが、液体窒素以外の冷却液を用いることもできる。
【0032】
上記実施形態では、超電導体部(21)と永久磁石部(2) が径方向(水平方向)に対向しているが、この発明は、超電導体部と永久磁石部が軸方向(上下方向)に対向する形式の超電導磁気軸受にも適用することができる。
【0033】
超電導磁気軸受には、冷却により第1種超電導状態を出現する第1種超電導体を使用し、第1種超電導体の第1種超電導状態における完全反磁性現象(マイスナー効果)を利用して回転体を非接触支持するものもあるが、この発明は、このような第1種超電導体を使用した超電導磁気軸受にも適用することができる。
【0034】
さらに、この発明の超電導磁気軸受は、電力貯蔵装置以外の装置に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す電力貯蔵装置の超電導磁気軸受の部分の概略縦断面図である。
【図2】図2は、従来例を示す図1相当の図面である。
【符号の説明】
(1) 回転体
(2) 永久磁石部
(3) ハウジング(固定部分)
(6) 永久磁石
(9) 超電導体
(20) 超電導磁気軸受
(21) 超電導体部
(26) 冷却液循環容器
(27c) 外側周壁
(30) 冷却空間
(36) 冷却液流入管路
(36a) 冷却液出口
(38) 冷却液流出管路
(38a) 冷却液入口
Claims (2)
- 固定部分に対して回転体を非接触状態に浮上させて回転支持する超電導磁気軸受であって、前記固定部分側に設けられた超電導体部と、この超電導体部に対向するように前記回転体側に設けられた永久磁石部とを備えており、前記超電導体部が、冷却液を循環させるための冷却空間、この冷却空間内に冷却液を流入させるための冷却液流入管路および前記冷却空間内から冷却液を流出させるための冷却液流出管路が設けられた冷却液循環容器と、前記冷却空間内に配置された超電導体とを備え、前記永久磁石部が、前記冷却液循環容器の壁を介して前記超電導体と対向するように配置された永久磁石を備えている超電導磁気軸受において、
前記超電導体部に対して前記永久磁石部が径方向の外側から対向し、前記永久磁石部が、回転体の下端に固定された鉛直円筒状の支持筒と、この支持筒の内周に固定された上下複数の環状永久磁石とを備え、前記冷却液循環容器が、環状の前記冷却空間を有する環状のものであり、鉛直円筒状の前記超電導体が、前記冷却液循環容器の外側周壁の内側にはめられるとともに、前記冷却空間内の下部に配置された鉛直円筒状の超電導体支持部材と前記冷却液循環容器の頂壁との間に挟み止められて、前記超電導体と前記冷却液循環容器の内側周壁との間に間隔があいており、前記超電導体支持部材の下部の周方向複数箇所に、前記超電導体支持部材の内側と外側とで冷却液を流通させるための穴が形成され、前記超電導体支持部材の上端の周方向複数箇所に、前記超電導体支持部材の内側と外側とで冷却液を流通させるとともに前記超電導体の下端面の一部を前記冷却空間内に露出させるための切欠きが形成され、前記冷却液流入管路における前記冷却空間への冷却液出口が前記冷却空間の下部に位置し、前記冷却液流出管路における前記冷却空間からの冷却液入口が前記冷却空間の上部に位置していることを特徴とする超電導磁気軸受。 - 前記冷却液流入管路における冷却液出口が、前記超電導体の最下部と同じ高さかこれより下方に位置し、前記冷却液流出管路における冷却液入口が、前記超電導体の最上部と同じ高さかこれより上方に位置していることを特徴とする請求項1の超電導磁気軸受。
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JP12362997A JP3924662B2 (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 超電導磁気軸受 |
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JPH10318259A JPH10318259A (ja) | 1998-12-02 |
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