JP3270860B2 - 超電導軸受装置 - Google Patents
超電導軸受装置Info
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- JP3270860B2 JP3270860B2 JP20357492A JP20357492A JP3270860B2 JP 3270860 B2 JP3270860 B2 JP 3270860B2 JP 20357492 A JP20357492 A JP 20357492A JP 20357492 A JP20357492 A JP 20357492A JP 3270860 B2 JP3270860 B2 JP 3270860B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C32/00—Bearings not otherwise provided for
- F16C32/04—Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
- F16C32/0406—Magnetic bearings
- F16C32/0408—Passive magnetic bearings
- F16C32/0436—Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part
- F16C32/0438—Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part with a superconducting body, e.g. a body made of high temperature superconducting material such as YBaCuO
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば高速回転を
必要とする流体機械や工作機械、ジャイロスコープ、ま
たは余剰電力をフライホイールの運動エネルギに変換し
て貯蔵する電力貯蔵装置などに適用される超電導軸受装
置に関する。
必要とする流体機械や工作機械、ジャイロスコープ、ま
たは余剰電力をフライホイールの運動エネルギに変換し
て貯蔵する電力貯蔵装置などに適用される超電導軸受装
置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、固定部分に対して回転体を非接触
状態で支持しうる超電導軸受装置が開発されている。
状態で支持しうる超電導軸受装置が開発されている。
【０００３】この種超電導軸受装置として、回転体に同
心状に設けられた環状永久磁石部と、この永久磁石部の
回転軸心方向の端面に対して回転体の回転軸心方向に間
隔をおいて対向するように配置された環状超電導体部と
を備えており、永久磁石部が、回転体に固定状に設けら
れ、かつ超電導体部に対向する面に環状の凹溝が形成さ
れた円板と、凹溝に嵌められた単一の環状永久磁石とよ
りなるものが考えられている。
心状に設けられた環状永久磁石部と、この永久磁石部の
回転軸心方向の端面に対して回転体の回転軸心方向に間
隔をおいて対向するように配置された環状超電導体部と
を備えており、永久磁石部が、回転体に固定状に設けら
れ、かつ超電導体部に対向する面に環状の凹溝が形成さ
れた円板と、凹溝に嵌められた単一の環状永久磁石とよ
りなるものが考えられている。
【０００４】この超電導軸受装置では、超電導体部の超
電導体を冷却して超電導状態に保持し、永久磁石部から
発生する磁束を超電導体の内部に侵入させて拘束し、そ
の結果いわゆるピン止め力によって回転体をアキシアル
方向およびラジアル方向に非接触状態で支持するように
なっている。
電導体を冷却して超電導状態に保持し、永久磁石部から
発生する磁束を超電導体の内部に侵入させて拘束し、そ
の結果いわゆるピン止め力によって回転体をアキシアル
方向およびラジアル方向に非接触状態で支持するように
なっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超電導軸受装置の場合、永久磁石部が単一の環状永久磁
石を備えているだけであって表面磁束密度を十分大きく
することはできず、その結果超電導体に侵入する磁束が
少なくなって上記ピン止め力が小さくなり、剛性や負荷
容量を大きくできないという問題がある。
超電導軸受装置の場合、永久磁石部が単一の環状永久磁
石を備えているだけであって表面磁束密度を十分大きく
することはできず、その結果超電導体に侵入する磁束が
少なくなって上記ピン止め力が小さくなり、剛性や負荷
容量を大きくできないという問題がある。
【０００６】この発明の目的は、上記の問題を解決した
超電導軸受装置を提供することにある。
超電導軸受装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】第１の発明による超電導
