JP3397823B2 - 超電導軸受装置 - Google Patents

超電導軸受装置

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JP3397823B2
JP3397823B2 JP2250493A JP2250493A JP3397823B2 JP 3397823 B2 JP3397823 B2 JP 3397823B2 JP 2250493 A JP2250493 A JP 2250493A JP 2250493 A JP2250493 A JP 2250493A JP 3397823 B2 JP3397823 B2 JP 3397823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、高速回転を必
要とする流体機械や工作機械、余剰電力をフライホイー
ルの運動エネルギーに変換して貯蔵する電力貯蔵装置等
に用いられる、超電導体を利用した超電導軸受装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導体を利用して、回転体(回
転軸)を非接触状態で軸支することにより高速回転を可
能とした超電導軸受装置が開発されている。当初は、図
38に示すように、軸心を垂直にした回転体(回転軸)
31に同心状に設けられ、且つ、回転体31の軸心方向
に沿った両端部が互いに逆の極性を帯びた1つの環状永
久磁石32と、この永久磁石32の対向面に対して回転
軸心方向に間隔をおいて対向設置された環状超電導体3
3とを備えて構成されていた(例えば、特願平3−51
430号)。尚、図38中、34は回転体31に取付け
られた円板部、35は環状永久磁石32と円板部34と
からなる永久磁石部、36は超電導体33が固設される
円板状支持体、37は超電導体33と円板状支持体36
とからなる超電導体部、38は冷却ケース、39は温度
制御ユニット、40は冷凍機を示している。
【0003】従来の超電導軸受装置は、その後、負荷容
量および剛性を高めるために、図39に示すように、磁
石の表面積を増やすべく、例えば2つのリング磁石32
A、32Bを隣接して配置するものが提案されている。
また、更に載荷力を向上させるため、図40に示すよう
に、2つのリング磁石32A、32Bを軸方向に対して
逆に着磁した例もある。尚、図39、図40中、a=b
=30cmに設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術によれば、小型の軸受装置であれば利
用可能な一体構造の環状永久磁石も、更に大型の軸受装
置に利用するには、製造上や着磁の上から困難となる不
具合がある。
【0005】すなわち、大型の軸受装置を構成するに
は、一体構造で太径の環状永久磁石を製造する必要があ
る。一般に、エネルギー積が大きく強力な磁石として、
希土類磁石があり、中でも現在最も強力な希土類磁石と
してNd−Fe−B磁石が知られている。ところが、こ
の磁石は焼結法により製造されるため、形状が大きくな
ればなる程大きい成形機と大きい圧力が必要となり、現
在では直径φ=100mm程度の一体構造の環状永久磁
石が製造上の限界となっている。また、熱間圧延法によ
り製造されるPr磁石(Pr−Fe−B−Cu)は、直
径φ=100mm以上の一体構造の環状永久磁石の製造
が可能である。ところが、太径の環状永久磁石を製造し
ても、磁力が大きいことから、円板部への装着が困難と
なる。更に、太径の環状永久磁石を装着するには、着磁
ヨークを含め大型になり過ぎるばかりか、着磁の際に生
ずる機械的エネルギーにより磁石の内部破壊や着磁ヨー
クの破壊等の虞があり、極めて危険である。その上、磁
石を移動させる場合も危険を伴うものである。
【0006】そこで、図41に示すように、太径の環状
永久磁石32を、複数の磁石41、41、…が環状とな
るように周方向(円周に沿う方向)に接合することによ
り構成することが考えられる。ところが、このような環
状永久磁石32においては、図42に示すように、回転
方向での磁場の均一度が磁石41、41、…の継目部分
で悪化して磁束むらを生じ、軸受での回転エネルギー損
失が増大する不具合を生ずる。尚、環状に一体に形成さ
れた環状永久磁石の場合も、製造上、磁束むらは存在す
るため、上記と同様な不具合がある。
【0007】また、図39に示すように、複数の環状永
久磁石32A、32Bを同心状に且つ互いに隣接して配
置することにより、磁束密度を高めて大きな磁場強度を
得ようとしても、図39の矢印で示すように各環状永久
磁石32A、32B内の磁束の向きが互いに平行である
ことから、磁石露出面から2mm離れた地点での磁束密
度の特性が、図43に示されるように、双方の磁石32
A、32Bの幅のW区間では磁束密度が平坦となり、磁
束密度の絶対量も最大で5kG(ガウス)しか得られ
ず、磁場強度の上でも限界を有する。磁石の磁場強度
は、超電導軸受装置の載荷力を左右し、大きい程、載荷
力が増大して大重量のフライホイールを支えることがで
き、負荷容量の増大を図ることが可能になる。
【0008】そこで、本発明は、環状磁石による円周方
向(回転方向)の磁束むらを低減して円周方向における
表面磁束密度の均一性が向上し、更に環状磁石による磁
場強度を増大することができ、その結果、載荷力が増大
し高速回転に適応可能な、大型のシステムに構成できる
超電導軸受装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願第1請求項に係る超電導軸受装置は、回転体部
および固定体部の一方に装着される超電導体部と他方に
装着される磁石部とを備えて構成され、前記超電導体部
は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、この超電導体
を支持する支持体とから構成され、前記磁石部は、前記
回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備えて構成さ
れ、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔を設けて対
向させて設置した超電導軸受装置において、前記環状磁
石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を配設し
ている。
【0010】本願第2請求項に係る超電導軸受装置は、
前記環状磁石と前記超電導体部とが、前記回転体の軸心
方向で向き合うように配設されている。
【0011】本願第3請求項に係る超電導軸受装置は、
前記環状磁石と前記超電導体部とが、前記回転体の半径
方向で向き合うように配設されている。
【0012】本願第4請求項に係る超電導軸受装置は、
前記環状磁石が、複数の永久磁石を周方向に接合して構
成されている。
【0013】本願第5請求項に係る超電導軸受装置は、
回転体部および固定体部の一方に装着される超電導体部
と他方に装着される磁石部とを備えて構成され、前記超
電導体部は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、この
超電導体を支持する支持体とから構成され、前記磁石部
は、前記回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備えて
構成され、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔を設
けて対向させて設置した超電導軸受装置において、前記
環状磁石を、径の異なる二つの環状磁石を隣接して構成
するとともに、これら一組の環状磁石に、磁束の向きが
互いに斜めに向き合う方向に着磁した構成とされてい
る。
【0014】本願第6請求項に係る超電導軸受装置は、
回転体部および固定体部の一方に装着される超電導体部
と他方に装着される磁石部とを備えて構成され、前記超
電導体部は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、この
超電導体を支持する支持体とから構成され、前記磁石部
は、前記回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備えて
構成され、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔を設