軸受装置は、回転体に同心状に設けられた環状の永久磁
石部と、この永久磁石部の端面に対して回転軸心方向に
間隔をおいて対向するように配置された環状の超電導体
部とを備えており、永久磁石部が、回転体の回転軸心の
周囲の磁束分布が回転によって変化しないように設けら
れ、超電導体部が、永久磁石部の磁束が所定量侵入する
離隔位置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束の
分布が変化しない位置に配置されている超電導軸受装置
であって、上記永久磁石部が、回転体に固定状に設けら
れた円板と、円板に配置され、かつ複数の環状永久磁石
を回転軸心方向に積層することにより形成されるととも
に積層方向の総厚さが１２ｍｍ以上となされた積層状永
久磁石体とよりなり、積層状永久磁石体を構成するすべ
ての環状永久磁石の回転軸心方向の端部が、それぞれ同
一の極性の磁気を帯びており、積層状永久磁石体の超電
導体部側を向いた面における表面磁束密度が、この積層
状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石の表面磁
束密度よりも大きくなっているものである。
軸受装置は、回転体に同心状に設けられた環状の永久磁
石部と、この永久磁石部の端面に対して回転軸心方向に
間隔をおいて対向するように配置された環状の超電導体
部とを備えており、永久磁石部が、回転体の回転軸心の
周囲の磁束分布が回転によって変化しないように設けら
れ、超電導体部が、永久磁石部の磁束が所定量侵入する
離隔位置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束の
分布が変化しない位置に配置されている超電導軸受装置
であって、上記永久磁石部が、回転体に固定状に設けら
れた円板と、円板に配置され、かつ複数の環状永久磁石
を回転軸心方向に積層することにより形成されるととも
に積層方向の総厚さが１２ｍｍ以上となされた積層状永
久磁石体とよりなり、積層状永久磁石体を構成するすべ
ての環状永久磁石の回転軸心方向の端部が、それぞれ同
一の極性の磁気を帯びており、積層状永久磁石体の超電
導体部側を向いた面における表面磁束密度が、この積層
状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石の表面磁
束密度よりも大きくなっているものである。
【０００８】第２の発明による超電導軸受装置は、回転
体に同心状に設けられた環状の永久磁石部と、この永久
磁石部の内外両周面に対して回転体の半径方向に間隔を
おいて対向するように配置された環状の超電導体部とを
備えており、永久磁石部が、回転体の回転軸心の周囲の
磁束分布が回転によって変化しないように設けられ、超
電導体部が、永久磁石部の磁束が所定量侵入する離隔位
置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束の分布が
変化しない位置に配置されている超電導軸受装置であっ
て、上記永久磁石部が、回転体に固定状に設けられた円
板と、円板に配置され、かつ複数の円筒状永久磁石を回
転体の半径方向に積層することにより形成されるととも
に積層方向の総厚さが１２ｍｍ以上となされた積層状永
久磁石体とよりなり、積層状永久磁石体を構成するすべ
ての円筒状永久磁石の回転体の半径方向の両側部が、そ
れぞれ同一の極性の磁気を帯びており、積層状永久磁石
体の超電導体部側を向いた面における表面磁束密度が、
この積層状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石
の表面磁束密度よりも大きくなっているものである。
体に同心状に設けられた環状の永久磁石部と、この永久
磁石部の内外両周面に対して回転体の半径方向に間隔を
おいて対向するように配置された環状の超電導体部とを
備えており、永久磁石部が、回転体の回転軸心の周囲の
磁束分布が回転によって変化しないように設けられ、超
電導体部が、永久磁石部の磁束が所定量侵入する離隔位
置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束の分布が
変化しない位置に配置されている超電導軸受装置であっ
て、上記永久磁石部が、回転体に固定状に設けられた円
板と、円板に配置され、かつ複数の円筒状永久磁石を回
転体の半径方向に積層することにより形成されるととも
に積層方向の総厚さが１２ｍｍ以上となされた積層状永
久磁石体とよりなり、積層状永久磁石体を構成するすべ
ての円筒状永久磁石の回転体の半径方向の両側部が、そ
れぞれ同一の極性の磁気を帯びており、積層状永久磁石
体の超電導体部側を向いた面における表面磁束密度が、
この積層状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石
の表面磁束密度よりも大きくなっているものである。
【０００９】
【作用】第１および第２のいずれの発明の場合も、永久
磁石部に備えられた積層状永久磁石体における超電導体
部側を向いた面の表面磁束密度は、この積層状永久磁石
体と同一寸法である単一の永久磁石の表面磁束密度に比
べて大きくなる。
磁石部に備えられた積層状永久磁石体における超電導体
部側を向いた面の表面磁束密度は、この積層状永久磁石
体と同一寸法である単一の永久磁石の表面磁束密度に比
べて大きくなる。
【００１０】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。なお、以下の説明において、全図面を
通じて同一物および同一部分には同一符号を付して説明
を省略する。
ついて説明する。なお、以下の説明において、全図面を
通じて同一物および同一部分には同一符号を付して説明
を省略する。
【００１１】図１は、この発明の第１実施例の超電導軸
受装置の主要部の構成を概略的に示す。
受装置の主要部の構成を概略的に示す。
【００１２】図１において、超電導軸受装置は、垂直軸
状の回転体(1) を備えている。図示は省略したが、回転
体(1) は、駆動用高周波電動機で高速回転させられるよ
うになっている。回転体(1) には水平円板状の永久磁石
部(2) が同心状に設けられ、永久磁石部(2) の下端面に
対して回転体(1) の回転軸心方向に間隔をおいて対向す
るように、環状超電導体部(3) が配置されている。
状の回転体(1) を備えている。図示は省略したが、回転
体(1) は、駆動用高周波電動機で高速回転させられるよ
うになっている。回転体(1) には水平円板状の永久磁石
部(2) が同心状に設けられ、永久磁石部(2) の下端面に
対して回転体(1) の回転軸心方向に間隔をおいて対向す
るように、環状超電導体部(3) が配置されている。
【００１３】永久磁石部(2) は、回転体(1) に固定状に
設けられた、たとえば銅あるいは非磁性ステンレス鋼か
らなる水平円板(4) を備えている。円板(4) の下面に回
転体(1) と同心状に環状凹みぞ(5) が形成されており、
この凹みぞ(5) 内に環状の積層状永久磁石体(6) が嵌め
られて固定されている。積層状永久磁石体(6) は、複数
の薄肉環状永久磁石(6a)を回転軸心方向に積層すること
により形成されたものである。すべての薄肉環状永久磁
石(6a)の回転軸心方向の端部は、それぞれ同一の極性の
磁気を帯びている。たとえば、各薄肉環状永久磁石(6a)
の上端部はＳ極、下端部はＮ極の磁気を帯びている。そ
して、回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化し
ないようになっている。
設けられた、たとえば銅あるいは非磁性ステンレス鋼か
らなる水平円板(4) を備えている。円板(4) の下面に回
転体(1) と同心状に環状凹みぞ(5) が形成されており、
この凹みぞ(5) 内に環状の積層状永久磁石体(6) が嵌め
られて固定されている。積層状永久磁石体(6) は、複数
の薄肉環状永久磁石(6a)を回転軸心方向に積層すること
により形成されたものである。すべての薄肉環状永久磁
石(6a)の回転軸心方向の端部は、それぞれ同一の極性の
磁気を帯びている。たとえば、各薄肉環状永久磁石(6a)
の上端部はＳ極、下端部はＮ極の磁気を帯びている。そ
して、回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化し
ないようになっている。
【００１４】超電導体部(3) は、たとえば銅からなる穴
あき水平円板(7) と、穴あき円板(7) の穴(7a)の周囲の
環状部分に、積層状永久磁石体(6) と対向しかつ周方向
に互いに近接して埋設されている複数の円板状超電導体
(8) とよりなる。全ての円板状超電導体(8) の体積は等
しくなっている。
あき水平円板(7) と、穴あき円板(7) の穴(7a)の周囲の
環状部分に、積層状永久磁石体(6) と対向しかつ周方向
に互いに近接して埋設されている複数の円板状超電導体
(8) とよりなる。全ての円板状超電導体(8) の体積は等
しくなっている。
【００１５】超電導体(8) は、イットリウム系高温超電
導体、たとえばＹＢａ２Ｃｕ３Ｏｘからなるバルクの内
部に常電導粒子（Ｙ２Ｂａ１Ｃｕ１）を均一に混在させ
たものからなり、永久磁石部(2) から発せられる磁束侵
入を拘束する性質を持つものである。そして、超電導体
(8) は、永久磁石部(2) の磁束が所定量侵入する離間位
置であってかつ上記回転体(1) の回転によって侵入磁束
の分布が変化しない位置に配置されている。
導体、たとえばＹＢａ２Ｃｕ３Ｏｘからなるバルクの内
部に常電導粒子（Ｙ２Ｂａ１Ｃｕ１）を均一に混在させ
たものからなり、永久磁石部(2) から発せられる磁束侵
入を拘束する性質を持つものである。そして、超電導体