けて対向させて設置した超電導軸受装置において、前記
環状磁石を、径の異なる二つの環状磁石を隣接するとと
もに、各々の環状磁石を、複数の磁石を周方向に接合し
て構成し、前記二つ一組の環状磁石に、磁束の向きが互
いに斜めに向き合う方向に着磁し、前記一組の環状磁石
の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を配設して
いる。
【0015】本願第7請求項に係る超電導軸受装置は、
回転体部および固定体部の一方に装着される超電導体部
と他方に装着される磁石部とを備えて構成され、前記超
電導体部は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、この
超電導体を支持する支持体とから構成され、前記磁石部
は、前記回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備えて
構成され、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔を設
けて対向させて設置した超電導軸受装置において、前記
環状磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を
配設し、前記環状磁石と磁束拡散部材との間に非磁性層
を設けている。
【0016】本願第8請求項に係る超電導軸受装置は、
回転体部および固定体部の一方に装着される超電導体部
と他方に装着される磁石部とを備えて構成され、前記超
電導体部は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、この
超電導体を支持する支持体とから構成され、前記磁石部
は、前記回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備えて
構成され、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔を設
けて対向させて設置した超電導軸受装置において、前記
環状磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を
配設し、この磁束拡散部材は、磁気異方性を備えてい
る。
【0017】本願第9請求項に係る超電導軸受装置は、
前記磁束拡散部材内に、径方向に磁気抵抗が高くなる磁
気抵抗層を設けて、この磁束拡散部材に磁気異方性を備
えさせている。
【0018】本願第10請求項に係る超電導軸受装置
は、回転体部および固定体部の一方に装着される超電導
体部と他方に装着される磁石部とを備えて構成され、前
記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、
この超電導体を支持する支持体とから構成され、前記磁
石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備
えて構成され、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔
を設けて対向させて設置した超電導軸受装置において、
前記超電導体部に対向する前記環状磁石の表面の径方向
の幅を、前記環状磁石に対向する前記超電導体部の表面
の径方向の幅と略等しく形成するとともに、前記環状磁
石の裏面の径方向の幅を、当該環状磁石の前記表面の径
方向の幅よりも大きく形成している。
【0019】本願第11請求項に係る超電導軸受装置
は、前記環状磁石の前記超電導体部に対向する側に、円
周方向に沿う溝を設けている。
【0020】本願第12請求項に係る超電導軸受装置
は、前記環状磁石の表面に磁性体により形成された板材
を設けた構成とされている。
【0021】本願第13請求項に係る超電導軸受装置
は、回転体部および固定体部の一方に装着される超電導
体部と他方に装着される磁石部とを備えて構成され、前
記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超電導体と、
この超電導体を支持する支持体とから構成され、前記磁
石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環状磁石を備
えて構成され、この環状磁石と前記超電導体部とを間隔
を設けて対向させて設置した超電導軸受装置において、
前記環状磁石として、径が異なり径方向に同極が対面す
るよう着磁された少なくとも2以上の環状磁石を配置
るとともに、これらの環状磁石は、複数の永久磁石を周
方向に接合して構成され、更に、隣接する環状磁石の間
に、磁性体により形成された磁性体リングを介装してい
る。
【0022】
【0023】
【作用】したがって、本願第1請求項に係る発明によれ
ば、この種の超電導軸受装置において、前記環状磁石の
前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を配設してい
るので、環状磁石による円周方向の磁束むらが低減し、
円周方向における表面磁束密度の均一性が向上する。そ
してこの発明は、本願第2請求項に記載されているよう
に、前記環状磁石と前記超電導体部とが、前記回転体の
軸心方向で向き合うように配設されたり、また、本願第
3請求項に記載されているように、前記環状磁石と前記
超電導体部とが、前記回転体の半径方向で向き合うよう
に配設されている。本願第4請求項に係る発明によれ
ば、超電導軸受装置は、前記環状磁石が、複数の永久磁
石を周方向に接合して構成されているので、とりわけ環
状磁石を一体成形することができないような大型の装置
に用いられる。
【0024】本願第5請求項に係る発明は、前記環状磁
石を、径の異なる二つの環状磁石を隣接して構成すると
ともに、これら一組の環状磁石に、磁束の向きが互いに
斜めに向き合う方向に着磁しているので、環状磁石によ
る磁場強度がより一層増大する。
【0025】そして、本願第6請求項に係る発明は、前
記環状磁石を、径の異なる二つの環状磁石を隣接すると
ともに、各々の環状磁石を、複数の磁石を周方向に接合
して構成し、前記二つ一組の環状磁石に、磁束の向きが
互いに斜めに向き合う方向に着磁し、前記一組の環状磁
石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を配設し
ているので、すなわち、前記第1請求項と第5請求項の
構成を併せたものとしているので、環状磁石による円周
方向の磁束むらを低減して円周方向における表面磁束密
度の均一性が向上し、加えて、環状磁石による磁場強度
がより一層増大する。
【0026】更に、本願第7請求項に係る発明は、前記
環状磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を
配設し、前記環状磁石と磁束拡散部材との間に非磁性層
を設けているので、円周方向における表面磁束密度の均
一性が更に向上する。
【0027】本願第8請求項に係る発明は、前記環状磁
石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を配設
し、この磁束拡散部材は、磁気異方性を備えているの
で、円周方向の磁束密度の均一性が向上し、表面磁束密
度の低下も防止される。
【0028】本願第9請求項に係る超電導軸受装置は、
前記磁束拡散部材内に、径方向に磁気抵抗が高くなる磁
気抵抗層を設けているので、環状磁石からの磁束は、磁
束拡散部材内を周方向には容易に流れるが、径方向には
流れにくくなり、磁束拡散部材から表面に出てくる磁束
量が多くなり、そしてこの磁束拡散部材に磁気異方性を
備えさせているので、円周方向の磁束密度の均一性が向
上し、表面磁束密度の低下も防止される。
【0029】本願第10請求項に係る発明は、前記超電
導体部に対向する前記環状磁石の表面の径方向の幅を、
前記環状磁石に対向する前記超電導体部の表面の径方向
の幅と略等しく形成するとともに、前記環状磁石の裏面
の径方向の幅を、当該環状磁石の前記表面の径方向の幅
よりも大きく形成しているので、環状磁石からの磁束は
裏面側から表面側に集中することになり、表面磁束密度
の大幅な向上が図られる。
【0030】本願第11請求項に係る発明は、前記第1
0請求項の発明に、更に環状磁石の前記超電導体部に対
向する側に円周方向に沿う溝を設けているので、環状磁