(8) は、永久磁石部(2) の磁束が所定量侵入する離間位
置であってかつ上記回転体(1) の回転によって侵入磁束
の分布が変化しない位置に配置されている。
【００１６】超電導軸受装置のハウジング（図示略）内
に冷凍機(9) などにより温度制御ユニット(10)を介して
冷却される冷却ケース(11)が固定され、この冷却ケース
(11)に超電導体部(3) が固定されている。
に冷凍機(9) などにより温度制御ユニット(10)を介して
冷却される冷却ケース(11)が固定され、この冷却ケース
(11)に超電導体部(3) が固定されている。
【００１７】超電導軸受装置を作動させる場合、超電導
体(8) は冷却ケース(11)内に循環させられる適当な冷媒
によって冷却され、超電導状態に保持される。このた
め、回転体(1) の永久磁石部(2) から発せられる磁束の
多くが超電導体(8) の内部に侵入して拘束されることに
なる（ピンニング現象）。ここで、超電導体(8) はその
内部に常電導体粒子が均一に混在されているため、超電
導体(8) 内部への侵入磁束の分布が一定となり、そのた
めいわゆるピン止め力によって超電導体(8) に対して永
久磁石部(2) とともに回転体(1) が拘束される。したが
って、回転体(1)は、安定的に浮上した状態で、アキシ
アル方向およびラジアル方向に支持されることになる。
体(8) は冷却ケース(11)内に循環させられる適当な冷媒
によって冷却され、超電導状態に保持される。このた
め、回転体(1) の永久磁石部(2) から発せられる磁束の
多くが超電導体(8) の内部に侵入して拘束されることに
なる（ピンニング現象）。ここで、超電導体(8) はその
内部に常電導体粒子が均一に混在されているため、超電
導体(8) 内部への侵入磁束の分布が一定となり、そのた
めいわゆるピン止め力によって超電導体(8) に対して永
久磁石部(2) とともに回転体(1) が拘束される。したが
って、回転体(1)は、安定的に浮上した状態で、アキシ
アル方向およびラジアル方向に支持されることになる。
【００１８】永久磁石部(2) の積層状永久磁石体(6) に
おける超電導体部(3) に対向した下面の表面磁束密度
は、これと同一寸法の単一の永久磁石の表面磁束密度に
比べて大きくなるので、超電導体(8) に侵入する磁束が
多くなって上記ピン止め力が大きくなり、回転体(1) を
きわめて安定的に非接触状態で支持することができると
ともに、負荷容量および剛性が向上する。
おける超電導体部(3) に対向した下面の表面磁束密度
は、これと同一寸法の単一の永久磁石の表面磁束密度に
比べて大きくなるので、超電導体(8) に侵入する磁束が
多くなって上記ピン止め力が大きくなり、回転体(1) を
きわめて安定的に非接触状態で支持することができると
ともに、負荷容量および剛性が向上する。
【００１９】また、各薄肉環状永久磁石(6a)の表面磁束
密度が周方向にばらついていたとしても、これを積層す
ることにより上記ばらつきを緩和できるので、運転時に
回転体にふれが発生するのを防止できる。
密度が周方向にばらついていたとしても、これを積層す
ることにより上記ばらつきを緩和できるので、運転時に
回転体にふれが発生するのを防止できる。
【００２０】次に、複数の薄肉環状永久磁石(6a)を上下
方向に積層することにより形成された積層状永久磁石体
(6) と、単一の永久磁石の表面磁束密度を調べた実験例
について説明する。
方向に積層することにより形成された積層状永久磁石体
(6) と、単一の永久磁石の表面磁束密度を調べた実験例
について説明する。
【００２１】厚さ９ｍｍの環状永久磁石を上下に２枚積
層した積層状永久磁石体（Ａ）、厚さ１２ｍｍの環状永
久磁石を上下に２枚積層した積層状永久磁石体（Ｂ）、
および厚さ１２ｍｍの環状永久磁石を上下に３枚積層し
た積層状永久磁石体（Ｃ）を用意した。また、種々の厚
さの単一環状永久磁石を用意した。そして、ホール素子
を使用し、その表面から２ｍｍ離れた位置での磁束密度
を測定した。その結果を図２に示す。図２に示す結果か
ら、単一永久磁石では、その厚さを厚くしても、その表
面磁束密度の増大効果には限界があり、その値は３６０
０ガウス程度であると推測される。また、積層状永久磁
石体の表面磁束密度は、これと同程度の厚さの単一永久
磁石の表面磁束密度よりも大きくなっている。
層した積層状永久磁石体（Ａ）、厚さ１２ｍｍの環状永
久磁石を上下に２枚積層した積層状永久磁石体（Ｂ）、
および厚さ１２ｍｍの環状永久磁石を上下に３枚積層し
た積層状永久磁石体（Ｃ）を用意した。また、種々の厚
さの単一環状永久磁石を用意した。そして、ホール素子
を使用し、その表面から２ｍｍ離れた位置での磁束密度
を測定した。その結果を図２に示す。図２に示す結果か
ら、単一永久磁石では、その厚さを厚くしても、その表
面磁束密度の増大効果には限界があり、その値は３６０
０ガウス程度であると推測される。また、積層状永久磁
石体の表面磁束密度は、これと同程度の厚さの単一永久
磁石の表面磁束密度よりも大きくなっている。
【００２２】図３は、この発明の第２実施例の超電導軸
受装置の主要部の構成を概略的に示す。
受装置の主要部の構成を概略的に示す。
【００２３】この場合、永久磁石部(20)は、円板(21)の
外周面に環状凹みぞ(22)が形成されており、これらの凹
みぞ(22)内に環状の積層状永久磁石体(23)が嵌められて
固定されている。積層状永久磁石体(23)は、複数の薄肉
円筒状永久磁石(23a) を半径方向に積層することにより
形成されたものである。すべての薄肉円筒状永久磁石(2
3a) の半径方向の両側は、それぞれ同一の極性の磁気を
帯びている。たとえば、各薄肉円筒状永久磁石(23a) の
外周部はＮ極、内周部はＳ極の磁気を帯びている。そし
て、回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化しな
いようになっている。
外周面に環状凹みぞ(22)が形成されており、これらの凹
みぞ(22)内に環状の積層状永久磁石体(23)が嵌められて
固定されている。積層状永久磁石体(23)は、複数の薄肉
円筒状永久磁石(23a) を半径方向に積層することにより
形成されたものである。すべての薄肉円筒状永久磁石(2
3a) の半径方向の両側は、それぞれ同一の極性の磁気を
帯びている。たとえば、各薄肉円筒状永久磁石(23a) の
外周部はＮ極、内周部はＳ極の磁気を帯びている。そし
て、回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化しな
いようになっている。
【００２４】永久磁石部(20)の外周面に対して回転体
(1) の半径方向に間隔をおいて対向するように超電導体
(24)が配置されている。なお、この超電導体(24)は、完
全な環状体であってもよいし、環状体の一部であっても
よい。
(1) の半径方向に間隔をおいて対向するように超電導体
(24)が配置されている。なお、この超電導体(24)は、完
全な環状体であってもよいし、環状体の一部であっても
よい。
【００２５】この場合も、第１実施例について説明した
ように、永久磁石部(20)の積層状永久磁石体(23)におけ
る超電導体(24)に対向した外周面の表面磁束密度は、単
一の永久磁石の表面磁束密度に比べて大きくなるので、
超電導体(24)に侵入する磁束が多くなって上記ピン止め
力が大きくなり、回転体(1) をきわめて安定的に非接触
状態で支持することができるとともに、負荷容量および
剛性が向上する。
ように、永久磁石部(20)の積層状永久磁石体(23)におけ
る超電導体(24)に対向した外周面の表面磁束密度は、単
一の永久磁石の表面磁束密度に比べて大きくなるので、
超電導体(24)に侵入する磁束が多くなって上記ピン止め
力が大きくなり、回転体(1) をきわめて安定的に非接触
状態で支持することができるとともに、負荷容量および
剛性が向上する。
【００２６】また、各薄肉環状永久磁石(23a) の表面磁
束密度が周方向にばらついていたとしても、これを積層
することにより上記ばらつきを緩和できるので、運転時
に回転体にふれが発生するのを防止できる。
束密度が周方向にばらついていたとしても、これを積層
することにより上記ばらつきを緩和できるので、運転時
に回転体にふれが発生するのを防止できる。
【００２７】
【発明の効果】この発明の２つの超電導軸受装置によれ
ば、上述のように、永久磁石部の積層状永久磁石体にお
ける超電導体部側を向いた面の表面磁束密度が、この積
層状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石の表面
磁束密度に比べて大きくなるので、超電導体に侵入する
磁束が多くなる。したがって、超電導体を超電導状態に
したさいの上記ピン止め力が、同一寸法の単一永久磁石
を用いた従来の装置に比べて大きくなり、その結果負荷
容量および剛性が向上して回転体を非接触状態できわめ
て安定的に支持することができる。また、上記ピン止め
力を従来の装置と同じにするには、積層状永久磁石体を
小型化することができ、装置全体の小型化を図ることが
可能になる。
ば、上述のように、永久磁石部の積層状永久磁石体にお
ける超電導体部側を向いた面の表面磁束密度が、この積
層状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石の表面
磁束密度に比べて大きくなるので、超電導体に侵入する
磁束が多くなる。したがって、超電導体を超電導状態に
したさいの上記ピン止め力が、同一寸法の単一永久磁石
を用いた従来の装置に比べて大きくなり、その結果負荷
容量および剛性が向上して回転体を非接触状態できわめ
て安定的に支持することができる。また、上記ピン止め
力を従来の装置と同じにするには、積層状永久磁石体を