石からの磁束はより一層裏面側から表面側に集中するこ
とになり、表面磁束密度の大幅な向上が図られる。
【0031】本願第12請求項に係る発明は、前記第1
0請求項の発明に、更に前記環状磁石の表面に磁性体に
より形成された板材を設けているので、環状磁石による
円周方向の磁束むらが低減し、円周方向における表面磁
束密度の均一性が向上する。
【0032】本願第13請求項に係る発明は、前記環状
磁石として、径が異なり径方向に同極が対面するよう着
磁された少なくとも2以上の環状磁石を配置するととも
に、これらの環状磁石は、複数の永久磁石を周方向に接
合して構成され、更に、隣接する環状磁石の間に、磁性
体により形成された磁性体リングを介装したので、より
一層の磁場強度の向上が図られる。
【0033】
【実施例】以下に本発明の第1実施例を図面に基づいて
説明する。
【0034】図1は超電導軸受装置1の主要部を示す縦
断面図であり、この超電導軸受装置1は図示しないハウ
ジング内に設けられている。すなわち、ハウジング内に
は、ハウジングに支持固定された冷却ケース2が設けら
れ、この冷却ケース2上には円板状の支持体3が水平に
固定され、支持体3の円板中心部には、該支持体3およ
び冷却ケース2を貫通する挿通穴3aが設けられてい
る。上記支持体3は銅により円板状に形成されている。
また、支持体3内には、複数の円板状の超電導体4が、
上記挿通穴3aを中心とした円環状に埋設されている。
そして、支持体3と超電導体4とにより超電導体部5を
構成している。この実施例では、超電導体部5が固定体
部Bに、後述する磁石部8が回転体部Aに、それぞれ設
けられている。
【0035】上記超電導体4は、イットリウム系高温超
電導体、例えば、YBa2Cu3xからなる基板の内部
に常電導粒子Y2Ba1Cu1を均一に混在させたものか
らなり、後述する環状永久磁石(環状磁石)11が発生
する磁束侵入を拘束する性質を有する。超電導体4の幅
は、環状永久磁石11の幅(回転体7の径方向に沿う距
離)と略等しく設定されている。更に、超電導体4は、
後述する環状永久磁石11と対面し、この環状永久磁石
11からの磁束が所定量侵入する位置において、後述の
回転体7の回転により侵入磁束の分布が変化しない位置
で、離間して配設されている。
【0036】また、ハウジング内には、回転体(実施例
では回転軸)7が垂直方向に配設され、下端側が上記挿
通穴3aに挿通され、上端側には磁石部(実施例では永
久磁石部)8が設けられている。この磁石部8を前記回
転体7に固着することにより回転体部Aを構成してい
る。
【0037】磁石部8は、この実施例では、平円板状の
円板部9と環状永久磁石11とシム(板材)13とから
構成されている。円板部9は、例えば銅により形成さ
れ、上記円板状の支持体3と対面するよう水平に且つ一
体回転可能に回転体7に取付けられている。この円板部
9の下面には、回転体7の軸心に対して同心状に環状の
凹溝10が形成され、この凹溝10内に環状永久磁石1
1が配設されて固定されている。
【0038】更に、上記環状永久磁石11は、図2に示
すように、複数(本実施例では8分割)の磁石12、1
2、…を周方向(円周に沿う方向)に順次接合すること
により構成され、本実施例では各磁石12、12、…は
Pr磁石により形成されている。また、前記超電導体部
5に対向する環状永久磁石11の対向面(図中の下面)
には、図2および図3に示すように、薄板により環状に
形成されたシム13が上記対向面を覆うように凹溝10
内に嵌入して固定されている。このシム13は磁束拡散
部材であって、本実施例では軟鉄により形成され、環状
永久磁石11からの磁束が均一となるように磁束を拡散
する機能を有する。また、シム13の板厚としては、例
えば図4に示す環状永久磁石11の径方向(放射方向)
の幅寸法bが30mmの場合の特性を参考にして、幅b
=20〜30mmでは0.5mm程度に形成されてい
る。また、シム13の幅Wは環状永久磁石11の幅bと
少なくとも同等か、それ以上に設定されている。同じ幅
に設定した場合のシム13の表面の磁束密度の特性を図
5に示す。尚、図1中、14はハウジング内の冷却ケー
ス2を冷却する冷凍機、15は冷凍機14の温度制御を
行なう温度制御ユニットを示す。
【0039】このような超電導軸受装置1においては、
超電導体4が冷却ケース2内の循環冷媒により冷却さ
れ、超電導状態に保持される。そして超電導状態では、
回転体7の環状永久磁石11からの磁束が超電導体4内
部に侵入し、超電導体4内部では、均一に混在された常
電導体粒子により超電導体4内部の侵入磁束分布が一定
となり、あたかも超電導体4に立設した仮想ピンに回転
体7の環状永久磁石11が貫かれたように、回転体7が
環状永久磁石11とともに超電導体4に拘束された状態
(ピンニング現象)で、環状永久磁石11が浮上して回
転する。
【0040】この場合、環状永久磁石11が複数の磁石
12、12、…を接合して構成されているが、軟鉄製の
シム13を環状永久磁石11の超電導体部5との対面側
に配設したことにより、周方向に隣り合う磁石12、1
2、…同士の継目で生ずる大きい磁束むら、すなわち磁
束密度の落ち込みが大きく緩和される。つまり、軟鉄製
のシム13では、透磁率が高く方向性を有していないこ
とから、シム13内の磁束が面内で適度に分散するた
め、図6に示すように、回転方向の継目部分での磁束密
度の変動を大幅に減少させることが可能となり、その結
果、回転体の回転エネルギー損失を減少させることがで
きる。これは、環状永久磁石11を複数の磁石12、1
2、…を接合して構成した場合に限らず、環状永久磁石
11を一体形成した場合でも、製造上、磁束むらが生ず
るため、一体の環状永久磁石11の場合もまた、周方向
の磁束むらを減少させるためには好適である。
【0041】シム13の板厚は、これが増す程に高い磁
束密度の均一性が得られるが、板厚が大きいと、環状永
久磁石の磁石面と超電導体との距離が離れ過ぎることに
なり、磁場強度が小さくなってしまう。このため、シム
13の厚さとしては、先に示した図4のように、例え
ば、均一度の要求水準を±100G以内にする場合に
は、0.5mm程度が望ましい。
【0042】更に、軸受の力を左右するものとして、永
久磁石部の磁石の磁束密度の絶対値の大きさとともに磁
束密度に勾配を持たせることが必要であるが、シム13
を配設することにより、図5に示すように、環状永久磁
石の径方向(放射方向)に大きな磁束の勾配が得られ
る。これは、軟鉄のシム13の内部で磁束が径方向に偏
る性質を有するために生ずるものであり、これにより軸
受装置の剛性を更に向上させることができる。
【0043】また、上記シム13の径方向の幅Wとして
は、上記実施例では環状永久磁石11の幅bと少なくと
も同等か、それ以上に設定したが、図7に示すように、
シム13の幅Wを環状永久磁石11の幅bよりも小さく
したり(W<b)、図8に示すように、シム13の幅W
を環状永久磁石11の幅bよりも大きく(W>b)する
ことも可能である。図7に示すシム13の幅Wを小さく
した場合(W<b)には、シム13がない磁石部分の磁
束の均一度は減少するが、シム13が存在する磁石部分
の磁束の周方向における均一度は良好となる。また、シ
ム13が存在する磁石部分では、磁束がシム13に集中
するので、全体の磁束の径方向における勾配が大きくな
り、載荷力が向上する。反対に、図8に示すように、シ
ム13の幅Wを大きく(W>b)した場合は、磁束の径
方向における勾配が僅かに低下するが、磁石部分の磁束
の周方向における均一度は確保され、特に性能的には問
題はない。
【0044】以上のように一体に形成された環状磁石の
場合や、複数の磁石を環状に配置することにより環状磁
石を構成した場合でも、十分に周方向の磁束むらを解消
することができるとともに、径方向に磁束の勾配をも得
ることができるので、複数の磁石を環状に配置すること
により環状磁石を構成する場合は、環状磁石を分割して
製造することが可能となり、更に大径の環状磁石を得る
ことができ、載荷力の大きな大型の軸受装置を構成する
ことが可能となる。また、シムの存在により、磁石の飛
散を防止することができる。
【0045】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。尚、以下の各実施例では、上記第1実施例と重複す
る説明は省略し、実施構成の要点について説明する。
【0046】軸受装置において大重量物を支えるには、
軸受の載荷力を増す必要がある。載荷力を増すには、超
電導体部での磁束密度を高めるとともに、径方向(放射
方向)に沿って磁束密度に勾配をつける必要がある。本
実施例ではこれを実現するため、図9ないし図13、図
15ないし図17に示すように、円板部9に径の異なる
環状磁石11Aと11Bを互いに隣接して設けたもので
ある。
【0047】図9は永久磁石部8の要部の縦断面図を示
しており、円板部9の対向面内には、環状磁石11Aと
11Bとが同心状に配設され、互いに隣接して設けられ
ている。また、図10、図11、図12は双方の環状磁
石11A、11Bの縦断面形状を示している。図10に
示す環状磁石11A、11Bは各々縦断面形状がひし形
に形成され、図11に示す環状磁石11A、11Bは各
々縦断面形状が正方形に形成されて、互いに面接触して
配設され、図12に示す環状磁石11A、11Bは各々
縦断面形状が五角形に形成されて、互いに面接触して配
設されたものである。また、これら双方の環状磁石11
A、11Bの着磁方向(磁束の向き)は、各々の図に矢
印で示すように、内周側の環状磁石11Aでは斜め外方
に向くようになし、他方、外周側の環状磁石11Bでは
斜め内方に向くように設けられている。つまり、一対の
環状磁石11Aと11Bとの磁束の向きが互いに斜めに
ぶつかり合って、磁束密度が増大するように着磁されて
いる。
【0048】次に、一組の環状磁石11A、11Bより
磁束密度が高められることについて、図12に示す場合
を例に採って説明する。一組の環状磁石11Aと11B
から超電導体4に作用する磁束は、一組の環状磁石11
A、11Bが斜め方向に着磁されているので、図13に
矢印で示すように、各々の環状磁石11A、11Bから
の磁束が互いに斜め方向にぶつかり合い、双方の磁束が
反発し合って、図13に示すように空気中にて双方の磁
束が集中されることになり、双方の環状磁石11Aと1
1Bとの境界面における磁束密度が大幅に増大する。そ
の結果、図39に示す従来のように、超電導体4に直交
する向きに着磁した場合に比べると、図14に示すよう
に、一組の環状磁石11A、11Bの露出面の幅方向W
の磁束密度が大幅に増加するとともに、磁石の幅方向す
なわち径方向の磁束密度の勾配も大きくなり、大きな載
荷力を得ることが可能となる。尚、この場合の磁束の測
定はL=2mmの地点で行なったものである。
【0049】また、図15に示すように、上述した一組
の環状磁石11Aと11Bとの境界面後方部や、一組の
環状磁石11A、11Bの超電導体4との対向面の内周
側や外周側に、超電導体4と直交する向きに着磁された
他の環状磁石18、19、20を配設することにより、
空気中の磁束の拡散を防止し、より効率的に磁束の集中
を図ることができ、更に磁束密度を高めることが可能と
なる。尚、他の環状磁石の配置や着磁は、一組の環状磁
石の構造に対応して磁束の集中に最も効率のよい設け方
をすることが可能であり、図15に示す態様に限定され
ることはない。
【0050】更に、載荷力の増大を図るために、円板部
9に一組の環状磁石を複数設けた多重環状磁石構造とし
た場合について説明する。図16および図17は、一組
の環状磁石11A、11Bと21A、21Bを同心状に
多重に設けたものを示している。この場合も、各組の環
状磁石11A、11Bと21A、21Bは、磁束の向き
が互いに斜めに向き合うように着磁されており、双方の
磁束が集中して更に大きな載荷力が得られる。この多重
環状磁石構造においては、隣り合う各組の環状磁石11
A、11Bと21A、21Bの双方の露出面の磁極が、
図16に示すように同じ向きの磁極としてもよく、また
図17に示すように異なる向きの磁極とすることも可能
である。
【0051】尚、上述した図9ないし図13、図16、
図17に示す各組の環状磁石としては、各々一体構造の
環状磁石とすることも可能である。また、各々の環状磁
石を第1実施例のように、複数の永久磁石を周方向に接
合して環状に組合せることにより構成することも可能で
あり、この場合には更に大きな載荷力が得られるととも
に構成も容易となり、大型のシステムを構成する際に好
適である。
【0052】次に、本発明の第3実施例について図18
に基づいて説明する。本実施例では、図18に示すよう
に、着磁方向が互いに斜め方向で向き合うように一組の
環状磁石11Aと11Bを設け、これらの環状磁石11
A、11Bを、複数の磁石12を周方向に連結して構成
し、更にこれら双方の環状磁石11A、11Bの露出面
である対向面(超電導体4に向合う面)に、一枚の環状
板に形成された軟鉄製のシム13を配設した。この第3
実施例では、先の第1および第2実施例を組合せたもの
であり、その結果、磁束の集中により大きな磁場強度が
得られるので載荷力を増大することができ、同時に太径
で大型の軸受装置を構成することができる。とりわけ、
各環状磁石を複数の磁石により構成する際に、隣接磁石
間での磁場強度の落ち込みがシムにより大幅に減少し
て、環状磁石の周方向の磁場強度を均一にすることがで
きるので、大型のシステムに好適となる。
【0053】尚、環状磁石を同心状に多重にする場合に
も本実施例を適用することは可能であり、更に大型のシ
ステムの場合に有利なものとなる。
【0054】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。本実施例の超電導軸受装置1は、図19に示すよう
に、環状永久磁石11とシム13とを回転体7に強固に
固定したものである。
【0055】通常、環状永久磁石11とシム13は、円
板部9に接着剤等により固定されるが、回転体7の回転
数が時には1分間に数千〜数万回転数という高速回転と
なり、このような高速回転時にはシム13が外れてしま
う虞がある。そのため、本実施例では、シム13の幅を
環状永久磁石11の幅よりも大きく形成し、ネジ23に
よる機械的な方法により、シム13および環状永久磁石
11を円板部9に固定している。また、ネジ23により
取付ける際には、非磁性体からなる押え板24を用いて
いる。すなわち、シム13の超電導体4に対面する前面
の端部には段部を形成し、押え板24には、シム13の
前記段部に係合する段部を形成し、双方の段部による係
合によりシム13が円板部9から外れない構造となって
いる。
【0056】したがって、円板部9の高速回転時におい
ても、シム13が円板部9から外れる虞を確実に阻止す
ることができる。
【0057】尚、シム13を直接ネジ止めすると、シム
13にネジ止め用の穴加工をすることとなり、この穴の
存在により磁束むらを生じてしまうので、好ましくな
い。
【0058】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。本実施例の超電導軸受装置1は、図20に示すよう
に、円板部9に径の異なる複数の環状永久磁石11、1
1を配置するとともに、これらの環状永久磁石11、1
1に、前記第4実施例の固定構造を施したものである。
【0059】これは、図21に示すように、隣接して環
状永久磁石11、11が配置され、これらの環状永久磁
石11、11の表面に連続したシム13が設置される
と、一方の環状永久磁石11から他方の環状永久磁石1
1にシム13を通って磁束が流れるので、磁束がシム1
3の表面から出ずらくなる。そうすると、超電導体4に
作用する磁束が減少して、超電導軸受装置1の載荷力が
低減するので、図21に示すような連続したシム13を
用いた場合は、超電導軸受装置を大型システムに適用で
きないことになる。
【0060】そこで、本実施例は、図20に示すよう
に、シム13と隣接する環状永久磁石11、11の間に
非磁性体を介装して、シム13により形成される磁路を
遮断することにより、各環状永久磁石11、11のシム
13から超電導体4に作用する磁束を増大させるように
したものである。本実施例でも、各シム13は押え板2
4を介してネジ23により円板部9に機械的に固定され
ており、更に押え板24は非磁性体により形成されてい
る。そのため、隣接する環状永久磁石11の間に介装さ
れる押え板24により、隣接するシム13の間の磁路が
遮断され、その結果、超電導体4に作用する磁束量が増
大して、超電導軸受装置を大型システムに適用すること