小型化することができ、装置全体の小型化を図ることが
可能になる。
【図１】この発明の実施例を示す超電導軸受装置の概略
一部切欠き縦断面図である。
一部切欠き縦断面図である。
【図２】積層状永久磁石体および単一永久磁石の厚さ
と、表面磁束密度との関係を表すグラフである。
と、表面磁束密度との関係を表すグラフである。
【図３】この発明の他の実施例を示す超電導軸受装置の
概略一部切欠き縦断面図である。
概略一部切欠き縦断面図である。
１ 回転体 ２ 永久磁石部 ３ 環状超電導体部 ４ 円板 ６ 積層状永久磁石体 ６ａ 薄肉環状永久磁石 ２０ 永久磁石部 ２１ 円板 ２３ 積層状永久磁石体 ２３ａ 薄肉円筒状永久磁石 ２４ 環状超電導体
Claims (2)
- 【請求項１】 回転体に同心状に設けられた環状の永久
磁石部と、この永久磁石部の端面に対して回転軸心方向
に間隔をおいて対向するように配置された環状の超電導
体部とを備えており、永久磁石部が、回転体の回転軸心
の周囲の磁束分布が回転によって変化しないように設け
られ、超電導体部が、永久磁石部の磁束が所定量侵入す
る離隔位置であってかつ回転体の回転によって侵入磁束
の分布が変化しない位置に配置されている超電導軸受装
置であって、 上記永久磁石部が、回転体に固定状に設けられた円板
と、円板に配置され、かつ複数の環状永久磁石を回転軸
心方向に積層することにより形成されるとともに積層方
向の総厚さが１２ｍｍ以上となされた積層状永久磁石体
とよりなり、積層状永久磁石体を構成するすべての環状
永久磁石の回転軸心方向の端部が、それぞれ同一の極性
の磁気を帯びており、積層状永久磁石体の超電導体部側
を向いた面における表面磁束密度が、この積層状永久磁
石体と同一寸法である単一の永久磁石の表面磁束密度よ
りも大きくなっている超電導軸受装置。 - 【請求項２】 回転体に同心状に設けられた環状の永久
磁石部と、この永久磁石部の内外両周面に対して回転体
の半径方向に間隔をおいて対向するように配置された環
状の超電導体部とを備えており、永久磁石部が、回転体
の回転軸心の周囲の磁束分布が回転によって変化しない
ように設けられ、超電導体部が、永久磁石部の磁束が所
定量侵入する離隔位置であってかつ回転体の回転によっ
て侵入磁束の分布が変化しない位置に配置されている超
電導軸受装置であって、 上記永久磁石部が、回転体に固定状に設けられた円板
と、円板に配置され、かつ複数の円筒状永久磁石を回転
体の半径方向に積層することにより形成されるとともに
積層方向の総厚さが１２ｍｍ以上となされた積層状永久
磁石体とよりなり、積層状永久磁石体を構成するすべて
の円筒状永久磁石の回転体の半径方向の両側部が、それ
ぞれ同一の極性の磁気を帯びており、積層状永久磁石体
の超電導体部側を向いた面における表面磁束密度が、こ
の積層状永久磁石体と同一寸法である単一の永久磁石の
表面磁束密度よりも大きくなっている超電導軸受装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20357492A JP3270860B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 超電導軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20357492A JP3270860B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 超電導軸受装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0650335A JPH0650335A (ja) | 1994-02-22 |
| JP3270860B2 true JP3270860B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=16476379
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20357492A Expired - Fee Related JP3270860B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 超電導軸受装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3270860B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-30 JP JP20357492A patent/JP3270860B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0650335A (ja) | 1994-02-22 |
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