が可能となるものである。
【0061】尚、本実施例では、シム13の幅が環状永
久磁石11の幅よりも大きい場合を例に採って説明した
が、磁束の勾配を高めるために、シム13の幅を環状永
久磁石11の幅よりも小さくする構造も可能である。
【0062】次に、本発明の第6実施例について説明す
る。本実施例では、図22に示すように、環状永久磁石
11とシム13との間に非磁性層を設けることにより、
永久磁石部8の周方向における表面磁束密度の均一性を
更に向上させるものである。
【0063】すなわち、図23に試験結果を示すよう
に、環状永久磁石11とシム13との間に非磁性層がな
い場合Cと、非磁性層がある場合Dとを比較してみる
と、非磁性層がある場合には、永久磁石部8の周方向に
おける表面磁束密度のむら率が減少していることが理解
できる。この場合、非磁性層としては、現実的には数ミ
リ以内であり、空気の他、樹脂、ステンレス、アルミニ
ュウム、銅、その他のものを設けるようにしてもよい。
また、シム13が特に薄いものしか装着できない場合に
は、メッキ等により非磁性層を設けるようにしてもよ
い。
【0064】次に、本発明の第7実施例を説明する。本
実施例では、前記環状磁石の前記超電導体部との対向面
に磁束拡散部材を配設するとともに、この磁束拡散部材
には、磁気異方性を備えさせたものである。ここで、磁
束拡散部材の磁気異方性とは、磁気的な性能が方向によ
って変ることを意味している。
【0065】本実施例では、シム13に磁気異方性を備
えさせたものであり、具体的には、図24に示すよう
に、シム13内部に径方向での磁気抵抗を高くすること
により、周方向の磁束密度の均一性を向上しつつ表面磁
束密度の低下を防止したものである。
【0066】上述のように、環状永久磁石11の表面に
シム13を設置することにより周方向の磁束密度の均一
化を図ることが可能となり、更にシム13を厚くすれ
ば、より一層の均一化を高めることができる。ところ
が、シム13を厚くすれば、図25の特性Iにて示され
るように、表面磁束密度が低下してしまう。そこで、図
24に示すように、シム13に磁気異方性を備えさせる
ことにより、つまりこの例では磁気抵抗を高める非磁性
層25をシム13の径方向に設けることにより、周方向
の磁束密度の均一性を高めつつ、表面磁束密度の低下を
防止することができるようにしたものである。
【0067】図24において、11は環状永久磁石、1
3はシムを示す。シム13には、径方向に、一定間隔ご
とに非磁性層25が介装されている。各非磁性層25
は、樹脂、アルミニュウム、空気等の非磁性体により構
成され、本実施例では6層の非磁性層が環状に設けら
れ、したがってシム13は7重の環状のリングとなって
いる。尚、図中、dはシム13の分断幅、eは非磁性層
25の幅である。また、シム13には1000以上の透
磁率の磁性体が用いられ、非磁性層の透磁率は通常約1
であるため、非磁性層ではシム13に比べて透磁率がす
こぶる低く、シム13内での径方向への磁束の流れは極
めて悪くなる。その結果、環状永久磁石11からの磁束
は、シム13内を周方向には容易に流れるが、径方向に
は流れにくくなり、シム13から表面に出てくる磁束量
が多くなる。
【0068】すなわち、環状永久磁石11の表面にシム
13がない場合に比べ、シム13がある場合には、図2
6に示すように、環状永久磁石11のN極からの磁束
は、シム13内を流れてS極に戻るため、シム13表面
に出てくる磁束はシム13がない場合に比べて減少す
る。これはシム13内では磁束が径方向に流れ易いため
である。図27は、シム13がない場合(特性F)、非
磁性層25のないシム13を設けた場合(特性G)、非
磁性層25のあるシム13を設けた場合(特性H)につ
いて、シム13の表面であるE面の表面磁束分布を示す
ものであり、非磁性層25のないシム13の場合(特性
G)は、シム13がない場合(特性F)に比べ磁束密度
が減少し、非磁性層25のあるシム13を設けた場合
(特性H)は、シム13がない場合(特性F)に対して
略同程度となる。この場合、シム13には6層の非磁性
層25を設けたので、前記E面の表面磁束分布特性とし
て径方向に凹凸の脈を生ずるが、回転方向、すなわち周
方向には一様な磁束密度となり、したがって周方向にお
ける磁束密度の均一性は十分に確保されることになり、
周方向の磁束密度の均一性を向上しつつ表面磁束密度の
低下を防止することが可能となる。
【0069】尚、シム13に設ける非磁性層25として
は、シム13を径方向に分断するように設けなくとも、
図28に示すように、シム13の環状永久磁石11側の
一部を残して、断面が櫛歯状となるように非磁性層26
を設けても、上述の場合と同様な効果を十分に発揮させ
ることができる。この場合、環状永久磁石11付近にお
いては、シム13内を磁束が流れるが、シム13が飽和
するため流れる磁束は一部となり、殆どの磁束はシム1
3の表面に出てくることになる。
【0070】また、非磁性層25の層数や、シム13の
前記分断幅eと非磁性層25の幅dとの寸法の比率とし
ては、環状永久磁石11の形状等によって任意に設定す
ることが可能である。
【0071】更に、実施例において示した6層の非磁性
層とシムは、6層とも等分となるように設けたが、径方
向に対して、これら非磁性層とシムとの比率を変えても
よい。
【0072】次に、本発明の第8実施例を説明する。本
実施例では、図29、図30、図31に示すように、環
状永久磁石11の断面形状を異ならしめることにより、
表面磁束密度を向上させたものである。
【0073】図29に示すものは、前記超電導体部に対
向する前記環状磁石の表面の径方向の幅を、前記環状磁
石に対向する前記超電導体部の表面の径方向の幅と略等
しく形成するとともに、前記環状磁石の裏面の径方向の
幅を、当該環状磁石の前記表面の径方向の幅よりも大き
く形成したものである。
【0074】すなわち、本実施例において、環状永久磁
石11の表面側の幅は、前述のように超電導体4の幅と
略同一であるが、この環状永久磁石11の表面側の幅に
対し、裏面すなわち環状永久磁石11の反対側の面を、
周方向に亘って大きく形成したものである。これによ
り、環状永久磁石11からの磁束は、裏面側から表面側
に集中することになり、表面磁束密度の大幅な向上が図
られる。
【0075】図30に示すものは、図29に示す形状の
環状永久磁石11の表面に、径方向に起伏を設けた断面
構造となっている。本実施例では、断面形状が三角状の
3つの溝28が周方向に亘って設けられており、したが
って環状永久磁石11の表面には、それぞれ周方向に連
なり径が異なる4つの山が形成されている。この場合に
も、磁石の表面に磁束が集中することになるので、表面
磁束密度が大幅に向上する同様な効果が得られる。尚、
起伏の数や山の形状は任意に設定することができる。
【0076】図31に示すものは、図29に示す形状の
環状永久磁石11の表面に、磁性体からなるシム13を
設置したものである。シム13を設けることによって、
表面磁束密度の向上を図りつつ表面磁束密度の均一化を
達成することが可能となる。
【0077】尚、上記図29、図30、図31において
は、一つの環状永久磁石11を使用した場合について説
明したが、環状永久磁石11を多層化した場合でも同様
な効果を発揮することができる。
【0078】以上、シム13による表面磁束密度の均一
化の効果を中心に説明してきたが、磁石表面に付けるシ
ムの別の効果として、磁石の不可逆減磁を防ぐことが可
能となる点を上げることができる。すなわち、磁石が超
電導体のピンニング効果により浮上力を得ている状態
で、且つ、磁石が回転駆動されている状態では、磁石に
大きな減磁界が働いていることとなる。そして磁石の着
磁方向の厚みが薄く磁石のパーミアンスが小さいとき、
前記減磁界により不可逆減磁を生じてしまうことがあ
る。これに対して、前記シムは、前記減磁界を拡散し
て、磁束密度の集中を防ぎ、不可逆減磁を防ぐ働きをす
るものである。
【0079】次に、本発明の第9実施例を説明する。本
実施例は、互いに隣接し径方向に着磁された環状永久磁
石11、11を用いた場合において、磁場強度の向上を
図ったものである。すなわち、図32に示すように、互
いに径が異なりそれぞれ径方向に着磁された環状永久磁
石11、11を配置し、双方の環状永久磁石11、11
の間に軟磁性体からなる磁性体リング13Aを挟んで配
置した構造となっている。また、内周側の環状永久磁石
11と外周側の環状永久磁石11とは磁性体リング13
Aを挟んで同極が向き合っている。
【0080】このような構造においては、各環状永久磁
石11、11のN極からの磁束は、図32に矢印で示す
ように、磁性体リング13Aを通り、環状永久磁石1
1、11の表面に現れて各々の環状永久磁石11のS極
に戻る。この際、各環状永久磁石11からの磁束は、磁
性体リング13Aによって絞られるため、環状永久磁石
11の表面の磁束密度は大幅に増大する。
【0081】この場合の表面磁束分布は、図33の特性
Jで示すように、磁性体リング13Aの表面付近で磁束
密度が大きくなっている。磁束密度のピークの大きさや
ピークの幅については、磁性体リングの径方向の幅を変
化させることによって任意に可変させることが可能であ
る。
【0082】このように、本実施例においては、磁束密
度のピークを大きくすることが可能であるが、これ以外
の効果として、磁性体リング13Aにより周方向の磁束
の均一化が図られるため、前述したシムの役目を果すこ
とができる。特に、本実施例の磁性体リング13Aで
は、前述したシムとは異なり、環状永久磁石11と略同
等の厚みにすることができるため、周方向の磁束の均一
化を著しく向上させることができる。また、磁性体リン
グ13Aを介して隣接する環状永久磁石11、11の磁
極が同極となっているため、環状永久磁石11、11同
士の反発力は非常に弱まり、大型の環状永久磁石11を
用いて組立てる場合でも、組立てを容易に行なうことが
できる。
【0083】尚、本実施例では2つの環状永久磁石11
の場合について説明したが、図34に示すように、環状
永久磁石11を多重(4重)にした場合も、同様に隣接
する環状永久磁石11の極を同極にして磁性体リング1
3Aを介装すれば、同様な効果が得られる。
【0084】次に、本発明の第10実施例について説明
する。前述した第1実施例の場合は、回転体7の荷重の
全てを軸方向で受ける形式の超電導軸受装置1である
が、本実施例の超電導軸受装置1は、図35に示すよう
に、環状永久磁石11と超電導体4とが回転体7の半径
方向で互いに向き合うように配設したものである。この
例の場合は、環状永久磁石11と超電導体4を回転体7
の半径方向で互いに向き合うように配置することによ
り、環状永久磁石11と超電導体4が回転体7の軸方向
において配置することができない場合にも実施が可能と
なり、これにより超電導軸受装置1全体を偏平な構造と
することができる。また、回転体7を周囲で支持する力
が強められることとなり、その結果、回転体7の軸倒れ
や偏心回転を確実に回避することができる。
【0085】尚、本実施例のように、環状永久磁石11
と超電導体4を半径方向で向き合う配置に加えて、前記
第1実施例のような半径方向で向き合う環状永久磁石1
1と超電導体4の配置を組み合わせることも可能であ
り、このように構成することにより双方の効果を得るこ
とができる。また、環状永久磁石11は、1重に限らず
同心状に複数重ねて配設する構造にしてもよい。
【0086】次に、本発明の第11実施例について説明
する。本実施例では、図36に示すように、回転体7の
軸心に対して所定の角度を有して、環状永久磁石11と
超電導体4とを対面させるように双方を配置することに
より、回転体7の半径方向と軸方向との支持力を、最小
限一組の環状永久磁石11と超電導体4とで兼用するこ
とができるように構成したものである。そのため、本実
施例では、図36に示すように、円板部9の下側隅部に
環状永久磁石11が設けられ、回転体7の軸心に対して
略45゜傾いて対面するように、超電導体4がハウジン
グ2に設けられている。したがって、最小限一組の環状
永久磁石11と超電導体4によっても、回転体7の重量
を支持することができるとともに、回転体7の軸倒れや
偏心回転を確実に阻止することができる。尚、環状永久
磁石11は、1重に限らず同心状に複数重ねて配設する
構造にしてもよい。
【0087】次に、本発明の第12実施例を説明する。
本実施例では、超電導軸受装置1の軸受としての安定性
をさらによくするため、環状永久磁石を併用することに
より、軸方向と周方向との両方向の支持力を高めたもの
である。
【0088】すなわち、本実施例では、図37に示すよ
うに、環状永久磁石11が超電導体4と回転体7の半径
方向で向き合うように、複数の環状永久磁石11、11
を隣接させて配設し、更に隣接する環状永久磁石11、
11の同極が向き合う構造となし、これらの環状永久磁
石11、11に対して径方向と軸方向においてそれぞれ
向き合う超電導体4Aと4Bとを配置したものである。
【0089】そして、複数の環状永久磁石11、11の
配置は、上述した図32、図34に示すような配置構造
となっており、径方向で超電導体4Aと向き合う環状永
久磁石11の表面にはシム13を設置し、双方の環状永
久磁石11の間には上述した磁性体リング13Aが介装
されている。
【0090】したがって、径方向で向き合う超電導体4
A、シム13、環状永久磁石11によりラジアル軸受を
構成し、また、軸方向で向き合う超電導体4Bと環状永
久磁石11、磁性体リング13Aによりスラスト軸受が
構成され、環状永久磁石11、11を双方の軸受に兼用
することが可能となる。その結果、部品点数の削減を図
ることが可能になるとともに、軸方向と周方向との両方
向の支持力が強力となって、回転体7の軸倒れや偏心回
転が阻止され、また、載荷力に優れた効果を発揮する。
これにより、大型のシステムに好適な超電導軸受装置を
実現することが可能となる。
【0091】尚、上述した実施例1ないし12におい
て、超電導軸受装置は超電導体部5が固定体部Bに、磁
石部8が回転体部Aに、それぞれ設けらている構造につ
いて説明したが、本発明は、逆に超電導体部5が回転体
部Aに、磁石部8が固定体部Bに、それぞれ設けられる
構造であっても同様な作用効果を奏することができるも
のである。また、実施例では、磁石にPr磁石を用いた
例のみ示したが、本発明はこれに限られず、他の全ての
永久磁石を使用することができることは勿論であり、更
に、電磁石、超電導コイル等、磁束を発生するもの全て
が適用可能であり、加えて、ピンニング効果により磁束
が封じ込められたいわば超電導体そのものを、回転体
部、固定体部に設置する磁石として、使用することもで
きるものである。
【0092】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、この種
の超電導軸受装置において、前記環状磁石の前記超電導
体部との対向面に磁束拡散部材を配設しているので、環
状磁石による円周方向の磁束むらが低減し、円周方向に
おける表面磁束密度の均一性が向上する。そして本発明
は、前記環状磁石が、複数の永久磁石を周方向に接合し
て構成されているので、とりわけ環状磁石を一体成形す
ることができないような大型の装置に用いられる。
【0093】更に、本発明は、前記環状磁石を、径の異
なる二つの環状磁石を隣接して構成するとともに、これ
ら一組の環状磁石に、磁束の向きが互いに斜めに向き合
う方向に着磁しているので、環状磁石による磁場強度が
より一層増大する。
【0094】そして、前記環状磁石を、径の異なる二つ
の環状磁石を隣接するとともに、各々の環状磁石を、複
数の磁石を周方向に接合して構成し、前記二つ一組の環
状磁石に、磁束の向きが互いに斜めに向き合う方向に着
磁し、前記一組の環状磁石の前記超電導体部との対向面
に磁束拡散部材を配設しているので、環状磁石による円
周方向の磁束むらを低減して円周方向における表面磁束
密度の均一性が向上し、加えて、環状磁石による磁場強
度がより一層増大する。
【0095】また、本発明は、前記環状磁石の前記超電
導体部との対向面に磁束拡散部材を配設し、前記環状磁
石と磁束拡散部材との間に非磁性層を設けているので、
円周方向における表面磁束密度の均一性が更に向上す
る。
【0096】一方、本発明は、前記環状磁石の前記超電
導体部との対向面に磁束拡散部材を配設し、この磁束拡
散部材は、磁気異方性を備えているので、円周方向の磁
束密度の均一性が向上し、表面磁束密度の低下も防止さ
れる。
【0097】他方、本発明は、前記磁束拡散部材内に、
径方向に磁気抵抗が高くなる磁気抵抗層を設けているの
で、環状磁石からの磁束は、磁束拡散部材内を周方向に
は容易に流れるが、径方向には流れにくくなり、磁束拡
散部材から表面に出てくる磁束量が多くなり、そしてこ
の磁束拡散部材に磁気異方性を備えさせているので、円
周方向の磁束密度の均一性が向上し、表面磁束密度の低
下も防止される。
【0098】加えて本発明は、前記超電導体部に対向す
る前記環状磁石の表面の径方向の幅を、前記環状磁石に
対向する前記超電導体部の表面の径方向の幅と略等しく
形成するとともに、前記環状磁石の裏面の径方向の幅
を、当該環状磁石の前記表面の径方向の幅よりも大きく
形成しているので、環状磁石からの磁束は裏面側から表
面側に集中することになり、表面磁束密度の大幅な向上
が図られる。
【0099】更に、本発明は、前記環状磁石として、径
が異なり径方向に同極が対面するよう着磁された少なく
とも2以上の環状磁石を配置し、隣接する環状磁石の間
に空気層または固体部材を設けて構成され、例えば前記
隣接する環状磁石の間に、磁性体により形成された磁性
体リングを介装したので、より一層の磁場強度の向上が
図られる。
【0100】このように、本発明は、この種の超電導軸
受装置において、環状磁石による円周方向の磁束むらを
低減して円周方向における表面磁束密度の均一性が向上
し、また、環状磁石による磁場強度がより一層増大する
ものであるから、高速回転を必要とする流体機械や工作
機械、余剰電力をフライホイールの運動エネルギーに変
換して貯蔵する電力貯蔵装置、とりわけ載荷力を要求さ
れる大型のシステムに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係り、超電導軸受装置を
示す図2中のI−I矢視断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係り、永久磁石部の底面
を示す図1中のII−II矢視図である。
【図3】本発明の第1実施例に係り、永久磁石部の要部
を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係り、シム13の厚さと
磁束密度のむら率との関係を示す特性である。
【図5】本発明の第1実施例に係り、シム13の幅と表
面磁束密度との関係を示す特性である。
【図6】本発明の第1実施例に係り、回転角度と表面磁
束密度との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例に係り、シムを示す永久磁
石部の縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施例に係り、シムを示す永久磁
石部の縦断面図である。
【図9】本発明の第2実施例に係り、永久磁石部の要部
の縦断面図である。
【図10】本発明の第2実施例に係り、環状永久磁石の
縦断面図である。
【図11】本発明の第2実施例に係り、環状永久磁石の
縦断面図である。
【図12】本発明の第2実施例に係り、環状永久磁石の
縦断面図である。
【図13】本発明の第2実施例に係り、環状永久磁石の
縦断面図である。
【図14】本発明の第2実施例に係り、環状永久磁石の
表面磁束密度の特性図である。
【図15】本発明の第2実施例に係り、環状永久磁石の
縦断面図である。
【図16】本発明の第2実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図17】本発明の第2実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図18】本発明の第3実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図19】本発明の第4実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図20】本発明の第5実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図21】本発明の第5実施例に係り、シム内の磁束の
流れを示す永久磁石部の要部の縦断面図である。
【図22】本発明の第6実施例に係り、永久磁石部およ
び超電導体部の縦断面図である。
【図23】本発明の第6実施例に係り、環状永久磁石の
幅方向の表面磁束密度を示す特性図である。
【図24】本発明の第7実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図25】本発明の第7実施例に係り、表面磁束密度と
シムの厚さとの関係を示す特性図である。
【図26】本発明の第7実施例に係り、磁束の流れを示
す概略図である。
【図27】本発明の第7実施例に係り、表面磁束密度の
分布特性図である。
【図28】本発明の第7実施例に係り、永久磁石部の他
の態様例を示す縦断面図である。
【図29】本発明の第8実施例に係り、永久磁石部の縦
断面図である。
【図30】本発明の第8実施例に係り、永久磁石部の他
の態様例を示す縦断面図である。
【図31】本発明の第8実施例に係り、永久磁石部のそ
の他の態様例を示す縦断面図である。
【図32】本発明の第9実施例に係り、永久磁石部を示
す縦断面図である。
【図33】本発明の第9実施例に係り、表面磁束密度を
示す特性図である。
【図34】本発明の第9実施例に係り、永久磁石部の他
の態様例を示す縦断面図である。
【図35】本発明の第10実施例に係り、超電導軸受装
置を示す縦断面図である。
【図36】本発明の第11実施例に係り、超電導軸受装
置を示す縦断面図である。
【図37】本発明の第12実施例に係り、超電導軸受装
置を示す縦断面図である。
【図38】従来例に係り、超電導軸受装置の縦断面図で
ある。
【図39】従来例に係り、永久磁石部の縦断面図であ
る。
【図40】従来例に係り、永久磁石部の縦断面図であ
る。
【図41】従来例に係り、永久磁石部の底面を示す図3
8中のIII−III矢視図である。
【図42】従来例に係り、回転角度と表面磁束密度の関
係を示す特性図である。
【図43】従来例に係り、環状永久磁石の幅の表面磁束
密度を示す特性図である。
【符号の説明】
1 超電導軸受装置 3 支持体 4 超電導体 5 超電導体部 7 回転体 8 磁石部 11A,11B 環状磁石 13 磁束拡散部材(シム) A 回転体部 B 固定体部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下田 達也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 今泉 寛 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 樋笠 博正 香川県高松市木太町2911番地5 (72)発明者 石川 文彦 香川県高松市木太町7区2869−4 (56)参考文献 欧州特許出願公開467341(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 32/04

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体部および固定体部の一方に装着さ
    れる超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて構
    成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超
    電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成さ
    れ、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環
    状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導体
    部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装置
    において、 前記環状磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部
    材を配設したことを特徴とする超電導軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記環状磁石と前記超電導体部とが、前
    記回転体の軸心方向で向き合うように配設されたことを
    特徴とする請求項1記載の超電導軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記環状磁石と前記超電導体部とが、前
    記回転体の半径方向で向き合うように配設されたことを
    特徴とする請求項1記載の超電導軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記環状磁石が、複数の永久磁石を周方
    向に接合して構成されたことを特徴とする請求項1、2
    または3記載の超電導軸受装置。
  5. 【請求項5】 回転体部および固定体部の一方に装着さ
    れる超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて構
    成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超
    電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成さ
    れ、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環
    状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導体
    部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装置
    において、 前記環状磁石を、径の異なる二つの環状磁石を隣接して
    構成するとともに、これら一組の環状磁石に、磁束の向
    きが互いに斜めに向き合う方向に着磁したことを特徴と
    する超電導軸受装置。
  6. 【請求項6】 回転体部および固定体部の一方に装着さ
    れる超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて構
    成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超
    電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成さ
    れ、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環
    状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導体
    部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装置
    において、 前記環状磁石を、径の異なる二つの環状磁石を隣接する
    とともに、各々の環状磁石を、複数の磁石を周方向に接
    合して構成し、前記二つ一組の環状磁石に、磁束の向き
    が互いに斜めに向き合う方向に着磁し、前記一組の環状
    磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部材を配設
    したことを特徴とする超電導軸受装置。
  7. 【請求項7】 回転体部および固定体部の一方に装着さ
    れる超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて構
    成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超
    電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成さ
    れ、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環
    状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導体
    部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装置
    において、 前記環状磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部
    材を配設し、前記環状磁石と磁束拡散部材との間に非磁
    性層を設けたことを特徴とする超電導軸受装置。
  8. 【請求項8】 回転体部および固定体部の一方に装着さ
    れる超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて構
    成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる超
    電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成さ
    れ、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする環
    状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導体
    部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装置
    において、 前記環状磁石の前記超電導体部との対向面に磁束拡散部
    材を配設し、この磁束拡散部材は、磁気異方性を備えて
    いることを特徴とする超電導軸受装置。
  9. 【請求項9】 前記磁束拡散部材内に、径方向に磁気抵
    抗が高くなる磁気抵抗層を設けて、この磁束拡散部材に
    磁気異方性を備えさせたことを特徴とする請求項8記載
    の超電導軸受装置。
  10. 【請求項10】 回転体部および固定体部の一方に装着
    される超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて
    構成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる
    超電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成
    され、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする
    環状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導
    体部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装
    置において、 前記超電導体部に対向する前記環状磁石の表面の径方向
    の幅を、前記環状磁石に対向する前記超電導体部の表面
    の径方向の幅と略等しく形成するとともに、前記環状磁
    石の裏面の径方向の幅を、当該環状磁石の前記表面の径
    方向の幅よりも大きく形成したことを特徴とする超電導
    軸受装置。
  11. 【請求項11】 前記環状磁石の前記超電導体部に対向
    する側に、円周方向に沿う溝を設けたことを特徴とする
    請求項10記載の超電導軸受装置。
  12. 【請求項12】 前記環状磁石の対向面に、磁束拡散部
    材を設けたことを特徴とする請求項10または11記載
    の超電導軸受装置。
  13. 【請求項13】 回転体部および固定体部の一方に装着
    される超電導体部と他方に装着される磁石部とを備えて
    構成され、前記超電導体部は、前記磁石部を浮上させる
    超電導体と、この超電導体を支持する支持体とから構成
    され、前記磁石部は、前記回転体部の軸心を同心とする
    環状磁石を備えて構成され、この環状磁石と前記超電導
    体部とを間隔を設けて対向させて設置した超電導軸受装
    置において、 前記環状磁石として、径が異なり径方向に同極が対面す
    るよう着磁された少なくとも2以上の環状磁石を配置
    るとともに、これらの環状磁石は、複数の永久磁石を周
    方向に接合して構成され、 更に、隣接する環状磁石の間に、磁性体により形成され
    た磁性体リングを介装したこと を特徴とする超電導軸受
    装置。
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